JP2012022211A - 定着装置、制御方法、および画像形成装置 - Google Patents

定着装置、制御方法、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来においては、記録紙サイズに関わらず予めヒータに与える通電パターンテーブルを一様に定めておき、テーブルに基づいて制御を行っていた為に、ヒータの駆動本数によって端部昇温を抑制する構成を取った場合、様々な用紙サイズにおいて高調波とフリッカを両立する制御を実現することが難しかった。
【解決手段】ヒータの通電パターンを決定する際にヒータ駆動本数を判定し、本数に応じたヒータ通電パターンを用いる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、電子写真プロセスにおいて用いられる画像形成装置の定着装置、制御方法に関し、特に加熱手段として抵抗体ヒータを用いた定着手段の制御方法に関するものである。
電子写真等において、紙等の記録材に画像を定着させる方法として熱ローラ方式が幅広く用いられている。熱ローラ方式においては、ロール内にハロゲンヒータの配置された定着ロールと、定着ロールに対して記録紙を加圧するための加圧ロールとによって構成されている。これらのロール間を記録紙が通紙されることで、記録紙上に形成された画像が熱と圧力によって定着される。熱ローラ方式は、一般的に定着ローラの熱容量を大きくし、蓄熱を行う事で安定した定着動作を供給する事を特徴としている。しかしながら、熱容量が大きい為に所望の温度に達するまでに多大な時間を要する。これによりプリントを開始するまでにユーザの待ち時間が発生している。さらに、待ち時間を発生させず素早くプリント動作へ遷移するためには、待機時においても一定温度に保つ為に電力を消費しなければならなかった。
この待ち時間を短縮する手法として、特許文献1のようなフィルム加熱式の加熱装置が用いられている。フィルム加熱式の定着装置では、熱源としてセラミックヒータのような面発ヒータを用いたものがある。面発ヒータは抵抗体によるヒータである為、与えられたエネルギーが直接熱へと変換される。そのため、ハロゲンヒータが放射される輻射熱によって定着装置を加熱するのに対して素早い応答速度を得る事ができる。
一方で、面発ヒータは瞬時に加熱が可能である一方、熱容量が少ない。これにより、記録紙の幅が面発ヒータより狭い、いわゆる少サイズ紙を通紙した場合には、端部の熱量が記録紙によって奪われず、中央部に対して端部の温度が上昇してしまう端部昇温の問題がある。このような端部昇温が発生すると後続紙が大サイズである場合において、記録紙に与える熱量の不均一性によって定着性が不均一化する定着オフセット問題や、セラミックヒータ上の熱片寄りによってヒータが割れる現象が生じてしまう。よってこれら問題を解決する為に、例えば特許文献2においては、中央部と端部の発熱比率の違う2本のヒータを用い、それぞれの駆動量を制御する事で幅方向に対する温度分布の均一化が提案されている。
特開昭63−313182号公報 特開2006−072000号公報
前述した2本の異配熱型ヒータによって各用紙サイズにおいて温度の均一化制御を行う為には、面発ヒータの応答性も勘案する必要がある。さらに、一定の温度範囲内で面発ヒータ温度を保つ為に、商用電源による50Hzの1波よりもさらに細やかな時間で制御を行う必要性がある。そのために、商用電源における1波内の電力投入の位相角によって、ヒータに与える電力を制御する位相制御が用いられている。
ここで、記録紙の幅が中央部の発熱比率の大きいヒータの幅よりも広い大サイズ紙においては、2本のヒータを共に使用する必要があり、その際の投入電力は1000Wと大きい。また、大電力に対して位相制御を行う事により、高調波電流の発生を招いてしまう。高調波電流の発生量は、欧州においてはIEC規格、日本においてはJIS規格に基づいてその発生量に規制がなされている。例えば欧州のIEC61000−3−2規格によれば、高調波電流は高調波電流測定装置によって測定され、その値は商用電源の周波数を基準波とし、2〜40次の各高次波における最大及び平均電流で表される。すなわち各次数で各々定められた制限の範囲内に高調波の発生量を収めなければならない。
一方で記録紙の幅が中央部の発熱比率が大きいヒータの幅よりも狭い小サイズ紙においては、2本のヒータのうち、端部熱量の大きい側のヒータへの電力を減少させるために、一定の割合で投入電力を減らした制御が行われる。この場合、端部熱量が小さい方の1本のヒータのみ駆動するパターンが存在する。
