JP2012021234A - 真空処理装置および真空処理装置の運転方法 - Google Patents

真空処理装置および真空処理装置の運転方法 Download PDF

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英四郎 笹川
Masahiro Sakaki
正裕 榊
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茂一 上野
Keisuke Kawamura
啓介 川村
Akimi Takano
暁巳 高野
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Abstract

【課題】セルフクリーニングを行うタイミングを簡素に、かつ、汎用性を有するように設定でき、しかも、このタイミングを一層延長させることができ、生産効率を向上できる真空処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】基板に製膜処理を行う製膜室1内に、クリーニングガスを導入してセルフクリーニングを行う真空処理装置の運転方法であって、セルフクリーニングの終了後に、製膜室1内に下地膜32を形成する下地製膜作業を行う工程を備え、該下地製膜作業を行う工程において、下地膜32を200nm以上3000nm以下の膜厚とし、製膜圧力が製膜処理時の1.0倍以上1.5倍以下で、かつ、少なくとも製膜初期に放電電極に供給する高周波電力が製膜処理時の0.1倍以上1.0倍以下で実施され、製膜処理の積算膜厚が500μmを超えないよう運用することを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、真空処理装置および真空処理装置の運転方法に関し、特にプラズマを用いて基板に処理を行う真空処理装置およびその運転方法に関する。
従来、半導体、電子部品、太陽電池等における薄膜形成等は、プラズマを用いて基板に処理を行う真空処理装置が利用されている。
このような真空処理装置としては、製膜装置、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置、ドライエッチング装置、スパッタリング装置等がある。
たとえば、プラズマCVD装置で基板にアモルファスシリコンや微結晶シリコン等の製膜を行なう場合、製膜室内に発生させたプラズマに対向している基板以外の部分(たとえば、放電電極、対向電極、基板保持具、電極カバー等:以下製膜ユニット部材という)にもこれらの膜が製膜され堆積する。
これらの膜厚が厚くなると、たとえば、基板毎の製膜処理の間で製膜室内の温度変化による熱膨張差により剥離して、基板に製膜される膜中に混入して製膜品質を劣化させる恐れや、あるいは、製膜を阻害する粒子が生成される恐れが生じる。このような事態が生じると、製品不良が多くなるので、製膜装置の処理能力が低下することになる。
このため、製膜作業を中断して製膜室内に製膜された膜を除去するクリーニングが行われる。
このクリーニングは通常は製膜装置を大気に開放して、膜が堆積した製膜室内製膜ユニット部材を、別の場所で膜を洗浄除去済とした交換部品と手動で交換を行うものであるが、必要部品の交換作業以外に、大気開放する為には、基板加熱ヒータの降温と真空ブレイクや、再昇温、再真空引きなどに時間と手間とがかかるという問題がある。
これを解消するものとして、たとえば、製膜室にフッ素を含むクリーニングガスを導入して、プラズマによってフッ素ラジカル(F)を生成し、このフッ素ラジカル(F)によって膜をエッチングして除去するというセルフクリーニングが提案されている。(特許文献1、特許文献2参照)
この場合も、製膜処理装置の処理能力を向上させるためには、セルフクリーニング時間を短縮することが求められており、膜をエッチング除去するエッチング速度向上対策が主課題に取り上げられている。またセルフクリーニングの運用に対しては、複数回の製膜作業の後で、セルフクリーニングを行うことが提案されている。
特許文献1に示されるものは、種々の膜厚でセルフクリーニングをし、基板に対向する放電電極(製膜用ガスの供給手段を兼ねている。)の温度が200〜400℃に納まる範囲で、連続処理可能な積算膜厚を求め、その積算膜厚を基板製膜膜厚の上限値によって割り算してクリーニングサイクルを決めている。具体的には、不純物汚染が生じないよう11枚(積算膜厚11μm)毎にセルフクリーニングを行っている。
また、特許文献2に示されるものは、「n」回CVDプロセスを実行後にクリーニングを行うにあたり、「n」は所定の粒子計数閾値限界よりも低い状態や、所定の均一性の限界より高い状態や、所定の堆積速度以内で、CVD装置が稼働する処理数の上限を示している。
CVD装置から残留物をクリーニングするための具体例では「n」は約1〜50の範囲にあり、好ましくは2以上であり、更に好ましくは10以上である。
この「n」は、製膜作業前にパーティクルカウンタを備えた製膜室内に基板を搬入し、予備運転を行った後、基板上のパーティクルの数を計測し、その結果所定の粒子数以内に納まる範囲で設定されている。
あるいは、製膜厚さの変動が所定範囲(所定の均一性)に納まる範囲で設定されている。
特開2003−163208号公報 特開平9−232299号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に示されるものは、いずれも予備運転を行ってセルフクリーニングのタイミングを決定しているので、その設定に時間がかかるし、また、製膜条件が変更されると、その都度設定をやり直す必要がある等汎用性に欠けるという問題がある。
また、製膜用原料ガスがクリーニング用ガスの直接接触することによる爆発反応を抑制するため、ガス供給系ラインと排気ラインをパージして切り替える必要がある。この操作に時間を要するので、セルフクリーニング作業時間が延長してしまう。このことから、製膜室内の清浄度とセルフクリーニング頻度とを適正化させるために、セルフクリーニングの試行を繰り返し実施して経験的に得られる運用状況からみた判断が必要になるという問題がある。
また、セルフクリーニングのタイミングを延長させるために、クリーニングガスの導入場所などを調整することによりセルフクリーニング方法の改善は見られるもののまだ十分とは言えず、一層の改善が求められている。
特に、たとえば、薄膜太陽電池のように、液晶用TFTの製造に比べて製膜される膜厚が厚いものでは、複数回の製膜処理を実施した後に製膜室内に堆積した厚い膜に対してセルフクリーニングを行う必要があるので、真空処理装置の稼動時間を上げるためには、クリーニング処理時間を短縮化する必要が生じる。このため、単位時間当りのクリーニングガスと堆積膜のエッチング反応量が多くなるので、セルフクリーニング中の発熱量が多くなり製膜室内製膜ユニット部材の温度が急上昇する。特に、数nm/s以上のエッチング速度でクリーニングする場合は、発熱量を低減させることができず、一般的に薄膜太陽電池の製造においては、セルフクリーニングの運用は難題であり、適切なセルフクリーニングのタイミングとすることが極めて重要なこととなっている。
本発明は、上記問題点に鑑み、セルフクリーニングを行うタイミングを簡素に、かつ、汎用性を有するように設定でき、しかも、このタイミングを一層延長させることができ、生産効率を向上できる真空処理装置およびその運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、量産装置に適するセルフクリーニングを行うタイミングを設定する手法として、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる真空処理装置は、基板に製膜処理を行う製膜室内に、クリーニングガスを導入してセルフクリーニングを行う真空処理装置であって、セルフクリーニングを行うタイミングを設定する手段を備え、該手段によって該セルフクリーニングを行うタイミングは、製膜時間および製膜準備時間を含む製膜関連作業時間と、クリーニング時間、クリーニング準備時間および下地膜形成時間を含むクリーニング関連作業時間との和に占める製膜関連作業時間の割合で示される製膜稼働時間割合が、製膜処理量の増加に対して飽和している範囲で設定されることを特徴とする。
製膜関連作業時間は、たとえば、製膜処理を行う製膜時間と、基板搬送時間および製膜前後の準備時間を含む製膜準備時間と、を合計したもので、製膜処理量が増加するにしたがって略比例的に増加する。一方、クリーニング関連作業時間は、たとえば、堆積膜のエッチング反応を伴うクリーニング時間と、ガス系切替や製膜室内に発生させたプラズマに対向している基板以外の部分が製膜時の温度となるように調整するなどのクリーニング準備時間と、下地膜を形成に要する下地膜形成時間を合計した時間である。
