JP2012021514A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】学習噴射を実行することにより検出する実噴射量特性に基づいて基本噴射特性を推定する燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】燃料噴射制御装置は、走行中の燃料噴射状態において、学習用のパイロット噴射が加わったことにより変動するエンジン運転状態の実変動量として、エンジンの仕事量に相当する仕事相当量を算出する。燃料噴射制御装置は、指令パイロット噴射量を0mm3から1mm3ずつ増加させ、指令パイロット噴射量と仕事相当量との相関を表す学習用データに対して、最小二乗法で実噴射特性100を表す1次式を算出する。実噴射特性100を、指令パイロット噴射量=0mm3、仕事相当量=0の原点を通るように指令噴射量の増減方向に平行移動することにより、基本噴射特性110を推定し、基本噴射特性110と実噴射特性100との指令噴射量の増減方向の差(ΔQ)を、噴射量を補正するときの学習値として算出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、学習噴射を実行して燃料噴射弁の噴射量の補正量を学習する燃料噴射制御装置に関する。
従来、機差または経時変化等により生じる燃料噴射弁の指令噴射量に対する実噴射量のずれ量を学習し、実噴射量が指令噴射量になるように噴射量の補正量を算出することが知られている。例えば、特許文献1では、NOxおよび燃焼騒音を低減するためにメイン噴射の前に微少量のパイロット噴射を実施するディーゼルエンジンにおいて、パイロット噴射による微少噴射量を補正する噴射量学習を実施している。
また、特許文献2では、主噴射の前に実行される噴射量の少ない予備噴射に対して駆動パルス幅を徐々に延ばして予備噴射が開始されるときの駆動パルス幅のずれを学習し、予備噴射を実行させる駆動パルス幅を調整している。
このように噴射量を学習する場合、指令噴射量と、指令噴射量の学習噴射を実行することにより生じるエンジン運転状態の変動量との関係を機種毎に予め基本噴射特性として測定しておき、基本噴射特性に基づいて、学習噴射により生じるエンジン運転状態の変動量から実噴射量を推定することが行われている。
特開2005−140046号公報 特開平3−100350号公報
しかしながら、基本噴射特性は機種毎に異なるため、特に商用車、農業機械および建設機械のように多くの機種が用意されている場合、機種毎に燃料圧力に応じて基本噴射特性を測定してマップ等を作成するためには多くの工数が必要になるという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、学習噴射を実行することにより検出する実噴射量特性に基づいて基本噴射特性を推定する燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
請求項1から5に記載の発明によると、指令噴射量の異なる学習噴射を噴射指令手段が燃料噴射弁に指令し、噴射指令手段が燃料噴射弁に指令する指令噴射量と、燃料噴射弁が学習噴射を実行することにより生じる内燃機関の運転状態の実変動量との相関を表す実噴射特性を実噴射特性検出手段が検出し、実噴射特性検出手段が検出する実噴射特性を平行移動して、指令噴射量と運転状態の変動量との相関を表す基本噴射特性を基本噴射特性推定手段が推定し、基本噴射特性推定手段が推定する基本噴射特性と実噴射特性との指令噴射量の増減方向における差を噴射量を補正する学習値として学習値算出手段が算出する。
このように、指令噴射量と運転状態の実変動量との相関を表す実噴射特性と基本噴射特性とにずれが生じても、そのずれはオフセット方向のずれであることに着目し、学習噴射を実行して実噴射特性を検出することにより、実噴射特性を平行移動して基本噴射特性を推定することができる。
これにより、どのような車両の機種であっても、予め基本噴射特性を測定することなく、内燃機関を運転させながら基本噴射特性を推定できる。これにより、基本噴射特性と実噴射特性との指令噴射量の増減方向における差を燃料噴射弁の噴射量を補正する学習値として算出できる。
