JP2012023540A - マルチビットデルタシグマ変調器及びadコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】オーバーサンプリング比の増加や回路面積の著しい増加を伴うことなく、高いダイナミックレンジを得られるようにしたマルチビットデルタシグマ変調器と、ADコンバータを提供する。
【解決手段】入力信号を積分するアナログ積分器1と、アナログ積分器1から出力される出力信号を複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7による異なる量子化ステップで量子化するマルチビット量子化器と、このマルチビット量子化器から出力される信号をアナログ積分器1の入力側に帰還するDAコンバータと、を備え、複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7の互いの間隔は、アナログ積分器1から出力される出力信号のフルスケールレベル(+FS、−FS)を意図する信号領域から当該出力信号のゼロレベルを意図する信号領域に向かって、段階的に狭くなるように設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、マルチビットデルタシグマ変調器及び、これを用いたADコンバータに関するものである。
狭帯域のアナログ・デジタル変換を実現する代表的な手法として、デルタシグマ(ΔΣ)変調器がある。デルタシグマ変調器内の量子化器について、変換後のデジタル信号のダイナミックレンジを向上させるため、複数ビットにより量子化するデルタシグマ変調器を、特にマルチビットデルタシグマ変調器と呼ぶ。マルチビットデルタシグマ変調器の一例を図15に示す。
図15に示すように、従来例に係るマルチビットデルタシグマ変調器200は、アナログ信号X´からデジタル信号Y´を得るために、アナログ積分器101と、マルチビット量子化器102と、DAコンバータ103と、加算器104とを備える。マルチビット量子化器102の分解能は、2値ではなくマルチレベルとなっており、図16に示すように、各々の閾値(即ち、比較電圧)Vth´1〜Vth´7は、互いの間隔が等電位(即ち、等間隔の電位差)となるように設定されていた。また、各閾値Vth´1〜Vth´7は、図17に示すような閾値生成回路110で生成されていた。閾値生成回路110は、値の等しい(例えば、抵抗Rの)抵抗器111〜118が直列に接続された構成を有する。
図18に示すように、マルチビット量子化器102は、上記の閾値生成回路110と、複数のコンパレータ121〜127と、論理回路130と、を有する。コンパレータ121〜127は、例えば、負帰還をかけていない演算増幅器で構成されている。また、閾値生成回路110を構成する複数の抵抗器111〜118の各接続点は、コンパレータ121〜127の一方の入力端子(例えば、反転入力端子)に接続されている。これら各接続点から出力される電圧が、閾値Vth´1〜Vth´7である。
また、コンパレータ121〜127の他方の入力端子(例えば、非反転入力端子)にはアナログ積分器101の出力端子が接続されている。各コンパレータ121〜127では、アナログ積分器101から出力された電圧(以下、積分電圧ともいう。)と、閾値Vth´1〜Vth´7とが比較され、その比較の結果は、H(High、ハイ、+)又はL(LOW、ロウ、−)で出力される。そして、この出力されたH又はLは、論理回路130に入力される。
論理回路130では、各コンパレータ121〜127からそれぞれ入力された電圧の正負の比に基づいて、積分電圧の量子化が行われる。そして、クロック信号Φ2がHの期間中、量子化後の信号(即ち、デジタル信号Y´)と、このデジタル信号Y´に対応した制御信号Φ2p´1〜Φ2p´7、Φ2m´1〜Φ2m´7とが論理回路130から出力される。ここで、制御信号Φ2p´1とΦ2m´1は一対の信号であり、一方がHのとき他方はLである。制御信号Φ2p´2とΦ2m´2、…、Φ2p´7とΦ2m´7についても同様である。即ち、制御信号Φ2p´xとΦ2m´x(xは整数)とで一対の信号となっている。
一方、アナログ積分器101は、簡略化のために、シングルエンド出力構成とした場合、図19に示すように、複数のスイッチ素子91〜94とサンプリングキャパシタCs´とで構成されるスイッチトキャパシタ回路143と、積分キャパシタCi´と、演算増幅器141と、を有する。また、DAコンバータ103は、複数のスイッチトキャパシタ回路scp´1〜scp´7、scm´1〜scm´7とで構成されている。ここで、スイッチトキャパシタ回路scp´1とスイッチトキャパシタ回路scm´1は一対の回路であり、アナログ積分器101に対して一方が電荷を転送するとき、他方は電荷を転送しない。スイッチトキャパシタ回路scp´2とscm´2、…、scp´7とscm´7についても同様である。即ち、スイッチトキャパシタ回路scp´xとscm´x(xは整数)とで一対の回路となっている。
次に、アナログ積分器101及びDAコンバータ103の動作について説明する。なお、説明の都合から、図19における全てのスイッチ素子91、91p´1〜91p´7、91m´1〜91m´7、92、92p´1〜92p´7、92m´1〜92m´7、93、93p´1〜93p´4、93m´1〜93m´4、94、94p´1〜94p´7、94m´1〜94m´7は例えばN型MOSトランジスタとする。
図19において、クロック信号Φ1がHで、クロック信号Φ2がLのとき、スイッチ素子91、93はON(オン)になり、スイッチ素子92、94はOFF(オフ)になる。これにより、入力端子に入力されたアナログ信号(即ち、入力電圧)X´は、サンプリングキャパシタCs´でサンプリングされる。また、これと同時に、デジタル信号をDA変換するためのキャパシタCdp´1〜Cdp´7では、正の基準電圧(+Vref)がサンプリングされ、キャパシタCdm´1〜Cdm´7では負の基準電圧(−Vref)がサンプリングされる。
次に、クロック信号Φ2がHで、クロック信号Φ1がLのとき、スイッチ素子91、93はOFFになり、スイッチ素子92、94はONになる。これにより、サンプリングキャパシタCs´でサンプリングされた(アナログ信号X´の)電荷は積分キャパシタCi´へ転送される。また、このとき、図18に示した論理回路130から制御信号Φ2p´1〜Φ2p´7、Φ2m´1〜Φ2m´7が出力される。これを受けて、スイッチ素子94p´1〜94p´7と、これらと各々対になるスイッチ素子94m´1〜94m´7は、対になる一方がONになり、他方がOFFになる。その結果、スイッチトキャパシタ回路scp´1〜scp´7と、これらと各々対になるスイッチトキャパシタ回路scm´1〜scm´7は、その一方から+Vref又は−Vrefの何れかのサンプリング電荷を積分キャパシタCi´に転送し、DA変換を実現している。
デジタル信号Y´と、スイッチ素子94p´1〜94p´7、94m´1〜94m´7がONになる比率との関係を図20に示す。
一例を挙げて説明する。マルチビット量子化器102から出力されるデジタル信号Y´が「−7」であるとき、即ち、マルチビット量子化器102において、全ての閾値Vth´1〜Vth´7よりも、アナログ積分器101から出力される電圧(即ち、積分電圧)が下回るときを想定する。クロック信号Φ2がHになるタイミングで、スイッチ素子94p´1〜94p´7は全てONになると共に、スイッチ素子94m´1〜94m´7は全てOFFになる。これにより、スイッチトキャパシタ回路scp´1〜scp´7から積分キャパシタCi´に+Vrefのサンプリング電荷がそれぞれ転送され、デジタル信号Y´は電圧「+7(+7−0=+7)」にDA変換される。そして、このDA変換された電圧「+7」と入力電圧X´との加算電荷が積分キャパシタCi´で積分される。
