JP2012021038A - マゼンタ色素、インク組成物及び着色体 - Google Patents

マゼンタ色素、インク組成物及び着色体 Download PDF

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Abstract

【課題】水に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つ記録物の耐水性に優れたマゼンタ色素又はその塩、及びそれを含有するインク組成物の提供。
【解決手段】式(1)で表されるマゼンタ色素又はその塩、
Figure 2012021038

[式中、R11は水素原子等、R12は水素原子等、R13及びR14はそれぞれ独立に水素原子、スルホ基等、基Bは少なくとも1つのヒドロキシ基を有するナフチル基等をそれぞれ表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の式で表されるマゼンタ色素又はその塩、これを含有するインク組成物、該インク組成物を用いる記録方法、及び該インク組成物により着色された着色体に関する。
各種カラー記録方法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法、すなわちインクジェット記録方法は、インクの吐出方式が各種開発されている。これらはいずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材、例えば、紙、フィルム、布帛等に付着させ記録を行うものである。この記録方法は、プリンタヘッドと被記録材とが直接接触しないため、音の発生がなく静かである。また小型化、高速化、カラー化が容易であるという特長を有するため、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。
従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用のインクとしては、水溶性の色素(染料)を水性媒体に溶解したインクが使用されている。また、これらのインクにおいては、ペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく、一般に水溶性の有機溶剤が添加されている。これらのインクには、十分な印字濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また、形成される記録画像には、耐水性、耐湿性、耐光性、耐ガス性等の各種の堅牢性が求められている。
一方、コンピューターのカラーディスプレイ上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタによりカラーで記録する方法として、一般にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクによる減法混色が挙げられる。CRTディスプレイ等のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)による加法混色画像を減法混色画像で出来るだけ忠実に再現するために、Y、M、Cのそれぞれが、それぞれの標準にできるだけ近い色相を有し、且つ鮮明であることが望まれる。
インクジェットプリンタの用途はOA用小型プリンタから産業用の大型プリンタにまで拡大されてきており、これに伴いインクジェット記録画像には、これまで以上に前記各種の堅牢性が求められている。
耐水性ついては、多孔質シリカ、カチオン系ポリマー、アルミナゾル又は特殊セラミック等のインク中の色素を吸着し得る無機微粒子を、PVA樹脂等と共に被記録材の表面にコーティングするといった手法により、大幅に改良されてきている。
耐湿性とは、着色された被記録材を高湿度の雰囲気下に保存した際に、被記録材中の色素が滲んでくるという現象に対する耐性のことである。色素の滲みが生じると、特に写真調の高精細な画像においては著しく画像品位が低下するため、できるだけこの様な滲みを少なくすることが重要である。
耐光性については、これを大幅に改良する技術は未だ確立されていない。特にY、M、C、Kの4原色のうちマゼンタ色素はもともと耐光性が弱いものが多く、その改良が重要な課題となっている。
また、デジタルカメラ等の普及に伴い、一般の家庭でもデジタルカメラ等で撮影した画像データを、インクジェットプリンタにより写真画質で記録(印刷)する機会が増している。このような記録物を長期保管する時に、空気中の酸化性ガスによる記録画像の変退色も問題視されている。酸化性ガスは、記録紙上又は記録紙中で色素と反応し、記録された画像を変退色させる。酸化性ガスの中でも、オゾンガスはインクジェット記録画像の変退色現象を促進させる主原因物質とされている。この変退色現象はインクジェット記録画像に特徴的なものであるため、耐オゾンガス性の向上も重要な課題となっている。
水性のインクジェット記録用インクに用いられているマゼンタ色素としては、キサンテン系とH酸(1−アミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸)を用いたアゾ系色素が代表的である。しかし、キサンテン系については色相及び鮮明性は非常に優れるが耐光性が非常に劣る。又、H酸を用いたアゾ系色素については色相及び耐水性の点では良いものがあるが、耐光性、耐ガス性及び鮮明性が劣る。後者については鮮明性及び耐光性の優れた色素も開発されてはいるが、銅フタロシアニン系色素に代表されるシアン色素やイエロー色素等の、他の色相の色素に比べて耐光性が依然劣る水準である。
鮮明性及び耐光性の優れるマゼンタ色素としては、アントラピリドン系色素(例えば、特許文献1〜12参照)があるが、色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐ガス性及び溶液安定性等の全てを満足させるものは得られていない。また特許文献13には、色画像の耐光性に優れ、色再現性に優れるとされる、インクジェット用の着色微粒子分散物等が開示されている。
特開2000−109464号公報 特開平10−306221号公報 特開2000−191660号公報 特開2000−169776号公報 特開2001−72884号公報 特開2001−139836号公報 特開2002−332418号公報 特開2005−8868号公報 特開2005−314514号公報 特開2006−188706号公報 特許3767879号公報 国際公開2008/018495号パンフレット 特開2005−126587号公報 特開昭50−151954号公報 国際公開2009/078252号パンフレット 特開2010−116489号公報
本発明は、インクジェット記録に適する色相を有し、且つ記録物の耐水性に優れたマゼンタ色素又はその塩、及びこれを含有するインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、下記式(1)で表される色素又はその塩、及びこれを色素として含有するインク組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させたものである。即ち、本発明は、1)
下記式(1)で表されるマゼンタ色素又はその塩、
Figure 2012021038
[式(1)中、
11は、水素原子;シアノ基;C1−C12アルキル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基;フェニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基;ベンゾイル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基;複素芳香環基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基;複素芳香環カルボニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環カルボニル基;C1−C12アルコキシカルボニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基;又は置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェノキシカルボニル基;C1−C12アルキルカルボニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルカルボニル基;を表し、
12は、水素原子;C1−C12アルキル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基;フェニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基;複素芳香環基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基;を表し、
13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;C1−C12アルキル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基;C1−C12アルコキシ基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルコキシ基;フェニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基;複素芳香環基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基;ヒドロキシ基;メルカプト基;C1−C12アルキルチオ基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルチオ基;フェニルチオ基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルチオ基;ニトロ基;アミノ基;C1−C8アルキルスルホニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C8アルキルスルホニル基;カルバモイル基;C1−C12アルキルアミノカルボニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルアミノカルボニル基;フェニルアミノカルボニル基;カルボキシ基を有するフェニルアミノカルボニル基;スルファモイル基;C1−C12アルキルアミノスルホニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルアミノスルホニル基;フェニルアミノスルホニル基;又は、カルボキシ基を有するフェニルスルホニルアミノ基;を表し、
基Bは、置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有するナフチル基;複素芳香環基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基、アミノ基、C1−C4アルキルアミノ基、スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニルアミノ基、及び、スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニル基とスルホ基を有する複素芳香環基との両者を有するアミノ基、よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基;を表す。]、
2)
基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ又は2つ有し、さらに置換基として、スルホ基、カルボキシ基、及び下記式(6)で表される基よりなる群から選択される1乃至3つの基を有するナフチル基である前記1)に記載のマゼンタ色素又はその塩、
Figure 2012021038
[式(6)中、
21は、水素原子;C1−C12アルキル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するアルキル基;フェニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基;ベンゾイル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;フェニルスルホニル基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルスルホニル基;を表し、
22は、水素原子又はC1−C12アルキル基を表す。]、
3)
11が、水素原子又はスルホ基を有するベンゾイル基であり、
12が、水素原子又はC1−C12アルキル基であり、
13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子又はスルホ基であり、
基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、スルホ基及び下記式(6)で表される基を有するナフチル基である請求項2に記載のマゼンタ色素又はその塩、
Figure 2012021038
[式(6)中、R21及びR22は、前記2)に記載のものと同じ意味を表す。]、
4)
11が、水素原子又はスルホ基を有するベンゾイル基であり、
12が、水素原子又はC1−C12アルキル基であり、
13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子又はスルホ基であり、
基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、スルホ基及び式(6)で表される基を有するナフチル基であり、
該式(6)中のR21が、水素原子;C1−C12アルキル基;ベンゾイル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;フェニルスルホニル基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルスルホニル基;であり、
該式(6)中のR22が、水素原子又はC1−C12アルキル基である、
前記2)又は3)に記載のマゼンタ色素又はその塩、
5)
11が、水素原子又はスルホ基を有するベンゾイル基であり、
12が、水素原子又はC1−C12アルキル基であり、
13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子又はスルホ基であり、
基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、スルホ基及び式(6)で表される基;を有するナフチル基であり、
該式(6)中のR21が、C1−C12アルキル基;ベンゾイル基;ヒドロキシ基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;又は、C1−C4アルキル基を有するフェニルスルホニル基;であり、
該式(6)中のR22が、水素原子又はC1−C12アルキル基である、
前記2)乃至4)のいずれか一項に記載のマゼンタ色素又はその塩、
6)
11が、水素原子又はスルホ基を有するベンゾイル基であり、
12が、水素原子又はC1−C12アルキル基であり、
13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子又はスルホ基であり、
基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、1つ又は2つのスルホ基及び1つの式(6)で表される基を有するナフチル基であり、
該式(6)中のR21が、C1−C12アルキル基;ベンゾイル基;ヒドロキシ基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;又は、C1−C4アルキル基を有するフェニルスルホニル基;であり、
該式(6)中のR22が水素原子である、
前記2)乃至5)のいずれか一項に記載のマゼンタ色素又はその塩。
7)
前記1)乃至6)のいずれか一項に記載のマゼンタ色素又はその塩を含有するインク組成物、
8)
水溶性有機溶剤をさらに含有する前記7)に記載のインク組成物、
9)
インク組成物中に含有されるマゼンタ色素又はその塩の総質量に対して、該色素又はその塩の総質量中に含有される無機不純物の含有量が1質量%以下である、前記7)又は8)に記載のインク組成物、
10)
インク組成物中に含有されるマゼンタ色素又はその塩の含有量が、インク組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%である前記7)乃至9)のいずれか一項に記載のインク組成物、
11)
インクジェット記録に用いる前記7)乃至10)のいずれか一項に記載のインク組成物、
12)
前記7)乃至11)のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法、
13)
被記録材が情報伝達用シートである前記12)に記載のインクジェット記録方法、
14)
情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受容層を有するシートである前記13)に記載のインクジェット記録方法、
15)
前記7)乃至11)のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体、
16)
前記12)に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体、
17)
前記7)乃至11)のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する。
本発明により、耐水性に優れた記録物を与えるマゼンタ色素又はその塩、及びこれを含有するインク組成物を提供することができた。
本発明を詳細に説明する。前記式(1)で表される本発明の色素又はその塩は、水溶性のマゼンタ色素である。特に断りの無い限り、以下の本明細書においては煩雑さを避けるため「色素又はその塩」の両者を含めて「色素」と簡略化して記載し、「色素又はその塩」の両者を包含する意味を有することとする。尚、本明細書においては特に断りが無い限り、スルホ基及びカルボキシ基等の酸性官能基は遊離酸の形で表す。
前記式(1)中、R11、R12、R13及びR14におけるC1−C12アルキル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素鎖の範囲としては、直鎖又は分岐鎖のとき通常C1−C12、好ましくはC1−C8、より好ましくはC1−C6、さらに好ましくはC1−C4の範囲;環状のとき通常C3−C8、好ましくはC3−C6の範囲;が挙げられる。
その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、イソヘキシル、イソヘプチル、イソオクチル、イソノニル、イソデシル、イソウンデシル、イソドデシル等の分岐鎖のもの;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の環状のもの;等が挙げられる。
具体例の中ではメチルが特に好ましい。
11、R12、R13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基としては、前記「R11、R12、R13及びR14におけるC1−C12アルキル基」が、これらの置換基を有するものが挙げられる。
置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。これらの中ではフッ素原子及び塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい(特に断りの無い限り、本構成を「置換基としてのハロゲン原子」と以下の明細書中では記載する)。
置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシといった直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシといった分岐鎖のもの;が挙げられ、メトキシが好ましい(特に断りの無い限り、本構成を「置換基としてのC1−C4アルコキシ基」と以下の明細書中では記載する)。
