JP2010150337A - インク組成物及び着色体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、特定の式で表される少なくとも2種類の化合物又はその塩の両者を含有する、鮮明性の高い記録画像を与えるインク組成物、特にはマゼンタインク組成物、該インク組成物を用いる記録方法、及び該インク組成物により着色された着色体に関する。
各種カラー記録方法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンターによる記録方法、すなわちインクジェット記録方法は、インクの吐出方式が各種開発されているが、いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材、例えば、紙、フィルム、布帛等に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材とが直接接触しない為、音の発生がなく静かである。また小型化、高速化、カラー化が容易という特長の為、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用インクとしては、色素として水溶性の染料を水性媒体に溶解したインクが使用されている。これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく、一般に水溶性の有機溶剤が添加されている。これらのインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また形成される記録画像には、耐水性、耐湿性、耐光性、及び耐ガス性等の各種堅牢度が求められている。
また水、溶剤や添加剤に対する高い溶解性も色素に求められる性質のひとつである。
また水、溶剤や添加剤に対する高い溶解性も色素に求められる性質のひとつである。
ところで、コンピューターのカラーディスプレー上の画像又は文字情報をインクジェットプリンターによりカラーで記録するには、一般にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクによる減法混色が用いられ、これにより記録画像がカラーで表現される。CRT(ブラウン管)ディスプレー等におけるレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)による加法混色画像を、減法混色画像で出来るだけ忠実に再現するには、インクに使用される各色素、中でもY、M、Cのそれぞれが、標準に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれる。又、インクは長期の保存に対して安定であり、また前記のようにプリントした画像の濃度が高く、しかも印刷画像の堅牢度に優れている事が求められる。
近年のインクジェット記録技術の発達により、記録(印刷)スピードの向上がめざましく、オフィス環境での主用途である普通紙へのドキュメントの印刷に、電子トナーを用いたレーザープリンターと同じ様に、インクジェットプリンターを用いる動きが出ている。インクジェットプリンターは、記録紙の種類を選ばない、機械の価格が比較的安い、という利点があり、特にSOHO等の小〜中規模オフィス環境で普及が進んでいる。このように普通紙への記録にインクジェットプリンターを使用する場合、記録物に求められる各種の品質の中でも、色相や耐水性がより重視される傾向がある。
普通紙上での耐水性向上という問題に対しては古くから多くの提案がなされている。耐水性に優れ、色相や耐光性などの改良を行ったインクジェット用の色素としては、例えば特許文献1乃至11に開示されたアントラピリドン系マゼンタ色素が知られている。
例えば、特許文献1には耐水性及び/又は耐湿性に優れたマゼンタ色素が開示されている。しかし、普通紙に記録した場合の、鮮明性については市場の要求を十分に満たしているとはいえず、より多くの種類の普通紙上で一様に優れた鮮明性を有する記録画像を与えるインク組成物が求められていた。
例えば、特許文献1には耐水性及び/又は耐湿性に優れたマゼンタ色素が開示されている。しかし、普通紙に記録した場合の、鮮明性については市場の要求を十分に満たしているとはいえず、より多くの種類の普通紙上で一様に優れた鮮明性を有する記録画像を与えるインク組成物が求められていた。
本発明は水又は水溶性有機溶剤に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性、特に、普通紙を用いた場合に鮮明性に優れた記録画像を与えるインク組成物、特にはマゼンタインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、下記式(1)で表される化合物又はその塩と、下記式(101)で表される化合物又はその塩の両者を色素として含有する、いわゆる2種類の色素の配合インク組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は、
1)
少なくとも一種の下記式(1)で表される化合物又はその塩、及び少なくとも一種の下記式(101)で表される化合物又はその塩の両者を、色素として含有するインク組成物、
即ち、本発明は、
1)
少なくとも一種の下記式(1)で表される化合物又はその塩、及び少なくとも一種の下記式(101)で表される化合物又はその塩の両者を、色素として含有するインク組成物、
[式(1)中、
R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表し、
R2及びR3はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基;アルコキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びC1−C4アルキルメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;非置換フェノキシ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ジ(C1−C4アルキル)アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びC1−C4アルキルメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;非置換アラルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基;を表す。]、
R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表し、
R2及びR3はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基;アルコキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びC1−C4アルキルメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;非置換フェノキシ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ジ(C1−C4アルキル)アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びC1−C4アルキルメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;非置換アラルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基;を表す。]、
[式(101)中、
nは1乃至11の整数、
R11はスルホ基又はカルボキシ基を表し、
R22及びR33はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;非置換C1−C4アルキル基;非置換C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基又はカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;を表す。]、
nは1乃至11の整数、
R11はスルホ基又はカルボキシ基を表し、
R22及びR33はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;非置換C1−C4アルキル基;非置換C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基又はカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;を表す。]、
2)
インク組成物中に含有する色素の総質量が、該インク組成物の総質量に対して、0.5〜20質量%である上記1)に記載のインク組成物、
3)
インク組成物中に含有する、式(1)で表される化合物又はその塩の総質量と、式(101)で表される化合物又はその塩の総質量との質量比が、1/9から9/1である上記1)又は2)に記載のインク組成物、
4)
インク組成物中に含有する、式(1)で表される化合物又はその塩の総質量と、式(101)で表される化合物又はその塩の総質量との質量比が、1/5から5/1である上記1)乃至3)に記載のインク組成物、
5)
少なくとも一種の式(1)で表される化合物又はその塩、及び少なくとも一種の式(101)で表される化合物又はその塩の両者が、インク組成物中に含有する色素の全てである上記1)乃至4)に記載のインク組成物、
6)
水溶性有機溶剤をさらに含有する上記1)乃至5)のいずれか一項に記載のインク組成物、
7)
インクジェット記録用である上記1)乃至6)のいずれか一項に記載のインク組成物、
8)
インク組成物中に含有する色素の総質量中における無機不純物の含有量が、該色素の総質量に対して、1質量%以下である上記1)乃至7)のいずれか一項に記載のインク組成物、
9)
上記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法、
10)
被記録材が情報伝達用シートである上記9)に記載のインクジェット記録方法、
11)
情報伝達用シートが普通紙又は多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである上記10)に記載のインクジェット記録方法、
12)
上記1)乃至7)のいずれか1項に記載のインク組成物により着色された着色体、
13)
着色がインクジェットプリンターによりなされた上記12)に記載の着色体、
14)
上記1)乃至7)のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンター、
15)
式(1)において、
R1が水素原子又はC1−C6アルキル基、
R2及びR3がそれぞれ独立に、非置換アニリノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシ基で置換されたアニリノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;である上記1)に記載のインク組成物、
16)
式(1)において、
R1が水素原子又はC1−C6アルキル基であり、
R2が非置換アニリノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシ基で置換されたアニリノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、
R3がヒドロキシ基である、上記1)に記載のインク組成物、
17)
式(1)において、
R1がC1−C6アルキル基であり、
R2がカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、
R3がヒドロキシ基である、上記1)に記載のインク組成物、
18)
式(101)において、
nが1乃至11の整数、
R11がスルホ基又はカルボキシ基であり、
R22及びR33のいずれか一方が水素原子;塩素原子;非置換C1−C4アルキル基;非置換C1−C4アルコキシ基;又はカルボキシ基;であり、他方がスルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;である、上記1)に記載のインク組成物、
19)
式(101)において、
nが1乃至11の整数、
R11がスルホ基、
R22が水素原子、
R33がスルホ基である、上記1)に記載のインク組成物、
組成物。
20)
式(101)で表される化合物又はその塩が、下記式(102)で表される化合物又はその塩である上記1)に記載のインク組成物、
インク組成物中に含有する色素の総質量が、該インク組成物の総質量に対して、0.5〜20質量%である上記1)に記載のインク組成物、
3)
インク組成物中に含有する、式(1)で表される化合物又はその塩の総質量と、式(101)で表される化合物又はその塩の総質量との質量比が、1/9から9/1である上記1)又は2)に記載のインク組成物、
4)
インク組成物中に含有する、式(1)で表される化合物又はその塩の総質量と、式(101)で表される化合物又はその塩の総質量との質量比が、1/5から5/1である上記1)乃至3)に記載のインク組成物、
5)
少なくとも一種の式(1)で表される化合物又はその塩、及び少なくとも一種の式(101)で表される化合物又はその塩の両者が、インク組成物中に含有する色素の全てである上記1)乃至4)に記載のインク組成物、
