JP2012022134A - 画像形成装置及び湿式画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体ドラムの表面に静電潜像を形成させる露光装置と、液体現像剤を用いて感光体ドラム表面の静電潜像を現像する液体現像装置と、現像された画像を記録媒体に転写する転写装置とを備える画像形成装置であって、前記液体現像剤が、電気絶縁性液体、分散安定剤、及び色材と結着樹脂とを含有したトナー母粒子を含み、10mPa・s以上175mPa・s以下の粘度(測定温度20℃)を有し、前記トナー母粒子のD50が0.05μm以上1μm以下であり、かつ液体現像剤で現像ローラ表面に薄層を形成し、その薄層を現像ローラ帯電装置で帯電する際に、薄層の表面電位が帯電1秒後に0秒時の電位の10%以上80%以下となる、液体現像剤であること、並びに加熱定着機構を持たないことを特徴とする、画像形成装置。
【選択図】図1
Description
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体ドラムの表面に静電潜像を形成させる露光装置と、液体現像剤を用いて感光体ドラム表面の静電潜像を現像する液体現像装置と、現像された画像を記録媒体に転写する転写装置とを備える画像形成装置であって、前記液体現像剤が、電気絶縁性液体、分散安定剤、及び色材と結着樹脂とを含有したトナー母粒子を含み、10mPa・s以上175mPa・s以下の粘度(測定温度20℃)を有し、前記トナー母粒子のD50が0.05μm以上1μm以下であり、かつ液体現像剤で現像ローラ表面に薄層を形成し、その薄層を現像ローラ帯電装置で帯電する際に、薄層の表面電位が帯電1秒後に0秒時の電位の10%以上80%以下となる、液体現像剤であること、並びに加熱定着機構を持たないことを特徴とする。
本実施形態に係る液体現像剤は、基本的構成として、電気絶縁性液体、分散安定剤、及び色材と結着樹脂とを含有したトナー母粒子を有する。また、測定温度20℃における粘度が10mPa・s以上175mPa・s以下であること、前記トナー母粒子のD50が0.05μm以上1μm以下であること、並びに、液体現像剤を用いて現像ローラ表面に薄層を形成した際に、現像ローラ帯電装置により帯電させた薄層の表面電位が帯電1秒後に0秒時の電位の10%以上80%以下となることを特徴とする。
本実施形態において、電気絶縁性液体は液体キャリアの役割を果たし、得られる液体現像剤の電気絶縁性を高めることを目的として用いられる。電気絶縁性のキャリア液としては、例えば、25℃における体積抵抗が1012Ω・cm以上(換言すれば導電率が1.0pS/cm以下)の電気絶縁性有機溶剤が好ましい。
本発明において、結着樹脂としては、従来からトナー母粒子の結着樹脂として用いられるものを特に制限なく用いることができる。その具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましい樹脂としては、ポリエステル系樹脂が挙げられ、特に、酸化の低いポリエステル系樹脂がより好ましく用いられる。これらは、1種単独で用いても又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
本実施形態における色材としては、例えば、従来公知の有機顔料や無機顔料を特に限定することなく用いることができる。
本実施形態でいうトナー母粒子は、前記結着樹脂に前記色材が配合されたものである。トナー母粒子は、例えば、公知の混錬粉砕法等によって製造される。より具体的には、これらの原料をミキサー等で混合し、押出機等で溶融混練し、冷却し、得られた固形物を粉砕し、分級すること等により製造され得る。
本実施形態で使用し得る分散安定剤としては、液体現像剤中の粒子の分散を促進し安定化するものであれば特に限定はされないが、例えば、ビックケミー社製の「BYK−116」、ルーブリゾール社製の「ソルスパース9000」、「ソルスパース11200」、「ソルスパース13940」、「ソルスパース16000」、「ソルスパース17000」、「ソルスパース18000」や、ISP社製の「Antaron(登録商標)V−216」、「Antaron(登録商標)V−220」等が好ましく用いられ得る。
