JP2012020797A - 速度可変用ホイール及びこれを用いた移送速度可変型フリーホイールコンベア - Google Patents

速度可変用ホイール及びこれを用いた移送速度可変型フリーホイールコンベア Download PDF

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寿嗣 水尻
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Abstract

【課題】速度可変用ホイール及びこれを用いた移送速度可変型フリーホイールコンベアを提供する。
【解決手段】減速用速度可変ホイール10は、搬送物1を重力作用で移送するフリーホイールコンベア20のフリーホイールとして使用され搬送物1の移送速度を減速制御する速度可変用ホイールであって、ホイール軸に垂直な側面を円形に形成されたホイール本体10aの円中心O1から一定量e偏倚した位置に回転中心O2を有するホイール軸10bが、ホイール本体10aと一体的構造で側方へ突き出されて偏心カム形状に構成されており、ホイール軸10bが、フリーホイールコンベア20のコンベアフレーム3に回転可能に支持され、ホイール本体10aの短径側R1の外周面が、側面方向から見て他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面4を形成する配置に設置される。
【選択図】図1

Description

この発明は、自由に回転するホイール(以下、フリーホイールという。)を複数個、搬送物の移送方向へ並べて移送面を形成し、搬送物を前記移送面上に載せて重力作用で移送するフリーホイールコンベア(流動式ホイールコンベアとも同じ概念。)に使用されるフリーホイールであって、フリーホイールコンベアによる搬送物の移送中に移送速度が次第に加速する不具合、又は逆に搬送物の移送速度が次第に減速してコンベアの途中位置に止まるか渋滞する不具合を改善することに有用な移送速度可変ホイールと、要所要所に前記の移送速度可変ホイールを設置して、コンベア上の搬送物の移送速度が必要以上に加速する不具合、又は逆に減速する不具合を改善した移送速度可変型フリーホイールコンベアの技術分野に属する。
なお、本願明細書及び特許請求の範囲の記載で使用する「ホイール」の語は、軸方向長さが短い本来の「ホイール」を指す意味のほか、軸方向に長い構成の「ローラー」をも包含する意味の用語として使用する。即ち、本願発明の技術的思想は、速度可変用ローラー、及び同速度可変用ローラーを用いた移送速度可変型フリーローラーコンベアをも包含することをここに念のため前置きする。
また、上記の移送速度可変ホイールには、減速用速度可変ホイールと、加速用速度可変ホイールが含まれることも前置きする。
図6に既往の一般的なフリーホイール2の構造を例示た。そして、図7には前記のフリーホイール2を使用して搬送物1を重力作用で移送する、既往の一般的なフリーホイールコンベア20を使用状態で例示した。
既往の一般的なフリーホイール2は、図6に示したとおり、円形のホイール本体2aの中心に軸孔を設け、同軸孔へホイール軸2bを通して両者を同心(同心円状配置)の構成とし、ホイール軸2bを中心としてホイール本体2aが回転する構成とされている。ホイール本体2aは、例えばプラスチックの成形品として、又は鋼や鋳物、アルミニュームなど金属の加工品などとして形成されている。
一方、既往の一般的なフリーホイールコンベア20は、コンベアフレーム3の長手方向(搬送物1の移送方向)に沿って、上記した構成で同形、同大(同径)の複数のフリーホイール2…を同一方向に並べ、各々のホイール軸2bをコンベアフレーム3へ取り付けて支持させることにより、図7のように側面方向から見た形態として、直線状の移送面(例えば図2の符号4で示す直線を参照)を形成した構成とされている。
フリーホイールコンベア20は、図7に詳示することを省略した適宜の支持架台により前下がり姿勢に一定角度αだけ傾けて設置し使用される。そうすると、フリーホイールコンベア20の移送面上へ載せた搬送物1は、その自重量Wに関するベクトル図を図7に拡大して付記したように、同フリーホイールコンベア20(の移送面)の前記傾斜角αと平行な向きの推進分力Fを発生し、この推進分力Fが各フリーホイール2の摩擦抵抗に勝る大きさであると、外部から推力を一切付与しないでも、前記推進分力Fの作用で搬送物1は自走(滑降)して移送目的が達せられる。そのため各方面で便利に軽便に使用されている。
しかし、フリーホイールコンベア20については、次のような欠点、問題点が指摘されている。
即ち、フリーホイールコンベア20の前下がり傾斜角度αが一定の大きさであると、搬送物1の自重量Wに起因する推進分力Fも一定の大きさで発生する。したがって、フリーホイール2に発生する回転摩擦抵抗が一定で、それが前記推進分力Fよりも小さいと、搬送物1の移送速度は重力加速度により次第に加速される。
したがって、フリーホイールコンベア20で移送する途中の位置ないし終点近傍の位置で適度に減速させる速度制御を行わないと、到着位置で同コンベアから搬送物1を取り出す荷扱い作業が危険になる。或いは加速を続けて到着した搬送物1は、勢い余って到着位置から投げ出され、他の物(先行の搬送物やストッパなど)へ衝突して、搬送物自体が傷ついたり、周辺の他の物品や施設類を破損させる等々の不具合が知られている。
逆に、フリーホイールコンベア20の前下がり傾斜角度αが小さく、搬送物1の自重量W(質量)に起因する推進分力Fが、同搬送物1を移送するフリーホイール2の摩擦抵抗よりも小さい場合には、フリーホイールコンベア20上へ投入した搬送物1の移送速度は次第に減速して搬送効率が悪いとか、極端な場合には、フリーホイールコンベア20上の途中位置に搬送物1が停止して渋滞を生ずる等の不具合を起こす事例も知られている。
フリーホイールコンベア20の上記したような欠点、問題点を解決する従来技術として、例えば下記の特許文献1に開示されたローラコンベアの速度制御機構は、ローラコンベアにおける任意位置のローラについて、該ローラよりも大径の外側パイプを被せ、該ローラと外側パイプとの隙間に小径の丸棒を複数本挿入している。更に、前記大径の外側パイプを被せたローラと、それよりも進行方向手前側位置のローラとの間へ邪魔板を揺動可能に設置した構成とされている。
