JP2012018055A - 分光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力光の光軸ずれを低減しつつ、選択波長の可変範囲を容易に広げること。
【解決手段】この光源装置1は、光源からの光を直線偏光成分L3,L4に分離する偏光分離素子8と、直線偏光成分L3を偏光分離素子8に向けて反射させる高反射ミラー11と、偏光分離素子8と高反射ミラー11との間に設けられたフィルタ回転体9及び1/4波長板10とを備え、フィルタ回転体9は、偏光分離素子8からの直線偏光成分L3に基づく光成分を、その光成分の入射角に応じた波長範囲で選択的に透過させ、入射角が変更可能なように回転可能に支持された4枚のバンドパスフィルタ91a〜91dを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定波長域の光を選択する分光装置に関するものであり、特に誘電体薄膜干渉フィルタを内蔵する分光装置に関する。
従来から、屈折率の異なる誘電体薄膜を交互に積層し、その中間のキャビティ層を中間の屈折率を有する誘電体薄膜で形成される干渉フィルタを利用した分光装置が知られている(下記特許文献1参照。)。この分光装置は、回動自在に設けられた干渉フィルタを有し、平行光線を干渉フィルタに入射させる際に干渉フィルタに対する入射角を変化させることによって透過波長を連続的に変化させている。
同様な構成を有するものとして、誘電体多層膜フィルタが設けられた回転テーブルを回転させることによって誘電体多層膜フィルタに対する平行光の入射角度を制御することによって、入射角度に応じた波長可変性を実現する波長可変フィルタが知られている(下記特許文献2参照。)。この波長可変フィルタは、回転テーブル上に4つのフィルタが回転対称に配置された構成を採用することにより、より広い波長範囲を持つ透過光の出力を実現している。
特開昭62−22034号公報 特開2004−184674号公報
しかしながら、上述した従来の波長可変フィルタでは、入射光がフィルタに対して斜めに入射する場合、フィルタを透過後の入射光の光軸が入射角に応じて変化する結果、出力光の光軸ずれが発生する傾向にあった。この傾向は、透過波長の可変範囲を広く設定するためにフィルタへの入射角の可変範囲を大きく取ろうとする場合に顕著となる。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、出力光の光軸ずれを低減しつつ、選択波長の可変範囲を容易に広げることが可能な分光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の分光装置は、光源からの光を互いに直交する第1及び第2の直線偏光成分に分離する偏光分離素子と、偏光分離素子から出力された第1及び第2の直線偏光成分のうちのいずれかの直線偏光成分を、偏光分離素子に向けて反射させるミラーと、偏光分離素子とミラー部材との間に設けられたフィルタ部と、偏光分離素子とミラー部材との間に設けられた1/4波長板とを備え、フィルタ部は、偏光分離素子からの直線偏光成分に基づく光成分を、光成分の入射角に応じた波長範囲で選択的に透過させ、入射角が変更可能なように回転可能に支持された誘電体薄膜干渉フィルタを有する。なお、「誘電体薄膜干渉フィルタ」とは、フィルタへの入射角度に応じてフィルタの性能を表す中心波長がシフトするフィルタのことをいう。
このような分光装置によれば、光源からの光のうち偏光分離素子によって分離された直線偏光成分が、ミラー部材によって偏光分離素子に向けて戻されることにより、偏光分離素子とミラー部材との間に配置されたフィルタ部及び1/4波長板を往復して透過された後に、偏光分離素子を介して光源からの光と分離して取り出される。これにより、フィルタ部を構成する誘電体薄膜干渉フィルタに対する入射角に関わらず出力光の光軸ずれが低減される。このとき、分離された直線偏光成分に基づく光成分がフィルタ部を往復して入射されて、その光成分が誘電体薄膜干渉フィルタへの入射角に応じた波長範囲で選択的に誘電体薄膜干渉フィルタを透過されて出力される。この際、誘電体薄膜干渉フィルタを回転させることによって、誘電体薄膜干渉フィルタに対する光成分の入射角が変更可能にされる。従って、光成分の透過波長を自在に変更することが可能になる。その結果、出力光の光軸ずれを低減しつつ、選択波長の可変範囲を容易に広くすることができる。