本実施形態に係る液体現像剤は、上述したような電気絶縁性液体、分散安定剤、トナー母粒子からなる液体現像剤である。その測定温度20℃における粘度は、10mPa・s以上175mPa・s以下であり、好ましくは、20mPa・s以上120mPa・s以下である。粘度が10mPa・s未満だと良好な転写性が得られず、また175mPa・sを超えると良好なクリーニング性を得ることができない。
次に、図面を参照して、本実施形態に係る画像形成装置を説明する。なお、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を表す用語は、単に説明の明瞭化を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。また、以下の説明で用いられる「シート」という用語は、例えば、上質普通紙、プリント専用紙、コピー用紙、トレーシングペーパ、厚紙、OHPシート等、画像を形成することが可能なあらゆる記録媒体を意味する。
前記画像形成装置1を用いてシートに画像を形成することにより、本実施形態に係る湿式画像形成方法が達成される。すなわち、本実施形態に係る湿式画像形成方法は、感光体ドラム25の表面を帯電させる帯電工程と、帯電された感光体ドラム25の表面に静電潜像を形成させる露光工程と、液体現像剤を用いて感光体ドラム表面の静電潜像を現像する現像工程であって、該液体現像剤として、電気絶縁性液体、分散安定剤、及び色材と結着樹脂とを含有するトナー母粒子を含み、10mPa・s以上175mPa・s以下の粘度(測定温度20℃)を有し、前記トナー母粒子のD50が0.05μm以上1μm以下であり、かつ、液体現像剤で現像ローラ表面に薄層を形成し、その薄層を現像ローラ帯電装置で帯電する際に、薄層の表面電位が帯電1秒後に0秒時の電位の10%以上80%以下となる、液体現像剤を用いる現像工程と、現像された画像を記録媒体に転写する転写工程と、画像が転写された記録媒体を排出部に排出する排出工程とを有すること、ならびに加熱定着工程を有さないことを特徴とする。これにより、画像形成における転写性及びクリーニング性を向上させることができ、高品質な画像を得ることが可能となる。
(液体現像剤1)
混錬粉砕法により、色材C.I.Pigment Blue15−3をPES(1)(酸化:14、重量平均分子量(Mw):6000)樹脂100重量部に対して100重量部含有する平均粒子径7μmのトナー母粒子を作製した。この粒子40重量部をモレスコホワイトP120((株)松村石油研究所社製)356重量部に加え、更に分散安定剤としてソルスパース13940(ルーブリゾール社製)4重量部を加え、ボールミルにて48時間、湿式分散することでシアン液体現像剤1を調製した。
分散安定剤の分散時間を24時間にした以外は、現像剤1と同様にして液体現像剤2を調製した。
分散安定剤の分散時間を96時間にした以外は、現像剤1と同様にして液体現像剤2を調製した。
液体現像剤3を14000rpm/4hr/20℃で遠心分離処理した上澄みを液体現像剤4とした。
液体現像剤1を14000rpm/24hr/20℃で遠心分離処理し、上澄みを注意深く除いた。除いた上澄みと同量のモレスコホワイトP120を加えて液体現像剤5とした。次に、100重量部の現像剤1、3にソルスパース13940を7.6重量部混合・攪拌し、それぞれ液体現像剤6,7とした。111重量部の液体現像剤1、3にソルスパース13940を20重量部混合・攪拌し、それぞれ液体現像剤8,9とした。
液体現像剤1のキャリア液を、粘度の低いモレスコホワイトP40,P55、粘度の高いモレスコホワイトP200,P260,P350Pに変更し、それぞれ液体現像剤10〜14とした。
液体現像剤1の樹脂を同じポリエステル系で酸価が低く、分子量も小さいPES(2)(酸化:10、重量平均分子量:3500)に変更して液体現像剤15を調製し、アクリル系樹脂(酸化:20、重量平均分子量:5000)に変更した現像剤16を調製した。
(D50)
体積基準の中位径、D50の測定は、液体現像剤をモレスコホワイトP−55で100倍に希釈し、マルバーン社製レーザー回折式粒度分布測定装置マスターサイザー2000にてフロー測定した。
液体現像剤の粘度は振動式粘度計VM−10A((株)セコニック製)で20℃での値を測定した。