この速度制御機構は、要するに、搬送物が前記大径の外側パイプの位置へ到達して乗り上げると、大径の外側パイプが回転を始め、その内側へ挿入された丸棒も同方向へ転がりつつ前進して、ローラと大径の外側パイプとの間へ噛み込む状態となり、大径の外側パイプはローラを中心として偏心的回転を始める。その結果、大径の外側パイプは偏心的回転の故に邪魔板へ突き当たり、同邪魔板を後方側へ押しやって後方側ローラの回転を止め、且つ大径の外側パイプの偏心的回転をも止める。こうして搬送物の搬送速度を減速する制御が行われると説明している。
しかし、大径の外側パイプと、その中へ挿入した複数本の丸棒とが、思惑通りの速度制御の動作を呈するかは甚だ疑問の機構である。また、このローラコンベアの速度制御機構は、設計・製作が面倒で高価になる欠点を否めない。
次に、下記の特許文献2に開示されたコンベアローラーは、コンベアフレームに支持された軸を中心に同心円回転をする中空円筒形状のローラ(ローラ殻)の中空部内に、回転軸を持たず前記ローラの回転に連れだって回転する錘ローラを挿入した構成とされている。ローラ(ローラ殻)の中空部内に錘ローラを挿入したから、ローラ(ローラ殻)が回転する際の慣性質量が増し回転が重くなった分だけ、搬送物の搬送速度を減速制御すると説明されている。しかし、このコンベアローラーも、実際にローラコンベアを設計、製作する場合には、搬送物の搬送速度と制動効果との相関に関する定量性ないし実効性を設計可能であるかに大いなる疑問がある。その上、錘ローラを必要とする分だけ高価で重いローラコンベアになる欠点を否めない。
下記の特許文献3に開示されたフリーローラコンベアの減速用ローラーは、円筒状容器構造に構成して、その中空部内に制動用の液体を封入し、更に円筒状容器の内面に前記液体を掻き回す羽根を求心方向に複数設けた構成と認められる。この減速用ローラーは、水車とは逆の原理で、ローラーが回転するにつれて前記羽根が液体を次々にすくい上げるため、液体の重量がローラの回転に抵抗を与えて搬送物に制動効果を奏すると説明されている。
しかし、この減速用ローラーは、円筒状容器を水密構造に構成して、更に液体を掻き回す複数の羽根を求心方向に設けて製作することに大きな困難性が認められる。その上、円筒状容器内へ封入した液体の量と品質の維持、管理、ひいては制動効果の維持、管理が面倒と認められる。更に、この減速用ローラーを使用したフリーローラコンベアは、液体を収容しているが故に、自由に持ち運びすることは難しく、移動性ないし可搬性に大いなる困難があると認められる。
更に、下記の特許文献4に開示されたホイールコンベアは、制動用ホイールの外周面に軟質で反発弾性が高い制動材を、同ホイールの外周面よりも大径に突き出るように取付けた構成である。搬送物が制動用ホイールに到達して乗り上げると、その速度エネルギーを軟質で反発弾性が高い制動材が吸収して制動効果を発揮すると説明されている。
この特許文献4にはまた、隣接する少なくとも2個のホイール間にベルト状制動材を巻き掛けて成り、前記ベルト状制動材の運動に発生する摩擦抵抗によっても搬送物の移送に制動効果を発揮させると説明している。
しかし、このホイールコンベアは、速度の制御力が一定であり、搬送物の重量(質量)や発生した速度の変動に応じた速度制御ができない不便さがある。
特公昭45−41254号公報 実開昭63−48712号公報 特開平8−324734号公報 国際公開W02006/103714号パンフレット
上記の通り、既往のフリーホイールコンベアは、軽便ではあるが、搬送物の移送速度が次第に加速又は減速する性能を呈し、その加速する状態にまかせたままでは、荷扱い作業が危険であったり、勢い余った搬送物が到着位置で投げ出されて衝突を起こし、搬送物自体が傷ついたり、周辺の他の物を破損させる等々の不具合がある。逆に移送速度が減速する場合には搬送効率が悪いし、移送途中で渋滞現象を呈する場合もあるなど、搬送物を搬送する途中で適度に移送速度の制御を行う必要がある。
上記した特許文献1〜4に開示された先行技術のフリーホイールコンベアは、上記のような欠点、問題点を改善する目的で、搬送途中の適所で適切に速度制御(制動)を行い移送速度を減速する対策技術を種々工夫し提案している。しかし、未だこれというべき対策技術は見当たらない。
例えば特許文献1の速度制御機構や、特許文献2に開示されたコンベアローラー、及び特許文献3に開示された減速用ローラーコンベアなどは、いずれも着眼は良いが、具体的に実施する場合に技術的な困難性や不確実性の懸念があることを拭いきれず、産業上の利用可能性に疑問ないし問題が認められる。
一方、搬送物の質量が小さく、下り傾斜角に起因する推進分力をあまり期待できないとか、前下がり傾斜角度αを必要十分な大きさに設定できない使用条件下では、フリーホイールコンベアによる搬送物の移送に期待したほどの移送速度が発生せず、搬送効率が悪いとか、場合によってはフリーホイールコンベア上の途中位置で搬送物が止まって渋滞現象を起こす等の不具合を生ずることも往々に知られている。しかし、この点の改善策は、上記特許文献1〜4の発明に期待できない。
以上要するに、フリーホイールコンベアに関しては、搬送物の移送速度が加速し過ぎる危険や不具合を、減速制御により改善する速度制御、或いは逆に搬送物の移送速度が遅くなり過ぎる不具合を加速制御により改善する速度制御の二面性が、搬送物の種類(特に質量の大きさ)やフリーホイールコンベアの使用条件(特に前下がり傾斜角度αの大きさ)などに応じて自在に調整可能にすることが要求されている。
本発明の目的は、搬送物の移送速度の加速又は減速の制御、具体的には、搬送物の移送速度が重力作用で次第に加速して速くなりすぎる不具合を改善可能な減速用速度可変フリーホイールを提供し、又は逆に、搬送物の質量が小さくて重力作用が不足しコンベアの移送抵抗に負けて移送速度が次第に減速しフリーホイールコンベアの途中位置で搬送物の移送が止まったり渋滞を生ずる不具合を改善可能な、加速用速度可変ホイールを提供することである。
本発明の他の目的は、前記の速度可変用ホイールを要所要所に使用して、搬送物の移送速度を移送の途中で減速し又は加速することが可能に構成した移送速度可変型フリーホイールコンベアを提供することである。
本発明の次の目的は、構成が簡単で容易に製作でき、しかも搬送物の移送速度の減速又は加速の制御を定量的な設計手法で実現できる速度可変用ホイールを提供すること、そして、前記の速度可変用ホイールを要所要所に使用した構成の移送速度可変型フリーホイールコンベアを提供することである。