請求項2に記載の発明によると、噴射指令手段は、走行中の燃料噴射状態で燃料噴射弁に学習噴射を指令する。
このように、走行中の燃料噴射状態で学習噴射を実行することにより、噴射量の学習頻度を高めることができる。
請求項3に記載の発明によると、実噴射特性検出手段は、同じ指令噴射量で学習噴射を実行したときの実変動量のばらつきが所定範囲を超えている場合、該当する実変動量を学習用データとして採用しない。
このように、同じ指令噴射量で学習噴射を実行したときの実変動量のばらつきが所定範囲を超えている場合には、学習用データの信頼度が低いので採用しないことが望ましい。特に、走行中の燃料噴射状態で学習噴射を実行する結果、学習噴射以外の要因で実変動量がばらつく場合に、学習精度の低下を防止する点で効果的である。
請求項4に記載の発明によると、実噴射特性検出手段は、指令噴射量を所定噴射量まで増加して学習噴射を実行しても実変動量が所定変動量を超えない場合、該当する実変動量を学習用データとして採用しない。
このように、指令噴射量を所定噴射量まで増加して学習噴射を実行しても実変動量が所定変動量を超えない場合は、指令噴射量に対する実変動量の変化率、言い換えれば実噴射特性の感度が低いので、実噴射特性の検出精度は低くなる。検出精度の低い実噴射特性から推定する基本噴射特性と実噴射特性との差に基づいて噴射量の補正量を算出しても補正精度が低くなるので、該当する実変動量を学習用データとして採用しないことが望ましい。特に、走行中に、実噴射特性の感度が低くなる燃焼状態で学習噴射を実行する場合に、学習精度の低下を防止する点で効果的である。
請求項5に記載の発明によると、実噴射特性検出手段は、噴射量の異なる複数の指令噴射量と実変動量との相関係数の2乗が所定値以下の場合、該当する実変動量を学習用データとして採用しない。
このように、噴射量の異なる複数の指令噴射量と実変動量との相関係数の2乗が所定値以下の場合、指令噴射量と実変動量との相関を表す実噴射特性を検出しても信頼度が低い。したがって、指令噴射量と実変動量との相関係数が所定値以下の場合、該当する実変動量を学習用データとして採用しないことが望ましい。特に、走行中に、指令噴射量と実変動量との相関関係のばらつきが大きい燃焼状態で学習噴射を実行する場合に、学習精度の低下を防止する点で効果的である。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
本実施形態による燃料噴射システムを示すブロック図。 学習噴射による仕事相当量の増加を示す説明図。 噴射特性のずれを示す特性図。 学習噴射による仕事相当量のばらつきを示す分布図。 学習した仕事相当量の感度を示す特性図。 指令噴射量と仕事相当量との相関を示す特性図。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本実施形態による燃料噴射システムを図1に示す。
(燃料噴射システム10)
燃料噴射システム10は、例えば、自動車用の4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」ともいう。)2に燃料を噴射するためのものである。燃料噴射システム10は、燃料供給ポンプ14と、コモンレール20と、燃料噴射弁30と、電子制御装置(Electronic Control Unit:ECU)40とを備えている。
燃料供給ポンプ14は、燃料タンク12から燃料を汲み上げるフィードポンプを内蔵している。燃料供給ポンプ14は、カムシャフトのカムの回転に伴いプランジャが往復移動することにより、フィードポンプから加圧室に吸入した燃料を加圧する公知のポンプである。
調量アクチュエータとしての調量弁16は、燃料供給ポンプ14の吸入側に設置されており、電流制御されることにより燃料供給ポンプ14の各プランジャが吸入行程で吸入する燃料吸入量を調量する。燃料吸入量が調量されることにより、燃料供給ポンプ14の各プランジャからの燃料吐出量が調量される。燃料供給ポンプ14の吐出側に設置される調量弁により、燃料供給ポンプ14の各プランジャからの燃料吐出量を調量してもよい。