前記液体現像剤で現像ローラ上に層厚5μmの薄層を形成し、下記表1に示すそれぞれのプロセス速度で、現像電界400Vを印加してトナーを感光体ドラム上に移動させ、中間転写を経て上質普通紙(王子製紙製C2紙90g/m2)上に画像を作成した。このとき、現像前トナー帯電機通過直後のトナー層電位をV0、1s後のトナー層電位をV1として、V1/V0の値を求めた。
また、現像ローラ上で現像ニップ通過後の現像剤量G1、現像クリーニングローラ7通過後の現像剤量をG2とすると、クリーニング性C1は:
C1[%]=(G1−G2)/G1×100
で表され、90%以上を合格(○)、それ以下を不合格(×)とした。
また、2次転写前の現像剤量G3、2次転写通過後の現像剤量をG4とすると、転写性T1は:
T1[%]=(G3−G4)/G3×100
で表され、90%以上を合格(○)、それ以下を不合格(×)とした。
さらに、得られた画像の光学濃度をD1、上質普通紙に100g/cm2の荷重をかけて画像に密着させた後の光学濃度をD2とすると、定着性S1は:
S1[%]=(D1−D2)/D1×100
で表され、90%以上を合格(○)、それ以下を不合格(×)とした。
粒子径の影響
前記液体現像剤1〜4(実施例1、2および比較例1、2)を用いて、上記各評価を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、粒子径が大きいとクリーニング性はよいが、定着性が悪くなることがわかった。また、小さすぎるとクリーニングブレードに引っかからずにすり抜けてしまい、クリーニングしにくいこともわかった。
余剰分散剤の影響
余剰分散剤の量を変えた液体現像剤1及び5〜9を用いて、上記各評価を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、遠心処理により余剰分散剤を減らした現像剤5(比較例3)はトナーの帯電が下がらず、クリーニング性が低下した。分散安定剤を少量添加した現像剤6,7(実施例3〜4)はクリーニング位置でのトナー電位が下がり、クリーニング性が向上した。分散安定剤を多量添加した現像剤8(比較例4),9(比較例5)はクリーニング位置でのトナー電位が下がり、クリーニング性が向上したが、転写位置でのトナー電位が下がりすぎ、転写性が低下した。
プロセス速度の影響
実施例1、2および比較例1、2と同じように液体現像剤1〜4を用いて、プロセス速度を58(実施例5),230(実施例6),400mm/s(比較例6)と変更した。結果を表に示す。表1から明らかなように、プロセス速度が400mm/sになると、クリーニング位置でトナー電位が十分下がらず、クリーニング性が低下した。
キャリア液・粘度の影響
液体現像剤1と粘度を変えた液体現像剤10(比較例7)、11(実施例7)、12(実施例8)、13(実施例9)、14(比較例8)を用いて上記評価を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、粘度が低いほどトナー電位の減衰が大きく、クリーニングには有利であったが、転写性には不利であることがわかった。また、極端に粘度が低い実施例13では、現像ローラ上でトナー層が5μmにならず、十分な画像濃度が出せなかった。よって転写率と定着率は高い値であるが、判定としては×である。一方、粘度が高いとクリーニング部で堆積してしまい、クリーニングには不利だが、電位の減衰は小さく転写に有利であることがわかった。以上より、現像剤の粘度は10mPa・s以上175mPa・s以下でなくてはならないことが明らかとなった。
樹脂の影響
液体現像剤1と液体現像剤15(実施例10)及び現像剤16(実施例11)で上記評価を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、酸価の低いPES(2)を用いた実施例18では減衰が大きく、クリーニング性が向上した。これはPES(2)の極性が低いために、余剰分散剤が増加したためだと考えられる。逆に酸価の高いアクリル系樹脂を用いた実施例19ではトナー電位の減衰が小さくなった。
1.14000rpm/4hr/20℃遠心処理後の上澄み。
2.14000rpm/24hr/20℃遠心分離処理後、上澄み除去。除いた上澄みと同量のモレスコホワイトで希釈。