製膜処理量が増加すると、製膜室の基板以外の場所(たとえば、放電電極、対向電極、基板保持具、電極カバー等:以下製膜ユニット部材ということもある)に製膜される堆積膜の厚さも製膜関連作業時間に略比例して増加する。このため、除去する堆積膜厚が製膜関連作業時間に略比例して増加するので、堆積膜のエッチング反応を伴うクリーニング時間も製膜関連作業時間に略比例して増加することになる。
ここで、真空処理装置の全作業時間に相当する製膜関連作業時間とクリーニング関連作業時間との和に対して製膜関連作業時間の占める割合を製膜稼働時間割合として定義を行った。
製膜稼働時間割合を評価することで、クリーニング関連時間は堆積膜のエッチング反応を伴うクリーニング時間以外にも必要な時間があることが適切に評価され、セルフクリーニングを行うタイミングの決定に非常に有効な意義があることが判明した。製膜稼働時間割合は、製膜処理量が無限大と想定することで製膜関連作業時間が無限大になると、ある値に収斂することになるいわゆる飽和曲線を形成する。
本発明によれば、セルフクリーニングを行うタイミングが、製膜稼働時間割合が製膜処理量の増加に対して飽和している範囲で設定されるので、たとえば、1回あたりの製膜関連作業時間とそれに略比例するクリーニング関連作業時間を与えることによって簡単に設定することができる。
なお、ここで、「飽和している」とは、製膜処理量に対する製膜関連作業時間の割合の増加率が、製膜処理量が少ないときに対して1/2以下へ減少した後の状態を示している。
また、製膜処理量が無限大になったときの製膜稼働時間割合の収斂値の90%以上、さらに好ましくは製膜稼働時間割合の値が80%以上に達した後の状態を示している。
また、製膜条件が変化、すなわち、製膜関連作業時間とそれに略比例するクリーニング関連作業時間とが変化した場合でも容易にセルフクリーニングのタイミングを適切に判断して変更することができるので、良好な汎用性を備えている。
さらに、セルフクリーニングを行うタイミングは、製膜稼働時間割合が、製膜量の増加に対して飽和している範囲で設定されるので、製膜関連作業時間に対するクリーニング関連作業時間の影響が少ない。このため、クリーニング関連作業時間の影響が小さくなるので、真空処理装置の生産効率を安定して向上させることができる。
また、本発明にかかる真空処理装置では、前記製膜稼働時間割合がその収斂値の90%を超える範囲で設定されることを特徴とする。
このように、前記製膜稼働時間割合がその収斂値の90%を超える範囲で製膜処理されるので、たとえば、シリコン系膜を製膜する場合、セルフクリーニングのタイミングは、アモルファスシリコン系膜の積算膜厚が20μmを超える範囲で、あるいは微結晶シリコン系膜の積算膜厚が50μmを超える範囲で設定されることとなる。このように、製膜処理量を多く設定できるので、真空処理装置の生産効率を向上させることができる。
なお、基板への積算膜厚は、1枚の基板に製膜処理するシリコン系膜の膜厚に製膜処理基板数量を掛け合わせたもので、放電電極をはじめとする製膜室内製膜ユニット部材へのシリコン系堆積膜厚は、該製膜ユニット部材により膜厚が異なるとともに直接計測できないことから、基板への積算膜厚で判断するものである。
また、クリーニング作業においては、発熱作用であることや、厚く堆積したシリコン系膜は製膜処理工程間の温度変化で剥離しやすくなることなどの、作業中の発熱の影響を考慮すると、積算膜厚が、たとえば、500μmを超えないようにするのが好適である。
さらに、シリコン系とは、アモルファスシリコン系、結晶質シリコン系を含むものを表し、また、シリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。結晶質シリコン系とは、アモルファスシリコン系すなわち非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコン系や多結晶シリコン系も含まれる。
また、本発明にかかる真空処理装置では、前記製膜室の内部に、大きな熱容量の蓄熱部材を設置していることを特徴とする。
このように、製膜室の内部に、大きな熱容量の蓄熱部材を設置しているので、クリーニング作業中の発熱量を蓄熱部材が吸収することができる。
なお、ここで「大きな熱容量」とは、少なくとも基板の熱容量よりも大きなものを示す。
蓄熱部材がクリーニング作業中の発熱量を吸収すると、クリーニング作業に伴う発熱作用による製膜室内製膜ユニット部材の温度上昇を緩和することができ、また製膜室内の各製膜ユニット部材の許容最高温度以下で該製膜ユニット部材へのシリコン系の堆積膜のエッチング処理が可能な許容堆積膜厚が増加するので、セルフクリーニングのタイミングを一層長くすることができる。
また、上記発明では、蓄熱部材として、基板と対向して設置された放電電極と、該放電電極を覆う電極カバーとを用いることが好適である。もしくは、電極カバー付近に蓄熱部材を設けても良い。
このようにすると、クリーニング作業に伴う発熱が主として発生する部分で、蓄熱を行うことができるので、蓄熱効率を一層向上させることができる。
また、本発明にかかる真空処理装置は、下地膜を製膜する手段を備え、該手段が、前記セルフクリーニングの終了後に、前記製膜室内に密着性の高い下地膜を形成する下地製膜作業を行うことを特徴とする。
製膜室内の製膜ユニット部材は、ニッケル合金材やステンレス材やアルミニウム材などが使用されるが、この製膜ユニット部材の表面には、構成材成分にエッチング反応に用いたフッ素やフッ素ラジカルが作用した腐食層が発生し、セルフクリーニングを行うことによってこれが成長し、表面に形成されるシリコン系膜がこの腐食層の部分から剥離し易くなる。また、セルフクリーニング終了の直後においては、エッチング作用によって製膜室内の表面には、製膜ユニット部材の構成材の一部である鉄(Fe)成分やクロム(Cr)成分やアルミニウム(Al)成分等を含む微粒子が付着している。これらの成分が製膜処理を再開するときのプラズマを不安定にする要因となっている。
本発明によれば、セルフクリーニングの終了後に、製膜室内の表面に密着性の高い下地膜が形成されるので、下地膜が腐食層および鉄、クロム、アルミニウムなどの成分の影響を緩和することができる。
このため、密着性の高い下地膜の上に一体的に製膜されるシリコン系膜が下地膜と一体となって剥離されることが少なくなるので、その分セルフクリーニングのタイミングを一層長くすることができる。また、下地膜により、鉄、クロム、アルミニウムなどの成分を含む微粒子が浮遊することを抑制して、プラズマの安定性を向上させることができるので、製膜作業の効率を向上させることができる。
この場合、下地膜は、たとえば、200nm以上、3000nm以下の厚い膜厚とするのが好適である。
200nm未満では、製膜室内の表面に付着した鉄、クロムなどの成分およびセルフクリーニングを繰り返し実施することで徐々に形成される腐食層を封じ込めるのに不十分となる恐れがある。一方、アモルファスシリコン膜では500nm、微結晶シリコン膜では3000nmを超えると、下地製膜にかかる時間が長くなるとともに、次回セルフクリーニングを実施するまでの最大堆積膜厚の制限から製膜処理が可能な積算膜厚量が制限され、製膜関連作業時間が短くなる。
また、本発明にかかる真空処理装置では、前記下地製膜作業は、製膜圧力が前記製膜処理時の1.0倍〜1.5倍で、かつ、少なくとも製膜初期に前記放電電極に供給する高周波電力が前記製膜処理時の0.1倍〜1.0倍で実施されることを特徴とする。
このように、下地製膜作業は、製膜圧力が製膜処理時の1.0倍〜1.5倍で、かつ、少なくとも下地膜の略1/10の膜厚が形成されるまでの製膜初期に前記放電電極に供給する高周波電力が製膜処理時の0.1倍〜1.0倍で実施されるので、製膜室内に密着性の高い下地膜を形成することができる。
さらに密着性を向上させるために好ましくは、下地製膜作業時おける製膜圧力は製膜処理時の1.0倍〜1.2倍で、該初期の高周波電力は製膜処理時の0.4倍〜0.9倍で実施することが望ましい。
製膜圧力を製膜処理時よりも高くすると、製膜処理時に比べて製膜種が単位時間により多く到達するので、製膜された下地膜の緻密性が向上する。一方、あまり高くすると、製膜速度が大きくなり、かえって緻密度が減少する。
また、放電電極に供給する高周波電力を製膜処理時に比べて小さくすると、プラズマで分解される量が小さくなるので、下地膜の製膜がゆっくりと行われ緻密性が向上する。0.1倍未満では、製膜速度が遅く、下地製膜作業の時間が長くなる。1.0倍よりも大きいと、下地膜が成長し始める初期の膜が、製膜処理時の膜と比べて緻密にならない恐れがある。
