JP2013223281A - 電動モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータコアのばらつきにより発生するトルク変動を低減できる分割ステータ構造を有した電動モータを提供する。
【解決手段】分割された弟1、第2、第3のコア12a、12b、12cを環状に配置しコア部15が形成されている。第1のコア12aの外径寸法a+a’は、第2、第3のコア12b、12cの外径寸法b+b’、c+c’より長く形成されている。第1のコア12aの内径寸法a’は、第2、第3のコア12b、12cの内径寸法b’、c’より短く形成されている。第1のコア12aのヨーク部10の径方向外側における両端の点A1、A2は、外径寸法が最大となっており、ステータコア8は、各第1のコア12aのこれらの2点にてハウジング5の内周面と接触し圧入により固定されている。ステータコア8とハウジング5とは、接触位置が異ならず、第1のコア12aのヨーク部11における同じ位置にて接触している。
【選択図】図4
【解決手段】分割された弟1、第2、第3のコア12a、12b、12cを環状に配置しコア部15が形成されている。第1のコア12aの外径寸法a+a’は、第2、第3のコア12b、12cの外径寸法b+b’、c+c’より長く形成されている。第1のコア12aの内径寸法a’は、第2、第3のコア12b、12cの内径寸法b’、c’より短く形成されている。第1のコア12aのヨーク部10の径方向外側における両端の点A1、A2は、外径寸法が最大となっており、ステータコア8は、各第1のコア12aのこれらの2点にてハウジング5の内周面と接触し圧入により固定されている。ステータコア8とハウジング5とは、接触位置が異ならず、第1のコア12aのヨーク部11における同じ位置にて接触している。
【選択図】図4
Description
本発明は、電動モータに関するものである。
従来より、分割ステータ構造を有する電動モータが知られており、車両用操舵装置として電動モータを駆動源とする電動パワーステアリング装置(EPS)に広く使用されている。この電動モータのステータは、複数の分割コアを環状に配置してステータコアを形成した構造からなっている。分割コアは、円弧状のヨーク部とヨーク部から径方向内側に突出するティース部からなり、それぞれのティース部にはコイルが巻回されており、互いに隣り合うティース部が円周上に等ピッチ間隔で位置決めされ、ステータコアが構成されている。これにより、コイルの巻線作業を容易にするとともに、コイルの占積率を向上させ、モータの小型化および高出力化が図られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような複数の分割コアで構成されるステータコアを備えた電動モータでは、積層されるコアプレートの形状精度のばらつきやステータコアの組み付け精度のばらつきにより分割コアの径方向位置のずれや周方向の傾きが生じてステータコアの内径真円度が低下してしまう。このため、コギングトルクやトルクリップルのトルク脈動が発生し、電動モータの出力トルクが変動する場合がある。上記のような電動モータを電動パワーステアリング装置に用いると、電動モータの出力トルクの変動や振動・異音によって操舵フィーリングが悪化する可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ステータコアのばらつきにより発生するコギングトルクおよびトルクリップルによるトルク変動を低減できる分割ステータ構造を有した電動モータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングと、ヨーク部と前記ヨーク部から径方向内側に突出するティース部とを有する複数の分割コアから構成され、前記分割コアを互いに隣り合う前記ヨーク部の周方向端面同士が当接するように環状に配置されたステータコアを備え、前記ステータコアの各前記ティース部にコイルが巻回されて前記ハウジング内に固定されたステータと、前記ステータの前記ティース部先端部で形成される内周面と対向しながら回転中心回りに回転可能に前記ハウジングに支承されたロータと、を備え、前記ステータコアは、それぞれ前記ヨーク部の周方向端部の形状が異なり、少なくとも1つの前記ティース部の径方向長さが異なる複数の前記分割コアが隣接して所定の順序で配置されたコア部を備え、複数の前記コア部を一体に連結して形成されることを要旨とする。