上記の課題を解決する手段として、請求項1に記載した発明に係る減速用速度可変ホイール10は、搬送物1を重力作用で移送するフリーホイールコンベア20のフリーホイールとして使用され搬送物1の移送速度を減速制御する速度可変用ホイールであって、
ホイール軸に垂直な側面を円形に形成されたホイール本体10aの円中心O1から一定量e偏倚した位置に回転中心O2を有するホイール軸10bが、ホイール本体10aと一体的構造で側方へ突き出されて偏心カム形状に構成されており、
前記ホイール軸10bが、フリーホイールコンベア20のコンベアフレーム3に回転可能に支持され、ホイール本体10aの短径側R1の外周面が、側面方向から見て他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面4を形成する配置に設置されることを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係る減速用速度可変ホイール11は、搬送物1を重力作用で移送するフリーホイールコンベア20のフリーホイールとして使用され搬送物1の移送速度を減速制御する速度可変用ホイールであって、
ホイール軸に垂直な側面を円形に形成されたホイール本体11aの円中心O1から一定量e偏倚した位置に回転中心O2を有する円形の軸孔11cが、ホイール軸11bを同心円状に回転自在に支持する孔径で設けられ、ホイール軸11bは、前記軸孔11c中へ同心回転するように通されて偏心カム形状に構成されており、
前記のホイール軸11bが、フリーホイールコンベア20のコンベアフレーム3に支持され、ホイール本体11aの短径側R1の外周面が、側面方向から見て他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面4を形成する配置に設置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明に係る速度可変ホイール12は、搬送物1を重力作用で移送するフリーホイールコンベア20のフリーホイールとして使用され搬送物1の移送速度を減速又は加速制御する速度可変用ホイール12であって、
ホイール軸に垂直な側面を円形に形成されたホイール本体12aの円中心O1の位置に、ホイール軸12bの外径に比して偏心回転の実効が得られる大きさの孔径の軸孔12cが同心円状に設けられ、ホイール軸12bは前記軸孔12c中へ緩く通され、ホイール本体12aがホイール軸12bにぶら下がって転がる偏心カム形状に構成されており、
前記のホイール軸12bが、フリーホイールコンベア20のコンベアフレーム3に支持され、ホイール軸12bにぶら下がり支持されたホイール本体12aの上方側の外周面が、側面方向から見て他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面4を形成する配置に設置されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項2又は3に記載した速度可変用ホイール11、12において、
ホイール本体の軸孔11c、12cの内周面に、ホイール軸11b、12bとの摩擦係数が小さい低摩擦層12fが形成され、又は低摩擦型のベアリングが設置されて減速用速度可変ホイールに構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した速度可変用ホイール10、11、12において、
ホイール本体10a、11a、12aの外周面に、搬送物1との摩擦係数が大きい高摩擦層12gが形成されて減速用速度可変ホイールに構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項2又は3に記載した速度可変用ホイール11、12において、
ホイール本体11a、12aの外周面に搬送物1との摩擦係数が大きい高摩擦層12gが形成され、また、ホイール本体11a、12aの軸孔11c、12cの内周面に、ホイール軸11b、12bとの摩擦係数が小さい低摩擦層12fが形成され、又は低摩擦型のベアリングが設置されて減速用速度可変ホイールに構成されていることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項1〜6のいずれか一に記載した速度可変用ホイールにおいて、
ホイール本体が質量の大きい材料及び構造で形成され、減速用速度可変ホイールとして構成されていることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項3に記載した速度可変用ホイール12において、
ホイール本体12aが質量の小さい材料及び構造で形成され、軸孔12cの内周面にホイール軸12bとの摩擦係数が小さい低摩擦層が形成され、又は低摩擦型のベアリングが設置され、加速用速度可変ホイールとして構成されていることを特徴とする。
請求項9に記載した発明に係る移送速度可変型フリーホイールコンベアは、
コンベアフレーム3に支持されたホイール軸を中心として回転するホイール本体を搬送物1の移送方向へ複数個並べて移送面4が形成され、コンベアフレーム3は搬送物1をその重力作用で移送するに足る前下がり傾斜角度αに傾けて設置し使用されるフリーホイールコンベア20において、
前記フリーホイールコンベア20を構成する複数のフリーホイール2…のうち、搬送物1の移送速度を減速したい位置のフリーホイールが、請求項1〜7のいずれか一に記載した減速用速度可変ホイール10、11、12に置き換えて設置され、移送速度の減速型として構成されていることを特徴とする。
請求項10に記載した発明に係る移送速度可変型フリーホイールコンベアは、
コンベアフレーム3に支持されたホイール軸を中心として回転するホイール本体を搬送物1の移送方向へ複数個並べて移送面4が形成され、コンベアフレーム3は搬送物1をその重力作用で移送するに足る前下がり傾斜角度αに傾けて設置し使用されるフリーホイールコンベア20において、
前記フリーホイールコンベア20を構成する複数のホイール2…のうち、搬送物1の移送速度を加速したい位置のフリーホイールが、請求項3又は8に記載した加速用速度可変ホイール12に置き換えて設置され、移送速度の加速型として構成されていることを特徴とする。
