JP2012023823A - 回転電機の回転子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータコアにロータシャフトを圧入固定する方式を採用したステップスキューロータにおいて、ロータコア−ロータシャフト間の固定強度を向上させる。
【解決手段】いわゆるステップスキュー構造を有するロータにて、ロータコアに設けたシャフト圧入部31の設置角θhをステップ角θstepよりも小さくする(θstep>θh)。また、各ロータコアをステップ角θstepずつずらしてロータシャフトに取り付けたとき、各段のシャフト圧入部31が周方向に重複することなく配置されるようにシャフト圧入部31を設ける。その際、隣接するシャフト圧入部31間の角度間隔をピッチ角θpとしたとき、ピッチ角θpがステップ角θstepの(N−1)倍と等しくなく(θp≠θstep×(N−1))、かつ、ステップ角θstepがピッチ角θpのn倍(nは整数)と等しくない(θstep≠θp×n)設定とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、モータ等の回転電機に使用される回転子に関し、特に、ステップスキュー構造を有する回転子におけるロータコアの固定技術に関する。
従来より、ブラシレスモータでは、コギングやトルクリップルを低減させるため、ロータ磁極等を軸方向に傾斜させるスキュー構造が広く行われている。このようなスキュー構造のブラシレスモータとしては、マグネット自体にスキュー着磁を行うものの他、特許文献1,2のような、マグネットの段積みによるいわゆるステップスキュー構造が知られている。このステップスキュー構造のモータでは、セグメントマグネットが軸方向に複数列配されると共に、各列のマグネットは、周方向に所定角度ずつずらして配置される。これにより、磁極が軸方向に沿って段階的にずれた形となり、ステップスキュー構造が形成される。
一方、ステップスキュー構造のモータでは、鋼板を積層して形成したロータコアと呼ばれる部材にロータシャフトを圧入固定することにより、回転子(ロータ)を形成している。図10は、ロータコア51の構成を示す説明図である。図10に示すように、ロータコア51には、ロータシャフト52が圧入される中心孔53が形成されている。中心孔53の周縁部は凹凸形状となっており、中心方向に向かって凸となった圧入部54が周方向に沿って複数個(ここでは等分に6個)設けられている。圧入部54の内径は、ロータシャフト52の内径よりも若干小さくなっている。ロータコア51は、この圧入部54にロータシャフト52を圧入することにより、ロータシャフト52に固定される。
特開2009-213285号公報 特開2009-213286号公報
ロータコアの固定に際し、前述のような圧入方式を採用すると、シャフトにローレットを切ってロータコアを固定する方法よりも同軸度が出易く、また、丸孔と丸棒による丸同士の圧入に比して圧入荷重の調整がし易く寸法管理も緩和される。ところが、ステップスキュー構造のロータ(以下、ステップスキューロータと略記する)にこの圧入固定方式を採用すると、複数個のコアを所定角度ずつ周方向に回転させた状態でロータシャフトを圧入する形となるため、各段の圧入部がオーバーラップした状態となる可能性がある。図11は、ステップスキューロータにおけるロータシャフトのコア圧入痕を示す説明図、図12は、ロータシャフト圧入時の圧入荷重の変化を示す説明図である。
図11に示すように、ステップスキューロータでは、ロータコア51a〜51cにロータシャフト52を圧入する過程において、ロータシャフト52に、ロータコア51aによって圧入痕A、ロータコア51bによって圧入痕B、ロータコア51aによって圧入痕Cがそれぞれ形成される。この場合、ロータコア51aへの圧入によりまず圧入痕Aが形成され、それにオーバーラップする形で、ロータコア51bへの圧入により圧入痕Bが形成される。さらに、ロータコア51cへの圧入により、圧入痕Bにオーバーラップする形で圧入痕Cが形成される。