フィルタ部は、n個(nは3以上の整数)の誘電体薄膜干渉フィルタと、誘電体薄膜干渉フィルタが主面上に立設され、主面に沿って所定点の周りを回転可能にされた平板状の回転支持部材とを有し、n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、それぞれ、光入射側或いは光出射側の端面が、回転支持部材の表面上の所定点と主面上の該誘電体薄膜干渉フィルタの中心点とを結ぶ線に対して傾斜するように配置されていることが好ましい。
この場合、回転支持部材を主面の所定点を中心に回転させることによって、光が透過するn個の誘電体薄膜干渉フィルタを交互に切り替えることができると共に、それぞれのn個の誘電体薄膜干渉フィルタへの光の入射角も変化させることができる。従って、透過波長を連続的に変更することが可能になる。特に、誘電体薄膜干渉フィルタを、その端面が主面上の所定点と誘電体薄膜干渉フィルタの中心点とを結ぶ線に対して傾斜するように配置することで、複数の誘電体薄膜干渉フィルタ間の干渉が広い回転角の範囲で低減される。その結果、出力光の光軸ずれを低減しつつ、選択波長の可変範囲をより広くすることができる。
また、n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、主面と端面とで形成されるそれぞれの交線が1つの内接円に接するように搭載されている、ことが好適である。この場合、それぞれの誘電体薄膜干渉フィルタの光の入射角の範囲を均等にすることができ、限られた回転支持部材の主面の面積に対して選択波長の可変範囲を効率良く広げることが出来る。
また、n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、それぞれ、主面上において内接円の外側に位置するように配置されている、ことも好適である。かかる構成を採れば、複数の誘電体薄膜干渉フィルタ間の干渉をより一層低減することが出来る。
さらに、n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、主面上の所定点と主面上の該誘電体薄膜干渉フィルタの中心点とを結ぶ線が互いに等角度を成すように配置されている、ことも好適である。かかる誘電体薄膜干渉フィルタを用いれば、それぞれの誘電体薄膜干渉フィルタの光の入射角の範囲を均等にすることができ、限られた回転支持部材の面積に対して選択波長の可変範囲を効率良く広げることが出来る。
またさらに、n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、主面上において所定点を中心にしてn回回転対称となるように配置されている、ことも好適である。かかる構成を採れば、限られた回転支持部材の面積に対して選択波長の可変範囲をより一層広げることが出来る。
さらにまた、1/4波長板は、フィルタ部とミラーとの間に設けられていることも好適である。このような1/4波長板を備えることで、フィルタ部を往復入射された直線偏光成分を、偏光分離素子によって光源からの光と分離して取り出すことができる。
また、1/4波長板は、偏光分離素子とフィルタ部との間に設けられていることも好適である。このような1/4波長板を備えることで、フィルタ部を往復入射された円偏光成分を、偏光分離素子によって光源からの光と分離して取り出すことができるとともに、円偏光成分を誘電体薄膜干渉フィルタに対して垂直に入射させることにより、出力光の波長域を広帯域化することもできる。
本発明によれば、出力光の光軸ずれを低減しつつ、選択波長の可変範囲を容易に広げることができる。
本発明の第1実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。 図1のフィルタ回転体の平面図である。 図2のフィルタ回転体に含まれるバンドパスフィルタの透過波長域のピーク波長の入射角依存性を示すグラフである。 (a)〜(d)は、それぞれ、図2の4枚のバンドパスフィルタの光透過率の波長特性を示すグラフである。 図2のバンドパスフィルタへの光の入射状態を示す図であり、(a)は入射角が0度の場合、(b)は入射角が25度の場合、(c)は入射角が50度の場合を示す図である。 図1の光源装置の出力における光透過率の波長特性を示すグラフである。 