JP2010001348A - 水溶性アントラピリドン化合物又はその塩、インク組成物及び着色体 - Google Patents

水溶性アントラピリドン化合物又はその塩、インク組成物及び着色体 Download PDF

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裕 石井
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Abstract

【課題】インクジェット記録に適する高い鮮明性をもつ色相を有し、且つ記録物の堅牢度が強く、又保存安定性が優れたマゼンタ色素を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される新規アントラピリドン化合物又はその塩、
Figure 2010001348

(式(1)中、R1はアルキル基等を、R2及びR3は、ヒドロキシ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;カルボキシ基で置換されたアミノ基;等を、それぞれ表す。)。
【選択図】なし

Description

本発明は水溶性のアントラピリドン化合物又はその塩、これを含有するインク組成物及びこれにより着色された着色体に関する。
各種カラー記録方法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンターによる記録方法、すなわちインクジェット記録方法は、インクの吐出方式が各種開発されているが、いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材、例えば、紙、フィルム、布帛等に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材とが直接接触しない為、音の発生がなく静かであり、また小型化、高速化、カラー化が容易という特長の為、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用インクとしては、色素として水溶性の染料を水性媒体に溶解したインクが使用されている。これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく、一般に水溶性の有機溶剤が添加されている。これらのインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また形成される記録画像には、耐水性、耐湿性、耐光性、及び耐ガス性等の各種堅牢度が求められている。
インクジェットのノズル詰まりは、ノズル付近でインク中の水分が他の溶剤や添加剤よりも先に蒸発し、水分が少なく溶剤や添加剤が多いという組成状態になったときに色素が固化し析出することに由来するものが多い。よって、インクを蒸発乾燥させた場合においても固体が析出しにくいということが非常に重要な要求性能の一つである。またこの理由により、溶剤や添加剤に対する高い溶解性も色素に求められる性質のひとつである。
ところで、コンピューターのカラーディスプレー上の画像又は文字情報をインクジェットプリンターによりカラーで記録するには、一般にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクによる減法混色が用いられ、これにより記録画像がカラーで表現される。CRT(ブラウン管)ディスプレー等におけるレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)による加法混色画像を、減法混色画像で出来るだけ忠実に再現するには、インクに使用される各色素、中でもY、M、Cのそれぞれが、標準に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれる。又、インクは長期の保存に対して安定であり、また前記のようにプリントした画像の濃度が高く、しかも印刷画像の堅牢度に優れている事が求められる。
近年のインクジェットプリント技術の発達により、印刷スピードの向上がめざましく、オフィス環境での主用途である普通紙へのドキュメントの印刷に、電子トナーを用いたレーザープリンターと同じ様に、インクジェットプリンターを用いる動きがある。インクジェットプリンターは、記録紙の種類を選ばない;機械の価格が比較的安い;という利点があり、特にSOHO等の小〜中規模オフィス環境で普及が進んでいる。このように普通紙への印刷にインクジェットプリンターを使用する場合、印刷物に求められる各種の品質の中でも、色相や耐水性がより重視される傾向がある。これらの性能、特に耐水性能を満たす為には顔料インクを用いるという方法が提案されているが、色素として顔料を使用したインクは染料インクと異なり、溶液とはならず分散液であるため、保存安定性が不良であるという問題や、プリンターヘッドのノズルが詰まるという問題などが比較的起こりやすい。また、顔料インクを使用した場合、耐擦性にも問題が出ることが多く、色相も染料より劣る場合が多い。これに対して染料を使用したインクの場合、このような顔料を使用したインクの問題は比較的起こりにくいとされる。しかし、染料インクは、特に耐水性が顔料インクと比較して著しく劣り、それに対する改良が強く望まれている。
普通紙上での耐水性向上という問題に対しては古くから多くの提案がなされている。耐水性に優れ、色相や耐光性などの改良を行ったインクジェット用のマゼンタ色素としては、例えば特許文献1乃至11に開示されたアントラピリドン系マゼンタ色素が知られている。
例えば、特許文献1には耐水性及び/又は耐湿性に優れたマゼンタ色素が開示されているが、耐水性、特に普通紙に記録した場合の記録画像の耐水性について市場の要求を十分に満たしているとはいえない。従って、より多くの種類の普通紙上で、一様に優れた耐水性をもち、更には耐光性や色相、印字濃度にも優れたマゼンタ色素が求められていた。
特開2000−109464号公報 特開平10−306221号公報 特開2000−191660号公報 特開2000−169776号公報 特開2001−72884号公報 特開2001−139836号公報 特開2002−332418号公報 特開2005−8868号公報 特開2005−314514号公報 特開2006−188706号公報 特許3767879号
本発明は水又は水溶性有機溶剤に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、印字濃度が高く、且つ記録物の耐光性、耐ガス性(例えば耐オゾンガス性)、耐湿性、及び特に普通紙に記録した場合における耐水性などの堅牢性に優れた水溶性のマゼンタ色素及びそれを含有する保存安定性の良いインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、特定の下記式(1)で表される水溶性アントラピリドン化合物及びそれを色素として含有するインク組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は、
1)
下記式(1)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩、
Figure 2010001348
(式中、
1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基、又はシアノアルキル基を、
2及びR3は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基;アルコキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;非置換フェノキシ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;非置換アラルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基;を、
それぞれ表す。)、
2)
1が水素原子又はメチル基である、上記1)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
3)
1が水素原子又はメチル基を表し、
2又はR3のいずれか一方がヒドロキシ基である上記1)又は2)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
4)
下記式(2)で表される上記1)乃至3)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