また、デジタル信号Yが「−5」であるとき、即ち、マルチビット量子化器102において、最も低い閾値(例えば、Vth´1)が入力されるコンパレータ127のみが反転出力するときを想定する。クロック信号Φ2がHになるタイミングで、スイッチ素子94p´1〜94p´6とスイッチ素子94m´7はONになると共に、スイッチ素子94p´7とスイッチ素子94m´1〜94m´6はOFFになる。これにより、デジタル信号Yは電圧「+5(+6−1=+5)」にDA変換される。そして、このDA変換された「+5」と入力電圧X´との加算電荷が積分キャパシタCi´で積分される。
アナログ積分器101に入力されるクロック信号Φ1、Φ2と、アナログ積分器101から出力される電圧の時間変化との関係を図21に示す。図21に示すように、クロック信号Φ1がHの期間中は、OUT端子は積分された電圧をホールドする。一方、クロック信号Φ2がHの期間中は、サンプリングキャパシタCs´の電荷、及びデジタル信号Y´に応じて転送されてきた電荷を積分した電圧が、OUT端子から出力される。
このようなデルタシグマ変調器200において、その構成を変えることなく、ADコンバータとしての変換精度を向上させる(即ち、高いダイナミックレンジを得る)ためには、変換速度(即ち、オーバーサンプリング比)を増加させるか、或いは、量子化器やコンパレータの数を増やしてマルチビット量子化器102の変換ビット数を増加させる必要があった。
一方、特許文献1においては、オーバーサンプリング比及び量子化器の増加を伴うことなく、小信号時のダイナミックレンジを向上させるため、小信号のレベル判定が下された際には、マルチビット量子化器102の閾値を全体的にゼロレベルに向かって小さくする(即ち、小信号時の量子化誤差を小さくする)提案がなされている。
特開平11−027145号公報
ところで、上記のデルタシグマ変調器200において、高いダイナミックレンジを得るためには、オーバーサンプリング比や変換ビット数を増加させたり、コンパレータや量子化器の数を増やしたりする必要があったが、これらの方法では消費電力が増加したり、回路面積が増加してしまう、という課題があった(特に、コンパレータや量子化器の数が増えると、回路面積が著しく増大してしまう。)。また、特許文献1に開示された方法では、信号のレベル判定制御が必要とされる上、ダイナミックレンジが入力信号の判定レベル閾値前後で大きく変動してしまう可能性があった。
そこで、この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、オーバーサンプリング比の増加や回路面積の著しい増加を伴うことなく、高いダイナミックレンジを得られるようにしたマルチビットデルタシグマ変調器と、ADコンバータの提供を目的とする。
本発明者は、マルチビットデルタシグマ変調器に入力されるアナログ信号Xの信号レベルが大きいときには、当該変調器の変換精度は、当該変調器内部で生じる素子ノイズ及び量子化ノイズよりも、当該変調器内部で生じる信号歪みが支配的であること、一方で、入力されるアナログ信号Xの信号レベルが小さいときには、当該変調器の変換精度は、当該変調器内部で生じる信号歪みの影響は無視できるほど小さく、当該変調器内部で生じる素子ノイズ及び量子化ノイズが支配的であること、に着目した。本発明者は、上記目的を達成するために、上記着目した点に基づいて、マルチビットデルタシグマ変調器を以下のように構成する。
即ち、本発明の一態様に係るマルチビットデルタシグマ変調器は、入力信号を積分する積分器と、前記積分器から出力される出力信号を異なる量子化ステップによる複数の閾値で量子化する量子化器と、前記量子化器から出力される信号を前記積分器の入力側に帰還する帰還回路と、を備えるデルタシグマ変調器であって、前記複数の閾値の互いの間隔は、前記積分器から出力される前記出力信号のフルスケールレベルを意図する信号領域から当該出力信号のゼロレベルを意図する信号領域に向かって、段階的に狭くなるように設定されていることを特徴とする。また、上記のマルチビットデルタシグマ変調器において、前記複数の閾値は、少なくとも3つ以上又は4つ以上の閾値であることを特徴としてもよい。
このような構成であれば、オーバーサンプリング比の増加やコンパレータの増加、量子化器の増加を伴うことなく、入力信号が小信号又は無信号である際に、量子化ノイズを低減させることができる。一方で、入力信号レベルが大きい場合には、量子化ノイズが増大するが、当該入力に対しては、信号歪みが変換精度に支配的であるため、その影響は無視できる。このため、オーバーサンプリング比の増加や変換速度の高速化、回路面積の著しい増加を伴うことなく、小信号又は無信号時の高いダイナミックレンジを得ることができる。
なお、「積分器」としては、例えば、後述するアナログ積分器1、1Aが該当する。また、「量子化器」としては、例えば、後述するマルチビット量子化器2、2Aが該当する。さらに、「帰還回路」としては、例えば、後述するDAコンバータ3、3Aが該当する。
また、上記のマルチビットデルタシグマ変調器において、前記積分器は、スイッチトキャパシタ回路を有し、前記帰還回路は、前記スイッチトキャパシタ回路の入力キャパシタにそれぞれが並列接続可能であり且つ各容量値が量子化ステップに応じて段階的に重み付けされた複数のキャパシタを有し、前記複数のキャパシタは、前記量子化器から出力される前記信号に基づいて、前記入力キャパシタに選択的に並列接続されることを特徴としてもよい。このような構成であれば、量子化器から出力される信号を精度良くDA変換することができる。また、DA変換された信号(即ち、電荷)を、入力キャパシタでサンプリングされた電荷に加算することができる。なお、「入力キャパシタ」としては、後述するサンプリングキャパシタCsが該当する。
また、上記のマルチビットデルタシグマ変調器において、前記積分器は、抵抗器、容量素子及び演算増幅器を有し、前記帰還回路は、前記演算増幅器の入力端子にそれぞれが接続可能であり且つ各電流値が量子化器の量子化ステップに応じて段階的に重み付けされた複数の電流源を有し、前記複数の電流源は、前記量子化器から出力される前記信号に基づいて、前記演算増幅器の前記入力端子に選択的に接続されることを特徴としてもよい。このような構成であれば、量子化器から出力される信号を精度良くDA変換することができる。また、DA変換された信号(即ち、本実施態様の場合、電流)を、演算増幅器の入力端子に入力することができる。
また、上記のマルチビットデルタシグマ変調器において、前記量子化器は、直列接続され且つ各抵抗値が段階的に重み付けされた複数の抵抗器を有し、前記複数の閾値は、前記複数の抵抗器の各接続点から電圧が出力されることにより生成されることを特徴としてもよい。このような構成であれば、上記のように間隔が重み付けされた閾値を簡単に、かつ精度良く生成することができる。