上記構成によれば、形状の異なる複数の分割コアを所定の順序で配置した複数のコア部を一体に環状に配置してステータコアを形成したので、ステータコアの組付け誤差によって生じる分割コアのずれや傾くことが防止され、同一形状の分割コア毎のティース部の内径寸法のばらつきを抑制できる。その結果、それぞれ同一形状の分割コア同士で発生するコギングトルクを打ち消し合い、コギングトルクおよびトルクリップルのトルク脈動の低減を図ることができるので、電動モータの出力トルク変動を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動モータにおいて、前記コア部は、前記分割コアである第1のコア、第2のコアおよび第3のコアを隣接して形成され、前記ステータコアは、4組の前記コア部を一体に連結して形成されることを要旨とする。上記構成によれば、ステータコアは、第1、第2および第3のコアを隣接させて形成されるコア部を4組一体に環状に連結した12個の分割コアにより形成される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電動モータにおいて、前記コア部は、前記第1のコアの前記ヨーク部外周面の外径が前記第2のコアおよび前記第3のコアの前記ヨーク部外周面の外径より大きく形成され、前記ステータコアの前記第1のコアが前記ハウジングに圧入され固定されることを要旨とする。
上記構成によれば、コア部の外径寸法が最大となる分割コア(第1のコア)を外径寸法の基準として、この最大外径の第1のコアのヨーク部外周面の同じ位置でハウジングと接触してステータコアが圧入され固定される。これにより、ステータコアの組付け誤差による分割コアのずれが発生し難くなるので、同一形状の分割コア同士のティース部の内径寸法のばらつきを抑制できる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電動モータにおいて、前記コア部は、隣接する前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記第3のコアの前記ヨーク部の外周面両端部に形成された凹部と凸部とが互いに嵌り合う肩部を備え、前記第1のコアの前記ティース部内周面の内径が前記第2のコアおよび前記第3のコアの前記ティース部内周面の内径より小さく形成されることを要旨とする。
上記構成によれば、コア部の隣接する分割コア同士がそれぞれヨーク部の外周面両端部に形成された凹部と凸部とが互いに嵌り合う肩部で接触し、ティース部の内径寸法が最小となる分割コア(第1のコア)を内径寸法の基準として他の分割コア(第2、第3のコア)が位置決めされる。これにより、ステータコアの組付け誤差による分割コアのずれが発生し難くなるので、同一形状の分割コア同士で形成されるティース部の内径寸法のばらつきを抑制できる。
本発明によれば、ステータコアのばらつきにより発生するコギングトルクおよびトルクリップルによるトルク変動を低減できる分割ステータ構造を有した電動モータを提供できる。
次に、本発明の実施形態の一例として、電動パワーステアリング装置(EPS)に使用される電動モータについて、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動モータの概略構成を示す縦断面図である。電動モータ(以下、ブラシレスモータという)1は、インナロータ型のブラシレスモータである。図1に示すように、ブラシレスモータ1は、回転軸2に同行回転可能に連結された環状のロータ3と、ロータ3の周囲を取り囲む環状のステータ4と、ロータ3およびステータ4を収容する第1のハウジング16と第2のハウジング17からなる筒状のハウジング5とを備えている。例えば、コラムアシストタイプの電動パワーステアリング装置用モータの場合、図1中、ブラシレスモータ1の軸線方向左側に図示しないウォーム減速機、右側に図示しないコントローラ(以下、ECUという)が配置されている。
図1は、本発明の実施形態に係る電動モータの概略構成を示す縦断面図である。電動モータ(以下、ブラシレスモータという)1は、インナロータ型のブラシレスモータである。図1に示すように、ブラシレスモータ1は、回転軸2に同行回転可能に連結された環状のロータ3と、ロータ3の周囲を取り囲む環状のステータ4と、ロータ3およびステータ4を収容する第1のハウジング16と第2のハウジング17からなる筒状のハウジング5とを備えている。例えば、コラムアシストタイプの電動パワーステアリング装置用モータの場合、図1中、ブラシレスモータ1の軸線方向左側に図示しないウォーム減速機、右側に図示しないコントローラ(以下、ECUという)が配置されている。