Figure 2010001348
[式中、R2は、式(1)におけるのと同じ意味を表す]、
5)
2がヒドロキシ基;アルコキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;非置換アラルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基;である上記1)乃至4)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
6)
2がヒドロキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたアニリノ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノアルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノアルキルアミノ基;である上記1)乃至4)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
7)
2がヒドロキシ基;アミノ基;非置換モノアルキルアミノ基;又はカルボキシ基で置換されたモノC1−C12アルキルアミノ基;である上記1)乃至4)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
8)
2がヒドロキシ基;アミノ基;非置換モノアルキルアミノ基;又はカルボキシ基で置換されたモノC1−C4アルキルアミノ基;である上記1)乃至4)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
9)
2がヒドロキシ基;又はカルボキシ基で置換されたモノC1−C4アルキルアミノ基である上記1)乃至4)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
10)
上記1)乃至9)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を色素として含有し、さらに水を含有することを特徴とするインク組成物、
11)
水溶性有機溶剤をさらに含有する上記10)に記載のインク組成物、
12)
インクジェット記録用である上記11)に記載のインク組成物、
13)
色素として含有する上記1)乃至9)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物の総質量中における無機不純物の含有量が、該化合物の総質量に対して1質量%以下である上記10)乃至12)のいずれか一項に記載のインク組成物、
14)
色素として含有する上記1)乃至9)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物の含有量が、インク組成物の総質量に対して0.1〜20質量%の範囲である上記10)乃至13)のいずれか一項に記載のインク組成物、
15)
上記10)乃至14)のいずれか一項に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法、
16)
被記録材が情報伝達用シートである上記15)に記載のインクジェット記録方法、
17)
情報伝達用シートが普通紙又は多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有する上記16)に記載のインクジェット記録方法、
18)
上記10)乃至14)のいずれか1項に記載のインク組成物により着色された着色体、
19)
着色がインクジェットプリンターによりなされた上記18)に記載の着色体、
20)
上記10)乃至14)のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンター、
に関する。
本発明の上記式(1)で表される水溶性アントラピリドン化合物又はその塩はマゼンタ色を有する色素であり、これを含有するインク組成物は各種インク、特にマゼンタ色のインクジェット記録用インクとして好適に用いることができる。該化合物又はその塩は、水や水溶性有機溶剤に対する溶解性に優れる。またインク組成物を製造する過程での、例えばメンブランフィルターに対するろ過性が良好という特徴を有し、インクジェット記録紙上で非常に鮮明で、明度の高いマゼンタ色の色相を与える。又、この化合物を色素として含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の固体析出、物性変化、色相変化等もなく、貯蔵安定性が極めて良好である。そして本発明のインク組成物をインクジェット記録用のインクとして使用した印刷物は被記録材(例えば紙、フィルム等)を選択することなくマゼンタ色の色相として理想的な色相であり、写真調のカラー画像を紙の上に忠実に再現させることも可能である。
更に本発明のインク組成物は、従来の染料インクと比較して特に普通紙上での耐水性が極めて向上している。また、写真画質用インクジェット専用紙やフィルムのような多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録しても各種堅牢性、すなわち耐水性、耐湿性、耐オゾンガス性等の耐ガス性、及び耐光性が良好であり、写真調の記録画像の長期保存安定性にも優れている。このため、被記録材を選ばないことが特徴の一つであるインクジェット印刷に非常に適しているインクである。このように、上記式(1)の水溶性アントラピリドン化合物はインク用、特にインクジェット記録用インクに含有するマゼンタ色素として極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。尚、本明細書においては特に断りがない限り、スルホン酸基などの酸性官能基は遊離酸の形で表す。また、本発明のアントラピリドン化合物又はその塩は、マゼンタインク組成物又はマゼンタインク用の色素である。以下、便宜上、「本発明のアントラピリドン化合物又はその塩」を含めて、単に「本発明のアントラピリドン化合物」と簡略して記載する。
本発明のアントラピリドン化合物は、前記式(1)で表される。
式(1)中、R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基、又はシアノアルキル基を表す。
1におけるアルキル基としては通常C1−C6、好ましくはC1−C4、より好ましくはC1−C3の直鎖又は分岐鎖アルキル基が挙げられ、直鎖がより好ましい。その具体例としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソアミル、2−メチルブチル、t−ペンチル、イソヘキシル等の分岐鎖のものが挙げられる。
1におけるヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシC1−C8アルキル基、好ましくはヒドロキシC1−C6アルキル基、より好ましくはヒドロキシC2−C4アルキル基が挙げられ、該アルキル部分は直鎖が好ましい。具体例としては、例えばヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル等が挙げられる。
1におけるモノアルキルアミノアルキル基としては、通常モノ又はジC1−C8アルキルアミノC1−C8アルキル基、好ましくはモノ又はジC1−C6アルキルアミノC1−C6アルキル基、より好ましくはモノ又はジC1−C4アルキルアミノC1−C4アルキル基が挙げられる。該アルキル部分は直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖がより好ましい。具体例としては、例えばメチルアミノプロピル、エチルアミノプロピル等があげられ、ジアルキルアミノアルキル基としては、例えばジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
1におけるシアノアルキル基としては、通常シアノC1−C8アルキル基、好ましくはシアノC1−C6アルキル基、より好ましくはシアノC1−C4アルキル基が挙げられる。該アルキル部分は直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖がより好ましい。具体例としては、シアノエチル、シアノプロピル、シアノブチル、シアノペンチル、シアノヘキシル、シアノヘプチル、シアノオクチル等が挙げられる。
好ましいR1としては水素原子、又はアルキル基が挙げられ、水素原子、メチルがより好ましく、メチルがさらに好ましい。