6)
水溶性有機溶剤をさらに含有する上記1)乃至5)のいずれか一項に記載のインク組成物、
7)
インクジェット記録用である上記1)乃至6)のいずれか一項に記載のインク組成物、
8)
インク組成物中に含有する色素の総質量中における無機不純物の含有量が、該色素の総質量に対して、1質量%以下である上記1)乃至7)のいずれか一項に記載のインク組成物、
9)
上記1)乃至8)のいずれか一項に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法、
10)
被記録材が情報伝達用シートである上記9)に記載のインクジェット記録方法、
11)
情報伝達用シートが普通紙又は多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである上記10)に記載のインクジェット記録方法、
12)
上記1)乃至7)のいずれか1項に記載のインク組成物により着色された着色体、
13)
着色がインクジェットプリンターによりなされた上記12)に記載の着色体、
14)
上記1)乃至7)のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンター、
15)
式(1)において、
R1が水素原子又はC1−C6アルキル基、
R2及びR3がそれぞれ独立に、非置換アニリノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシ基で置換されたアニリノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;である上記1)に記載のインク組成物、
16)
式(1)において、
R1が水素原子又はC1−C6アルキル基であり、
R2が非置換アニリノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシ基で置換されたアニリノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、
R3がヒドロキシ基である、上記1)に記載のインク組成物、
17)
式(1)において、
R1がC1−C6アルキル基であり、
R2がカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、
R3がヒドロキシ基である、上記1)に記載のインク組成物、
18)
式(101)において、
nが1乃至11の整数、
R11がスルホ基又はカルボキシ基であり、
R22及びR33のいずれか一方が水素原子;塩素原子;非置換C1−C4アルキル基;非置換C1−C4アルコキシ基;又はカルボキシ基;であり、他方がスルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;である、上記1)に記載のインク組成物、
19)
式(101)において、
nが1乃至11の整数、
R11がスルホ基、
R22が水素原子、
R33がスルホ基である、上記1)に記載のインク組成物、
組成物。
20)
式(101)で表される化合物又はその塩が、下記式(102)で表される化合物又はその塩である上記1)に記載のインク組成物、
[式(102)中、nは式(101)におけるのと同じ意味を表す。]。
21)
式(1)において、
R1がC1−C6アルキル基、
R2がカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、
R3がヒドロキシ基であり、
且つ、
式(101)で表される化合物又はその塩が、式(102)で表される化合物又はその塩である、上記1)又は20)に記載のインク組成物、
に関する。
21)
式(1)において、
R1がC1−C6アルキル基、
R2がカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、
R3がヒドロキシ基であり、
且つ、
式(101)で表される化合物又はその塩が、式(102)で表される化合物又はその塩である、上記1)又は20)に記載のインク組成物、
に関する。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録においてマゼンタの色相の画像を与え、マゼンタインクとして使用できる。また、本発明のインク組成物に含有される前記式(1)及び式(101)で表される化合物又はその塩は、水や水溶性有機溶剤に対する溶解性に優れる。このため、インク組成物を製造する過程での、例えばメンブランフィルターに対するろ過性が良好という特徴を有する。また、前記式(1)又は式(101)で表されるそれぞれの色素を単独で使用した場合と比較して、これらを併用することにより、特に普通紙上で非常に鮮明性の高いマゼンタの色相を与える。従って、オフィスやビジネス用途等、特に普通紙を多用する場合のマゼンタインクとして、本発明のインク組成物は極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。尚、本明細書においては特に断りがない限り、スルホン酸基及びカルボキシ基などの酸性官能基は遊離酸の形で表す。また、本発明のインク組成物に少なくとも1種ずつ含有する前記式(1)及び式(101)で表される化合物又はその塩は、煩雑さを避けるため、「化合物又はその塩」の両者を含めて、以下「化合物」と簡略して記載する。
本発明のインク組成物は、マゼンタインク、特にインクジェット記録に用いるマゼンタインクとして好適であり、少なくとも一種の前記式(1)で表される化合物、及び少なくとも一種の前記式(101)で表される化合物の両者を、色素として含有するものである。
式(1)で表される化合物、又は式(101)で表される化合物をそれぞれ単独で含有するインク組成物と比較して、これらの両者を含有すると鮮明性が格段に向上するため、本発明のインク組成物には少なくとも一種ずつ、両者を含有することが必要である。
従って、式(1)で表される化合物、及び式(101)で表される化合物は、それぞれ単一の化合物として併用しても良いし、いずれか一方が単一、他方が複数である混合物として併用しても良いし、それぞれが複数である混合物として含有しても良い。好ましくは、それぞれ単一の式(1)で表される化合物、及び式(101)で表される化合物の2化合物を、併用して含有するのが良い。
式(1)で表される化合物、又は式(101)で表される化合物をそれぞれ単独で含有するインク組成物と比較して、これらの両者を含有すると鮮明性が格段に向上するため、本発明のインク組成物には少なくとも一種ずつ、両者を含有することが必要である。
従って、式(1)で表される化合物、及び式(101)で表される化合物は、それぞれ単一の化合物として併用しても良いし、いずれか一方が単一、他方が複数である混合物として併用しても良いし、それぞれが複数である混合物として含有しても良い。好ましくは、それぞれ単一の式(1)で表される化合物、及び式(101)で表される化合物の2化合物を、併用して含有するのが良い。
本発明のインク組成物中に含有する色素の総質量は、該インク組成物の総質量に対して、通常0.5〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1.5〜6質量%、更に好ましくは3〜6質量%含有するのが良い。
後記するように、マゼンタ色相の微調整等を目的として、本発明のインク組成物中に、本発明により得られる効果を阻害しない範囲で、更に公知の色素を含有しても良いが、本発明のインク組成物中に含有する色素としては、色素の全てが実質的に前記式(1)及び式(101)で表される化合物であるのが好ましい。
後記するように、マゼンタ色相の微調整等を目的として、本発明のインク組成物中に、本発明により得られる効果を阻害しない範囲で、更に公知の色素を含有しても良いが、本発明のインク組成物中に含有する色素としては、色素の全てが実質的に前記式(1)及び式(101)で表される化合物であるのが好ましい。
本発明のインク組成物中に含有する、式(1)で表される化合物の総質量と、式(101)で表される化合物の総質量との質量比は、通常1/9から9/1、好ましくは1/5から5/1、より好ましくは1/3から3/1である。
本発明のインク組成物に、色素として少なくとも1種含有する一方の化合物又はその塩は、前記式(1)で表される。
式(1)中、R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表す。
本明細書において、
式(1)中、R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表す。
本明細書において、
R1におけるアルキル基としては通常C1−C6、好ましくはC1−C4、より好ましくはC1−C3の直鎖又は分岐鎖アルキル基が挙げられ、直鎖がより好ましい。その具体例としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、2−メチルブチル、t−ペンチル、イソヘキシル等の分岐鎖のものが挙げられる。
R1におけるヒドロキシ低級アルキル基としては、ヒドロキシC1−C8アルキル基、好ましくはヒドロキシC1−C6アルキル基、より好ましくはヒドロキシC1−C4アルキル基が挙げられ、該アルキル部分は直鎖が好ましい。具体例としては、例えばヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル等が挙げられる。
R1におけるモノアルキルアミノアルキル基としては、通常モノ−又はジ−(C1−C8)アルキルアミノ(C1−C8)アルキル基、好ましくはモノ−又はジ−(C1−C6)アルキルアミノ(C1−C6)アルキル基、より好ましくはモノ−又はジ−(C1−C4)アルキルアミノ(C1−C4)アルキル基が挙げられる。該アルキル部分は直鎖又は分岐鎖のいずれでもよいが、直鎖のものがより好ましい。具体例としては、例えばメチルアミノプロピル、エチルアミノプロピル等があげられ、ジアルキルアミノアルキル基としては、例えばジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
R1におけるシアノ低級アルキル基としては、通常シアノC1−C8アルキル基、好ましくはシアノC1−C6アルキル基、より好ましくはシアノC1−C4アルキル基が挙げられる。該アルキル部分は直鎖又は分岐鎖のいずれでもよいが、直鎖のものがより好ましい。具体例としては、シアノエチル、シアノプロピル、シアノブチル、シアノペンチル、シアノヘキシル、シアノヘプチル、シアノオクチル等が挙げられる。
好ましいR1としては水素原子、又は低級アルキル基が挙げられ、低級アルキル基が好ましく、中でもメチル基がより好ましい。
前記式(1)中、R2及びR3におけるアルコキシ基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖が好ましい。炭素数の範囲は、通常C1−C6、好ましくはC1−C4のアルコキシ基が挙げられる。
具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチロキシ、n−ヘキシロキシ等の直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、イソアミロキシ、イソヘキシロキシ等の分岐鎖のものが挙げられる。
具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチロキシ、n−ヘキシロキシ等の直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、イソアミロキシ、イソヘキシロキシ等の分岐鎖のものが挙げられる。
R2及びR3における、スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びC1−C4アルキルメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基としては、該置換基の数は通常1〜4、好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
その具体例としては、例えば2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ、2,5−ジスルホアニリノ等のスルホ置換のもの;2−カルボキシアニリノ、3−カルボキシアニリノ、4−カルボキシアニリノ、3,5-ジカルボキシアニリノ等のカルボキシ置換のもの;4−メトキシアニリノ等のC1−C4アルコキシ置換のもの;2−カルバモイルアニリノ、3−カルバモイルアニリノ等のカルバモイル置換のもの;4−シアノアニリノ等のシアノ置換のもの;4−ブチルアニリノ等のC1−C4アルキル置換のもの;4−アニリノ−3−スルホアニリノ等のアニリノ及びスルホ置換のもの;4−フェノキシアニリノ等のフェノキシ置換のもの;4−アミノアニリノ等のアミノ置換のもの;2−ヒドロキシアニリノ、3−ヒドロキシアニリノ等のヒドロキシ置換のもの;4−メルカプトアニリノ等のメルカプト置換のもの;4−メチルメルカプトアニリノ等のC1−C4アルキルメルカプト置換のもの;等が挙げられる。
該アニリノ基としては、スルホ置換、カルボキシ置換、又は非置換が好ましく、カルボキシ置換又は非置換がより好ましく、非置換がさらに好ましい。