従って、ロータコア51b,51cには、それぞれ、既に圧入痕A,Bが存在する状態のロータシャフト52が圧入されることになる。このため、ロータシャフト52を圧入する際の圧入荷重は、図12に示すように、最初のロータコア51aのとき(1段目)が最も大きく、ロータコア51b,51cへの圧入時(2,3段目)は、1段目に比べると圧入荷重の増加量が小さくなる。つまり、ロータコア51b,51cの圧入部には、一部が既に削られた状態のロータシャフト52が圧入されるため、その部分では、ロータコア51aに比して圧入代が減少し、圧入荷重も低下する。このため、ロータコア51b,51cは、ロータコア51aよりも圧入固定力が小さくなり、その分、ロータコアのねじり強度(ねじりトルクに対する固定強度)が低下するという問題があった。
本発明の目的は、ロータコアにロータシャフトを圧入固定する方式を採用したステップスキューロータにおいて、ロータコアとロータシャフトの間の固定強度を向上させることにある。
本発明の回転電機の回転子は、ロータシャフトと、該ロータシャフトが圧入固定されるロータコアとを備え、該ロータコアは、軸方向に沿って複数個に分割形成されると共に、分割形成された前記各ロータコアが、所定のステップ角θstepずつ周方向にずれた状態で前記ロータシャフトに複数段配置される回転電機の回転子であって、前記ロータコアは、前記ロータシャフトの外径よりも小径に形成されたシャフト圧入部を備え、前記シャフト圧入部は、前記ステップ角θstepよりも小さい角度幅の設置角θhにて周方向に沿って複数個形成され、かつ、該シャフト圧入部は、前記各ロータコアを前記ステップ角θstepずつ周方向にずらして前記ロータシャフトに取り付けたとき、各段の前記シャフト圧入部が周方向に重複することなく配置されるように設けられることを特徴とする。
本発明にあっては、ロータコア各段のシャフト圧入部がオーバーラップしないので、ロータコアは、各段均一な状態にてロータシャフトに圧入固定される。従って、ロータコアの固定強度が段を追って低下することがなく、そのバラツキも抑えられ、ステップスキューロータにおけるロータコア−ロータシャフト間の固定強度を向上させることが可能となる。
本発明の他の回転電機の回転子は、ロータシャフトと、該ロータシャフトが圧入固定されるロータコアとを備え、該ロータコアは、軸方向に沿って複数個に分割形成されると共に、分割形成された前記各ロータコアが、所定のステップ角θstepずつ周方向にずれた状態で前記ロータシャフトに複数段配置される回転電機の回転子であって、前記ロータコアは、前記ロータシャフトの外径よりも小径に形成されたシャフト圧入部を備え、前記シャフト圧入部の角度幅を設置角θh、隣接する前記シャフト圧入部間の角度間隔をピッチ角θpとするとき、前記設置角θhが、前記ステップ角θstepよりも小さく(θstep>θh)、前記ピッチ角θpが、前記ステップ角θstepの(N−1)倍と等しくなく(θp≠θstep×(N−1))、かつ、前記ステップ角θstepが、前記ピッチ角θpのn倍(nは整数)と等しくない(θstep≠θp×n)ことを特徴とする。
本発明にあっては、前述のような設定を採用することにより、ロータコア各段のシャフト圧入部のオーバーラップを回避することができ、ロータコアは、各段均一な状態にてロータシャフトに圧入固定される。従って、ロータコアの固定強度が段を追って低下することがなく、そのバラツキも抑えられ、ステップスキューロータにおけるロータコア−ロータシャフト間の固定強度を向上させることが可能となる。
本発明の他の回転電機の回転子は、ロータシャフトと、該ロータシャフトが圧入固定されるロータコアとを備え、該ロータコアは、軸方向に沿って複数個に分割形成されると共に、分割形成された前記各ロータコアが、所定のステップ角θstepずつ周方向にずれた状態で前記ロータシャフトにN段配置される回転電機の回転子であって、前記ロータコアは、前記ロータシャフトの外径よりも小径に形成されたシャフト圧入部を備え、前記シャフト圧入部の角度幅を設置角θh、隣接する前記シャフト圧入部間の角度間隔をピッチ角θpとするとき、前記設置角θhが、前記ステップ角θstepよりも小さく(θstep>θh)、前記ピッチ角θpが、前記設置角θhのN倍よりも小さい(θp<θh×N)ことを特徴とする。