コモンレール20は、燃料供給ポンプ14から吐出される燃料を蓄圧する中空の部材である。コモンレール20には、内部の燃料圧力(コモンレール圧)を検出する圧力センサ22、および、コモンレール圧が所定圧を超えると開弁してコモンレール20内の燃料を排出するプレッシャリミッタ24が設けられている。
エンジン2には、運転状態を検出するセンサとして、エンジン回転数(NE)を検出する回転数センサ32が設置されている。さらに、運転状態を検出する他のセンサとして、運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル開度(ACCP)を検出するアクセルセンサ、冷却水の温度(水温)、吸入空気の温度(吸気温)をそれぞれ検出する温度センサ等が燃料噴射システム10に設けられている。
燃料噴射弁30は、エンジン2の各気筒に設置されており、コモンレール20で蓄圧された燃料を気筒内に噴射する。燃料噴射弁30は、例えば、噴孔を開閉するノズルニードルのリフトを制御室の圧力で制御する公知の電磁弁である。燃料噴射弁30の噴射量は、ECU40から指令される噴射指令信号のパルス幅によって制御される。噴射指令信号のパルス幅が長くなると噴射量が増加する。
ECU40は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を中心とするマイクロコンピュータにて主に構成されている。ECU40は、ROMまたはフラッシュメモリに記憶されている制御プログラムをCPUが実行することにより、圧力センサ22、回転数センサ32を含む各種センサから取り込んだ出力信号に基づき、燃料噴射システム10の各種制御を実行する。
例えば、ECU40は、圧力センサ22が検出するコモンレール圧が目標圧力になるように調量弁16への通電量を制御し、燃料供給ポンプ14の吐出量を調量する。ECU40は、調量弁16を制御する電流値と吐出量との相関を表す特性マップに基づいて、調量弁16を制御する電流値を設定する。
また、ECU40は、燃料噴射弁30の燃料噴射量、燃料噴射時期、ならびに、メイン噴射の前にパイロット噴射、プレ噴射、パイロット噴射の後にアフター噴射、ポスト噴射等を実施する多段噴射のパターンを制御する。
ECU40は、燃料噴射弁30に噴射を指令する噴射指令信号のパルス幅(T)と噴射量(Q)との相関を示す所謂TQマップを、コモンレール圧の所定の圧力範囲毎にROMまたはフラッシュメモリに記憶している。そして、ECU40は、エンジン回転数およびアクセル開度に基づいて燃料噴射弁30の噴射量が決定されると、圧力センサ22が検出したコモンレール圧に応じて該当する圧力範囲のTQマップを参照し、決定された噴射量を燃料噴射弁30に指令する噴射指令信号のパルス幅をTQマップから取得する。
(噴射量学習)
ECU40は、以下に示す噴射量学習条件(1)、(2)が成立していると、燃料噴射弁30に学習用のパイロット噴射を指令する。
(1)所定走行距離毎として例えば5000km毎、または、所定運転時間毎として例えば500時間毎。
(2)エンジン運転状態が安定しているとき。例えば、回転数、コモンレール圧、噴射量の変動がそれぞれ所定範囲内。
学習用のパイロット噴射は、燃焼騒音の低減を目的として指令される通常の多段噴射におけるパイロット噴射とは異なり、パイロット噴射が無しのときと有りのときとにおけるエンジン2の運転状態の変動量を検出するために指令される。
上記学習条件が成立すると、ECU40は、噴射量学習を実行する気筒において、図2の(A)に示すように、例えばパイロット噴射なしでプレ噴射およびメイン噴射を所定回数指令し、次に、図2の(B)に示すように、プレ噴射およびメイン噴射にパイロット噴射を加えた多段噴射を所定回数指令する。そして、パイロット噴射が加わったことにより変動するエンジン回転数の変動量(図2の(C)の実線部分)に基づいて、パイロット噴射により変動するエンジン運転状態の実変動量としてエンジン2の仕事量に相当する実際の仕事相当量を算出する。
エンジン回転数の変動量から仕事相当量を算出するとき、エンジン回転数の検出信号からノイズを除去するバンドパスフィルタ(BPF)のフィルタ作用が安定するまで、図2の点線200に示すように、学習噴射のパイロット噴射無しと、パイロット噴射有りとの最初の数回分の噴射データを無視する。