その具体例としては、例えば2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ、2,5−ジスルホアニリノ等のスルホ置換のもの;2−カルボキシアニリノ、3−カルボキシアニリノ、4−カルボキシアニリノ、3,5-ジカルボキシアニリノ等のカルボキシ置換のもの;4−メトキシアニリノ等のC1−C4アルコキシ置換のもの;2−カルバモイルアニリノ、3−カルバモイルアニリノ等のカルバモイル置換のもの;4−シアノアニリノ等のシアノ置換のもの;4−ブチルアニリノ等のC1−C4アルキル置換のもの;4−アニリノ−3−スルホアニリノ等のアニリノ及びスルホ置換のもの;4−フェノキシアニリノ等のフェノキシ置換のもの;4−アミノアニリノ等のアミノ置換のもの;2−ヒドロキシアニリノ、3−ヒドロキシアニリノ等のヒドロキシ置換のもの;4−メルカプトアニリノ等のメルカプト置換のもの;4−メチルメルカプトアニリノ等のC1−C4アルキルメルカプト置換のもの;等が挙げられる。
該アニリノ基としては、スルホ置換、カルボキシ置換、又は非置換が好ましく、カルボキシ置換又は非置換がより好ましく、非置換がさらに好ましい。
R2及びR3がスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ジ(C1−C4アルキル)アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びC1−C4アルキルメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基である場合、該置換基の数は通常1〜4、好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
その具体例としては、例えば2−スルホフェノキシ、3−スルホフェノキシ、4−スルホフェノキシ、2,5−ジスルホフェノキシ等のスルホ置換のもの;2−カルボキシフェノキシ、3−カルボキシフェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3,5-ジカルボキシフェノキシ等のカルボキシ置換のもの;4−メトキシフェノキシ等のアルコキシ置換のもの;2−カルバモイルフェノキシ、3−カルバモイルフェノキシ等のカルバモイル置換のもの;4−シアノフェノキシ等のシアノ置換のもの;4−ブチルフェノキシ等のアルキル置換のもの;4−アニリノ−3−スルホフェノキシ等のアニリノ及びスルホ置換のもの;4−フェノキシフェノキシ等のフェノキシ置換のもの;4−アミノフェノキシ等のアミノ置換のもの;4−ジメチルアミノフェノキシ等のジ(C1−C4アルキル)アミノ置換のもの;2−ヒドロキシフェノキシ、3−ヒドロキシフェノキシ等のヒドロキシ置換のもの;4−メチルメルカプトフェノキシ等のメルカプト置換のもの;等が挙げられる。
該フェノキシ基としては、スルホ置換、カルボキシ置換、又は非置換が好ましく、スルホ置換又はカルボキシ置換より好ましく、カルボキシ置換がさらに好ましい。
その具体例としては、例えば2−スルホフェノキシ、3−スルホフェノキシ、4−スルホフェノキシ、2,5−ジスルホフェノキシ等のスルホ置換のもの;2−カルボキシフェノキシ、3−カルボキシフェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3,5-ジカルボキシフェノキシ等のカルボキシ置換のもの;4−メトキシフェノキシ等のアルコキシ置換のもの;2−カルバモイルフェノキシ、3−カルバモイルフェノキシ等のカルバモイル置換のもの;4−シアノフェノキシ等のシアノ置換のもの;4−ブチルフェノキシ等のアルキル置換のもの;4−アニリノ−3−スルホフェノキシ等のアニリノ及びスルホ置換のもの;4−フェノキシフェノキシ等のフェノキシ置換のもの;4−アミノフェノキシ等のアミノ置換のもの;4−ジメチルアミノフェノキシ等のジ(C1−C4アルキル)アミノ置換のもの;2−ヒドロキシフェノキシ、3−ヒドロキシフェノキシ等のヒドロキシ置換のもの;4−メチルメルカプトフェノキシ等のメルカプト置換のもの;等が挙げられる。
該フェノキシ基としては、スルホ置換、カルボキシ置換、又は非置換が好ましく、スルホ置換又はカルボキシ置換より好ましく、カルボキシ置換がさらに好ましい。
R2及びR3における、非置換アラルキルアミノ基としては、アリール部分が通常C6−C10、好ましくはC6の単環又は縮合環の芳香族基のものが挙げられ、具体例としてはフェニル又はナフチル、好ましくはフェニルが挙げられる。又、アルキル部分は通常C1−C6、好ましくはC1−C4、さらに好ましくはC1−C3のものが挙げられ、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよいが、直鎖がより好ましい。該アラルキルアミノ基としては、フェニルC1−C4アルキルアミノ基が特に好ましい。
非置換アラルキルアミノ基の具体例としては、ベンジルアミノ、2−フェネチルアミノ、フェニルプロピルアミノ等のアルキル部分が直鎖かつ非置換のもの;1−フェネチルアミノ等のアルキル部分が分岐鎖かつ非置換のもの;等が挙げられる。
非置換アラルキルアミノ基の具体例としては、ベンジルアミノ、2−フェネチルアミノ、フェニルプロピルアミノ等のアルキル部分が直鎖かつ非置換のもの;1−フェネチルアミノ等のアルキル部分が分岐鎖かつ非置換のもの;等が挙げられる。
R2及びR3における、スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基としては、前記非置換アラルキルアミノ基に、前記の群から選択される基が置換したものであり、置換基の数は通常1〜4、好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
前記アラルキルアミノ基の置換基は、アラルキルアミノ基のいずれの部分に置換していてもよいが、カルボキシ基及びオキソ基については、アルキル部分に置換するのが好ましい。
その具体例としては、4−スルホベンジルアミノ等のスルホ置換のもの;2−フェニル−1−カルボキシエチルアミノ等のカルボキシ置換(アルキル部分にカルボキシ基が置換)のもの;3−メトキシベンジルアミン等のアルコキシ置換のもの;2−フェニル−2−オキソエチルアミノ等のオキソ置換のもの;2−フェニル−1−カルバモイルエチルアミノ等のカルバモイル置換のもの;4−シアノベンジルアミノ等のシアノ置換のもの;4−ヒドロキシフェネチルアミノ等のヒドロキシ置換のもの;等が挙げられる。該アラルキルアミノ基としては、カルボキシ置換のものが好ましく、アルキル部分に置換したものがより好ましく、カルボキシ基がアルキル部分に置換したフェニルC1−C4アルキルアミノ基がさらに好ましい。
前記アラルキルアミノ基の置換基は、アラルキルアミノ基のいずれの部分に置換していてもよいが、カルボキシ基及びオキソ基については、アルキル部分に置換するのが好ましい。
その具体例としては、4−スルホベンジルアミノ等のスルホ置換のもの;2−フェニル−1−カルボキシエチルアミノ等のカルボキシ置換(アルキル部分にカルボキシ基が置換)のもの;3−メトキシベンジルアミン等のアルコキシ置換のもの;2−フェニル−2−オキソエチルアミノ等のオキソ置換のもの;2−フェニル−1−カルバモイルエチルアミノ等のカルバモイル置換のもの;4−シアノベンジルアミノ等のシアノ置換のもの;4−ヒドロキシフェネチルアミノ等のヒドロキシ置換のもの;等が挙げられる。該アラルキルアミノ基としては、カルボキシ置換のものが好ましく、アルキル部分に置換したものがより好ましく、カルボキシ基がアルキル部分に置換したフェニルC1−C4アルキルアミノ基がさらに好ましい。
R2及びR3における非置換モノ又はジアルキルアミノ基としては、通常C1−C12、好ましくはC1−C4、より好ましくはC1−C2の直鎖、分岐鎖又は環状のものが挙げられ、直鎖又は分岐鎖が好ましく、直鎖がより好ましい。また、モノ及びジアルキルアミノ基としては、モノアルキルアミノ基が好ましい。
具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ヘプチルアミノ、オクチルアミノ、ノニルアミノ、デシルアミノ、ウンデシル、ドデシル等の非置換直鎖のもの;2−エチルヘキシルアミノ等の非置換分岐鎖のもの;シクロヘキシルアミノ等の非置換環状のもの;等が挙げられる。
具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ヘプチルアミノ、オクチルアミノ、ノニルアミノ、デシルアミノ、ウンデシル、ドデシル等の非置換直鎖のもの;2−エチルヘキシルアミノ等の非置換分岐鎖のもの;シクロヘキシルアミノ等の非置換環状のもの;等が挙げられる。
R2及びR3における、スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシ(C1−C4)アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基としては、前記非置換モノ又はジアルキルアミノ基に、前記の群から選択される基が置換したものが挙げられる。
置換基の数に制限は無いが、通常1乃至4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
具体例としては、2−スルホエチルアミノ等のスルホ置換のもの;カルボキシメチルアミノ、1−カルボキシエチルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、1,2−ジカルボキシエチルアミノ、1,3−ジカルボキシプロピルアミノ、3−カルボキシプロピルアミノ、4−カルボキシブチルアミノ、5−カルボキシペンチルアミノ、6−カルボキシヘキシルアミノ、7−カルボキシヘプチルアミノ、8−カルボキシオクチルアミノ、9−カルボキシノニルアミノ、10−カルボキシデシルアミノ、11−カルボキシウンデシルアミノ、12−カルボキシドデシルアミノ等のカルボキシ置換の直鎖のもの;1−カルボキシ−2,2−ジメチルエチルアミノ、1−カルボキシ−3,3−ジメチルプロピルアミノ等のカルボキシ置換の分岐鎖のもの;2−カルボキシ−シクロペンチルアミノ等のカルボキシ置換の環状のもの;3−エトキシプロピルアミノ等のアルコキシ置換のもの;3−オキソブチルアミノ等のオキソ置換のもの;2−アミノカルボニルエチルアミノ等のカルバモイル置換のもの;3−シアノプロピルアミノ等のシアノ置換のもの;2−フェニルアミノエチルアミノ等のアニリノ置換のもの;2−フェノキシエチルアミノ等のフェノキシ置換のもの;N−(3−ヒドロキシプロピル)アミノエチルアミノ等のヒドロキシC1−C4アルキルアミノ置換のもの;ジエチルアミノエチルアミノ等のジ(C1−C4)アルキルアミノ置換のもの;アミノエチルアミノ等のアミノ置換のもの;2−ヒドロキシエチルアミノ等のヒドロキシ基が置換したもの;2−チオエチルアミノ等のメルカプト基が置換したもの;等が挙げられる。
モノアルキルアミノ基としては、スルホ置換、カルボキシ置換又は非置換のものが好ましく、カルボキシ置換又は非置換のものがより好ましく、カルボキシ置換のものがさらに好ましい。
ジアルキルアミノ基としては、例えば前記の基から独立に選択される基で置換されたものでよいが、好ましくはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ等の非置換のもの;ビス(カルボキシメチル)アミノ等のカルボキシ置換のもの;ビス(2−ヒドロキエチル)アミノ等のヒドロキシ置換のもの;等が挙げられる。
置換基の数に制限は無いが、通常1乃至4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
具体例としては、2−スルホエチルアミノ等のスルホ置換のもの;カルボキシメチルアミノ、1−カルボキシエチルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、1,2−ジカルボキシエチルアミノ、1,3−ジカルボキシプロピルアミノ、3−カルボキシプロピルアミノ、4−カルボキシブチルアミノ、5−カルボキシペンチルアミノ、6−カルボキシヘキシルアミノ、7−カルボキシヘプチルアミノ、8−カルボキシオクチルアミノ、9−カルボキシノニルアミノ、10−カルボキシデシルアミノ、11−カルボキシウンデシルアミノ、12−カルボキシドデシルアミノ等のカルボキシ置換の直鎖のもの;1−カルボキシ−2,2−ジメチルエチルアミノ、1−カルボキシ−3,3−ジメチルプロピルアミノ等のカルボキシ置換の分岐鎖のもの;2−カルボキシ−シクロペンチルアミノ等のカルボキシ置換の環状のもの;3−エトキシプロピルアミノ等のアルコキシ置換のもの;3−オキソブチルアミノ等のオキソ置換のもの;2−アミノカルボニルエチルアミノ等のカルバモイル置換のもの;3−シアノプロピルアミノ等のシアノ置換のもの;2−フェニルアミノエチルアミノ等のアニリノ置換のもの;2−フェノキシエチルアミノ等のフェノキシ置換のもの;N−(3−ヒドロキシプロピル)アミノエチルアミノ等のヒドロキシC1−C4アルキルアミノ置換のもの;ジエチルアミノエチルアミノ等のジ(C1−C4)アルキルアミノ置換のもの;アミノエチルアミノ等のアミノ置換のもの;2−ヒドロキシエチルアミノ等のヒドロキシ基が置換したもの;2−チオエチルアミノ等のメルカプト基が置換したもの;等が挙げられる。
モノアルキルアミノ基としては、スルホ置換、カルボキシ置換又は非置換のものが好ましく、カルボキシ置換又は非置換のものがより好ましく、カルボキシ置換のものがさらに好ましい。
ジアルキルアミノ基としては、例えば前記の基から独立に選択される基で置換されたものでよいが、好ましくはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ等の非置換のもの;ビス(カルボキシメチル)アミノ等のカルボキシ置換のもの;ビス(2−ヒドロキエチル)アミノ等のヒドロキシ置換のもの;等が挙げられる。