ロータ3は、回転軸2に同軸的に連結された環状のロータコア6と、このロータコア6の外周に固定された永久磁石7とを備えている。永久磁石7は、複数個のセグメント磁極を有する多極磁石であり、永久磁石7の外周面の磁極は、N極およびS極が永久磁石7の周方向に交互に入れ替わっている。永久磁石7は、例えば、10極のセグメント磁極を有している。
ステータ4は、環状のステータコア8と、このステータコア8に巻回された複数のコイル9とを含む。ステータコア8は、電磁鋼板を打ち抜いて所定の形状に形成された複数枚の薄板(プレート)がステータコア8の軸線方向に積層固定された積層体である。すなわち、ステータコア8は、鉄を含む材料により形成されている。電磁鋼板としては、例えば、表面に絶縁処理が施されたケイ素鋼板等を用いることができる。
図1を参照して、ハウジング5は、一端が開放された筒状の第1のハウジング16と、この第1のハウジング16に嵌合された筒状の第2のハウジング17とを含む。第1のハウジング16および第2のハウジング17は、それぞれ例えば、炭素鋼等の鉄、またはアルミニウムを含む材料によって形成されている。
第1のハウジング16は、第1の筒状部19と、この第1の筒状部19の一端から第1の筒状部19の径方向外側に突出する第1のフランジ部20と、第1の筒状部19の他端から第1の筒状部19の径方向内側に延び回転軸2が挿通する第1の挿通孔21aが中心部に形成された第1の環状部22aとを含む。環状部22aの内周部には、軸受41が保持された軸受保持部23が形成されている。
第1のハウジング16の、第1の筒状部19は、軸線方向に関してステータコア8よりも長く形成されている。第1の筒状部19の内周には、例えば、圧入によってステータコア8が固定されている。すなわち、第1のハウジング16とステータコア8とは嵌合により接合されている。
第2のハウジング17は、第1のハウジング16の第1の筒状部19の外周部に沿って連結された第2の筒状部24と、第2の筒状部19の後方端部から第2の筒状部19の径方向内方に延び回転軸2が挿通する第2の挿通孔21bが中心部に形成された第2の環状部22bと、この第2の筒状部24の外周面から第2の筒状部24の径方向外側に突出するフランジ部25とを含む。第2のハウジング17の環状部22bのステータコア側の中心部には、軸受42が保持された軸受保持部29が形成されている。また、環状部22bの反対側には回転軸2に装着されたレゾルバ32がロータ3の回転位置を検出する回転角センサとして配置されている。そして、回転軸2は、軸受保持部23に保持された軸受41と、軸受保持部29に保持された軸受42とを介して回転可能にハウジング5に保持されている。
第2のフランジ部25は、第1のフランジ部20に重なり合わされている。第1のフランジ部20および第2のフランジ部25は、固定手段としての図示しない複数(例えば、本実施形態では3箇所)のボルトおよび第2のフランジ25に設けられたねじ部によって、締結固定されている。
これにより、第1のハウジング16の一端および第2のハウジング17の一端が固定され、第1のハウジング16に対する第2のハウジング17の回転が防止されている。すなわち、複数のボルトおよびナット、ならびに、第1のフランジ部20および第2のフランジ部25は、第1のハウジング16に対する第2のハウジング17の回転を防止する回転防止手段として機能している。
また、ブラシレスモータ1を制御するための図示しないECUが第2ハウジング17の環状部22bの後方端面(図1中、右側)に取り付けられ第2のフランジ25にねじ止め固定されている。各コイル9と接続されインシュレータ31に絶縁支持されたブラシレスモータ1の各相の出力端子である金属製のバスバー30は、ECUの基板に挿通され、基板上のインバータ回路部にねじ止めして接続されている。そして、上記構成により、ECUによって制御された駆動電流がブラシレスモータ1の各コイル9に供給される。これにより、コイル9に回転磁界が発生し、永久磁石7にトルクが発生してロータ3が回転駆動される。また、レゾルバ32も同様に信号入出力端子であるリード線がECUの基板にハンダ付けにより接続されている。