上記式(1)中、R2及びR3は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基;アルコキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;非置換フェノキシ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;非置換アラルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;又は、スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基;を表す。
上記R2及びR3におけるアルコキシ基としては、通常C1−C6、好ましくはC1−C4の直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖が好ましい。具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチロキシ、n−ヘキシロキシ等の直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、イソアミロキシ、イソヘキシロキシ等の分岐鎖のもの;等が挙げられる。
上記R2及びR3におけるスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基としては、該置換基の数は通常1乃至4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
その具体例としては、例えば2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ、2,5−ジスルホアニリノ等のスルホ置換のもの;2−カルボキシアニリノ、3−カルボキシアニリノ、4−カルボキシアニリノ、3,5-ジカルボキシアニリノ等のカルボキシ置換のもの;4−メトキシアニリノ等のアルコキシ、好ましくはC1−C4アルコキシ置換のもの;2−カルバモイルアニリノ、3−カルバモイルアニリノ等のカルバモイル置換のもの;4−シアノアニリノ等のシアノ置換のもの;4−ブチルアニリノ等のアルキル、好ましくはC1−C4アルキル置換のもの;4−アニリノ−3−スルホアニリノ等のアニリノ及びスルホ置換のもの;4−フェノキシアニリノ等のフェノキシ置換のもの;4−アミノアニリノ等のアミノ置換のもの;2−ヒドロキシアニリノ、3−ヒドロキシアニリノ等のヒドロキシ置換のもの;4−メチルメルカプトアニリノ等のメルカプト、好ましくはC1−C4アルキルメルカプト置換のもの;等が挙げられる。
該アニリノ基としては、スルホ置換、カルボキシ置換、又は非置換が好ましく、カルボキシ置換又は非置換がより好ましく、非置換がさらに好ましい。
上記R2及びR3におけるスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基としては、該置換基の数は通常1乃至4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
その具体例としては、例えば2−スルホフェノキシ、3−スルホフェノキシ、4−スルホフェノキシ、2,5−ジスルホフェノキシ等のスルホ置換のもの;2−カルボキシフェノキシ、3−カルボキシフェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3,5-ジカルボキシフェノキシ等のカルボキシ置換のもの;4−メトキシフェノキシ等のアルコキシ、好ましくはC1−C4アルコキシ置換のもの;2−カルバモイルフェノキシ、3−カルバモイルフェノキシ等のカルバモイル置換のもの;4−シアノフェノキシ等のシアノ置換のもの;4−ブチルフェノキシ等のアルキル、好ましくはC1−C4アルキル置換のもの;4−アニリノ−3−スルホフェノキシ等のアニリノ及びスルホ置換のもの;4−フェノキシフェノキシ等のフェノキシ置換のもの;4−ジメチルアミノフェノキシ等のアミノ、好ましくはモノ又はジC1−C4アルキルアミノ、より好ましくはジC1−C4アルキルアミノ置換のもの;2−ヒドロキシフェノキシ、3−ヒドロキシフェノキシ等のヒドロキシ置換のもの;4−メチルメルカプトフェノキシ等のメルカプト、好ましくはC1−C4アルキルメルカプト置換のもの;等が挙げられる。
該フェノキシ基としては、スルホ置換、カルボキシ置換、又は非置換が好ましく、スルホ置換又はカルボキシ置換より好ましく、スルホ置換がさらに好ましい。
上記R2及びR3における非置換アラルキルアミノ基としては、該アラルキルアミノ基のアリール部分は通常C6−C10、好ましくはC6の単環又は縮合環の芳香族基であり、具体例としてはフェニル又はナフチル、好ましくはフェニルが挙げられる。又、アルキル部分は通常C1−C6、好ましくはC1−C4、さらに好ましくはC1−C3の直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖が好ましい。該アラルキルアミノ基としては、フェニルC1−C4アルキルアミノ基が好ましい。その具体例としてはベンジルアミノ、2−フェネチルアミノ、フェニルプロピルアミノ等のアルキル部分が直鎖かつ非置換のもの;1−フェネチルアミノ等のアルキル部分が分岐鎖かつ非置換のもの;等が挙げられる。
上記R2及びR3におけるスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基としては、置換基の数は通常1乃至4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。これらの置換基は上記非置換アラルキルアミノ基のいずれの部分に置換していてもよい。
その具体例としては、4−スルホベンジルアミノ等のスルホ置換のもの;2−フェニル−1−カルボキシエチルアミノ等のカルボキシ置換(アルキル部分にカルボキシ基が置換)のもの;3−メトキシベンジルアミノ等のアルコキシ、好ましくはC1−C4アルコキシ置換のもの;2−フェニル−2−オキソエチルアミノ等のオキソ置換のもの;2−フェニル−1−カルバモイルエチルアミノ等のカルバモイル置換のもの;4−シアノベンジルアミノ等のシアノ置換のもの;4−ヒドロキシフェネチルアミノ等のヒドロキシ置換のもの;等が挙げられる。
該アラルキルアミノ基としては、カルボキシ置換のものが好ましく、アルキル部分に置換したものがより好ましく、カルボキシ基がアルキル部分に置換したフェニルC1−C4アルキルアミノ基がさらに好ましい。
上記R2及びR3における非置換モノ又はジアルキルアミノ基としては、該アルキル部分は通常C1−C12、好ましくはC1−C4、より好ましくはC1−C2である。該アルキル部分は直鎖、分岐鎖又は環状のものが挙げられ、直鎖又は分岐鎖が好ましく、直鎖がより好ましい。モノ又はジアルキルアミノ基としては、モノアルキルアミノ基が好ましい。その具体例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ヘプチルアミノ、オクチルアミノ、ノニルアミノ、デシルアミノ、ウンデシル、ドデシル等の非置換直鎖のもの;2−エチルヘキシルアミノ等の非置換分岐鎖のもの;シクロヘキシルアミノ等の非置換環状のもの;等が挙げられる。
上記R2及びR3におけるスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基としては、置換基の数に制限は無いが、通常1乃至4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2、さらに好ましくは1である。
具体例としては、2−スルホエチルアミノ等のスルホ置換のもの;カルボキシメチルアミノ、1−カルボキシエチルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、1,2−ジカルボキシエチルアミノ、1,3−ジカルボキシプロピルアミノ、3−カルボキシプロピルアミノ、4−カルボキシブチルアミノ、5−カルボキシペンチルアミノ、6−カルボキシヘキシルアミノ、7−カルボキシヘプチルアミノ、8−カルボキシオクチルアミノ、9−カルボキシノニルアミノ、10−カルボキシデシルアミノ、11−カルボキシウンデシルアミノ、12−カルボキシドデシルアミノ等のカルボキシ置換の直鎖のもの;1−カルボキシ−2,2−ジメチルエチルアミノ、1−カルボキシ−3,3−ジメチルプロピルアミノ等のカルボキシ置換の分岐鎖のもの;2−カルボキシ−シクロペンチルアミノ等のカルボキシ置換の環状のもの;3−エトキシプロピルアミノ等のアルコキシ、好ましくはC1−C4アルコキシ置換のもの;3−オキソブチルアミノ等のオキソ置換のもの;2−アミノカルボニルエチルアミノ等のカルバモイル置換のもの;3−シアノプロピルアミノ等のシアノ置換のもの;2−フェニルアミノエチルアミノ等のアニリノ置換のもの;2−フェノキシエチルアミノ等のフェノキシ置換のもの;N−(3−ヒドロキシプロピル)アミノエチルアミノ等のヒドロキシC1−C4アルキルアミノ置換のもの;ジエチルアミノエチルアミノ等のジC1−C4アルキルアミノ置換のもの;アミノエチルアミノ等のアミノ置換のもの;2−ヒドロキシエチルアミノ等のヒドロキシ置換のもの;2−チオエチルアミノ等のメルカプト置換のもの;等が挙げられる。
