JP2012020794A - 乗客コンベアのハンドレール点検装置および乗客コンベアの保全方法 - Google Patents

乗客コンベアのハンドレール点検装置および乗客コンベアの保全方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乗客コンベアのハンドレールに内蔵されるスチールコードの状態からハンドレールの品質を自動的に評価する。
【解決手段】乗客コンベアのハンドレールをX線で撮影するX線撮影部と、前記X線撮影部で撮影された画像を処理して、前記ハンドレールに内蔵されたスチールコードの抜けまたは絡みを検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けまたは絡みの長さが所定の長さ以上継続する場合には、前記ハンドレールの品質を不良と判定する画像処理部とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、乗客コンベアのハンドレール点検装置および乗客コンベアの保全方法に関する。
エスカレーターや動く歩道などの乗客コンベアには、乗客を搭載するステップと同期して移動する手すりであるハンドレールが設けられていて、利用者はこのハンドレールにつかまって安定を保っている。このハンドレールは、複数本のスチールコード(以下、SCと略す場合もある)という鋼鉄製ワイヤー(あるいは鋼鉄製ベルト)を保持用ゴムで固定して外側を化粧ゴムの外皮で覆う構造となっている。経年変化で前記保持用ゴムが劣化して前記スチールコードを固定する機能がなくなると、ハンドレールを動かす駆動力のせいで、スチールコードはハンドレール内で遊走を始める。やがてこれらのスチールコード同士が擦れあって断片化してしまう。
そこで、スチールコードの劣化を判断するために特許文献1には、該スチールコードを内蔵するハンドレールを挟み込んでX線透過撮影をし、必要に応じて移動させて撮影もし、該スチールコードの状態を目視確認することが開示されている。
特許文献2には、特許文献1に類似の構成で撮影したX線画像から2次元のパワースペクトルを算出し、このパワースペクトルのパターンから該スチールコードの間隔の均一性や斜行や交差の有無を自動的に判定することが開示されている。
乗客コンベアのスチールコードの劣化を判断するものではないが、特許文献3には、ゴムタイヤ中のスチールベルトをX線撮影し、該タイヤ円周方向に連続撮影した画像を貼り合わせてパノラマ化した後に画像処理をして、該スチールベルトの輪郭を抽出した上で円周に直交する方向の幅を、円周方向一定間隔で計測し、該幅が不連続な場合は不良と判断することが開示されている。
乗客コンベアのスチールコードの劣化を判断するものではないが、特許文献4には、線状パターンの途切れを検出する方法が開示されているが、これは線状パターン上に2つの仮想ラインを設け、一の仮想ラインから線状パターンの輪郭を辿って同一の仮想ラインに戻る場合には該線状パターンには途切れが存在すると判断する。一方、一の仮想ラインから該線状パターンの輪郭を辿ってもう一方の仮想ラインに達する場合には該線状パターンは、前記2つの仮想ラインで挟まれる領域内では途切れは存在しないと判断する。
特開平10−10060号公報 特開2005−126175号公報 特開2008−309649号公報 特開2010−54289号公報
乗客コンベアのハンドレールは経年により徐々に劣化が進む。特に、前記保持用ゴムの保持機能が失われた後はスチールコードも接触や絡みを通して徐々に劣化していく。ハンドレールの交換時期を正確に把握するためには劣化の段階を正確に判定することが必要になる。スチールコードの劣化は、まず、遊走、すなわち、ハンドレールの移動方向(長手方向)に直交する方向に変位が起こることに始まる。次いで、隣接するスチールコード同士が接触をする。更には、元々隣接していなかったスチールコード同士も絡み合う。その後、絡んだスチールコード同士が擦れて断片化し、抜けが発生する。このような状態になると、本来あるべき場所からスチールコードが欠如しているX線画像となり、絡みや抜けが発生したハンドレールは交換が必要であると判断される。適切な機器保全のためには、このような段階的劣化状態、すなわち、遊走開始段階,隣接スチールコードの接触段階,絡み発生段階,断片化によるスチールコード欠如状態(抜け)を判定することが必要である。
また、X線撮影された画像を画像処理してスチールコードの遊走,接触,抜け,絡みを検出するにあたっては、判定を厳しくしすぎると、誤判定の可能性がある。また、わずかな遊走,接触,抜け,絡みの場合には、ハンドレールを交換しなければならないほどではないので、ハンドレールの品質には問題がない場合もある。
特許文献1に開示の技術は視認によりスチールコードの劣化を判定するため、保全員による判断のばらつき及び見逃しが発生しやすい課題がある。
特許文献2に開示の技術は、パワースペクトルにより定量的にスチールコードの均一性や、斜行や、交差の有無を判定するものである。ここで交差はスチールコードの絡みの検出に適用できるものである。また、パワースペクトルの有無からスチールコードの欠如も検出が可能と考えられる。しかし、均一性や斜行はスチールコードの劣化段階に直接関わる特徴ではない。したがってこの技術では遊走や、接触の有無を精度良く検出することは難しく、劣化の段階的判断は難しいという課題がある。また、抜けや絡みなどの長さについては検出できないという課題がある。
特許文献3に開示の技術は、スチールベルトの輪郭から円周方向の幅の均一性を計測するものである。しかしこの技術では3本以上のスチールコードのトレースをすることはできず、したがって、接触や、絡みや欠如等の特徴の有無を検出することは難しいという課題がある。
特許文献4に開示の技術は、線状パターンの輪郭追跡のために、該画像の各画素を該線状パターンに応じてランダムにアクセスする必要が生じる。これにより演算処理量が増すため、高速処理が困難になったり、低価格ハンディータイプPCでは許容できる時間内に処理を完了できなかったりという課題がある。
本発明はこれらの課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、乗客コンベアのハンドレールをX線撮影した画像を処理してスチールコードの遊走または接触または絡みまたは抜けを検出し、それらのうちの1つまたは組み合わせからハンドレールの品質を3段階以上の多段階で自動的に評価することができる乗客コンベアのハンドレール点検装置とそれを利用した乗客コンベアの保全方法を提供することにある。
尚、上記した課題以外のその他の課題は、本願明細書全体の記載または図面から明らかにされる。
本発明では、乗客コンベアのハンドレールをX線撮影した画像を処理してスチールコードの遊走または接触または絡みまたは抜けを検出し、それらのうちの1つまたは組み合わせからハンドレールの品質を3段階以上の多段階で自動的に評価する。その際、スチールコードの接触,絡み,抜けについては、ハンドレールの長手方向にそれらの特徴が所定の長さ以上継続するか否かを判断基準の1つとする。そして、検出されたそれらの特徴を利用して、ハンドレールの品質を例えば不良,劣化,良品の3段階以上で評価する。
本発明の乗客コンベアのハンドレール点検装置の構成は、例えば、以下のようなものとすることができる。
(1)乗客コンベアのハンドレールをX線で撮影するX線撮影部と、前記X線撮影部で撮影された画像を処理して、前記ハンドレールに内蔵されたスチールコードの抜けまたは絡みを検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けまたは絡みの長さが所定の長さ以上継続する場合には、前記ハンドレールの品質を不良と判定する画像処理部とを有する。
(2)(1)において、前記画像処理部は、前記スチールコードの接触を検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けおよび絡みの長さがともに所定の長さより短く、かつ、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの接触の長さが所定の長さ以上継続する場合には、前記ハンドレールの品質を劣化と判定する。
(3)(2)において、前記画像処理部は、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けおよび絡みおよび接触の長さがともに所定の長さより短い場合には、前記ハンドレールの品質を良品と判定する。
(4)(2)において、前記画像処理部は、前記スチールコードの位置が前記スチールコードの本来の位置よりも前記ハンドレールの長手方向に直交する方向に所定の距離以上ずれた前記スチールコードの遊走を検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けまたは絡みの長さが所定の長さより短く、かつ、前記スチールコードの遊走が発生している場合には、前記ハンドレールの品質を劣化と判定する。
(5)(4)において、前記画像処理部は、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けおよび絡みおよび接触の長さがともに所定の長さより短く、かつ、前記スチールコードの遊走が発生していない場合には、前記ハンドレールの品質を良品と判定する。
本発明の乗客コンベアの保全方法は、例えば、(1)から(5)における画像処理部での判定方法と同様の方法によりハンドレールの品質を判定する。そして、前記ハンドレールの品質が不良と判定された場合に、前記ハンドレールを補修または交換または補修後に交換する。また、前記ハンドレールの品質が劣化と判定された場合に、通常の点検周期よりも短い周期で前記劣化と判定されたハンドレールを再点検する。