その具体例としては、クロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、ヨードメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−フルオロエチル、2−ヨードエチル、3−クロロ−n−プロピル、1,2−ジクロロプロピル、3−ブロモ−n−プロピル、3−フルオロ−n−プロピル、3−ヨード−n−プロピル、4−クロロ−n−ブチル、1,4−ジクロロブチル、4−ブロモ−n−ブチル、4−フルオロ−n−ブチル、4−ヨード−n−ブチル、5−クロロ−n−ペンチル、5−ブロモ−n−ペンチル、5−フルオロ−n−ペンチル、5−ヨード−n−ペンチル、6−クロロ−n−ヘキシル、6−ブロモ−n−ヘキシル、6−フルオロ−n−へキシル、6−ヨード−n−ヘキシル、7−クロロ−n−ヘプチル、7−ブロモ−n−ヘプチル、7−フルオロ−n−ヘプチル、7−ヨード−n−ヘプチル、8−クロロ−n−オクチル、8−ブロモ−n−オクチル、8−フルオロ−n−オクチル、8−ヨード−n−オクチル、9−クロロ−n−ノニル、9−ブロモ−n−ノニル、9−フルオロ−n−ノニル、9−ヨード−n−ノニル、10−クロロ−n−デシル、10−ブロモ−n−デシル、10−フルオロ−n−デシル、10−ヨード−n−デシル、11−クロロ−n−ウンデシル、11−ブロモ−n−ウンデシル、11−フルオロ−n−ウンデシル、11−ヨード−n−ウンデシル、12−クロロ−n−ドデシル、12−ブロモ−n−ドデシル、12−フルオロ−n−ドデシル、12−ヨードドデシル等のハロゲン原子を有する直鎖のもの;3−クロロプロパン−2−イル、3−ブロモプロパン−2−イル、4−クロロブタン−2−イル、4−フルオロブタン−2−イル、5−クロロペンタン−2−イル、5−ヨードペンタン−3−イル、6−クロロヘキサン−3−イル、8−フルオロオクタン−4−イル、10−クロロデシル−2−イル、10−ヨードデシル−5−イル、12−クロロドデシル−3−イル等のハロゲン原子を有する分岐鎖のもの;2−クロロシクロプロピル、2−クロロシクロブチル、2−クロロシクロヘキシル、4−フルオロシクロヘキシル、3−クロロシクロヘキシル等のハロゲン原子を有する環状のもの;シアノメチル、2−シアノエチル、3−シアノプロピル、6−シアノヘキシル、8−シアノオクチル、10−シアノデシル、12−シアノドデシル等のシアノ基を有するもの;スルホメチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、6−スルホヘキシル、8−スルホオクチル、10−スルホデシル、12−スルホドデシル等のスルホ基を有する直鎖のもの;2−スルホイソプロピル、5−スルホイソヘキシル、7−スルホイソオクチル、11−スルホイソドデシル等のスルホ基を有する分岐鎖のもの;2−スルホシクロプロピル、2−スルホシクロペンチル、3−スルホシクロヘキシル等のスルホ基で置換された環状のもの;カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、6−カルボキシヘキシル、10−カルボキシデシル、12−カルボキシドデシル等のカルボキシ基を有する直鎖のもの;1,3−ジカルボキシプロピル、2−カルボキシイソプロピル、5−カルボキシイソヘキシル、11−カルボキシイソドデシル等のカルボキシ基を有する分岐鎖のもの;2−カルボキシシクロプロピル、2−カルボキシシクロヘキシル、4−カルボキシシクロヘキシル等のカルボキシ基を有する環状のもの;メトキシメチル、2−メトキシエチル、4−エトキシブチル、8−ブトキシオクチル、12−メトキシドデシル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;3−メトキシイソブチル、5−エトキシイソヘキシル、11−メトキシイソドデシル等のC1−C4アルコキシ基を有する分岐鎖のもの;2−メトキシシクロペンチル、4−エトキシシクロヘキシル等のC1−C4アルコキシ基を有する環状のもの;フェニルメチル(ベンジル)、フェニルエチル、6−フェニルヘキシル、12−フェニルドデシル等のフェニル基を有する直鎖のもの;2−フェニルエチル−2−イル等のフェニル基を有する分岐鎖のもの;等が挙げられる。
11、R12、R13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基としては、置換基として、これらの基を通常1乃至3つ、好ましくは1又は2つ有するフェニル基が挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
置換基としてのハロゲン原子としては、前記「置換基としてのハロゲン原子」に記載のものと好ましいものが異なり、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
置換基としてのC1−C4アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチルといった分岐鎖のもの;が挙げられる。メチル及びt−ブチルが好ましく、メチルがより好ましい(特に断りの無い限り、本構成を「置換基としてのC1−C4アルキル基」と以下の明細書中では記載する)。
置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルコキシ基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
11における、置換基として、前記の基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基の具体例としては、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、2−フルオロフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、3−ヨードフェニル、4−フルオロフェニル、4−ヨードフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノフェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、3,4−ジシアノフェニル等のシアノ基を有するもの;3−スルホフェニル、3,5−ジスルホフェニル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3,4−ジカルボキシフェニル等のカルボキシ基を有するもの;4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル等のC1−C4アルキル基を有するもの;4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、3−メトキシフェニル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;2−フェニルフェニル、3−フェニルフェニル、4−フェニルフェニル等のフェニル基を有するもの;2−メチルスルホニルフェニル、3−ヘキシルスルホニルフェニル等のC1−C8アルキルスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルスルホニル)フェニル等のスルホC1−C4アルキルスルホニル基を有するもの;3−フェニルスルホニルフェニル等のフェニルスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシフェニルアミノ)スルホニルフェニル等のカルボキシフェニルアミノスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルアミノ)スルホニルフェニル等のスルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;4−(4−スルホフェニルアミノ)スルホニルフェニル等のスルホフェニルアミノスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシエチルアミノ)スルホニルフェニル等のカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;等が挙げられる。
11における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基としては、置換基として、これらの基を通常1乃至3つ、好ましくは1又は2つ有するベンゾイル基が挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
置換基としてのハロゲン原子としては、前記「置換基としてのハロゲン原子」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルキル基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルキル基」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルコキシ基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
11における、置換基として、前記の基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基の具体例としては、2−クロロベンゾイル、3−クロロベンゾイル、4−クロロベンゾイル、2−ブロモベンゾイル、3−ブロモベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、2−ヨードベンゾイル、3−ヨードベンゾイル、4−ヨードベンゾイル、3,5−ジクロロベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノベンゾイル、3−シアノベンゾイル、4−シアノベンゾイル、3,4−ジシアノベンゾイル等のシアノ基を有するもの;3−スルホベンゾイル、3,5−ジスルホベンゾイル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシベンゾイル、4−カルボキシベンゾイル、3,4−ジカルボキシベンゾイル等のカルボキシ基を有するもの;4−メチルベンゾイル、4−エチルベンゾイル、2−メチルベンゾイル、3−メチルベンゾイル、3,5−ジメチルベンゾイル、2,4,6−トリメチルベンゾイル等のC1−C4アルキル基を有するもの;4−メトキシベンゾイル、4−エトキシベンゾイル、3−メトキシベンゾイル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;2−フェニルベンゾイル、3−フェニルベンゾイル、4−フェニルベンゾイル等のフェニル基を有するもの;2−メチルスルホニルベンゾイル、3−ヘキシルスルホニルベンゾイル、3−(3−スルホプロピルスルホニル)ベンゾイル、3−フェニルスルホニルベンゾイル等のC1−C8アルキルスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルスルホニル)ベンゾイル等のスルホC1−C4アルキルスルホニル基を有するもの;3−フェニルスルホニルベンゾイル等のフェニルスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシフェニルアミノ)スルホニルベンゾイル等のカルボキシフェニルアミノスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルアミノ)スルホニルベンゾイル等のスルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;4−(4−スルホフェニルアミノ)スルホニルベンゾイル等のスルホフェニルアミノスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシエチルアミノ)スルホニルベンゾイル等のカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;等が挙げられる。
これらの中では、スルホ基を有するベンゾイル基が好ましい。
11、R12、R13及びR14における複素芳香環基としては、環構成原子として、窒素原子を1つ乃至3つ有する、5若しくは6員環のもの;又は、環構成原子として、酸素原子を1つ有する5員環のもの;が挙げられる。また、環構成原子として窒素原子を1つ有する5員環のものであるときは、環構成原子としてさらに硫黄原子を1つ有してもよいものが挙げられる。さらに、これらの複素芳香環基は、1つのベンゼン環が縮環した2環性の構造であっても良い。
その具体例としては、ピロール等の、環構成原子として窒素原子を1つ有する5員環のもの;イミダゾール、ピラゾール等の、環構成原子として窒素原子を2つ有する5員環のもの;ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン等の、環構成原子として窒素原子を1つ乃至3つ有する6員環のもの;フラン等の、環構成原子として酸素原子を1つ有する5員環のもの;チアゾール等の、環構成原子として窒素原子と硫黄原子を1つずつ有する5員環のもの;等が挙げられる。
また、複素芳香環基に1つのベンゼン環が縮環した2環性の構造のものとしては、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール等が挙げられる。
これらの中では、環構成原子として、窒素原子を1つ乃至3つ有する、5若しくは6員環のものが好ましい。より好ましくは、環構成原子として、窒素原子を1つ乃至3つ有する6員環のものが挙げられる。さらに好ましくはピリジンが挙げられる。
11、R12、R13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基としては、前記「R11、R12、R13及びR14における複素芳香環基」が、置換基として、これらの基を通常1乃至2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
置換基としてのハロゲン原子としては、前記「置換基としてのハロゲン原子」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルキル基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルキル基」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルコキシ基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
11における、置換基として、前記の基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基の具体例としては、4−クロロ−2−ピリジル、6−クロロ−2−ピリジル、4−ブロモ−2−ピリジル、6−ブロモ−2−ピリジル、4−フルオロ−2−ピリジル、6−フルオロ−2−ピリジル、4−ヨード−2−ピリジル、6−ヨード−2−ピリジル、2−クロロ−4−ピリジル、2−ブロモ−4−ピリジル、2−ヨード−4−ピリジル、2−フルオロ−4−ピリジル等のハロゲン原子を有するもの;4−シアノ−2−ピリジル、6−シアノ−2−ピリジル、2−シアノ−4−ピリジル等のシアノ基を有するもの;4−スルホ−2−ピリジル、3−スルホ−4−ピリジル等のスルホ基を有するもの;4−カルボキシ−2−ピリジル、6−カルボキシ−2−ピリジル、2−カルボキシ−4−ピリジル等のカルボキシ基を有するもの;4−メチル−2−ピリジル、5−エチル−3−ピリジル、6−メチル−4−ピリジル等のC1−C4アルキル基を有するもの;4−メトキシ−2−ピリジル、6−ブトキシ−3−ピリジル、6−エトキシ−4−ピリジル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;4−フェニル−2−ピリジル、3−フェニル−4−ピリジル等のフェニル基を有するもの;3−ヘキシルスルホニル−2−ピリジル等のC1−C8アルキルスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルスルホニル)−4−ピリジル等のスルホC1−C4アルキルスルホニル基を有するもの;3−フェニルスルホニル−4−ピリジル等のフェニルスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシフェニルアミノ)スルホニル−4−ピリジル等のカルボキシフェニルアミノスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルアミノ)スルホニル−2−ピリジル等のスルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;4−(4−スルホフェニルアミノ)スルホニル−3−ピリジル等のスルホフェニルアミノスルホニル基を有するもの;及び、3−(3−カルボキシプロピルアミノ)スルホニル−2−ピリジル等のカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;等が挙げられる。
11における複素芳香環カルボニル基としては、環構成原子として、窒素原子を1つ乃至3つ有する、5若しくは6員環のもの;又は、環構成原子として、酸素原子を1つ有する5員環のもの;が挙げられる。また、環構成原子として窒素原子を1つ有する5員環のものであるときは、環構成原子としてさらに硫黄原子を1つ有してもよいものが挙げられる。さらに、これらの複素芳香環カルボニル基は、1つのベンゼン環が縮環した2環性の構造であっても良い。
その具体例としては、ピロールカルボニル等の、環構成原子として窒素原子を1つ有する5員環のもの;イミダゾールカルボニル、ピラゾールカルボニル等の、環構成原子として窒素原子を2つ有する5員環のもの;ピリジルカルボニル、ピリダジンカルボニル、ピリミジンカルボニル、ピラジンカルボニル、トリアジンカルボニル等の、環構成原子として窒素原子を1つ乃至3つ有する6員環のもの;フランカルボニル等の、環構成原子として酸素原子を1つ有する5員環のもの;チアゾールカルボニル等の、環構成原子として窒素原子と硫黄原子を1つずつ有する5員環のもの;等が挙げられる。
また、複素芳香環基に1つのベンゼン環が縮環した2環性の構造のものとしては、ベンズイミダゾールカルボニル、ベンゾチアゾールカルボニル等が挙げられる。
これらの中では、環構成原子として、窒素原子を1つ乃至3つ有する、5若しくは6員環のものが好ましい。より好ましくは、環構成原子として、窒素原子を1つ乃至3つ有する6員環のものが挙げられる。さらに好ましくはピリジルカルボニルが挙げられる。
11における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環カルボニル基としては、前記「R11における複素芳香環カルボニル基」が、置換基として、これらの基を通常1乃至2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
置換基としてのハロゲン原子としては、前記「置換基としてのハロゲン原子」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルキル基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルキル基」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルコキシ基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