請求項1〜7に記載した発明に係る減速用速度可変ホイール10、11、12は、搬送物1が当該速度可変ホイールの位置へ到達し、ホイール本体10a、11a、12aの外周面へ接触して乗り上げ、両者間に生じた摩擦力を仲介としてホイール本体が押し回されると、ホイール軸10b、11b、12bを中心に回転したホイール本体は、偏心カムと同様な偏心円状の回転を生ずる。その動作状況は図1に2点鎖線で概念的に例示したように、ホイール本体10aが180度回転すると、ホイール軸10bとの偏倚量eに等しいリフトEを発生して搬送物1を持ち上げる。このときのリフト現象で搬送物1を持ち上げた運動量の分だけは、搬送物1の移送速度の運動エネルギを消費(又は減殺)する抵抗になる。と同時に、搬送物1自体の傾斜角が減少する分だけ、その重量Wに起因する推進分力Fを減少させるので、搬送物1の移送速度を減速させる効果を生ずる。
他方、減速用速度可変ホイール10自体の回転運動に注目した場合には、ホイール本体10aが偏心カムと同様に偏心円状の不均衡な回転運動をしてその分の運動エネルギを消費するので、その消費エネルギ分だけ搬送物1の移送に抵抗を生じさせ、搬送物1の移送速度を減速する効果をもたらす。
上記のようにして、本発明の減速用速度可変ホイール10、11、12は、偏心カムと同様な偏心回転運動により搬送物1を持ち上げる際の運動エネルギ分、およびホイール本体が不均衡な偏心円状の回転をする運動エネルギの消費分がそれぞれ、搬送物1の移送速度に抵抗して減速させる減速用ホイールとして機能する。
一方、請求項3と8に記載した発明に係る加速用速度可変ホイール12は、搬送物1がホイール本体12aの外周面へ接触し小さいなりの摩擦力を生じてホイール本体12aを押し回す場合でも、ホイール本体12a自体が質量の小さい材料及び構造で形成されており、しかも軸孔12cの内周面にホイール軸12bとの摩擦係数が小さい低摩擦層12fが形成され、又は低摩擦型のベアリングを設置しているので、前記ホイール本体12aを回転させるのに必要な力(トルク)は、その他の一般的なフリーホイール2よりもはるかに小さくて済むので、その差分だけ結果的に移送速度に相対的な加速効果をもたらす。
請求項9に記載した発明のように、上記請求項1〜7のいずれかに記載した減速用速度減可変ホイール10、11、12を採用し、フリーホイールコンベア20上で搬送物1の移送速度を減速したい位置のフリーホイール2に換えて設置すると、前記減速用速度可変ホイールの位置では搬送物1の移送速度を相対的に減速できるので、その分だけ到着位置で搬送物1を取り出す際の荷扱いが安全で容易な移送速度になる。或いは到着位置(コンベアの終端)において勢い余った搬送物が投げ出されたり、先行の搬送物へ追突、衝突などして傷つく不具合が生じない程度に、移送速度の減速効果をもたらす移送速度可変型フリーホイールコンベアを簡易に提供できる。
逆に、請求項10に記載した発明のように、上記請求項3、8に記載した加速用速度可変ホイール12を採用し、フリーホイールコンベア20上で搬送物1の移送速度を加速したい位置のフリーホイール2に換えて設置すると、前記加速用速度可変ホイールの位置では、搬送物1の移送速度を相対的に加速でき、フリーホイールコンベア20による移送途中位置で搬送物1の移送速度が減速して搬送効率が低下する不具合、又はフリーホイールコンベア20による移送途中の位置で搬送物1の移送が止まったり渋滞する不具合が生じないように、移送速度に相対的な加速効果をもたらす移送速度可変型フリーホイールコンベアを簡易に提供できる。
本発明による偏心カム形状の減速用速度可変ホイールの構成を原理的に示した側面図である。 上記図1の減速用速度可変ホイールをフリーホイールコンベアへ設置する構成態様を概念的に示した説明図である。 本発明による偏心カム形状の減速用速度可変ホイールの構成を原理的に示した側面図である。 本発明による速度可変用ホイールの構成を原理的に示した側面図である。 A〜Cは図4の速度可変用ホイールの異なる実施例を概念的に示した側面図である。 従来一般のフリーホイールを示した側面図である。 従来一般のフリーホイールコンベアの使用状態を示した側面図である。
図1の減速用速度可変ホイール10は、搬送物1を重力作用で移送するフリーホイールコンベア20のフリーホイールとして使用され、搬送物1の移送速度を減速制御することができる。
ホイール軸10bに垂直な側面を円形に形成されたホイール本体10aの円中心O1から偏倚量eだけ偏倚した位置に中心O2を有するホイール軸10bがホイール本体10aと一体的な構造で突き出されて偏心カム形状に構成されている。
前記のホイール軸10bを、フリーホイールコンベア20のコンベアフレーム3に回転可能に支持させ、コンベアを側面方向に見てホイール本体10aの短径側R1の外周面が、他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面4を形成する配置に設置される。
図3の減速用速度可変ホイール11も、搬送物1を重力作用で移送するフリーホイールコンベア20のフリーホイールとして使用され、搬送物1の移送速度を減速制御することができる。
ホイール軸11bに垂直な側面を円形に形成されたホイール本体11aに、その円中心O1から変位量eだけ偏倚した位置に中心O2を有する円形の軸孔11cが、ホイール軸11bを同心円状に回転自在に支持する孔径で設けられ、ホイール軸11bは前記軸孔11cの中へ同心回転するように通して偏心カム形状に構成されている。
前記のホイール軸11bを、フリーホイールコンベア20のコンベアフレーム3へ支持させ、ホイール本体11aの短径側R1の外周面が、コンベアを側面方向に見て他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面4を形成する配置に設置される。
図4に記載した速度可変用ホイール12は、搬送物1を重力作用で移送するフリーホイールコンベア20のフリーホイールとして使用され、搬送物1の移送速度を減速又は加速制御することができる。
ホイール軸12bに垂直な側面を円形に形成されたホイール本体12aの円中心O1の位置に、ホイール軸12bの外径に比して偏心回転の実効が得られる大きさの孔径で軸孔12cが同心円状に設けられ、ホイール軸12bは前記軸孔12cの中へゆるく通して、ホイール本体12aはホイール軸12bにぶら下がった偏心カム形状に構成されている。