尚、上記した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、上記した構成以外の本発明の構成の例は、本願明細書全体の記載または図面から明らかにされる。
本発明によれば、ハンドレールの長手方向におけるスチールコードの抜けまたは絡みの長さが所定の長さ以上継続する場合には、ハンドレールの品質を不良と判定するので、ハンドレールの交換が必要であることがわかるとともに、誤判定や不要なハンドレール交換を抑制できる。
また、スチールコードの抜けまたは絡みが不良と判定されない程度の状態の場合には、スチールコードの接触または遊走を考慮してハンドレールの品質を劣化と判定し、それ以外の場合を良品と判定するので、ハンドレールの品質が劣化と判定された場合にはハンドレールの交換時期が近いことがわかるとともに、ハンドレールの品質を3段階以上の多段階(例えば、不良,劣化,良品などの段階)で評価することができる。
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
本発明の乗客コンベアのハンドレール点検装置(X線点検装置)の機器構成とハンドレールへの装着例を示す図。 ハンドレールX線画像の例を示す図。 本発明のX線点検装置の画像処理手段の一実施例を示す図。 SC検出手段の処理第一例を示す図。 SC検出手段の、コントラスト補正の一例を示す図。 SC検出手段の、SC候補セルの検出の一例を示す図。 SC検出手段の、SC候補セルの連結処理を示す図。 SC検出手段の処理第二例を示す図。 SCモデルと検出されたスチールコードの照合法を示す図。 SCモデル保持手段とSCトレース/要素特徴検出手段の処理の流れを示す図。 SCトレース/要素特徴検出手段における要素特徴“抜け”の検出法を示す図。 SCトレース/要素特徴検出手段における要素特徴“接触”の検出法を示す図。 SCトレース/要素特徴検出手段における要素特徴“絡み”の検出法を示す図。 フレーム毎良否判定手段における良否判定または段階的品質評価条件を示す図。 本発明のX線点検装置の画像処理手段の処理の流れを示す図。 本発明のX線点検装置の画像処理手段の第二実施例を示す図。 本発明のX線点検装置の画像処理手段のパノラマ作成処理を示す図。 本発明のX線点検装置の画像処理手段のパノラマ表示の例を示す図。
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。尚、各図および各実施例において、同一又は類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
[撮影構成と装着の例]
図1は本発明の乗客コンベアのハンドレール点検装置(X線点検装置)の機器構成とハンドレールへの装着例を示す図である。図1(a)は機器構成例を示す図であって、X線撮影部1と、画像処理手段(画像処理部)2で構成される。画像処理手段2は、例えばPCなどによって構成されている。また、必要に応じてエンコーダ3が追加される。
X線撮影部1は、X線管5と、シンチレータ6と、カメラ7で構成される。X線撮影部1はハンドレール4の一部を内部に取り込める構造にして、X線管5と、シンチレータ6との間にハンドレール4が位置するように構成される。X線管5から広がりをもってX線が出射され、ハンドレール4を透過してシンチレータ6を照射する。シンチレータ6はX線を照射すると蛍光する蛍光板であって、X線の照射量に応じた輝度で蛍光する。ハンドレール4は内部に鋼鉄製のスチールコードを含み、ゴムの厚さも場所により異なるため、X線透過率に応じた影絵のような像がシンチレータ6に発生する。シンチレータ6に発生した像はカメラ7に取り込まれる。X線撮影部1は装置外部の光を遮断するためシンチレータ6の発光による画像のみを効率的に取り込むことができる。カメラ7は画像処理手段2に接続されて、該画像は電子データとして画像処理手段2に取り込まれる。
図1(b)はX線撮影部1をハンドレールに装着した例を示す図であって、X線撮影部1はハンドレール4の一部を内部に取り込むようにして装着される。ここでは、乗客コンベアとして上階床と下階床との間に架設され乗客を搭載するステップ8を備えたエスカレーターにおいて、傾斜部におけるハンドレール4にX線撮影部を装着した例を示しているが、装着場所はこれに限られるものではない。X線撮影の際に、X線撮影部1とハンドレール4は相対的に移動するようにする。つまり、X線撮影部1を固定してハンドレール4を移動させるか、または、ハンドレール4を静止させた状態でX線撮影部1を移動させる。このようにして、ハンドレール4の所望の箇所の撮影が可能となる。撮影は動画として連続的に撮影され、画像処理手段2の磁気媒体などの記憶部に動画ファイルとして保存する場合には、例えばMPEG形式やAVI形式を用いることができる。
図2は本発明のX線点検装置で撮影したハンドレールX線画像の例である。図面横方向がハンドレール4の長手方向である。ハンドレールは長手方向に5mmから20mm程度という比較的短い視野で撮影される。スチールコードはX線透過率が低いため黒い線分(暗部)として写っている。スチールコード間(背景)はゴムのみで比較的X線透過率が高いため明るく写っている(明部)。この例では、ハンドレール4の周辺部(図面上端と下端)はゴムが厚くX線透過率が低いため暗く写っている。また、ここでは18本のスチールコードが写っており、説明の便宜上、図面上から下まで順に01コード,02コード,…,18コードと呼ぶことにする。図面左側の輝度分布は矢印9において、ハンドレールを横断する方向(図面縦方向で、以後横断方向、あるいはハンドレールの長手方向に直交する方向と呼ぶ。)の線分上の輝度の分布を表したものである。スチールコードは輝度分布の谷の部分である。また、周辺のゴムの厚い部分は輝度が小さく、コントラストも中央部に比べて低い。
X線撮影部1またはハンドレール4を一定の速度で移動させながら撮影すれば、一枚の画像では5mmから20mm程度の視野であるが、動画としては数10メートルに及ぶハンドレール全体を撮影することができる。撮影中のX線撮影部1またはハンドレール4の移動は一定速度で行われることが望ましいが、非定常速度の移動でも、エンコーダ3を用いて、補正をすることができる。エンコーダ3はX線撮影部1に固定されていて、ハンドレール4との相対的移動量を計測し、その移動量を画像処理手段2に送信する。画像処理手段2ではX線撮影部1で得られる動画から、エンコーダ3の距離情報に基づいて、一定距離移動するごとに画像をピックアップすれば、疑似的に一定の速度で移動するハンドレール4の動画を得ることができる。
[X線点検装置の画像処理手段]
図3は本発明の画像処理手段の一実施例であって例えば画像処理手段2で実施することができる。前記画像処理手段はフレーム取得手段(フレーム取得部)12と、スチールコード検出手段(スチールコード検出部)(以下、SC検出手段)13と、スチールコードモデル保持手段(スチールコードモデル保持部)(以下、SCモデル保持手段)14と、スチールコードトレース/要素特徴検出手段(スチールコードトレース/要素特徴検出部)(以下、SCトレース/要素特徴検出手段)15と、フレーム毎良否判定手段(フレーム毎良否判定部)16と、最終判定手段(最終判定部)17と、表示手段(表示部)18と、コマンド入力手段(コマンド入力部)19と、制御手段(制御部)20とから構成されている。
この後、説明の便宜上、ハンドレールの長手方向を「長手方向」と表現し、これに直交する方向を「直交方向」と表現する。
フレーム取得手段12はカメラ7で撮影した動画から1フレームを切り出して、その中からスチールコードが含まれる視野範囲を切り出して、画像輝度に対するランダムノイズの除去とコントラスト補正を行う。
SC検出手段13は、この画像の輝度分布から独立して存在するスチールコードに対応するスチールコード部を検出して座標を計算する。その重心の直交方向すなわち図2においては図面上下方向の座標を、該フレームにおける該スチールコードの位置として代表させる。
SCモデル保持手段14は所定の本数からなるSC群モデルを更新し保持する。前記SC群モデルは各スチールコードの直交方向の座標と共に、該スチールコード領域の輝度と、それに隣接する背景表域の輝度の情報を更新保持する。SC群モデルの各スチールコードには、図2における01,02,…,18コード等と命名される。
SCトレース/要素特徴検出手段15は、SC検出手段13の出力であるスチールコードの代表座標とSCモデル保持手段14の保持するSC群モデルの座標を比較して、前記所定の本数分の総合的な座標の差異が最小になるように対応付けをする。この処理により、現フレームで検出されている各スチールコードが、各スチールコードのコード番号すなわち、図2における01,02,…,18コードのいずれに対応するかが確定する。そして、この対応関係に基づいて、各スチールコードの現フレームにおける、抜け,接触,絡みの有無が検出され、「フレーム毎の要素特徴ログ」としてメモリ保存される。また、各スチールコードの代表座標はSCモデル保持手段14にて、SC群モデルの更新情報に使われる。そして、更新されたSC群モデルの各スチールコード座標は「フレーム毎のトレースログ」としてメモリ保存される。