ブラシレスモータ1は、第1の筒状部19の軸線方向左端から第1の筒状部19の径方向外方に突出する第3のフランジ部28により、例えば、図示しないウォーム減速機に取り付け固定され、回転軸2に取り付けられたトルクを伝達するボス33を介してウォーム軸回転軸に結合されている。
次に、図2は、図1をX−X方向から見たブラシレスモータの構造を示す断面図である。図2に示すように、ブラシレスモータ1は、回転軸2に同行回転可能に連結された環状のロータ3と、ロータ3の周囲を取り囲みハウジング5の内周面に固定された環状のステータ4とを備えている。ロータ3のロータコア6の外周面には、ステータ4と対向するように周方向に複数(例えば、本実施形態では10極)の磁極を有する永久磁石7が固着されている。
ステータ4のステータコア8は、T字状のコアプレート38が積層されて一体に連結され、周方向に等ピッチ間隔で環状に配置された複数(例えば、本実施形態では12個)の分割コア12により構成されている。また、分割コア12は、円弧状のヨーク部10と、このヨーク部10から径方向内側に突出するティース部11とを備え、隣り合うヨーク部10の周方向端面同士は、径方向において互いに当接するように構成されている。各ティース部11にはインシュレータ31を介してコイル9が巻回されている。さらに、ステータコア8は、ハウジング5内に円環状に配列した分割コア12を挿入し、圧入によりハウジング5の内周面に固定される。また、隣接する分割コア12の間には、スロットが形成されている。本実施形態では、スロット数は12である。すなわち、ブラシレスモータ1は、10極12スロットのモータである。
図3(a),(b),(c)は、分割コアの形状を示す平面図である。図3に示すように、分割コア12は、円弧状のヨーク部10とヨーク部10から径方向内側に向かって突出したティース部11とを有する形状の異なる3種類の第1、第2および第3のコア12a、12b、12cから構成されている。ヨーク部10の径方向外側は、周方向中央付近が直線状の略円弧状に成形されている。また、分割コア12のヨーク部10の外周面両端部に凹部(段差)35または凸部36からなる肩部34が設けられており、隣接する肩部34の凹部35と凸部36とが周方向端部の点において接触して互いに嵌り合っている。ここで、例えば、第1のコア12aの径方向のコア寸法a(図4参照)が第2、第3のコア12b、12cの径方向のコア寸法b、c(図4参照)に比べて長く形成されている。各プレート38a、38b、38cがティース部11を揃えて軸線方向に多数積層されて一体に連結されカシメにより固定されている。また、分割コア12先端部の磁極を介して隣接するティース部11間で漏れ磁束が発生し、これによるブラシレスモータ1の出力トルクの低減を抑えるため、ステータコア8は、ティース部11の磁極の軸線方向にオープンスロット(開口部)を有している(図4参照)。
次に、図4は、ステータコアのコア部の形状を示す一部平面図である。
図4に示すように、分割された弟1、第2および第3のコア12a、12b、12cを環状に配置しコア部15が形成されている。本実施形態の10極12スロットのブラシレスモータ1の場合、4組のコア部15が円環状に一体に配置されてステータコア8が形成されている。第1のコア12aのステータコア8の中心点Oからの寸法を基準として、第1のコア12aの外径寸法(=コア寸法a+内径寸法a’)は、第2のコア12bの外径寸法(=コア寸法b+内径寸法b’)および第3のコア12cの外径寸法(=コア寸法c+内径寸法c’)より長く形成されている。また、第1のコア12aの内径寸法a’は、第2および第3のコア12b、12cの内径寸法b’、c’より短く形成されている。このとき、第1のコア12aのヨーク部10の径方向外側における両端の点A1、A2は、外径寸法が最大(最外径部)になっており、ステータコア8は、各第1のコア12aのこれらのA1、A2の2点にてハウジング5の内周面と接触し、圧入により固定されている。すなわち、ステータコア8とハウジング5とは、接触位置が異ならず、ステータコア8は、第1のコア12aのヨーク部11における同じ位置にてハウジング5と接触している。