前記のホイール軸12bを、フリーホイールコンベア20のコンベアフレーム3へ支持させ、ホイール軸12bにぶら下がり支持されたホイール本体12aの垂直上方側の外周面が、側面方向に見て他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面4を形成する配置に設置される。
コンベアフレーム3に支持されたホイール軸を中心として回転するフリーホイール2を、搬送物1の移送方向へ複数個並べて移送面4を形成し、前記のコンベアフレーム3を、搬送物1をその重力作用で移送する前下がり角度αに傾けて設置し使用されるフリーホイールコンベア20において、
前記フリーホイールコンベア20を構成する複数個のフリーホイール2…のうち、搬送物1の移送速度を減速したい位置のフリーホイール2を、上記減速用速度可変ホイール10、11、12に置き換えて設置し移送速度の減速型として構成する。
コンベアフレーム3に支持されたホイール軸を中心として回転すフリーホイール2を搬送物1の移送方向へ複数個並べて移送面4を形成し、前記のコンベアフレーム3は、搬送物1をその重力作用で移送する前下がり角度αに傾けて設置し使用されるフリーホイールコンベア20において、
前記フリーホイールコンベア20を構成する複数個のホイール2…のうち、搬送物1の移送速度を加速したい位置のフリーホイール2を、上記加速用速度可変ホイール12に置き換えて設置し移送速度の加速型として構成する。
次に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
まず図1は、ホイール軸に垂直な側面(つまり、図1で示す面)を円形に形成されたホイール本体10aの円中心O1から偏倚量eだけ偏倚した位置O2に、ホイール軸10bがホイール本体10aと一体的構造で突き出され、いわゆる偏心カム形状に構成された減速用の速度可変用ホイール10を示している。
この減速用速度可変ホイール10のホイール本体10aの外径は、用途に応じて様々であるが、例えばホイール外径がφ45mm程度の場合に、ホイール軸10bは偏倚量eを1〜2mm程度に設定した位置に突き出されている。
上記偏倚量eの大きさは、後述するように搬送物1の移送速度に減速作用を期待する量であるから、あまり大きくは必要ない。むしろ偏倚量eが大きすぎると、搬送物1の移送状態に飛び跳ねを生じさせることになるから、大きすぎない設計で実施することが望ましい。
この減速用速度可変ホイール10は、例えば図7に例示した構造形式のフリーホイールコンベア20のコンベアフレーム3へ、ホイール軸10bを、例えばベアリングその他の軸受け部材を使用して回転可能状態に支持させて設置される。その場合の条件として重要なことは、図2に示したように、ホイール本体10aの短径側R1の外周面が、図7と同じ側面方向に見て、フリーホイールコンベア20を構成する他の一般的に公知・周知のフリーホイール2(つまり、ホイール本体とホイール軸は同心円の関係で構成されたフリーホイール)の外周面との接線が、当該コンベア本来の移送面と共通な直線状の移送面4を形成する配置で設置することである。
したがって、上記構成のフリーホイールコンベア20上を進む搬送物1が当該減速用速度可変ホイール10の位置へ到達し、ホイール本体10aの外周面へ接触して乗り上げ、両者間に生じた摩擦力で同ホイール本体10aが押し回されると、ホイール本体10aはホイール軸10bを中心に偏心回転をする。こうしてホイール本体10aがホイール軸10bを中心に180度回転すると、搬送物1は、図1中に2点鎖線で描いたように偏心円状に回転したホイール本体10aの長径側R2の外周面へ乗り上げる状態に至る。
つまり、ホイール本体10aは、ホイール軸10bとの偏倚量eに等しいリフトEだけ搬送物1を持ち上げる。よって、ホイール本体10aが前記リフト現象で搬送物1を持ち上げた運動量の分だけ、搬送物1の移送時の運動エネルギは逆に減殺される(移送抵抗を生ずる)。このときは同時に、搬送物1が持ち上げられることにより傾斜角αが実質減少するため、推進分力F(図7を参照)も減少して減速効果を生じる。
一方、速度可変用ホイール10自体の回転運動に注目した場合は、ホイール本体10aが偏心カムと同様に不均衡な偏心円状の回転運動をするため、その回転運動に負のエネルギを消費する。よって、前記負の消費エネルギの総和分だけ、搬送物1の移送に抵抗を与え、それが搬送物1の移送速度に減速効果を生じさせる。
なお付言すると、ホイール本体10aが更に180度回転(つまり、1回転)すると、搬送物1は再びホイール本体10aの短径側R1の外周面と接するに至り、当初の姿勢に沈む(復元する)ことになる。こうして搬送物1は、この速度可変用ホイール10の位置を通過する間は、上下方向への浮き沈みを繰り返しつつ進む。よって、コンベア上を進む搬送物1が、上下方向への浮き沈みする動作をできるだけ小さく円滑に進ませる工夫として、上記の偏倚量eは、必要な減速効果との兼ね合いで、必要最小限度に設計して実施することが好ましい。この点は、以下に説明する各実施例にも共通して云えることである。
図3に示した減速用速度可変ホイール11も、原理的には上記実施例1と同様で、ホイール軸に垂直な側面(つまり、図2で示す面)を円形に形成されたホイール本体11aの円中心O1から偏倚量eだけ偏倚した位置O2に、ホイール軸10bを通すことができ、回転自在に支持する軸孔11cが設けられ、同軸孔11cへホイール軸10bを通して、ホイール軸10bとホイール本体11aとが相対的に回転自在な関係の偏心カム形状に構成されている。
この減速用速度可変ホイール11のホイール本体11aの外径も、用途に応じて様々で、例えばホイール外径がφ45mmの場合に、ホイール軸11bは、偏倚量eを1〜2mm程度に設定した位置に設けられている。
本実施例2の減速用速度可変ホイール11が、上記図1に示した実施例1のホイール10と決定的に異なる点は、ホイール本体11aとホイール軸11bとが相対的に回転自在な関係の構造とした点である。
本実施例2の場合は、ホイール本体11aの円中心O1から偏倚量eだけ偏倚した位置に中心O2を有する円形の軸孔11cが、ホイール軸11bを同心円状態に回転自在な関係に支持する孔径で設け、ホイール軸11bは前記軸孔11cの中へ回転自在に通され、ホイール本体11aを偏心カム形状に支持する構成とされている。