上記モノアルキルアミノ基としては、スルホ置換、カルボキシ置換又は非置換のものが好ましく、カルボキシ置換又は非置換のものがより好ましく、カルボキシ置換のものがさらに好ましい。
上記ジアルキルアミノ基の具体例としては、例えば上記の基から独立に選択される基で置換されたものでよいが、好ましくはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ等の非置換のもの;ビス(カルボキシメチル)アミノ等のカルボキシ置換のもの;ビス(2−ヒドロキエチル)アミノ等のヒドロキシ置換のもの;等が挙げられる。
上記R2及びR3としては、何れか一方がヒドロキシ基であるものが好ましい。
上記式(1)で表される化合物のうち、好ましいものが上記式(2)で表される化合物である。
上記式(2)中、R2は、好ましいものも含めて上記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
上記式(2)中、好ましいR2としては、ヒドロキシ基;アルコキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;非置換アラルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基が挙げられる。
より好ましくはヒドロキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたアニリノ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノアルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノアルキルアミノ基;であり、さらに好ましくはヒドロキシ基;アミノ基;非置換モノアルキルアミノ基;又はカルボキシ基で置換されたモノC1−C12アルキルアミノ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基;アミノ基;非置換モノアルキルアミノ基;又はカルボキシ基で置換されたモノC1−C4アルキルアミノ基であり、最も好ましくはヒドロキシ基;又はカルボキシ基で置換されたモノC1−C4アルキルアミノ基;である。これらの各基及びその具体例としては、上記式(1)におけるR2の中から相当するものと、好ましいもの等を含めて同じでよい。
上記の式(1)又は(2)におけるR1、R2、R3それらの置換基、及び置換位置等に関して、好ましいもの同士を組合せた化合物はより好ましい化合物であり、より好ましいもの同士を組合せた化合物はさらに好ましい。さらに好ましいもの同士を組合せたもの等についても同様である。
本発明の前記式(1)で表されるアントラピリドン化合物の具体例を下記表1に示す。
Figure 2010001348
上記式(1)で表される化合物は遊離酸、あるいはその塩の形としても存在する。上記式(1)で表される化合物の塩としては、無機又は有機陽イオンとの塩が挙げられる。無機陽イオンの塩の具体例としてはアンモニウム塩やアルカリ金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどの塩が挙げられる。また、有機の陽イオンとしては、たとえば下記式(3)で表される4級アンモニウム塩等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
Figure 2010001348
(式(3)中、Z1〜Z4はそれぞれ独立に水素原子、C1−C4アルキル基、ヒドロキシC1−C4アルキル基又はヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基を表わす。このうち、Z1〜Z4の全てが水素原子である組み合わせはアンモニウム塩である。)
ここで、Z1〜Z4におけるアルキル基の例としてはメチル、エチル等があげられ;ヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等があげられ;ヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−(ヒドロキシエトキシ)プロピル、3−(ヒドロキシエトキシ)ブチル、2−(ヒドロキシエトキシ)ブチル;等が挙げられる。
前記塩のうち好ましいものは、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンの塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、リチウム、ナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩である。
当業者においては明らかなように、上記式(1)で表される化合物の塩は以下の方法などにより容易に得ることができる。
例えば、該化合物の合成反応における最終工程後の反応液、あるいは該化合物を含むウェットケーキ又は該化合物の乾燥品などを溶解した水溶液に食塩を加えて塩析し、析出固体を濾過分取することにより、該化合物のナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。
又、得られたナトリウム塩のウェットケーキを水に溶解後、塩酸などの酸を加えてそのpHを適宜調整し、析出した固体を濾過分取することにより、該化合物の遊離酸を、あるいは該化合物の一部がナトリウム塩である遊離酸とナトリウム塩の混合物を得ることもできる。
更に、該化合物の遊離酸のウェットケーキを水と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水又は式(3)で表される4級アンモニウム塩の水酸化物等を添加してアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、又は4級アンモニウム塩を得ることもできる。
遊離酸のモル数に対して、加える上記の塩のモル数を制限することにより、例えばリチウムとナトリウムの混塩など、さらにはリチウム、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウムの混塩なども調製することが可能である。
該化合物の塩は、その塩の種類により溶解性などの物理的な性質、あるいはインクとして用いた場合のインクの性能、及び堅牢性に関する性能等が変化する場合もある。このため目的とするインク性能などに応じて塩の種類を選択することも好ましく行われる。
以下に本発明の化合物の製造方法を記載する。なお下記式(4)〜(11)中に記載のR1乃至R3は、上記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
即ち、下記式(4)で表されるアントラキノン化合物1モルにベンゾイル酢酸エチルエステル1.1から3モルをキシレン等の極性溶媒中、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物の存在下、130〜180℃、5〜15時間反応を行い、下記式(5)で表される化合物を得る。
Figure 2010001348
Figure 2010001348
得られた上記式(5)で表される化合物1モルにメタアミノアセトアニリド1〜5モルを、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性有機溶媒中、炭酸ナトリウムのような塩基及び酢酸銅のような銅触媒の存在下、110〜150℃、2〜6時間ウルマン反応をおこなって縮合し、下記式(6)で表される化合物を得る。
Figure 2010001348
得られた上記式(6)で表される化合物を8〜15%発煙硫酸中、50〜120℃でスルホ化すると同時に、アセチルアミノ基を加水分解する事により、下記式(7)で表される化合物を得る。