また、本発明にかかる真空処理装置では、前記下地製膜作業は、少なくとも1回は中断し、高真空排気を行うことを特徴とする。
セルフクリーニングのエッチング作用によって製膜室内の製膜ユニット部材の表面には、フッ素やフッ素ラジカルとの反応により構成材から離脱した鉄成分やクロム成分やアルミニウム成分等を含むものが微粒子となって付着している。下地製膜作業の初期段階には、これらの鉄、クロム、アルミニウム等の成分を含む微粒子がそれぞれ単独に、あるいは製膜ガスと反応してイオン化しプラズマ中に浮遊し易くなる。
本発明によれば、下地製膜作業は、少なくとも1回は下地製膜を中断し、高真空排気を行うので、その時点における製膜室内の浮遊物質を外部に排出することができる。浮遊物質が外部に排出されると、その中に含まれているイオン化した鉄、クロム、アルミニウム等の成分のものも除去されることになるので、下地製膜作業中断後に製膜される下地膜中にこれらが混入することを抑制することができる。また、イオン化した鉄、クロム、アルミニウム等成分がプラズマ中の電子を集めてプラズマ密度を低下させることがなくなるので、良好な下地膜を製膜することができる。
これにより、セルフクリーニングのタイミングを一層長くすることができる。
なお、高真空排気を行う中断の回数は、より多い方が前記浮遊物質をより製膜室より外部へ排出できるので好ましいが、下地製膜作業を必要以上に長引かせないことを考慮すると、高真空排気を行う中断回数は5回以下が実用的である。
また、本発明にかかる真空処理装置では、前記製膜室内で、前記下地膜が形成される部分の表面は、十点平均粗さが0.1μm以上5μm以下で、かつ、最大高さが20μm以下になるように加工されていることを特徴とする。
このように、製膜室内で、下地膜が形成される部分の製膜ユニット部材の表面は、十点平均粗さ(Rz)が0.1μm以上5μm以下で、かつ、最大高さが20μm以下になるように加工されているので、製膜室内の製膜ユニット部材の構成材成分にフッ素が作用した腐食層が製膜ユニット部材表面の微視的な凸形状全体に成長した後に微視的な凸形状部分が脱落することおよび腐食層の剥離を効果的に抑制することができる。
製膜ユニット部材の表面の粗さが5μm以上では、腐食が進む早い段階で微視的な凸形状全体が腐食層へ成長して微視的な凸形状部分が脱落しやすくなるために、製膜ユニット部材の見た目の腐食速度が大きく、製膜ユニット部材の寿命が短くなる。また製膜ユニット部材表面の粗さが0.1μm以下では、下地膜が形成されるための下地膜と製膜ユニット部材とのアンカー効果が低下して、下地膜が剥離しやすくなる。また、製膜ユニット部材の表面は、十点平均粗さ(Rz)が1μm以上5μm以下で、かつ、最大高さが10μm以下になるように加工されていることが腐食層の脱落と下地膜の剥離防止から、さらに好ましい。
本発明にかかる真空処理装置の運転方法では、基板に製膜処理を行う製膜室内に、クリーニングガスを導入してセルフクリーニングを行う真空処理装置の運転方法であって、セルフクリーニングのタイミングを設定する工程を備え、該工程によって該セルフクリーニングは、製膜時間および製膜準備時間を含む製膜関連作業時間と、クリーニング時間、クリーニング準備時間および下地膜形成時間を含むクリーニング関連作業時間との和に占める製膜関連作業時間の割合で示される製膜稼働時間割合が、製膜処理量の増加に対して飽和している範囲で実施されることを特徴とする。
製膜関連作業時間は、製膜処理量が増加するにしたがって略比例的に増加する。一方、製膜処理量が増加すると、製膜室の基板以外の場所に製膜される膜の厚さも製膜関連作業時間に略比例して増加する。このため、除去する膜厚が製膜関連作業時間に略比例して増加するので、クリーニング時間も製膜関連作業時間に略比例して増加することになる。
したがって、製膜時間および製膜準備時間を含む製膜関連作業時間と、クリーニング時間、クリーニング準備時間および下地膜形成時間を含むクリーニング関連作業時間との和に占める製膜関連作業時間の割合で示される製膜稼働時間割合は、製膜処理量を無限大と想定して製膜関連作業時間が無限大になると、ある値に収斂することになるいわゆる飽和曲線を形成する。
本発明によれば、セルフクリーニングは製膜関連作業時間の割合が、製膜処理量の増加に対して飽和している範囲で実施されるので、たとえば、1回あたりの製膜関連作業時間とそれに略比例するクリーニング関連作業時間(製膜関連作業時間に略比例するクリーニング時間、クリーニング準備作業時間および下地膜形成時間)を与えることによって簡単に実施時期を決定することができる。
また、製膜条件が変化、すなわち、製膜関連作業時間とそれに略比例するクリーニング関連作業時間が変化した場合でも容易にセルフクリーニングの実施タイミングを変更することができる。
さらに、セルフクリーニングは、製膜関連作業時間の割合が、製膜処理量の増加に対して飽和している範囲で実施されるので、製膜関連作業時間に対するクリーニング作業時間の影響が少ない。このため、クリーニング作業時間の影響が小さくなるので、真空処理装置の生産効率を安定して向上させることができる。
また、本発明にかかる真空処理装置の運転方法では、前記セルフクリーニングは、前記製膜稼働時間割合がその収斂値の90%を超える範囲で実施されることを特徴とする。
このように、セルフクリーニングは、製膜稼働時間割合がその収斂値の80%を超える範囲で実施されるので、たとえば、シリコン系膜を製膜する場合、セルフクリーニングのタイミングは、アモルファスシリコン系膜の積算膜厚が20μmを超える範囲で、微結晶シリコン系膜の積算膜厚が50μmを超える範囲でおこなわれることになる。このように、セルフクリーニングを実施するまでの積算膜厚を厚くすることができるので、製膜処理量を多く設定でき、生産効率を向上させることができる。
なお、クリーニング作業は発熱作用であることや、さらに厚くしたシリコン系膜は製膜処理工程間の温度変化で剥離しやすくなることなどの、作業中の発熱の影響を考慮すると、積算膜厚が、たとえば、500μmを超えないようにするのが好適である。
また、本発明にかかる真空処理装置の運転方法では、前記製膜室の内部に設置された大きな熱容量の蓄熱部材によってセルフクリーニング作業中に発生する熱量を蓄熱することを特徴とする。
このように、製膜室の内部に、大きな熱容量の蓄熱部材を設置しているので、クリーニング作業中の発熱量を蓄熱部材が吸収することができる。
なお、ここで「大きな熱容量」とは、少なくとも基板の熱容量より大きなものを示す。
蓄熱部材がクリーニング作業中の発熱量を吸収すると、クリーニング作業に伴う発熱作用による製膜室内製膜ユニット部材の温度上昇を緩和することができるので、製膜室内の各製膜ユニット部材の許容最高温度以下で該製膜ユニット部材のシリコン系の堆積膜のエッチング処理が可能な許容堆積膜厚が増加することにより、セルフクリーニングを行う間隔を一層長くすることができる。
なお、プラズマに面する部材、たとえば、放電電極、対向電極、ヒータカバー等を蓄熱部材として用いれば、クリーニング作業に伴う発熱が主として発生する部分で、蓄熱を行うことができるので、蓄熱効率を一層向上させることができる。もしくは、電極カバー付近に蓄熱部材を設けても良い。
また、本発明にかかる真空処理装置の運転方法では、前記セルフクリーニングの終了後に、前記製膜室内に密着性の高い下地膜を形成する下地製膜作業を行うことを特徴とする。
製膜室内の製膜ユニット部材の表面には、構成材成分にフッ素やフッ素ラジカルが作用した腐食層が発生し、セルフクリーニングを行うことによってこれが成長し、表面に形成される膜がこの腐食層の部分から剥離し易くなる。また、セルフクリーニングのエッチング作用によって製膜室内の表面には、鉄(Fe)成分やクロム(Cr)やアルミニウム(Al)成分等が付着している。これらの成分が製膜処理を再開するときのプラズマを不安定にする要因となっている。
本発明によれば、セルフクリーニングの終了後に、製膜室内の表面に密着性の高い下地膜が形成されるので、下地膜が腐食層および鉄、クロム、アルミニウム等の成分の影響を緩和することができる。
このため、下地膜の上に一体的に製膜されるシリコン系膜が下地膜と一体となって剥離されることが少なくなるので、その分セルフクリーニングのタイミングを一層長くすることができる。また、プラズマの安定性を向上させることができるので、製膜作業の効率を向上させることができる。
この場合、下地膜は、たとえば、200nm以上、3000nm以下の厚い膜厚とするのが好適である。