3.現像剤100重量部にソルスパース13940を7.6重量部混合・攪拌。
4.現像剤111重量部にソルスパース13940を20重量部混合・攪拌。
以上の結果より、本発明に係る画像形成装置であれば、加熱定着機構を用いることなく、きわめて転写性及びクリーニング性の優れた画像形成装置を得られることが明らかとなった。
5 画像形成部
6 二次転写ローラ(転写装置)
7 薄膜規制ブレード
8 排出ローラ
10 中間転写ベルト
14 薄膜規制ブレード
16 供給ローラ
17 現像ローラ
19 現像ローラ帯電装置
20 露光装置
21 帯電装置
23 一次転写ローラ(転写装置)
25 感光体ドラム
26 液体現像装置
Claims (6)
- 感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体ドラムの表面に静電潜像を形成させる露光装置と、液体現像剤を用いて感光体ドラム表面の静電潜像を現像する液体現像装置と、現像された画像を記録媒体に転写する転写装置とを備える画像形成装置であって、
前記液体現像剤が、
電気絶縁性液体、分散安定剤、及び色材と結着樹脂とを含有したトナー母粒子を含み、
10mPa・s以上175mPa・s以下の粘度(測定温度20℃)を有し、
前記トナー母粒子のD50が0.05μm以上1μm以下であり、かつ
液体現像剤で現像ローラ表面に薄層を形成し、その薄層を現像ローラ帯電装置で帯電する際に、薄層の表面電位が帯電1秒後に0秒時の電位の10%以上80%以下となる、液体現像剤であること、並びに
加熱定着機構を有さないことを特徴とする、画像形成装置。 - 前記液体現像剤100重量部に対し、分散安定剤をさらに5〜20重量部添加させた液体現像剤を用いて現像ローラ表面に薄層を形成する、請求項1記載の画像形成装置。
- プロセス速度が50mm/s以上、400mm/s未満である、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記液体現像剤に含まれる樹脂がポリエステル系樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 現像ローラ上に形成する薄層の厚みが1.5〜8.0μmである、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 感光体ドラムの表面を帯電させる帯電工程と、
帯電された感光体ドラムの表面に静電潜像を形成させる露光工程と、
液体現像剤を用いて感光体ドラム表面の静電潜像を現像する現像工程であって、
該液体現像剤として、
電気絶縁性液体、分散安定剤、及び色材と結着樹脂とを含有したトナー母粒子を含み、
10mPa・s以上175mPa・s以下の粘度(測定温度20℃)を有し、
前記トナー母粒子のD50が0.05μm以上1μm以下であり、かつ
液体現像剤で現像ローラ表面に薄層を形成し、その薄層を現像ローラ帯電装置で帯電する際に、薄層の表面電位が帯電1秒後に0秒時の電位の10%以上80%以下となる、液体現像剤を用いる現像工程と、
現像された画像を記録媒体に転写する転写工程と、
画像が転写された記録媒体を排出部に排出する排出工程とを有すること、並びに
加熱定着工程を有さないことを特徴とする、湿式画像形成方法。
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JP2007232777A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-13 | Seiko Epson Corp | 液体現像剤および液体現像剤の製造方法 |
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JP2008134507A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-12 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 液体現像剤、及び画像形成装置 |
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