Figure 2010001348
得られた上記式(7)で表される化合物を水中でpH11〜12、約60℃程度で攪拌することにより、下記式(8)で表される化合物を得る。
Figure 2010001348
得られた上記式(8)の化合物1モルと2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)1〜1.6モルとを水中で、pH2〜7、5〜35℃、2〜8時間反応させて、下記式(9)で表される化合物を得る。
Figure 2010001348
次いで、上記式(9)で表される化合物を含む反応液に、R3に対応する基を導入するために、例えばR3−Hで表される化合物1〜4モルを、pH2〜10、30〜80℃、0.5〜5時間反応させることにより、下記式(10)で表される化合物が得られる。R3がヒドロキシである化合物は上記式(9)で表される化合物を含む反応液をpH4〜12、40〜90℃、0.5〜5時間反応させることにより得られる。
Figure 2010001348
次いで、上記式(10)で表される化合物を含む反応液に、R2に対応する基を導入するために、例えば「R2−H」で表される化合物1〜4モルを、pH4〜12、30〜80℃、0.5〜5時間反応させることにより、本発明の上記式(1)で表される化合物が得られる。またR2がヒドロキシである化合物は、上記式(10)で表される化合物を含む反応液をpH6〜12、60〜100℃、0.5〜5時間反応させることにより得られる。
本発明の上記式(1)で表される化合物は、反応後、塩酸などの鉱酸の添加により固体の遊離酸として単離する事ができ、得られた遊離酸の固体を水又は例えば塩酸水などの酸性水で洗浄することなどにより、不純物として含有する無機塩、例えば塩化ナトリウム等の金属陽イオンの塩化物;及び、硫酸ナトリウム等の硫酸陽イオンのアルカリ金属塩;等、すなわち、本明細書でいうところの「無機不純物」を除去することができる。
これらの無機不純物は、上記式(1)で表される化合物を色素として含有するインク組成物及び/又はインクを調製する場合に、該インク組成物等の保存安定性や、該インク組成物等を使用してインクジェット記録等を行う際の吐出安定性等に悪影響を与えることが多い。このため、上記式(1)で表されるアントラピリドン化合物の総質量中における、該無機不純物の含有量は少なくとも1質量%以下にすることが好ましく、下限は0質量%、すなわち分析機器における検出限界以下でもよい。
無機不純物の少ない化合物を製造するには、例えば逆浸透膜による方法が知られている。その他の方法として、上記式(1)で表される化合物の乾燥品あるいはウェットケーキを、メタノールなどのC1−C4アルコール及び水の混合溶媒中に懸濁させて撹拌した後、固体を濾取し、乾燥することによっても無機不純物の除去が可能である。
上記式(1)で表される化合物は、天然及び合成繊維材料又は混紡品の染色、さらには、筆記用インク及びインクジェット記録用インクの製造に適している。
上記式(1)で表される化合物を含む反応液は、本発明のインク組成物の製造に直接使用する事も出来る。しかし、反応液から該化合物を単離、例えばスプレー乾燥などの方法により反応液などを乾燥して単離した後、得られた化合物をインク組成物に加工することもできる。本発明のインク組成物は、上記式(1)で表される化合物を、色素としてインク組成物の総質量に対して通常0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは2〜8質量%含有する。
本発明のインク組成物は水を媒体として調製され、必要に応じて、水溶性有機溶剤及びインク調製剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しても良い。水溶性有機溶剤は、染料溶解剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、粘度調整剤、浸透促進剤、表面張力調整剤、消泡剤等としての機能を有する場合もあり、本発明のインク組成物中には含有するのが好ましい。その他のインク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、乳化安定剤、表面張力調整剤、消泡剤、分散剤、及び分散安定剤等の公知の添加剤が挙げられる。
水溶性有機溶剤の含有量はインクの総質量に対して0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%であり、インク調製剤は同様に0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%用いるのが良い。上記以外の残部は水である。
上記の水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルカノール(アルコール);N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はチオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4モノアルキルエーテル;γ−ブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等が挙げられる。
上記の水溶性有機溶剤として好ましいものは、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン及びブチルカルビトールであり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン及びブチルカルビトールである。これらの水溶性有機溶剤は、単独又は混合して用いられる。なお、インク組成物を調製する上で、水溶性有機溶剤は含有する方が好ましい。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、及び無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、酢酸ソーダ及び安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤の他の具体例としては、例えば、アベシア社製 商品名プロクセルGXL(S)及びプロクセルXL−2(S)等が好ましく挙げられる。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物、又はベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物があげられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。尿素を使用するのが好ましい。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、及び亜鉛錯体などがある。
表面張力調整剤としては、界面活性剤があげられ、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤などが挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他イミダゾリン誘導体などがある。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレンアルコール系;他の具体例として、例えば、日信化学社製 商品名サーフィノール104、82、465、オルフィンSTG等が挙げられる。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。
これらのインク調製剤は、単独又は混合して用いられる。なお、本発明のインク組成物を含有するインクの表面張力は通常25〜70mN/m、より好ましくは25〜60mN/mである。同様に、インクの粘度は30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
本発明のインク組成物を製造するにあたり、添加剤などの各成分を溶解させる順序には特に制限はない。インク組成物を調製するにあたり、用いる水はイオン交換水又は蒸留水など不純物が少ない物が好ましい。
さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行ってインク組成物より夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンター用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.1ミクロンである。