図2のバンドパスフィルタに対する光入射時の光路を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。 図8の光源装置の出力における光透過率の波長特性を示すグラフであり、(a)は、バンドパスフィルタへの垂直入射時の波長特性、(b)は、バンドパスフィルタへの斜入射時の波長特性を示す。 本発明の第3実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の第4実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の第5実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。 図12の光源装置の出力における光透過率の波長特性を示すグラフである。 本発明の変形例であるフィルタ回転体の平面図である。 本発明の変形例であるフィルタ回転体の平面図である。 本発明の変形例であるフィルタ回転体の平面図である。 本発明の変形例であるフィルタ回転体の平面図であり、(a)は入射角が20度の場合、(b)は入射角が35度の場合、(c)は入射角が50度の場合を示す図である。 本発明の変形例であるバンドパスフィルタの透過波長域特性を示すグラフである。 本発明の比較例であるフィルタ回転体の平面図である。 本発明の比較例であるフィルタ回転体の平面図である。 本発明の比較例であるフィルタ回転体の平面図である。 本発明の比較例であるフィルタ回転体の平面図である。 本発明の比較例であるフィルタ回転体の平面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る分光装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面は説明用のために作成されたものであり、説明の対象部位を特に強調するように描かれている。そのため、図面における各部材の寸法比率は、必ずしも実際のものとは一致しない。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。同図に示す光源装置1は、半導体検査装置等の各種検査装置において、特定の発光波長域を有する光源として用いられる装置である。この光源装置1は、光源からの光のうちの特定の波長域を選択する分光装置の一態様であり、放熱機構としてのヒートシンク2上に取り付けられた光源3と、その光源3から照射された光が入射されて、その光を変換して光ファイバ4を経由して外部出力する光変換光学系5と、光源3及び光変換光学系5を制御する制御系30とから構成されている。ここで、図1においては、紙面上において光源3の光軸に沿った方向にX軸をとり、紙面上においてX軸に垂直な方向に沿ってY軸、X軸及びY軸に垂直な方向に沿ってZ軸をとるものとする。
光源3は、発光波長域として可視光成分から赤外成分までの所定波長域を広く含むハロゲンランプ、キセノンランプ、白色LED等の光源装置であり、+X軸方向に位置する光変換光学系5に向けて非偏光状態の拡散光を出射する。
まず、光変換光学系5の構成について説明する。この光変換光学系5には、光源3の近傍から+X軸方向に沿って順に、コリメートレンズ6、波長選択素子7、偏光分離素子8、フィルタ回転体(フィルタ部)9、1/4波長板10、及び高反射ミラー(ミラー部材)11が設けられている。
光源3からの拡散光はコリメートレンズ6によって平行光L1に変換され、波長選択素子7に入射する。波長選択素子7は、光源3の発光波長域を波長域として有する平行光L1のうち、所定の波長範囲(例えば、350nm〜750nm)の光を選択するための素子であり、例えば、上記所定の波長範囲の光を透過し、その波長範囲以外の光を反射させるダイクロイックミラーである。この波長選択素子7はその反射面をX軸に対して傾斜させて配置されている。コリメートレンズ6から平行光L1が入射すると、波長選択素子7は、所定の波長範囲を有する光L2を偏光分離素子8に向けて+X軸方向に透過させ、それ以外の波長成分の光を不必要な光として−Y軸方向に反射させてビームダンパー12で消失させる。なお、波長選択素子7が選択する波長範囲は、光源装置1から最終的に出力される光の波長可変範囲(例えば、400nm〜700nm。以下、「想定波長範囲」と呼ぶ。)を少なくとも含むように設定されている。