そして、BPFのフィルタ作用が安定してから、パイロット噴射無しと、パイロット噴射有りとにおける、例えばそれぞれ10回分の噴射の仕事相当量の平均値の差から、指令パイロット噴射量で噴射されたパイロット噴射による仕事相当量(ΔW)を算出する。
そして、この仕事相当量の算出を指令パイロット噴射量毎に例えば5回繰り返し、その平均値を、該当する指令パイロット噴射量における仕事相当量とする。
そして、パイロット噴射の指令噴射量を0mm3から所定噴射量として例えば5mm3まで1mm3ずつ増加させ、指令パイロット噴射量と仕事相当量との相関を表す学習用データに対して、最小二乗法により、指令パイロット噴射量と実際の仕事相当量との相関を表す実噴射特性を算出する。尚、指令パイロット噴射量と仕事相当量との相関は、1次式で表される。
図3に示すように、このようにして得られた実噴射特性100が、指令パイロット噴射量=0mm3、仕事相当量=0の原点を通っていない場合、指令パイロット噴射量と仕事相当量との相関を表す基本噴射特性110に対して、機差または経時変化により生じる実噴射特性100のずれは、特性の傾きではなくオフセット方向のずれにより生じていると判断する。
これにより、指令パイロット噴射量=0mm3、仕事相当量=0の原点を通るように実噴射特性100をオフセット方向、つまり指令パイロット噴射量の増減方向に平行移動することにより、基本噴射特性110を推定することができる。例えば、最小二乗法で算出した実噴射特性の1次式が次式(1)で表されている場合、基本噴射特性110は次式(2)で表される。
ΔW=α×Q+β ・・・(1)
ΔW=α×Q ・・・(2)
Q:指令パイロット噴射量。
ΔW:パイロット噴射有りのときの仕事相当量。
α:噴射特性の傾き。
β:実噴射特性の切片。
したがって、実噴射特性100と基本噴射特性110とのずれである噴射量ΔQは、次式(3)から算出できる。
α×Q2+β=α×Q1
α(Q2−Q1)=−β
(Q2−Q1)=−β/α
ΔQ=−β/α ・・・(3)
ECU40は、学習条件が成立しているときに上記の噴射量学習を実行し、そのときのコモンレール圧毎に学習した噴射量ΔQを記憶しておく。この場合、ECU40は、燃料供給ポンプ14の吐出量を調整してコモンレール圧を増減させることにより、所定の圧力範囲毎に、基本噴射量特性と実噴射量特性とから噴射量ΔQを学習してもよい。
ECU40は、式(3)により噴射量を補正する学習値として算出した噴射量ΔQに基づいて、該当するコモンレール圧における指令噴射量を補正することにより、通常噴射における微少噴射量を補正する。
尚、微少噴射量補正は、エンジン運転領域に関わらず、学習値として算出した共通の噴射量ΔQに基づいて行ってもよいし、エンジン運転領域毎に学習した噴射量ΔQに基づいて行ってもよい。
(学習用データの信頼度)
次に、学習噴射により測定する学習用データの信頼度を、(1)ばらつき、(2)感度、(3)相関性について説明する。
(1)ばらつき
図2の上段に示すように、パイロット噴射無しと、パイロット噴射有りとで実施した学習噴射により取得した指令パイロット噴射量毎の仕事相当量において、図4に示すパイロット噴射無しのときの仕事相当量の標準偏差σnxとパイロット噴射有りのときの仕事相当量の標準偏差σaxとの関係が、次式(4)の場合、ECU40は、そのときの指令パイロット噴射量における仕事相当量を学習用データとして採用せず、学習噴射をリトライする。
σax>2σnx ・・・(4)
これは、パイロット噴射無しに対してパイロット噴射有りのときの仕事相当量のばらつきが所定範囲を超えて大きくなりすぎており、データの信頼度が低いからである。
尚、式(4)を満たさず、所定回数、学習噴射のリトライを繰返しても式(4)を満たさない場合には、ECU40は噴射量学習を中止する。
(2)感度
図5に白丸で示すように、パイロット噴射量を、0mm3から1mm3ずつ増加させ、5mm3になっても、パイロット噴射無しのときの仕事相当量と、パイロット噴射有りのときの仕事相当量とについて、有意水準1%で片側検定を行った結果、検定統計量uが次式(5)を満たす場合、ECU40は、今回の指令パイロット噴射量における仕事相当量を学習用データとして採用せず、噴射量学習をリトライする。