フレーム毎良否判定手段16は、前記「フレーム毎の要素特徴ログ」を参照し、現フレームで発生している要素特徴すなわち、スチールコードの抜け,接触,絡みの有無と、これらの特徴が何フレームに亘り継続しているのかを確認し、所定のフレーム以上継続している場合は「不良」とフレーム毎の良否判定ログに記録し、継続していない場合は「良品」と記録する。また、「不良」の場合には当該要素特徴の発生したフレームまで遡り、その間のログに全て「不良」と記録し直す。このようにして「フレーム毎の良否判定ログ」を更新してメモリ保存する。ここで、複数の要素特徴の有無の論理積の結果を用いて多段階の良否判定をログとして保存することもできる。
最終判定手段17は、前記「フレーム毎の良否判定ログ」の全体を参照し、当該ハンドレールサンプル全体としての良否判定をし、最終判定結果として出力する。
コマンド入力手段19はキーボードやマウスなどの周知のコマンド入力機器で実現され、制御手段20を介して、前記画像処理手段2の、処理の開始や停止を制御することができる。
表示手段18はPCのディスプレイ等の周知のグラフィカルユーザインタフェースを用いることができる。カメラ7の画像と共に、最終判定手段17の出力した良否判定結果を表示手段18に表示する構成とすることができる。
また、本発明のX線点検装置を使う保全員の注意を促すべく、最終判定手段17の出力する結果と同一の結果をコマンド入力手段19に入力することによってのみ、本発明の画像処理手段2の処理を終了させられるように構成することもできる。以上、画像処理手段の構成を説明した。
[フレーム取得手段]
フレーム取得手段12は取得した動画から順次フレームを取り出して処理をする。この処理はオンライン処理、すなわち、カメラ7からフレームを受け取るたびに逐次処理をするように構成してもよいし、オフライン処理、すなわち、ハンドレール4の計測部分全体を動画ファイルとして一時的に磁気記憶装置に保存した後に読みだして処理をするように構成してもよい。オフライン処理とした方が画像処理手段2に過度の負荷をかけること無く処理をすることができる。
X線撮影部1またはハンドレール4が非定常速度で移動し、エンコーダ3の距離情報に基づいて、オンライン処理する場合は、フレーム取得手段12はエンコーダ3の出力に応じて、ハンドレール4が、例えば5mmから20mmの間の所定の距離移動するたびにフレームを取得して処理をする。また、オフライン処理の場合は、エンコーダ3の出力に応じて、ハンドレール4が、例えば5mmから20mmの間の所定の距離移動するたびにフレームを取得して、間引き動画ファイルを構成して一時的に磁気記憶装置に保存するように構成することができる。このような構成で作成された動画ファイルは一定速度で移動するハンドレールの動画となっている。フレーム取得手段12はこの動画を読み込んで、1フレームずつ取得して処理することができる。オフライン処理とするときはフレーム取得手段12に、取得した画像を動画ファイルとして保存する機能は必須ではなく、動画作成は別途動画作成ソフトウェアで行ってもよい。
ここで、ハンドレール4の移動速度と、図2に示すハンドレールX線画像のハンドレール長手方向の視野長さと、カメラ7の動画フレームレートの関係を示す。カメラ7のフレームレートが毎秒Nフレームである場合、カメラ7から出力されるフレームの時間的間隔は1/N秒である。一方、ハンドレール4の移動速度が毎秒Lミリメートルであると、カメラ7が1フレームを取得する間に、L/Nミリメートル移動している。したがって、カメラ7のシャッターが開放であることを前提にすれば、ハンドレール4の長手方向の視野長さが、L/Nミリメートルよりも大きければ、ハンドレール4の画像情報の全てが前記動画ファイルに含まれる。
例えば、カメラ7のフレームレートが毎秒30フレームで、ハンドレール4の移動速度が毎秒500ミリメートルの場合は、1フレーム取得する間の移動量は500/30≒16.7ミリメートルとなる。したがって、ハンドレールX線画像の視野長さが17ミリメートル以上であれば、ハンドレール4の画像情報の全てが前記動画ファイルに含まれる。
また、カメラ7にインタレース方式のカメラを用いる場合、毎秒30枚得られる各フレームには、偶数フィールドと奇数フィールドとして、取得時刻が約16.7ミリ秒異なる2枚の画像が含まれる。これらを分離して2画像として処理すれば、実質的に毎秒60フレームのフレームレートで画像が得られることになる。この場合には、1フレーム取得する間の移動量は500/60≒8.3333ミリメートルとなる。したがって、図2に示すハンドレールX線画像のハンドレールの長手方向の大きさが8.4ミリメートル以上であれば、ハンドレール4の画像情報の全てが前記動画ファイルに含まれることになる。
[SC検出手段]
次に、SC検出手段13の説明をする。図4はSC検出手段の処理第一例を示す図であって、処理の流れを示す。フレーム取得手段12によるX線画像を、例えば図2に示すようにハンドレールの長手方向に投影して投影輝度分布を作成する(S1)。投影することにより、X線撮影に伴う輝度のランダムノイズを相殺し、ゴムの厚さの違いによって該ハンドレールの場所に応じた輝度の傾向を計測することができる。S1の投影プロファイルからコントラスト補正曲線を作成する(S2)。次に、該X線画像の直交方向の輝度分布を左端から右端へ1ラインずつ、または所定のラインずつ飛ばしながら解析するために、HR直交方向ラインを長手方向左端に設定する(S3)。
その後、ハンドレール(図4には、HRと記載)長手方向へループ処理(S4)をしてフレーム取得手段12によるX線画像の視野範囲内の解析をする。すなわち、設定されたラインにおいて、取得した輝度分布に対して平滑化とコントラスト補正をした輝度分布を作成し(S5)、SC候補セルを検出する(S6)。SC候補セルはスチールコードの部分である可能性のある画素である。S6の詳細は後記する。S4ループの第1回目のループでは、S7は処理をせずに通過するが、第2回目のループ以降は、前ループで検出されたSC候補セルと現ループで検出されたSC候補セルを連結する(S7)。連結の仕方は後記する。現ループで解析したラインよりも右方のラインを設定する(S8)。該X線画像の右端まで解析が終了したらS4ループから抜ける(S9)。
S4ループで検出されたSC候補セルの連結長さが所定の長さに達した場合はスチールコードとして確定し、該SC候補セルの連結物体の重心座標のうち、直交方向の座標を該フレームでの該スチールコードの代表座標とする(S10)。S10で、確定したスチールコード本数と、確定したスチールコードの該フレームでの直交方向座標を出力して、SC検出手段13の処理が終了する。
次に、S5の処理を具体的に説明する。図5はSC検出手段13の、コントラスト補正の一例を示す図である。図5(a)はフレーム取得手段12の取得によるハンドレールX線画像の直交方向の、あるライン上の輝度分布である。図面上下方向の軸がハンドレール直交方向の座標で、図面左方向の軸が輝度である。該輝度分布はスチールコードのところで谷になり、スチールコード間で山になる。また、X線撮影に伴う輝度のランダムノイズにより、輝度分布には小さな山谷がある。さらに、図面の上端付近と下端付近は輝度が低く、山と谷のコントラストが悪い。これらに平滑化とコントラスト補正(S5)をしてスチールコードに起因する山谷を顕在化させる。
図5(b)は図5(a)の輝度分布に平滑化処理をしたものである。平滑化は周知の平均化フィルタで実現できる。前述の通り該スチールコードに起因する山谷を消さない程度で十分に大きなサイズの平均化フィルタを用いれば好適にランダムノイズを除去できる。
カメラ7のレンズなどの撮像系パラメータが確定すれば、検出すべきスチールコードの画像上の画素数はほぼ決まるから平滑化フィルタの適切なサイズをあらかじめ決めることは可能である。また、ハンドレール周辺部に該当する、図面の上端付近と下端付近は輝度と山谷のコントラストが低いために補正をする。図5(c)はS1による長手方向投影輝度分布である。破線21は該長手方向投影輝度分布の極大値の包絡線である。輝度分布の一次差分を算出し、ゼロ交差付近として複数の極大値を検出した後、これら複数の極大値に接する曲線は、例えばラグランジュの多項式近似によって得ることができる。こうして得られた破線21をf(x)として、例えば、CONST/f(x)を平滑化輝度分布(b)に乗じるとコントラストが補正された輝度分布が得られる(図5(d))。ここで、xは直交方向の座標を表し、CONSTは定数であって、画像の輝度値や輝度分布値が0から255までの場合には200前後が適当な値である。f(x)の値となる破線21は除算に用いられるので、不安定にならないようにあまり小さい値にならないように、例えば10以下の数値にならないようにクリッピングすることも有効である。この場合のクリッピングとは、10以下の数値が現われた場合は下限よりも大きい数値11等で置き換える処理である。図5(d)は図5(b)に対してコントラスト補正をした輝度分布であって、鋭い谷が18個あるが、これは18本のスチールコードに対応している。このように鋭い谷にすることができると、この分布を一次差分してゼロ交差する所をSC候補セルとすることができる。
次にスチールコード(SC)候補セル検出S6とSC候補セル連結S7の具体的に示す。図6はSC検出手段13の、SC候補セルの検出(S6)の一例を示す図である。図6(a)は図5(d)と同じくコントラスト補正した輝度分布であり、図6(b)はこれを、直交方向に一次差分した分布である。一次差分は注目点の下方の輝度値と上方の輝度値の減算値を該注目点の値とするものであるが、該注目点から上方および下方までの距離(画素数)は予め適正に調整しておく必要がある。本発明の場合のように、検出すべきスチールコードの太さが概ね決まっている場合には、調整した距離を固定値として保持することができる。正のしきい値22と負のしきい値23も調整済みの適正値を固定して保持することができる。