偏光分離素子8は、波長選択素子7を透過した光L2を受け、光L2を互いに直交する第1及び第2の直線偏光成分に分離するための光学素子であり、例えば、キューブ状の偏光ビームスプリッタ(PBS)である。具体的には、この偏光分離素子8は、光L2からY軸に沿った偏光方向を有する第1の偏光成分L3(以下、「水平偏光成分」とも言う。)を分離して+X軸方向に透過させると同時に、光L2からZ軸に沿った偏光方向を有する第2の偏光成分L4(以下「垂直偏光成分」とも言う。)を分離して+Y軸方向に反射させる。この偏光分離素子8を透過した第1の偏光成分L3は、フィルタ回転体9に入射すると同時に、偏光分離素子8を反射した第2の偏光成分L4は、ビームダンパー13に入射することにより消失する。
ここで、図2を参照して、フィルタ回転体9の構造について詳細に述べる。
フィルタ回転体9は、Z軸に沿った回転軸を有する回転機構94によって回転可能に支持された円板状部材である回転テーブル(回転支持部材)90と、回転テーブル90の主面90a上にその周縁に沿って回転対称となるように立設された4枚のバンドパスフィルタ91a,91b,91c,91dとによって構成されている。
これらのバンドパスフィルタ91a,91b,91c,91dは、光入射面92と光出射面93との間に公知の誘電体薄膜の積層構造を含む平板状の形状を有する、いわゆる誘電体薄膜干渉型フィルタである。このような構造により、バンドパスフィルタ91a,91b,91c,91dは、光入射面92に対する光の入射角に応じた波長範囲で光を選択的に透過することができる。そして、4枚のバンドパスフィルタ91a〜91d間で入射角に対する透過波長域の特性が異なるように、それぞれの誘電体薄膜の材料や膜厚が設定されている。
図3には、入射光に対するバンドパスフィルタ91a〜91dの透過波長域のピーク波長の入射角依存性、図4(a)〜(d)には、それぞれのバンドパスフィルタ91a〜91dの入射角毎の光透過率の波長特性を示している。例えば、バンドパスフィルタ91aは、光入射面92に対する光の入射角が0度(垂直入射)の場合は、中心波長が約700nmで半値幅が数nmの透過波長域の特性を有し、入射角を大きくするに従って透過波長域が短波長側にシフトし、入射角が50度の場合は中心波長が約610nmの透過波長域の特性を有する。また、バンドパスフィルタ91b,91c,91dは、それぞれ、入射角が0度の場合に中心波長が約610nm、約530nm、約460nm、入射角が50度の場合に中心波長が約530nm、約460nm、約400nmとなり、バンドパスフィルタ91aとは異なる透過波長域特性を有する。つまり、入射角が0度のピーク波長を基準にして入射角の絶対値が大きくなるに従ってピーク波長が短くなり、入射角が45度でその変化率は最大となり、それよりも大きくなると変化率は減少する。
図2に戻って、上記構成のバンドパスフィルタ91a〜91dは、回転テーブル90の主面90aに対して、その光入射面92および光出射面93がほぼ垂直になるように固定されている。詳細には、バンドパスフィルタ91a〜91dの主面90a上の中心点95a〜95dと主面90aの回転中心Cとを結んだ線が、それぞれ、バンドパスフィルタ91a〜91dの光入射面92および光出射面93に対して傾斜し、その傾斜角が互いに等しくなるように設定されている。さらに、それぞれの光出射面93と主面90aとで形成される4つの交線96a〜96dが、1つの仮想的な内接円97に接し、かつ、バンドパスフィルタ91a〜91dの中心点95a〜95dがこの内接円97の外側に位置するように設定されている。加えて、バンドパスフィルタ91a〜91dは、その中心点95a〜95dと回転中心Cとを結ぶ4つの線が互いに等角度、すなわち90度を成すように配置されている。すなわち、4つのバンドパスフィルタ91a〜91dは、主面90a上において回転中心Cを中心にして4回回転対称となるように配置されることになる。
また、バンドパスフィルタ91a〜91dには、その中心点95a〜95dの近傍に
その中心点95a〜95dと回転中心Cとを結んだ線に対する光入射面92および光出射面93の傾斜角を微調整するためにシャフト部材やネジ部材等の回転軸部材98a〜98dが取り付けられていてもよい。