位相制御は、2本のヒータを制御する場合には商用電源の複数の波を一つの電力制御パターンとし、パターン内において各ヒータへの投入位相角を互いにずらす。これにより、特定角で電力投入が行われる事を制限する事が出来る。しかしながら1本のヒータで駆動される場合、位相制御により投入位相角をずらすと、商用電源の1波単位で投入電流量が変化してしまいフリッカの発生要因となる。
IEC61000−3−3規格によれば、フリッカはフリッカメータを用いて測定を行い、その値はPst値で表され、Pst=1.00以下でなければならないとされている。さらに、Pst値は電源電圧変動量及び8.8Hzを中心としたフリッカメータ応答特性によって算出される。このときの応答特性はフリッカの発生周期による照明のちらつきに対する視覚感度に相当しており、8.8Hzに近いフリッカによる照明のちらつきは人が認識しやすい。
本発明は上記の実状を鑑みて、記録紙のサイズに関わらず高調波及びフリッカの発生の抑制を可能とする定着装置の制御方式を提供する事を目的とする。
上記目的を達成する為に本発明は以下の構成を有する。記録紙を加熱する複数の加熱手段と、前記複数の加熱手段に通紙される前記記録紙の幅に応じて、前記複数の加熱手段それぞれの駆動率を決定するヒータ駆動率決定手段と、交流電源における一定の区間の波形を一組として、前記複数の加熱手段それぞれに対する前記一定の区間にて通電を行う通電パターンを決定する通電パターン決定手段と、前記ヒータ駆動率決定手段により決定された駆動率と、前記通電パターン決定手段により決定された通電パターンとに基づいて、前記複数の加熱手段それぞれに電力を供給する供給手段とを有し、前記交流電源の正弦波における位相角を制御する位相制御により、前記複数の加熱手段それぞれへの通電における前記交流電源に対する通電比率を制御する定着装置であって、前記通電パターン決定手段は、前記複数の加熱手段のうち、一つの加熱手段を駆動する場合には、駆動する加熱手段に対する通電パターンの正弦波の位相角を、前記一定の区間における通電比率が均一となるように設定し、前記複数の加熱手段のうち、複数の加熱手段を駆動する場合には、前記一定の区間において、駆動する前記複数の加熱手段それぞれの通電パターンの位相角が互いに重ならず、当該複数の加熱手段それぞれの位相角の平均が同一となるように設定する。
本発明により、高調波電流及びフリッカの発生を抑制することが可能となる。
カラー画像形成装置の模式断面図。 ローラ定着器の一例を示す図。 ヒータ制御部を示す図。 位相制御回路を示す図。 ヒータ二本を駆動するパターンを示す図。 ヒータ一本を駆動するパターンを示す図。 記録紙サイズに対するヒータ駆動率を示す図。 ヒータ駆動の制御フローチャート。 位相角分散制御を示す図。
[機器構成]
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明を適用する電子写真方式でタンデム型の中間転写ベルト(中間転写手段)を有するカラー画像形成装置(カラープリンタ)の一例を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Bkの4つの画像形成部(画像形成ユニット)を備える。これら4つの画像形成部1Y,1M,1C,1Bkは一定の間隔において一列に配置される。さらにその画像形成部の下方に給紙ユニット17を配置する。また、給紙ユニットに積載される記録媒体(記録紙P)の搬送パス18を給紙ユニット17に対して縦に配置し、その上方に定着ユニット16を備える。この画像形成装置によって、記録紙上に形成された画像は定着ユニット16によって定着される。
次に図2(a)、図2(b)の定着装置である定着ユニット16の構成図を用いて、定着動作の説明を行う。定着ユニット16は、加熱手段であるヒータ201、定着フィルム202、加圧ローラ203、コの字板金211、温度検知手段であるサーミスタ212、ホルダ213、セルフバイアス回路214を備える。ヒータ201は、特定の発熱パターンが与えられると(図4参照)、1秒間に50℃ほど温度上昇する極めて応答性の高いセラミックヒータである。定着フィルム202は金属を基材とし、その上に300μmほどのゴム層、さらにフッ素表面処理を施したフィルムである。その特性は、熱容量が極めて小さく、定着フィルム202と加圧ローラ203とのニップ部にのみヒータ201の熱を伝えることができる。加圧ローラ203は、硬度が60度程度であり、定着フィルム202を摩擦駆動している。なお、記録紙Pは定着フィルム202と加圧ローラ203とのニップ部を通紙される。コの字板金211は、定着フィルム202を内側から加圧ローラ203に加圧しており、加圧力は180N程度である。
