JP2012020985A - 消臭剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】不飽和アルデヒドの消臭効果に優れ、かつ安全性の高い消臭剤を提供すること。
【解決手段】ブナ科(Fagaceae)のクリ属(Castanea)からなる群より選択される1種又は2種以上の果実の鬼皮並びに渋皮の少なくとも1つから抽出した抽出物からなる不飽和アルデヒドの消臭に有効な消臭剤とする。
【選択図】なし
【解決手段】ブナ科(Fagaceae)のクリ属(Castanea)からなる群より選択される1種又は2種以上の果実の鬼皮並びに渋皮の少なくとも1つから抽出した抽出物からなる不飽和アルデヒドの消臭に有効な消臭剤とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ブナ科(Fagaceae)クリ属(Castanea)からなる群より選択される1種又は2種以上の果実の鬼皮並びに渋皮の少なくとも1つから抽出した抽出物を配合することにより、不飽和アルデヒドの消臭に有効な消臭剤、消臭皮膚外用剤および消臭用経口剤に関する。
ブナ科クリ属はアジア、ヨーロッパ、北アメリカの温帯地域に12種が分布している。その中でも、ニホングリ(Castanae crenata)、チュウゴクグリ(Castanea mollissima)、ヨーロッパグリ(Castanae sativa)、アメリカグリ(Castanea dentate)の4種は、果実を食用として利用している。果実は炭水化物を多く含み、ビタミン、ミネラル類がバランス良く含まれているため、古代から栄養食として利用されてきた。また、渋皮には糖質分解酵素の抑制作用があり、肥満・血糖値の上昇抑制効果が知られている。しかし、ブナ科クリ属果実の鬼皮又は渋皮の抽出物による不飽和アルデヒドの消臭作用は今までに知られていない。
不飽和アルデヒドのヘキセナール、オクテナール、ノネナールは、中高年以降に認められる「加齢臭」の主な原因と考えられている。加齢臭などの体臭の防止には、芳香成分を利用してマスキングする方法、吸着剤を利用する方法、抗菌物質を利用する方法が従来から知られている。しかし体臭と芳香が混在するため、時には新たな臭気の発生を招いたり、いったん吸着された体臭成分の再放出や、即効性に欠けるなどの問題があり、いずれの場合も根本的な問題解決とはならず未だ満足できるものではない。
本発明は、上記問題点を解決し、不飽和アルデヒドの消臭効果に優れ、かつ安全性の高い消臭剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため研究を重ねた結果、これまで消臭作用を有することが知られていなかったブナ科(Fagaceae)クリ属(Castanea)からなる群より選択される1種類又は2種類以上の果実の鬼皮並びに渋皮の少なくとも1つから得られる抽出物が、優れた不飽和アルデヒドの消臭効果を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明により、不飽和アルデヒドの消臭に有効な消臭剤および消臭用経口剤を提供することが出来る。
本発明において使用されるブナ科(Fagaceae)クリ属(Castanea)からなる群より選択される1種又は2種以上の果実の鬼皮又は渋皮は、生のまま又は乾燥させて使用することもできる。
このとき用いる溶媒としては、特に限定されないが、水、エタノール、メタノール、アセトン、ヘキサン、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールなどが例示され、これらを1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。また、得られた抽出物は抽出物をそのまま用いるか、又は効果を損なわない程度に脱臭、精製を行い配合することも可能である。
本発明の抽出物は、皮膚外用剤として使用する他に、経口剤としても利用可能であり、食品、あるいは医薬品などの消臭用経口剤にも応用することが出来る。
本発明の抽出物は、消臭剤として配合する場合、消臭の有効成分として0.001〜10.0質量%とすることが好ましい。
本研究で得られた抽出物を含む化粧料は、効果を損なわない程度で油剤、界面活性剤、糖類、高分子類、pH調製剤、キレート剤、アルコール類、ビタミン類、アミノ酸類、塩類、香料、色素などを配合できる。油剤の成分としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、オレイン酸、オクチルドデカノール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、アボガド油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、椿油、馬油等が挙げられる。界面活性剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。糖類の成分としては、例えばソルビトール、マンニトール、グルコース、ショ糖、加糖、キシリトール、マルチトール、トレハロース等が挙げられる。高分子としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、カチオンポリマー、キサンタンガム、ペクチン、デキストリン、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ゼラチン、ヒアルロン酸等が挙げられる。ビタミン類としては、例えばレチノール、リボフラビン、塩酸ピリミドキシン、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、酢酸トコフェロール、ビオチン等が挙げられる。