本発明のアントラピリドン化合物を色素として含有するインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、又は記録(印刷)、特にインクジェット記録における使用に適する。また本発明のインク組成物は、インクジェットプリンターのノズル付近における乾燥に対しても固体の析出は起こりにくく、この理由によりヘッドの閉塞もまた起こりにくい。さらに本発明のインク組成物をインクジェット記録に用いた場合、水、光、オゾン等の酸化性ガス、及び摩擦に対する良好な耐性を有する高品質のマゼンタ色の印捺物が得られ、特に普通紙に記録した画像の耐水性が極めて良好である。
インクジェットプリンターにおいて、高精細な画像を供給することを目的に、高濃度のインクと低濃度のインクの2種類のインクが1台のプリンタに装填されたものもある。その場合、色素として本発明の化合物を高濃度に含有するインクと、低濃度に含有するインクとをそれぞれ調製し、それらをインクセットとして使用してもよい。またどちらか一方だけに該化合物を含有させてもよい。
また本発明の化合物が有する耐水性等の効果を阻害しない範囲で、公知のマゼンタ色素を併用してもよい。
また他の色、例えばブラックインクの調色用、あるいはイエロー色素やシアン色素と混合して、レッドインクやブルー(又はバイオレット)インクを調製する目的で、本発明の化合物を色素として用いることもできる。
本発明の着色体とは、本発明の化合物で着色された物質のことである。着色体の材質には特に制限はなく、例えば紙、フィルムなどの情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等、着色されるものであればなんでも良く、これらに限定されないが、情報伝達用シートが好ましい。着色法としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェットプリンターによる方法等が挙げられるが、インクジェットプリンターによる方法が好ましい。
上記の情報伝達用シートとしては、特に制限はなく、普通紙はもちろん、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものなども用いることができる。ここでインク受容層とは、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工する方法;又は多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の色素を吸収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工する方法;などにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、又は光沢フィルム等と呼ばれる。
普通紙とは、特にインク受容層を設けていない紙のことを意味し、用途によってさまざまなものが数多く市販されている。市販されている普通紙の一例を挙げると、インクジェット用としては、セイコーエプソン社製 両面上質普通紙;キヤノン社製 カラー普通紙;Hewlett Packard社製 Multipurpose Paper、All−in−one Printing Paper;などがある。この他、特に用途をインクジェット印刷に限定しないPPC用紙なども普通紙である。
本発明のインク組成物は、上記のような普通紙に記録した画像の耐水性が特に優れているが、その他の光、オゾン、湿度や摩擦などに対する堅牢性にも優れる。一方、上記のインクジェット専用紙にも使用することが可能である。
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のインク組成物が充填された容器をインクジェットプリンターの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物と共に、イエロー、シアン、必要に応じて、グリーン、ブルー(又はバイオレット)、レッド、及びブラック等の各インクを併用しうる。この場合、各色のインクは、それぞれの容器に注入され、それらの容器を、インクジェットプリンターの所定位置に装填して使用する。
インクジェットプリンターには、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式;及び加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式;等を利用したものがある。本発明のインクジェット記録方法は、いかなる方式であっても使用が可能である。
本発明のインク組成物は、鮮明なマゼンタ色であり、インクジェット専用紙等の被記録材、特に普通紙に記録した場合であっても画像の鮮明度が高く、インクジェット記録方法に適した色相を有する。また、その記録画像の堅牢度、特に普通紙における耐水性が非常に高いことを特徴とする。
本発明のインク組成物は貯蔵中に色素等が沈澱、分離することがない。また、本発明のインク組成物をインクジェット記録に使用した場合、ノズル付近におけるインク組成物の乾燥による固体の析出は非常に起こりにくく、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明のインク組成物は連続式インクジェットプリンターを用い、比較的長い時間間隔においてインクを再循環させて使用する場合においても、又はオンデマンド式インクジェットプリンターによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。実施例中の反応及び晶析等の操作については、特に断りのない限りいずれも攪拌下に行った。また、実施例に記載した化合物のうち、最大吸収波長(λmax)を測定したものについては測定値を記載した。このλmaxは、水溶液での測定値である。
実施例1
(1)
キシレン360部中に、攪拌しながら、下記式(11)で表される化合物94.8部、炭酸ナトリウム3.0部、ベンゾイル酢酸エチルエステル144.0部を順次加えて昇温し、140〜150℃の温度で8時間反応を行った。その間、反応で生成するエタノールと水をキシレンと共沸させながら系外へ留出させ、反応を完結させた。次いで、冷却し、30℃にてメタノール240部を添加して30分攪拌後、析出固体を濾取した。得られた固体をメタノール360部で洗浄後、乾燥して、下記式(12)で表される化合物124.8部を淡黄色針状固体として得た。
Figure 2010001348
Figure 2010001348
(2)
攪拌下、N,N−ジメチルホルムアミド300.0部中に、上記式(12)で表される化合物88.8部、メタアミノアセトアニリド75.0部、酢酸銅1水和物24.0部及び炭酸ナトリウム12.8部を順次加えて120〜130℃に昇温し、3時間反応を行った。反応液を約50℃に冷却し、メタノール120部を添加して30分攪拌した。析出固体を濾取し、メタノール500部、次いで80℃の温水で洗浄した後、乾燥することにより下記式(13)で表される化合物79.2部を青味赤色固体として得た。
Figure 2010001348
(3)
98%硫酸130部に、攪拌下、水冷しながら28%発煙硫酸170部を加えて、12%発煙硫酸300部を調製した。この発煙硫酸中に、水冷下、上記式(13)で表される化合物51.3部を50℃以下で加えた後、85〜90℃へ昇温し、4時間反応を行った。氷水600部中に反応液を徐々に加え、その間氷を加えながら発熱による液温の上昇を40℃以下に保持した。さらに水を加えて液量を1000部とした後、不溶解物を濾過により除去した。得られた母液に温水を加えて1500部とし、液温を60〜65℃に保ちながら、塩化ナトリウム300部を加えて2時間攪拌し、析出した固体を濾取した。20%塩化ナトリウム水溶液300部で洗浄し、よく水分を絞って下記式(14)で表される化合物59.2部を含むウェットケーキ129.0部を赤色固体として得た。
Figure 2010001348
(4)
水500部中に実施例1(3)で得た上記式(14)で表される化合物のウェットケーキ320部を加え、次いで25%水酸化ナトリウム水溶液にてpH12に調整後、90℃で6時間反応した。析出固体を濾過分取し、得られたウェットケーキに水400部を加えてpH7に調整後、析出固体を濾過分取して得られたウェットケーキを乾燥することにより下記式(15)で表される化合物85.8部を得た。