200nm未満では、製膜室内の表面に付着した鉄、クロムなどの成分およびセルフクリーニングを繰り返し実施することで徐々に形成される腐食層を封じ込めるのに不十分となる恐れがある。一方、アモルファスシリコン膜では500nm、微結晶シリコン膜では3000nmを超えると、下地製膜にかかる時間が長くなるし、堆積膜厚の制限から製膜処理の積算膜厚量が制限され、製膜関連作業時間が短くなるとともに、積算膜厚量が制限され、製膜関連作業時間が短くなる。
また、本発明にかかる真空処理装置の運転方法では、前記下地製膜作業は、製膜圧力が前記製膜処理時の1.0倍〜1.5倍で、かつ、少なくとも下地製膜初期の前記放電電極に供給する高周波電力が前記製膜処理時の0.1倍〜1.0倍で実施されることを特徴とする。
このように、下地製膜作業は、製膜圧力が製膜処理時の1.0倍〜1.5倍で、かつ、少なくとも下地製膜初期の放電電極に供給する高周波電力が下地製膜処理時の0.1倍〜1.0倍で実施されるので、製膜室内に密着性の高い下地膜を形成することができる。
製膜圧力を製膜処理時よりも高くすると、製膜処理時に比べて製膜種が単位時間により多く到達するので、製膜された下地膜の緻密性が向上する。一方、あまり高くすると、製膜速度が大きくなりかえって緻密度が減少する。
また、放電電極に供給する高周波電力を製膜処理時に比べて小さくすると、プラズマで分解される量が小さくなるので、下地膜の製膜がゆっくりと行われ緻密性が向上する。0.1倍未満では、製膜速度が遅く、下地製膜作業の時間が長くなる。1.0倍よりも大きいと、下地膜が成長し始める初期の下地膜が製膜処理の膜に比べて緻密にならない恐れがある。
また、本発明にかかる真空処理装置の運転方法では、前記下地製膜作業は、少なくとも1回は中断し、高真空排気を行うことを特徴とする。
セルフクリーニングのエッチング作用によって製膜室内の表面には、鉄成分やクロム成分やアルミニウム成分等が微粒子となって付着している。下地製膜作業の初期段階には、これらの鉄、クロム、アルミニウム等の成分がそれぞれ単独に、あるいは製膜ガスと反応してイオン化しプラズマ中に浮遊し易くなる。
本発明によれば、下地製膜作業は、少なくとも1回は中断し、高真空排気を行うので、その時点における製膜室内の浮遊物質を外部に排出することができる。浮遊物質が外部に排出されると、その中に含まれているイオン化した鉄、クロム、アルミニウム等の成分も除去されることになるので、これらが下地製膜作業中断後に製膜される下地膜中にこれらが混入することを抑制することができる。また、イオン化した鉄、クロムやアルミニウム等の成分がプラズマ中の電子を集めてプラズマ密度を低下させることがなくなるので、良好な下地膜を製膜することができる。
これにより、セルフクリーニングの実施間隔を一層長くすることができる。
なお、高真空排気を行う中断の回数は、より多い方が該浮遊物質をより製膜室より外部へ排出できるので好ましいが、下地製膜作業を必要以上に長引かせないことを考慮すると、高真空排気を行う中断回数は5回以下が実用的である。
本発明によれば、セルフクリーニングを行うタイミングが、製膜関連作業時間割合が製膜量の増加に対して飽和している範囲で設定されるので、たとえば、1回あたりの製膜関連作業時間とそれに略比例するクリーニング関連作業時間(製膜関連作業時間に略比例するクリーニング時間、クリーニング準備作業時間および下地膜形成時間)を与えることによって簡単に設定することができる。
また、製膜条件が変化、すなわち、製膜関連作業時間とそれに略比例するクリーニング関連作業時間が変化した場合でも容易にセルフクリーニングのタイミングを変更することができるので、良好な汎用性を備えている。
さらに、セルフクリーニングを行うタイミングは、製膜関連作業時間の割合が、製膜量の増加に対して飽和している範囲で設定されるので、製膜関連作業時間に対するクリーニング作業時間の影響が少ない。このため、クリーニング作業時間の影響が小さくなるので、真空処理装置の生産効率を向上させることができる。
本発明の第一実施形態にかかるプラズマCVD装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態にかかるセルフクリーニングのプロセスを説明する模式図である。 本発明の第一実施形態にかかるアモルファスシリコン膜の積算膜厚に対する製膜稼動時間割合の変化を示すグラフである。 本発明の第一実施形態にかかるアモルファスシリコン膜のバッチ数に対する製膜稼動時間割合の変化を示すグラフである。 セルフクリーニングにおける熱量バランスを示す模式図である。 本発明の第三実施形態にかかるプレデポジション膜の良否によって、付着物およびプレデポジション膜が剥離するまでの積算積層膜をセルフクリーニングの実施時期に対してプロットしたグラフである。 本発明の第三実施形態にかかる製膜室内の一部を切断して示す断面図である。 基板における製膜中に含まれる鉄、クロム成分およびフッ素の存在を膜厚方向に示したものである。 薄膜製造装置の概略構成図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態にかかるプラズマCVD装置(真空処理装置)100について図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、プラズマCVD装置100の概略構成を示す断面図である。
プラズマCVD装置100は、製膜室1、ヒータカバー2、ヒータ5、放電電極3、電極カバー6、原料ガス導入管7、クリーニングガス導入管8、ガス排気管9、真空ポンプ10、クリーニングガス供給部11、制御器12、高周波給同軸ケーブル13、インピーダンス整合器14、高周波電源15、圧力調整弁16、蓄熱器(蓄熱部材)17、原料ガス供給部18を具備する。
製膜室1は、真空容器であり、その内部で基板4にシリコン系薄膜層(アモルファスシリコン膜、あるいは微結晶シリコン膜)などを製膜する。以下において、アモルファスシリコン膜と微結晶シリコン膜とは、それらを区別する必要がない場合、シリコン系膜と記載されることがある。
ヒータカバー2は、ヒータ5の少なくとも基板2側を覆うように設置されていて、ヒータ5の発熱分布の均一化に寄与している。ヒータカバー2は、基板4を保持可能な保持手段(図示省略)を有する非磁性材料の導電性の板である。ヒータカバー2は、耐フッ素ラジカル性からニッケル合金やアルミやアルミ合金の使用が望ましい。
ヒータカバー2は、接地されており、放電電極3に対向する電極となる。
ヒータ5は、ヒータカバー2を介して基板4を加熱するものである。
基板4はヒータカバー2に設置されると、図示しない基板保持手段で基板4の周囲の少なくとも一部を保持して、基板4の位置を確保する。
放電電極3は、各棒状の縦電極を略平行に組み合わせて構成され、ヒータカバー2に略平行するような面を形成している。また放電電極3の断面は円形、長方形等の組合せであり、中空パイプ状のものから構成されてもよい。
放電電極3は高周波同軸ケーブル13によって高周波電源15から高周波電力を供給され、接地されているヒータカバー2との間に原料ガスのプラズマを発生させ基板4にシリコン系膜を製膜する。
電極カバー6は、放電電極3の基板4と反対側を覆うように備えられている。
インピーダンス整合器14は、出力側のインピーダンスを整合し、高周波電源15から高周波同軸ケーブル13を介して高周波電力を放電電極3へ送電する。
原料ガス導入管7は、原料ガス供給部18から送られる原料ガス(たとえば、シランガス(SiH)および水素ガス(H))を製膜室1の中に導入する。このとき、原料ガス導入管7を放電電極3に接続し、放電電極3内部より原料ガスを噴出してもよい。
クリーニングガス導入管8は、クリーニングガス供給部11から送られるクリーニングガス、たとえば、三フッ化窒素(NF)を製膜室1の中に導入する。
真空ポンプ10は、製膜室1内の気体を排気する高真空排気用の真空ポンプである。圧力調整弁16は、真空ポンプ10と製膜室1との経路を開閉するとともにその開放量を調整することで、製膜室1内の圧力を調整する。
制御器12は、原料ガス(たとえば、シランガス、水素ガス)、およびクリーニングガスなどの流量の制御、ならびに高周波電源15によるプラズマの発生開始および発生終了等、プラズマCVD装置100の動作を制御する。
次に、本実施形態にかかるプラズマCVD装置100の製膜動作について説明する。
基板4を製膜室1内に図示しない基板搬送装置を用いて搬入し、ヒータカバー2にセットし図示しない基板保持具で保持する。
ついで、制御器12によって製膜動作が行なわれる。
まず、圧力調整弁16を開いて真空ポンプ10から真空排気を行い、製膜室1を所定の真空度、たとえば、10−2Paにする。また、ヒータ5の温度は250℃とされている。
ついで、シリコン系膜の原料となるシランガスおよび水素ガスが原料ガス導入管7から製膜室1に導入され、圧力調整弁16により製膜圧力を、たとえば85Paに設定する。