前記の式(1)におけるR1乃至R3、それらの置換基、及び置換位置に関して、好ましいもの同士を組み合わせた化合物はより好ましい化合物であり、より好ましいもの同士を組み合わせた化合物はさらに好ましい。さらに好ましいもの同士を組み合わせたもの等についても同様である。
前記式(1)において、R1乃至R3の好ましい組み合わせとしては、R1が水素原子又はC1−C6アルキル基、R2及びR3がそれぞれ独立に、非置換アニリノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシ基で置換されたアニリノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;である組み合わせである。
より好ましくは、R1が水素原子又はC1−C6アルキル基、R2が非置換アニリノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシ基で置換されたアニリノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、R3がヒドロキシ基である組み合わせが挙げられる。
更に好ましくは、R1がC1−C6アルキル基、R2がカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、R3がヒドロキシ基の組み合わせが挙げられる。
より好ましくは、R1が水素原子又はC1−C6アルキル基、R2が非置換アニリノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシ基で置換されたアニリノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、R3がヒドロキシ基である組み合わせが挙げられる。
更に好ましくは、R1がC1−C6アルキル基、R2がカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、R3がヒドロキシ基の組み合わせが挙げられる。
本発明の前記式(1)で表される化合物の具体例を下記表1に示す。
本発明のインク組成物に、色素として少なくとも1種含有する他方の化合物は、前記式(101)で表される。
前記式(101)中、nは1乃至11の整数を表す。nの数はいずれであっても、前記式(1)で表される化合物と併用することにより、優れた鮮明性を発揮する。
前記式(101)中、R11は、スルホ基又はカルボキシ基を表し、スルホ基が好ましい。
前記式(101)中、R22及びR33はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;非置換C1−C4アルキル基;非置換C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基又はカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;を表す。
R22及びR33における非置換C1−C4アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖が好ましい。C1−C4アルキル基の具体例としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等の直鎖;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の分岐鎖;のものが挙げられる。
R22及びR33における非置換C1−C4アルコキシ基としては直鎖又は分岐鎖のものが挙げられる。具体例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシといった直鎖のもの;イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等の分岐鎖のもの;等が挙げられる。
R22及びR33における、ヒドロキシ基、スルホ基又はカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基としては、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ等のヒドロキシC1−C4アルコキシ基;3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシ等のスルホC1−C4アルコキシ基;カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ等のカルボキシC1−C4アルコキシ基;等が挙げられる。
R22及びR33としては、いずれか一方が水素原子;塩素原子;非置換C1−C4アルキル基;非置換C1−C4アルコキシ基;又はカルボキシ基;であり、他方がスルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;であるのが好ましい。R22としては水素原子が好ましく、R33としてはスルホが好ましい。
R22及びR33の置換位置は特に制限されないが、R22が水素原子以外のとき、アゾ基の置換位置を1位として、R22及びR33の置換位置は、2位及び3位、2位及び4位、2位及び5位、又は3位及び4位であるのが好ましい。また、R22が水素原子のとき、同様に、R33の置換位置は、2位、3位又は4位であり、4位が好ましい。
前記式(101)におけるn、R11、R22、R33について、好ましく挙げたもの同士を組合せたものはより好ましく、より好ましく挙げたもの同士を組合せたものはさらに好ましい。さらに好ましいもの同士等についても同様である。
前記式(101)において、R11乃至R33の好ましい組み合わせとしては、nが1乃至11の整数、R11がスルホ基又はカルボキシ基であり、R22及びR33のいずれか一方が水素原子;塩素原子;非置換C1−C4アルキル基;非置換C1−C4アルコキシ基;又はカルボキシ基;であり、他方がスルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;である組み合わせが挙げられる。
より好ましくは、nが1乃至11の整数、R11がスルホ基、R22が水素原子、R33がスルホ基である組み合わせが挙げられる。
より好ましくは、nが1乃至11の整数、R11がスルホ基、R22が水素原子、R33がスルホ基である組み合わせが挙げられる。
前記式(101)で表される化合物の好ましいものが、前記式(102)で表される化合物である。式(102)中、nは式(101)におけるのと同じ意味を表す。
前記式(101)で表される化合物の具体例を、下記表2乃至5に挙げる。
前記式(1)、式(101)及び式(102)で表される化合物は遊離酸、あるいはその塩の形としても存在する。前記式(1)で表される化合物の塩としては、無機又は有機の陽イオンとの塩が挙げられる。無機陽イオンの塩の具体例としてはアンモニウム塩やアルカリ金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどの塩が挙げられる。また、有機の陽イオンとしては、例えば下記式(3)で表される4級アンモニウム塩が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
前記式(3)中、Z1〜Z4はそれぞれ独立に水素原子、C1−C4アルキル基、ヒドロキシC1−C4アルキル基又はヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基を表わし、Z1〜Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である。
ここで、Z1〜Z4におけるアルキル基の例としてはメチル、エチル等があげられ;同じくヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等があげられ;更にヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−(ヒドロキシエトキシ)プロピル、3−(ヒドロキシエトキシ)ブチル、2−(ヒドロキシエトキシ)ブチル等が挙げられる。
前記塩のうち好ましいものは、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンの塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、リチウム、ナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩である。
当業者においては明らかなように、前記式(1)、式(101)及び式(102)で表される化合物の塩は、以下の方法などにより容易に得ることができる。
例えば、該化合物の合成反応における最終工程終了後の反応液、あるいは該化合物を含むウェットケーキ又は該化合物の乾燥品などを溶解した水溶液に食塩を加えて塩析し、析出固体を濾過することにより、該化合物のナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。
又、得られたナトリウム塩のウェットケーキを水に溶解後、塩酸などの酸を加えてそのpHを適宜調整し、析出した固体を濾過することにより、該化合物の遊離酸を、あるいは該化合物の一部がナトリウム塩である遊離酸とナトリウム塩の混合物を得ることもできる。
更に、該化合物の遊離酸のウェットケーキを水と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水又は式(3)で表される4級アンモニウム塩の水酸化物等を加えてアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、又は4級アンモニウム塩を得ることもできる。
遊離酸のモル数に対して、加える前記の塩のモル数を制限することにより、例えばリチウムとナトリウムの混塩など、さらにはリチウム、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウムの混塩なども調製することが可能である。
該化合物の塩は、その塩の種類により溶解性などの物理的な性質、あるいはインクとして用いた場合のインクの性能、特に堅牢性に関する性能が変化する場合もある。このため目的とするインク性能などに応じて塩の種類を選択することも好ましく行われる。
例えば、該化合物の合成反応における最終工程終了後の反応液、あるいは該化合物を含むウェットケーキ又は該化合物の乾燥品などを溶解した水溶液に食塩を加えて塩析し、析出固体を濾過することにより、該化合物のナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。
又、得られたナトリウム塩のウェットケーキを水に溶解後、塩酸などの酸を加えてそのpHを適宜調整し、析出した固体を濾過することにより、該化合物の遊離酸を、あるいは該化合物の一部がナトリウム塩である遊離酸とナトリウム塩の混合物を得ることもできる。
更に、該化合物の遊離酸のウェットケーキを水と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水又は式(3)で表される4級アンモニウム塩の水酸化物等を加えてアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、又は4級アンモニウム塩を得ることもできる。
遊離酸のモル数に対して、加える前記の塩のモル数を制限することにより、例えばリチウムとナトリウムの混塩など、さらにはリチウム、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウムの混塩なども調製することが可能である。
該化合物の塩は、その塩の種類により溶解性などの物理的な性質、あるいはインクとして用いた場合のインクの性能、特に堅牢性に関する性能が変化する場合もある。このため目的とするインク性能などに応じて塩の種類を選択することも好ましく行われる。
以下に本発明のインク組成物に含有する各化合物の製造方法を記載する。なお下記式(4)〜(11)中に記載のR1乃至R3は、前記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
即ち、下記式(4)で表される化合物1モルにベンゾイル酢酸エチルエステル1.1から3モルをキシレン等の極性溶媒中、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物の存在下、130〜180℃、5〜15時間反応を行い、下記式(5)で表される化合物を得る。
即ち、下記式(4)で表される化合物1モルにベンゾイル酢酸エチルエステル1.1から3モルをキシレン等の極性溶媒中、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物の存在下、130〜180℃、5〜15時間反応を行い、下記式(5)で表される化合物を得る。
得られた前記式(5)で表される化合物1モルにメタアミノアセトアニリド1〜5モルを、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性有機溶媒中、炭酸ナトリウムのような塩基及び酢酸銅のような銅触媒の存在下、110〜150℃、2〜6時間ウルマン反応をおこなって縮合し、下記式(6)で表される化合物を得る。
得られた前記式(6)で表される化合物を8〜15%発煙硫酸中で、50〜120℃でスルホ化すると同時に、アセチルアミノ基を加水分解する事により、下記式(7)で表される化合物を得る。