11における、置換基として、前記の基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環カルボニル基の具体例としては、4−クロロ−2−ピリジルカルボニル、6−クロロ−2−ピリジルカルボニル、4−ブロモ−2−ピリジルカルボニル、6−ブロモ−2−ピリジルカルボニル、4−フルオロ−2−ピリジルカルボニル、6−フルオロ−2−ピリジルカルボニル、4−ヨード−2−ピリジルカルボニル、6−ヨード−2−ピリジルカルボニル、2−クロロ−4−ピリジルカルボニル、2−ブロモ−4−ピリジルカルボニル、2−ヨード−4−ピリジルカルボニル、2−フルオロ−4−ピリジルカルボニル等のハロゲン原子を有するもの;4−シアノ−2−ピリジルカルボニル、6−シアノ−2−ピリジルカルボニル、2−シアノ−4−ピリジルカルボニル等のシアノ基を有するもの;4−スルホ−2−ピリジルカルボニル、3−スルホ−4−ピリジルカルボニル等のスルホ基を有するもの;4−カルボキシ−2−ピリジルカルボニル、6−カルボキシ−2−ピリジルカルボニル、2−カルボキシ−4−ピリジルカルボニル等のカルボキシ基を有するもの;4−メチル−2−ピリジルカルボニル、5−エチル−3−ピリジルカルボニル、6−メチル−4−ピリジルカルボニル等のC1−C4アルキル基を有するもの;4−メトキシ−2−ピリジルカルボニル、6−ブトキシ−3−ピリジルカルボニル、6−エトキシ−4−ピリジルカルボニル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;4−フェニル−2−ピリジルカルボニル、3−フェニル−4−ピリジルカルボニル等のフェニル基を有するもの;3−ヘキシルスルホニル−2−ピリジルカルボニル等のC1−C8アルキルスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルスルホニル)−4−ピリジルカルボニル等のスルホC1−C4アルキルスルホニル基を有するもの;3−フェニルスルホニル−4−ピリジルカルボニル等のフェニルスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシフェニルアミノ)スルホニル−4−ピリジルカルボニル等のカルボキシフェニルアミノスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルアミノ)スルホニル−2−ピリジルカルボニル等のスルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;4−(4−スルホフェニルアミノ)スルホニル−3−ピリジルカルボニル等のスルホフェニルアミノスルホニル基を有するもの;及び、3−(3−カルボキシプロピルアミノ)スルホニル−2−ピリジルカルボニル等のカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;等が挙げられる。
11におけるC1−C12アルコキシカルボニル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素鎖の範囲としては、直鎖又は分岐鎖のとき通常C1−C12、好ましくはC1−C8、より好ましくはC1−C6、さらに好ましくはC1−C4の範囲;環状のとき通常C3−C8、好ましくはC3−C6の範囲;が挙げられる。
その具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、n−ヘキシロキシカルボニル、n−デシルオキシカルボニル、n−ドデシルオキシカルボニル等の直鎖のもの;イソプロポキシカルボニル、イソへキシルオキシカルボニル、イソドデシルオキシカルボニル等の分岐鎖のもの;シクロプロポキシカルボニル、シクロヘキシロキシカルボニル等の環状のもの;等が挙げられる。
11における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルコキシカルボニル基としては、前記「R11におけるC1−C12アルコキシカルボニル基」が、置換基として、これらの基を通常1乃至2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
その具体例としては、2−クロロエトキシカルボニル、4−ブロモブトキシカルボニル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノエトキシカルボニル、6−シアノへキシルオキシカルボニル等のシアノ基を有するもの;3−スルホプロポキシカルボニル、6−スルホへキシルオキシカルボニル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシエトキシカルボニル、4−カルボキシブトキシカルボニル等のカルボキシ基を有するもの;ベンジルオキシカルボニル(フェニルメトキシカルボニル)、フェネチルオキシカルボニル等のフェニル基を有するもの;等が挙げられる。
11における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェノキシカルボニル基としては、置換基として、これらの基を通常1つ乃至3つ、好ましくは1つ又は2つ有するフェノキシカルボニル基が挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
その具体例としては、2−クロロフェノキシカルボニル、3−クロロフェノキシカルボニル、4−クロロフェノキシカルボニル、2−ブロモフェノキシカルボニル、3−ブロモフェノキシカルボニル、4−ブロモフェノキシカルボニル、2−ヨードフェノキシカルボニル、3−ヨードフェノキシカルボニル、4−ヨードフェノキシカルボニル、3,5−ジクロロフェノキシカルボニル、2,4−ジクロロフェノキシカルボニル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノフェノキシカルボニル、3−シアノフェノキシカルボニル、4−シアノフェノキシカルボニル、3,4−ジシアノフェノキシカルボニル等のシアノ基を有するもの;3−スルホフェノキシカルボニル、3,5−ジスルホフェノキシカルボニル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシフェノキシカルボニル、3−カルボキシフェノキシカルボニル、4−カルボキシフェノキシカルボニル、3,4−ジカルボキシフェノキシカルボニル等のカルボキシ基を有するもの;4−メチルフェノキシカルボニル、4−エチルフェノキシカルボニル、2−メチルフェノキシカルボニル、3−メチルフェノキシカルボニル、3,5−ジメチルフェノキシカルボニル、2,4,6−トリメチルフェノキシカルボニル等のC1−C4アルキル基を有するもの;4−メトキシフェノキシカルボニル、4−エトキシフェノキシカルボニル、3−メトキシフェノキシカルボニル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;2−フェニルフェノキシカルボニル、3−フェニルフェノキシカルボニル、4−フェニルフェノキシカルボニル等のフェニル基を有するもの;2−メチルスルホニルフェノキシカルボニル、3−ヘキシルスルホニルフェノキシカルボニル等のC1−C8アルキルスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルスルホニル)フェノキシカルボニル等のスルホC1−C4アルキルスルホニル基を有するもの;3−フェニルスルホニルフェノキシカルボニル等のフェニルスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシフェニルアミノ)スルホニルフェノキシカルボニル等のカルボキシフェニルアミノスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルアミノ)スルホニルフェノキシカルボニル等のスルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;4−(4−スルホフェニルアミノ)スルホニルフェノキシカルボニル等のスルホフェニルアミノスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシエチルアミノ)スルホニルフェノキシカルボニル等のカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;等が挙げられる。
11におけるC1−C12アルキルカルボニル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが上げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては、直鎖又は分岐鎖のとき通常C1−C12、好ましくはC1−C8、より好ましくはC1−C6、さらに好ましくはC1−C4の範囲;環状のとき通常C3−C8、好ましくはC3−C6の範囲;が挙げられる。
その具体例としては、メチルカルボニル(アセチル)、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル、n−ヘプチルカルボニル、n−オクチルカルボニル、n−ノニルカルボニル、n−デシルカルボニル、n−ウンデシルカルボニル、n−ドデシルカルボニルといった直鎖のもの;イソプロピルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、t−ブチルカルボニル、イソアミルカルボニル、イソヘキシルカルボニル、イソヘプチルカルボニル、イソオクチルカルボニル、イソノニルカルボニル、イソデシルカルボニル、イソウンデシルカルボニル、イソドデシルカルボニル等の分岐鎖のもの;シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル等の環状のもの;等が挙げられる。
11における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルカルボニル基としては、前記「R11におけるC1−C12アルキルカルボニル基」が、置換基として、これらの基を通常1乃至2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
その具体例としては、クロロメチルカルボニル、ブロモメチルカルボニル、フルオロメチルカルボニル、トリフルオロメチルカルボニル、ヨードメチルカルボニル、2−クロロエチルカルボニル、2−ブロモエチルカルボニル、2−フルオロエチルカルボニル、2−ヨードエチルカルボニル、3−クロロ−n−プロピルカルボニル、1,2−ジクロロプロピルカルボニル、3−ブロモ−n−プロピルカルボニル、3−フルオロ−n−プロピルカルボニル、3−ヨード−n−プロピルカルボニル、4−クロロ−n−ブチルカルボニル、1,4−ジクロロブチルカルボニル、4−ブロモ−n−ブチルカルボニル、4−フルオロ−n−ブチルカルボニル、4−ヨード−n−ブチルカルボニル、5−クロロ−n−ペンチルカルボニル、5−ブロモ−n−ペンチルカルボニル、5−フルオロ−n−ペンチルカルボニル、5−ヨード−n−ペンチルカルボニル、6−クロロ−n−ヘキシルカルボニル、6−ブロモ−n−ヘキシルカルボニル、6−フルオロ−n−へキシルカルボニル、6−ヨード−n−ヘキシルカルボニル、7−クロロ−n−ヘプチルカルボニル、7−ブロモ−n−ヘプチルカルボニル、7−フルオロ−n−ヘプチルカルボニル、7−ヨード−n−ヘプチルカルボニル、8−クロロ−n−オクチルカルボニル、8−ブロモ−n−オクチルカルボニル、8−フルオロ−n−オクチルカルボニル、8−ヨード−n−オクチルカルボニル、9−クロロ−n−ノニルカルボニル、9−ブロモ−n−ノニルカルボニル、9−フルオロ−n−ノニルカルボニル、9−ヨード−n−ノニルカルボニル、10−クロロ−n−デシルカルボニル、10−ブロモ−n−デシルカルボニル、10−フルオロ−n−デシルカルボニル、10−ヨード−n−デシルカルボニル、11−クロロ−n−ウンデシルカルボニル、11−ブロモ−n−ウンデシルカルボニル、11−フルオロ−n−ウンデシルカルボニル、11−ヨード−n−ウンデシルカルボニル、12−クロロ−n−ドデシルカルボニル、12−ブロモ−n−ドデシルカルボニル、12−フルオロ−n−ドデシルカルボニル、12−ヨードドデシルカルボニル等のハロゲン原子を有する直鎖のもの;3−クロロプロパン−2−イルカルボニル、3−ブロモプロパン−2−イルカルボニル、4−クロロブタン−2−イルカルボニル、4−フルオロブタン−2−イルカルボニル、5−クロロペンタン−2−イルカルボニル、5−ヨードペンタン−3−イルカルボニル、6−クロロヘキサン−3−イルカルボニル、8−フルオロオクタン−4−イルカルボニル、10−クロロデカン−2−イルカルボニル、10−ヨードデカン−5−イルカルボニル、12−クロロドデカン−3−イルカルボニル等のハロゲン原子を有する分岐鎖のもの;2−クロロシクロプロピルカルボニル、2−クロロシクロブチルカルボニル、2−クロロシクロヘキシルカルボニル、4−フルオロシクロヘキシルカルボニル、3−クロロシクロヘキシルカルボニル等のハロゲン原子を有する環状のもの;シアノメチルカルボニル、2−シアノエチルカルボニル、3−シアノプロピルカルボニル、6−シアノヘキシルカルボニル、8−シアノオクチルカルボニル、10−シアノデシルカルボニル、12−シアノドデシルカルボニル等のシアノ基を有するもの;スルホメチルカルボニル、2−スルホエチルカルボニル、3−スルホプロピルカルボニル、6−スルホヘキシルカルボニル、8−スルホオクチルカルボニル、10−スルホデシルカルボニル、12−スルホドデシルカルボニル等のスルホ基を有する直鎖のもの;3−スルホプロパン−2−イルカルボニル、5−スルホペンタン−2−イルカルボニル、10−スルホデカン−2−イルカルボニル等のスルホ基を有する分岐鎖のもの;2−スルホシクロプロピルカルボニル、2−スルホシクロペンチルカルボニル、3−スルホシクロヘキシルカルボニル等のスルホ基を有する環状のもの;カルボキシメチルカルボニル、2−カルボキシエチルカルボニル、6−カルボキシヘキシルカルボニル、10−カルボキシデシルカルボニル、12−カルボキシドデシルカルボニル、1,3−ジカルボキシプロピルカルボニル等のカルボキシ基を有する直鎖のもの;3−カルボキシプロパン−2−イルカルボニル、6−カルボキシヘキサン−3−イルカルボニル、12−カルボキシドデカン−4−イルカルボニル等のカルボキシ基を有する分岐鎖のもの;2−カルボキシシクロプロピルカルボニル、2−カルボキシシクロヘキシルカルボニル、4−カルボキシシクロヘキシルカルボニル等のカルボキシ基を有する環状のもの;メトキシメチルカルボニル、2−メトキシエチルカルボニル、4−エトキシブチルカルボニル、8−ブトキシオクチルカルボニル、12−メトキシドデシルカルボニル等のC1−C4アルコキシ基を有する直鎖のもの;4−メトキシブタン−2−イルカルボニル、6−エトキシヘキサン−3−イルカルボニル、12−メトキシドデカン−2−イルカルボニル等のC1−C4アルコキシ基を有する分岐鎖のもの;2−メトキシシクロペンチルカルボニル、4−エトキシシクロヘキシルカルボニル等のC1−C4アルコキシ基を有する環状のもの;ベンジルカルボニル(フェニルメチルカルボニル)、2−フェニルエチルカルボニル、6−フェニルヘキシルカルボニル、12−フェニルドデシルカルボニル等のフェニル基を有するもの;等が挙げられる。
前記のうち、R11としては、水素原子;シアノ基;ベンゾイル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基;又は、C1−C12アルコキシカルボニル基;が好ましい。
より好ましいものとして、水素原子;シアノ基;ベンゾイル基;スルホ基を有するベンゾイル基;又は、C1−C12アルコキシカルボニル基;が挙げられる。
さらに好ましいものとして、水素原子、又は、スルホ基を有するベンゾイル基が挙げられる。
なお、耐水性の観点からは、これらの中でも水素原子が特に好ましいものとして挙げられる。
前記のうち、R12としては、水素原子;C1−C12アルキル基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基;が好ましい。
より好ましいものとしては、水素原子;又は、C1−C12アルキル基;が挙げられる。
なお、耐水性の観点からは、これらの中でもC1−C12アルキル基がさらに好ましいものとして挙げられる。
式(1)中、R13及びR14におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。フッ素原子、塩素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
13及びR14における、C1−C12アルコキシ基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが上げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては、直鎖又は分岐鎖のとき通常C1−C12、好ましくはC1−C8、より好ましくはC1−C6、さらに好ましくはC1−C4の範囲;環状のとき通常C3−C8、好ましくはC3−C6の範囲;が挙げられる。
その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシロキシ、n−デシルオキシ、n−ドデシルオキシ等の直鎖のもの;イソプロポキシ、イソへキシルオキシ、イソドデシルオキシ等の分岐鎖のもの;シクロプロポキシ、シクロヘキシロキシ等の環状のもの;等が挙げられる。
13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルコキシ基としては、前記「R13及びR14におけるC1−C12アルコキシ基」が、置換基として、これらの基を通常1乃至2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
置換基としてのハロゲン原子としては、前記「置換基としてのハロゲン原子」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
その具体例としては、2−クロロエトキシ、4−ブロモブトキシ等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノエトキシ、6−シアノへキシロキシ等のシアノ基を有するもの;3−スルホプロポキシ、6−スルホへキシルオキシ等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシエトキシ、4−カルボキシブトキシ等のカルボキシ基を有するもの;ベンジルオキシ(フェニルメトキシ)、フェネチルオキシ等のフェニル基を有するもの;等が挙げられる。
13及びR14におけるメルカプト基とは、本明細書においては「−SH」基を意味する。
13及びR14におけるC1−C12アルキルチオ基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては、直鎖又は分岐鎖のとき通常C1−C12、好ましくはC1−C8、より好ましくはC1−C6、さらに好ましくはC1−C4の範囲;環状のとき通常C3−C8、好ましくはC3−C6の範囲;が挙げられる。該アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、n−ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、n−ノニルチオ、n−デシルチオ、n−ウンデシルチオ、n−ドデシルチオ等の直鎖のもの;イソプロピルチオ、t−ブチルチオ等の分岐鎖のもの;シクロプロピルチオ、シクロヘキシルチオ等の環状のもの;等が挙げられる。
13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するアルキルチオ基としては、前記「R13及びR14におけるC1−C12アルキルチオ基」が、置換基として、これらの基を通常1乃至2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