なお、ホイール軸11bと軸孔11cとの間に発生する有害な摩擦抵抗をできるだけ低減する工夫として、軸孔11cの内周面には図5Aを参照できるように低摩擦層12fを形成するか、又は低摩擦型のベアリングを設置して、ホイール軸11bを低摩擦で回転自在に支持させる構成を実施することが好ましい。もっとも逆に、ホイール軸11bと軸孔11cとの間に、搬送物1の移送速度を減速させる大きさの摩擦抵抗を積極的に生じさせる目的で、軸孔11cの内周面に高摩擦層を形成するか高摩擦型のベアリングを設置して構成することもできる。
本実施例2の減速用速度可変ホイール11も、例えば図7に例示した構造形式のフリーホイールコンベア20のコンベアフレーム3へ、ホイール軸11bを取り付けて支持させた構成で設置し使用される。
この場合の構成条件としても、図2を参照できるように、図7と同じ側面方向に見て、ホイール本体11aの短径側R1の外周面が、図7のフリーホイールコンベア20を構成する他の一般的に公知・周知のフリーホイール2(つまり、ホイール本体とホイール軸が同心円の関係で構成されたフリーホイール)の外周面との接線が、当該コンベア本来の移送面と共通な直線状の移送面4を形成するように設置される。
したがって、本実施例2の減速用速度可変ホイール11も、上記実施例1のホイールと同様、フリーホイールコンベア20上を進む搬送物1が当該減速用速度可変ホイール11の位置へ到達し、ホイール本体11aの外周面へ接触して乗り上げ、同ホイール本体11aが押し回されると、同ホイール本体11aはホイール軸11bを中心に偏心円状の回転をする。こうしてホイール本体10aが180度回転すると、搬送物1は偏心カムと同様な偏心円状に回転したホイール本体11aの長径側の外周面へ乗り上げるに至り、例えば図1中に2点鎖線で例示したように、ホイール本体11aは、ホイール軸11bとの偏倚量eに等しいリフトEだけ搬送物1を持ち上げる。
その結果、ホイール本体11aが搬送物1を偏倚量e相当だけ持ち上げるに要した運動エネルギ分だけ、搬送物1の移送時の運動エネルギを減殺する(抵抗を与える)。と同時に、搬送物1を移送させる推進分力F(図7参照)も、その傾斜角αが小さくなった分だけ減少して減速効果を生じる。
一方、この減速用速度可変ホイール11自体の回転運動においても、ホイール本体11aが偏心円状の不均衡な回転運動をする際に余計に消費する運動エネルギ分だけ、搬送物1の移送に減速効果を与える。
勿論、ホイール本体11aが更に180度回転(つまり、1回転)すると、搬送物1は再びホイール本体11aの短径側R1の外周面と接するに至り、当初の姿勢に沈むことは実施例1の場合と同じである。
図4に示した速度可変用ホイール12も、原理的及び技術思想的において上記実施例1、2の速度可変用ホイールと共通する構成であり、同様な作用効果を奏する。
本実施例3の速度可変用ホイール12は、図4に例示したとおり、回転軸に垂直な側面(つまり、図4で示す面)を円形に形成されたホイール本体12aの円中心O1の位置に、ホイール軸10bを通す軸孔12cが、ホイール軸12bの外径に比して偏心回転の実効がある大きさの内径、図示例ではホイール軸12bの外径の約2倍程度に大きい孔径で設けられ、同軸孔12cの中へ、ホイール軸12bを緩く通して偏心カム形状に構成されている。つまり、ホイール本体12aは、その軸孔12cの内周面がホイール軸10bの外周面上へ載って接した形にぶら下がる。そして、ホイール本体12aの回転は、その軸孔12cがホイール軸10bの外周面に沿って転がる運動と共に回転することになり、結局は軸孔12cの孔径とホイール軸10bの外径との差分だけ偏心した偏心円状の回転をする(2点鎖線の図示を参照)。
したがって、ホイール軸12bの外径と、ホイール本体12aの軸孔12cの孔径とをどの程度の大きさ比に設計するかは、当該速度可変ホイール12に期待する速度制御の実効性を考慮して定める設計事項である。
本実施例3の速度可変ホイール12も、ホイール本体12aの軸孔12cへホイール軸12bを緩く通した上で、当該ホイール軸12bを、例えば図7のコンベアフレーム3へ水平方向の向きに配置して両端支持の形式で、又は片持ち支持の形式に取り付けて設置し使用される。
本実施例3の速度可変ホイール12の場合にも、ホイール本体12aの軸孔12cの頂部12c’がホイール軸12bと接してホイール本体12aがぶら下がった状態において、軸芯を通る垂直線Nと交差する上方の外周面の位置Pが、図7に示したようにコンベア20を側面方向に見た場合に、他の一般的に公知・周知のフリーホイール2の外周面との接線が、当該コンベア本来の移送面と共通な直線状の移送面4を形成する配置に設置して使用される。
本実施例3の速度可変用ホイール12も、搬送物1が当該速度可変用ホイール12の位置へ到達し、ホイール本体12aの外周面へ接触して乗り上げ、同ホイール本体12aが押し回されると、ホイール本体12aはその軸孔12cが十分大きく余裕の隙間があるため、軸孔の12cの内周面がホイール軸12bの外周面と接して摩擦抵抗を生ずると、軸孔12cの内周面がホイール軸12bの外周面に沿って転がる運動を呈する(図4の2点鎖線の図示を参照)。但し、前記の転がり運動に対して、軸孔12cの内周面とホイール軸12bの外周面との間の摩擦抵抗が小さいときは、若干の滑りを伴うことは必然の現象として考慮される。
こうしてホイール本体12aは、基本的にはホイール軸12bを中心とした偏心円回転の運動を行うことになる。その一態様を図4中に点線で例示した。つまり、ホイール本体12aがホイール軸12bを中心として転がりつつ偏心回転を行う運動は、上記実施例1、2の偏心円運動と共通する運動であり、ホイール本体12aは、偏心円回転に伴って発生するリフト量Eだけ搬送物1を持ち上げる働きをし、搬送物1はホイール本体12aにより浮上する形になる。したがって、ホイール本体12aが搬送物1を浮上させるに要した運動エネルギ量に相当する分だけ、搬送物1の移送時の運動エネルギを減殺する(抵抗を生ずる)。
他方、この速度可変用ホイール12自体の偏心円回転運動に着目すると、ホイール本体12aが不均衡な偏心円運動をするために要する運動エネルギ分を消費するから、この消費エネルギ分だけ搬送物1の移送に抵抗を生じ、やはり搬送物1の移送速度に減速効果を生じさせる。
勿論、ホイール本体12aの上記偏心円回転による搬送物1の持ち上がり現象は、搬送物1の重量効果によって抵抗を受けるので、搬送物1はコンベア上をさしたる浮き沈みを繰り返すことなく前進することになる。