得られた前記式(7)で表される化合物を水中でpH11〜12、60℃で攪拌することにより、下記式(8)で表される化合物を得る。
得られた前記式(8)で表される化合物1モルと2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)1〜1.6モルとを水中で、pH2〜7、5〜35℃、2〜8時間反応させて、下記式(9)で表される化合物を得る。
次いで、前記式(9)で表される化合物を含む反応液に、R3に対応する基を導入するために、例えばR3−Hで表される化合物1〜4モルを、pH2〜10、30〜80℃、0.5〜5時間反応させることにより、下記式(10)で表される化合物が得られる。ここで、R2及びR3の両方がヒドロキシ基で表される化合物であれば、前記式(9)で表される化合物を含む反応液をpH4〜12、40〜90℃、0.5〜5時間反応させることにより、式(9)中の2つの塩素原子が、いずれもヒドロキシ基に置換された化合物を得ることができる。
次いで、前記式(10)で表される化合物を含む反応液に、R2に対応する基を導入するために、例えばR2−Hで表される化合物1〜4モルを、pH4〜12、30〜80℃、0.5〜5時間反応させることにより、本発明の前記式(1)で表される化合物が得られる。ここで、R2がヒドロキシで表される化合物であれば、前記式(10)で表される化合物を含む反応液をpH6〜12、60〜100℃、0.5〜5時間反応させることにより、式(10)中の塩素原子がヒドロキシに置換された化合物を得ることができる。
以下に前記式(101)及び(102)で表される化合物の製造方法を記載する。なお下記式(105)〜(108)中に記載のn、R11乃至R33は、前記式(101)におけるのと同じ意味を表す。
即ち、2−アミノ−5−ヒドロキシナフタレン−1,7−ジスルホン酸1モルとp−トルエンスルホニルクロライド1.0〜1.5モルを水中または含水有機溶媒中、アルカリ存在下でpH7〜10、30〜80℃、1〜2時間反応させて下記式(103)で表される化合物を得る。
即ち、2−アミノ−5−ヒドロキシナフタレン−1,7−ジスルホン酸1モルとp−トルエンスルホニルクロライド1.0〜1.5モルを水中または含水有機溶媒中、アルカリ存在下でpH7〜10、30〜80℃、1〜2時間反応させて下記式(103)で表される化合物を得る。
得られた前記式(103)で表される化合物2モルと2,4,6−S−トリアジン(シアヌルクロライド)0.9〜1.0モルとを水中でpH0〜5、5〜30℃、2〜8時間反応させ、次いでpH2〜6、30〜70℃、2〜8時間反応させて下記式(104)で表される化合物を含有する反応液を得る。
前記のようにして得られた式(104)で表される化合物を含有する反応液に、下記式(105)で表される化合物を1.5〜3.0モルを加え、pH6〜8、60〜100℃、1〜5時間反応させて下記式(106)で表される化合物を含有する反応液を得る。更に、得られた反応液をpH8〜12、60〜100℃、1〜5時間反応させて下記式(107)で表される化合物を得る。
下記式(108)で表される化合物2〜3モルを常法によりジアゾ化したものと、前記式(107)で表される化合物1モルとをカップリング反応させる事により、前記式(101)で表される化合物を得ることが出来る。
前記式(108)で表される化合物のジアゾ化は、公知の方法で実施される。たとえば塩酸、硫酸のような無機酸の存在下、水又は水性有機媒体中、例えば−5〜40℃、好ましくは5〜30℃の温度で亜硝酸塩、たとえば亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される。式(108)で表される化合物のジアゾ化物と式(107)で表される化合物のカップリングも公知の条件で実施される。水又は含水有機溶媒中、例えば−5〜50℃、好ましくは10〜30℃の温度ならびに弱酸性からアルカリ性のpH値で行うことが有利である。好ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、たとえばpH6〜10で実施される。ジアゾ化反応液が酸性であるため、またカップリング反応の進行により反応系内は更に酸性化してしまうため、前記のpH値への調整を塩基の添加によって行うのが好ましい。塩基としては、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウム等の酢酸塩、アンモニア又は有機アミン等が使用できる。
本発明の前記式(1)で表される化合物は、反応後、塩酸などの鉱酸の添加により固体の遊離酸として単離する事ができ、得られた遊離酸の固体を水又は例えば塩酸水などの酸性水で洗浄することなどにより、不純物として含有する無機塩、例えば塩化ナトリウム等の金属陽イオンの塩化物や、硫酸ナトリウム等の硫酸陽イオンのアルカリ金属塩等、すなわち、本明細書でいうところの「無機不純物」を除去することができる。
これらの無機不純物は、本発明のインク組成物を調製する場合に、インク組成物の保存安定性や、該インク組成物をインクとして使用するインクジェット記録等を行う際の吐出安定性等に悪影響を与えることが多い。このため、本発明のインク組成物中に含有する色素の総質量中における無機不純物の含有量は、該色素の総質量に対して、1質量%以下にすることが好ましく、下限は0質量%、すなわち分析機器における検出限界以下でもよい。
無機不純物の少ない色素を製造するには、色素として用いる各化合物それぞれの総質量中における無機不純物の含有量を低減すれば良く、その方法としては例えば逆浸透膜による方法が知られている。その他の方法として、色素として用いる各化合物それぞれの乾燥品あるいはウェットケーキを、メタノールなどのC1−C4アルコール及び水の混合溶媒中に懸濁させて撹拌した後、固体を濾過分離し、乾燥することによっても無機不純物の除去が可能である。
これらの無機不純物は、本発明のインク組成物を調製する場合に、インク組成物の保存安定性や、該インク組成物をインクとして使用するインクジェット記録等を行う際の吐出安定性等に悪影響を与えることが多い。このため、本発明のインク組成物中に含有する色素の総質量中における無機不純物の含有量は、該色素の総質量に対して、1質量%以下にすることが好ましく、下限は0質量%、すなわち分析機器における検出限界以下でもよい。
無機不純物の少ない色素を製造するには、色素として用いる各化合物それぞれの総質量中における無機不純物の含有量を低減すれば良く、その方法としては例えば逆浸透膜による方法が知られている。その他の方法として、色素として用いる各化合物それぞれの乾燥品あるいはウェットケーキを、メタノールなどのC1−C4アルコール及び水の混合溶媒中に懸濁させて撹拌した後、固体を濾過分離し、乾燥することによっても無機不純物の除去が可能である。
本発明のインク組成物は、天然及び合成繊維材料又は混紡品の染色、さらには、筆記用インク及びインクジェット記録用インクの製造に適している。
前記式(1)及び式(101)で表される化合物を含む、それぞれの合成反応における最終工程終了後の反応液等は、本発明のインク組成物の製造に直接使用する事も出来る。しかし、反応液から該化合物を単離、例えばスプレー乾燥や、晶析などの方法により反応液から目的化合物を単離した後、必要に応じて乾燥し、得られた化合物をインク組成物に調製することもできる。
前記式(1)及び式(101)で表される化合物を含む、それぞれの合成反応における最終工程終了後の反応液等は、本発明のインク組成物の製造に直接使用する事も出来る。しかし、反応液から該化合物を単離、例えばスプレー乾燥や、晶析などの方法により反応液から目的化合物を単離した後、必要に応じて乾燥し、得られた化合物をインク組成物に調製することもできる。
本発明のインク組成物は水を媒体として調製され、必要に応じて、水溶性有機溶剤及びインク調製剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しても良い。水溶性有機溶剤は、染料溶解剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、粘度調整剤、浸透促進剤、表面張力調整剤、消泡剤等としての機能を有する場合もあり、本発明のインク組成物には含有する方が好ましい。その他のインク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、乳化安定剤、表面張力調整剤、消泡剤、分散剤、及び分散安定剤等の公知の添加剤が挙げられる。
水溶性有機溶剤の含有量はインクの総質量に対して0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%であり、インク調製剤は同様に0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%用いるのが良い。前記以外の残部は水である。
水溶性有機溶剤の含有量はインクの総質量に対して0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%であり、インク調製剤は同様に0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%用いるのが良い。前記以外の残部は水である。
前記の水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルカノール(アルコール);N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はチオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4モノアルキルエーテル;γ−ブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等が挙げられる。
前記の水溶性有機溶剤として好ましいものは、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン及びブチルカルビトールであり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン及びブチルカルビトールである。これらの水溶性有機溶剤は、単独又は混合して用いられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、及び無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、酢酸ソーダ及び安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤の他の具体例としては、例えば、アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製 商品名プロクセルGXL(S)及びプロクセルXL−2(S)等が好ましく挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、酢酸ソーダ及び安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤の他の具体例としては、例えば、アーチ・ケミカルズ・ジャパン株式会社製 商品名プロクセルGXL(S)及びプロクセルXL−2(S)等が好ましく挙げられる。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物、又はベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物があげられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。尿素を使用するのが好ましい。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、及び亜鉛錯体などがある。
表面張力調整剤としては、界面活性剤があげられ、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤などが挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他イミダゾリン誘導体などがある。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール(アルコール)系;他の具体例として、例えば、日信化学社製 商品名サーフィノール104、82、465、オルフィンSTG等が挙げられる。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。
これらのインク調製剤は、単独又は混合して用いられる。なお、本発明のインク組成物を含有するインクの表面張力は通常25〜70mN/m、より好ましくは25〜60mN/mである。同様に、インクの粘度は30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
本発明のインク組成物を製造するにあたり、添加剤などの各成分を溶解させる順序には特に制限はない。インク組成物を調製するにあたり、用いる水はイオン交換水又は蒸留水など不純物が少ない物が好ましい。
さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行ってインク組成物より夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンター用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.1ミクロンである。
さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行ってインク組成物より夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンター用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.1ミクロンである。
本発明のインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、又は記録(印刷)、特にインクジェット記録における使用に適する。また本発明のインク組成物は、インクジェットプリンターのノズル付近における乾燥に対しても固体の析出は起こりにくく、この理由によりヘッドの閉塞もまた起こりにくい。さらに本発明のインク組成物をインクジェット記録に用いた場合、水、光、オゾン等の酸化性ガス、及び摩擦に対する良好な耐性を有する高品質のマゼンタ色の印捺物が得られ、特に普通紙に記録した画像の鮮明性が極めて良好である。
インクジェットプリンターにおいて、高精細な画像を供給することを目的に、高濃度のインクと低濃度のインクの2種類のインクが1台のプリンタに装填されたものもある。その場合、色素として本発明の化合物を高濃度に含有するインクと、低濃度に含有するインクとをそれぞれ調製し、それらをインクセットとして使用してもよい。またどちらか一方だけに本発明のインク組成物を含有させてもよい。
また本発明のインク組成物により得られる効果を阻害しない範囲で、公知のマゼンタ色素を併用してもよい。
また他の色、例えばブラックインクの調色用、あるいはイエロー色素やシアン色素と混合して、レッドインクやブルー(又はバイオレット)インクを調製する目的で、本発明のインク組成物を用いることもできる。
また本発明のインク組成物により得られる効果を阻害しない範囲で、公知のマゼンタ色素を併用してもよい。
また他の色、例えばブラックインクの調色用、あるいはイエロー色素やシアン色素と混合して、レッドインクやブルー(又はバイオレット)インクを調製する目的で、本発明のインク組成物を用いることもできる。
本発明の着色体とは、本発明のインク組成物で着色された物質のことである。着色体の材質には特に制限はなく、例えば紙、フィルムなどの情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等、着色されるものであればなんでも良く、これらに限定されないが、情報伝達用シートが好ましい。着色法としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェット記録による方法等が挙げられるが、インクジェット記録方法が好ましい。
前記の情報伝達用シートとしては、特に制限はなく、普通紙はもちろん、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものなども用いることができる。ここでインク受容層とは、例えば前記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工する方法;又は多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の色素を吸収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に前記基材表面に塗工する方法;などにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、又は光沢フィルム等と呼ばれる。
普通紙とは、特にインク受容層を設けていない紙のことを意味し、用途によってさまざまなものが数多く市販されている。市販されている普通紙の一例を挙げると、インクジェット用としては、セイコーエプソン社製 両面上質普通紙;キヤノン社製 カラー普通紙;Hewlett Packard社製 Multipurpose Paper、All−in−one Printing Paper;などがある。この他、特に用途をインクジェット印刷に限定しないPPC用紙なども普通紙である。
本発明のインク組成物は、前記のような普通紙に記録した画像の鮮明性が特に優れており、情報伝達シートの中でも普通紙が好ましい。しかし、光、オゾン、湿度、耐水や摩擦などに対する堅牢性にも優れるため、普通紙と共にインクジェット専用紙にも使用することが可能である。
普通紙とは、特にインク受容層を設けていない紙のことを意味し、用途によってさまざまなものが数多く市販されている。市販されている普通紙の一例を挙げると、インクジェット用としては、セイコーエプソン社製 両面上質普通紙;キヤノン社製 カラー普通紙;Hewlett Packard社製 Multipurpose Paper、All−in−one Printing Paper;などがある。この他、特に用途をインクジェット印刷に限定しないPPC用紙なども普通紙である。
本発明のインク組成物は、前記のような普通紙に記録した画像の鮮明性が特に優れており、情報伝達シートの中でも普通紙が好ましい。しかし、光、オゾン、湿度、耐水や摩擦などに対する堅牢性にも優れるため、普通紙と共にインクジェット専用紙にも使用することが可能である。
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、本発明のインク組成物が充填された容器をインクジェットプリンターの所定位置にセットし、これをインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させる通常の方法で記録すればよい。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物と共に、イエロー、シアン、必要に応じて、グリーン、ブルー(又はバイオレット)、レッド、及びブラック等の各インクを併用しうる。この場合、各色のインクは、それぞれの容器に注入され、それらの容器を、インクジェットプリンターの所定位置に装填して使用する。
インクジェットプリンターには、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式;及び加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式;等を利用したものがある。本発明のインクジェット記録方法は、いかなる方式であっても使用が可能である。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物と共に、イエロー、シアン、必要に応じて、グリーン、ブルー(又はバイオレット)、レッド、及びブラック等の各インクを併用しうる。この場合、各色のインクは、それぞれの容器に注入され、それらの容器を、インクジェットプリンターの所定位置に装填して使用する。
インクジェットプリンターには、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式;及び加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式;等を利用したものがある。本発明のインクジェット記録方法は、いかなる方式であっても使用が可能である。
本発明のインク組成物は長期間保存後の固体析出、物性変化、色相変化等もなく、貯蔵安定性が極めて良好である。本発明のインク組成物をインクジェット記録用のインクとして使用した印刷物は被記録材(例えば紙、フィルム等)を選択することなくマゼンタ色の色相として理想的な色相であり、写真調のカラー画像を紙の上に忠実に再現させることも可能である。
更に本発明のインク組成物は、特に普通紙上での発色性が高く、鮮明性が極めて向上している。また、写真画質用インクジェット専用紙やフィルムのような多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録しても各種堅牢性、すなわち耐水性、耐湿性、耐オゾンガス性等の耐ガス性、及び耐光性が良好であり、写真調の記録画像の長期保存安定性にも優れている。このため、記録メディアを選ばないことが特徴の一つであるインクジェット記録に好適である。また、本発明のインク組成物をインクジェット記録に使用した場合、ノズル付近におけるインク組成物の乾燥による固体の析出は非常に起こりにくく、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。
このように、本発明のインク組成物はインク用、特にインクジェット記録用インクとして極めて有用である。
更に本発明のインク組成物は、特に普通紙上での発色性が高く、鮮明性が極めて向上している。また、写真画質用インクジェット専用紙やフィルムのような多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録しても各種堅牢性、すなわち耐水性、耐湿性、耐オゾンガス性等の耐ガス性、及び耐光性が良好であり、写真調の記録画像の長期保存安定性にも優れている。このため、記録メディアを選ばないことが特徴の一つであるインクジェット記録に好適である。また、本発明のインク組成物をインクジェット記録に使用した場合、ノズル付近におけるインク組成物の乾燥による固体の析出は非常に起こりにくく、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。
このように、本発明のインク組成物はインク用、特にインクジェット記録用インクとして極めて有用である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。実施例中の反応及び晶析等の操作については、特に断りのない限りいずれも攪拌下に行った。また、実施例に記載した化合物のうち、最大吸収波長(λmax)の測定は、いずれも水溶液中で行った。
実施例1
(1)
キシレン360部中に、攪拌しながら、下記式(11)で表される化合物94.8部、炭酸ナトリウム3.0部、ベンゾイル酢酸エチルエステル144.0部を順次加えて昇温し、140〜150℃の温度で8時間反応を行った。その間、反応で生成するエタノールと水をキシレンと共沸させながら系外へ留出させ、反応を完結させた。次いで、冷却し、30℃にてメタノール240部を加えて30分攪拌後、析出固体を濾過分離した。得られた固体をメタノール360部で洗浄後、乾燥して、下記式(11)で表される化合物124.8部を淡黄色針状固体として得た。
(1)
キシレン360部中に、攪拌しながら、下記式(11)で表される化合物94.8部、炭酸ナトリウム3.0部、ベンゾイル酢酸エチルエステル144.0部を順次加えて昇温し、140〜150℃の温度で8時間反応を行った。その間、反応で生成するエタノールと水をキシレンと共沸させながら系外へ留出させ、反応を完結させた。次いで、冷却し、30℃にてメタノール240部を加えて30分攪拌後、析出固体を濾過分離した。得られた固体をメタノール360部で洗浄後、乾燥して、下記式(11)で表される化合物124.8部を淡黄色針状固体として得た。
(2)
攪拌下、N,N−ジメチルホルムアミド300.0部中に、前記式(12)で表される化合物88.8部、メタアミノアセトアニリド75.0部、酢酸銅1水和物24.0部及び炭酸ナトリウム12.8部を順次加えて120〜130℃に昇温し、3時間反応を行った。反応液を約50℃に冷却し、メタノール120部を加えて30分攪拌した。析出固体を濾過分離し、メタノール500部、次いで80℃の温水で洗浄した後、乾燥することにより下記式(13)で表される化合物79.2部を青味赤色固体として得た。
攪拌下、N,N−ジメチルホルムアミド300.0部中に、前記式(12)で表される化合物88.8部、メタアミノアセトアニリド75.0部、酢酸銅1水和物24.0部及び炭酸ナトリウム12.8部を順次加えて120〜130℃に昇温し、3時間反応を行った。反応液を約50℃に冷却し、メタノール120部を加えて30分攪拌した。析出固体を濾過分離し、メタノール500部、次いで80℃の温水で洗浄した後、乾燥することにより下記式(13)で表される化合物79.2部を青味赤色固体として得た。
(3)
98%硫酸130部に、攪拌下、水冷しながら28%発煙硫酸170部を加えて、12%発煙硫酸300部を調製した。水冷下、前記式(13)で表される化合物51.3部を50℃以下で加えた後、85〜90℃へ昇温し、4時間反応を行った。氷水600部中に反応液を加え、その間氷を加えながら発熱による液温の上昇を40℃以下に保持した。さらに水を加えて液量を1000部とした後、濾過して、不溶解物を除去した。得られた母液に温水を加えて1500部とし、液温を60〜65℃に保ちながら、塩化ナトリウム300部を加えて2時間攪拌し、析出した固体を濾過分離した。20%塩化ナトリウム水溶液300部で洗浄し、よく水分を絞って下記式(14)で表される化合物59.2部を含むウェットケーキ129.0部を赤色固体として得た。
98%硫酸130部に、攪拌下、水冷しながら28%発煙硫酸170部を加えて、12%発煙硫酸300部を調製した。水冷下、前記式(13)で表される化合物51.3部を50℃以下で加えた後、85〜90℃へ昇温し、4時間反応を行った。氷水600部中に反応液を加え、その間氷を加えながら発熱による液温の上昇を40℃以下に保持した。さらに水を加えて液量を1000部とした後、濾過して、不溶解物を除去した。得られた母液に温水を加えて1500部とし、液温を60〜65℃に保ちながら、塩化ナトリウム300部を加えて2時間攪拌し、析出した固体を濾過分離した。20%塩化ナトリウム水溶液300部で洗浄し、よく水分を絞って下記式(14)で表される化合物59.2部を含むウェットケーキ129.0部を赤色固体として得た。