上記構造のフィルタ回転体9は、主面90aがXY平面に平行となり、主面90a上の回転中心Cと主面90aの周縁部との間に水平偏光成分L3が入射するように配置される。これにより、バンドパスフィルタ91a〜91dのいずれかを偏光成分L3の光路上に位置するように回転させて選択的に偏光成分L3を入射させることが可能になるとともに、バンドパスフィルタ91a〜91dに対する入射角を所定の角度範囲で変更可能にされる。この場合の各バンドパスフィルタの入射角の可変範囲は、偏光成分L3のビーム径、バンドパスフィルタの枚数、及びバンドパスフィルタの形状や配置によって決まる。
図1に戻って、フィルタ回転体9と高反射ミラー11との間に配置された1/4波長板10は、フィルタ回転体9を+X軸方向に透過してきた偏光成分L3を、水平偏光から円偏光に変換する。高反射ミラー11は、円偏光に変換された偏光成分L3を、−X軸方向に沿って1/4波長板10、フィルタ回転体9、及び偏光分離素子8に戻すように反射させる。そして、1/4波長板10は、高反射ミラー11によって反射された偏光成分L3を、円偏光から垂直偏光に変換する。垂直偏光に変換された偏光成分L3は、−X軸方向に沿って、再びフィルタ回転体9を透過した後に偏光分離素子8に入射し、偏光分離素子8によって−Y軸方向に反射されることによって光源3からの光L2と分離される。
さらに、光変換光学系5には、偏光分離素子8に対して−Y軸方向に順に並ぶように、ビームサンプラー14、偏光解消板15、シャッタ16、及び集光レンズ17が設けられている。偏光分離素子8において−Y軸方向に反射された偏光成分L3は、その一部がビームサンプラー14によって反射されて、パワーモニタ18に導かれてその光強度がモニタされる。その一方で、偏光成分L3は、ビームサンプラー14、偏光解消板15、シャッタ16、集光レンズ17を介して光ファイバ4に導光されることにより、外部に出射される。この偏光解消板15は、直線偏光である偏光成分L3をランダムな偏光成分(非偏光)に変更するための素子である。
次に、制御系30の構成について説明すると、制御系30は、光源3を給電する光源用電源31と、回転機構94を回転駆動する駆動回路32と、光源用電源31、駆動回路32、及びパワーモニタ18に接続された制御回路33とから構成されている。
この制御回路33にはコンピュータ端末34が接続され、コンピュータ端末34に対してパワーモニタ18によってモニタされた光強度値が出力可能にされるとともに、コンピュータ端末34からの制御信号に応じて光源用電源31の出力を調整することにより、光源3の光量調整も可能にされる。
また、制御回路33は、コンピュータ端末34からの制御信号に応じて、回転機構94の回転角を制御する機能も有する。このとき、制御回路33は、バンドパスフィルタ91a〜91dに対する入射角が所定の角度になるように回転機構94の回転角を変更制御する。この回転角は、光源装置1から最終的に出力される発光波長域の中心波長に対応して定められる。
図5を参照して、バンドパスフィルタ91aの入射角の可変範囲について例示する。同図では、偏光成分L3のビーム径が5mm、バンドパスフィルタ91aの主面90aに沿った幅及び厚さが11mm、2mm、回転中心Cからバンドパスフィルタ91aまでの最短距離Rが16.6mmの場合のバンドパスフィルタ91aへの偏光成分L3の入射状態を示している。まず、図5(a)には、バンドパスフィルタ91aの入射角が0度の場合を示しており、このとき偏光成分L3の光路上には他のバンドパスフィルタが位置しないために、バンドパスフィルタ91a〜91d間で干渉することはない。また、図5(b)には、バンドパスフィルタ91a〜91dを反時計回りに回転させてバンドパスフィルタ91aへの入射角を25度に設定した状態、図5(c)には、バンドパスフィルタ91a〜91dを反時計回りにさらに回転させてバンドパスフィルタ91aへの入射角を50度に設定した状態を示しており、どちらの場合もバンドパスフィルタ91a〜91d間で干渉することはない。図5(c)の状態からさらに回転させると、バンドパスフィルタ91bが偏光成分L3の光路上に入ってきてしまうため、2つのバンドパスフィルタ91a,91b間で互いの透過特性が干渉し合って安定した出力波長が得られなくなる。従って、この場合の各バンドパスフィルタ91a〜91dの入射角の可変範囲は0度〜50度ということになる。