以上に説明したところから明かなように、上記した各実施例の減速用速度可変ホイール10、11及び速度可変用ホイール12(減速用又は加速用ホイール)はいずれも、搬送物1がホイール本体の外周面へ接触し乗り上げつつ同ホイール本体を押し回す作用に動作原理を得ている。
その故に、図5Bに実施例3の速度可変ホイール12を代表的に例示したように、上記ホイール本体12a(ただし、10a、11aも同様である。以下、同じ。)の外周面に、搬送物1との摩擦係数μが大きい材料による高摩擦層12gを形成すると、搬送物1が当該ホイール本体12aを押し回す作用に好ましい効果がある。
即ち、搬送物1がホイール本体12aへ乗り上げて押し回す回転力(トルク)がホイール本体12aへより確実に効果的に働き、ひいてはフリーホイールコンベアで搬送物1を移送する際の上述した移送速度の制御が有効的に働いて好都合となる。
因みに、ここでいう摩擦係数が大きい材料としては、例えばウレタンゴムのような弾性体を適用でき、このような材料で高摩擦層12gを形成するのが好適である。
一方、特には上記実施例2及び実施例3の速度可変用ホイール11、12のように、ホイール本体とホイール軸とが相対的に回転する構成である場合に、両者間の摩擦抵抗の発生ができるだけ大きい構成にするか、又は逆に可及的に小さい構成とすることも、搬送物1の移送における移送速度の可変制御に及ぼす作用効果の調整に好都合である。
そこで、図5Aに実施例3の速度可変ホイール12を代表的に例示したように、ホイール本体12aの軸孔12cの内周面に、摩擦係数が小さい材料による低摩擦層12fを形成し、又は低摩擦型のベアリングを設置して、ホイール軸12bで低摩擦状態に支持させた構成を実施すると、搬送物1の移送における移送速度の可変制御に一層広範なバリエーションを与えて好都合である。
因みに、上記のベアリングに潤滑剤を使用して回転自在な構成にすると、摩擦抵抗が数分の一ないし数10分の一程度に小さな数値で実施することができる。
勿論、図5Cに示した実施例のように、ホイール本体12aの外周面には搬送物1との摩擦係数μが大きい材料による高摩擦層12gを形成し、また、同ホイール本体12aの軸孔12cの内周面には摩擦係数が小さい材料による低摩擦層12fを形成するか、又は低摩擦型のベアリングを設置して、ホイール軸12bで支持させた構成を実施することも、搬送物1の移送における移送速度の制御にバリエーションを与えて好都合である。
因みに、軸孔12cの内周面に形成する摩擦係数μが小さい低摩擦層12fの材料としては、例えばポリエチレン、ナイロン、含油ポリアセタール、フッ素樹脂等を使用することができる。
その他、各ホイール本体10a、11a、12aを構成する材料の質量も、コンベア上を進む搬送物1がホイール本体10a、11a、12aの外周面へ乗り上げて押し回す作用に必要なトルクの大きさを左右する要素なので、実施上及び設計上重要な事項である。即ち、鋼や鋳物のように質量が大きい材料でホイール本体を製作すると、同じ体積のホイール本体でも質量が大きいから、その押し回しに大きな回転力を要することになり、搬送物1の減速制動に有効的である。逆に、プラスチックやアルミニュームの如く質量が小さい材料でホイール本体を製作すると、その押し回しに必要な回転力は小さくて済み、搬送物1の減速制動には効果的でないが、逆に加速用速度可変ホイールの構成としては有効的となる。
最後に、搬送物1の移送速度を加速する加速用速度可変ホイールの実施例について説明する。これは上記図4に示した速度可変用ホイールの応用例である。
そこで図4により、請求項3に記載した発明に係る加速用速度可変ホイール12の構成を再び説明する。この場合もホイール本体12aの円中心O1の位置に、ホイール軸10bを通す軸孔12cが、ホイール軸12bの外径に比して偏心回転の実効がある大きさの内径で設けられ、同軸孔12cの中へ、ホイール軸12bを緩く通して偏心カム形状に構成することまでは共通する。
したがって、ホイール本体12aは、その軸孔12cの内周面がホイール軸10bの外周面上へ載って接した形にぶら下がる。そして、ホイール本体12aの回転は、その軸孔12cがホイール軸12bの外周面に沿って転がる運動で回転をすることになり、軸孔12cの孔径とホイール軸12bの外径との差分だけ偏心した偏心円状の回転運動をする。
本実施例の加速用速度可変ホイール12の場合も、ホイール本体12aの軸孔12cへホイール軸12bを緩く通し、同ホイール軸12bを、例えば図7のコンベアフレーム3へ水平方向の向きに取り付けた構成で使用される。そして、この加速用速度可変ホイール12の場合も、軸孔12cの最頂部12c’がホイール軸12bと接して、ホイール本体12aがホイール軸12bにぶら下がった状態において、軸芯O1を通る垂直線Nと交差するホイール本体12aの外周面の位置Pが、図7に示したようにフリーホイールコンベア20を側面方向に見て、他の一般的なフリーホイール2の外周面との接線が、当該コンベア本来の移送面と共通な直線状の移送面4を形成するように設置して使用されることまでは、上記実施例3とほぼ共通する。
しかし、本実施例5の特徴的構成の第一点は、上記の構成を前提にして、ホイール本体12aの相対的な質量を小さくするため、同ホイール本体12aの材質は、例えばプラスチック或いはアルミニュームの如く可及的に質量が小さい材料で製作することである。
そして、第二点は、軸孔12cの最頂部12c’がホイール軸12bと接してホイール本体12aがぶら下がった状態におけるホイール本体12aの実質的肉厚をできるだけ薄く構成することである。つまり、外径は同じでも、実質的な体積を減らして、質量を小さく構成することである。
上記の構成にすると、フリーホイールコンベア20上を進む搬送物1が当該加速用速度可変ホイール12のホイール本体12aの外周面へ接し、乗り上げてホイール本体12aを押し回す際に必要な回転力(静止慣性トルク)の大きさは、同じコンベア20を構成する他の一般的なフリーホイール2の静止慣性トルクに比して遙かに小さくなるから、ホイール本体12aを押し回す際の抵抗は相対的にマイナス成分となるに等しく、そのマイナス分だけ実質的に搬送物1を加速させることになる。
更に、軸孔12cの内周面に摩擦係数μが小さい低摩擦層12fを形成するか、又は低摩擦型のベアリングを設置して、ホイール本体12aの軸孔12cとホイール軸12bとの間に生ずる摩擦抵抗を可及的に軽減することによって、やはり搬送物1がホイール本体12aを押し回す際に必要な回転力を小さくでき、総合的には同じくコンベア20を構成する他のフリーホイール2の回転抵抗よりも小さい構成にでき、その分だけ相対的に搬送物1を実質加速させる効果を得ることができる。