u<2.326 ・・・(5)
これは、パイロット噴射を実施したにも関わらず、仕事相当量が十分に増加していないので、実噴射特性の一次直線を算出する感度が低く、実噴射特性を算出する精度が低いからである。尚、所定回数、噴射量学習のリトライを繰返しても式(5)を満たさない場合には、ECU40は噴射量学習を中止する。
これに対し、パイロット噴射量を、0mm3から1mm3ずつ増加させていくときに、式(5)の関係から変化して次式(6)を満たすと、ECU40は噴射量学習に必要な感度を満たすデータが取得できたと判断する。
u≧2.326 ・・・(6)
そして、式(6)を最初に満たす指令パイロット噴射量を含み、その直前の指令パイロット噴射量とそれ以降の計5個の異なる指令パイロット噴射量と仕事相当量との関係から、実噴射特性を算出する。例えば、図5に示す黒丸においては、3mm3で式(6)を最初に満たすので、その直前の2mm3を含み、2mm3〜6mm3における計5個の異なる指令パイロット噴射量と仕事相当量との関係から、最小二乗法により実噴射特性100を算出する。
ただし、指令パイロット噴射量を増加して5mm3になっても式(6)を満たさない場合、ECU40は噴射量学習を中止する。
一方、指令パイロット噴射量が0mm3のときに点線120で示すように、パイロット噴射無しのときの仕事相当量の標準偏差σnxと、仕事相当量ΔWとの関係が次式(7)を満たす場合、指令パイロット噴射量に対する仕事相当量の感度が高すぎるとして、ECU40は噴射量学習を中止する。
ΔW>5σnx ・・・(7)
(3)相関性
指令パイロット噴射量と仕事相当量との関係を表す複数の学習データから、最小二乗法により実噴射特性100を算出しても、図6に示すように、実噴射特性100と学習用データとの距離が大きい場合は、検出した指令パイロット噴射量と仕事相当量との相関は低く、算出した実噴射特性100の信頼度が低いと判断する。指令パイロット噴射量と仕事相当量との相関の程度を表す基準として、次式(8)に示す相関係数(R)の二乗を採用する。
2={(Σ(xi−xave)(yi−yave)}2
/{Σ(xi−xave2Σ(yi−yave2
=(Σxii−nxaveave2
/{(Σxi 2−nxave 2)(Σyi 2−nyave 2)}・・・(8)
n :データ数。
i :指令パイロット噴射量の各データ。
ave:指令パイロット噴射量の平均。
ave:仕事相当量の平均。
i :仕事相当量の各データ。
相関係数(R)が1または−1に近づくほど、検出した指令パイロット噴射量と仕事相当量との相関性は高くなる。そこで、R2が所定値よりも大きいかを判定し、例えば、R2>0.7を満たす場合、今回学習した指令パイロット噴射量と仕事相当量との相関性は高いと判定し、学習データとして採用する。相関係数(R)の2乗ではなく、相関係数(R)の値で直接、所定値との大小関係を判定してもよい。
一方、R2が所定値以下、例えばR2≦0.7の場合、ECU40は、今回学習した指令パイロット噴射量と仕事相当量との相関性は低いと判定し、学習用データとして採用せず、噴射量学習をリトライする。尚、所定回数、噴射量学習のリトライを繰返してもR2≦0.7の場合には、ECU40は噴射量学習を中止する。
以上説明した上記実施形態では、走行中の燃料噴射状態で検出する実噴射特性から基本噴射特性を推定する。これにより、予め基本噴射特性を測定する必要がないので、機種毎に基本噴射特性を測定する工数を省略できる。そして、どのような機種であっても、基本噴射特性と実噴射特性との指令噴射量の差を燃料噴射弁の噴射量を補正する学習値として算出できる。
そして、算出した学習値に基づいて指令噴射量を補正することにより、通常噴射時において、パイロット噴射、ポスト噴射等の微少量噴射を実行するときに、所望の誤差範囲で微少量噴射を実行できる。これにより、微少量噴射が無噴射になることを防止できる。