本発明の別の態様に係るマルチビットデルタシグマ変調器は、入力信号を積分する積分器と、前記積分器から出力される出力信号を異なる量子化ステップによる複数の閾値で量子化する量子化器と、前記量子化器から出力される信号を前記積分器の入力側に帰還する帰還回路と、を備えるデルタシグマ変調器であって、前記複数の閾値の互いの間隔は、大の閾値絶対値から小の閾値絶対値に向かって、段階的に狭くなるように設定されていることを特徴とする。このような構成であれば、オーバーサンプリング比の増加や回路面積の著しい増加を伴うことなく、小信号又は無信号時の高いダイナミックレンジ(特に、ADコンバータの性能として重要視される。)を得ることができる。
本発明のさらに別の態様に係るADコンバータは、上記の何れか一つのマルチビットデルタシグマ変調器、を備えることを特徴とする。このような構成であれば、オーバーサンプリング比の増加や回路面積の著しい増加を伴うことなく、小信号又は無信号時の高いダイナミックレンジを得ることができる。小信号又は無信号時の高いダイナミックレンジは、特に、ADコンバータの性能として重要視される。
本発明によれば、オーバーサンプリング比の増加や回路面積の著しい増加を伴うことなく、小信号又は無信号時の高いダイナミックレンジを得ることができる。
第1実施形態に係るマルチビットデルタシグマ変調器100の構成例を示す図。 第1実施形態に係るマルチビット量子化器2の、複数の閾値の設定例を示す図。 第1実施形態に係る閾値生成回路10の構成例を示す図。 第1実施形態に係るマルチビット量子化器2の構成例を示す図。 第1実施形態に係るアナログ積分器1とDAコンバータ3の構成例を示す図。 デジタル信号Yと、スイッチ素子54p1〜54p15、54m1〜54m15がONになる比率との関係を示す図。 各コンパレータ21〜27の出力(H、L)と、制御信号Φ2p1〜Φ2p15、Φ2m1〜Φ2m15の出力(H、L)との関係を示す図。 デジタル信号Yに応じたキャパシタcdp1〜p15、cdm1〜cdm15の選択的接続の一例を示した図。 本発明と従来技術と比較したシミュレーションの結果図。 第2実施形態に係るマルチビット量子化器2Aの構成例を示す図。 第2実施形態に係るアナログ積分器1AとDAコンバータ3Aの構成例を示す図。 デジタル信号Yと、スイッチ素子55p1〜55p15、56m1〜56m15がONになる比率との関係を示す図。 各コンパレータ21〜27の出力(H、L)と、制御信号p1〜p15、m1〜m15の出力(H、L)との関係を示す図。 デジタル信号Yに応じた定電流源57p1〜57p15、57m1〜57m15の選択的接続の一例を示した図。 従来例に係るマルチビットデルタシグマ変調器200の構成例を示す図。 従来例に係るマルチビット量子化器102の、複数の閾値の設定例を示す図。 従来例に係る閾値生成回路110の構成例を示す図。 従来例に係るマルチビット量子化器102の構成例を示す図。 従来例に係るアナログ積分器101とDAコンバータ103の構成例を示す図。 デジタル信号Y´と、スイッチ素子94p´1〜94p´7、94m´1〜94m´7がONになる比率との関係を示す図。 アナログ積分器101に入力されるクロック信号Φ1、Φ2と、アナログ積分器101から出力される電圧の時間変化との関係を示す図。
以下、本発明による実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係るマルチビットデルタシグマ変調器100の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、このマルチビットデルタシグマ変調器100は、入力端子に入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して出力端子から出力するものであり、アナログ積分器1と、マルチビット量子化器2と、DAコンバータ(DAC)3と、加算器4と、を備える。
アナログ積分器1は、入力端子に入力されたアナログ信号(即ち、入力電圧)Xと、DAコンバータ3から出力されたアナログ信号とを加算した信号を積分するものである。また、マルチビット量子化器2は、アナログ積分器1で積分され、出力された電圧(即ち、積分電圧)を複数ビットのデジタル信号Yに変換して出力する(即ち、マルチビットに量子化する)ものである。DAコンバータ3は、マルチビット量子化器2から出力される信号をアナログ信号に変換(即ち、DA変換)して、アナログ積分器の入力側に帰還させるものである。加算器4は、アナログ信号Xと、DAコンバータ3でDA変換された信号とを加算して出力するものである。
ここで、図1に示すように、加算器4の2つの入力端子のうちの、アナログ信号Xが入力される側の端子はプラス(+)と記載され、DAコンバータ3側の端子はマイナス(−)と記載されている。これは、加算器4では、アナログ信号Xと、DAコンバータ3でDA変換された信号との差分を出力する、ということを意味している。
このように、マルチビットデルタシグマ変調器100において、DAコンバータ3は、マルチビット量子化器2から出力される信号をDA変換してアナログ積分器1の入力側に帰還させる、帰還回路として機能する。そして、この入力側に帰還した信号とアナログ信号Xとの差分が加算器4で求められ、この求められた差分がアナログ積分器1で積分される。そして、この積分された信号がマルチビット量子化器2において、複数の閾値(比較電圧)と比較されて、複数ビットのデジタル信号Yに変換される。
図1において、各要素間の接続関係を説明すると、加算器4の一方の入力端子(+)はマルチビットデルタシグマ変調器100の入力端子に接続され、加算器4の他方の入力端子(−)はDAコンバータ3の出力端子に接続されている。また、加算器4の出力端子はアナログ積分器1の入力端子に接続されている。アナログ積分器1の出力端子はマルチビット量子化器2の入力端子に接続されている。また、マルチビット量子化器2の出力端子は、マルチビットデルタシグマ変調器100の出力端子とDAコンバータ3の入力端子とにそれぞれ接続されている。
図2は、第1実施形態に係るマルチビット量子化器2の、複数の閾値の設定例を示す図である。図2において、+FS(プラス・フルスケール)はマルチビット量子化器2に入力される電圧のプラス側の最大値を示し、−FS(マイナス・フルスケール)は同電圧のマイナス側の最大値を示す。
図2に示すように、マルチビット量子化器2における複数の閾値としては、例えば、Vth1、Vth2、…Vth7が設定されている。これら複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7は、例えば、+FSからゼロレベルに向かって段階的に狭くなるように設定されると共に、−FSからゼロレベルに向かって段階的に狭くなるように設定されている。
このように、複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7は、その互いの間隔が、フルスケールレベルからゼロレベルに向かって段階的に狭くなるように、バイナリの重みをもつように設定されている。即ち、複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7の互いの間隔は、大の閾値絶対値から小の閾値絶対値に向かって、段階的に狭くなるように設定されている。これにより、マルチビット量子化器2に入力される積分電圧の絶対値の大きさが小さいほど、積分電圧を閾値と細かく比較することができ、積分電圧をデジタル信号Yに精度良く変換することができる。
図3は、第1実施形態に係る閾値生成回路10の構成例を示す図である。