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、本発明は、上述した実施例の構成に限定されるものではない。当業者が必要に応じて通常行う設計変更その他の応用範囲で様々な実施態様が可能であることを念の為に申し添える。
1 搬送物
20 移送速度可変用フリーホイールコンベア
10、11、12 速度可変用ホイール
2 フリーホイール
10b、11b、12b ホイール軸
10a、11a、12a ホイール本体
10c、11c、12c 軸孔
12f 底摩擦層
12g 高摩擦層
α コンベアの傾斜角
e 偏倚量
E リフト
W 搬送物重量
F 推進分力

Claims (10)

  1. 搬送物を重力作用で移送するフリーホイールコンベアのフリーホイールとして使用され搬送物の移送速度を減速制御する速度可変用ホイールであって、
    ホイール軸に垂直な側面を円形に形成されたホイール本体の円中心O1から一定量e偏倚した位置に中心O2を有するホイール軸が、ホイール本体と一体的構造で側方へ突き出されて偏心カム形状に構成されており、
    前記ホイール軸が、フリーホイールコンベアのコンベアフレームに回転可能に支持され、ホイール本体の短径側R1の外周面が、側面方向に見て他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面を形成する配置に設置されることを特徴とする、速度可変用ホイール。
  2. 搬送物を重力作用で移送するフリーホイールコンベアのフリーホイールとして使用され搬送物の移送速度を減速制御する速度可変用ホイールであって、
    ホイール軸に垂直な側面を円形に形成されたホイール本体の円中心O1から一定量e偏倚した位置に中心O2を有する円形の軸孔が、ホイール軸を同心円状に回転自在に支持する孔径で設けられ、ホイール軸が前記軸孔中へ回転自在に通されて偏心カム形状に構成されており、
    前記のホイール軸が、フリーホイールコンベアのコンベアフレームに支持され、ホイール本体の短径側R1の外周面が、側面方向に見て他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面を形成する配置で設置されることを特徴とする、速度可変用ホイール。
  3. 搬送物を重力作用で移送するフリーホイールコンベアのフリーホイールとして使用され搬送物の移送速度を減速又は加速制御する速度可変用ホイールであって、
    ホイール軸に垂直な側面を円形に形成されたホイール本体の円中心の位置に、ホイール軸の外径に比して偏心回転の実効が得られる大きさの孔径で軸孔が同心円状に設けられ、ホイール軸は前記軸孔中へ緩く通され、ホイール本体がホイール軸にぶら下がって転がる偏心カム形状に構成されており、
    前記のホイール軸がフリーホイールコンベアのコンベアフレームに支持され、ホイール軸にぶら下がり支持されたホイール本体の垂直上方側の外周面が、側面方向に見て他のフリーホイール2の外周面とで直線状の移送面を形成する配置に設置されることを特徴とする、速度可変用ホイール。
  4. ホイール本体の軸孔の内周面にホイール軸との摩擦係数が小さい低摩擦層が形成され、又は低摩擦型のベアリングが設置されて減速用速度可変ホイールとして構成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載した速度可変用ホイール。
  5. ホイール本体の外周面に搬送物との摩擦係数が大きい高摩擦層が形成されて減速用速度可変ホイールとして構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した速度可変用ホイール。
  6. ホイール本体の外周面に搬送物1との摩擦係数が大きい高摩擦層が形成され、ホイール本体の軸孔の内周面にホイール軸との摩擦係数が小さい低摩擦層が形成され、又は耐摩擦型のベアリングが設置されて減速用速度可変ホイールとして構成されていることを特徴とする、請求項2又は3に記載した速度可変用ホイール。
  7. ホイール本体が質量の大きい材料及び構造で形成され、減速用速度可変ホイールに構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載した速度可変用ホイール。
  8. ホイール本体が質量の小さい材料及び構造で形成され、軸孔の内周面にはホイール軸との摩擦係数が小さい低摩擦層が形成され、又は低摩擦型のベアリングが設置されて加速用速度可変ホイールに構成されていることを特徴とする、請求項3に記載した速度可変用ホイール。
  9. コンベアフレームに支持されたホイール軸を中心として回転するホイール本体を搬送物の移送方向へ複数個並べて移送面が形成され、コンベアフレームは搬送物をその重力作用で移送するに足る前下がり角度αに傾けて設置し使用されるフリーホイールコンベアにおいて、
    前記フリーホイールコンベアを構成する複数個のホイールのうち、搬送物の移送速度を減速したい位置のフリーホイールが、請求項1〜7のいずれか一に記載した減速用速度可変ホイールに置き換えて設置され、移送速度の減速型として構成されていることを特徴とする、移送速度可変型フリーホイールコンベア。
  10. コンベアフレームに支持されたホイール軸を中心として回転するホイール本体を搬送物の移送方向へ複数個並べて移送面4が形成され、コンベアフレームは搬送物をその重力作用で移送するに足る前下がり角度αに傾けて設置し使用されるフリーホイールコンベアにおいて、
    前記フリーホイールコンベアを構成する複数個のホイールのうち、搬送物の移送速度を加速したい位置のフリーホイールが、請求項3又は8に記載した加速用速度可変ホイールに置き換えて設置され、移送速度の加速型として構成されていることを特徴とする、移送速度可変型フリーホイールコンベア。
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KR101622284B1 (ko) * 2014-10-30 2016-05-18 주식회사 포스코 원료 장입장치 및 원료 장입 방법

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