(4)
水500部中に実施例1(3)で得た前記式(14)で表される化合物のウェットケーキ320部を加え、次いで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH12に調整後、90℃で6時間反応させた。反応液を濾過し、得られたウェットケーキに水400部を加えpHを7に調整後、析出固体を濾過して得られたウェットケーキを乾燥して、下記式(15)で表される化合物85.8部を得た。
水500部中に実施例1(3)で得た前記式(14)で表される化合物のウェットケーキ320部を加え、次いで25%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH12に調整後、90℃で6時間反応させた。反応液を濾過し、得られたウェットケーキに水400部を加えpHを7に調整後、析出固体を濾過して得られたウェットケーキを乾燥して、下記式(15)で表される化合物85.8部を得た。
(5)
水22.8部中に実施例1(4)で得た前記式(15)で表される化合物5.7部を加え攪拌し懸濁させた後、30℃、pH3に調整した。一方、氷水30部に商品名リパールOH(アニオン界面活性剤、ライオン株式会社製)0.1部を加え、シアヌルクロライド2.8部を加え、30分攪拌した後、前記で得られた式(15)の懸濁液に加えた。その懸濁液を30℃でpH3を維持することにより反応させ、下記式(16)表される化合物を含有する反応液を得た。
水22.8部中に実施例1(4)で得た前記式(15)で表される化合物5.7部を加え攪拌し懸濁させた後、30℃、pH3に調整した。一方、氷水30部に商品名リパールOH(アニオン界面活性剤、ライオン株式会社製)0.1部を加え、シアヌルクロライド2.8部を加え、30分攪拌した後、前記で得られた式(15)の懸濁液に加えた。その懸濁液を30℃でpH3を維持することにより反応させ、下記式(16)表される化合物を含有する反応液を得た。
(6)
実施例1(5)で得られた前記式(16)で表される化合物を含有する反応液に、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9に調整し、液温を80℃に加熱して1時間反応させることにより、下記式(17)で表される化合物を含有する反応液を得た。
実施例1(5)で得られた前記式(16)で表される化合物を含有する反応液に、25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9に調整し、液温を80℃に加熱して1時間反応させることにより、下記式(17)で表される化合物を含有する反応液を得た。
(7)
実施例1(6)で得られた前記式(17)で表される化合物を含有する反応液にグリシン2.3部を加え、25%苛性ソーダ水溶液を滴下し、pHを8〜9に保ちながら、70〜80℃の温度で、2時間反応させた。反応後、反応液をpH3.0に調整し、析出した固体を濾過し下記式(19)で表される化合物の赤色ウェットケーキ26.8部を得た。
実施例1(6)で得られた前記式(17)で表される化合物を含有する反応液にグリシン2.3部を加え、25%苛性ソーダ水溶液を滴下し、pHを8〜9に保ちながら、70〜80℃の温度で、2時間反応させた。反応後、反応液をpH3.0に調整し、析出した固体を濾過し下記式(19)で表される化合物の赤色ウェットケーキ26.8部を得た。
(8)(7)で得られたウェットケーキを水62.5部中に加え50℃に調整後、アンモニア水溶液を加えることにより溶解させた。次いで35%塩酸を滴下してpH5に調整し、析出した固体を濾過した。得られたウェットケーキに水75部を加え、50℃に調整後、メタノール10部を滴下し、析出した固体を濾過し、メタノール100部で洗浄後乾燥して前記式(19)で表される化合物の精製品4.4部のアンモニウム塩を赤色固体として得た。
λmax:514nm。
λmax:514nm。
実施例2
(1)
2−アミノ−5−ヒドロキシナフタレン−1,7−ジスルホン酸60.3部とp−トルエンスルホニルクロライド37.8部とをpH8.0〜8.5、70℃で1時間反応させた後、酸性にて塩析、濾過分離して下記式(103)で表される化合物84.6部を得た。
(1)
2−アミノ−5−ヒドロキシナフタレン−1,7−ジスルホン酸60.3部とp−トルエンスルホニルクロライド37.8部とをpH8.0〜8.5、70℃で1時間反応させた後、酸性にて塩析、濾過分離して下記式(103)で表される化合物84.6部を得た。
(2)
水110部に(1)で得られた式(103)で表される化合物19.0部、次いで水酸化ナトリウムを加えてpH4.0〜4.5の水溶液を得た。得られた水溶液に界面活性剤(ライオン株式会社製、商品名レオコールRTMTD50)0.25部を加えて撹拌し、続いて塩化シアヌル3.6部を加え、その後、pH3.5〜4.0、20〜25℃で6時間反応させた後にpH3.5〜4.0、60〜65℃で6時間反応させた。
次にそこに6−アミノヘキサン酸7.6部を加え、pH7.0〜8.5、90〜95℃で6時間反応させた後にH9.0〜11.0、90〜95℃で5時間反応させた。反応後、20〜25℃まで冷却し、35%塩酸を加えてpH7.5にした後に塩析し、析出した固体をろ過分離することにより下記式(109)で表される化合物を含むウェットケーキ37.4部を得た。
水110部に(1)で得られた式(103)で表される化合物19.0部、次いで水酸化ナトリウムを加えてpH4.0〜4.5の水溶液を得た。得られた水溶液に界面活性剤(ライオン株式会社製、商品名レオコールRTMTD50)0.25部を加えて撹拌し、続いて塩化シアヌル3.6部を加え、その後、pH3.5〜4.0、20〜25℃で6時間反応させた後にpH3.5〜4.0、60〜65℃で6時間反応させた。
次にそこに6−アミノヘキサン酸7.6部を加え、pH7.0〜8.5、90〜95℃で6時間反応させた後にH9.0〜11.0、90〜95℃で5時間反応させた。反応後、20〜25℃まで冷却し、35%塩酸を加えてpH7.5にした後に塩析し、析出した固体をろ過分離することにより下記式(109)で表される化合物を含むウェットケーキ37.4部を得た。
(3)
水180部に前記式(109)で表される化合物を含むウェットケーキ24.7部、次いで水酸化ナトリウムを加えてpH7.5〜8.0とすることにより水溶液を得た。
一方、撹拌下、水100部に下記式(110)で表されるC.I.アシッドイエロー9(ケムコインターナショナル社製)9.4部次いで水酸化ナトリウムを加えてpH6.0〜7.0とすることにより水溶液を得た。得られた水溶液に35%塩酸9.7部、次いで反応温度10〜20℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液5.1部を約5分間で滴下し、1時間反応することにより、ジアゾ反応液を得た。
得られたジアゾ反応液を、先に得られた式(109)で表される化合物を含む水溶液に、反応温度20〜30℃、30分間で滴下した。この間、反応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を7.0〜8.0に保持した。
滴下終了後、同温度で2時間撹拌し、塩化アンモニウムを加えて塩析し、析出した固体をろ過分離することにより、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水400部に溶解し、メタノール700部を加えた後、析出した固体をろ過分離することによりウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを再度、水100部に溶解し、2−プロパノール400部を加えた後、析出した固体を濾過分離し、乾燥することにより本発明の下記式(111)で表される化合物12.2部をアンモニウム塩として得た。
λmax:512.5nm。
水180部に前記式(109)で表される化合物を含むウェットケーキ24.7部、次いで水酸化ナトリウムを加えてpH7.5〜8.0とすることにより水溶液を得た。
一方、撹拌下、水100部に下記式(110)で表されるC.I.アシッドイエロー9(ケムコインターナショナル社製)9.4部次いで水酸化ナトリウムを加えてpH6.0〜7.0とすることにより水溶液を得た。得られた水溶液に35%塩酸9.7部、次いで反応温度10〜20℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液5.1部を約5分間で滴下し、1時間反応することにより、ジアゾ反応液を得た。
得られたジアゾ反応液を、先に得られた式(109)で表される化合物を含む水溶液に、反応温度20〜30℃、30分間で滴下した。この間、反応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を7.0〜8.0に保持した。
滴下終了後、同温度で2時間撹拌し、塩化アンモニウムを加えて塩析し、析出した固体をろ過分離することにより、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを水400部に溶解し、メタノール700部を加えた後、析出した固体をろ過分離することによりウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを再度、水100部に溶解し、2−プロパノール400部を加えた後、析出した固体を濾過分離し、乾燥することにより本発明の下記式(111)で表される化合物12.2部をアンモニウム塩として得た。
λmax:512.5nm。
実施例3
(1)
実施例2(2)において6−アミノヘキサン酸7.6部をグリシン4.4部とする以外は実施例2(2)と同様にして下記式(112)で表される化合物を含むウェットケーキ26.7部を得た。
(1)
実施例2(2)において6−アミノヘキサン酸7.6部をグリシン4.4部とする以外は実施例2(2)と同様にして下記式(112)で表される化合物を含むウェットケーキ26.7部を得た。
(2)
実施例2(3)において前記式(109)で表される化合物を含むウェットケーキ24.7部を前記式(112)で表される化合物を含むウェットケーキ17.3部とする以外は実施例2(3)と同様にして下記式(113)で表される化合物7.8部をアンモニウム塩として得た。
λmax:512.5nm。
実施例2(3)において前記式(109)で表される化合物を含むウェットケーキ24.7部を前記式(112)で表される化合物を含むウェットケーキ17.3部とする以外は実施例2(3)と同様にして下記式(113)で表される化合物7.8部をアンモニウム塩として得た。
λmax:512.5nm。
実施例4
(1)
実施例2(2)において6−アミノヘキサン酸7.6部を12−アミノドデカン酸13.6部とする以外は実施例2(2)と同様にして下記式(114)で表される化合物を含むウェットケーキ37.2部を得た。
(1)
実施例2(2)において6−アミノヘキサン酸7.6部を12−アミノドデカン酸13.6部とする以外は実施例2(2)と同様にして下記式(114)で表される化合物を含むウェットケーキ37.2部を得た。
(2)
実施例2(3)において前記式(109)で表される化合物を含むウェットケーキ24.7部を前記式(114)で表される化合物を含むウェットケーキ24.6部とする以外は実施例2(3)と同様にして本発明の下記式(115)で表される化合物9.9部をアンモニウム塩として得た。
λmax:513.5nm。
実施例2(3)において前記式(109)で表される化合物を含むウェットケーキ24.7部を前記式(114)で表される化合物を含むウェットケーキ24.6部とする以外は実施例2(3)と同様にして本発明の下記式(115)で表される化合物9.9部をアンモニウム塩として得た。
λmax:513.5nm。
(A)インクの調製
実施例1で得た前記式(1)で表される化合物に相当する式(19)で表される化合物、及び実施例2乃至4で得た前記式(101)で表される化合物に相当する式(111)、式(113)及び式(115)で表される各化合物を、下記表6に示す割合で配合し、配合色素を調製した。
得られた配合色素と、その他のインク調製剤等を、下記表7に示した組成比で混合して本発明のインク組成物を得た。得られたインク組成物を0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除き、評価用のインクを得た。尚、水はイオン交換水を使用し、インク組成物のpHがおよそ9.0となるようにアンモニア水で調整後、総量が100部になるように水を加えた。
このインクの調製を実施例5乃至20とするが、便宜上、下記表6中に実施例5乃至20と記載し、各実施例のインクに色素として含有する化合物、該化合物の部数を明確にした。
また、実施例1乃至4で得た各化合物を、それぞれ単独で色素として用いる以外は実施例5乃至20と同様にして、比較用のインクを調製した。このインクの調製を比較例1乃至4とし、前記と同様に、下記表6中に記載した。
なお、表6中の各化合物欄の数値は部数を、また記号「−」は、その化合物を含有しないことを表す。又、表7より明らかなように、各インクに色素として含有する化合物の総量は、いずれも4部に統一した。
実施例1で得た前記式(1)で表される化合物に相当する式(19)で表される化合物、及び実施例2乃至4で得た前記式(101)で表される化合物に相当する式(111)、式(113)及び式(115)で表される各化合物を、下記表6に示す割合で配合し、配合色素を調製した。