図3に示すように、この閾値生成回路10は、上記の複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7を生成するための回路であり、抵抗値が異なる複数の抵抗器を直列に接続した構成を有する。例えば、抵抗器11、18の抵抗値をそれぞれ8*Rとしたとき、抵抗器12、17の抵抗値は8*Rの1/2(即ち、4*R)であり、抵抗器13、16の抵抗値は8*Rの1/4(即ち、2*R)であり、抵抗器14、15の抵抗値は8*Rの1/8倍(即ち、R)である。
即ち、閾値生成回路10では、抵抗値が8*Rの抵抗器11、4*Rの抵抗器12、2*Rの抵抗器13、Rの抵抗器14、Rの抵抗器15、2*Rの抵抗器16、4*Rの抵抗器17、8*Rの抵抗器18、の順で、各抵抗器11〜18が直列に接続されている。このように、閾値生成回路10では、各抵抗器11〜18は直列に接続されており、各抵抗器11〜18の抵抗値は直列の両端からその中心に向かって、段階的に小さくなるように重み付けされている。
また、この直列の一端の側に配置された8*Rの抵抗器11は例えば入力端子に接続され、直列の他端の側に配置された8*Rの抵抗器18は例えば出力端子に接続されている。そして、例えば、入力端子に+FSが印加され、出力端子に−FSが印加された状態で、入力端子と出力端子との間に一定の電流Iが流れると、各抵抗器11〜18では抵抗値の大きさに応じて電圧降下が生じ、隣り合う抵抗器の接続点で閾値Vth1、Vth2、…Vth7に相当する電圧が生成され、出力されるようになっている。
このように、閾値生成回路10は、複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7を、各抵抗器11〜18による電圧降下を利用して生成している。これら複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7の各値は、各抵抗器11〜18における抵抗値と、+FS、−FSの値とを調整することにより、任意の値に設定することが可能となっている。
図4は、第1実施形態に係るマルチビット量子化器2の構成例を示す図である。図4に示すように、マルチビット量子化器2は、例えば、上記の閾値生成回路10と、複数のコンパレータ21〜27と、論理回路30と、を有する。
これらの中で、各コンパレータ21〜27は、並列に配置されており、その一方の入力端子(例えば、非反転入力端子)はアナログ積分器1の出力端子(即ち、OUT端子)に共通に接続されており、その他方の入力端子(例えば、反転入力端子)は閾値生成回路10の各接続点にそれぞれ接続されている。また、各コンパレータ21〜27の出力端子はそれぞれ論理回路30に接続されている。
各コンパレータ21〜27の反転入力端子の接続について、より具体的に説明すると、コンパレータ21の反転入力端子は抵抗器11と抵抗器12との接続点に接続されており、コンパレータ22の反転入力端子は抵抗器12と抵抗器13との接続点に接続されている。また、コンパレータ23の反転入力端子は抵抗器13と抵抗器14との接続点に接続されており、コンパレータ24の反転入力端子は抵抗器14と抵抗器15との接続点に接続されている。さらに、コンパレータ25の反転入力端子は抵抗器15と抵抗器16との接続点に接続されており、コンパレータ26の反転入力端子は抵抗器16と抵抗器17との接続点に接続されている。そして、コンパレータ27の反転入力端子は抵抗器17と抵抗器18との接続点に接続されている。
このような接続関係により、各コンパレータ21〜27の非反転入力端子には、アナログ積分器1から出力された積分電圧がそれぞれ入力される。また、各コンパレータ21〜27の反転入力端子には、比較電圧として、閾値Vth1、Vth2、…、Vth7がそれぞれ入力される。そして、各コンパレータ21〜27は、積分電圧と比較電圧とを比較して、その結果を出力端子からそれぞれ出力する。例えば、各コンパレータ21〜27は、比較電圧よりも積分電圧の方が大きい場合はHを出力し、比較電圧よりも積分電圧の方が小さい場合はLを出力する。
論理回路30は、このように各コンパレータ21〜27からそれぞれ出力されたH、Lに基づいて、積分電圧を複数ビットのデジタル信号Yに変換し、出力端子から出力させる。また、デジタル信号YをDAコンバータ3を介してアナログ積分器1の入力側に帰還させるために、デジタル信号Yに応じて、複数の制御信号Φ2p1〜Φ2p15、Φ2m1〜Φ2m15をDAコンバータ3の入力側に出力する。
なお、制御信号Φ2p1〜Φ2p15と、制御信号Φ2m1〜Φ2m15は各々が対になる信号である。例えば、制御信号Φ2p1と制御信号Φ2m1は一対の信号であり、一方がHで出力されるとき、他方はLで出力される。制御信号Φ2p2と制御信号Φ2m2についても同様である。
図5は、第1実施形態に係るアナログ積分器1とDAコンバータ3の構成例を示す図である。図5に示すように、アナログ積分器1は、例えば、スイッチトキャパシタ回路43を用いた積分回路である。スイッチトキャパシタ回路43は、例えば、スイッチ素子51〜54と、サンプリングキャパシタCsと、を有する。また、積分回路は、演算増幅器41と積分キャパシタCiとを有する。
これらの接続関係について説明すると、スイッチ素子51の一端は、アナログ信号Xが入力される入力端子(即ち、IN端子)に接続され、スイッチ素子51の他端は、サンプリングキャパシタCsの一端と、スイッチ素子52の一端とに接続されている。サンプリングキャパシタCsの他端は、スイッチ素子53の一端と、スイッチ素子54の一端とに接続されている。スイッチ素子54の他端は、演算増幅器41の反転入力端子と、積分キャパシタCiの一端とに接続されている。スイッチ素子52、53の他端は固定電位(例えば、接地電位)に接続されている。
また、積分キャパシタCiの一端は演算増幅器41の反転入力端子に接続されており、積分キャパシタCiの他端は演算増幅器41の出力端子に接続されている。演算増幅器41の非反転入力端子はそれぞれ固定電位(例えば、接地電位)に接続されている。
スイッチ素子51〜SW5は、例えばN型MOSトランジスタで構成されている。図5において、クロック信号Φ1がHで、クロック信号Φ2がLのとき、スイッチ素子51、53はONになり、スイッチ素子52、54はOFFになる。また、クロック信号Φ1がHで、クロック信号Φ2がLのとき、スイッチ素子51、53はOFFになり、スイッチ素子52、54はONになる。
一方、図5に示すように、DAコンバータ3は、複数のスイッチトキャパシタ回路scp1〜scp15と、これらと各々対になる複数のスイッチトキャパシタ回路scm1〜scm15とで構成されている。
スイッチトキャパシタ回路scp1は、例えば、スイッチ素子51p1〜54p1と、DA変換のためのキャパシタCdp1と、を有する。スイッチ素子51p1の一端は、正の基準電圧(+Vref)を供給する端子に接続され、スイッチ素子51p1の他端は、キャパシタCdp1の一端と、スイッチ素子52p1の一端とに接続されている。キャパシタCdp1の他端は、スイッチ素子53p1の一端と、スイッチ素子54p1の一端とに接続されている。スイッチ素子54p1の他端は、演算増幅器41の反転入力端子と、積分キャパシタCiの一端とに接続されている。スイッチ素子52p1、53p1の他端はそれぞれ固定電位(例えば、接地電位)に接続されている。