アモルファスシリコン膜が製膜される場合には、水素ガス流量のシランガス流量に対する比(H/SiH)が、たとえば、10以下に小さくされ、微結晶シリコン膜が製膜される場合には、水素ガス流量のシランガス流量に対する比が、たとえば、30以上に大きくされる。
シランガスと水素ガスとが製膜室1に導入された状態で、制御器12の制御の下、高周波電源15は、高周波電力(RF電力)を放電電極3に供給する。高周波電力が放電電極3に供給されることにより、放電電極3とヒータカバー2との間にプラズマが発生する。
このプラズマの発生によってシランガスが分解され、基板4の表面には、シリコン系膜が成長される。
基板4への製膜が終了すると、原料ガスと高周波電力の供給等を停止し、製膜室1内を高真空まで排気し、製膜室1を開放して基板4を図示しない基板搬送装置で取り出す。これで、1バッチの作業が終了する。
以上の動作を繰り返して、基板4への製膜を連続的に行う。
図9は、シリコン太陽電池等の半導体を製造する際に、ガラス基板にシリコン系膜の製膜を行う薄膜製造装置(真空処理装置)90である。薄膜製造装置90には、大気が混入することなく減圧状態を維持して高品質な製膜処理が可能である製膜室70と、大気下にあるガラス基板を基板搬送装置(不図示)を用いて製膜室70に対して搬入する際に、製膜室70との間を介するロード室71と、ガラス基板を製膜室70から搬出するアンロード室72とが備えられている。製膜室70、ロード室71およびアンロード室72は、それぞれチャンバ70a、71a、72aを備え、これらチャンバ70a、71a、72aは、それぞれ粗引きポンプ73a、73b、73cおよびターボ分子ポンプ74a、74b、74cによって真空引きされることで、高真空状態とされる。また各チャンバはゲート弁75で仕切られ各チャンバでの圧力設定が可能である。また、装置全体は制御装置80により制御される。
このとき、基板4への製膜時間Tsは、製膜速度Vsと製膜厚Dsとで決定される。すなわち、Ts=Ds/Vsとなる。それ以外の基板4の搬入および搬出の搬送時間と、製膜室1の真空排気と原料ガスの導入と圧力調整の時間等にかかる時間が、製膜準備時間Tjである。
シリコン系膜が基板4に製膜される過程では、必然的に、シリコンを主成分とする付着物が製膜室1の内部に不所望に付着(製膜や堆積)する。
この付着物は、基板4に製膜されたシリコン系膜と同様に、多くの水素原子を含む。この付着物の堆積厚さが厚くなると、製膜処理工程間の温度変化などにより、付着物は剥離して基板4のシリコン系膜に混入し、製品品質を劣化させることになる。
このため、適度な間隔をおいて、付着物の除去(クリーニング)を行う。
本実施例では、原料ガスの換わりにクリーニングガスを導入して、プラズマを用いたセルフクリーニングを実施する。
このセルフクリーニングのクリーニング動作について図2を用いて説明する。クリーニング動作等は制御器12によって行なわれる。
製膜動作が終了し、基板4を製膜室1から搬出した後、製膜室1を密閉し、真空ポンプ10によって製膜室1内やガス排気管9内などの原料ガス等の残存ガスを排気しつつ、クリーニングガス(たとえば、NF)をクリーニングガス導入管8から製膜室1に導入する。(プロセスP1)。すなわち、製膜室1内のガスを原料ガスからクリーニングガスに切り換える。
このとき、クリーニングガスによるエッチング反応熱で、製膜室1内が温度上昇することを少しでも抑制するために、ヒータ5は入力電力を0として非作動とされることが好ましい。
このクリーニングガスへの切換が終了すると、放電電極3に高周波電力が印加される。高周波電力が放電電極3に供給されることにより、放電電極3とヒータカバー2との間にプラズマが発生する。このとき、プラズマを安定化させるために、クリーニングガスで腐食されにくい材質からなるダミーの基板をヒータカバー2に設置しても良い。
このプラズマの発生によって、供給されたNFは、フッ素ラジカル(F)と窒素(N)に分解される(プロセスP2)。
フッ素ラジカルは、真空容器1内部に付着したシリコン系膜や粉と反応し、その結果、四フッ化シリコン(SiF)がガスとして発生する(プロセスP3)。すなわち、エッチングを行うことになる。
このときの反応式は以下のとおりである。
Figure 2012021234
フッ素ラジカルの一部は、未反応のままフッ素(F)となるものもある(プロセスP4)。
また、発生したSiFは、気体状態であり、拡散する(プロセスP5)、あるいはシリコン系膜近傍に滞留する。
製膜室1内に存在する窒素やフッ素、SiF等のガス類は、真空ポンプ10により製膜室1の外部に排出される(プロセスP6)。
このとき、滞留したSiFがプラズマにより再度分解し、シリコン系膜にシリコン(Si)として再付着する(プロセスP7)ことでシリコン系膜のエッチング除去量が減少することもある。
Si系膜や粉とクリーニングガス(Fラジカル)との間で、急激な発熱を伴ったエッチング反応が発生することがある。この反応は、次の(1)式で示される。
4F(ラジカル)+Si→SiF+1439kcal/mol (1)
このようにして、付着物を除去(狭義のクリーニングが終了)したら、真空ポンプ10によって製膜室1内やガス排気管9内などのクリーニングガス等の残存ガスを排気し、その後に原料ガスを原料ガス導入管7から導入しつつ、真空ポンプ10によって製膜室1内のガスを外部に排気する。これによって、製膜室1の雰囲気をクリーニングガスから原料ガスに切り換える。
このとき、クリーニング時のエッチング反応とプラズマ発生のために導入した放電用電力に伴い製膜室1内の温度は上昇しており、製膜室内に発生させたプラズマに対向している基板以外の部分が製膜時の温度状態に戻るようヒータカバー2を所定の温度まで冷却する。この冷却は自然冷却を待つのが通常であるが、冷却手段を設けて強制的に冷却するようにしてもよい。
また、この冷却手段をクリーニング作業中に作動させて、クリーニングに伴う製膜室1内の温度上昇を抑制するようにしてもよい。このようにすれば、付着物の量が多くてもクリーニングに伴う製膜室1内の温度を許容最高温度(たとえば、製膜室1の構成材の腐食が早くに進展して、短寿命化する温度:インコネル製であっても400℃以下が推奨される。等)以下に抑制することができる。したがって、製膜室1内の温度制限から、シリコン系堆積膜のエッチング処理が可能な許容堆積膜厚が増加するので、セルフクリーニングの間隔を長くすることができる。
また、クリーニング中に発生する熱量の一部は、蓄熱器17に蓄積されるので、その分製膜室1内の温度上昇が緩和される。蓄熱器17は製膜室1の内壁面に設けることが好ましいが、蓄熱された熱を外部へ放出しやすければ内壁面にこだわらない。また、蓄熱器17は、熱伝達率を向上して発熱を吸収し易いように、電極カバー6などの発熱発生場所に近い位置に設けることが好ましい。また、蓄熱器17の設置は望ましいが、製膜室1内の温度上昇に対する調整が可能な状況であれば必ずしも必要ではない。
クリーニングが終了し、ヒータカバー2の温度が所定温度まで冷却されると、ヒータ5の電力を入電して温度制御を開始するとともに、原料ガスの雰囲気に切換られて所定の圧力に調整され、制御器12は、高周波電力(RF電力)を放電電極3に供給する。
高周波電力が放電電極3に供給されることにより、放電電極3とヒータカバー2との間にプラズマが発生する。
このプラズマの発生によって原料ガス(シランガスなど)が分解され、製膜室1内の表面には、シリコン系膜の下地膜、すなわち、プレデポジション膜が形成される。
次に、このセルフクリーニングを行うタイミングについてアモルファスシリコン膜を製膜しているものについて説明する。
製膜処理数:nバッチとする。n(バッチ)の製膜処理を終了した後に、セルフクリーニングを行うとする。1バッチ当りの製膜膜厚をFs(nm)、製膜速度をDr(nm/分)、製膜準備時間をa(分)とすると、製膜関連処理時間Tt(分)は、
Figure 2012021234
一方、nバッチの製膜処理後のエッチング処理する堆積膜厚は基板4の積算膜厚に略等しいと仮定すると、n×Fs(nm)となるので、エッチング速度をEr(nm/分)、クリーニング準備時間とプレデポジション膜の形成時間の合計をb(分)とすると、クリーニング関連作業時間:Tc(分)は、
Figure 2012021234
製膜関連作業時間Ttに、クリーニング関連作業時間Tcを加えた総作業時間に占める製膜関連作業時間Ttの割合を、製膜稼働時間割合Psとすると、次式で与えられる。
Figure 2012021234
この式で、重要なところは(b/n)の項があることで、クリーニング準備時間とプレデポジション膜の形成時間の合計b(分)が、製膜処理数nバッチの影響を反映して評価できるところにある。