図4に示すように、分割された弟1、第2および第3のコア12a、12b、12cを環状に配置しコア部15が形成されている。本実施形態の10極12スロットのブラシレスモータ1の場合、4組のコア部15が円環状に一体に配置されてステータコア8が形成されている。第1のコア12aのステータコア8の中心点Oからの寸法を基準として、第1のコア12aの外径寸法(=コア寸法a+内径寸法a’)は、第2のコア12bの外径寸法(=コア寸法b+内径寸法b’)および第3のコア12cの外径寸法(=コア寸法c+内径寸法c’)より長く形成されている。また、第1のコア12aの内径寸法a’は、第2および第3のコア12b、12cの内径寸法b’、c’より短く形成されている。このとき、第1のコア12aのヨーク部10の径方向外側における両端の点A1、A2は、外径寸法が最大(最外径部)になっており、ステータコア8は、各第1のコア12aのこれらのA1、A2の2点にてハウジング5の内周面と接触し、圧入により固定されている。すなわち、ステータコア8とハウジング5とは、接触位置が異ならず、ステータコア8は、第1のコア12aのヨーク部11における同じ位置にてハウジング5と接触している。
また、隣接する第1、第2および第3のコア12a、12b、12cは、ヨーク部10の径方向外側における周方向両端の肩部34に設けた凹部35あるいは凸部36における両端の点でそれぞれ接触している。すなわち、第1のコア12aの凹部35と第2のコア12bの凸部36、第2のコア12bの凹部35と第3のコア12cの凸部36、および第3のコア12cの凸部36と第1のコア12aの凹部35とが、それぞれ相対する点において接触している。ここで、第1のコア12aのヨーク部10の周方向両端における径方向寸法dは、隣接する第2および第3のコア12b、12cのヨーク部10の周方向端部の凸部36側における径方向寸法d’より長く形成されている。これにより、第1のコア12aの内径寸法が最小(最内径部)となるようにコア部15が形成されている。
次に、上記分割コア12の配置によるコギングトルクの低減方法について図2、図4を参照して説明する。
本実施形態の10極12スロットのブラシレスモータ1では、例えば、分割コア12の1箇所が内径方向(径方向内側)に突出している場合、モータ1回転当たり10次のコギングトルクが発生する。コギングトルクの1周期は、36°(=360°/10)であり、同じ振幅で逆位相(18°のずれ)の波形を重ね合わせてコギングトルクを打ち消し合い弱めることができる。すなわち、分割コア12のピッチ間隔は30°(=360°/12)のため、例えば、内径方向に一定量だけ突出したコア13aに対し、周方向に90°の位置にあるコア13dまたはコア12jが同じ量だけ内径方向に突出することにより、同じ振幅で逆位相の波形を生成することができる(ただし、180°の位置にあるコア12gは逆にコギングトルクを強め合うように作用する。)。また、同一形状の第1、第2および第3のコア12a、12b、12c同士のそれぞれの内径寸法a’、b’、c’のばらつきは小さくなっている。これにより、第1、第2および第3のコア12a、12b、12cの内径寸法a’、b’、c’のばらつきにより発生するコギングトルクは、合成されてそれぞれ同一形状の第1、第2および第3のコア12a,12b,12c同士が打ち消し合うように制御され、ブラシレスモータ1のコギングトルクを低減することができる。
本実施形態の10極12スロットのブラシレスモータ1では、例えば、分割コア12の1箇所が内径方向(径方向内側)に突出している場合、モータ1回転当たり10次のコギングトルクが発生する。コギングトルクの1周期は、36°(=360°/10)であり、同じ振幅で逆位相(18°のずれ)の波形を重ね合わせてコギングトルクを打ち消し合い弱めることができる。すなわち、分割コア12のピッチ間隔は30°(=360°/12)のため、例えば、内径方向に一定量だけ突出したコア13aに対し、周方向に90°の位置にあるコア13dまたはコア12jが同じ量だけ内径方向に突出することにより、同じ振幅で逆位相の波形を生成することができる(ただし、180°の位置にあるコア12gは逆にコギングトルクを強め合うように作用する。)。また、同一形状の第1、第2および第3のコア12a、12b、12c同士のそれぞれの内径寸法a’、b’、c’のばらつきは小さくなっている。これにより、第1、第2および第3のコア12a、12b、12cの内径寸法a’、b’、c’のばらつきにより発生するコギングトルクは、合成されてそれぞれ同一形状の第1、第2および第3のコア12a,12b,12c同士が打ち消し合うように制御され、ブラシレスモータ1のコギングトルクを低減することができる。