得られた配合色素と、その他のインク調製剤等を、下記表7に示した組成比で混合して本発明のインク組成物を得た。得られたインク組成物を0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除き、評価用のインクを得た。尚、水はイオン交換水を使用し、インク組成物のpHがおよそ9.0となるようにアンモニア水で調整後、総量が100部になるように水を加えた。
このインクの調製を実施例5乃至20とするが、便宜上、下記表6中に実施例5乃至20と記載し、各実施例のインクに色素として含有する化合物、該化合物の部数を明確にした。
また、実施例1乃至4で得た各化合物を、それぞれ単独で色素として用いる以外は実施例5乃至20と同様にして、比較用のインクを調製した。このインクの調製を比較例1乃至4とし、前記と同様に、下記表6中に記載した。
なお、表6中の各化合物欄の数値は部数を、また記号「−」は、その化合物を含有しないことを表す。又、表7より明らかなように、各インクに色素として含有する化合物の総量は、いずれも4部に統一した。
表7(インク組成物の組成比)
表6記載の色素 4.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
商品名サーフィノール104PG50(注) 0.1部
アンモニア水+水 76.9部
計 100.0部
(注)アセチレングリコ−ル系ノニオン界面活性剤、日信化学社製
表6記載の色素 4.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
商品名サーフィノール104PG50(注) 0.1部
アンモニア水+水 76.9部
計 100.0部
(注)アセチレングリコ−ル系ノニオン界面活性剤、日信化学社製
(B)インクジェット記録
インクジェットプリンター(キヤノン社製 商品名:PIXUS ip4100)を用いて、下記表8に示す5種類の普通紙にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調が得られるように画像パターンを作成し、マゼンタ色のグラデーションを有する記録物を得た。これを試験片とし、下記する鮮明性の評価試験を行った。
インクジェットプリンター(キヤノン社製 商品名:PIXUS ip4100)を用いて、下記表8に示す5種類の普通紙にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調が得られるように画像パターンを作成し、マゼンタ色のグラデーションを有する記録物を得た。これを試験片とし、下記する鮮明性の評価試験を行った。
表8
普通紙1
キヤノン社製
商品名GF500
普通紙2
キヤノン社製
商品名LBP PAPER LS−500
普通紙3
キヤノン社製
商品名オフィスプランナーマルチグレード
普通紙4
Hewlett Packard社製
商品名Multipurpose Paper
普通紙5
Hewlett Packard社製
商品名All−in−One Printing Paper
普通紙1
キヤノン社製
商品名GF500
普通紙2
キヤノン社製
商品名LBP PAPER LS−500
普通紙3
キヤノン社製
商品名オフィスプランナーマルチグレード
普通紙4
Hewlett Packard社製
商品名Multipurpose Paper
普通紙5
Hewlett Packard社製
商品名All−in−One Printing Paper
(C)鮮明性の評価試験
各試験片中で、反射濃度(D値)が1.0に最も近似した階調部分について測色システム(GRETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて光源D65、視野角2度でのL*、a*、b*値を測定した。
鮮明性(C*)は、色度(a*、b*)から、C*=[(a*)2+(b*)2]1/2を算出した。
算出したC*値の結果を下記表9乃至11に記載する。なお、C*値は大きいほど鮮明性に優れる。
各試験片中で、反射濃度(D値)が1.0に最も近似した階調部分について測色システム(GRETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて光源D65、視野角2度でのL*、a*、b*値を測定した。
鮮明性(C*)は、色度(a*、b*)から、C*=[(a*)2+(b*)2]1/2を算出した。
算出したC*値の結果を下記表9乃至11に記載する。なお、C*値は大きいほど鮮明性に優れる。
表9乃至11の結果から明らかなように、前記式(1)又は式(101)で表される化合物をそれぞれ単独で、色素として含有する比較例1乃至4は、いずれも各実施例と比較してC*値が小さく、鮮明性に劣ることが判明した。特に、比較例1の鮮明性は、他と比較して格段に低いことが認められた。
一方、前記式(1)で表される化合物、及び式(101)で表される化合物の両者を色素として含有する本発明のインク組成物は、比較例1と、比較例2乃至4のいずれかとの両者を含有するものであるにもかかわらず、極めて鮮明性に優れ、両者を併用することにより相乗効果で鮮明性が向上することが明らかとなった。
従って、本発明のインク組成物は、特に普通紙においてインクジェット用インクとして好適な高い鮮明性を有すると言える。
一方、前記式(1)で表される化合物、及び式(101)で表される化合物の両者を色素として含有する本発明のインク組成物は、比較例1と、比較例2乃至4のいずれかとの両者を含有するものであるにもかかわらず、極めて鮮明性に優れ、両者を併用することにより相乗効果で鮮明性が向上することが明らかとなった。
従って、本発明のインク組成物は、特に普通紙においてインクジェット用インクとして好適な高い鮮明性を有すると言える。
Claims (21)
- 少なくとも一種の下記式(1)で表される化合物又はその塩、及び少なくとも一種の下記式(101)で表される化合物又はその塩の両者を、色素として含有するインク組成物。
R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表し、
R2及びR3はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基;アルコキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びC1−C4アルキルメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;非置換フェノキシ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ジ(C1−C4アルキル)アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基及びC1−C4アルキルメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;非置換アラルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジ(C1−C4)アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基;を表す。]、
nは1乃至11の整数、
R11はスルホ基又はカルボキシ基を表し、
R22及びR33はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;非置換C1−C4アルキル基;非置換C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基又はカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;を表す。]。 - インク組成物中に含有する色素の総質量が、該インク組成物の総質量に対して、0.5〜20質量%である請求項1に記載のインク組成物。
- インク組成物中に含有する、式(1)で表される化合物又はその塩の総質量と、式(101)で表される化合物又はその塩の総質量との質量比が、1/9から9/1である請求項1又は2に記載のインク組成物。
- インク組成物中に含有する、式(1)で表される化合物又はその塩の総質量と、式(101)で表される化合物又はその塩の総質量との質量比が、1/5から5/1である請求項1乃至3に記載のインク組成物。
- 少なくとも一種の式(1)で表される化合物又はその塩、及び少なくとも一種の式(101)で表される化合物又はその塩の両者が、インク組成物中に含有する色素の全てである請求項1乃至4に記載のインク組成物。
- 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録用である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインク組成物。
- インク組成物中に含有する色素の総質量中における無機不純物の含有量が、該色素の総質量に対して、1質量%以下である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて、被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
- 被記録材が情報伝達用シートである請求項9に記載のインクジェット記録方法。
- 情報伝達用シートが普通紙又は多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである請求項10に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインク組成物により着色された着色体。
- 着色がインクジェットプリンターによりなされた請求項12に記載の着色体。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンター。
- 式(1)において、
R1が水素原子又はC1−C6アルキル基、
R2及びR3がそれぞれ独立に、非置換アニリノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシ基で置換されたアニリノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;である請求項1に記載のインク組成物。 - 式(1)において、
R1が水素原子又はC1−C6アルキル基であり、
R2が非置換アニリノ基;ヒドロキシ基;アミノ基;カルボキシ基で置換されたアニリノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、又はカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、
R3がヒドロキシ基である、請求項1に記載のインク組成物。 - 式(1)において、
R1がC1−C6アルキル基であり、
R2がカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、
R3がヒドロキシ基である、請求項1に記載のインク組成物。 - 式(101)において、
nが1乃至11の整数、
R11がスルホ基又はカルボキシ基であり、
R22及びR33のいずれか一方が水素原子;塩素原子;非置換C1−C4アルキル基;非置換C1−C4アルコキシ基;又はカルボキシ基;であり、他方がスルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;スルホ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;である、請求項1に記載のインク組成物。 - 式(101)において、
nが1乃至11の整数、
R11がスルホ基、
R22が水素原子、
R33がスルホ基である、請求項1に記載のインク組成物。
組成物。 - 式(1)において、
R1がC1−C6アルキル基、
R2がカルボキシ基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、
R3がヒドロキシ基であり、
且つ、
式(101)で表される化合物又はその塩が、式(102)で表される化合物又はその塩である、請求項1又は20に記載のインク組成物。
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JP2008328265A JP2010150337A (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | インク組成物及び着色体 |
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WO2021131899A1 (ja) | 2019-12-24 | 2021-07-01 | 三菱鉛筆株式会社 | 水性ボールペン用インク組成物 |
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- 2008-12-24 JP JP2008328265A patent/JP2010150337A/ja active Pending
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KR20220117322A (ko) | 2019-12-24 | 2022-08-23 | 미쓰비시 엔피쯔 가부시키가이샤 | 수성 볼펜용 잉크 조성물 |
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