本発明にあっては、前述のような設定を採用することにより、ロータコア各段のシャフト圧入部のオーバーラップを回避することができ、ロータコアは、各段均一な状態にてロータシャフトに圧入固定される。従って、ロータコアの固定強度が段を追って低下することがなく、そのバラツキも抑えられ、ステップスキューロータにおけるロータコア−ロータシャフト間の固定強度を向上させることが可能となる。
前記回転電機の回転子において、前記ロータシャフトに、前記ロータコアを2〜4段配置するようにしても良い。
本発明の回転電機の回転子によれば、いわゆるステップスキュー構造を有する回転電機の回転子にて、ロータコアに設けたシャフト圧入部の設置角θhをステップ角θstepよりも小さくすると共に、このシャフト圧入部を、各ロータコアをステップ角θstepずつずらしてロータシャフトに取り付けたとき、各段のシャフト圧入部が周方向に重複することなく配置されるように設けたので、ロータシャフト圧入時におけるロータコア各段のシャフト圧入部のオーバーラップを回避することが可能となる。従って、ロータコアを、各段均一な状態にて、ロータシャフトに圧入固定することができ、ステップスキューロータにおけるロータコア−ロータシャフト間の固定強度を向上させることが可能となる。
本発明の一実施例である回転子を用いたブラシレスモータの断面図である。 図1のモータにおけるステータの構成を示す説明図である。 ロータの構成を示す説明図である。 図3の側面図(一部破断)である。 ロータ側のスキュー角についての説明図である。 ロータコアにおける圧入部の構成を示す説明図である。 (a)は、本発明の設定により、3段(N=3)のロータコアにロータシャフトを圧入した場合のθstep,θh,θpの関係を示す説明図、(b)は、その際にロータシャフトに生じる圧入痕の様子を示す説明図である。 θstep,θh,θpを条件(a)〜(c)に設定した場合のロータシャフト圧入荷重の変化を示すグラフである。 (a)〜(c)の設定にて取り付けたロータコア各段のねじり強度を示すグラフである。 ロータコアの構成を示す説明図である。 従来のステップスキューロータにおけるロータシャフトのコア圧入痕を示す説明図である。 従来のステップスキューロータにおけるロータシャフト圧入時の圧入荷重の変化を示す説明図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例である回転子を用いたブラシレスモータの断面図である。図1に示すように、ブラシレスモータ1(以下、モータ1と略記する)は、外側にステータ(固定子)2、内側にロータ(回転子)3を配したインナーロータ型のブラシレスモータとなっている。モータ1は、例えば、コラムアシスト式の電動パワーステアリング装置(EPS)の動力源として使用され、自動車のステアリングシャフトに対し動作補助力を付与する。モータ1は、ステアリングシャフトに設けられた減速機構部に取り付けられ、モータ1の回転は、この減速機構部によってステアリングシャフトに減速されて伝達される。
ステータ2は、有底円筒形状のケース4と、ステータコア5、ステータコア5に巻装されたステータコイル6(以下、コイル6と略記する)及びステータコア5に取り付けられるバスバーユニット(端子ユニット)7とから構成されている。ケース4は、鉄等にて有底円筒状に形成されており、その開口部には、図示しない固定ネジによってアルミダイキャスト製のブラケット8が取り付けられる。