その具体例としては、クロロメチルチオ、ブロモメチルチオ、フルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、ヨードメチルチオ、2−クロロエチルチオ、2−ブロモエチルチオ、3−ヨード−n−プロピルチオ、4−クロロ−n−ブチルチオ、1,4−ジクロロブチルチオ、6−フルオロ−n−へキシルチオ、6−ヨード−n−ヘキシルチオ、7−クロロ−n−ヘプチルチオ、7−ブロモ−n−ヘプチルチオ、7−フルオロ−n−ヘプチルチオ、7−ヨード−n−ヘプチルチオ、8−クロロ−n−オクチルチオ、8−ブロモ−n−オクチルチオ、8−フルオロ−n−オクチルチオ、8−ヨード−n−オクチルチオ、12−クロロ−n−ドデシルチオ、12−ブロモ−n−ドデシルチオ、12−フルオロ−n−ドデシルチオ、12−ヨードドデシルチオ等の、ハロゲン原子を有する直鎖のもの;3−クロロプロパン−2−イルチオ、3−ブロモプロパン−2−イルチオ、4−クロロブタン−2−イルチオ、4−フルオロブタン−2−イルチオ、12−クロロドデカン−3−イルチオ等の、ハロゲン原子を有する分岐鎖のもの;2−クロロシクロプロピルチオ、2−クロロシクロブチルチオ、2−クロロシクロヘキシルチオ、4−フルオロシクロヘキシルチオ、3−クロロシクロヘキシルチオ等の、ハロゲン原子を有する環状のもの;シアノメチルチオ、2−シアノエチルチオ、3−シアノプロピルチオ、6−シアノヘキシルチオ、8−シアノオクチルチオ、10−シアノデシルチオ、12−シアノドデシルチオ等のシアノ基を有するもの;スルホメチルチオ、2−スルホエチルチオ、3−スルホプロピルチオ、6−スルホヘキシルチオ、8−スルホオクチルチオ、10−スルホデシルチオ、12−スルホドデシルチオ等の、スルホ基を有する直鎖のもの;3−スルホプロパン−2−イルチオ、5−スルホペンタン−2−イルチオ、10−スルホデカン−2−イルチオ等の、スルホ基を有する分岐鎖のもの;2−スルホシクロプロピルチオ、2−スルホシクロペンチルチオ、3−クロロシクロヘキシルチオ等のスルホ基を有する環状のもの;カルボキシメチルチオ、2−カルボキシエチルチオ、6−カルボキシヘキシルチオ、10−カルボキシデシルチオ、12−カルボキシドデシルチオ等の、カルボキシ基を有する直鎖のもの;1,3−ジカルボキシプロピルチオ、3−カルボキシプロパン−2−イルチオ、6−カルボキシヘキサン−3−イルチオ、12−カルボキシドデカン−4−イルチオ等の、カルボキシ基を有する分岐鎖のもの;2−カルボキシシクロプロピルチオ、2−カルボキシシクロヘキシルチオ、4−カルボキシシクロヘキシルチオ等のカルボキシ基を有する環状のもの;メトキシメチルチオ、2−メトキシエチルチオ、4−エトキシブチルチオ、8−ブトキシオクチルチオ、12−メトキシドデシルチオ等の、C1−C4アルコキシ基を有する直鎖のもの;4−メトキシブタン−2−イルチオ、6−エトキシヘキサン−3−イルチオ、12−メトキシドデカン−2−イルチオ等の、C1−C4アルコキシ基を有する分岐鎖のもの;2−メトキシシクロペンチルチオ、4−エトキシシクロヘキシルチオ等のC1−C4アルコキシ基を有する環状のもの;ベンジルチオ(フェニルメチルチオ)、2−フェニルエチルチオ、6−フェニルヘキシルチオ、12−フェニルドデシルチオ等のフェニル基を有するもの;等が挙げられる。
13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルチオ基としては、置換基として、これらの基を通常1つ乃至3つ、好ましくは1つ又は2つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
その具体例としては、2−クロロフェニルチオ、3−クロロフェニルチオ、4−クロロフェニルチオ、2−ブロモフェニルチオ、3−ブロモフェニルチオ、4−ブロモフェニルチオ、2−ヨードフェニルチオ、3−ヨードフェニルチオ、4−ヨードフェニルチオ、3,5−ジクロロフェニルチオ、2,4−ジクロロフェニルチオ等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノフェニルチオ、3−シアノフェニルチオ、4−シアノフェニルチオ、3,4−ジシアノフェニルチオ等のシアノ基を有するもの;3−スルホフェニルチオ、3,5−ジスルホフェニルチオ等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシフェニルチオ、3−カルボキシフェニルチオ、4−カルボキシフェニルチオ、3,4−ジカルボキシフェニルチオ等のカルボキシ基を有するもの;4−メチルフェニルチオ、4−エチルフェニルチオ、2−メチルフェニルチオ、3−メチルフェニルチオ、3,5−ジメチルフェニルチオ、2,4,6−トリメチルフェニルチオ等のC1−C4アルキル基を有するもの;4−メトキシフェニルチオ、4−エトキシフェニルチオ、3−メトキシフェニルチオ等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;2−フェニルフェニルチオ、3−フェニルフェニルチオ、4−フェニルフェニルチオ等のフェニル基を有するもの;2−メチルスルホニルフェニルチオ、3−ヘキシルスルホニルフェニルチオ等の、C1−C8アルキルスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルスルホニル)フェニルチオ等の、スルホC1−C4アルキルスルホニル基を有するもの;3−フェニルスルホニルフェニルチオ等のフェニルスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシフェニルアミノ)スルホニルフェニルチオ等の、カルボキシフェニルアミノスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルアミノ)スルホニルフェニルチオ等の、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;4−(4−スルホフェニルアミノ)スルホニルフェニルチオ等の、スルホフェニルアミノスルホニル基を有するもの;又は、2−(2−カルボキシエチルアミノ)スルホニルフェニルチオ等のカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;等が挙げられる。
13及びR14におけるC1−C8アルキルスルホニル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素鎖の範囲としては、直鎖又は分岐鎖のとき通常C1−C8、好ましくはC1−C6、より好ましくはC1−C4の範囲;環状のとき通常C3−C8、好ましくはC3−C6の範囲;が挙げられる。
その具体例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル、n−ヘプチルスルホニル、n−オクチルスルホニルといった直鎖のもの;イソプロピルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニル、イソアミルスルホニル、イソヘキシルスルホニル、イソヘプチルスルホニル、イソオクチルスルホニル等の分岐鎖のもの;シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘプチルスルホニル等の環状のもの;等が挙げられる。
13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C8アルキルスルホニル基としては、前記「R13及びR14におけるC1−C8アルキルスルホニル基」が、置換基として、これらの基を通常1つ又は2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
その具体例としては、2−クロロエチルスルホニル、6−ブロモヘキシルスルホニル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノエチルスルホニル、10−シアノデシルスルホニル等のシアノ基を有するもの;2−スルホエチルスルホニル、6−スルホヘキシルスルホニル、4−スルホフェニルスルホニル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシエチルスルホニル、6−カルボキシヘキシルスルホニル等のカルボキシ基を有するもの;2−メトキシエチルスルホニル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;ベンジルスルホニル(フェニルメチルスルホニル)、フェネチルスルホニル等のフェニル基を有するもの;等が挙げられる。
13及びR14におけるC1−C12アルキルアミノカルボニル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては、直鎖又は分岐鎖のとき通常C1−C12、好ましくはC1−C8、より好ましくはC1−C6、さらに好ましくはC1−C4の範囲;環状のとき通常C3−C8、好ましくはC3−C6の範囲;が挙げられる。
その具体例としては、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、n−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、n−ヘキシルアミノカルボニル、n−ヘプチルアミノカルボニル、n−オクチルアミノカルボニル、n−ノニルアミノカルボニル、n−デシルアミノカルボニル、n−ウンデシルアミノカルボニル、n−ドデシルアミノカルボニル等の直鎖のもの;イソプロピルアミノカルボニル、t−ブチルアミノカルボニル等の分岐鎖のもの;シクロプロピルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル等の環状のもの;等が挙げられる。
13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルアミノカルボニル基としては、前記「R13及びR14におけるC1−C12アルキルアミノカルボニル基」が、置換基として、これらの基を通常1つ又は2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
その具体例としては、2−クロロエチルアミノカルボニル、6−ブロモヘキシルアミノカルボニル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノエチルアミノカルボニル、10−シアノデシルアミノカルボニル等のシアノ基を有するもの;2−スルホエチルアミノカルボニル、6−スルホヘキシルアミノカルボニル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシエチルアミノカルボニル、6−カルボキシヘキシルアミノカルボニル等のカルボキシ基を有するもの;2−メトキシエチルアミノカルボニル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;ベンジルアミノカルボニル、フェネチルアミノカルボニル等のフェニル基を有するもの;等が挙げられる。
13及びR14における、カルボキシ基を有するフェニルアミノカルボニル基としては、4−カルボキシフェニルアミノカルボニル等が挙げられる。
13及びR14におけるC1−C12アルキルアミノスルホニル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては、直鎖又は分岐鎖のとき通常C1−C12、好ましくはC1−C8、より好ましくはC1−C6、さらに好ましくはC1−C4の範囲;環状のとき通常C3−C8、好ましくはC3−C6の範囲;が挙げられる。
その具体例としては、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、n−プロピルアミノスルホニル、n−ブチルアミノスルホニル、n−ペンチルアミノスルホニル、n−ヘキシルアミノスルホニル、n−ヘプチルアミノスルホニル、n−オクチルアミノスルホニル、n−ノニルアミノスルホニル、n−デシルアミノスルホニル、n−ウンデシルアミノスルホニル、n−ドデシルアミノスルホニル等の直鎖のもの;イソプロピルアミノスルホニル、t−ブチルアミノスルホニル等の分岐鎖のもの;シクロプロピルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル等の環状のもの;等が挙げられる。
13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルアミノスルホニル基としては、前記「R13及びR14におけるC1−C12アルキルアミノスルホニル基」が、置換基として、これらの基を通常1つ又は2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
その具体例としては、2−クロロエチルアミノスルホニル、6−ブロモヘキシルアミノスルホニル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノエチルアミノスルホニル、10−シアノデシルアミノスルホニル等のシアノ基を有するもの;2−スルホエチルアミノスルホニル、6−スルホヘキシルアミノスルホニル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシエチルアミノスルホニル、6−カルボキシヘキシルアミノスルホニル等のカルボキシ基を有するもの;2−メトキシエチルアミノスルホニル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;ベンジルアミノスルホニル(フェニルメチルアミノスルホニル)、フェネチルアミノスルホニル等のフェニル基を有するもの;等が挙げられる。
13及びR14における、カルボキシ基を有するフェニルアミノスルホニル基としては、4−カルボキシフェニルアミノスルホニル等が挙げられる。
前記のうち、R13及びR14としては、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;C1−C8アルキルスルホニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C8アルキルスルホニル基;又は、スルファモイル基;が好ましい。
より好ましいものとして、水素原子又はスルホ基が挙げられる。
13及びR14の好ましい組み合わせとしては、一方が水素原子で他方がスルホ基;又は、両方がスルホ基;である組み合わせが特に好ましい。
13及びR14の置換位置は特に制限されないが、これらが置換するベンゼン環におけるアミノ基の結合位置を1位として、いずれか一方が2位、他方が4位に置換するのが好ましい。
また、R13及びR14の一方が水素原子、他方がスルホ基である組み合わせのときは、2位がスルホ基、4位が水素原子である組み合わせがさらに好ましい。
なお、この組み合わせのとき、「−N=N−B」基が5位に置換するものは特に好ましい。
前記式(1)中、基Bにおける、置換基として、1つのヒドロキシ基を少なくとも有するナフチル基としては、1−ヒドロキシナフチル、2−ヒドロキシナフチル、7−ヒドロキシナフチル、8-ヒドロキシナフチル等が挙げられるが、ヒドロキシ基の置換位置については特に制限されない。
好ましい基Bとしては、置換基として1つ又は2つのヒドロキシ基を有し、さらに置換基として、スルホ基、カルボキシ基、及び前記式(6)で表される基よりなる群から選択される1乃至3つの基を有するナフチル基が挙げられる。
前記式(6)中、R21及びR22におけるC1−C12アルキル基としては、前記「式(1)中、R11、R12、R13及びR14におけるC1−C12アルキル基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
前記式(6)中、R21における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基としては、前記「R11、R12、R13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
前記式(6)中、R21における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基としては、前記「R11、R12、R13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
前記式(6)中、R21における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基としては、置換基として、これらの基を通常1乃至3つ、好ましくは1又は2つ有するベンゾイル基が挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
置換基としてのハロゲン原子としては、前記「置換基としてのハロゲン原子」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルキル基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルキル基」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルコキシ基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
11における、置換基として、前記の基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基の具体例としては、2−クロロベンゾイル、3−クロロベンゾイル、4−クロロベンゾイル、2−ブロモベンゾイル、3−ブロモベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、2−ヨードベンゾイル、3−ヨードベンゾイル、4−ヨードベンゾイル、3,5−ジクロロベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノベンゾイル、3−シアノベンゾイル、4−シアノベンゾイル、3,4−ジシアノベンゾイル等のシアノ基を有するもの;2−ヒドロキシベンゾイル、4−ヒドロキシベンゾイル等のヒドロキシ基を有するもの;3−スルホベンゾイル、3,5−ジスルホベンゾイル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシベンゾイル、4−カルボキシベンゾイル、3,4−ジカルボキシベンゾイル等のカルボキシ基を有するもの;4−メチルベンゾイル、4−エチルベンゾイル、2−メチルベンゾイル、3−メチルベンゾイル、3,5−ジメチルベンゾイル、2,4,6−トリメチルベンゾイル等のC1−C4アルキル基を有するもの;4−メトキシベンゾイル、4−エトキシベンゾイル、3−メトキシベンゾイル等のC1−C4アルコキシ基を有するもの;2−フェニルベンゾイル、3−フェニルベンゾイル、4−フェニルベンゾイル等のフェニル基を有するもの;2−メチルスルホニルベンゾイル、3−ヘキシルスルホニルベンゾイル、3−(3−スルホプロピルスルホニル)ベンゾイル、3−フェニルスルホニルベンゾイル等のC1−C8アルキルスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルスルホニル)ベンゾイル等のスルホC1−C4アルキルスルホニル基を有するもの;3−フェニルスルホニルベンゾイル等のフェニルスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシフェニルアミノ)スルホニルベンゾイル等のカルボキシフェニルアミノスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルアミノ)スルホニルベンゾイル等のスルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;4−(4−スルホフェニルアミノ)スルホニルベンゾイル等のスルホフェニルアミノスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシエチルアミノ)スルホニルベンゾイル等のカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;等が挙げられる。
前記式(6)中、R21におけるC1−C12アルキルカルボニル基としては、前記「R11におけるC1−C12アルキルカルボニル基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
前記式(6)中、R21における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルスルホニル基としては、置換基として、これらの基を通常1乃至3つ、好ましくは1又は2つ有するフェニルスルホニル基が挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