例えば、図6(a)の輝度分布の谷24に対応する部分は、図6(b)の一次差分値が負のしきい値23から増加して正のしきい値22に達するまでの区間25と26に該当する直交方向の座標区間において、図6(a)の輝度分布の極小値をとる座標を求めればよい。また、谷24の鋭さは、極大値27と極小値28の直交方向の距離を算出し、所定の固定値以下の場合には鋭い谷として選別することができる。このように鋭い谷として選別されたところが図6(a)の輝度分布におけるSC候補セルの検出位置である。
図7はSC検出手段13の、SC候補セルの連結(S7)処理を示す図である。図7(a)(b)(c)(d)は、SC検出手段13の処理対象たる画像一部である。斜線領域29と30は独立して存在するスチールコードで、斜線領域31は2本のスチールコードが接している状態で、斜線領域32は短いスチールコードである。図面縦方向の破線群33はS3とS8で設定される輝度分布解析用のラインを明示的に表したものである。すなわち、これらのラインに沿って輝度分布を解析して谷の部分にSC候補セルを定める。
図7(b)にて、斜線領域29上にある白矩形34はSC候補セルの1つである。斜線領域29上の他の矩形もSC候補セルであるが、煩雑になるため番号を付していない。斜線領域30と32上の白矩形もSC候補セルである。斜線領域31では、接触により輝度分布に鋭い谷が発生しないので、SC候補セルは設定できない。SC候補セルを設定できないということは、接することなく独立して存在するスチールコードが無いことを意味する。
図7(c)はS4処理ループの動作を明示的に示している。すなわち、輝度分布解析用ライン33a,…,33dと左端から右端へ処理を進め、設定済みのSC候補セルを実線白矩形で、未だ設定されていないが処理完了後には設定されるSC候補セルは点線表している。S7において、前ラインで設定したSC候補セルと現ラインで設定したSC候補セルを連結する。連結は最も距離の小さいSC候補セル同士を連結する。距離とはSC候補セル同士の直交方向座標の差異である。連結可能な距離の上限を定めておけば、誤った連結を防ぐことができる。
図7(d)の実線34と35と36はS7でSC候補セルが連結された結果を明示的に示している。これは当該フレームにおいて、独立した長いスチールコード34と35および、短いスチールコード36が存在することを示す。
S10ではあらかじめ長さのしきい値を決めておき、所定の長さ以上の連結結果についてスチールコードと決定し、前記しきい値未満の連結結果は除去する。フレーム取得手段12の取得によるハンドレールX線画像はX線撮影部1を設計する時点で長手方向の画像サイズが確定するので、前記長さのしきい値を決めることは可能である。
以上はHR処理ループS4で1ラインを解析するたびに平滑化とコントラスト補正をするように説明したが、図8に示すSC検出手段の処理第二例の処理フローのように、2次元の画像処理として平滑化とコントラスト補正の処理を施してから(S15)、1ラインごとの輝度分布解析をするように構成してもよい。図8において、S1とS2の処理は図4において説明した処理と同様である。S15において、前記フレーム取得手段12の取得によるハンドレールX線画像内で2次元の平滑化フィルタをかけてX線撮影に伴う輝度ランダムノイズを相殺する。周知の2次元平滑化フィルタで平滑化は実現することができる。コントラスト補正は、S2で得たコントラスト補正曲線f(x)を使って、該X線画像内の画素に対して、CONST/f(x)を乗じる。この際に画素値が例えば255などの上限を超える場合はその上限値で置き換えるなどクリッピング処理をする。以上説明した方法でS15は平滑化とコントラスト補正をしたX線画像を作成する。
S3とS4は図4で説明した処理と同様で該X線画像の左端から右端へ1ラインずつまたは所定のラインを飛ばしながら輝度分布解析を行う。ここで得られる輝度分布は図4のS5で得られる輝度分布すなわち、図5(d)と同等である。続くS6乃至S10までの処理は図4で説明した処理フローのものと同一である。
[SCモデル保持手段]
図9はSCモデルと検出されたスチールコードの照合法を示す図である。次に図9を参照して、SCモデル保持手段14とSCトレース/要素特徴検出手段15の協調処理によって成される、SCモデルと検出されたSCの照合法について説明する。
説明を単純化するために、ハンドレールに内蔵されるスチールコードの本数は元々5本であったとする。そうするとSCモデルも5本のスチールコードからなり、端から順に01コード,02コード,03コード,04コード,05コードと命名することができる。
ここで、SC検出手段13で5本のスチールコードが検出されたとする。この場合には、無条件で、端から順に検出されたスチールコードとSCモデルのスチールコードを対応付ける(図9(a))。すなわち、検出されたスチールコード37,38,39,40,41はそれぞれスチールコードモデルの01コード,02コード,03コード,04コード,05コードに対応付けられる。この処理により、検出されたスチールコードにはそれぞれ、01から05コードという名前が確定する。また、SCモデルの各コードは位置情報(座標)をもっており、SCモデルの座標は、検出されて対応付けられたスチールコードの位置を代表する重心の座標で更新される。図9(a)の検出されたスチールコード中央の白丸はそれぞれの重心位置を明示的に示している。
図9(b)は検出されたスチールコードが3本の場合である。これは他の2本が欠如していたり、または互いに接触していたりすることにより独立した2本のスチールコードとして検出できない場合である。前記SCモデルのスチールコードの順番が上下で入れ替わらないという拘束条件を設けると、検出されたスチールコード42がSCモデルと対応付けられるのは、01コード,02コード,03コードである。仮に04コードと対応付けてしまうと、検出されたスチールコード43と44のいずれかが余ってしまう。同様の拘束条件により、検出されたスチールコード43がSCモデルと対応付けられるのは、02コード,03コード,04コードであり、検出されたスチールコード44については、03コード,04コード,05コードに対応付けられる。
図9(c)の距離テーブルはこれらの条件を表にまとめたものである。左端の縦欄はSCモデルのコード名を表している。上端である第1行目は現フレームにおいて検出されたスチールコードで、検出された座標の小さいものから順に、左方から右方へ記入してある。この例では左方から順に検出されたスチールコード42,43,44である。この時点ではどのスチールコードを見失っているのか不明であるから、検出されているスチールコードにも名前を確定することができない。距離テーブルにおいて、行と縦欄の交わる場所には、モデルの保持している座標と検出されたスチールコードの座標の差異の絶対値を記入する。アスタリスクの記入されている組合せは、上述の拘束条件からあり得ない組合せである。それ以外の場所すなわち、d11,d21,d31,d22,d32,d42,d33,d43,d53は座標差異の絶対値である。距離テーブル右端の縦欄は座標差異の最小値である最小座標差異を記入する欄である。01コードと05コードについては、それぞれ、d11とd53の値しかないのでこれを記入する。その他の箇所については該当する行の最小値を記入する。たとえば、02コードの行では、d21とd22の小さい方を記入する。両者が等しい場合はその数値を記入する。
ここでは、SCモデルのスチールコードが5本に対して、検出されたスチールコードが3本であるからいずれかの2本が未検出である。そこで、距離テーブル右端の縦欄の大きいものから順に2つを選択する。ここで選択された行に該当するスチールコードが未検出とみなされる。たとえば、02コードの行と03コードの行が選択された場合には、02コードと03コードが未検出となる。その結果、検出されたスチールコード42はSCモデルの01コードと対応付けられて01コードであることが確定する。検出されたスチールコード43はSCモデルの04コードと対応付けられて04コードであることが確定する。検出されたスチールコード44はSCモデルの05コードと対応付けられて05コードであることが確定する。
以上の処理により、検出されたスチールコードの名前が確定する。一方、SCモデルの01コードの座標はスチールコード42の持つ座標で更新され、SCモデルの04コードの座標はスチールコード43の持つ座標で更新される。そして、SCモデルの05コードの座標はスチールコード44の持つ座標で更新される。SCモデルのスチールコード02と03は、01と04の座標の間に、それぞれ、1:2と2:1に内分される座標で更新される。
以上説明した処理は図10の処理の流れに従って行われる。図10はSCモデル保持手段14とSCトレース/要素特徴検出手段15の処理の流れを示す図である。検出されたスチールコード数がハンドレールに内蔵されるスチールコードの設計上の数と等しければ、全スチールコードが検出されたとして、S21を実行してここでの処理を終了する。S21では、検出されたスチールコードの座標の小さいものから順に、SCモデルのスチールコードのコード名の数字の小さいものに割り当てていく。SCモデルのスチールコード情報とは、該当するスチールコードの座標と、その座標位置における、元の画像、すなわちフレーム取得手段12の取得によるハンドレールX線画像の輝度である。これは該当するスチールコード部分の輝度値である。また、その領域の両側であって、所定の距離隔たった場所の輝度を背景輝度として保持する。所定の距離とは隣接するスチールコード座標との中点である。S21ではこれらの座標値と輝度値を更新する。