サーミスタ212はヒータ201の温度を検知し、ヒータ201の中央に配置される中央部サーミスタ212aは定着温度制御のための温度を検知している。図2(b)はヒータ201の構造の概略を示しており、図2(b)におけるヒータ201の左右の方向(ヒータの長手方向)は記録紙Pの幅の方向と一致している。また、本定着装置が扱う記録紙の最大サイズの幅とヒータの幅とは一致しているものとする。なお、本明細書において図2(b)に示したヒータの長手方向(記録紙Pの通紙方向に対して垂直方向)における長さを“ヒータの幅”、同様に記録紙Pの搬送方向に対して直交する方向の長さを“記録紙の幅”と記載する。また、ここで記載する“ヒータの幅”とは、ヒータ201が扱う最大サイズの記録紙に対して加熱することができる領域の長さでもある。このとき、ヒータ201の端部に配置される端部サーミスタ212bは、小サイズ紙を通紙した際に非通紙部分となる個所の温度を検知している。ここでのヒータの“中央”とは、ヒータの幅における中央の位置を意味する。同様に、ヒータの“端部”とは、ヒータの幅における端部(両端部)を意味する。ここで検知した温度は、CPU304に渡され、温度制御において用いられることとなる。なお、ここで述べた定着装置の構成は一例であり、本発明が適用可能であれば、別の構成であってもよく、また、上記に示した各構成要素の基材やその他の数値は変動しても良い。
次に定着ユニット16におけるヒータ201の通電制御を行う回路について説明する。図3はヒータ201の駆動および制御を行うヒータ駆動のための制御回路、及び故障検知回路の回路構成を示す回路図である。CPU304よりヒータのON信号が発せられるとフォトトライアックカプラ302を通じてトライアック303が通電状態に切り替えられる。このときヒータ201に対して商用電源301より電力が供給される為、ヒータ201は発熱する。このときのヒータ201の温度はサーミスタ212によって検出され、電源Vccの分圧として、CPU304に内蔵されたADコンバータ(不図示)によってAD値として検出される。なお、図3においては、説明を簡略化するため、回路を1つのみ表示しているが、実際には、メインヒータ201a、サブヒータ201bそれぞれへの信号を発するための回路が備わっている。
[ゼロクロス信号制御]
次に図4を用いて、位相制御に用いるゼロクロス信号検出回路の説明を行う。図4の回路に商用電源(交流電源)のAC波形が入力されると、フォトカプラ401によって、AC入力が正の時にはHi、負の時にはLoとなる波形が得られる。このときのHi,Loが切り替わる点がゼロクロス402である。本実施形態における位相制御はゼロクロス402を基点とし、CPU304への入力波形のHi区間若しくはLo区間を1半波の区間とする。図3におけるCPU304は、半波内において、投入したい電力に適合したタイミング(位相角)でトライアック303にON信号(トライアック駆動信号)を出力する事でトライアック303はONされる。さらにゼロクロス402のタイミングにおいてはAC電源の正負が反転する事でトライアック303はOFFされる。この動作を各半波に対して行う事で、ヒータ201に投入される電力(商用電源に対する通電比率)は位相角により制御する事が出来る。
また、本実施形態においては図2(b)に示すように、ヒータ201はその中央部の発熱量が端部に比べて15%高いメインヒータ201aと端部の発熱量が中央部に比べて30%高いサブヒータ201bとの複数のヒータによって構成されている。またそれぞれの抵抗値はメインヒータ201aが30Ω、サブヒータ201bが60Ωである。さらにヒータ201の幅はA4用紙の幅と一致している。従って、本実施形態では、定着装置が扱う記録紙の最大サイズはA4となる。そのため、ヒータ201と幅が一致したフルサイズ紙(A4サイズ紙)においてはメインヒータ201aとサブヒータ201bに対して同量の電力を投入する事でヒータ201の幅の全体に対する熱分布を均一に保つ事が出来る。メインヒータ201aとサブヒータ201bとの発熱量の総量がヒータ201の発熱量となる。なお、ここではメインヒータを第一の加熱手段、サブヒータを第二の加熱手段とも呼ぶ。
また、ヒータ201が加熱可能な最大サイズの記録紙よりも幅の狭い小サイズ紙を通紙する場合には、中央部サーミスタ212aと端部サーミスタ212bとの温度差に応じてヒータ201a及びヒータ201bへの電力投入量を決定する。ここでは、サーミスタの温度差を20℃以内に保つよう制御を行っている。なお、サブヒータ201bに対する投入電力をメインヒータ201aよりも小さく制御することで、ヒータ201の端部における発熱量を低くし、記録紙と接触しない事で発生する端部昇温の抑制を実現している。
なお、ここで駆動率とは、ある所定の周期において、装置が駆動されている時間(割合)を示している。