置換基としてのハロゲン原子としては、前記「置換基としてのハロゲン原子」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルキル基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルキル基」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルコキシ基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
11における、置換基として、前記の基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルスルホニル基の具体例としては、2−クロロフェニルスルホニル、3−クロロフェニルスルホニル、4−クロロフェニルスルホニル、2−ブロモフェニルスルホニル、3−ブロモフェニルスルホニル、4−ブロモフェニルスルホニル、2−ヨードフェニルスルホニル、3−ヨードフェニルスルホニル、4−ヨードフェニルスルホニル、3,5−ジクロロフェニルスルホニル、2,4−ジクロロフェニルスルホニル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノフェニルスルホニル、3−シアノフェニルスルホニル、4−シアノフェニルスルホニル、3,4−ジシアノフェニルスルホニル等のシアノ基を有するもの;2−ヒドロキシフェニルスルホニル、4−ヒドロキシフェニルスルホニル等のヒドロキシ基を有するもの;3−スルホフェニルスルホニル、3,5−ジスルホフェニルスルホニル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシフェニルスルホニル、3−カルボキシフェニルスルホニル、4−カルボキシフェニルスルホニル、3,4−ジカルボキシフェニルスルホニル等のカルボキシ基を有するもの;4−メチルフェニルスルホニル、4−エチルフェニルスルホニル、2−メチルフェニルスルホニル、3−メチルフェニルスルホニル、3,5−ジメチルフェニルスルホニル、2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル等の、C1−C4アルキル基を有するもの;4−メトキシフェニルスルホニル、4−エトキシフェニルスルホニル、3−メトキシフェニルスルホニル等の、C1−C4アルコキシ基を有するもの;2−フェニルフェニルスルホニル、3−フェニルフェニルスルホニル、4−フェニルフェニルスルホニル等のフェニル基を有するもの;2−メチルスルホニルフェニルスルホニル、3−ヘキシルスルホニルフェニルスルホニル等の、C1−C8アルキルスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルスルホニル)フェニルスルホニル等の、スルホC1−C4アルキルスルホニル基を有するもの;3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル等のフェニルスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシフェニル)アミノスルホニルフェニルスルホニル等のカルボキシフェニルアミノスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピル)アミノスルホニルフェニルスルホニル等の、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;4−(4−スルホフェニル)アミノスルホニルフェニルスルホニル等の、スルホフェニルアミノスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシエチル)アミノスルホニルフェニルスルホニル等の、カルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;等が挙げられる。
前記のうち、好ましいR21としては、C1−C12アルキル基;ベンゾイル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;フェニルスルホニル基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルスルホニル基;が挙げられる。
より好ましいものとしては、C1−C12アルキル基;ベンゾイル基;ヒドロキシ基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;又は、C1−C4アルキル基を有するフェニルスルホニル基;が挙げられる。
さらに好ましくは、C1−C12アルキル基;ベンゾイル基;ヒドロキシ基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;又は、C1−C4アルキル基を有するフェニルスルホニル基;が挙げられる。
前記式(6)中、好ましいR22としては水素原子が挙げられる。
前記式(1)中、基Bにおける複素芳香環基としては、前記「R11、R12、R13及びR14における複素芳香環基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
前記式(1)中、基Bにおける複素芳香環基としては、前記「R11、R12、R13及びR14における複素芳香環基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
前記式(1)中、基Bにおける複素芳香環基としては、前記「R11、R12、R13及びR14における複素芳香環基」R11、R12、R13及びR14における、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、カルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基、アミノ基、C1−C4アルキルアミノ基、スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニルアミノ基、及び、スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニル基とスルホ基を有する複素芳香環基との両者を有するアミノ基、よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基としては、前記「R11、R12、R13及びR14における複素芳香環基」が、置換基として、これらの基を通常1乃至2つ、好ましくは1つ有するものが挙げられる。置換基を複数有するとき、その種類は同一でも異なっていても良い。
置換基としてのハロゲン原子としては、前記「置換基としてのハロゲン原子」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルキル基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルキル基」に記載のものと好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としてのC1−C4アルコキシ基としては、前記「置換基としてのC1−C4アルコキシ基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
置換基としての、スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニルアミノ基としては、これらの基を1つ乃至5つ、好ましくは2つ乃至4つ有するフェニルアミノ基が挙げられる。これらの基は、フェニルアミノ基におけるフェニル上に置換するのが好ましい。具体例としては、2−メチル−5−スルホフェニルアミノ、4−メチル−5−スルホフェニルアミノ、3−スルホ−2,4,6−トリメチルフェニルアミノ等が挙げられる。
置換基としての、スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニル基とスルホ基を有する複素芳香環基との両者を有するアミノ基としては、前記「置換基としての、スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニルアミノ基」におけるアミノ基が、さらにスルホ基を有する複素芳香環基で置換されたものが挙げられる。このスルホ基を有する複素芳香環基としては、前記「R11、R12、R13及びR14における複素芳香環基」が通常1つ乃至3つ、好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つのスルホ基を有するものが挙げられ、中でもスルホ基を有するベンゾチアゾール基が好ましい。
該スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニル基とスルホ基を有する複素芳香環基との両者を有するアミノ基の具体例としては、N−(2−メチル−5−スルホフェニル)−N−(6−スルホベンゾチアゾール−2−イル)アミノ、N−(4−メチル−5−スルホフェニル)−N−(6−スルホベンゾチアゾール−2−イル)アミノ、N−(6−スルホベンゾチアゾール−2−イル)−N−(3−スルホ−2,4,6−トリメチルフェニル)アミノ等が挙げられる。
11における、置換基として、前記の基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基の具体例としては、2−クロロ−3−ピリジル、3−クロロ−2−ピリジル、4−クロロ−2−ピリジル、2−ブロモ−3−ピリジル、3−ブロモ−2−ピリジル、4−ブロモ−2−ピリジル、2−ヨード−4−ピリジル、3−ヨード−2−ピリジル、4−ヨード−2−ピリジル、3,5−ジクロロ−2−ピリジル、2,4−ジクロロ−3−ピリジル等のハロゲン原子を有するもの;2−シアノ−4−ピリジル、3−シアノ−2−ピリジル、4−シアノ−2−ピリジル、3,4−ジシアノ−2−ピリジル等のシアノ基を有するもの;3−スルホ−2−ピリジル、3,5−ジスルホ−2−ピリジル等のスルホ基を有するもの;2−カルボキシ−4−ピリジル、3−カルボキシ−2−ピリジル、4−カルボキシ−2−ピリジル、3,4−ジカルボキシ−2−ピリジル等のカルボキシ基を有するもの;4−メチル−2−ピリジル、4−エチル−2−ピリジル、2−メチル−3−ピリジル、3−メチル−2−ピリジル、3,5−ジメチル−2−ピリジル等の、C1−C4アルキル基を有するもの;4−メトキシ−2−ピリジル、4−エトキシ−2−ピリジル、3−メトキシ−2−ピリジル等の、C1−C4アルコキシ基を有するもの;2−フェニル−4−ピリジル、3−フェニル−2−ピリジル、4−フェニル−2−ピリジル等のフェニル基を有するもの;4−メチルスルホニル−2−ピリジル、3−ヘキシルスルホニル−2−ピリジル等の、C1−C8アルキルスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピルスルホニル)−2−ピリジル等の、スルホC1−C4アルキルスルホニル基を有するもの;3−フェニルスルホニル−2−ピリジル等のフェニルスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシフェニル)アミノスルホニル−4−ピリジル等のカルボキシフェニルアミノスルホニル基を有するもの;3−(3−スルホプロピル)アミノスルホニル−2−ピリジル等の、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;4−(4−スルホフェニル)アミノスルホニル−2−ピリジル等のスルホフェニルアミノスルホニル基を有するもの;2−(2−カルボキシエチル)アミノスルホニル−4−ピリジル等の、カルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基を有するもの;2−アミノ−3−ピリジル等のアミノ基を有するもの;4−メチルアミノ−2−ピリジル等のC1−C4アルキルアミノ基を有するもの;4−シアノ−6−メチル−2,4−ジ(2−スルホエチルアミノ)ピリジル−3−イル;又は、6−{N−(6−スルホベンゾチアゾール−2−イル)−N−(3−スルホ−2,4,6−トリメチルフェニル)}アミノ−4−シアノ−2−(3−スルホ−2,4,6−トリメチルフェニル)アミノピリジン−3−イルといった、前記の群から選択される複数種類の基を有するもの;等が挙げられる。
前記のうち、基Bとしては、置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有するナフチル基が好ましい。
より好ましいものとしては、置換基として1つ又は2つのヒドロキシ基を有し、さらに置換基として、スルホ基、カルボキシ基、及び前記式(6)で表される基よりなる群から選択される1乃至3つの基を有するナフチル基が挙げられる。
さらに好ましいものとしては、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、スルホ基及び前記式(6)で表される基を有するナフチル基が挙げられる。
特に好ましいものとしては、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、1つ又は2つのスルホ基及び1つの前記式(6)で表される基を有するナフチルアミノ基が挙げられる。
基Bが、置換基として少なくとも1つ有するヒドロキシ基の置換位置は特に制限されないが、該ヒドロキシ基の好ましい置換位置としては、1位又は2位が挙げられる。
基Bの具体例としては、2−ヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸、2−ヒドロキシナフタレン−8−スルホン酸、1−ヒドロキシナフタレン−4−スルホン酸等の、さらに1つのスルホ基を有するもの;2−ヒドロキシナフタレン−6,8−ジスルホン酸、2−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、1−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸等の、さらに2つのスルホ基を有するもの;1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸等の、2つのヒドロキシ基を有し、さらに2つのスルホ基を有するもの;1−ヒドロキシナフタレン−3,6,8−トリスルホン酸等の、さらに3つのスルホ基を有するもの;6−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、6−アセチルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、7−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、8−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−5−スルホン酸、7−メチルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、7−ジメチルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、7−メチルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−5−スルホン酸、7−ジメチルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−5−スルホン酸、7−アセチルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸等の、さらに1つのスルホ基と1つの式(6)で表される基を有するもの;8−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、8−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,5−ジスルホン酸、8−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−5,7−ジスルホン酸、8−ベンゾイルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、8−(4−メチルフェニル)スルホニルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、8−ベンゾイルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,5−ジスルホン酸、8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,5−ジスルホン酸、8−(4−メチルフェニル)スルホニルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,5−ジスルホン酸等の、さらに2つのスルホ基と1つの式(6)で表される基を有するもの;等が挙げられる。
これらの中では、6−アセチルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、7−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、7−メチルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、8−ベンゾイルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、8−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、8−(4−メチルフェニル)スルホニルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、及び8−ベンゾイルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,5−ジスルホン酸が好ましい。
前記式(1)中、基Bに結合するアゾ基の、基Bにおける結合位置は特に制限されない。すなわち、該アゾ結合を形成する際のジアゾカップリング反応において、その反応条件(例えば反応液のpH等)を適宜設定することにより、当業者であれば、該アゾ基の結合位置の異なる化合物を容易に得ることができる。
好ましいアゾ基の結合位置としては、基Bが有するヒドロキシ基が置換した炭素原子に対して、該炭素原子の隣の炭素原子に結合するものが挙げられる。その具体例としては、該ヒドロキシ基がナフチル基上の1位に置換するとき、該アゾ基が2位;ナフチル基上の2位に置換するとき、該アゾ基が1位又は3位、好ましくは1位;に結合するものが挙げられる。
また、基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として前記式(6)で表される基を有し、且つ、該式(6)で表される基におけるR21が水素原子若しくはC1−C12アルキル基であるときは、該ヒドロキシ基若しくは式(6)で表される基が結合する炭素原子の隣の炭素原子に、該アゾ基が結合するのが好ましい。その具体例としては、該ヒドロキシ基がナフチル基上の1位に置換し、該R21が7位に置換するとき、該アゾ基が2位、6位又は8位、好ましくは2位又は8位、より好ましくは8位;に結合するのが好ましい。
前記式(1)中、「−N=N−B」基の置換位置は特に制限されないが、該基が置換するベンゼン環におけるアミノ基の結合位置を1位として、5位に置換するのが好ましい。
前記式(1)で表されるマゼンタ色素のうち、好ましいものの1つとして下記式(2)又は式(3)で表されるマゼンタ色素が挙げられる。
Figure 2012021038
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前記式(2)及び式(3)中、R11及びR12は前記式(1)におけるのと、好ましいもの等を含めて同じ意味を表し、またR21及びR22は前記式(6)におけるのと、好ましいもの等を含めて同じ意味を表す。
mは1又は2の整数を表す。
前記式(2)における「n1」、及び式(3)における「n2」は、いずれもナフチル基に置換したスルホ基の数を表し、式(2)中、「n1」は0又は1の整数を表す。