Figure 2010001348
(5)
水22.8部中に実施例1(4)で得た上記式(15)で表される化合物5.7部を加えて懸濁した後、30℃、pH3に調整した。一方、氷水30部に商品名リパールOH(アニオン界面活性剤、ライオン株式会社製)0.1部を加え、シアヌルクロライド2.8部を添加し、30分攪拌した後、上記で調整した式(15)で表される化合物を含有する懸濁液に添加した。この液を30℃、pH3を維持し、3時間反応することにより下記式(16)で表される化合物を含有する反応液を得た。
Figure 2010001348
(6)
実施例1(5)で得られた上記式(16)で表される化合物を含有する反応液に、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH9に調整し、80℃へ加熱して1時間反応することにより、下記式(17)で表される化合物を含有する反応液を得た。
Figure 2010001348
(7)
実施例1(6)で得られた上記式(17)で表される化合物を含有する反応液に、25%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH11〜12に調整し、温度を90〜100℃になるように加熱し5時間反応することにより、下記式(18)で表される化合物を含有する反応液を得た。反応液を50℃、pH1.0に調整し、析出した固体を濾過分取し、下記式(18)で表される化合物のウェットケーキ8.8部を得た。
Figure 2010001348
(8)
実施例1(7)で得られた上記式(18)で表される化合物のウェットケーキに、水20部を加え、アンモニア水を用いてpH6に調整して溶液とした後、イソプロピルアルコール100部を滴下した。析出固体を濾過分取し、イソプロピルアルコール100部で洗浄後、乾燥して上記式(18)で表される化合物の精製品1.6部のアンモニウム塩を赤色固体として得た。
λmax:513nm
実施例2
(1)
実施例1(1)乃至(6)と同様にして得られた上記式(17)で表される化合物を含有する反応液にグリシン2.3部を加え、25%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを8〜9に保ちながら、70〜80℃の温度で、2時間反応した。反応終了後、反応液をpH3.0に調整し、析出した固体を濾過分取し下記式(19)で表される化合物の赤色ウェットケーキ26.8部を得た。
Figure 2010001348
(2)
実施例2(1)で得られたウェットケーキを水62.5部中に加えて50℃に昇温後、アンモニア水溶液を加えることにより溶液を得た。次いで35%塩酸を滴下してpH5に調整し、析出した固体を濾過分取した。得られたウェットケーキに水75部を加え、50℃に昇温後、メタノール10部を滴下し、析出した固体を濾過分取し、メタノール100部で洗浄後、乾燥して上記式(19)で表される化合物の精製品4.4部のアンモニウム塩を赤色固体として得た。
λmax:514nm
実施例3
(1)
実施例1(1)〜(6)と同様にして得られた上記式(17)で表される化合物を含有する反応液に70%エチルアミン水溶液を加えてPH9〜10に保ちながら、80〜90℃の温度で、8時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、析出した固体を濾過分取して、下記式(20)で表される化合物の赤色ウェットケーキ12.4部を得た。
Figure 2010001348
(2)
実施例3(1)で得られたウェットケーキを水100部中に添加し80℃に昇温後、アンモニア水溶液を加えることにより溶液を得た。次いで35%塩酸を滴下してpH5に調整し、塩化アンモニウム15部を加えることにより析出した固体を濾過分取した。得られたウェットケーキ8.1部に水50部を加えて溶解後、エタノール50部を滴下し、析出した固体を濾過分取した。得られた固体をエタノール100部で洗浄後、乾燥して上記式(20)で表される化合物の精製品3.2部のアンモニウム塩を赤色固体として得た。
λmax:513nm
(A)インクの調製
上記実施例1で得られた本発明の上記式(18)で表される化合物の精製品、及びその他のインク調製剤等を、下記表2に示した組成比で混合して本発明のインク組成物を得た。得られたインク組成物を0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除き、評価用のインクを得た。尚、水はイオン交換水を使用し、インク組成物のpHがおよそ9.0となるようにアンモニア水で調整後、総量が100部になるように水を加えた。このインクの調製を実施例4とする。実施例1で得られた本発明の化合物の精製品の代わりに、実施例2又は3で得られた本発明の上記式(19)又は(20)で表される化合物の精製品をそれぞれ用いる以外は実施例4と同様にして、評価用のインクを得た。このインクの調製をそれぞれ実施例5又は6とする。
表2(インク組成物の組成比)
実施例1で得られた式(18)で表される化合物 4.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
商品名サーフィノール104PG50(注) 0.1部
アンモニア水+水 76.9部
計 100.0部
(注)アセチレングリコ−ル系ノニオン界面活性剤、日信化学社製
比較例1
実施例1で得られた上記式(18)で表される化合物のかわりに、特許文献11の実施例2で得られたNo.4の下記式(21)で表される比較用の色素を用いる以外は実施例4と同様にして、比較用のインク組成物を調製した。尚、下記式(21)で表される化合物はアンモニウム塩として合成し、これを用いた。
Figure 2010001348
(B)インクジェット記録
インクジェットプリンター(キヤノン社製 商品名:PIXUS ip4100)を用いて、下記表3に示す3種類の普通紙にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、チェック柄のパターン(ベタ印字部分と、印字を行っていない部分とがそれぞれ1.5mm角正方形となるように、且つ交互に組み合わさるように印字したパターン)を作成し、コントラストの高いマゼンタ−ホワイトの印字物を得た。このホワイトの部分が印字を行っていない部分(各普通紙そのものの生地)に相当する。また、反射濃度が数段階の階調が得られるように画像パターンも作成し、マゼンタ色のグラデーションを有する印字物を得た。
表3
普通紙1
Hewlett Packard社製
商品名Multipurpose Paper
普通紙2
Hewlett Packard社製
商品名All−in−One Printing Paper
普通紙3
キヤノン社製
商品名オフィスプランナーマルチグレード
以下に各種試験の試験方法及び評価結果について記載する。
(C)印刷物のL*、a*、b*の測定
プリントしたグラデーションを有する印字物中で、反射濃度(D値)が1.0付近ついて上記測色システムを用いて光源D65、視野角2度でのL*、a*、b*値を測定した。鮮明性C*は、色度(a*、b*)の測定値から、以下の式を用いて算出した。

C*=[(a*)2+(b*)21/2

なお、L*は明度、C*は上記の通り鮮明性をそれぞれ表し、いずれも大きいほうが良い。
実施例4〜6及び比較例1の結果を下記表4に記す。
Figure 2010001348
表4より明らかなように、b*値に着目すると、実施例4乃至6ではいずれの普通紙を用いた場合においてもおおよそ8乃至13の範囲にある。一方、比較例1は同様に、おおよそ−7乃至−11の範囲である。この結果は、各実施例と比較例1の色相とが明確に異なることを意味し、各実施例の色相は、比較例1よりも黄味な色相を有することが判明した。
また、明度L*を見ると、何れの普通紙においても各実施例の数値は比較例1より大きい値であり、各実施例は同等以上の明度を有することが判る。
また鮮明性C*については、各実施例及び比較例1は少なくとも同等程度であり、いずれも良好な鮮明性を有することが判る。
従って、本発明のアントラピリドン化合物は、普通紙においてインクジェット用マゼンタ色素として好適な明度、鮮明性を有し、また比較例1とは異なる色相であると言える。
(D)耐水性試験1
印刷後24時間乾燥を行ったチェック柄パターンの印字物に対して、イオン交換水を一滴落し、自然乾燥させた。乾燥後、パターンの着色部分の滲み具合を目視で評価し、以下の基準で3段階に評価した。
滲みなし・・・・・・・・○
滲みあり・・・・・・・・×
結果を下記表5に示す。