[定着ヒータ制御]
次に本実施形態の定着ヒータ制御手段について説明する。図5はヒータ二本を駆動した場合の信号および波形を示す図である。例えば、A4サイズのようなヒータの幅と記録紙の幅が合致した記録紙Pを搬送する場合、ヒータ201はメインヒータ201a、サブヒータ201bを両方とも駆動するように制御を行う。メインヒータ201aとサブヒータ201bの抵抗体は、両方の熱量を合計するとヒータの幅の方向(長手方向)において、熱量が均一となるように抵抗体のパターンが構成されている。よって、ヒータの幅の方向を均一熱量で駆動する為に、二本のヒータは、メインヒータ201aとサブヒータ201b間で電力投入量の比が2:1、つまり一定区間の投入位相角の平均が同一となるように制御されている。
また、高調波は正弦波のゼロクロス以外の位置でヒータ201への通電を切り替えることによって最も発生しやすい。よって、出来る限りゼロクロス402に近い位置で通電を切り替えることが望ましい。一例として図5を用いて正弦波の全波を通電した場合を100%とし、正弦波の60%投入を行った場合を説明する。本実施形態においては、商用電源の4半波を一組とし、4半波分のパターンを順々に実行していくことでヒータ201への通電比率を制御している。よって、1波の途中から電力が投入される位相制御の発生回数を減らす為に、メインヒータ201aにおいては、4半波の内の前側の2半波(前2半波)においては100%通電、4半波の内の後側の2半波(後2半波)においては20%通電を行い、合計で60%通電となるように通電を行う。上記の方法により、高調波の発生を抑制している。
また、フリッカの発生を抑制するためには、交流電源の各波単位に対しての電流量の変動を少なくする必要がある。そのために、メインヒータ201aとサブヒータ201bとの4半波の周期におけるパターンのONとOFFとが、半波内にて逆となるように制御を行う。つまり、メインヒータ201aが4半波中の前2半波において20%通電、後2半波において100%通電としている場合には、サブヒータは前2半波において100%通電、後2半波において20%通電となるパターンを取る。このような通電パターンにより、高調波が発生する位相制御を20%通電が行われる部分のみに抑制すると共に、メインヒータ201aとサブヒータ201bの合成波形において、各波においての電流量が一定となるような制御を行う。これによって、フリッカの発生を抑制している。
上記で述べたように、各駆動信号に基づく通電パターンにより、ヒータ201に対する制御を行う。なお、通電する比率を変更する場合には、メインヒータ201aおよびサブヒータ201bの仕様(抵抗値等)をふまえて、それぞれに通電する割合を変更すれば良い。この場合においても、メインヒータ201aおよびサブヒータ201bにおける一定区間の投入位相角の平均が同一になるように制御する。
[小サイズ紙に対する制御]
次に図6は小サイズ紙を通紙した場合の制御図である。小サイズ紙を使用する場合には、前述の二本のヒータ201を駆動する場合(複数駆動)に加えてメインヒータ201aのみを駆動するモードを併用する。これによって端部への熱量を減らす事で端部昇温を抑制する事が出来る。また、図7のテーブルは目的温度を達成するための各ヒータの駆動率を示している。例えばB5サイズの用紙を通紙する場合には、図7の用紙サイズによる駆動量を示した図に示されているとおり、メインヒータ201aを常時使用、サブヒータ201bを33%の区間使用する制御を行う。具体的には1波区間使用、2波区間使用と言ったサブヒータ201bを使用するか否かを周期的に変更する事で駆動率が33%となるようにCPU304がヒータ駆動率決定の制御を行う。
しかしながら、このようなヒータ駆動率に対応する通電パターンを取った場合、メインヒータ201aのみがONされている区間においてメインヒータ201a、サブヒータ201bの両方がONされたときと同じ通電パターンを用いると、フリッカの要因となってしまう。これは、4半波内において前2半波は100%通電、後2半波は20%通電といった電流量の偏りが発生するためである。また、メインヒータ201aのみが動作している場合には、両ヒータが動作しているときに比べて位相制御の発生回数が1/2となる。これは、サブヒータ201bの位相制御を行わないためである。
そこで、図6に示すように、4半波内において各々の半波を60%で位相制御する制御パターンをメインヒータ201aのみが動作している場合に使用する。また、2本のヒータが共に動作する場合には、前述の通り位相角を変更した通電パターンを用いる。これによって記録紙のサイズに関わらず、高調波及びフリッカの抑制を両立した定着制御を実現する事が出来る。