次に、上記のように構成された本実施形態であるブラシレスモータ1の作用および効果について説明する。
上記構成によれば、分割された第1、第2および第3のコア12a、12b、12cを所定の順序で環状に配置しコア部15が形成されている。そして、10極12スロットのブラシレスモータ1において、4組のコア部15が円環状に一体に配置されてステータコア8が形成されている。第1のコア12aのステータコア8の中心点Oからの寸法を基準として、第1のコア12aの外径寸法は、第2および第3のコア12b、12cの外径寸法より長く形成されている。また、第1のコア12aの内径寸法a’は、第2および第3のコア12b、12cの内径寸法b’、c’より短く形成されている。このとき、第1のコア12aのヨーク部10の径方向外側における両端の点A1、A2は、外径寸法が最大となっており、ステータコア8は、4箇所の各第1のコア12aのこれらの2点にてハウジング5の内周面と接触し、圧入により固定されている。
また、隣接する第1、第2および第3のコア12a、12b、12cは、ヨーク部10の径方向外側における周方向両端の肩部34に設けられた凹部35あるいは凸部36における両端の点でそれぞれ接触している。すなわち、第1のコア12aの凹部35と第2のコア12bの凸部36、第2のコア12bの凹部35と第3のコア12cの凸部36、および第3のコア12cの凸部36と第1のコア12aの凹部35とが、それぞれ相対する点において接触している。ここで、第1のコア12aのヨーク部10の周方向両端における径方向寸法dは、隣接する第2および第3のコア12b、12cのヨーク部10の周方向端部凸部36側における径方向寸法d’より長く形成されている。
これにより、ステータコア8の組付け誤差による分割コア12の径方向位置のずれや周方向に傾くことが防止され、同一形状の分割コア12毎のティース部11の内径寸法a’、b’、c’のばらつきが抑制される。その結果、それぞれの同一形状の分割コア12同士で発生するコギングトルクを打ち消し合い、コギングトルクおよびトルクリップルの低減を図ることができるので、ブラシレスモータ1のトルク変動を抑制できる。さらに、ステータコア8のがたつきが抑制されることにより、ブラシレスモータ1の振動・異音の発生が抑制される。
したがって、コギングトルク、ロストルクおよびトルクリップルが小さく、振動・騒音の少ない小型・軽量のブラシレスモータ1を実現できる。また、本実施形態のブラシレスモータ1を車載用モータ(例えば、電動パワーステアリング装置用)として使用することにより、より快適な操舵フィーリングを実現し、さらに、車両への装着性の向上を図ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、ステータコアの形状や組み付けのばらつきにより発生するコギングトルクおよびトルクリップルのトルク脈動による出力トルクの変動を低減できる分割ステータ構造を有したブラシレスモータを提供できる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することも可能である。
上記実施形態では、ヨーク部10の径方向外側を略円弧状に形成したが、これに限らず、直線状に形成してもよい。また、円弧部の寸法を精度良く設計し、この寸法を基準としてティース部11の寸法を決定したが、これに限らず、例えば、径方向内側の直線部を基準としてもよい。
上記実施形態では、ヨーク部10の径方向外側を略円弧状に形成したが、これに限らず、直線状に形成してもよい。また、円弧部の寸法を精度良く設計し、この寸法を基準としてティース部11の寸法を決定したが、これに限らず、例えば、径方向内側の直線部を基準としてもよい。
上記実施形態では、ブラシレスモータ1を電動パワーステアリング装置のいわゆるコラムアシストタイプに適用した例を示したが、これに限らず、ピニオンアシストタイプやラックアシストタイプの電動パワーステアリング装置に適用してもよいし、同様のブラシレスモータを用いた他の装置に適用してもよい。
また、上記実施形態では、ECUをブラシレスモータ1の軸線方向のウォーム減速機と反対側に配置しブラシレスモータ1に一体化する場合を示したが、これに限らず、ECUを取り付けスペースに応じてブラシレスモータ1の径方向に隣接して設置してもよい。また、ECUを軸線方向のブラシレスモータ1とウォーム減速機との間に配置してもよい。