ステータコア5は、図2に示すように、複数個(ここでは9個)の分割コア9を周方向に集成した構成となっている。ステータコア5には、9個のティース5aが径方向内側に向かって突設されている。ステータコア5の先端には、2n個の溝5bが(ここでは2個)が形成されており、擬似スロット効果によるコギング低減が図られている。分割コア9は、電磁鋼板からなるコアピースを積層して形成され、その周囲には合成樹脂製のインシュレータ11が取り付けられている。
インシュレータ11の外側にはコイル6が巻装され、ステータコア5の一端側には、コイル6の端部6aが引き出されている。ステータコア5の一端側には、合成樹脂製の本体部内に銅製のバスバーがインサート成形されたバスバーユニット7が取り付けられる。バスバーユニット7の周囲には複数個の給電用端子12が径方向に突設されており、バスバーユニット7の取り付けに際し、コイル端部6aは、この給電用端子12と溶接される。バスバーユニット7では、バスバーはモータ1の相数に対応した個数(ここでは、U相,V相,W相分の3個)設けられており、各コイル6はその相に対応した給電用端子12と電気的に接続される。ステータコア5は、バスバーユニット7を取り付けた後、ケース4内に圧入固定される。
ステータ2の内側にはロータ3が挿入されている。図3はロータ3の構成を示す説明図、図4は図3の側面図(一部破断)である。ロータ3はロータシャフト13を有しており、ロータシャフト13はベアリング14a,14bによって回転自在に支持されている。ベアリング14aはケース4の底部中央に、ベアリング14bはブラケット8の中央部にそれぞれ固定されている。ロータシャフト13には、円筒形状のロータコア15a〜15cが圧入固定されている。
ロータコア15a〜15cの外周には、セグメントタイプのマグネット(永久磁石)16a〜16cが取り付けられている。マグネット16a〜16cの外側には、合成樹脂製のマグネットホルダ17a〜17cが取り付けられている。図4に示すように、マグネット16a〜16cは、マグネットホルダ17a〜17cに保持される形でロータコア15a〜15cの外周に配される。モータ1では、マグネット16a〜16cは、各マグネットホルダ17a〜17cによって軸方向に3列配置されている。また、マグネット16a〜16cは、周方向に沿って6個配置されており(6個×3列)、モータ1は、6極9スロット構成となっている。
マグネットホルダ17a〜17cにはそれぞれ、ホルダアーム19が軸方向に向かって突設されている。マグネット16a〜16cは、隣接するホルダアーム19間に挟持される形で、ロータコア15a〜15cの外周面上に保持される。ホルダアーム19は、ロータコア15a〜15cの外周に形成された位置決め溝(ホルダ位置決め部)20に嵌合し、これにより、ロータコア15a〜15cとマグネット16a〜16cの位置関係が決定される。マグネット16a〜16cの外側には、有底円筒形状のマグネットカバー18が取り付けられている。なお、図3は、マグネットカバー18を外した状態のロータ3の構成を示している。
マグネットホルダ17aの端部には、回転角度検出手段であるレゾルバ21のロータ(レゾルバロータ)22が取り付けられている。これに対し、レゾルバ21のステータ(レゾルバステータ)23は、金属製のレゾルバホルダ24内に圧入され、合成樹脂製のレゾルバブラケット25に収容されている。レゾルバホルダ24は有底円筒形状に形成されており、ブラケット8の中央部に設けられたリブ26の端部外周に軽圧入される。レゾルバブラケット25とブラケット8には、金属製の雌ネジ部27がインサートされており、雌ネジ部27には、ブラケット8の外側から取付ネジ28がねじ込まれる。これにより、レゾルバホルダ24がブラケット8の内側に固定される。
図3に示すように、ロータ3は、マグネット16a〜16cを3列配置した3段積のステップスキュー構造となっている。各列のマグネット16a〜16cは、隣接列の同極性マグネットが、周方向に所定のステップ角θstep(隣接列のマグネット中心間角度)ずつずれた位置関係で取り付けられている。図5は、ロータ3側のスキュー角についての説明図である。