たとえば、従来の評価概念は、製膜準備時間aや、クリーニング準備時間とプレデポジション膜の形成時間の合計bを十分に考慮しない状況にあった。すなわち、上記(4)式において、a=0、b=0とすると、次式になる。
Figure 2012021234
従って、従来の考え方では、製膜稼働時間割合Psは、(Dr/Er)で決定されるために、エッチング速度Erを大きくすることが主眼となっていた。このため、セルフクリーニングを行うタイミングは、製膜稼働時間割合Psによる評価ではなく、製膜中のパーティクル数の増加状況により、主に判断されていた。
第一実施形態においては、製膜準備時間aや、クリーニング準備時間とプレデポジション膜の形成時間の合計bを考慮することにより、量産処理における製膜処理数nバッチの影響を反映して、生産処理に効果的なセルフクリーニングを行うタイミングを評価できるところにある。
さらに、具体的な数値を用いて、説明する。タイミングを算出する基となる条件を次ぎのとおり仮定する。
バッチ当りの製膜膜厚Fsは、300nm/バッチ、製膜速度Drは、1nm/s、バッチ当りの製膜準備時間aは、2分/バッチ、クリーニングにおけるエッチング速度Erは、5nm/s、クリーニングの準備時間(ガスの切換など)と、プレデポジション膜の製膜時間の合計時間bは60分とする。
これを(2)式に代入すると、製膜関連作業時間Ttは、7n分となる。
一方、クリーニング関連作業時間Tcは、処理する膜厚が基板4の膜厚と略等しいと仮定してn×300nmとすると、(3)式により、(n+60)分となる。
製膜関連作業時間Ttとクリーニング関連作業時間Tcとを加えた総作業時間に占める製膜関連作業時間Ttの割合、製膜稼動時間割合(製膜関連作業時間割合)Psの計算結果は、次式で与えられる。
Figure 2012021234
この式で、nを無限大とすると、製膜稼動時間割合Psは7/8、すなわち、0.875となる。製膜稼動時間割合Psは、0.875以上にはならない、言い換えると、0.875に収斂する飽和曲線を形成する。
図3は、アモルファスシリコン膜の積算膜厚に対して製膜稼動時間割合Psの変化をプロットしたものである。
丸印は、セルフクリーニングの準備時間とプレデポジション膜の製膜時間の合計時間bが、上記前提どおりの60分(標準時間)とした場合を示し、三角印は、エッチング速度はそのままであるが、エッチング時間以外が改善されてセルフクリーニングの準備時間とプレデポジション膜の製膜時間の合計時間bが、30分(時間半減)と半減された場合を示している。
図4は、図3のアモルファスシリコン膜の積算膜厚をバッチ数に変更した場合の製膜稼動時間割合Psの変化をプロットしたものである。
丸印は、セルフクリーニングの準備時間とプレデポジション膜の製膜時間の合計時間bが、上記前提どおりの60分とした場合を示し、三角印は、エッチング速度はそのままであるが、エッチング時間以外が改善されてセルフクリーニングの準備時間とプレデポジション膜の製膜時間の合計時間bが、30分と半減された場合を示している。
図3および図4をみると、製膜稼動時間割合Psが80%(0.8)を超えると、製膜稼働時間割合Psは、積算膜厚あるいはバッチ数の増加に対して十分に飽和している範囲にある。すなわち、積算膜厚が増加しても、製膜稼動時間割合Psはほとんど増加しないので、セルフクリーニングを行うタイミングが多少ずれても製膜稼働時間割合Psへの影響は少なく安定した生産処理が行われる。
この条件のもとでは、積算膜厚を無限とし、(4)式のPsの収斂値に対して90%以上であり、実際の生産工程においてはこれ以上のPsを得るには、限界に近いレベルと判断することができる。またセルフクリーニングの準備作業時間の改善などによる製膜稼働時間割合Psへの影響が少なくなるので、諸条件を変更して厳密な条件選定の管理が必要でなくなる。
本実施形態では、セルフクリーニングのタイミングを製膜稼働時間割合Psが、積算膜厚あるいはバッチ数の増加に対して飽和している範囲で決定するようにしている。
このため、製膜関連作業時間Ttに対するクリーニング関連作業時間Tcがほとんど影響を及ぼさないので、クリーニング関連作業時間が多少変動しても、該製膜稼働時間割合Psへの影響が小さくなるので、真空処理装置の生産効率を安定して向上させることができる。
なお、図3の場合、製膜稼動時間割合Psが80%を超える範囲で選定すれば、アモルファスシリコン膜セルフクリーニングのタイミングを製膜稼動時間割合Psが飽和値(収斂値)である87.5%の90%を超える高い稼動状態を選定することができる。この時のアモルファスシリコン膜の積算膜厚が20μmを超えている。同様に微結晶シリコン膜の積算膜厚も50μmを超えている。
なお、クリーニング作業は発熱作用であるので、クリーニング作業中の発熱による構成材料の温度上昇の影響を考慮すると、さらには厚く堆積したシリコン系膜は製膜処理工程間の温度差で剥離しやすくなることを考慮すると、セルフクリーニングを行うときの積算膜厚が、たとえば、500μmを超えないようにするのが好適である。
すなわち、たとえば、500μmを超えるとエッチング発熱量の総和が増加するので、その熱量の処理のために冷却手段を増加させるなどの追加手段が必要となるためである。
また、製膜処理工程間で、製膜と高真空雰囲気での基板搬出入を行うときの高真空雰囲気時とでは、製膜室内部の製膜ユニット部材の温度変化によりシリコン膜の剥離片が製膜歩留まりへ影響する不具合が増加するためでもある。
製膜稼動時間割合Psは、上述のような条件を与えれば簡単に算出することができる。
また、製膜条件等が変化した場合でも容易にセルフクリーニングのタイミングを変更することができるので、良好な汎用性を備えている。
図4における、四角印は、微結晶シリコン膜を製膜する場合、標準時間の準備時間における製膜稼動時間割合Psの変化を示している。
微結晶シリコン膜では、バッチあたりの製膜膜厚はアモルファスシリコン膜に比べて約10倍と厚いが、一方、エッチングレートはアモルファスシリコン膜の約2倍の高速化が可能となるためこれらを考慮すると図4に示されるように、製膜稼動時間割合Psは製膜処理バッチ数が少ない段階で飽和している。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態に係るプラズマCVD装置100について、図5を用いて説明する。
本実施形態では、放電電極3および電極カバー6の熱容量(質量×比熱)を大きくした点で第一実施形態と異なるだけであるので、その他の構成については同じであり、ここでは重複した説明を省略する。
図5は、セルフクリーニング中の製膜室1におけるヒートバランスを示している。製膜室1への入熱の主なものは、高周波電力の入熱21、ヒータ5の発熱22およびエッチング発熱反応23である。ただし、ヒータ5はセルフクリーニングのエッチング時間においては非作動とされているので、考慮する必要はない。
一方、製膜室1からの出熱は、排ガスによる散出24、製膜室のチャンバ壁からの散出25および冷却部材による吸熱26がある。冷却部材による吸熱26は、蓄熱器17が、外部との間で冷却水を循環させ、冷却機能を備えている場合である。しかし、蓄熱器17の伝熱面積は製膜室1の構造によって制限されるので、その吸熱・冷却効果は余り大きなものではない。
製膜室1内の製膜ユニット部材に堆積したシリコン系膜が厚くなった状態で、これにクリーニングガスが急速に反応した場合などで、エッチング発熱反応23があまりに大きい場合には、排ガスによる散出24、製膜室1のチャンバ壁からの散出25および冷却部材による吸熱26でそれをまかないきれず、製膜室1内の製膜ユニット部材などに蓄熱されて、各部材の温度が上昇することになる。
本実施形態では、放電電極3および電極カバー6の熱容量を大きくしているので、その蓄熱量が大きくなっている。
また、放電電極3および電極カバー6は、プラズマに面しているので、シリコン系膜が堆積して、クリーニング作業に伴うエッチング発熱反応が主として発生する部分であるので、この部分において蓄熱する熱容量が大きい場合は蓄熱効率を一層向上させることができる。
蓄熱部材として、エッチング反応時に温度上昇する放電電極3と、電極カバー6に蓄熱機能をもつよう熱容量を保有させているが、蓄熱器17と放電電極3や電極カバー6による蓄熱部材を併用しても良いし、製膜室1内の発熱量が少ない場合は蓄熱器17を省いても良い。
したがって、エッチング発熱反応23が排ガスによる散出24、製膜室1のチャンバ壁からの散出25および冷却部材による吸熱26に比べて大きくなったとしても、余分な熱量は放電電極3および電極カバー6によって、蓄熱できる。エッチング処置可能とする許容堆積膜厚は各製膜ユニット部材の許容最高温度による制限があるので、製膜室1内の蓄熱容量の増加する分が、温度上昇を抑制し、許容堆積膜厚を増加することに寄与する。