これらスイッチ素子51p1〜54p1は、例えばN型MOSトランジスタで構成されている。図5において、クロック信号Φ1がHで、クロック信号Φ2がLのとき、スイッチ素子51p1、53p1はONになり、スイッチ素子52p1はOFFになる。また、クロック信号Φ1がLで、クロック信号Φ2がHのとき、スイッチ素子51p1、53p1はOFFになり、スイッチ素子52p1はONになる。さらに、スイッチ素子54p1は、制御信号Φ2p1がHで入力されている間だけONになる。
他のスイッチトキャパシタ回路scp2〜scp15も、スイッチトキャパシタ回路scp1と同様の構成を有し、クロック信号Φ1、Φ2と、制御信号Φ2p2〜p15がそれぞれ入力されることにより同様に動作する。
また、スイッチトキャパシタ回路scm1は、例えば、スイッチ素子51m1〜54m1と、DA変換のためのキャパシタCdm1と、を有する。スイッチ素子51m1の一端は、負の基準電圧(−Vref)を供給する端子に接続され、スイッチ素子51m1の他端は、キャパシタCdm1の一端と、スイッチ素子52m1の一端とに接続されている。キャパシタCdm1の他端は、スイッチ素子53m1の一端と、スイッチ素子54m1の一端とに接続されている。スイッチ素子54m1の他端は、演算増幅器41の反転入力端子と、積分キャパシタCiの一端とに接続されている。スイッチ素子52m1、53m1の他端はそれぞれ固定電位(例えば、接地電位)に接続されている。
これらスイッチ素子51m1〜54m1は、例えばN型MOSトランジスタで構成されている。図5において、クロック信号Φ1がHで、クロック信号Φ2がLのとき、スイッチ素子51m1、53m1はONになり、スイッチ素子52m1はOFFになる。また、クロック信号Φ1がLで、クロック信号Φ2がHのとき、スイッチ素子51m1、53m1はOFFになり、スイッチ素子52m1はONになる。さらに、スイッチ素子54m1は、制御信号Φ2m1がHで入力されている間だけONになる。
他のスイッチトキャパシタ回路scm2〜scm15も、上述のスイッチトキャパシタ回路scm1と同様の構成を有し、クロック信号Φ1、Φ2と、制御信号Φ2m2〜m15がそれぞれ入力されることにより同様に動作する。
なお、スイッチ素子51p1〜51p15と、スイッチ素子51m1〜51m15は各々が対になっており、一方がONのとき、他方はOFFになる。例えば、制御信号Φ2p1が入力されるスイッチ素子51p1と、制御信号Φ2m1が入力されるスイッチ素子51m1は一対であり、一方がONのとき、他方はOFFになる。
次に、上記のアナログ積分器1とDAコンバータ3の動作例について、図5を参照しながら説明する。
図5において、クロック信号Φ1がONのとき、即ち、スイッチ素子51、51p1〜51p15、51m1〜51m15と、スイッチ素子53、53p1〜53p15、53m1〜53m15とにクロック信号Φ1が入力されて、これらが全てONのとき、サンプリングキャパシタCsには、アナログ信号Xがサンプリングされる。また、これと同時に、デジタル信号をDA変換するためのキャパシタCdp1〜Cdp15には+Vrefがサンプリングされ、キャパシタCdm1〜Cdm15には−Vrefがサンプリングされる。
図5において、クロック信号Φ2がONのとき、即ち、スイッチ素子52、52p1〜52p15、52m1〜52m15と、スイッチ素子54とにクロック信号Φ2が入力されて、これらが全てONのとき、サンプリングキャパシタCsにサンプリングされた電荷が積分キャパシタCiに転送される。
また、これと同時に、論理回路30から制御信号Φ2p1〜Φ2p15、Φ2m1〜Φ2m15が出力される。ここでは、デジタル信号Yに応じて、制御信号Φ2p1〜Φ2p15、Φ2m1〜Φ2m15の各対が、一方がHで他方がLでそれぞれ出力される。その結果、スイッチ素子54p1〜54p15、54m1〜54m15の各対において一方がONになり、他方がOFFになる。これにより、スイッチトキャパシタ回路scp1〜scp15、scm1〜scm15の各対の一方から、+Vref又は−Vref何れかのサンプリング電荷が積分キャパシタCiに転送され、DA変換が実現される。
図6は、デジタル信号Yと、スイッチ素子54p1〜54p15、54m1〜54m15がONになる比率との関係を示す図である。また、図7(a)及び(b)は、各コンパレータ21〜27の出力(H、L)と、制御信号Φ2p1〜Φ2p15、Φ2m1〜Φ2m15の出力(H、L)との関係を示す図である。さらに、図8(a)及び(b)は、デジタル信号Yに応じたキャパシタcdp1〜p15、cdm1〜cdm15の選択的接続の一例を示した図である。
一例を挙げて説明する。図6に示すように、デジタル信号Yが「−15」であるとき、即ち、マルチビット量子化器2の全ての比較電圧(即ち、閾値Vth1、Vth2、…、Vth7)よりもアナログ積分器1から出力される電圧(即ち、積分電圧)の方が小さいときを想定する。このとき、図7(a)に示すように、各コンパレータ21〜27は全てHを出力し、これらの出力は論理回路30に入力される。クロック信号Φ2がHになるタイミングで、論理回路30は上記の各コンパレータ21〜27からの出力電圧に基づいて、制御信号Φ2p1〜Φ2p15を全てHで出力し、制御信号Φ2m1〜Φ2m15を全てLで出力する。その結果、スイッチ素子54p1〜54p15は全てONになると共に、スイッチ素子54m1〜54m15は全てOFFになる。
これにより、スイッチトキャパシタ回路scp1〜scp15から積分キャパシタCiに+Vrefのサンプリング電荷がそれぞれ転送され、デジタル信号Yは「+15(+15−0=+15)」に相当する電荷に変換される。そして、この変換された電荷「+15」と、入力端子からのアナログ信号Xとを加算した電荷(即ち、差分)が積分キャパシタCiで積分される。
また、別の例を挙げて説明する。図6に示すように、デジタル信号Yが「−7」であるとき、即ち、アナログ積分器1から出力される電圧(即ち、積分電圧)が、マルチビット量子化器2における最も低い比較電圧(即ち、閾値Vth1)よりも大きく、且つ、他の比較電圧(即ち、閾値Vth1、Vth2、…Vth6)よりも小さい場合を想定する。このとき、図7(b)に示すように、各コンパレータ21〜26はHを出力し、コンパレータ27はLを出力し、これらの出力は論理回路30に入力される。クロック信号Φ2がHになるタイミングで、論理回路30は上記の各コンパレータ21〜27からの出力電圧に基づいて、制御信号Φ2p1〜Φ2p11、Φ2m12〜Φ2m15をHで出力し、制御信号Φ2p12〜Φ2p15、Φ2m1〜Φ2m11をLで出力する。その結果、スイッチ素子54p1〜54p11、54m12〜m15はONになると共に、スイッチ素子54p12〜54p15、54m1〜54m11はOFFになる。
これにより、スイッチトキャパシタ回路scp1〜scp11から積分キャパシタCiに+Vrefのサンプリング電荷がそれぞれ転送され、スイッチトキャパシタ回路scm12〜scm15から積分キャパシタCiに−Vrefのサンプリング電荷がそれぞれ転送され、デジタル信号Yは「+7(+11−4=+7)」に相当する電荷に変換される。そして、この変換された電荷「+15」と、入力端子からのアナログ信号Xとを加算した電荷(即ち、差分)が積分キャパシタCiで積分される。
なお、制御信号Φ2p1〜Φ2p4は、コンパレータ21からの出力に基づいてH又はLで出力される。これらの制御信号Φ2p1〜Φ2p4は必ず、互いが同じ信号レベルで出力されるようになっており、例えば、Φ2p1がHで出力されるとき、Φ2p2〜Φ2p4も必ずHで出力されるようになっている。また、制御信号Φ2p1〜Φ2p4がHで出力されるときは、キャパシタCdp1〜cdp4から積分キャパシタCiに+Vrefのサンプリング電荷がそれぞれ転送される。