また、式(3)中、「n2」は0又は1の整数を表し、1の整数が好ましい。
これらのスルホ基の置換位置は、特に制限されない。
前記式(2)及び式(3)におけるmは、ベンゼン環に置換するスルホ基の数を表し、1又は2の整数である。
該スルホ基の置換位置は特に制限されないが、該ベンゼン環におけるアミノ基の結合位置を1位、アゾ基の結合位置を5位として、mが1のとき2位又は4位、好ましくは2位;mが2のとき2位及び4位;にそれぞれ置換するものが好ましい。
前記式(2)中、「−NR2122」基及び「−(SO3H)n1」基の、ナフチル基上における置換位置の組合せとしては、ヒドロキシ基の置換位置を1位、アゾ基の結合位置を2位、置換位置の特定されているスルホ基の置換位置を3位として、
「n1」が0のとき、前者が6位に置換するものが好ましい。
また同様に、「n1」が1のとき、前者が8位、後者が5位又は6位のものが好ましい。より好ましいものとしては、前者が8位、後者が6位のものが挙げられる。
前記式(3)中、「−(SO3H)n2」基の、ナフチル基上における置換位置の組合せとしては、ヒドロキシ基の置換位置を1位、「−NR2122」基の置換位置を7位、及びアゾ基の結合位置を8位として、「n2」が1のとき該スルホ基は3位又は5位に置換するものが好ましく、3位に置換するものがより好ましい。
前記式(2)及び(3)で表される本発明の色素の具体例を下記表1に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。表1乃至表3は下記式(2A)に対応する化合物であり、表4及び表5は下記式(3A)に対応する化合物である。なお、式(2A)は式(2)に対応し、ベンゼン環にa1乃至e1、及びナフタレン環にa2乃至e2を付与して、「−(SO3H)m」基、及び「−NR2122」基の置換位置を表すこととした。同様に、式(3A)は式(3)に対応し、ベンゼン環にa1乃至e1、及びナフタレン環にa3乃至e3を付与して、「−(SO3H)m」基、及び「−(SO3H)n2」基の置換位置を表すこととした。各表中に記載の略号とその意味は、以下のとおりである。3−S−Bz:3−スルホベンゾイル。Me:メチル。Bz:ベンゾイル。2−OH−Bz:2−ヒドロキシベンゾイル。4−Me−PhSO2:4−(メチルフェニル)スルホニル。H:水素原子。Ac:アセチル。
Figure 2012021038
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Figure 2012021038
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前記式(1)乃至式(3)で表される色素において適宜使用される、m、n、R11、R12、R13、R14、R21及びR22について、好ましいもの同士を組み合せた色素はより好ましく、より好ましいもの同士を組み合せた色素はさらに好ましい。好ましいものとより好ましいものとの組み合せ等についても同様である。
前記式(1)の色素は、例えば次の方法により製造される。なお、下記式(4)において適宜使用されるR11、R12、R13、R14、及び基Bは、いずれも前記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
特開2005−314514号又は特開2000−109464号等に記載の公知の方法に準じて得られる下記式(4)で表される化合物に水溶媒中、10℃以下で塩酸、硫酸等の酸と亜硝酸ソーダを用いてジアゾ化反応を行う。反応の終了後、残存する亜硝酸ソーダをスルファミン酸で分解処理する。この反応液を、基Bに対応する「B−H」で表される化合物の水溶液又は水懸濁液に加え、0〜60℃、pH3.0〜11.0、1〜20時間、カップリング反応を行う。反応終了後、反応液に塩化ナトリウム等を加えて塩析を行い、析出する固体を濾過分取し、必要に応じて下記する脱塩処理等を行い、乾燥させることにより前記式(1)で表される化合物を得ることができる。
なお、前記「B−H」で表される、置換基として1つのヒドロキシ基を少なくとも有するナフタレン化合物は合成することもできるが、市販品として多様なものを入手することもできる。
Figure 2012021038
前記式(1)で表される色素は遊離酸、あるいはその塩の形としても存在する。前記式(1)で表される化合物の塩としては、無機又は有機陽イオンとの塩が挙げられる。無機陽イオンの塩の具体例としては、アンモニウム(NH4 +)塩;アルカリ金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等の塩;等が挙げられる。また、有機陽イオンとしては、例えば下記式(5)で表される4級アンモニウムとの塩が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2012021038
前記式(5)中、Z1〜Z4はそれぞれ独立に水素原子、C1−C4アルキル基、ヒドロキシC1−C4アルキル基又はヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基を表わし、Z1〜Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である。
前記式(5)中、Z1〜Z4におけるC1−C4アルキル基の例としてはメチル、エチル等が挙げられる。同様に、ヒドロキシC1−C4アルキル基の例としてはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等が挙げられる。同様に、ヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−(ヒドロキシエトキシ)プロピル、3−(ヒドロキシエトキシ)ブチル、2−(ヒドロキシエトキシ)ブチル等が挙げられる。
前記のうち好ましいものとしては、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンの各塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、リチウム、ナトリウム、カリウム及びアンモニウムの各塩である。
当業者においては明らかなように、前記式(1)で表される色素の塩は、以下の方法等により容易に得ることができる。例えば、ナトリウム塩を得る方法としては、該化合物の合成反応における最終工程終了後の反応液;あるいは該化合物を含むウェットケーキ又はその乾燥物等を溶解した水溶液;等の液に食塩を加えて塩析し、析出固体を濾過分取する方法が挙げられる。また、得られたナトリウム塩の固体を水に溶解後、塩酸等の酸を加えてその溶液のpHを適宜調整し、析出する固体を濾過分取することにより、該化合物の遊離酸;あるいは該化合物の一部がナトリウム塩である遊離酸とナトリウム塩との混合物;を得ることもできる。 さらに、該化合物の遊離酸の固体を水と共に撹拌し、この液に例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水又は式(5)で表される4級アンモニウム塩の水酸化物等を加えて造塩すれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、又は4級アンモニウム塩を得ることもできる。この際に、遊離酸のモル数に対して、前記各種の水酸化物等のモル数を制限し、複数の種類のものを加えることにより、例えばリチウムとナトリウムとの混塩等、さらにはリチウム、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウムの混塩等を得ることも可能である。前記式(1)で表される化合物の塩は、その塩の種類により溶解性等の物理的な性質;あるいはインクとして用いた場合のインクの性能、特に堅牢性に関する性能;等が変化する場合もある。このため目的とするインクの性能等に応じて、塩の種類を選択することも好ましく行われる。
本発明のインク組成物は、本発明のマゼンタ色素を少なくとも1種類含有する、溶液の水性インク組成物である。本発明のインク組成物中に含有する色素の総含有量は、該インク組成物の総質量に対して、通常0.5〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1.5〜6質量%、さらに好ましくは3〜6質量%である。後記するように、マゼンタの色相を微調整すること等を目的として、本発明のインク組成物中に、本発明により得られる効果を阻害しない範囲で、さらに他の色素、例えば公知の色素を含有しても良い。しかし、本発明のインク組成物中に含有する色素としては、色素の全てが実質的に前記式(1)乃至式(3)で表される色素であるのが好ましい。
本発明のインク組成物に含有する前記式(1)で表される色素は、合成反応の終了後、塩酸等の鉱酸の添加により固体の遊離酸として単離することができる。得られた遊離酸の固体を水;又は、例えば塩酸水等の酸性水;等で洗浄すること等により、不純物として含有する無機塩、例えば塩化ナトリウム等の金属陽イオンの塩化物や、硫酸ナトリウム等の硫酸陽イオンのアルカリ金属塩等(本明細書においては「無機不純物」と以下記載する)を除去することができる。また、式(1)乃至式(3)で表される色素の合成反応の終了後、例えば塩化アンモニウムを加えて目的物のアンモニウム塩を析出させ、次いでこれを水に溶解して溶液とし、イソプロパノール等のC1−C4アルコールを加えて目的物を再度析出させる等の方法によっても、前記無機不純物を除去することができる。必要に応じて、このような操作を繰返し、目的物の純度の向上;及び/又は、無機不純物の含有量の低減;等を行うこともできる。 前記の無機不純物は、インク組成物の保存安定性;インクジェット記録を行う際の吐出安定性;等に悪影響を与えることが多い。このため、特にインクジェット記録に本発明のインク組成物を用いるときは、該インク組成物中に含有する色素の総質量に対する無機不純物の含有量を1質量%以下にすることが好ましく、下限は0質量%、すなわち分析機器における検出限界以下でよい。無機不純物の少ない色素を製造する方法としては、例えば逆浸透膜により無機不純物を除去する方法が知られている。その他の方法として、色素の乾燥物あるいはウェットケーキを、メタノールやイソプロパノール等のC1−C4アルコール、又は必要に応じて該アルコールと水との混合溶媒中で懸濁精製する方法等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、天然及び合成繊維材料又は混紡品の染色、各種の筆記用インク、及び、特にインクジェット記録用インクの製造に適している。 前記式(1)で表される色素の合成反応における最終工程終了後の反応液等は、本発明のインク組成物の製造に直接使用することができる。しかし、該反応液から例えばスプレー乾燥や、晶析等の方法により目的色素を単離し、必要に応じて乾燥した後、これをインク組成物の製造に使用することもできる。
本発明のインク組成物は水を媒体として調製され、必要に応じて、水溶性有機溶剤及びインク調製剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しても良い。水溶性有機溶剤は、色素の溶解、組成物の乾燥防止(湿潤状態の保持)、組成物の粘度の調整、被記録材への組成物の浸透の促進、組成物の表面張力の調整、組成物の消泡等の効果を期待して使用され、本発明のインク組成物には含有する方が好ましい。インク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、表面張力調整剤、及び消泡剤等の公知の添加剤が挙げられる。水溶性有機溶剤の含有量は、インク組成物の総質量に対して通常0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%であり、インク調製剤は同様に0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%用いられる。前記以外の残部は水である。
前記の水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はチオジグリコール等の、C2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4モノアルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;又はジメチルスルホキシド等が挙げられる。
前記の水溶性有機溶剤として好ましいものは、イソプロパノール;グリセリン;モノ、ジ又はトリエチレングリコール;ジプロピレングリコール;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;及びブチルカルビトール;である。より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン及びブチルカルビトールである。これらの水溶性有機溶剤は、単独又は混合して用いられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、及び無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウム等が挙げられる。防腐防黴剤の他の具体例としては、例えば、アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製、商品名プロクセルRTMGXL(S)及びプロクセルRTMXL−2(S)等が好ましく挙げられる。なお、本明細書において上付きの「RTM」は、登録商標を意味する。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム(アンモニア水)、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物等が挙げられる。また、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物が挙げられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。尿素を使用するのが好ましい。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類等が挙げられ、金属錯体としてはニッケル錯体、及び亜鉛錯体等が挙げられる。
表面張力調整剤としては、界面活性剤が挙げられ、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等がある。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他イミダゾリン誘導体等がある。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;他の具体例として、例えば、日信化学社製、商品名サーフィノールRTM104、82、465、オルフィンRTMSTG等が挙げられる。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。
これらのインク調製剤は、単独又は混合して用いられる。なお、本発明のインク組成物の表面張力は通常25〜70mN/m、好ましくは25〜60mN/mである。同様に、その粘度は30mPa・s以下に調整することが好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。
本発明のインク組成物を製造するにあたり、添加剤等の各成分を溶解させる順序には特に制限はない。インク組成物の調製に使用する水は、イオン交換水又は蒸留水等の不純物が少ないものが好ましい。さらに、必要に応じメンブランフィルター等を用いて精密濾過を行うことにより、調製したインク組成物から夾雑物を除いてもよい。本発明のインク組成物をインクジェット記録に使用するときは、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは、0.8μm〜0.1μmである。
高精細なインクジェット記録画像の供給を目的として、1台のインクジェットプリンタに、同系色であり且つインク中の色素濃度が高濃度のものと低濃度のものの2種類のインクをインクセットとして使用するものもある。インクセットの一例として、色素濃度が高濃度の「マゼンタインク」、及び低濃度の「ライトマゼンタインク」をインクセットとして使用する例が挙げられる。このように同系色のインクセットとして用いるとき、前記式(1)の色素は、一方のインクのみに含有させてもよいし、色素濃度を変えて両方のインクに含有させてもよい。さらに、本発明のインク組成物により得られる効果を阻害しない範囲で、公知のマゼンタ色素を併用してもよい。また他の色相、例えばブラックインクの調色;又は、イエロー色素やシアン色素と混合して、レッドインクやブルー(又はバイオレット)インクの調製;等を目的として、本発明の色素又はインク組成物を用いることもできる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物が充填された容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填し、該インク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行う方法である。 本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物と共に、イエロー、シアン、必要に応じて、グリーン、ブルー(又はバイオレット)、レッド、及びブラック等の各インクを併用することもできる。この場合、各色のインクは、それぞれの容器に注入され、それらの容器を、インクジェットプリンタの所定の位置に装填して使用する。 インクジェットプリンタには、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式;及び加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式;等を利用したものがある。本発明のインクジェット記録方法は、いかなる方式であっても使用が可能である。
本発明のインクジェット記録方法における被記録材とは、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられる。本発明のインクジェット記録方法により記録が行える物質であれば特にこれらに限定されないが、これらの中では情報伝達用シートが好ましい。
前記の情報伝達用シートとしては特に制限はなく、普通紙はもちろん、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたもの等も用いることができる。ここでインク受容層とは、例えば前記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工する方法;又は多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等のインク中の色素を吸収し得る無機微粒子を、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に前記基材表面に塗工する方法;等により設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、又は光沢フィルム等と呼ばれる。普通紙とは、特にインク受容層を設けていない紙のことを意味し、用途によってさまざまなものが数多く市販されている。市販されている普通紙の一例を挙げると、インクジェット用としては、セイコーエプソン社製 両面上質普通紙;キヤノン社製 カラー普通紙;Hewlett Packard社製 Multipurpose Paper、All−in−one Printing Paper;等がある。この他、特に用途をインクジェット記録に限定しないPPC(プレインペーパーコピー)用紙等も普通紙である。 本発明のインク組成物は、前記のような普通紙に記録した画像の耐水性が特に優れており、情報伝達シートの中でも普通紙が好ましい。しかし、光、オゾン、湿度、水や摩擦等に対する堅牢性にも優れるため、普通紙と共にインクジェット専用紙にも使用することが可能である。