なお、ロータコア6の外周に固定される永久磁石7としては、セグメント磁石を使用する場合を示したが、これに限らず、リング磁石などのその他の永久磁石であってもよい。また、ステータコア8を構成する分割コア12は、電磁鋼板を積層して形成したが、これに限らず、例えば、軟磁性材料(例えば、鉄、フェライト、パーマロイ等)を含む粉末材料を焼結して形成された圧粉体であってもよい。
1:ブラシレスモータ(電動モータ)、2:回転軸、3:ロータ、4:ステータ、
5:ハウジング、6:ロータコア、7:永久磁石、8:ステータコア、9:コイル、
10:ヨーク部、11:ティース部、12:分割コア、
12a,12b、12c:第1,第2,第3のコア、13a〜13l:コア、
15:コア部、16:第1のハウジング、17:第2のハウジング、19:第1の筒状部、
20,25,28:フランジ部、21a,21b:挿通孔、22a,22b:環状部、
23,29:軸受保持部、24:第2の筒状部、30:バスバー、31:インシュレータ、
32:レゾルバ、33:ボス、34:肩部、35:凹部、36:凸部、
38:コアプレート、38a,38b、38c:第1,第2,第3のプレート、
41,42:軸受、
d,d’:ヨーク部径方向長さ、a,b,c:第1,第2,第3の径方向コア寸法、
a’,b’,c’:第1,第2,第3の内径寸法、A1,A2:最外径点、
O:ステータコアの中心点
5:ハウジング、6:ロータコア、7:永久磁石、8:ステータコア、9:コイル、
10:ヨーク部、11:ティース部、12:分割コア、
12a,12b、12c:第1,第2,第3のコア、13a〜13l:コア、
15:コア部、16:第1のハウジング、17:第2のハウジング、19:第1の筒状部、
20,25,28:フランジ部、21a,21b:挿通孔、22a,22b:環状部、
23,29:軸受保持部、24:第2の筒状部、30:バスバー、31:インシュレータ、
32:レゾルバ、33:ボス、34:肩部、35:凹部、36:凸部、
38:コアプレート、38a,38b、38c:第1,第2,第3のプレート、
41,42:軸受、
d,d’:ヨーク部径方向長さ、a,b,c:第1,第2,第3の径方向コア寸法、
a’,b’,c’:第1,第2,第3の内径寸法、A1,A2:最外径点、
O:ステータコアの中心点
Claims (4)
- ハウジングと、
ヨーク部と前記ヨーク部から径方向内側に突出するティース部とを有する複数の分割コアから構成され、前記分割コアを互いに隣り合う前記ヨーク部の周方向端面同士が当接するように環状に配置されたステータコアを備え、前記ステータコアの各前記ティース部にコイルが巻回されて前記ハウジング内に固定されたステータと、
前記ステータの前記ティース部先端部で形成される内周面と対向しながら回転中心回りに回転可能に前記ハウジングに支承されたロータと、を備え、
前記ステータコアは、それぞれ前記ヨーク部の周方向端部の形状が異なり、少なくとも1つの前記ティース部の径方向長さが異なる複数の前記分割コアが隣接して所定の順序で配置されたコア部を備え、複数の前記コア部を一体に連結して形成されることを特徴とする電動モータ。 - 請求項1に記載の電動モータにおいて、
前記コア部は、前記分割コアである第1のコア、第2のコアおよび第3のコアを隣接して形成され、前記ステータコアは、4組の前記コア部を一体に連結して形成されることを特徴とする電動モータ。 - 請求項2に記載の電動モータにおいて、
前記コア部は、前記第1のコアの前記ヨーク部外周面の外径が前記第2のコアおよび前記第3のコアの前記ヨーク部外周面の外径より大きく形成され、前記ステータコアの前記第1のコアが前記ハウジングに圧入され固定されることを特徴とする電動モータ。 - 請求項3に記載の電動モータにおいて、
前記コア部は、隣接する前記第1のコア、前記第2のコアおよび前記第3のコアの前記ヨーク部の外周面両端部に形成された凹部と凸部とが互いに嵌り合う肩部を備え、前記第1のコアの前記ティース部内周面の内径が前記第2のコアおよび前記第3のコアの前記ティース部内周面の内径より小さく形成されることを特徴とする電動モータ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2012
- 2012-04-13 JP JP2012091835A patent/JP2013223281A/ja active Pending
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