一方、検出されたスチールコード数が不足している場合には処理P1に進む(S20)。処理P1では、現SCモデルと検出されたスチールコードについて、図9(c)で説明した距離テーブルを作成する(S22)。先に説明をしたように、最小座標差異に基づいて、未検出のスチールコードを特定して、検出されたスチールコードにコード名を付与する(S23)。検出されたスチールコードの座標に基づいて、SCモデルの座標を更新する(S24)。このときは、輝度値は更新しない。
以上、SCモデル保持手段14とSCトレース/要素特徴検出手段15の協調処理によるスチールコードのトレースと、SCモデルの更新について説明した。尚、SCのトレースは、SCトレース/要素特徴検出手段15のうち、SCトレース手段(SCトレース部)によって行われる。これまでの説明では、スチールコードの設計上の本数よりも多いスチールコードが検出された場合についてはなかった。これは、SC検出手段13にて平滑化処理等を十分に行って、偽のスチールコードを検出しないようにしているため、多く検出する場合は無いからである。
[要素特徴検出法]
次にSCトレース/要素特徴検出手段15で行われる、スチールコード劣化に係る要素特徴の検出法について説明する。ここでは、SCトレース/要素特徴検出手段15のうち、要素特徴検出手段(要素特徴検出部)によって検出が行われる。要素特徴は当該フレーム内で認められる劣化に係る外観特徴であって、スチールコードの欠如(抜け)と、スチールコード同士の接触がある。また、接触が隣接するスチールコードに留まらず、隣接しないスチールコード同士や、3本以上のスチールコードが接している場合には絡み特徴となる。
図11はSCトレース/要素特徴検出手段15における要素特徴“抜け”の検出法を示す図である。図11において、16本の黒い横縞を有する矩形45はハンドレールX線画像の概念図である。16本の黒い横縞は独立して存在する16本のスチールコードを表していて、これらはSC検出手段13によって検出されている。破線46で囲まれている横長の矩形はこの検出されたスチールコードを示している。また、18本の水平線分47はSCモデル保持手段14の保持するSCモデルのスチールコードの座標の位置を示していて、上から順に01コード,02コード,…,18コードである。先に説明したSCモデル保持手段14とSCトレース/要素特徴検出手段15の協調処理により、検出されたスチールコード46の16本は命名済みである。この例の場合では09コードと10コードが未検出である。未検出スチールコードのあるべき座標は前記SCモデルから知ることができ、破線48の領域である。
そこで、前記X線画像における破線48の領域の最低輝度を算出して所定のしきい値よりも大きい場合にはスチールコードが欠如していると判定する。前記所定のしきい値は、前記SCモデルの該当するスチールコードの輝度とこれに隣接する背景輝度の平均値を用いることができる。この例の場合はSCモデルの09コードと10コードの平均値をSCモデルの輝度とし、09スチールコードと10スチールコードの座標の中点座標における輝度をSCモデルの背景輝度とし、前記スチールコード輝度と前記背景輝度の平均値を前記所定の値として、スチールコードが欠如しているか否かの判定しきい値とする。前述したように前記SCモデルの01コードから18コードまでの輝度とこれらの間の背景輝度は、全スチールコードが検出されたフレームにおいて更新されている値である。スチールコードが独立して検出されるべき場所において、スチールコードが欠如していて、かつ、輝度が高いということはスチールコードが欠如していると判断することができる。以上に説明した処理により、該フレームにおいてスチールコードの欠如を検出する。
図12はSCトレース/要素特徴検出手段15における要素特徴“接触”の検出法を示す図である。図12において、17本の黒い横縞を有する矩形49はハンドレールX線画像の概念図である。破線52の領域にあるのは接触により太い外観となったスチールコードである。他の16本の黒い横縞は独立して存在する16本のスチールコードを表していて、これらはSC検出手段13によって検出されている。破線50で囲まれている横長の矩形はこの検出されたスチールコードを示している。破線52で示すような太い外観のスチールコードは、SC検出手段13の説明でしたように、輝度分布で鋭い谷が現れないので検出することができない。また、18本の水平線分51はSCモデル保持手段14の保持するSCモデルのスチールコードの座標の位置を示していて、上から順に01コード,02コード,…,18コードである。先に説明したSCモデル保持手段14とSCトレース/要素特徴検出手段15の協調処理により、検出されたスチールコード50の16本は命名済みである。この例の場合では09コードと10コードが未検出である。未検出スチールコードのあるべき座標は前記SCモデルから知ることができ、破線52の領域である。
そこで、前記X線画像における破線52の領域の最低輝度を算出して所定のしきい値よりも小さい場合には複数のスチールコードが接触していると判定する。前記所定のしきい値は、先に説明したように前記SCモデルの該当するスチールコードの輝度とこれに隣接する背景輝度の平均値を用いることができる。この例においてはスチールコード09とスチールコード10が未検出なので、これらのスチールコードが接触していると判断される。スチールコードが独立して検出されるべき場所において、スチールコードが欠如していて、かつ、輝度が低いということはスチールコード複数本が接触していると判断することができる。以上に説明した処理により、該フレームにおいてスチールコードの接触を検出する。
図13はSCトレース/要素特徴検出手段15における要素特徴“絡み”の検出法を示す図である。図13において、16本の黒い横縞を有する矩形53はハンドレールX線画像の概念図である。破線56の領域にあるのは絡みにより太い外観となったスチールコードである。他の15本の黒い横縞は独立して存在する15本のスチールコードを表していて、これらはSC検出手段13によって検出されている。破線54で囲まれている横長の矩形はこの検出されたスチールコードを示している。破線56で示すような太い外観のスチールコードは先の説明のようにその輝度分布に鋭い谷が現れないので検出することができない。また、18本の水平線分55はSCモデル保持手段14の保持するSCモデルのスチールコードの座標の位置を示していて、上から順に01コード,02コード,…,18コードである。先に説明したSCモデル保持手段14とSCトレース/要素特徴検出手段15の協調処理により、検出されたスチールコード54の15本は命名済みである。この例の場合では08コードと09コードと10コードが未検出である。未検出スチールコードのあるべき座標は前記SCモデルから知ることができ、破線56の領域である。
そこで、前記X線画像における破線56の領域の最低輝度を算出して所定のしきい値よりも小さい場合には複数のスチールコードが接触していると判定する。前記所定のしきい値は、先に説明したように前記SCモデルの該当するスチールコードの輝度とこれに隣接する背景輝度の平均値を用いることができる。この例においてはスチールコード08とスチールコード09とスチールコード10が未検出なので、これらのスチールコードが接触していると判断される。そして、この場合は3本以上のスチールコードが接触しており、したがって隣接しているスチールコード以外のスチールコードも接触しているので絡みが発生していると判断する。
ところで、スチールコードの抜け,接触,絡みの有無を判定するために破線48領域および、破線52領域および破線56領域の輝度を参照するために前記X線画像における当該領域の最低輝度を用いたが、その代わりに、SC検出手段13で得た平滑化された画像における当該領域の最低輝度を用いてもよい。このように構成すると、X線撮影の際の輝度のばらつきの影響を受けなくなる。
以上に説明した処理により、該フレームにおいてスチールコードの抜け,接触,絡みを検出する。そして、フレーム処理をするたびに該フレームにおいて、抜けまたは、接触、または絡みという要素特徴の有無を、その特徴別に履歴として保持更新する。この要素特徴履歴を「フレーム毎の要素特徴ログ」とよび、これはSCトレース/要素特緒検出手段15の出力である。また、先に説明のSCモデルの各スチールコードの座標の更新履歴をフレーム毎に更新保持することもできる。このSCモデルの各スチールコードの座標の更新履歴を「フレーム毎のトレースログ」とよび、これはSCトレース/要素特緒検出手段15の出力である。
[フレーム毎良否判定手段]
図14はフレーム毎良否判定手段16における良否判定または段階的品質評価条件を示す図である。次に図14を参照して、フレーム毎良否判定手段16を説明する。フレーム毎良否判定手段16は各フレームにおける、点検対象たるハンドレールに内蔵のスチールコードの良否の判定、またはハンドレールの品質の段階的評価をし、これらの良否判定または段階的評価のフレーム毎の履歴を更新保持する。このフレーム毎履歴を「フレーム毎の良否判定ログ」とよび、これはフレーム毎良否判定手段16の出力である。
ところで、スチールコードの良否の判定、または品質の段階的評価は、前述の“抜け”,“接触”,“絡み”という要素特徴が該スチールコードの長手方向に継続する長さも指標として加えて行う。例えば、“抜け”や“接触”や“絡み”の長手方向のしきい値として、それぞれ、C1,B1,C2という所定の自然数を定め、これらのしきい値以上に継続する場合には該当する良否判定または段階的評価をし、その判定または評価を該フレームの「フレーム毎の良否判定ログ」に保持する。