図6には、本実施形態においてバンドパスフィルタ91a〜91dへの入射角を0度〜50度の範囲で変更した場合の光透過率の波長特性を簡略化して示している。このように、バンドパスフィルタ91a〜91dを切り替えながらそれらに関する入射角も制御することで、光源装置1の発光波長の可変域として約400nm〜700nmまでの広い範囲が実現されることがわかる。
以上説明した光源装置1によれば、光源3からの光のうち偏光分離素子8によって分離された直線偏光成分L3が、高反射ミラー11によって偏光分離素子8に向けて戻されることにより、偏光分離素子8と高反射ミラー11との間に配置されたフィルタ回転体9及び1/4波長板10を往復して透過された後に、偏光分離素子8を介して光源3からの光と分離して取り出される。これにより、フィルタ回転体9を構成するバンドパスフィルタ91a〜91dに対する入射角に関わらず出力光の光軸ずれが低減される。すなわち、図7に示すように、偏光成分L3が、屈折率n、厚さtのバンドパスフィルタ91aの端面92に対して入射角θ、屈折角θ’で入射する場合を想定すると、端面92から出射する際の光軸ずれDは、下記式(1);
D=t×sinθ×{1−cosθ/(n×cosθ’)}
で計算される。ここで、偏光成分L3は、バンドパスフィルタ91aを端面92側から入射して透過した後、高反射ミラー11によって反射されて、バンドパスフィルタ91aを端面93側から再度入射して透過する。その結果、偏光分離素子8に戻される際には偏光成分L3の光軸ずれはキャンセルされることになる。
また、偏光成分L3がフィルタ回転体9を往復して透過することにより、バンドパスフィルタでの二乗の光阻止効果が得られ、従来に斜入射時に発生していた光阻止性能の低下を低減することができる。
さらに、光源装置1では、フィルタ回転体9の回転テーブル90の主面90aに沿って偏光成分L3が往復して入射されて、その偏光成分L3がバンドパスフィルタ91a〜91dへの入射角に応じた波長範囲で選択的にバンドパスフィルタ91a〜91dを透過されて出力される。この際、回転テーブル90を主面90aの回転中心Cを中心に回転させることによって、偏光成分L3が透過する4個のバンドパスフィルタ91a〜91dを交互に切り替えることができると共に、それぞれの4個のバンドパスフィルタ91a〜91dへの光の入射角も変化させることができる。従って、透過波長を連続的に変更することが可能になる。特に、バンドパスフィルタ91a〜91dを、その端面92,93が主面90a上の回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91dの主面90a上の中心点95a〜95dとを結ぶ線に対して傾斜するように配置することで、複数のバンドパスフィルタ間の干渉が広い回転角の範囲で低減される。その結果、バンドパスフィルタへの入射角の可変範囲を大きくした場合の出力光の光軸ずれを低減しつつ、選択波長の可変範囲を容易に広くすることができる。
特に、バンドパスフィルタ91a〜91dを、その光入射面92が主面90a上の回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91dの中心点95a〜95dとを結ぶ線に対して傾斜するように配置することで、複数のバンドパスフィルタ91a〜91d間の干渉が広い回転角(入射角)の範囲で低減される結果、回転テーブル90を大きくすること無しに発光波長の可変範囲を容易に広くすることができる。
また、4個のバンドパスフィルタ91a〜91dは、主面90aと光入射面92又は光出射面93とで形成されるそれぞれの交線96a〜96dが1つの内接円97に接するように搭載されているので、それぞれのバンドパスフィルタ91a〜91dの光の入射角の可変範囲を均等にすることができ、限られた回転テーブル90の面積に対して発光波長の可変範囲を効率良く広げることが出来る。
また、4個のバンドパスフィルタ91a〜91dは、それぞれ、主面90a上において内接円97の外側に位置するので、バンドパスフィルタ91a〜91d間の干渉をより一層低減することが出来る。
さらに、4個のバンドパスフィルタ91a〜91dは、回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91dの中心点95a〜95dとを結ぶ線が互いに等角度を成しており、主面90a上において回転中心Cを中心にして4回回転対称となるように配置されているので、それぞれのバンドパスフィルタ91a〜91dの光の入射角の可変範囲を均等にすることができ、限られた回転テーブル90の面積に対して発光波長の可変範囲をさらに効率良く広げることが出来る。