(E)耐水性試験2(ふき取り試験)
印刷後24時間乾燥を行ったグラデーションの印字物(反射濃度1.0付近)に対して、イオン交換水を一滴落とし、1分後にふき取る。乾燥後、反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求めた。結果を下記表5に示す。
(F)記録画像の耐光性試験
普通紙1及び2にプリントした試験片に、低温キセノンウェザーメーター XL75(スガ試験機社製)を用い、10Klux照度で、温度24℃、湿度60%RHの環境下、48時間照射し、反射濃度1.0付近の試験前後の色素残存率(%)を前記の測色システムを用いて測定し、測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求めた。結果を下記表6に示す。
Figure 2010001348
Figure 2010001348
表5の結果より明らかなように、耐水性試験1では普通紙1乃至3の全てにおいて、各実施例は滲みがないのに対し、比較例1は滲んでおり、各実施例は極めて耐水性が優れる結果となった。
耐水性試験2では、比較例1は、普通紙1乃至3の全てにおいて、着色物の色落ちの程度が大きく、色素残存率が小さいのに対し、各実施例は色落ちの程度が小さく、色素残存率が大きい。さらに、本試験においては全く色落ちせず、残存率の値が100%という好結果を示すものも認められた。従って、各実施例は比較例1よりも明らかに耐水性が良好である。
すなわち、比較例1に対して実施例4〜6の普通紙での記録画像は、目視及び測色結果のいずれにおいても極めて優れた耐水性を示し、本発明の色素及びこれを含有するインクの有用性が明らかとなった。
また、表6の結果より明らかなように、耐光性試験では、普通紙1乃至3の全てにおいて、色素残存率は比較例1より各実施例の方が大きく、各実施例は耐光性においても極めて良好である結果となった。
以上の結果から、本発明の水溶性アントラピリドン化合物はインクジェット記録用のインク組成物を調製するのに適しており、各種の堅牢性、特に耐水性及び耐光性に極めて優れ、また水溶解性が高く、良好な明度及び鮮明な色相を持つ。これらの特徴から、本発明のアントラピリドン化合物は各種の記録用インク色素、特にインクジェットインク用のマゼンタ色の色素として非常に有用な化合物であることが明らかである。

Claims (20)

  1. 下記式(1)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩、
    Figure 2010001348
    (式中、
    1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロヘキシル基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基、又はシアノアルキル基を、
    2及びR3は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基;アルコキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;非置換フェノキシ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基;非置換アラルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基;を、それぞれ表す。)。
  2. 1が水素原子又はメチル基である、請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  3. 1が水素原子又はメチル基を表し、
    2又はR3のいずれか一方がヒドロキシ基である請求項1又は2に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  4. 下記式(2)で表される請求項1乃至3に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
    Figure 2010001348
    [式中、R2は、式(1)におけるのと同じ意味を表す]。
  5. 2がヒドロキシ基;アルコキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基;非置換アラルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基及びヒドロキシ基よりなる群から選択される基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノ又はジアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基;である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  6. 2がヒドロキシ基;アミノ基;非置換アニリノ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたアニリノ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたアラルキルアミノ基;非置換モノアルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、オキソ基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、ヒドロキシC1−C4アルキルアミノアルキルアミノ基、アミノ基、ヒドロキシ基及びメルカプト基よりなる群から選択される基で置換されたモノアルキルアミノ基;である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  7. 2がヒドロキシ基;アミノ基;非置換モノアルキルアミノ基;又はカルボキシ基で置換されたモノC1−C12アルキルアミノ基;である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  8. 2がヒドロキシ基;アミノ基;非置換モノアルキルアミノ基;又はカルボキシ基で置換されたモノC1−C4アルキルアミノ基;である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  9. 2がヒドロキシ基;又はカルボキシ基で置換されたモノC1−C4アルキルアミノ基である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を色素として含有し、さらに水を含有することを特徴とするインク組成物。
  11. 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項10に記載のインク組成物。
  12. インクジェット記録用である請求項11に記載のインク組成物。
  13. 色素として含有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物の総質量中における無機不純物の含有量が、該化合物の総質量に対して1質量%以下である請求項10乃至12のいずれか一項に記載のインク組成物。
  14. 色素として含有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物の含有量が、インク組成物の総質量に対して0.1〜20質量%の範囲である請求項10乃至13のいずれか一項に記載のインク組成物。
  15. 請求項10乃至14のいずれか一項に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  16. 被記録材が情報伝達用シートである請求項15に記載のインクジェット記録方法。
  17. 情報伝達用シートが普通紙又は多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有する請求項16に記載のインクジェット記録方法。
  18. 請求項10乃至14のいずれか1項に記載のインク組成物により着色された着色体。
  19. 着色がインクジェットプリンターによりなされた請求項18に記載の着色体。
  20. 請求項10乃至14のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンター。
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