JP2012020648A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】EPS用モータ6と駆動回路11とを接続するための給電経路には、当該給電経路を開閉するためのEPS用リレー14A,14Bが設けられている。テレスコピックモータ8と駆動回路11とを接続するための給電経路には、当該給電経路を開閉するためのテレスコピック用リレー17A,18Aが設けられている。チルトモータ9と駆動回路11とを接続するための給電経路には、当該給電経路を開閉するためのチルト用リレー19A,19Bが設けられている。これらのリレー4A,14B,17A,18A,19A,19Bは、制御部12によって制御される。
【選択図】図2
Description
電動パワーステアリング装置は、電動パワーステアリング用モータ(EPS(Electric Power Steering)用モータ)を含む。テレスコピック調整装置は、テレスコピック調整用モータを含む。チルト調整装置は、チルト調整用モータを含む。EPS用モータは、たとえば、三相ブラシ付モータである。テレスコピック調整用モータおよびチルト調整用モータは、たとえば、ブラシ付直流モータである。
FET(電界効果トランジスタ:field Effect Transistor)等のスイッチング素子を含んでいるため、多数のスイッチング素子が必要となる。
この発明の目的は、1つの駆動回路によって、電動パワーステアリング用モータと位置調整用モータとを駆動することが可能となる車両用操舵装置を提供することである。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る車両用操舵装置の概略的な構成を示す模式図である。
車両用操舵装置は、ステアリングホイール(操作部材)1と、ステアリングホイールを回転自在に支持するステアリングコラム2と、ステアリングホイール1の前後位置(コラム軸方向位置)を調整するための電動テレスコピック調整装置(図示略)と、ステアリングホイール1の上下位置(コラム軸方向に対する傾動位置)を調整するための電動チルト調整装置(図示略)と、運転者の操舵を補助するための電動パワーステアリング装置3と、電動テレスコピック調整装置、電動チルト調整装置および電動パワーステアリング装置3を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)10とを備えている。電動テレスコピック調整装置と電動チルト調整装置とを総称して位置調整装置という場合がある。ステアリングホイール1は、ステアリングコラム2に回転自在に支持されたステアリングシャフト4と、中間軸5とを介して図示しない転舵機構に連結されている。
ECU10は、各モータ6,8,9の駆動電力を生成する駆動回路11と、駆動回路11を制御するための制御部12とを備えている。制御部12は、CPU(中央処理装置)とこのCPUの動作プログラム等を記憶したメモリ(ROM,RAM、書き換え可能な不揮発性メモリ等)とを含むマイクロコンピュータで構成されている。
この駆動回路11では、EPS用モータ6のU相に対応した一対の電界効果トランジスタFET1,FET2の直列回路と、V相に対応した一対の電界効果トランジスタFET3,FET4の直列回路と、W相に対応した一対の電界効果トランジスタFET5,FET6の直列回路とが、直流電源13と接地との間に並列に接続されている。以下において、各相の一対のFETのうち、電源13側のものを「ハイサイドFET」といい、接地側のものを「ローサイドFET」という場合がある。
メモリ制御キー25は、ステアリングホイール1の現在位置(テレスコピックモータ8の回転位置およびチルトモータ9の回転位置)を不揮発性メモリに記憶させたり、不揮発性メモリに記憶されている位置までステアリングホイール1の位置を自動的に移動させたりするために使用されるキーである。運転手は、ステアリングホイール1の現在位置を不揮発性メモリに記憶させたい場合にはメモリ制御キー25を長押し、不揮発性メモリに記憶されている位置までステアリングホイール1の位置を自動的に移動させたい場合には、メモリ制御キー25を短押しする。「長押し」とは、メモリ制御キー25を所定時間以上にわたって押下し続ける操作をいい、「短押し」とは、前記所定時間より短い期間だけメモリ制御キー25を押下する操作をいう。