ここで、本実施形態による発光波長の可変範囲の拡大効果を、比較例と比較することにより説明する。図19及び図20は、本発明の比較例であるフィルタ回転体の構造を示す平面図である。
図19に示すフィルタ回転体909Aは、バンドパスフィルタ91a〜91dの主面90aに沿った幅及び厚さが10mm、2mmであって、バンドパスフィルタ91a〜91dが、回転中心Cからの最短距離が1mm、回転中心Cと中心点95a〜95dとを結ぶ線に対する光入射面92の傾斜角が0度となるように配置された例である。このフィルタ回転体909Aを回転させた場合は、バンドパスフィルタ91a〜91d間で干渉を生じないためには、ビーム径が5mmの偏光成分L3の入射角の可変範囲が0度(図19の実線で示す状態)〜21度(図19の点線で示す状態)に制限される。
また、図20(a)に示すフィルタ回転体909Bは、フィルタ回転体909Aの回転中心Cからの最短距離を5mmに広げた場合の例である。この場合、ビーム径が5mmの偏光成分L3の入射角の可変範囲が0度〜27度となりやや拡がるが、本実施形態のフィルタ回転体9に比較するとかなり制限されている。
また、図20(b)に示すフィルタ回転体909Cは、フィルタ回転体909Aに対して、バンドパスフィルタ91a〜91dの幅及び厚さを18mm、2mmに変更し、回転中心Cからの最短距離を32mmに広げた場合の例である。この場合、ビーム径が5mmの偏光成分L3の入射角の可変範囲が0度〜39度と拡大されるが、本実施形態のフィルタ回転体9に比較すると狭くなっている。それにもかかわらず、フィルタ回転体9の回転テーブル90の直径約30mmに比較して、フィルタ回転体909Cの回転テーブル90の直径を102mm程度にかなり大きくする必要がある。
このように、バンドパスフィルタ91a〜91dを回転中心Cと中心点95a〜95dとを結ぶ線に沿って配置した場合は、隣接するフィルタ間の干渉によりフィルタ1枚あたりに割り当てられる入射角度に制約が発生してしまう。また、バンドパスフィルタ91a〜91dへの入射角が0度を跨った正負の角度の範囲となるため(例えば、フィルタ回転体909Aの場合、±21度の範囲)、実質的な入射角変化量が角度可変範囲の半分の角度となってしまう。これに対して、バンドパスフィルタ91a〜91dを回転中心Cと中心点95a〜95dとを結ぶ線に傾斜させて配置した本実施形態の場合は、フィルタ1枚あたりに割り当てられる入射角度を効率的に広げることが出来ると共に、その入射角度の可変範囲を有効に利用して実質的な入射角を変化させることができる。さらに、本実施形態の場合は、そのようなメリットをフィルタ回転体9を大型化することなく実現することができる。
ここで、図1において、波長選択素子7からビームダンパー12に導かれる波長成分に関しても、フィルタ回転体および回転機構を含む同様な構成の波長選択機構を設けることで、異なる波長域の2つの波長の光を同時に出力可能となる。また、この場合に波長選択素子7をハーフミラーとすれば、同じ波長域において2つの波長の光を同時に出力可能となる。更にこの場合に、波長選択素子7の透過率を適宜選択して複数段配置し、それに対応して波長選択機構を設けることで、多波長出力を得ることも可能になる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。同図に示す光源装置101と第1実施形態にかかる光源装置1との相違点は、1/4波長板10が偏光分離素子8とフィルタ回転体9との間に配置され、水平偏光成分L3を基に円偏光に変換された光成分がフィルタ回転体9を往復するように構成されている点である。