図5に示すように、ステップスキュー構造においては、マグネット16a〜16cの中心点C1〜C3(周方向・軸方向共)を結び、このC1〜C3を結ぶ線Lとマグネット16a,15cの端部との交点をP1,P2としたとき、P1,P2間の回転中心Oに対する中心角がマグネットスキュー角θmとなる。従って、マグネット16a,16b間、マグネット16b,16c間のステップ角θstepは、それぞれ、C1,C2、C2,C3間の回転中心Oに対する中心角となる。また、C1,P1間、C3,P2間の中心角は、それぞれ、ステップ角θstepの半分(θstep/2)となる。このため、スキュー角θmは、θstep×(段積み数−1)+(θstep/2)×2=θstep×段積み数となる。
一方、このようなステップスキュー構造のロータ3では、ロータコア15a〜15cにロータシャフト13を順次圧入し、シャフト上の所定位置に固定する。その際、ロータシャフト13には、各コアの圧入痕が形成される。前述のように、従来のロータでは、この圧入痕がオーバーラップし、ロータコア15a〜15cの固定強度が低下するおそれがあった。これに対し、本発明によるロータ3では、ロータコア15a〜15cに設けた圧入部をステップ角θstepに合わせて調整することにより、圧入痕のオーバーラップを回避し、固定強度の低下を防止している。
図6は、ロータコア15aにおける圧入部の構成を示す説明図である。なお、他のロータコア15b,15cも同様の構成となっている。図6に示すように、当該ロータ3のロータコア15a〜15cにも、従来のロータコア51と同様に、圧入部(シャフト圧入部)31が複数個(ここでは6個)等分に設けられている。圧入部31の内径D1は、ロータシャフト13の外径D2よりも若干小さくなっている(D1<D2)。隣接する圧入部31は、角度θp(ピッチ角)間隔にて設けられている。また、圧入部31の内径D1がD2よりも小さい部分、すなわち、実際にロータシャフト13に圧入されるシャフト接触部位(有効圧入部X)の角度幅はθh(設置角:Xの中心角)となっている。
このようなロータコア15a〜15cについて、当該ロータ3では、θstepとθh,θpとの間には、次のような関係が成り立つように設定されている。
(1)θstep>θh
(2)θp≠θstep×(N−1) かつ θstep≠θp×n
N:ステップ段数(2〜4:ここでは3)
n:整数
まず、上式(1)は、各段のロータコア15a〜15c間で、圧入部31同士がオーバーラップするのを回避するための条件である。つまり、圧入部31の設置角θhがステップ角θstepよりも大きいと、ロータコアをθstepだけずらして配置したとき、隣接段のロータコアの圧入部31が重複してしまうため、(1)の条件により、それを回避している。
次に、上式(2)は、ロータコアをθstepにてステップ配置したとき、各段の圧入部31が重なり、同じ圧入範囲となってしまうのを避けるための条件である。つまり、ロータコアを周方向にθstepずらして配置したとき、次段の圧入部31がちょうどθstepだけずれて前段の圧入部31と同じ位置に来ないようにする条件である。この場合、式(2)の前式は、θstep<θpの場合に各段の圧入部31が重ならない条件であり、後式は、θstep>θpの場合に各段の圧入部31が重ならない条件である。なお、前式において(N−1)となっているのは、ステップ段数(ロータコアの段積み数)に対して、ロータコアは(N−1)回だけずらして取り付けられるためである。
一方、これらの条件は、換言すれば、圧入部31の設置間隔(ピッチ)θpの中に、N個の圧入部31(角度θh)を重複することなく配置できるような条件となっている。一般に、θstepはθpに比して小さく、ステップ段数は2〜4が現実的なため、ロータコアのステップ配置に際しては、圧入部31は、θpの範囲内で周方向にθstepずつずれて配される。従って、θpの中に、段数分の圧入部31(設置角θh)を重複することなく配置できれば、圧入部31同士のオーバーラップを回避できる。つまり、式(1)の条件を満たしつつ、θp>θh×Nとなれば、圧入部同士の重複は生じない。