このように、放電電極3および電極カバー6によって製膜室1内の温度上昇を抑制できるので、積算処理膜厚を厚くし、セルフクリーニングのエッチング発熱量が増加しても対応できる。このため、セルフクリーニングを行う間隔を一層長くすることができる。
放電電極3および電極カバー6に蓄熱された熱量は、エッチング反応が終了した後、プレデポジション膜を製膜している間、および基板4への製膜作業中に、製膜室のチャンバ壁からの散出25として少しずつ放熱できるので、製膜室1内に大きな冷却能力を有する冷却機構を設置する必要がない。また、基板4への製膜開始時は、放電電極3および電極カバー6に蓄熱された熱量によって製膜室1内の温度が上昇しているので、ヒータ5による入熱量を少なくでき、製膜作業の効率を向上させることができる。
放電電極3および電極カバー6の熱容量は、たとえば、基板4の熱容量よりも大きくするのが好ましい。
具体的には、基板4サイズ:1.4m×1.1m×t4mm(基板質量15kg)の装置において、放電電極3の質量:20kg、電極カバー6の質量:70kgである。このとき、基板4の熱容量は、基板質量×比熱=15×0.837=12.56kJ/K、放電電極3および電極カバー6の熱容量は、(放電電極3+電極カバー6)質量×比熱=90×0.444=39.96kJ/K、であるので、必要な蓄熱量を確保している。
この蓄熱量は大きい方が望ましいが、装置の起動停止時の温度上昇、降下を考慮すると、製膜室1に設けた加熱/冷却機構能力との兼ね合いであるが、基板4の熱容量である基板質量×比熱の1倍以上であり、好ましくは10〜20倍程度以内が目安となる。
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態にかかるプラズマCVD装置100について、図6〜図8を用いて説明する。
本実施形態は、下地膜であるプレデポジション膜の製膜厚さを比較的厚く製膜するようにした点で第一実施形態と異なるだけであるので、その他の構成については同じであり、ここでは重複した説明を省略する。
図7は製膜室1内の一部を切断して示す断面図を示している。製膜室1の構成材のうち、たとえばステンレス系材料を使用したものの表面には、構成材中の鉄成分やクロム成分がフッ素と反応したことによる腐食層(FeF、CrF等)31が発生し、この腐食層31はセルフクリーニングを繰り返すことで数10μmに成長してゆく。
セルフクリーニング終了後にこの腐食層31の上に、プレデポジション膜32が製膜され、その上に、基板4への製膜作業に伴う付着物33が製膜・堆積される。
図6は、この腐食層31の上に形成されたプレデポジション膜32の良否によって、付着物33およびプレデポジション膜32が、たとえば放電電極3から剥離して、基板4に付着し始めるまでの積算積層膜をセルフクリーニングの実施時期に対してプロットしたものである。なお、縦軸は30μmを100%として相対表記にしている。
図6における丸印はプレデポジション膜32が十分厚く、良好に形成されているものを示し、菱印はプレデポジション膜32の形成が不良のものを示している。
図6を見ると、プレデポジション膜32が良好なものは、クリーニング実施時期によらず略一定の積算膜厚の水準を維持している。
一方、プレデポジション膜32の製膜条件の選定などが影響して、プレデポジション膜32が不良なものは、チャンバ開放メンテナンス後のセルフクリーニング回数が多くなるにつれて剥離するまでの積算膜厚が減少してゆく、すなわち、剥離し易くなっていることが判明した。すなわち、製膜室1内の放電電極3などの製膜ユニット部材表面に発生した腐食層31上におけるプレデポジション膜32の膜厚が薄い場合は、付着物33との熱膨張干渉が不足して脆い腐食層31に剥離部34が発生して剥離し易いことが判明し、またプレデポジション膜32の緻密性が低い場合には膜自体が剥離し易くなることが判明した。
そのため、本実施形態では、プレデポジション膜32は、200nm以上の厚い膜厚に製膜されていて、上限は製膜処理時のバッチあたりの膜厚とすることが管理しやすく、アモルファスシリコン膜では500nm以下、微結晶シリコン膜では3000nm以下である。こうすることで製膜室1内の製膜ユニット部材表面との密着性の高いプレデポジション膜32を形成している。
図8は、基板における製膜中に含まれる鉄およびクロム成分の存在を膜厚方向に示したものである。これをみると、セルフクリーニング時に製膜室1内の製膜ユニット部材表面に付着した鉄、クロム成分を閉じ込める為に、200nm以上の膜厚が必要であることがわかる。
逆に、膜厚が製膜処理時のバッチあたりの膜厚として、アモルファスシリコン膜では500nm(微結晶シリコン膜では3000nm)を超えて厚いと、プレデポジション膜32の製膜作業に時間を要し、クリーニング処理時間が長くなるとともに、次回セルフクリーニングを実施するまでの最大堆積膜厚の制限から製膜処理が可能な積算製膜処理の上限値が低下するために、製膜稼働時間割合Psが低下するので望ましくない。
〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態にかかるプラズマCVD装置100について、図6、表1を用いて説明する。
本実施形態は、プレデポジション膜32の製膜条件を変更して製膜するようにした点で第一実施形態と異なるだけであるので、その他の構成については同じであり、ここでは重複した説明を省略する。
本実施形態では、製膜条件を表1のようにしてプレデポジション膜32の製膜を行なっている。
Figure 2012021234
プレデポジション膜32の製膜は、Step1〜Step3の3段階に分割して行われている。
各段階の製膜圧力は、基板4へアモルファスシリコン膜を製膜する時の85Paに対して1.06倍の90Paとしている。
また、高周波電力(RF Power)は、Step1が基板4へアモルファスシリコン膜を製膜する時の0.09W/cmの0.56倍である0.05W/cmと、Step2およびStep3では0.67倍の0.06W/cmとされている。
このように、少なくとも下地膜の略1/10以上の膜厚が形成されるまでの初期形成段階であるStep1においては、製膜圧力を製膜処理時よりも同等もしくは高くすると、製膜処理時に比べて製膜種が単位時間により多く到達するので、製膜されたプレデポジション膜32の緻密性が向上する。
また、放電電極3に供給する高周波電力を製膜処理時に比べて同等もしくは小さくすると、プラズマで分解される量が小さくなるので、プレデポジション膜の製膜がゆっくりと行われ緻密性が向上する。
このようにして製膜されたプレデポジション膜32を持つものは、図6に示されるプレデポジション膜32の製膜が良好なものと同様に挙動し、クリーニング実施時期によらず略一定の積算膜厚の水準を維持した。
なお、製膜圧力をあまり高くすると、製膜速度が大きくなりかえってプレデポジション膜の緻密度が減少するので1.5倍までに収めるのが望ましい。
また、放電電極3に供給する高周波電力は、基板4への製膜作業時の0.1倍未満では、製膜速度が遅く、下地(プレデポジション膜)製膜作業の時間が長くなる。一方、1.0倍よりも大きいと、プレデポジション膜の初期の膜が製膜処理を行う膜よりも緻密にならない恐れがある。このため、0.1倍〜1.0倍に収めるのが望ましい。
さらに好ましくは、プレデポジション膜32の少なくともStep1において、緻密な膜を確実に形成するために、製膜圧力は製膜処理時の1.0倍〜1.2倍で、高周波電力は製膜処理時の0.4倍〜0.9倍で実施することが望ましい。
また、本実施形態では、プレデポジション膜32の製膜は、Step1〜Step3の3段階に分割して行われ、そのStepの中間段階で、真空ポンプ10によって高真空排気を行っている。
セルフクリーニングのエッチング作用によって製膜室1内の製膜ユニット部材表面には、フッ素やフッ素ラジカルとの反応で構成材から離脱した鉄成分やクロム成分等を含む微粒子が付着している。プレデポジション膜32の製膜作業の初期段階には、これらの鉄、クロム成分を含む微粒子がそれぞれ単独に、あるいは製膜ガスと反応してイオン化し、プラズマ中に浮遊し易くなる。
本実施形態によれば、Step1とStep2との間およびStep2とStep3との間に真空ポンプ10によって高真空排気を行っている。すなわち、プレデポジション膜32の製膜作業の間に、製膜作業を中断し、2回高真空排気を行っている。本実施例では、高真空排気は図9に示すようなターボ分子ポンプ74aに切り替えることなく、粗引きポンプ73aによる製膜中の真空排気系統のままで比較的短時間で真空引きが可能な真空度である1Pa〜5Pa以下まで真空引きをすることとした。