この判定または評価は例えば図14に示すように実施することができる。図14において、品質ランクはA,B,Cの段階的評価結果を示し、Aが最も良い品質で、Cが最も劣化した品質である。右縦欄は論理和からなる判定条件で、フレーム内良否判定手段16でこの論理演算を経て、「フレーム毎の良否判定ログ」として出力される。そして、B判定でもC判定でもない場合をA判定とする。
“接触”という要素特徴がB1フレーム以上継続した場合、当該フレームをBと判定する。ここで、現フレームからB1−1フレーム分を先のフレームまで遡り、該フレームと現フレームの間に位置するフレームについても全てB判定とするように前記「フレーム毎の良否判定ログ」を更新する。ただし、該当フレームに既にC判定が記録されている場合はC判定に対して上書き更新はしない。つまり、Bランク判定条件にあるように、B判定条件を満たしていてもC判定にも該当する場合はC判定とする。
また、“抜け”という要素特徴がC1フレーム以上継続した場合、当該フレームをCと判定する。ここで、現フレームからC1−1フレーム分を先のフレームまで遡り、該フレームと現フレームの間に位置するフレームについても全てC判定とするように前記「フレーム毎の良否判定ログ」を更新する。
更に、“絡み”という要素特徴がC2フレーム以上継続した場合、当該フレームをCと判定する。ここで、現フレームからC2−1フレーム分を先のフレームまで遡り、該フレームと現フレームの間に位置するフレームについても全てC判定とするように前記「フレーム毎の良否判定ログ」を更新する。
以上段階的な評価処理について説明したが、例えば、A判定を良品とし、これ以外を不良と判定することにすれば、良否判定として実施することができる。あるいは、A判定を良品とし、C判定を不良と判定してハンドレールの交換が必要であることを表示手段18で通知して保全作業員にハンドレールの交換を行わせ、B判定を劣化と判定してハンドレールの交換時期が近いことを表示手段18で通知するようにしてもよい。図14ではB1,C1,C2という所定の長さをフレームで表現したが、該当するミリメートルで表現することも可能であり、B1,C1,C2を例えば、10ミリメートル以上の所望の000ミリメートルの間で設定してもよい。以上、フレーム毎良否判定手段16の処理とこの出力である「フレーム毎の良否判定ログ」について説明した。尚、ここまでの説明は「フレーム毎の良否判定ログ」はスチールコードの品質を評価しているが、ハンドレールの品質を評価したものでもあるので、ハンドレールの品質と読み替えてもよい。
[最終判定手段]
次に最終判定手段17の処理を説明する。最終判定手段17は前記「フレーム毎の良否判定ログ」を参照して、点検対象たるハンドレール単体としての品質判定を下す処理をする。例えば、前記「フレーム毎の良否判定ログ」にBとCの判定箇所が皆無であれば、当該ハンドレールは単体としてA判定とすることができる。また、前記「フレーム毎の良否判定ログ」中に所定のフレーム数以上C判定の箇所があれば、当該ハンドレールは単体としてC判定とすることができる。そして、AでもCでもない場合は、当該ハンドレールは単体としてB判定とすることができる。また、より簡単な最終判定手段17の実現例として、前記前記「フレーム毎の良否判定ログ」に記録されている最も悪い品質判定の結果を、当該ハンドレールの単体として評価とすることができる。最終判定手段17の結果に基づいて、ハンドレールの品質として、A判定を良品とし、C判定を不良と判定してハンドレールの交換が必要であることを表示手段18で通知して保全作業員にハンドレールの補修または交換または補修後に交換を行わせ、B判定を劣化と判定してハンドレールの交換時期が近いことを表示手段18で通知するようにしてもよい。尚、劣化と判定されたハンドレールは、通常の点検周期よりも短い点検周期で再点検を行うようにすることが望ましい。ここで、点検周期は、例えば1ヵ月毎などの所定の期間としてもよいし、運転時間またはハンドレールの周回回数または移動距離のうちの1つ以上を考慮して決定してもよい。以上、最終判定手段17の処理を説明した。これをもって、本発明のX線点検装置の画像処理手段の構成の実施例を説明した。
[画像処理手段の処理の流れ]
図15は本発明のX線点検装置の画像処理手段の処理の流れを示す図である。次に、前記画像処理手段の処理の流れを、図15を参照して説明する。新規にハンドレールの画像を処理するに先だって、処理に用いるメモリとパラメータの初期化を行う(S25)。メモリ初期化とは例えば、「フレーム毎の要素特徴ログ」や、「フレーム毎のトレースログ」や、「フレーム毎の良否判定ログ」の初期化がある。
フレーム処理ループS26は、ハンドレールの品質評価に必要な動画処理を完了するまでループ処理をし、処理すべき全フレームが完了するとこのループから抜けてS33以後の処理へ進む(S27)。フレーム終了判定処理S27およびフレーム取得処理S28はフレーム取得手段12で実施される。次に、SC検出手段13にてSC検出処理S29が実施される。そして、SCモデル保持手段14とSCトレース/要素特徴検出手段15の協調によりSCトレースおよび要素特徴検出処理S30が実施され、同時にモデル保持手段14に保持されているSCモデルについて、SCモデル更新処理S31がなされる。次いで、該フレームに関して、フレーム毎良否判定処理S32をし、「フレーム毎の良否判定ログ」を更新する。この処理はフレーム毎良否判定手段16で実施される。
必要なフレームすべてについて上記の処理を完了した後は、ハンドレール品質最終判定処理S33を、最終判定手段17で実施する。この際に、最終判定結果を磁気媒体に保存したり、ネットワークを介して品質管理サーバ等に送信したりすることができる。以上の処理をもって、ハンドレールの品質評価の自動判定が実現される。また、S34乃至S38までの処理を追加することもできるがこれについては後記する。
[画像処理手段第二例]
これまでに説明した処理手段と処理の流れにより、スチールコードの“抜け”や“接触”や“絡み”に基づく品質の判定は可能である。しかし、極めて初期の劣化段階においては該スチールコードを保持するゴムの劣化により、上記の3つの外観にはならなくとも、スチールコードが直交方向に移動する状況が発生する。ここではこれを上記3つの外観特徴に加えて、“遊走”特徴という。
ここで、図16は本発明のX線点検装置の画像処理手段の第二実施例を示す図である。図16に示すX線点検装置は図3に記載のX線点検装置にトレースログデータベース57とフレーム毎遊走検出手段(フレーム毎遊走検出部)58を加えた構成である。12乃至15の手段59は、図3のフレーム取得手段12と、SC検出手段13と、SCモデル保持手段14と、SCトレース/要素特徴検出手段15で処理される内容と同一である。
トレースログデータベース57は過去に計測したハンドレールの「フレーム毎のトレースログ」が保存されている。前記「フレーム毎のトレースログ」は先に説明のように、SCモデル保持手段14とSCトレース/要素特徴検出手段15の協調処理によって出力された履歴データである。
フレーム毎遊走検出手段58は、ハンドレール計測の際に12乃至15の手段59が出力したフレーム毎のトレースログと、当該ハンドレールの過去のフレーム毎のトレースログであってトレースログデータベース57に保存のものを同一の長手方向の位置において比較をする。現計測と過去の計測における、長手方向の同一箇所を比較するにあたっては、計測時に金属等のX線に撮影可能な目印を付しておけば、容易に比較することができる。比較して、ハンドレール直交方向の座標が所定の距離以上ずれている場合(スチールコードの位置がスチールコードの本来の位置(過去の計測により特定可能)よりもハンドレールの長手方向に直交する方向に所定の距離以上ずれている場合)には遊走が発生していると判断し、当該フレームにおいて遊走があることを「フレーム毎の遊走ログ」としてメモリ内に保持する。
フレーム毎良否判定手段16の処理は既に説明済みであるが、ここで、Aと判定されたフレームについて、前記「フレーム毎の遊走ログ」を参照し、遊走の発生が認められるフレームについてはA判定をBプラス判定に付け替える。これにより、図14に基づく先の説明ではスチールコードの品質ランクはA,B,Cの3つのランクからA,Bプラス,B,Cの4つのランクに分類されることになる。Bプラスはスチールコード自体の外観に劣化の兆候は認められないが、該スチールコードを保持するゴムに劣化が疑われるランクである。このBプラスのランクは前述のフレーム毎の良否判定ログを介して、最終判定手段17の最終判定を4つのランクとすることもできる。この場合、最終判定もA,Bプラス,B,Cの4つのランクとなる。Bプラスの判定結果も、品質としては「劣化」と判定することができる。
[パノラマ表示]
以上の説明により、本発明のエスカレーターハンドレールX線点検装置によれば、該エスカレーターハンドレールに内蔵のスチールコード(あるいはハンドレール自体)の良否または多段階の品質判定が自動的に成される。ここで、この自動判定に加えて、該スチールコードをパノラマ表示すれば、エスカレーターハンドレール保全にとって極めて有用な装置となる。そこで、次に本発明のエスカレーターハンドレールX線装置のパノラマ作成と表示の実施例を説明する。尚、パノラマ作成と表示手段18へのパノラマ表示の処理は、画像処理手段12に設けられた図示しないパノラマ表示手段(パノラマ表示部)によって行われる。
フレーム取得手段12の説明において、X線撮影の際に、X線撮影部1とハンドレール4の相対的な速度が一定速度の場合には、各フレームに撮影のスチールコード画像の長手方向の視野幅は一定の長さであることを具体的に示した。ここで、隣接するフレーム間のスチールコードの長手方向の位置の差も一定である。また、X線撮影の際にX線撮影部1とハンドレール4の相対的な速度が非定常速度の場合でも、エンコーダ3に基づいて所定の距離移動するごとにフレームを処理することにしたり、所定の距離移動するごとに取得したフレームで動画ファイルを構成したりすれば、一定速度で移動撮影をしたものと同等の画像を得ることができる。