[制御フロー]
次に図8を用いて本実施形態における制御フローチャートの説明を行う。なお、本処理フローは、例えば、CPU304が画像形成装置に備えられた記憶部(不図示)に格納されたプログラム等を読み出し、実行するものとする。画像形成動作を開始すると(S1001)、用紙カセットに備えられた用紙サイズ検知機構によって検知された通紙される用紙サイズに応じてメインヒータ及びサブヒータの駆動率を決定する(S1002)。ここで、用紙サイズに応じた各ヒータの駆動率は、例えば図7に示すように予め用紙サイズごとに定義されたデータとして記憶部(不図示)等に格納されているものを用いる。
次に駆動するメインヒータ201a及びサブヒータ201bの各々の次4半波での駆動パターンが決定すると、用紙サイズに基づいたヒータの駆動パターンからヒータ201が1本駆動か、2本駆動かを判定する(S1003)。このとき、2本駆動である場合(S1003にてYES)には、位相角をメインヒータ201aは前2半波を最大駆動幅、サブヒータ201bは後2半波を最大駆動幅となるように設定されたヒータ駆動パターンを使用するとして設定する(S1004)。また1本駆動であるメインヒータ201aのみが駆動される場合には4半波全てが均等の駆動幅となるヒータ駆動パターンを使用するとして設定する(S1005)。S1004およびS1005にて用いられるパターンテーブルは、例えば、画像処理装置に備えられた記憶部(不図示)等から読み出される。これにより、通電パターン決定を行う。
そして決定された駆動パターンに基づき4半波のヒータ通電を行う(S1006)。これらの動作を繰り返し行い、画像形成が終了したと判定すると(S1007にてYES)、ヒータ201の駆動を終了する。
[位相角の分散]
更に、図9に示す各用紙サイズにおける位相角の分散比率のように、ヒータ201の制御方法として各用紙サイズに応じて、位相角の分散量を変更しても良い。これは、用紙サイズに応じてヒータそれぞれの駆動率が異なるため、各ヒータの駆動率により位相角の分散量を定義するものである。図9は駆動率を60%とした場合の各ヒータへの通電比率および投入電力を示している。ここでは、用紙サイズに応じて、メインヒータ201aとサブヒータ201bの通電比率を変更する。例えば、A4サイズの用紙に対して、第一、第二半波ではメインヒータ201aに対し100%の通電比率とし、サブヒータ201bに対し20%の通電比率とする。また、第三、第四半波では、メインヒータ201aに対し20%の通電比率とし、サブヒータ201bに対し100%の通電比率とする。同様に、A4サイズよりも幅の小さいB5サイズの用紙に対しては、第一、第二半波ではメインヒータ201aに対し48%の通電比率とし、サブヒータ201bに対し72%の通電比率とする。また、第三、第四半波では、メインヒータ201aに対し72%の通電比率とし、サブヒータ201bに対し48%の通電比率とする。
この方法により、記録紙幅が長い場合には位相角を中心(位相角が90度もしくは270度)からずらしたパターンを用いて高調波の発生を抑制する。つまり、通電パターンの周期内において、前2半波と後2半波の差が大きくなる様に制御する。そして、用紙が通過するヒータ201の幅が狭くなるに応じて(用紙サイズが小さくなるに応じて)、サブヒータ201bの駆動率を上げると共に、通電位相角の中心からの分散量を減少させる。つまり、通電パターンの周期内において、前2半波と後2半波の差を小さくする。これにより、高調波発生量とフリッカ発生量とを調整するように制御を行う。
また、本実施形態においては、最大2本のヒータを制御して、画像定着を行った。しかし、ヒータの本数はこれに限定されるものではなく、本発明が適用できれば、2以上のヒータを制御対象として画像定着を行うことも可能である。
以上により、本発明は、各用紙サイズに対して高調波及びフリッカの発生を抑制する事が出来る。

Claims (8)

  1. 記録紙を加熱する複数の加熱手段と、
    前記複数の加熱手段に通紙される前記記録紙の幅に応じて、前記複数の加熱手段それぞれの駆動率を決定するヒータ駆動率決定手段と、
    交流電源における一定の区間の波形を一組として、前記複数の加熱手段それぞれに対する前記一定の区間にて通電を行う通電パターンを決定する通電パターン決定手段と、
    前記ヒータ駆動率決定手段により決定された駆動率と、前記通電パターン決定手段により決定された通電パターンとに基づいて、前記複数の加熱手段それぞれに電力を供給する供給手段とを有し、
    前記交流電源の正弦波における位相角を制御する位相制御により、前記複数の加熱手段それぞれへの通電における前記交流電源に対する通電比率を制御する定着装置であって、