このことから、図8(a)の破線で示すように、キャパシタCdp1〜cdp4は一組のキャパシタと見なすことができる。キャパシタcdp1〜cdp15の各容量値がCで表されるとき、このキャパシタCdp1〜cdp4からなる一組のキャパシタの容量値は4*Cである。上記の理由から、キャパシタCdp5、cdp6も一組のキャパシタと見なすことができ、その容量値は2*Cである。キャパシタCdp10、cdp11も一組のキャパシタと見なすことができ、その容量値は2*Cである。キャパシタCdp12〜cdp15も一組のキャパシタと見なすことができ、その容量値は4*Cである。
キャパシタCdm1〜Cdm15についても同様であり、キャパシタCdm1〜cdm4は一組のキャパシタと見なすことができ、その容量値は4*Cである。キャパシタCdm5、cdm6も一組のキャパシタと見なすことができ、その容量値は2*Cである。キャパシタCdm10、cdm11も一組のキャパシタと見なすことができ、その容量値は2*Cである。キャパシタCdm12〜cdm15も一組のキャパシタと見なすことができ、その容量値は4*Cである。このように、各キャパシタの容量値は量子化器の量子化ステップに応じて段階的に重み付けされている。
また、このような観点から、サンプリングキャパシタCsと、キャパシタCdp1〜Cdp15、Cdm1〜Cdm15との接続関係を説明すると、デジタル信号Yが「−15」であるときは、図8(a)に示すように、キャパシタCdp1〜cdp4からなる容量値4*Cのキャパシタと、キャパシタCdp5、cdp6からなる容量値2*Cのキャパシタと、容量値CのキャパシタCdp7と、容量値CのキャパシタCdp8と、容量値CのキャパシタCdp9と、キャパシタCdp10、cdp11からなる容量値2*Cのキャパシタと、キャパシタCdp12〜cdp15からなる容量値4*Cのキャパシタと、サンプリングキャパシタCsとが並列に接続されることとなる。
また、デジタル信号Yが「−7」であるときは、図8(b)に示すように、キャパシタCdp1〜cdp4からなる容量値4*Cのキャパシタと、キャパシタCdp5、cdp6からなる容量値2*Cのキャパシタと、容量値CのキャパシタCdp7と、容量値CのキャパシタCdp8と、容量値CのキャパシタCdp9と、キャパシタCdp10、cdp11からなる容量値2*Cのキャパシタと、キャパシタCdm12〜cdm15からなる容量値4*Cのキャパシタと、サンプリングキャパシタCsとが並列に接続されることとなる。
このように、容量値が量子化器の量子化ステップに応じて段階的に重み付けされた各キャパシタは、デジタル信号Yに基づいて、選択的に並列接続される。
図9は、本発明と従来技術と比較したシミュレーションの結果図であり、入力信号レベルに対するTHD+N(即ち、信号歪みとノイズの総和)の変化をグラフ化したものである。ここで、入力信号レベルとは、マルチビットデルタシグマ変調器100の入力端子に入力されるアナログ信号(即ち、入力電圧)Xの絶対値の大きさのことである。図9において、1点破線は従来技術における量子化ノイズを示し、点線は回路から生じるノイズ及び歪みを含めた従来技術におけるTHD+Nを示す。また、破線は本発明における量子化ノイズを示し、実線は回路から生じるノイズ及び歪みを含めた本発明におけるTHD+Nを示す。
図9に示すように、従来技術における量子化ノイズは、入力信号レベルによってほとんど変化しない(つまり、入力信号レベルに依存することなく、ほぼ一定である。)。しかし、従来技術におけるTHD+Nは、入力信号レベルが大きくなるに連れて信号歪みが支配的となって劣化する。
一方、本発明における量子化ノイズは、入力信号レベルが大きくなるに連れて劣化するが、入力信号レベルが小さい段階では(従来技術と比較して)小さい値をとるように改善されている。これにより、本発明におけるTHD+Nは、入力信号レベルが大きい場合には、従来技術とほぼ同レベルでありながら、入力信号レベルが小さい場合には、従来技術よりも小さくなる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7を、例えば、+FSからゼロレベルに向かって段階的に狭くなるように設定すると共に、−FSからゼロレベルに向かって段階的に狭くなるように設定している。そして、このように設定した複数の閾値Vth1、Vth2、…Vth7を各コンパレータ21〜27に入力して、積分電圧との比較を行っている。
このように、各コンパレータ21〜27に所望の特性が得られる重みをもった閾値Vth1、Vth2、…Vth7を与えることによって、入力信号レベルが小さくなるに従って、段階的に量子化ノイズを小さくすることができるため、オーバーサンプリング比の増加やコンパレータの増加、量子化器の増加を伴うことなく、入力信号レベルが小さい又は無信号である際に、量子化ノイズを低減させることができる。
一方で、入力信号レベルが大きい場合には、量子化ノイズが大きくなるが、当該入力に対しては、信号歪みが変換精度に支配的であるため、その影響は無視できる。このため、オーバーサンプリング比の増加や変換速度の高速化、回路面積の著しい増加を伴うことなく、小信号又は無信号時の高いダイナミックレンジを得ることができる。また、上記の特許文献1で示されたような、信号のレベル判定制御が不要である。
なお、上記のマルチビットデルタシグマ変調器100は、ADコンバータに適用して極めて好適である。即ち、マルチビットデルタシグマ変調器100をADコンバータに搭載した場合でも、オーバーサンプリング比の増加や回路面積の著しい増加を伴うことなく、小信号又は無信号時の高いダイナミックレンジを得ることができる。小信号又は無信号時の高いダイナミックレンジは、特に、ADコンバータの性能として重要視される。
(2)第2実施形態
上記の第1実施形態では、アナログ積分器1をスイッチトキャパシタ回路を用いて構成する場合について説明した。しかしながら、本発明において、アナログ積分器の構成はこれに限られることはない。例えば、スイッチトキャパシタ回路に代えて、抵抗器、容量素子からなる連続フィルタを用いて、アナログ積分器を構成するようにしてもよい。
図10は、本発明の第2実施形態に係るマルチビット量子化器2Aの構成例を示す図である。マルチビット量子化器2Aは、図1においてマルチビット量子化器2と代替可能なものであり、図10に示すように、閾値生成回路10と、複数のコンパレータ21〜27と、論理回路30と、を有する。
これら各要素の接続関係は第1実施形態と同様である。即ち、各コンパレータ21〜27は、並列に配置されており、その一方の入力端子(例えば、非反転入力端子)はアナログ積分器1のOUT端子に共通に接続されており、その他方の入力端子(例えば、反転入力端子)は閾値生成回路10の各接続点にそれぞれ接続されている。また、各コンパレータ21〜27の出力端子はそれぞれ論理回路30に接続されている。
この第2実施形態では、論理回路30は、デジタル信号YをDAコンバータ3を介してアナログ積分器1の入力側に帰還させるために、デジタル信号Yに応じて、複数の制御信号p1〜p15、m1〜m15をDAコンバータ3の入力側に出力する。制御信号p1〜p15と、制御信号m1〜m15は各々が対になる信号である。例えば、制御信号p1と制御信号m1は一対の信号であり、一方がHで出力されるとき、他方はLで出力される。制御信号p2と制御信号m2についても同様である。