図17は本発明のX線点検装置の画像処理手段のパノラマ作成処理を示す図である。上述のように、一定速度またはエンコーダ3を使って一定速度と同等にして得た動画からパノラマ画を作成する処理であって、図17(a)はパノラマ画作成のための輝度サンプリングの概念図で、図17(b)はサンプルした輝度をマッピングするための概念図である。ここではスチールコードの本数を10本として説明している。
図17(a)は10本のスチールコード群を、長手方向に、1フレーム撮影するたびに距離d0ミリメートルを移動しながら撮影する状態を示している。ここで、各取得フレームにはf0,f1,f2,f3,…と命名する。各フレームにおけるスチールコードの長手方向の視野長さはd0ミリメートルであるとする。各フレームの視野の境界はスチールコードを縦に横切る破線で示している。また、c0,c1,c2,c3はそれぞれ、フレームf0,f1,f2,f3の長手方向の視野中心に当たる画素の並びを示している。また、cl0とcr0はそれぞれ、c0の左側と右側に等間隔に7つずつ設けた画素の並びを示している。c1,c2,c3の左右にも画素の並びcl1,cr1,cl2,cr2,cl3,cr3を等間隔で7つずつ設ける。
これらの画素列に該当する画素から輝度値を取得して、図17(b)に示すように隣接してこれらの画素輝度値を並べると、フレームf0とf1から2フレーム分のパノラマ画が作成される。このパノラマ画に表されるスチールコードは長手方向に2フレーム分、すなわちd0×2ミリメートル分である。ただし、長手方向の空間分解能は輝度サンプリングにより落ちている。図17(b)には図示しないが、フレームf2とf3も同様である。
図17(a)の輝度サンプリングと図17(b)の輝度マッピングを該当する動画の全フレームについて行うと輝度マッピングしたものはスチールコードの該当部分のパノラマ画になっている。長手方向の空間分解能は前述の通り落ちているが、スチールコードの品質を視認する場合、この程度の分解能の低下は問題にならない。また、必要に応じてcl0,cr0,cl1,cr1に含まれる画素の並びの本数を増やせば分解能の低下を減じることができる。
以上は、各フレームの長手方向の視野幅が撮影時の移動量d0と同一であることを前提として説明した。しかし、実際には、フレームの視野幅はX線管5の製作上のばらつきによりばらつく。ばらつきにより、視野幅がd0よりも大きい場合は、各フレーム中心c0,c1,c2,c3…を中心として、幅d0の間でcl0,cr0,cl1,cr1…の画素の並びを設けて、ここから輝度サンプリングすれば、上述と同様のパノラマ画が得られる。ばらつきにより、フレームの視野幅がd0よりも小さい場合は、各フレーム内の視野中心c0,c1,c2…を中心に輝度サンプリング用の画素の並びcl0,cr0,cl1,cr1,cl2,cr2…を設けてサンプルした結果を図17(b)のようにマッピングするとやはりパノラマ画が得られる。この場合、cl0,cr0,cl1,cr1,cl2,cr2…の輝度サンプルの画素の並びの長手方向の間隔は、先の2つの例すなわち、視野サイズがd0以上の場合よりも小さくなる。その結果、図17(b)のパノラマ画には局所的な歪が生じる。しかし、図17(b)に示すように、c0とc1間の画素数Dは先の2つの例と同一であって、パノラマ画においては同一の距離として再現されている。以上に示すパノラマ合成法でパノラマ画を構成すると、フレームの視野幅に、X線管毎の製造上のばらつきがあっても、ばらつきに起因する歪みはパノラマ画全体に均等に配分されるため、エスカレーター保全員が視認の際に判断を誤ることのないパノラマ画を提供することができる。
以上に説明したパノラマ画を表示するにあたり、図3と図16で説明済みの「フレーム毎の良否判定ログ」に保持の品質判定結果を該当するパノラマ画フレームの上部に例えば色別に表示することができる。また、画像処理手段2の表示手段18の表示面積が限られている場合には、パノラマ全体を表示することができない。このような場合には、パノラマ全体の長手方向を適度に縮小して表示し、その一部を縮小せずにあるいは縮小の度合いを全体よりも弱くして表示することで、限られた画面内に効果的にパノラマ画を表示することができる。
図18にパノラマ表示の一例であって、表示手段18に表示されたパノラマ表示画面60の中に、点検対象たるハンドレールを特定するためのハンドレール番号61と、最終判定結果62と、縮小表示したパノラマ全体67とパノラマの一部66が表示されている。
矩形68はパノラマ全体67の部分で、パノラマの一部66として表示されている部分を示している。この矩形は例えば、キー操作で左右に移動するとこの操作に伴って、表示されるパノラマの一部66の表示される部分も変わる。このように、パノラマ画像の全体と、パノラマ画像全体の中の一部を表示させるとともに、パノラマ画像全体はパノラマ画像全体の中の一部よりも小さな倍率で表示させる。そして、長手方向の帯63は、スチールコードの長手方向の位置と対応させて、前記「フレーム毎の良否判定ログ」に保持される良否判定の結果(スチールコードあるいはハンドレールの品質の段階に相当)を色または記号またはテクスチャの差異により区別して表示したものである。例えば、格子領域64と65はCランクで、斜線領域70はBランクでこれ以外はAランクというように表示することができる。
次に、本発明のX線点検装置の画像処理手段2の処理の流れについて、図15のS34からS38までを説明する。S34において、パノラマ表示手段は、図18で説明したパノラマ画に最終判定結果を重畳して表示手段18に表示する。縮小せずに表示するパノラマ66の部分は、前記「フレーム毎の良否判定手段」を参照して、最も劣化の度合いの強いランクのフレーム部分を優先的に選択するようにして表示してもよい。全範囲がAランクの場合には、前記「フレーム毎の要素特徴ログ」を参照して、前記要素特徴の発生している部分を表示部分として選択してもよい。また、表示の際に当該画像を磁気ディスクに保存するように構成してもよい。
S34で前記パノラマ画を表示した状態で、パノラマ表示手段は、表示処理ループS35に入り、コマンド入力手段19によるキー入力を受け付ける(S36)。このキー入力により図18の矩形68を左右に移動させ、この情報に基づいてパノラマ66として表示する部分を更新表示することができる(S38)。この時、最終判定手段17による判定ランク(ハンドレールの品質)と同一のキーを入力した時に正解終了キーを入力したと判断し、表示処理ループ36から抜けて、本発明の乗客コンベアのハンドレール点検装置の全処理を終了する。このように、本発明の乗客コンベアのハンドレール点検装置の判定結果と同一のキー入力をもって終了させられるようにすることで、エスカレーター保全員が未確認のまま点検を終了させてしまうことを防ぐことができる。
本発明は、1本又は2本のスチールコードの場合は勿論、3本以上のスチールコードがハンドレール内に内蔵される場合であっても、スチールコードの遊走,抜け,スチールコード同士の接触や絡みの有無を検出し、これら外観的特徴が継続する長さを用いて定量的に計測して、これらの単体または組み合わせからスチールコードの劣化の度合いを3段階以上に段階的に判定することができる。また、本発明はX線画像のパターンに応じて、該X線画像の各画素をランダムアクセスする処理を要しないため、高速処理または低価格ハンディータイプPCでも許容できる時間内で処理が完了することができる。
以上、本発明を実施例を用いて説明してきたが、これまでの各実施例で説明した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
また、それぞれの実施例で説明した構成は、互いに矛盾しない限り、組み合わせて用いても良い。尚、本明細書において、「点検」は「検査」と呼ばれる場合もあり、本明細書および特許請求の範囲における「点検」は「検査」を含むものとする。同様に、本明細書において、「保全」は「保守」と呼ばれる場合もあり、本明細書および特許請求の範囲における「保全」は「保守」を含むものとする。また、保全(保守)とは、点検(検査),補修,交換のうち少なくとも1つを実施することであり、これらのうち2つ以上を組み合わせて実施する場合を含む。
1 X線撮影部
2 画像処理手段
3 エンコーダ
4 ハンドレール
5 X線管
6 シンチレータ
7 カメラ
12 フレーム取得手段
13 SC検出手段
14 SCモデル保持手段
15 SCトレース/要素特徴検出手段
16 フレーム毎良否判定手段
17 最終判定手段
21 長手方向投影輝度分布の極大値の包絡線
22 正のしきい値
23 負のしきい値
24 輝度分布の谷
27 一次差分の極大値
28 一次差分の極小値
29,30,32 独立して存在するスチールコード
31 接触しているスチールコード
33 輝度分布解析用のライン
34,35,36 独立して検出されたスチールコード
37,38,39,40,41,42,43,44,46,50,54 検出されたスチールコード
45,49,53 ハンドレールX線画像の概念図
47,51,55 SCモデルのスチールコードの座標の位置
48,52,56 独立したスチールコードが検出されない領域
57 トレースログデータベース
58 フレーム毎遊走検出手段
59 12乃至15の手段
60 パノラマ表示画面
61 ハンドレール番号
62 最終判定結果