本発明の着色体とは、本発明のマゼンタ色素、該色素を含有するインク組成物、又は、本発明のインクジェット記録方法のいずれかにより着色された物質を意味する。着色することが可能な物質であれば、その材質は特に制限されないが、好ましくは前記の被記録材等が挙げられる。着色方法としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェット記録方法等が挙げられ、着色方法も特に制限は無い。これらの方法の中ではインクジェット記録方法が好ましい。
前記式(1)で表される本発明の色素は、水や水溶性有機溶剤に対する溶解性に優れる。また本発明のインク組成物を製造する過程での、例えばメンブランフィルターに対する濾過性が良好という特徴を有する。本発明のインク組成物は、普通紙及びインク受容層を有する情報伝達用シートといった被記録材上で非常に鮮明で、彩度及び印字濃度が高く、理想的な色相のイエロー色の記録画像を与える。このため、写真調のカラー画像を紙の上に忠実に再現させることも可能である。また、本発明のインク組成物は長期間保存後の固体析出、物性変化、色相変化等もなく、貯蔵安定性が極めて良好である。本発明のインク組成物をインクジェットインクとして使用しても、ノズル付近におけるインク組成物の乾燥による固体析出は非常に起こりにくく、噴射器(記録ヘッド)を閉塞することもない。また、本発明のインク組成物は連続式インクジェットプリンタを用い、比較的長い時間間隔においてインクを再循環させて使用する場合においても、又はオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。さらに、本発明のインク組成物により、インク受容層を有する情報伝達用シートに記録された画像は彩度が高く、また耐水性、耐湿性、耐オゾンガス性、耐擦性及び耐光性等の各種堅牢性も高いため、写真調の画像の長期保存安定性にも優れている。また、従来のインクと比較して、普通紙上での彩度、明度、印字濃度等の発色性、及び前記の各種堅牢性にも優れ、特に普通紙に記録したときの耐水性が極めて良好である。このように、式(1)で表される色素及びこれを含有するインク組成物は、各種の記録用途、特にインクジェット記録用途に極めて有用である。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。尚、特別に記載のない限り、実施例中の「部」及び「%」はそれぞれ質量基準であり、反応温度は反応系内の温度を記載した。また、反応や晶析等の工程は、特に断りの無い限りいずれも攪拌下に行った。また、実施例中でλmax(最大吸収波長)を測定したものについては、いずれもpH7〜9の水溶液を調製して測定を行い、その測定値の小数点以下1桁目を四捨五入して記載した。なお、実施例中、式(101)の化合物は特開2005−314514号公報、また式(106)の化合物は特開2000−109464号公報に記載の方法、又はその方法に準じてそれぞれ合成した。
[実施例1]水23.0部に下記式(101)で表される化合物のウェットケーキ17.0部を加え、25%水酸化ナトリウム水溶液で液のpHを10.0に調整して溶液とした。この液に35%塩酸3.2部を加え、氷浴で10℃以下に冷却した。得られた液に39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.9部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下した後、同温度下で1時間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液1.9部を滴下することにより、ジアゾ反応液を得た。一方、水100部に、1−(2−ヒドロキシベンゾイル)アミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸7.5部を加え、8%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.0に調整して溶液を得た。得られた液の反応温度を25℃、またpHを8%水酸化ナトリウム水溶液で8.0に保持しながら、70分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。滴下終了後、さらに40分間反応した後、反応液の液量が180mlとなるように水を加えた。得られた液に塩化ナトリウム30.6部を加えて析出した固体を濾過分取してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水50部に溶解し、イソプロパノール400部を加えて析出した固体を濾過分取し、乾燥することにより、下記式(102)で表される化合物の赤色固体9.5部をナトリウム塩として得た。λmax:512nm。
Figure 2012021038
Figure 2012021038
[実施例2]水50.4部に前記式(101)で表される化合物15.5部を加えて溶液とした。この液に35%塩酸6.2部を加え、氷浴で10℃以下に冷却した。得られた液に39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液3.8部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下した後、同温度下で20分間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液3.9部を滴下することにより、ジアゾ反応液を得た。一方、水80部に1−(4−メチルフェニルスルホニル)アミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸22.8部を加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH5.2に調整して溶液を得た。得られた液の反応温度を25℃、またpHを15%炭酸ナトリウム水溶液で8.0に保持しながら、先に得たジアゾ反応液をこの液に5分間で滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、反応液の液量が200mlとなるように水を加えた。得られた液に塩化ナトリウム20.0部を加えて析出した固体を濾過分取してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水50部に溶解し、イソプロパノール400部を加えて析出した固体を濾過分取し、乾燥することにより下記式(103)で表される化合物の赤色固体24.5部をナトリウム塩として得た。λmax:542nm。
Figure 2012021038
[実施例3]
(工程1)
温水500mlにブロマミン酸63.0部、アセチルメタミン33.8部、炭酸水素ナトリウム44.1部を加え攪拌し、さらに、銅粉1.5部、リパールRTMOH(ライオン株式会社製の界面活性剤)0.3部、水3.0部の分散液を加えて75−80℃で1時間30分間反応した。析出した結晶を濾過分取し、水50部で洗浄することにより、下記式(7)の化合物を含む青色ウェットケーキ140.0部を得た。
Figure 2012021038
(工程2)
グルコース32.4部を水98.0部に加え、グルコースの水溶液を調製した。
一方、前記式(7)で表される化合物のウェットケーキを温水500部に溶解し、25%水酸化ナトリウム水溶液75.0部を加え75℃で15分間攪拌した。この液に、75−80℃の反応温度で先に調製したグルコースの水溶液を15分かけて滴下し、同温度で4時間反応させた。反応液から析出した固体を濾過分取し、温水400部で洗浄、乾燥することにより下記式(8)の化合物の青色固体55.7部を得た。
Figure 2012021038
(工程3)
キシレン150.0部に前記式(8)の化合物55.7部、ベンゾイル酢酸エチル72.0部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)0.3部を加え、143℃に加熱して4時間反応させた。反応液を50℃に冷却し、メタノール150mlを滴下して析出した固体を濾過分趣、乾燥することにより、下記式(9)の化合物の赤色固体50.0部を得た。
Figure 2012021038
(工程4)
硫酸148.6部と30.5%発煙硫酸201.4部から調製した発煙硫酸に、前記式(9)の化合物50.0部を加え、90−95℃に加熱して3時間反応させた。反応液を50℃に冷却した後、この液を氷水1400部に滴下した。この液の温度を65℃に加熱し、塩化ナトリウム210.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、20%食塩水200.0部で洗浄した。得られた固体をメタノール1000ミリリットルに懸濁し、65℃で1時間攪拌した後、固体を濾過分取し乾燥することにより、下記式(104)の化合物の赤色固体57.0部を得た。
Figure 2012021038
(工程5)水15.0部に前記式(104)で表される化合物3.7部を加えて溶液とした。この液に35%塩酸水溶液1.6部を加え、氷浴で10℃以下に冷却した。得られた液に39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.0部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下した後、同温度下で1時間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液1.0部を滴下することにより、ジアゾ反応液を得た。一方、水50部に、1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸3.7部を加え、15%炭酸ナトリウム水溶液でpH8.2に調整して溶液を得た。得られた液の反応温度を25℃、またpHを8%水酸化ナトリウム水溶液で8.0に保持しながら、30分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。滴下終了後、さらに2時間反応した後、反応液の液量が120mlとなるように水を加えた。得られた液に8%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.2とし、塩化ナトリウム24.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水20部に溶解し、イソプロパノール250部を加えて析出した固体を濾過分取し、乾燥することにより下記式(105)で表される化合物の赤色固体5.0部をナトリウム塩として得た。λmax:549nm。
Figure 2012021038
[実施例4]水100.0部に下記式(106)で表される化合物のウェットケーキ18.8部を懸濁させた。この液に35%塩酸水溶液30.0部を加え、氷浴で10℃以下に冷却し、20分攪拌した。得られた液に39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.7部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下した後、同温度下で2時間30分攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液2.0部を滴下することにより、ジアゾ反応液を得た。一方、水100部に、7−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸4.8部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整して溶液を得た。得られた液に35%塩酸水溶液を加えてpH4.0とし、反応温度を25℃、またpHを10%水酸化ナトリウム水溶液で3.0−4.0に保持しながら、30分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。得られた液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5.0に調整し、さらに2時間反応した後、反応液の液量が500mlとなるように水を加えた。得られた液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7.0とし、塩化ナトリウム50.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキをメタノール200部に加え、30分間攪拌することにより懸濁精製し、固体を濾過分取、乾燥することにより下記式(107)で表される化合物の赤色固体4.8部をナトリウム塩として得た。λmax:520nm。
Figure 2012021038
Figure 2012021038
[実施例5]水50.0部に前記式(106)で表される化合物のウェットケーキ18.0部を懸濁させた。この液に35%塩酸水溶液10.0部を加えて15分攪拌した。得られた液に氷50.0部を加え、39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.8部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下し、同温度下で2時間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液2.0部を滴下することにより、ジアゾ反応液を得た。一方、水100部に1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸8.8部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH10.0に調整して溶液を得た。得られた液の反応温度を25℃、またpHを10%水酸化ナトリウム水溶液で7.0−9.0に保持しながら、10分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。得られた液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH8.5に調整し、30分反応させた後、pH9.5に調整してさらに30分反応させた。得られた反応液の液量が450mlとなるように水を加え、塩化ナトリウム45.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキをメタノール200部に加え、30分間攪拌することにより懸濁精製し、固体を濾過分取、乾燥することにより下記式(108)で表される化合物の赤色固体6.0部をナトリウム塩として得た。λmax:518nm。
Figure 2012021038
[実施例6]氷水100.0部に前記式(106)で表される化合物のウェットケーキ18.0部を懸濁させた。この液に35%塩酸水溶液20.0部を加え、15分攪拌した。得られた液に氷50.0部を加え、39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.8部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下し、同温度下で1時間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液2.0部を滴下することによりジアゾ反応液を得た。一方、水100部に1−(4−メチルフェニルスルホニル)アミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸13.8部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整して溶液を得た。得られた液に、氷を適宜加えて反応温度を10−15℃、またpHを10%水酸化ナトリウム水溶液で7.0−10.0に保持しながら、20分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。得られた液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整し、2時間反応させた後、反応液の液量が400mlとなるように水を加えた。得られた液に析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキをメタノール200部に加え、30分間攪拌して懸濁精製し、固体を濾過分取、乾燥することにより下記式(109)で表される化合物の赤色固体5.3部をナトリウム塩として得た。λmax:523nm。
Figure 2012021038
[実施例7]水50.0部に前記式(106)で表される化合物のウェットケーキ18.0部を懸濁させた。この液に35%塩酸水溶液10.0部を加え、15分攪拌した。得られた液に氷50.0部を加え、39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.8部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下し、同温度下で2時間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液2.0部を滴下することによりジアゾ反応液を得た。一方、水100部に8−ベンゾイルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3,5−ジスルホン酸8.8部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整して溶液を得た。得られた液に、氷を適宜加えて反応温度を8−12℃、またpHを10%水酸化ナトリウム水溶液で7.0−8.0に保持しながら、15分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。得られた液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7.5に調整し、30分反応させた後、pH10.0に調整してさらに30分反応させた。得られた反応液の液量が400mlとなるように水を加え、塩化ナトリウム60.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキをメタノール200部に加え、30分間攪拌して懸濁精製し、固体を濾過分取、乾燥することにより下記式(110)で表される化合物の赤色固体9.0部をナトリウム塩として得た。λmax:514nm。
Figure 2012021038
[実施例8]水50.0部に前記式(106)で表される化合物のウェットケーキ18.0部を懸濁させた。この液に35%塩酸水溶液10.0部を加えて15分攪拌した。得られた液に氷50.0部を加え、39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.8部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下し、同温度下で2時間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液2.0部を滴下することによりジアゾ反応液を得た。一方、水100部に7−メチルアミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸3.7部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整して溶液を得た。得られた液に35%塩酸水溶液を加えてpH5.0に調整し、氷を適宜加えて反応温度を8−15℃、またpHを10%水酸化ナトリウム水溶液で3.0−4.0に保持しながら、20分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。得られた液を室温で一晩反応させた。得られた液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10.0に調整した後、反応液の液量が450mlとなるように水を加え、塩化ナトリウム70.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキをメタノール200部に加え、30分間攪拌して懸濁精製し、固体を濾過分取、乾燥することにより下記式(111)で表される化合物の赤色固体7.2部をナトリウム塩として得た。λmax:526nm。