この高真空排気によって、その時点における製膜室1内に浮遊している浮遊物質を外部に排出することができる。
浮遊物質が外部に排出されると、その中に含まれているイオン化した鉄、クロム成分等も除去されることになるので、これらが製膜されるプレデポジション膜32中に混入することを抑制することができる。
また、イオン化した鉄、クロム、アルミ等成分がプラズマ中の電子を集めてプラズマ密度を低下させることがなくなるので、良好なプレデポジション膜32を製膜することができる。
これにより、セルフクリーニングのタイミングを一層長くすることができる。
なお、プレデポジション膜32の製膜作業を必要以上に長引かせないことを考慮すると、高真空排気を行う中断回数は5回以下が実用的である。
〔第五実施形態〕
次に、本発明の第五実施形態にかかるプラズマCVD装置100について説明する。
本実施形態は、放電電極3、ヒータカバー2、電極カバー6等の製膜室1内の各製膜ユニット部材の表面をブラスト加工して、その表面粗さを所定の範囲に調整している点で第一実施形態と異なるだけであるので、その他の構成については同じであり、ここでは重複した説明を省略する。
本実施形態では、製膜室1内の表面は、十点平均粗さが0.1μm以上で5μm以下、かつ、最大高さが10μm以下である表面粗さとなるようにブラスト処理されている。
製膜室1内(放電電極3など)の表面は凹凸による表面増加率を1.1〜4に抑えたブラスト処理により膜剥離と腐食を同時に抑制が有効であることが、特開2002−93719号公報に示されているが、これを更に表面加工形状を具体化した選定範囲の検討を行った。
一方、これらの製膜ユニット部材で、たとえばステンレス系材料によるものの表面にはセルフクリーニングによって鉄成分やクロム成分などによる腐食層(FeFやCrF)が発生し、セルフクリーニングを繰り返すことでこの腐食層が数10μmに成長する。
元々の製膜室1内の表面における凹凸は、付着膜の脱落防止のアンカー効果に重要であるが、プレデポジション膜は腐食膜の表面に形成されるので、必要以上の製膜室1内の表面の凹凸は不要であることが判明した。
このため、製膜室1内の製膜ユニット部材表面は、♯100〜300ブラスト処理相当のブラスト加工をした。このときの表面粗さは、十点平均粗さRz=0.1μm〜5μm、最大高さRy=10μm以下となっていた。
この製膜ユニット部材の表面形状においては、製膜室1内の製膜ユニット部材の構成材成分にフッ素が作用した腐食層が製膜ユニット部材表面の微視的な凸形状部分の全体に早くに成長して微視的な凸形状部分が早期に脱落したり、腐食層が早期に剥離したりすることを抑制できた。
表面の凹凸形状が違う製膜ユニット部材を観察した結果、製膜ユニット部材の表面の粗さが5μm以上では、腐食が進む早い段階で微視的な凸形状全体が腐食層へ成長して微視的な凸形状部分が脱落しやすくなって、見た目に腐食速度が速い状況になっていた。また製膜ユニット部材表面の粗さが0.1μm以下では、下地膜(プレデポジション膜)が形成されるためのアンカー効果が低下して、下地膜が剥離しやすくなることが観察された。また、製膜ユニット部材の表面は、十点平均粗さ(Rz)が1μm以上5μm以下で、かつ、最大高さが10μm以下になるように加工されていることが腐食層の脱落と下地膜の剥離防止から、さらに好ましい。
このような、表面粗さを有する表面とすると、表面に成長した腐食層が脱落しにくく、この腐食層自体の成長・剥離を抑制することができ、製膜室1内の製膜ユニット部材の寿命を長くしてメンテナンス費用が低減できたとともに、セルフクリーニングのタイミングを一層延長して、製膜装置の処理能力を向上し、生産量の増加ができた。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
たとえば、各実施形態を相互に組合せて実施するようにすると一層効果的である。またクリーニングガスはNFガスに限定されることなく、CFガス、SFガス、CClガスなどのFやCl系の各種ガスを用いても同様な効果が得られる。
1 製膜室
2 対向電極
3 放電電極
4 基板
6 電極カバー
17 蓄熱器
32 プレデポジション膜(下地膜)
71 ロード室
71a チャンバ
100 プラズマCVD装置(真空処理装置)
Ps 製膜稼動時間割合
Tc クリーニング関連作業時間
Tt 製膜関連作業時間

Claims (12)

  1. 基板に製膜処理を行う製膜室内に、クリーニングガスを導入してセルフクリーニングを行う真空処理装置の運転方法であって、
    前記セルフクリーニングの終了後に、前記製膜室内に下地膜を形成する下地製膜作業を行う工程を備え、
    該下地製膜作業を行う工程において、前記下地膜を200nm以上3000nm以下の膜厚とし、製膜圧力が前記製膜処理時の1.0倍以上1.5倍以下で、かつ、少なくとも製膜初期に放電電極に供給する高周波電力が前記製膜処理時の0.1倍以上1.0倍以下で実施され、
    前記製膜処理の積算膜厚が500μmを超えないよう運用することを特徴とする真空処置装置の運転方法。
  2. 前記セルフクリーニングを行うタイミングを設定する工程を備え、
    該工程において、該セルフクリーニングを、製膜時間および製膜準備時間を含む製膜関連作業時間と、クリーニング時間、クリーニング準備時間および下地膜形成時間を含むクリーニング関連作業時間と、の和に占める製膜関連作業時間の割合で示される製膜稼働時間割合が、製膜処理量の増加に対して飽和している範囲で実施することを特徴とする請求項1に記載された真空処理装置の運転方法。
  3. 前記セルフクリーニングは、前記製膜稼働時間割合がその収斂値の90%超える範囲で実施されることを特徴とする請求項2に記載された真空処理装置の運転方法。
  4. 前記製膜室の内部に設置された熱容量の大きな蓄熱部材によってセルフクリーニング作業中に発生する熱量を蓄熱することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載された真空処理装置の運転方法。
  5. 前記下地製膜作業は、少なくとも1回は中断し、高真空排気を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載された真空処理装置の運転方法。
  6. 基板に製膜処理を行う製膜室内に、クリーニングガスを導入してセルフクリーニングを行う真空処理装置であって、
    前記製膜処理の積算膜厚が500μmを超えないよう運用する手段と、
    前記セルフクリーニングの終了後に、前記製膜室内に下地膜を形成する下地製膜作業を行う手段と、
    を備え、
    該下地製膜作業を行う手段が、前記下地膜を200nm以上3000nm以下の膜厚とし、製膜圧力が前記製膜処理時の1.0倍以上1.5倍以下で、かつ、少なくとも製膜初期に放電電極に供給する高周波電力を前記製膜処理時の0.1倍以上1.0倍以下で実施することを特徴とする真空処理装置。
  7. 前記セルフクリーニングを行うタイミングを設定する手段を備え、
    該手段が、前記セルフクリーニングを行うタイミングを、製膜時間および製膜準備時間を含む製膜関連作業時間と、クリーニング時間、クリーニング準備時間および下地膜形成時間を含むクリーニング関連作業時間との和に占める前記製膜関連作業時間の割合で示される製膜稼働時間割合が、製膜処理量の増加に対して飽和している範囲で設定することを特徴とする請求項6に記載された真空処理装置。
  8. 前記製膜稼働時間割合はその収斂値の90%を超える範囲で設定されることを特徴とする請求項7に記載された真空処理装置。
  9. 前記製膜室の内部に、熱容量の大きな蓄熱部材を設置していることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載された真空処理装置。
  10. 蓄熱部材として、基板と対向して設置された放電電極と、該放電電極を覆う電極カバーとを用いることを特徴とする請求項9に記載された真空処理装置。
  11. 前記下地製膜作業は、少なくとも1回は中断し、高真空排気を行うことを特徴とする請求項6から請求項10のいずれかに記載された真空処理装置。
  12. 前記製膜室内で、前記下地膜が形成される部分の表面は、十点平均粗さが0.1μm以上5μm以下で、かつ、最大高さが20μm以下になるように加工されていることを特徴とする請求項6から請求項11のいずれかに記載された真空処理装置。
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