図11は、本発明の第2実施形態に係るアナログ積分器1AとDAコンバータ3Aの構成例を示す図である。アナログ積分器1Aは、図1においてアナログ積分器1と代替可能なものである。また、DAコンバータ3Aは、図1においてDAコンバータ3と代替可能なものである。図11に示すように、アナログ積分器1Aは、例えば、抵抗器Rinと、積分キャパシタCiと、演算増幅器41とを有する。
これら各要素の接続関係を説明すると、抵抗器Rinの一端は、アナログ信号Xが入力される入力端子に接続され、抵抗器Rinの他端は、演算増幅器41の反転入力端子と積分キャパシタCiの一端とに接続されている。また、積分キャパシタCiの一端は演算増幅器41の反転入力端子に接続されており、積分キャパシタCiの他端は演算増幅器41の出力端子に接続されている。演算増幅器41の非反転入力端子は固定電位(例えば、接地電位)に接続されている。
一方、図11に示すように、DAコンバータ3Aは、マルチビット量子化器2Aの論理回路30から出力される制御信号p1〜p5、m1〜m5に応じて、アナログ信号Xに電流を加算する、複数の電流供給回路z1〜z15を有する。
電流供給回路z1は、例えば、一対のスイッチ素子55p1、56m1と、定電流源57p1、58m1とを有する。定電流源57p1の一端は電源(例えば、正電位)に接続されており、その他端はスイッチ素子55p1の一端に接続されている。また、スイッチ素子55p1の他端はスイッチ素子56m1の一端に接続され、スイッチ素子56m1の他端は定電流源58m1の一端に接続されている。そして、定電流源58m1の他端は固定電位(例えば、接地電位)に接続されている。また、スイッチ素子55p1とスイッチ素子56m1との接続点は、演算増幅器41の反転入力端子と積分キャパシタCiの一端とに接続されている。
これらスイッチ素子55p1、56m1は、例えばN型MOSトランジスタで構成されている。図11において、スイッチ素子55p1は制御信号p1がHで入力されているときだけONになり、スイッチ素子56m1は制御信号m1がHで入力されているときだけONになる。スイッチ素子55p1がONで、スイッチ素子56m1がOFFのとき、演算増幅器41の反転入力端子及び積分キャパシタCiの一端の側は、スイッチ素子55p1を介して定電流源57p1に接続される。また、スイッチ素子55p1がOFFで、スイッチ素子56m1がONのとき、演算増幅器41の反転入力端子及び積分キャパシタCiの一端の側は、スイッチ素子56m1を介して定電流源58m1に接続される。また、他の電流供給回路z2〜z15も、上述の電流供給回路z1と同様の構成を有し、制御信号p2〜p15、m2〜m15が入力されることにより同様に動作する。
図11において、スイッチ素子55p1〜55p15と、これらと各々対になるスイッチ素子56m1〜56m15は、デジタル信号Yに応じて(即ち、制御信号p1〜p15、m1〜m15の出力H、Lに応じて)、対の一方がONし、他方がOFFになる。その結果、各電流供給回路z1〜z15において、定電流源57p1〜p15、58m1〜58m15の各対の一方が、演算増幅器41の反転入力端子及び積分キャパシタCiの一端の側に接続される。そして、当該一方から供給される電荷が演算増幅器41及び積分キャパシタCiによって電圧変換されて、DA変換が実現される。
図12は、デジタル信号Yと、スイッチ素子55p1〜55p15、56m1〜56m15がONになる比率との関係を示す図である。また、図13(a)及び(b)は、各コンパレータ21〜27の出力(H、L)と、制御信号p1〜p15、m1〜m15の出力(H、L)との関係を示す図である。さらに、図14(a)及び(b)は、デジタル信号Yに応じた定電流源57p1〜57p15、57m1〜57m15の選択的接続の一例を示した図である。
一例を挙げて説明する。図12に示すように、デジタル信号Yが「−15」であるとき、即ち、マルチビット量子化器2Aの全ての比較電圧(閾値Vth1、Vth2、…、Vth7)よりもアナログ積分器1Aから出力される電圧(即ち、積分電圧)の方が小さいときを想定する。このとき、図13(a)に示すように、各コンパレータ21〜27は全てHを出力し、これらの出力は論理回路30に入力される。これを受けて、論理回路30は上記の各コンパレータ21〜27からの出力に基づいて、制御信号p1〜p15を全てHで出力し、制御信号m1〜m15を全てLで出力する。その結果、スイッチ素子55p1〜55p15は全てONになると共に、スイッチ素子56m1〜56m15は全てOFFになる。
これにより、定電流源57p1〜57p15から積分キャパシタCiに正の基準電流(+Iref)がそれぞれ供給され、デジタル信号Yは「+15(+15−0=+15)」に相当する電荷に変換される。そして、この変換された電荷「+15」と、入力電圧Xとを加算した電荷(即ち、差分)が積分キャパシタCiで積分される。
また、別の例を挙げて説明する。図12に示すように、デジタル信号Yが「−7」であるとき、即ち、アナログ積分器1から出力される電圧(即ち、積分電圧)が、マルチビット量子化器2における最も低い比較電圧(閾値Vth1)よりも大きく、且つ、他の比較電圧(閾値Vth1、Vth2、…Vth6)よりも小さい場合を想定する。このとき、図13(b)に示すように、コンパレータ21〜26はHを出力し、コンパレータ27はLを出力し、これらの出力は論理回路30に入力される。これを受けて、論理回路30は制御信号p1〜p11、m12〜m15をHで出力し、制御信号m1〜m11、p12〜p15をLで出力する。その結果、スイッチ素子55p1〜55p11、55m12〜55m15はONになると共に、スイッチ素子56m1〜56m11、56p12〜56p15はOFFになる。
これにより、定電流源57p1〜57p11から積分キャパシタCiに正の基準電流(+Iref)がそれぞれ供給され、定電流源57m11〜57m15から積分キャパシタCiに負の基準電流(−Iref)がそれぞれ供給され、デジタル信号Yは「+7(+11−4=+7)」に相当する電荷に変換される。そして、この変換された電荷「+7」と、入力電圧Xとを加算した電荷(即ち、差分)が積分キャパシタCiで積分される。
なお、制御信号p1〜p4は、コンパレータ21からの出力電圧に基づいてH又はLで出力される。これらの制御信号p1〜p4は必ず、互いが同じ信号レベルで出力されるようになっており、例えば、p1がHで出力されるとき、p2〜p4も必ずHで出力されるようになっている。また、制御信号p1〜p4がHで出力されるときは、定電流源57p1〜57p4から積分キャパシタCiに正の基準電流+Irefがそれぞれ供給される。
このことから、図14(a)の破線で示すように、定電流源57p1〜57p4は一組の電流源と見なすことができる。定電流源57p1〜57p15から供給される各電流値が+Iで表されるとき、この定電流源57p1〜57p4からなる一組の電流源の電流値は+4*Iである。上記の理由から、定電流源57p5、57p6も一組の電流源と見なすことができ、その電流値は+2*Iである。定電流源57p10、57p11も一組の電流源と見なすことができ、その電流値は+2*Iである。定電流源57p12〜57p15も一組の電流源と見なすことができ、その電流値は+4*Iである。