Figure 2012021038
[実施例9]水50.0部に前記式(106)で表される化合物のウェットケーキ18.0部を懸濁させた。この液に35%塩酸水溶液10.0部を加えて15分攪拌した。得られた液に氷50.0部を加え、39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.8部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下し、同温度下で2時間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液2.0部を滴下することによりジアゾ反応液を得た。一方、水100部に6−アセチルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸4.6部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH10.0に調整して溶液を得た。得られた液に、氷を適宜加えて反応温度を8−15℃、またpHを10%水酸化ナトリウム水溶液で7.0−9.0に保持しながら、15分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。得られた液を室温で15時間反応させた。得られた液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0に調整した後、反応液の液量が400mlとなるように水を加え、塩化ナトリウム60.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキをメタノール200部に加えて30分間攪拌して懸濁精製し、固体を濾過分取、乾燥することにより下記式(112)で表される化合物の赤色固体7.5部をナトリウム塩として得た。λmax:510nm。
Figure 2012021038
[実施例10]水100.0部に前記式(101)で表される化合物のウェットケーキ28.6部を加え、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10.0に調整して溶液とした。この液に35%塩酸水溶液10.0部を加えて15分攪拌した。得られた液に氷50.0部を加え、39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.9部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下し、同温度下で1時間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液2.0部を滴下することによりジアゾ反応液を得た。一方、水100部中に7−アミノ−1−ヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸2.5部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.0に調整して溶液を得た。得られた液に、氷を適宜加えて反応温度を10−15℃、またpHを10%水酸化ナトリウム水溶液で3.0に保持しながら、20分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。得られた液を30分間反応させた後、反応液の液量が400mlとなるように水を加え、塩化ナトリウム60.0部を加えて析出固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを15%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥することにより下記式(113)で表される化合物の赤色固体8.9部をナトリウム塩として得た。λmax:544nm。
Figure 2012021038
[実施例11]水150.0部に前記式(101)で表される化合物のウェットケーキ28.6部を加え、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10.0に調整して溶液とした。この液に35%塩酸水溶液10.0部を加え、15分攪拌した。得られた液に氷50.0部を加え、39.7%亜硝酸ナトリウム水溶液1.9部を10℃以下の温度を保持するようにゆっくりと滴下し、同温度下で1時間攪拌し、同温度下で10%スルファミン酸水溶液2.0部を滴下することによりジアゾ反応液を得た。一方、水100部に1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸7.8部を加え、10%水酸化ナトリウム水溶液でpH10.0に調整して溶液を得た。得られた液に、氷を適宜加えて反応温度を3−8℃、またpHを10%水酸化ナトリウム水溶液で8.0に保持しながら、30分間で先に得たジアゾ反応液をこの液に滴下した。得られた液を1時間反応させた後、反応液の液量が500mlとなるように水を加え、塩化ナトリウム75.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを15%塩化ナトリウム水溶液50部で洗浄し、乾燥することにより下記式(114)で表される化合物の赤色固体8.2部をナトリウム塩として得た。λmax:549nm。
Figure 2012021038
[実施例12乃至19]
(A)インクの調製 上記実施例1で得られた式(102)で表される色素及び各種のインク調製剤等を、下記表2に示した組成比で混合して本発明のインク組成物を得た。得られたインク組成物を0.45μmのメンブランフィルターで濾過することにより夾雑物を除き、試験用のインクを得た。インクの調製に用いた水としてはイオン交換水を使用し、またインク組成物のpHがおよそ9.0となるようにアンモニア水で調整後、総量が100部になるように水を加えた。このインクの調製を実施例12とする。また、実施例1で得られた色素の代わりに、実施例3乃至6、及び実施例8乃至10でそれぞれ得た色素を用いる以外は実施例12と同様にして、試験用のインクをそれぞれ調製した。これらのインクの調製を、それぞれ実施例13乃至16、及び実施例17乃至19とする。なお、下記表6中、「界面活性剤」は、日信化学社製、商品名サーフィノールRTM104PG50を使用した。
Figure 2012021038
[比較例1]
実施例1で得られた色素のかわりに、特許文献16の実施例1を追試することにより得られた下記式(115)の化合物を用いる以外は実施例2と同様にして、比較用のインクを調製した。これを比較例1とする。
Figure 2012021038
(B)インクジェット記録 インクジェットプリンタ(キヤノン社製、商品名PIXUSRTMip4100)を用いて、下記する3種類の普通紙にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調で得られるように画像パターンを作成し、マゼンタ色のグラデーションを有する記録物を得た。この記録物を24時間乾燥したものを試験片として用い、評価試験を行った。 耐水性試験の色素残存率測定は、各試験片における試験前の反射濃度D値が1に最も近い部分について反射濃度を測定した。反射濃度は測色システム(GretagMacbeth社製、商品名SpectroEye)を用いて測定した。測定の際の設定は、内蔵フィルター:No、白色基準:Abs、濃度基準:DINである。なお、視野角は2度とした。
普通紙1:キヤノン社製、商品名PB PAPER GF−500。普通紙2:Hewlett Packard社製、商品名Multipurpose Paper。普通紙3:Hewlett Packard社製、商品名All−in−One Printing Paper。
(C)耐水性試験(ふき取り試験)各試験片にイオン交換水を一滴落とし、1分後にふき取った。乾燥後、反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求めた。結果を下記表7に示す。
Figure 2012021038
各実施例の色素残存率は、普通紙1〜3すべてにおいて、比較例1よりも高く、耐水性が良好である結果が得られた。また、各実施例の中では、R11が水素原子である色素の方が、より一層、耐水性に優れる傾向にあることが判明した。従って、本発明の色素、及びこれを含有するインク組成物は、耐水性に優れる記録物を与えることが確認された。
前記式(1)で表される色素、及びこれを含有するインク組成物は各種の記録用、特にインクジェット記録用として極めて好適である。

Claims (17)

  1. 下記式(1)で表されるマゼンタ色素又はその塩、
    Figure 2012021038
    [式(1)中、
    11は、水素原子;シアノ基;C1−C12アルキル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基;フェニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基;ベンゾイル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基;複素芳香環基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基;複素芳香環カルボニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環カルボニル基;C1−C12アルコキシカルボニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基;又は置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェノキシカルボニル基;C1−C12アルキルカルボニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルカルボニル基;を表し、
    12は、水素原子;C1−C12アルキル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基;フェニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基;複素芳香環基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基;を表し、
    13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;C1−C12アルキル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキル基;C1−C12アルコキシ基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルコキシ基;フェニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基;複素芳香環基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基;ヒドロキシ基;メルカプト基;C1−C12アルキルチオ基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルチオ基;フェニルチオ基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルチオ基;ニトロ基;アミノ基;C1−C8アルキルスルホニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C8アルキルスルホニル基;カルバモイル基;C1−C12アルキルアミノカルボニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルアミノカルボニル基;フェニルアミノカルボニル基;カルボキシ基を有するフェニルアミノカルボニル基;スルファモイル基;C1−C12アルキルアミノスルホニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するC1−C12アルキルアミノスルホニル基;フェニルアミノスルホニル基;又は、カルボキシ基を有するフェニルスルホニルアミノ基;を表し、
    基Bは、置換基としてヒドロキシ基を少なくとも1つ有するナフチル基;複素芳香環基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基、アミノ基、C1−C4アルキルアミノ基、スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニルアミノ基、及び、スルホ基及びC1−C4アルキル基を有するフェニル基とスルホ基を有する複素芳香環基との両者を有するアミノ基、よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有する複素芳香環基;を表す。]。
  2. 基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ又は2つ有し、さらに置換基として、スルホ基、カルボキシ基、及び下記式(6)で表される基よりなる群から選択される1乃至3つの基を有するナフチル基である請求項1に記載のマゼンタ色素又はその塩、
    Figure 2012021038
    [式(6)中、
    21は、水素原子;C1−C12アルキル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、及びフェニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するアルキル基;フェニル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニル基;ベンゾイル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;フェニルスルホニル基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルスルホニル基;を表し、
    22は、水素原子又はC1−C12アルキル基を表す。]。
  3. 11が、水素原子又はスルホ基を有するベンゾイル基であり、
    12が、水素原子又はC1−C12アルキル基であり、
    13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子又はスルホ基であり、
    基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、スルホ基及び下記式(6)で表される基を有するナフチル基である請求項2に記載のマゼンタ色素又はその塩、
    Figure 2012021038
    [式(6)中、R21及びR22は、請求項2に記載のものと同じ意味を表す。]。
  4. 11が、水素原子又はスルホ基を有するベンゾイル基であり、
    12が、水素原子又はC1−C12アルキル基であり、
    13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子又はスルホ基であり、
    基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、スルホ基及び式(6)で表される基を有するナフチル基であり、
    該式(6)中のR21が、水素原子;C1−C12アルキル基;ベンゾイル基;置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;フェニルスルホニル基;又は、置換基として、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、フェニル基、C1−C8アルキルスルホニル基、スルホC1−C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、カルボキシフェニルアミノスルホニル基、スルホC1−C4アルキルアミノスルホニル基、スルホフェニルアミノスルホニル基、及びカルボキシC1−C4アルキルアミノスルホニル基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基を有するフェニルスルホニル基;であり、
    該式(6)中のR22が、水素原子又はC1−C12アルキル基である、
    請求項2又は3に記載のマゼンタ色素又はその塩。
  5. 11が、水素原子又はスルホ基を有するベンゾイル基であり、
    12が、水素原子又はC1−C12アルキル基であり、
    13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子又はスルホ基であり、
    基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、スルホ基及び式(6)で表される基;を有するナフチル基であり、
    該式(6)中のR21が、C1−C12アルキル基;ベンゾイル基;ヒドロキシ基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;又は、C1−C4アルキル基を有するフェニルスルホニル基;であり、
    該式(6)中のR22が、水素原子又はC1−C12アルキル基である、
    請求項2乃至4のいずれか一項に記載のマゼンタ色素又はその塩、
  6. 11が、水素原子又はスルホ基を有するベンゾイル基であり、
    12が、水素原子又はC1−C12アルキル基であり、
    13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子又はスルホ基であり、
    基Bが、置換基としてヒドロキシ基を1つ有し、さらに置換基として、1つ又は2つのスルホ基及び1つの式(6)で表される基を有するナフチル基であり、
    該式(6)中のR21が、C1−C12アルキル基;ベンゾイル基;ヒドロキシ基を有するベンゾイル基;C1−C12アルキルカルボニル基;又は、C1−C4アルキル基を有するフェニルスルホニル基;であり、
    該式(6)中のR22が水素原子である、
    請求項2乃至5のいずれか一項に記載のマゼンタ色素又はその塩。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のマゼンタ色素又はその塩を含有するインク組成物。
  8. 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項7に記載のインク組成物。
  9. インク組成物中に含有されるマゼンタ色素又はその塩の総質量に対して、該色素又はその塩の総質量中に含有される無機不純物の含有量が1質量%以下である、請求項7又は8に記載のインク組成物。
  10. インク組成物中に含有されるマゼンタ色素又はその塩の含有量が、インク組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%である請求項7乃至9のいずれか一項に記載のインク組成物。
  11. インクジェット記録に用いる請求項7乃至10のいずれか一項に記載のインク組成物。
  12. 請求項7乃至11のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  13. 被記録材が情報伝達用シートである請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受容層を有するシートである請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 請求項7乃至11のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体。
  16. 請求項12に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体。
  17. 請求項7乃至11のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
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