制御部12は、常時は、操舵トルクセンサ22によって検出される操舵トルク、車速センサ21によって検出される車速、電流センサ15U,15V,15Wによって検出される相電流および回転位置センサ16によって検出されるEPS用モータ6の回転位置(ロータ回転角)に基づいて、EPS用モータ6を制御する。具体的には、制御部12は、操舵トルクと車速とに基づいて目標電流値を決定し、実際のモータ電流が目標電流値に近づくようにFET1〜FET6を制御する。
テレスコピックモータ8の動作およびチルトモータの動作には、停止、正転および逆転の3種類がそれぞれ存在するため、両モータ8,9の動作の組合せ形態には、次の8種類の形態(モード)がある。
第2モード:テレスコピックモータ8が正転方向に回転するとともにチルトモータ9が正転方向に回転するモードであり、キー24RUの操作に基づいて設定されるモードである。
第4モード:テレスコピックモータ8が単独で逆転方向に回転するモードであり、キー24Fの操作に基づいて設定されるモードである。
第6モード:テレスコピックモータ8が逆転方向に回転するとともにチルトモータ9が逆転向に回転するモードであり、キー24FDの操作に基づいて設定されるモードである。
第8モード:チルトモータ9が単独で逆転方向に回転するモードであり、キー24Dの操作に基づいて設定されるモードである。
単独制御モード時には、第1モード、第4モード、第7モードまたは第8モードで、テレスコピックモータ8またはチルトモータ9が駆動される。同時制御モード時には、第2モード、第3モード、第5モードまたは第6モードで、テレスコピックモータ8およびチルトモータ9が交互に駆動(時分割駆動)される。なお、単独制御モード時、同時制御モード時およびメモリ制御モード時には、EPC用リレー14A,14Bがオフにされ、テレスコピック用リレー17A,17Bおよびチルト用リレー19A,19Bはオンにされる。
第1モードでは、第1のFET1と第4のFET4とがオンとされる。したがって、電源13から、第1のFET1、第1のテレスコピック用リレー17A、テレスコピックモータ8、第2のテレスコピック用リレー17Bおよび第4のFET4を通って、接地へと電流が流れる。これにより、テレスコピックモータ8の正極側端子(+)に正電圧が印加されるので、テレスコピックモータ8が正転方向に回転する。
第4モードでは、第2のFET2と第3のFET3とがオンとされる。したがって、電源13から、第3のFET3、第2のテレスコピック用リレー17B、テレスコピックモータ8、第1のテレスコピック用リレー17Aおよび第2のFET2を通って、接地へと電流が流れる。これにより、テレスコピックモータ8の負極側端子に正電圧が印加されるので、テレスコピックモータ8が逆転方向に回転する。
第7モードでは、第4のFET1と第5のFET4とがオンとされる。したがって、電源13から、第5のFET5、第1のチルト用リレー19A、チルトモータ9、第2のチルト用リレー19Bおよび第4のFET4を通って、接地へと電流が流れる。これにより、チルトモータ9の正極側端子(+)に正電圧が印加されるので、チルトモータ9が正転方向に回転する。
第8モードでは、第3のFET3と第6のFET6とがオンとされる。したがって、電源13から、第3のFET3、第2のチルト用リレー19B、チルトモータ9、第1のチルト用リレー19Aおよび第6のFET6を通って、接地へと電流が流れる。これにより、チルトモータ9の負極側端子に正電圧が印加されるので、チルトモータ9が逆転方向に回転する。
第2モードでは、前述した第1モードにおける動作と、第7モードにおける動作とが交互に行なわれる。つまり、図7(a)に示すように、第1のFET1および第4のFET4が一定時間オンされる。そして、両FET1,FET4がオフされかつ所定のデッドタイムTDが経過した後に、第4のFET4および第5のFET5が一定時間オンされる。そして、両FET4,FET5がオフされかつ所定のデッドタイムTDが経過した後に、第1のFET1および第4のFET4が一定時間オンされる。このような動作が繰り替えされる。この場合、デッドタイムTDは、モータの切替が確実に行われるようにするために設けられている。
第3モードでは、前述した第1モードにおける動作と、第8モードにおける動作とが交互に行なわれる。つまり、図8(a)に示すように、第1のFET1および第4のFET4が一定時間オンされる。そして、両FET1,FET4がオフされかつ所定のデッドタイムTDが経過した後に、第3のFET3および第6のFET6が一定時間オンされる。そして、両FET3,FET6がオフされかつ所定のデッドタイムTDが経過した後に、第1のFET1および第4のFET4か一定時間オンされる。このような動作が繰り替えされる。この場合、デッドタイムTDは、同じ相(この例ではV相)のハイサイドFETとローサイドFETとが同時にオンするのを防止するとともに、モータの切替が確実に行われるようにするために設けられている。