定電流源57m1〜57m15についても同様であり、定電流源57m1〜57m4は一組の電流源と見なすことができ、その電流値は−4*Iである。定電流源57m5、57m6も一組の電流源と見なすことができ、その電流値は−2*Iである。定電流源57m10、57m11も一組の電流源と見なすことができ、その電流値は−2*Iである。定電流源57m12〜57m15も一組の電流源と見なすことができ、その電流値は−4*Iである。このように、各定電流源の電流値は量子化器の量子化ステップに応じて段階的に重み付けされている。
また、このような観点から、定電流源57p1〜57p15、57m1〜57m15の接続関係を説明すると、デジタル信号Yが「−15」であるときは、図14(a)に示すように、定電流源57p1〜57p4からなる電流値+4*Iの電流源と、定電流源57p5、57p6からなる電流値+2*Iの電流源と、電流値+Iの定電流源57p7と、電流値+Iの定電流源57p8と、電流値+Iの定電流源57p9と、定電流源57p10、57p11からなる電流値+2*Iの電流源と、定電流源57p12〜57p15からなる電流値+4*Iの電流源は並列に接続されることとなる。
また、デジタル信号Yが「−7」であるときは、図14(b)に示すように、定電流源57p1〜57p4からなる電流値+4*Iの電流源と、定電流源57p5、57p6からなる電流値+2*Iの電流源と、電流値+Iの定電流源57p7と、電流値+Iの定電流源57p8と、電流値+Iの定電流源57p9と、定電流源57p10、57p11からなる電流値+2*Iの電流源と、定電流源57m12〜57m15からなる電流値−4*Iの電流源と、とが並列に接続されることとなる。
このように、電流値が量子化器の量子化ステップに応じて段階的に重み付けされた各電流源は、デジタル信号Yに基づいて、選択的に並列接続され、例えば図11に示した演算増幅器41の反転入力端子に直列に接続される。
本発明の第2実施形態によれば、アナログ積分器を抵抗器Rin、積分キャパシタCiからなる連続フィルタで構成した場合でも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。即ち、図9に示したように、THD+Nについて、入力信号レベルが大きい場合には従来技術とほぼ同レベルとすることができ、入力信号レベルが小さい場合には従来技術よりも小さくすることができる。
これにより、各コンパレータ21〜27に所望の特性が得られる重みをもった閾値Vth1、Vth2、…、Vth7を与えることによって、オーバーサンプリング比の増加やコンパレータの数を増加させることなく、入力信号レベルが小さい又は無信号である際に、量子化ノイズを低減させることができる。
なお、上記の第1、第2実施形態では、7つの異なる閾値Vth1、Vth2、…、Vth7で、アナログ信号を量子化する場合について説明した。しかしながら、本発明において、アナログ信号を量子化するための閾値の数は7つに限定されるものではない。本発明において、アナログ信号を量子化するための閾値の数は少なくとも3つ以上(より望ましくは、4つ以上)設定されていればよい。即ち、本発明は、少なくとも3つ以上(より望ましくは、4つ以上)の異なる閾値でアナログ信号を量子化する場合に適用可能である。
1、1A アナログ積分器
2、2A アナログ積分器
3、3A コンバータ(DAC)
4 加算器
10 閾値生成回路
11 アナログ積分器
11〜18 抵抗器
21〜27 コンパレータ
30 論理回路
41 演算増幅器
43 スイッチトキャパシタ回路
51、51p1〜51p15、51m1〜51m15 スイッチ素子
52、51p1〜51p15、51m1〜51m15 スイッチ素子
53、53p1〜53p15、53m1〜53m15 スイッチ素子
54、54p1〜54p15、54m1〜54m15 スイッチ素子
55p1〜55p15、55m1〜55m15 スイッチ素子
56p1〜56p15、56m1〜56m15 スイッチ素子
57p1〜57p15、58m1〜58m1 定電流源
100 マルチビットデルタシグマ変調器
Cs サンプリングキャパシタ
Ci 積分キャパシタ
Cdp1〜Cdp15、Cdm1〜Cdm15 キャパシタ
p1〜p15、m1〜m15 制御信号
scp1〜scp15、scm1〜scm15 スイッチトキャパシタ回路
z1〜z15 電流供給回路
X アナログ信号(入力電圧)
Y デジタル信号(出力電圧)
Φ1、Φ2 クロック信号
Φ2p1〜Φ2p15、Φ2m1〜Φ2m15 制御信号

Claims (7)

  1. 入力信号を積分する積分器と、
    前記積分器から出力される出力信号を異なる量子化ステップによる複数の閾値で量子化する量子化器と、
    前記量子化器から出力される信号を前記積分器の入力側に帰還する帰還回路と、を備えるデルタシグマ変調器であって、
    前記複数の閾値の互いの間隔は、前記積分器から出力される前記出力信号のフルスケールレベルを意図する信号領域から当該出力信号のゼロレベルを意図する信号領域に向かって、段階的に狭くなるように設定されていることを特徴とするマルチビットデルタシグマ変調器。
  2. 前記複数の閾値は、少なくとも3つ以上又は4つ以上の閾値であることを特徴とする請求項1に記載のマルチビットデルタシグマ変調器。
  3. 前記積分器は、スイッチトキャパシタ回路を有し、
    前記帰還回路は、前記スイッチトキャパシタ回路の入力キャパシタにそれぞれが並列接続可能であり且つ各容量値が段階的に重み付けされた複数のキャパシタを有し、
    前記複数のキャパシタは、前記量子化器から出力される前記信号に基づいて、前記入力キャパシタに選択的に並列接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマルチビットデルタシグマ変調器。
  4. 前記積分器は、抵抗器、容量素子及び演算増幅器を有し、
    前記帰還回路は、前記演算増幅器の入力端子にそれぞれが接続可能であり且つ各電流値が段階的に重み付けされた複数の電流源を有し、
    前記複数の電流源は、前記量子化器から出力される前記信号に基づいて、前記演算増幅器の前記入力端子に選択的に接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマルチビットデルタシグマ変調器。
  5. 前記量子化器は、直列接続され且つ各抵抗値が段階的に重み付けされた複数の抵抗器を有し、
    前記複数の閾値は、前記複数の抵抗器の各接続点から電圧が出力されることにより生成されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のマルチビットデルタシグマ変調器。
  6. 入力信号を積分する積分器と、
    前記積分器から出力される出力信号を異なる量子化ステップによる複数の閾値で量子化する量子化器と、
    前記量子化器から出力される信号を前記積分器の入力側に帰還する帰還回路と、を備えるデルタシグマ変調器であって、
    前記複数の閾値の互いの間隔は、大の閾値絶対値から小の閾値絶対値に向かって、段階的に狭くなるように設定されていることを特徴とするマルチビットデルタシグマ変調器。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載のマルチビットデルタシグマ変調器、を備えることを特徴とするADコンバータ。
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