本発明にかかる化粧料としては、クリーム、軟膏、ローション、乳液、化粧水、ジェル、パック、石鹸、洗顔料、シャンプー、リンス、クレンジング剤、スプレー製剤などとして調製することができる。
また、消臭用経口剤の剤系としては、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤など種々の剤型で提供することもできる。必要に応じて、医薬品・医薬部外品・食品などに配合される、油性成分、保湿剤、粉体、乳化剤、可溶化剤、増粘剤、薬剤、香料、防菌防黴剤、アルコール類、砂糖、練乳、小麦粉、食塩、ブドウ糖、鶏卵,バター、マーガリン、水飴、カルシウム、鉄分、調味料、香辛料、ビタミンA及びそれらの誘導体、カロテノイド類、リボフラビン及びその誘導体、ビタミンB類及びそれらの塩若しくは誘導体、コバラミン類、ビタミンE及びそれらの誘導体、ビタミンK、アデノシン及びその誘導体、フラボノイド類及びタンニン類を配合することもできる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、他の保湿剤との併用も可能である。
本発明で使用されているブナ科(Fagaceae)クリ属(Castanea)の特にニホングリ(Castanae crenata)、チュウゴクグリ(Castanea mollissima)、ヨーロッパグリ(Castanae sativa)、アメリカグリ(Castanea dentate)は、天然物で食用に使用されているため安全性が高く、有害な副作用などは報告されていない。
次に実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。ここでの、配合量は質量%である。
実施例に先立ち、本発明抽出物の不飽和アルデヒドの消臭効果に関する試験方法とその結果について説明する。
実施例に先立ち、本発明抽出物の不飽和アルデヒドの消臭効果に関する試験方法とその結果について説明する。
(試験方法およびその結果)
1.試料の調製
(1)ニホングリ(Castanae crenata)の鬼皮抽出液
ニホングリの鬼皮10.0gを、40℃で2日間エタノール250mLに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、エタノール抽出物3.0gを得た。この抽出物を精製水で希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(2)ニホングリ(Castanae crenata)の渋皮抽出液
ニホングリの渋皮15.0gを、40℃で2日間エタノール250mLに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、エタノール抽出物3.0gを得た。この抽出物を精製水で希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
1.試料の調製
(1)ニホングリ(Castanae crenata)の鬼皮抽出液
ニホングリの鬼皮10.0gを、40℃で2日間エタノール250mLに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、エタノール抽出物3.0gを得た。この抽出物を精製水で希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(2)ニホングリ(Castanae crenata)の渋皮抽出液
ニホングリの渋皮15.0gを、40℃で2日間エタノール250mLに浸漬し、抽出液をろ過、溶媒を留去し、エタノール抽出物3.0gを得た。この抽出物を精製水で希釈して濃度を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
2.不飽和アルデヒドの消臭効果試験
消臭効果の試験はガスクロマトグラフィーにて行い、不飽和アルデヒドの消臭率をブランクと比較した。また、不飽和アルデヒドはノネナールを使用した。
条件 カラム:HP−5(0.32mmφ)、温度:Oven 100℃、Injection 250℃、Detector 300℃、Range 10(検出器:TCD)
消臭効果の試験はガスクロマトグラフィーにて行い、不飽和アルデヒドの消臭率をブランクと比較した。また、不飽和アルデヒドはノネナールを使用した。
条件 カラム:HP−5(0.32mmφ)、温度:Oven 100℃、Injection 250℃、Detector 300℃、Range 10(検出器:TCD)
3.測定方法
ノネナール溶液を30μlポリフッ化ビニル袋に採取し、33℃一定温度で気化させた後、試料溶液を3mlを入れ33℃で30分間放置する。その後、SPME(100μmPDMS)で気体中のノネナールを1時間吸着し、ガスクロマトグラフィーにてノネナールのピーク面積をブランクと比較し、消臭効果を求めた。
ノネナール溶液を30μlポリフッ化ビニル袋に採取し、33℃一定温度で気化させた後、試料溶液を3mlを入れ33℃で30分間放置する。その後、SPME(100μmPDMS)で気体中のノネナールを1時間吸着し、ガスクロマトグラフィーにてノネナールのピーク面積をブランクと比較し、消臭効果を求めた。
表1の結果より、ニホングリ(Castanae crenata)の鬼皮抽出物と渋皮抽出物が、不飽和アルデヒドの消臭効果に優れていることが判る。
以下に、本発明の消臭剤を配合した皮膚外用剤及び経口剤の実施例を挙げる。配合した消臭剤は上記で調製したものを用いた。実施例で得られた皮膚外用剤及び経口剤には消臭効果が認められた。