第5モードでは、前述した第4モードにおける動作と、第7モードにおける動作とが交互に行なわれる。つまり、図9(a)に示すように、第2のFET2および第3のFET3が一定時間オンされる。そして、両FET2,FET3がオフされかつ所定のデッドタイムTDが経過した後に、第4のFET4および第5のFET5が一定時間オンされる。そして、両FET4,FET5がオフされかつ所定のデッドタイムTDが経過した後に、第2のFET2および第3のFET3が一定時間オンされる。このような動作が繰り替えされる。この場合、デッドタイムTDは、同じ相(この例ではV相)のハイサイドFETとローサイドFETとが同時にオンするのを防止するとともに、モータの切替が確実に行われるようにするために設けられている。
第6モードでは、前述した第4モードにおける動作と、第8モードにおける動作とが交互に行なわれる。つまり、図8(a)に示すように、第2のFET2および第3のFET3が一定時間オンされる。そして、両FET2,FET3がオフされかつ所定のデッドタイムTDが経過した後に、第3のFET3および第6のFET6が一定時間オンされる。そして、両FET3,FET6がオフされかつ所定のデッドタイムTDが経過した後に、第2のFET2および第3のFET3が一定時間オンされる。このような動作が繰り替えされる。この場合、デッドタイムTDは、モータの切替が確実に行われるようにするために設けられている。
イグニッションキーがオンされると、制御部12は、入出力ポート(I/Oポート)を初期化する(ステップS1)。そして、制御部12は、位置調整装置の初期設定を行う(ステップS2)。具体的には、制御部12は、ステアリングホイール1の位置が所定の初期位置となるように、テレスコピックモータ8およびチルトモータ9を制御する(ステップS2)。
前記ステップS9において、モータ電流の絶対値が所定のしきい値A未満であると判別された場合には(ステップS9:YES)、制御部12は、操舵角が中立位置付近の不感帯であると判断し、EPS用リレー14A,14Bをオフする(ステップS10)。この後、制御部12は、位置調整用リレー(テレスコピック用リレー17A,17Bおよびチルト用リレー19A,19B)をオンさせる(ステップS11)。そして、制御部12は、位置調整モータ8,9の制御処理(位置調整制御処理)を行なう(ステップS12)。位置調整制御処理の詳細については後述する。
まず、制御部12は、動作モードが単独制御モードであるか否かを判別する(ステップS21)。この判別は、前記ステップS3で読み込まれた9つの位置調整キー24およびメモリ制御キー25のオンオフ状態に基づいて行われる。具体的には、制御部12は、単独調整キー(チルト調整キー24U,24Dおよびテレスコピック調整キー24F,24R)のうちの1つがオンとなっているときには、単独制御モードであると判別する。また、同時調整キー24RU,24RD,24FU,24FDのうちの1つがオンとなっているときには、制御部12は同時制御モードであると判別する。また、メモリ制御キー25がオンとなっている場合には、制御部12は、メモリ制御モードであると判別する。
前記ステップS29において、位置調整操作が行なわれていると判別された場合には(ステップS29:YES)、制御部12は、前記ステップS28で読み込まれた9つの位置調整キー24およびメモリ制御キー25のオンオフ状態に基づいて、動作モードが単独制御モードであるか否かを判別する(ステップS30)。具体的には、単独調整キー(チルト調整キー24U,24Dおよびテレスコピック調整キー24F,24R)のうちの1つがオンとなっているときには、制御部12は動作モードが単独制御モードであると判別する。
ステップS34では、制御部12は、動作モードが同時制御モードであるか否かを判別する。具体的には、4つの同時調整キー24RU,24RD,24FU,24FDのうちの1つがオンとなっているときには、制御部12は同時制御モードであると判別する。動作モードが同時制御モードである場合には(ステップS34:YES)、制御部12は、現在オンとなっているFETをオフする(ステップS35)。この後、制御部12は、オンとなっている同時調整キーによって決定され、チルトモータ9を駆動するための2つのFET(チルトモータ駆動用FET)をオンにする(ステップS36)。これにより、オンとなっている同時調整キーによって決定されるチルトモータ9の回転方向に、チルトモータ9が回転駆動される。