    前記通電パターン決定手段は、
    前記複数の加熱手段のうち、一つの加熱手段を駆動する場合には、駆動する加熱手段に対する通電パターンの正弦波の位相角を、前記一定の区間における通電比率が均一となるように設定し、
    前記複数の加熱手段のうち、複数の加熱手段を駆動する場合には、前記一定の区間において、駆動する前記複数の加熱手段それぞれの通電パターンの位相角が互いに重ならず、当該複数の加熱手段それぞれの位相角の平均が同一となるように設定する
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記複数の加熱手段の温度を検知する温度検知手段を更に有し、
    前記供給手段は更に、前記温度検知手段にて検知した前記複数の加熱手段の温度に基づいて、前記複数の加熱手段それぞれに電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記複数の加熱手段は、
    中央部の発熱量が端部の発熱量に比べて大きな第一の加熱手段と、
    端部の発熱量が中央部の発熱量に比べて大きな第二の加熱手段と
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記通電パターン決定手段は、通電パターンにおける所定の周期の一定区間ごとに、前記第一の加熱手段に対する通電パターンと前記第二の加熱手段に対する通電パターンとが逆のパターンとなるように決定することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記複数の加熱手段の幅よりも短い記録紙に対して加熱する場合において、前記複数の加熱手段のうち、1本駆動と複数駆動とを併用する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 記録紙を加熱する複数の加熱手段と、
    前記複数の加熱手段に通紙される前記記録紙の幅に応じて、前記複数の加熱手段それぞれの駆動率を決定するヒータ駆動率決定手段と、
    交流電源における一定の区間の波形を一組として、前記複数の加熱手段それぞれに対する前記一定の区間にて通電を行う通電パターンを決定する通電パターン決定手段と、
    前記ヒータ駆動率決定手段により決定された駆動率と、前記通電パターン決定手段により決定された通電パターンとに基づいて、前記複数の加熱手段それぞれに電力を供給する供給手段とを有し、
    前記交流電源の正弦波における位相角を制御する位相制御により、前記複数の加熱手段それぞれへの通電における前記交流電源に対する通電比率を制御する定着装置であって、
    前記通電パターン決定手段は、
    前記ヒータ駆動率決定手段により決定された前記複数の加熱手段それぞれの駆動率の差により、前記通電パターンにおける前記複数の加熱手段それぞれの位相角の分散量を決定することを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。
  8. 記録紙を加熱する複数の加熱手段と、
    前記複数の加熱手段に通紙される前記記録紙の幅に応じて、前記複数の加熱手段それぞれの駆動率を決定するヒータ駆動率決定工程を担うヒータ駆動率決定手段と、
    交流電源における一定の区間の波形を一組として、前記複数の加熱手段それぞれに対する前記一定の区間にて通電を行う通電パターンを決定する通電パターン決定工程を担う通電パターン決定手段と、
    前記ヒータ駆動率決定手段により決定された駆動率と、前記通電パターン決定手段により決定された通電パターンとに基づいて、前記複数の加熱手段それぞれに電力を供給する供給工程を担う供給手段とを有し、
    前記交流電源の正弦波における位相角を制御する位相制御により、前記複数の加熱手段それぞれへの通電における前記交流電源に対する通電比率を制御する定着装置の制御方法であって、
    前記通電パターン決定手段は、前記通電パターン決定工程において、
    前記複数の加熱手段のうち、一つの加熱手段を駆動する場合には、駆動する加熱手段に対する通電パターンの正弦波の位相角を、前記一定の区間における通電比率が均一となるように設定し、
    前記複数の加熱手段のうち、複数の加熱手段を駆動する場合には、前記一定の区間において、駆動する前記複数の加熱手段それぞれの通電パターンの位相角が互いに重ならず、当該複数の加熱手段それぞれの位相角の平均が同一となるように設定する
    ことを特徴とする制御方法。
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