以下に、本発明の消臭剤を配合した皮膚外用剤及び経口剤の実施例を挙げる。配合した消臭剤は上記で調製したものを用いた。実施例で得られた皮膚外用剤及び経口剤には消臭効果が認められた。
ニホングリ(Castanae crenata)の鬼皮抽出物と渋皮抽出物の配合例を示す。配合量は質量%を表す。
配合例1 化粧水
(処方)
グリセリン 4.0質量%
1,3−ブチレングリコール 6.0
トレハロース 0.1
Castanae crenataの鬼皮抽出液または 2.0
Castanae crenataの渋皮抽出液
キサンタンガム 0.05
メチルパラベン 0.2
精製水 残余
(処方)
グリセリン 4.0質量%
1,3−ブチレングリコール 6.0
トレハロース 0.1
Castanae crenataの鬼皮抽出液または 2.0
Castanae crenataの渋皮抽出液
キサンタンガム 0.05
メチルパラベン 0.2
精製水 残余
配合例2 ミスト
(処方)
政府所定変性アルコール 35.0質量%
1,3−ブチレングリコール 3.0
グリセリン 2.0
Castanae crenataの鬼皮抽出液または 2.0
Castanae crenataの渋皮抽出液
精製水 残余
(処方)
政府所定変性アルコール 35.0質量%
1,3−ブチレングリコール 3.0
グリセリン 2.0
Castanae crenataの鬼皮抽出液または 2.0
Castanae crenataの渋皮抽出液
精製水 残余
配合例3 石鹸
(処方)
カリ含有石ケン素地 95.0質量%
グリセリン 2.0
Castanae crenataの鬼皮抽出液または 2.0
Castanae crenataの渋皮抽出液
オリーブ油 1.0
(処方)
カリ含有石ケン素地 95.0質量%
グリセリン 2.0
Castanae crenataの鬼皮抽出液または 2.0
Castanae crenataの渋皮抽出液
オリーブ油 1.0
配合例4 ソフトカプセル
(処方)
玄米胚芽油 85.0質量%
乳化剤 10.0
Castanae crenataの鬼皮抽出液または 4.9
Castanae crenataの渋皮抽出液
コエンザイムQ10 0.1
(処方)
玄米胚芽油 85.0質量%
乳化剤 10.0
Castanae crenataの鬼皮抽出液または 4.9
Castanae crenataの渋皮抽出液
コエンザイムQ10 0.1
Claims (5)
- ブナ科(Fagaceae)クリ属(Castanea)からなる群より選択される1種又は2種以上の果実の鬼皮並びに渋皮の少なくとも1つから抽出した抽出物からなることを特徴とする不飽和アルデヒドの消臭剤。
- ブナ科(Fagaceae)クリ属(Castanea)からなる群より選択される1種又は2種以上の果実の鬼皮並びに渋皮の少なくとも1つから抽出した抽出物を消臭の有効成分として0.001〜10.0質量%配合することを特徴とする消臭剤。
- 請求項1に記載の消臭剤を用いて消臭を行うことを特徴とする消臭方法。
- 請求項1に記載の消臭剤を水相または油相に添加して消臭皮膚外用剤を製造することを特徴とする消臭皮膚外用剤の製造方法。
- 請求項1に記載の消臭剤を水相または油相に添加して消臭用経口剤を製造することを特徴とする消臭経口剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010175776A JP2012020985A (ja) | 2010-07-16 | 2010-07-16 | 消臭剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010175776A JP2012020985A (ja) | 2010-07-16 | 2010-07-16 | 消臭剤 |
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JP2012020985A true JP2012020985A (ja) | 2012-02-02 |
Family
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JP2010175776A Pending JP2012020985A (ja) | 2010-07-16 | 2010-07-16 | 消臭剤 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2012020985A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015141985A1 (ko) * | 2014-03-17 | 2015-09-24 | 고려대학교 산학협력단 | 율피 추출물을 유효성분으로 포함하는 노인성 체취 제거용 소취제 조성물 및 이의 제조방법 |
-
2010
- 2010-07-16 JP JP2010175776A patent/JP2012020985A/ja active Pending
Cited By (2)
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WO2015141985A1 (ko) * | 2014-03-17 | 2015-09-24 | 고려대학교 산학협력단 | 율피 추출물을 유효성분으로 포함하는 노인성 체취 제거용 소취제 조성물 및 이의 제조방법 |
KR101554537B1 (ko) * | 2014-03-17 | 2015-10-06 | 고려대학교 산학협력단 | 율피 추출물을 유효성분으로 포함하는 노인성 체취 제거용 소취제 조성물 및 이의 제조방법 |
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