63 「フレーム毎の良否判定ログ」に保持される良否判定の結果
64,65 Cランク判定箇所
70 Bランク判定箇所
66 パノラマの一部
67 パノラマ全体
68 パノラマ全体の中でパノラマの一部として表示されている部分
c0,c1,c2,c3 フレームの長手方向の視野中心に当たる画素の並び
cl0,cr0,cl1,cr1,cl2,cr2,cl3,cr3 等間隔に設けた輝度サンプル用および輝度マッピング用の画素の並び
D c0とc1間の画素数

Claims (20)

  1. 乗客コンベアのハンドレールをX線で撮影するX線撮影部と、
    前記X線撮影部で撮影された画像を処理して、前記ハンドレールに内蔵されたスチールコードの抜けまたは絡みを検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けまたは絡みの長さが所定の長さ以上継続する場合には、前記ハンドレールの品質を不良と判定する画像処理部とを有することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  2. 請求項1において、前記画像処理部は、前記スチールコードの接触を検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けおよび絡みの長さがともに所定の長さより短く、かつ、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの接触の長さが所定の長さ以上継続する場合には、前記ハンドレールの品質を劣化と判定することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  3. 請求項2において、前記画像処理部は、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けおよび絡みおよび接触の長さがともに所定の長さより短い場合には、前記ハンドレールの品質を良品と判定することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  4. 請求項2において、前記画像処理部は、前記スチールコードの位置が前記スチールコードの本来の位置よりも前記ハンドレールの長手方向に直交する方向に所定の距離以上ずれた前記スチールコードの遊走を検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けまたは絡みの長さが所定の長さより短く、かつ、前記スチールコードの遊走が発生している場合には、前記ハンドレールの品質を劣化と判定することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  5. 請求項4において、前記画像処理部は、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けおよび絡みおよび接触の長さがともに所定の長さより短く、かつ、前記スチールコードの遊走が発生していない場合には、前記ハンドレールの品質を良品と判定することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  6. 請求項1から5の何れかにおいて、前記画像処理部は、前記スチールコードのうち、独立して存在するスチールコードを検出するスチールコード検出部と、前記スチールコード検出部がスチールコードを検出できない領域では、前記スチールコードに接触または絡みまたは抜けが発生していることを検出する要素特徴検出部とを有することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  7. 請求項6において、前記要素特徴検出部は、前記スチールコードを検出できない領域において、予め定めた第一輝度しきい値よりも暗い場合は前記スチールコードに接触または絡みが発生していると判定し、予め定めた第二輝度しきい値よりも明るい場合は前記スチールコードに抜けが発生していることを検出することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  8. 請求項1から7の何れかにおいて、前記画像処理部は、前記スチールコードをトレースして、前記スチールコードに遊走または接触または絡みまたは抜けが発生していることを検出する要素特徴検出部を有することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  9. 請求項8において、前記画像処理部は、過去に計測した前記スチールコードのトレース結果を保持するトレースログデータベースと、前記スチールコードのトレース結果と前記トレースログデータベースの保持する同一ハンドレールのトレース結果を比較し、前記スチールコードの座標に前記ハンドレールの長手方向に直交する方向に所定の距離以上の差異がある場合は、前記スチールコードに遊走が発生していることを検出する遊走検出部とを有することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  10. 請求項8または9において、前記画像処理部は、スチールコードモデルを参照しながら前記スチールコードをトレースするスチールコードトレース部と、前記スチールコードモデルのスチールコードの位置情報と、スチールコード部および背景部の輝度情報を更新保持するスチールコードモデル保持部とを有することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  11. 請求項1から10において、X線撮影部で撮影された画像から前記スチールコードのパノラマ画像を作成し、前記スチールコードの長手方向の位置ごとの遊走または接触または絡みまたは抜けの有無を重畳表示し、または、前記スチールコードの長手方向の位置ごとの前記画像処理部による前記ハンドレールの品質の段階を、色または記号若しくはテクスチャによって区別表示するパノラマ表示部を有することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  12. 請求項11において、パノラマ表示部は、1つの画面の中に、前記パノラマ画像の全体と、前記パノラマ画像全体の中の一部を表示させるとともに、前記パノラマ画像全体は前記パノラマ画像全体の中の一部よりも小さな倍率で表示させる構成とした上で、前記スチールコードに遊走または接触または絡みまたは抜けのある場所を優先的に、前記パノラマ画像全体の中の一部として選択し、表示させることを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  13. 請求項11または12において、前記画像処理部による前記ハンドレールの品質と同一の結果を入力した時にのみ前記パノラマ画像の表示を終了させることができるコマンド入力部を有することを特徴とする乗客コンベアのハンドレール点検装置。
  14. 乗客コンベアのハンドレールをX線で撮影し、
    前記X線で撮影された画像を処理して、前記ハンドレールに内蔵されたスチールコードの抜けまたは絡みを検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けまたは絡みの長さが所定の長さ以上継続する場合には、前記ハンドレールの品質を不良と判定することを特徴とする乗客コンベアの保全方法。
  15. 請求項14において、前記スチールコードの接触を検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けおよび絡みの長さがともに所定の長さより短く、かつ、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの接触の長さが所定の長さ以上継続する場合には、前記ハンドレールの品質を劣化と判定することを特徴とする乗客コンベアの保全方法。
  16. 請求項15において、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けおよび絡みおよび接触の長さがともに所定の長さより短い場合には、前記ハンドレールの品質を良品と判定することを特徴とする乗客コンベアの保全方法。
  17. 請求項15において、前記スチールコードの位置が前記スチールコードの本来の位置よりも前記ハンドレールの長手方向に直交する方向に所定の距離以上ずれた前記スチールコードの遊走を検出し、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けまたは絡みの長さが所定の長さより短く、かつ、前記スチールコードの遊走が発生している場合には、前記ハンドレールの品質を劣化と判定することを特徴とする乗客コンベアの保全方法。
  18. 請求項17において、前記ハンドレールの長手方向における前記スチールコードの抜けおよび絡みおよび接触の長さがともに所定の長さより短く、かつ、前記スチールコードの遊走が発生していない場合には、前記ハンドレールの品質を良品と判定することを特徴とする乗客コンベアの保全方法。
  19. 請求項14において、前記ハンドレールの品質が不良と判定された場合に、前記ハンドレールを補修または交換または補修後に交換することを特徴とする乗客コンベアの保全方法。
  20. 請求項15または17において、前記ハンドレールの品質が劣化と判定された場合に、通常の点検周期よりも短い周期で前記劣化と判定されたハンドレールを再点検することを特徴とする乗客コンベアの保全方法。
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