図7(a)は、本発明の設定により、3段(N=3)のロータコア15a〜15cにロータシャフト13を圧入した場合のθstep,θh,θpの関係を示す説明図、図7(b)は、その際にロータシャフト13に生じる圧入痕32の様子を示す説明図である。図7(a)に示すように、本発明のロータ3においては、θstepずつずれて配置される各段(I〜III)の圧入部31が、θpの範囲にて重複することなく配され、これにより、圧入部31同士のオーバーラップを回避している。このとき、各段(I〜III)の圧入痕32A〜32C)は、図7(b)に示すように、重複することなく、各々独立した形で形成される。すなわち、各ロータコア15a〜15cは、同じ圧入代にてロータシャフト13に固定される。
そこで、上述のような条件を考慮してロータシャフト13の圧入実験を行ったところ、図8,9の結果が得られた。図8は、θstep,θh,θpを、次の(a)〜(c)のように設定した場合における、ロータシャフト13の圧入荷重の変化を示すグラフである。図9は、(a)〜(c)の設定にて取り付けたロータコア各段(I〜III:図8参照)のねじり強度を示すグラフである。なお、(a)〜(c)では、前述のモータ1と同様に、N=3とし、各場合の圧入代は同一とした。
(a)θstep=7°,θh=10°,θp=60°(従来の設定)
(b)θstep=7°,θh=6° ,θp=60°(本発明による設定)
(c)θstep=7°,θh=3° ,θp=60°(本発明による設定)
ここで、(a)のような従来の設定では、圧入部に3°分のオーバーラップが生じる。このため、図8から分かるように、(a)では、2段目以降の圧入荷重の低下が著しい。すなわち、I段目(図8参照)の圧入荷重が840Nであるのに対し、II段目,III段目に入ったときの圧入荷重の増加は、それぞれ+780N,+580Nに留まっており、段を追って低下している。これに比して、(b),(c)の設定では、圧入荷重の低下は見られず、各段ごとに、それぞれ+850N程度の圧入荷重の増加が見られる。また、図9を見ると、(a)の設定では、III→II→I段目と、段を追ってねじり強度が低下しているのに対し、(b),(c)の設定では、各段のねじり強度にほとんど差異はない。
このような(a)と(b),(c)との違いは、圧入部のオーバーラップの有無によるものと考えられ、オーバーラップが生じない設定とした(b),(c)では、ロータコアのねじり強度は大きいまま維持され、しかも、各段均一な状態となっている。すなわち、ロータコアの固定強度が段を追って低下することがなく、そのバラツキも少ない。従って、本発明による設定を採用したロータでは、ステップスキュー構造を採用しつつも、ロータコア各段の固定状態を均一化できる。これにより、ロータコアとロータシャフトの間の固定強度を向上させることが可能となり、モータの信頼性向上が図られる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例では、コラムアシスト式のEPSに使用されるブラシレスモータを示したが、他の方式のEPS用モータにも本発明は適用可能である。加えて、EPSや各種車載電動品用のモータのみならず、本発明は、広くブラシレスモータ一般にも適用可能である。また、前述の実施例では、マグネットを6個用いた6極9スロットのブラシレスモータに本発明を適用した例を示したが、モータのマグネットやスロットの構成はこれには限定されない。加えて、本発明は、発電機等のモータ以外の回転電機にも適用可能である。
1 ブラシレスモータ
2 ステータ
3 ロータ
4 ケース
5 ステータコア
5a ティース
5b 溝
6 ステータコイル
6a コイル端部
7 バスバーユニット
8 ブラケット
9 分割コア
11 インシュレータ
12 給電用端子
13 ロータシャフト