ステップS40においては、制御部12は、前記ステップS36でオンされたチルトモータ駆動用FETをオフする。そして、制御部12は、オンとなっている同時調整キーによって決定され、テレスコピックモータ8を駆動するための2つのFET(テレスコピックモータ駆動用FET)をオンにする(ステップS41)。これにより、オンとなっている同時調整キーによって決定されるテレスコピックモータ8の回転方向に、テレスコピックモータ8が回転駆動される。
図15は、第2モードにおける駆動回路11の動作を示す電気回路である。
第3モードでは、第1のFET1と第6のFET6とがオンとされる。したがって、電源13から、第1のFET1、第1のテレスコピック用リレー17A、テレスコピックモータ8、第2のテレスコピック用リレー17B、第2のチルト用リレー19B、チルトモータ9、第1のチルト用リレー19Aおよび第6のFET6を通って、接地へと電流が流れる。これにより、テレスコピックモータ8が正転方向に回転し、チルトモータ9が逆転方向に回転する。第3モードでは、テレスコピックモータ8とチルトモータ9とは直列運転されることになる。
第5モードでは、第2のFET1と第5のFET5とがオンとされる。したがって、電源13から、第5のFET5、第1のチルト用リレー19A、チルトモータ9、第2のチルト用リレー19B、第2のテレスコピック用リレー17B、テレスコピックモータ8、第1のテレスコピック用リレー17Aおよび第2のFET2を通って、接地へと電流が流れる。これにより、チルトモータ9が正転方向に回転し、テレスコピックモータ8が逆転方向に回転する。第5モードでは、テレスコピックモータ8とチルトモータ9とは直列運転されることになる。
第6モードでは、第2のFET2と第3のFET3と第6のFET6とがオンとされる。第3のFET3と第2のFET2とがオンとされるので、電源13から、第3のFET3、第2のテレスコピック用リレー17B、テレスコピックモータ8、第1のテレスコピック用リレー17Aおよび第2のFET2を通って、接地へと電流が流れる。これにより、テレスコピックモータ8が逆転方向に回転する。
Claims (4)
- 電動パワーステアリング用の三相ブラシレスモータと、
前記三相ブラシレスモータに第1の給電経路を介して接続された、前記三相ブラシレスモータの駆動回路と、
前記第1の給電経路を開閉するための第1のスイッチと、
前記駆動回路に第2の給電経路を介して接続されるステアリングコラムの位置調整用の電動モータと、
前記第2の給電経路を開閉するための第2のスイッチと、を含む車両用操舵装置。 - 前記位置調整用の電動モータは、
操作部材の所定の第1方向位置を調整するためのチルト調整用モータと、
前記操作部材の所定の第2方向位置を調整するためのテレスコピック調整用モータであり、
前記駆動回路を制御する制御手段をさらに含み、
前記制御手段は、チルト調整とテレスコピック調整とを同時に行うときには、前記チルト調整用モータと前記テレスコピック調整用モータとが交互に駆動されるように、前記駆動回路を制御する手段を含む請求項1に記載の車両用操舵装置。 - 前記制御手段は、前記チルト調整用モータと前記テレスコピック調整用モータとを交互に駆動するときには、一方のモータの駆動を停止させてから所定時間後に他方のモータを駆動させるように、前記駆動回路を制御する手段を含む、請求項2に記載の車両用操舵装置。
- チルト調整用指令を入力するための第1入力手段と、
テレスコピック調整用指令を入力するための第2入力手段と、
前記三相ブラシレスモータに流れているモータ電流を検出する電流検出手段と、
前記駆動回路に前記三相ブラシレスモータが接続されかつ前記チルト調整用モータおよび前記テレスコピック調整用モータが接続されていない第1接続状態と、前記駆動回路に前記チルト調整用モータおよび前記テレスコピック調整用モータが接続されかつ前記三相ブラシレスモータが接続されていない第2接続状態とを選択的に切替えるための切替スイッチとをさらに含み、
前記制御手段は、前記切替スイッチによって前記第1接続状態が選択されているときにおいて、チルト調整用指令およびテレスコピック調整用指令のうちの少なくとも一方が入力されたときには、前記電流検出手段によって検出されたモータ電流が所定値未満であるときにのみ、前記第2接続状態が選択されるように前記切替スイッチを切替える手段を含む、請求項2に記載の車両用操舵装置。
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