また、走行中の燃料噴射状態で学習噴射を実行するので、学習噴射の実行頻度を高めることができる。さらに、走行中の燃料噴射状態における広い燃料圧力範囲で学習噴射を実行できる。
また、学習噴射により測定した学習用データの信頼度を、ばらつき、感度および相関性について判定し、学習用データの採否、噴射量学習の中止を決定するので、特に、走行中の燃料噴射状態で学習噴射を実行する場合に、学習噴射以外の要因で実変動量がばらつく場合に、学習精度の低下を防止する点で効果的である。
本実施形態では、エンジン2が本発明の内燃機関に相当し、燃料噴射弁30が本発明の燃料噴射弁に相当し、ECU40が本発明の燃料噴射制御装置に相当する。
また、ECU40は、本発明の噴射指令手段、実噴射特性検出手段、基本噴射特性推定手段および学習値算出手段として機能する。
[他の実施形態]
上記実施形態では、走行中の燃料噴射状態で学習噴射を実行した。これ以外にも、学習噴射による騒音、振動、ドライバビリティ等の悪化が許容される範囲内であれば、例えば、減速無噴射運転状態、アイドル運転状態で学習噴射を実行してもよい。
また、上記実施形態では、学習噴射により測定した学習用データの信頼度を確保するため、学習用データのばらつき、感度および相関性について判定し、学習用データの採否、噴射量学習の中止を決定した。これに対し、学習用データの信頼度に対する要求精度によっては、測定した学習用データをそのまま採用し、噴射量学習を実行してもよい。
上記実施形態では、噴射指令手段、実噴射特性検出手段、基本噴射特性推定手段および学習値算出手段の機能を制御プログラムにより機能が特定されるECU40により実現している。これに対し、上記手段の機能の少なくとも一部を、回路構成自体で機能が特定されるハードウェアで実現してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
2:ディーゼルエンジン(内燃機関)、30:燃料噴射弁、40:ECU(燃料噴射制御装置、噴射指令手段、実噴射特性検出手段、基本噴射特性推定手段、学習値算出手段)

Claims (5)

  1. 指令噴射量の異なる学習噴射を燃料噴射弁に指令する噴射指令手段と、
    前記噴射指令手段が指令する前記指令噴射量と、前記燃料噴射弁が前記学習噴射を実行することにより生じる内燃機関の運転状態の実際の変動量である実変動量との相関を表す実噴射特性を検出する実噴射特性検出手段と、
    前記実噴射特性検出手段が検出する前記実噴射特性を平行移動して、前記指令噴射量と前記運転状態の変動量との相関を表す基本噴射特性を推定する基本噴射特性推定手段と、
    前記基本噴射特性推定手段が推定する前記基本噴射特性と前記実噴射特性との前記指令噴射量の増減方向における差を噴射量を補正する学習値として算出する学習値算出手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記噴射指令手段は、走行中の燃料噴射状態で前記燃料噴射弁に前記学習噴射を指令することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記実噴射特性検出手段は、同じ前記指令噴射量で前記学習噴射を実行したときの前記実変動量のばらつきが所定範囲を超えている場合、該当する前記実変動量を学習用データとして採用しないことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記実噴射特性検出手段は、前記指令噴射量を所定噴射量まで増加して前記学習噴射を実行しても前記実変動量が所定変動量を超えない場合、該当する前記実変動量を学習用データとして採用しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記実噴射特性検出手段は、噴射量の異なる複数の前記指令噴射量と前記実変動量との相関係数の2乗が所定値以下の場合、該当する前記実変動量を学習用データとして採用しないことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射制御装置。
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