14a,14b ベアリング
15a〜15c ロータコア
16a〜16c マグネット
17a〜17c マグネットホルダ
18 マグネットカバー
19 ホルダアーム
21 レゾルバ
22 レゾルバロータ
23 レゾルバステータ
24 レゾルバホルダ
25 レゾルバブラケット
26 リブ
27 雌ネジ部
28 取付ネジ
31 圧入部(シャフト圧入部)
32 圧入痕
32A〜32C 圧入痕
51 ロータコア
51a〜51c ロータコア
52 ロータシャフト
53 中心孔
54 圧入部
A〜C 圧入痕
C1〜C3 中心点
D1 圧入部内径
D2 ロータシャフト外径
θskew スキュー角
θm マグネットスキュー角
θstep ステップ角
C1〜C3 マグネット中心点
L マグネット中心点を結ぶ線
O ロータ回転中心
P1,P2 直線Lとロータコア端部との交点
X 有効圧入部
θh 設置角
θp ピッチ角

Claims (4)

  1. ロータシャフトと、該ロータシャフトが圧入固定されるロータコアとを備え、
    該ロータコアは、軸方向に沿って複数個に分割形成されると共に、分割形成された前記各ロータコアが、所定のステップ角θstepずつ周方向にずれた状態で前記ロータシャフトに複数段配置される回転電機の回転子であって、
    前記ロータコアは、前記ロータシャフトの外径よりも小径に形成されたシャフト圧入部を備え、
    前記シャフト圧入部は、前記ステップ角θstepよりも小さい角度幅の設置角θhにて周方向に沿って複数個形成され、かつ、
    該シャフト圧入部は、前記各ロータコアを前記ステップ角θstepずつ周方向にずらして前記ロータシャフトに取り付けたとき、各段の前記シャフト圧入部が周方向に重複することなく配置されるように設けられることを特徴とする回転電機の回転子。
  2. ロータシャフトと、該ロータシャフトが圧入固定されるロータコアとを備え、
    該ロータコアは、軸方向に沿って複数個に分割形成されると共に、分割形成された前記各ロータコアが、所定のステップ角θstepずつ周方向にずれた状態で前記ロータシャフトに複数段配置される回転電機の回転子であって、
    前記ロータコアは、前記ロータシャフトの外径よりも小径に形成されたシャフト圧入部を備え、
    前記シャフト圧入部の角度幅を設置角θh、隣接する前記シャフト圧入部間の角度間隔をピッチ角θpとするとき、
    前記設置角θhが、前記ステップ角θstepよりも小さく(θstep>θh)、
    前記ピッチ角θpが、前記ステップ角θstepの(N−1)倍と等しくなく(θp≠θstep×(N−1))、かつ、前記ステップ角θstepが、前記ピッチ角θpのn倍(nは整数)と等しくない(θstep≠θp×n)ことを特徴とする回転電機の回転子。
  3. ロータシャフトと、該ロータシャフトが圧入固定されるロータコアとを備え、
    該ロータコアは、軸方向に沿って複数個に分割形成されると共に、分割形成された前記各ロータコアが、所定のステップ角θstepずつ周方向にずれた状態で前記ロータシャフトにN段配置される回転電機の回転子であって、
    前記ロータコアは、前記ロータシャフトの外径よりも小径に形成されたシャフト圧入部を備え、
    前記シャフト圧入部の角度幅を設置角θh、隣接する前記シャフト圧入部間の角度間隔をピッチ角θpとするとき、
    前記設置角θhが、前記ステップ角θstepよりも小さく(θstep>θh)、
    前記ピッチ角θpが、前記設置角θhのN倍よりも小さい(θp<θh×N)ことを特徴とする回転電機の回転子。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の回転電機の回転子において、前記ロータコアは、前記ロータシャフトに2〜4段配置されることを特徴とする回転電機の回転子。
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