このような光源装置101では、光源3側から偏光分離素子8を透過した水平偏光成分L3は、1/4波長板10を透過することによって円偏光に変換されてフィルタ回転体9に入射する。フィルタ回転体9を透過した偏光成分L3は、高反射ミラー11によって反射されて再びフィルタ回転体9を透過した後、1/4波長板10で垂直偏光に変換される。垂直偏光に変換された偏光成分L3は偏光分離素子8によって反射されて光源3からの光と分離されて出力される。ここで、フィルタ回転体9におけるバンドパスフィルタ91a〜91dに対する偏光成分L3の入射角が0度になるように設定した場合は、バンドパスフィルタ91a〜91dの光入射面92で反射された波長成分と、バンドパスフィルタ91a〜91dを透過して高反射ミラー11で反射されて戻された波長成分とが、1/4波長板で垂直偏光に変換されて偏光分離素子8に同時に入射された後に、偏光分離素子8により光ファイバ4側に反射される。これにより、光源3から出射されて波長選択素子7によって選択された波長範囲の光を、そのまま広帯域の光(白色出力)として取り出すことができる。
図9(a)には、本実施形態においてバンドパスフィルタ91a〜91dへの入射角が0度(垂直入射)の場合の光透過率の波長特性を、図9(b)には、バンドパスフィルタ91a〜91dへの入射角を0度〜50度の範囲で変更した(斜入射)場合の光透過率の波長特性を簡略化して示している。このように、バンドパスフィルタ91a〜91dを切り替えながらそれらに関する入射角も制御することで、光源装置101の発光波長の可変域として約400nm〜700nmまでの広い範囲が実現されるとともに、白色出力も容易に実現することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図10は、本発明の第3実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。同図に示す光源装置201と第1実施形態にかかる光源装置1との相違点は、光源装置1のフィルタ回転体9、1/4波長板10、及び高反射ミラー(ミラー部材)11と同一の構成要素を、2系統有する点である。
具体的には、偏光分離素子8から+X軸方向に沿って順に配置されたフィルタ回転体9A、1/4波長板10A、及び高反射ミラー11Aに加えて、偏光分離素子8から+Y軸方向に沿って順に、フィルタ回転体9B、1/4波長板10B、及び高反射ミラー11Bが設けられている。
このような構成の光源装置201においては、偏光分離素子8によって反射されて+Y軸方向に進行した垂直偏光成分L4が、高反射ミラー11Bによって反射されることによって、フィルタ回転体9B及び1/4波長板10Bを往復して透過する。これにより、偏光成分L4から所望の波長成分を選択することができるとともに、水平偏光の状態で偏光分離素子8に入射されることで光源3からの光と分離して光ファイバ4側に取り出すことができる。従って、2系統のフィルタ回転体9A,9Bを備えて、それぞれのフィルタ回転体9A,9Bの回転角を制御回路33に接続されたコンピュータ端末34によって制御することにより、2波長を同時に光ファイバ4に出力することもできるし、2系統の出力光を重ね合わせて帯域幅を拡大させることもできる。また、2つのフィルタ回転体9A,9Bのバンドパスフィルタの回転角を一致させることで、エネルギ損失が少ない状態で単波長出力を自在に得ることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図11は、本発明の第4実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。同図に示す光源装置301と第2実施形態にかかる光源装置101との相違点は、光源装置101の1/4波長板10、フィルタ回転体9、及び高反射ミラー(ミラー部材)11と同一の構成要素を、2系統有する点である。
具体的には、偏光分離素子8から+X軸方向に沿って順に配置された1/4波長板10A、フィルタ回転体9A、及び高反射ミラー11Aに加えて、偏光分離素子8から+Y軸方向に沿って順に、1/4波長板10B、フィルタ回転体9B、及び高反射ミラー11Bが設けられている。
このような構成の光源装置301においては、偏光分離素子8によって反射されて+Y軸方向に進行した垂直偏光成分L4が、高反射ミラー11Bによって反射されることによって、1/4波長板10B及びフィルタ回転体9Bを往復して透過する。これにより、偏光成分L4から所望の波長成分を選択することができるとともに、水平偏光の状態で偏光分離素子8に入射されることで光源3からの光と分離して光ファイバ4側に取り出すことができる。さらには、フィルタ回転体9Bのバンドパスフィルタ91a〜91dへの偏光成分L4の入射角が0度になるように制御することにより、光ファイバ4から広帯域の光を出力させることも可能である。従って、2系統のフィルタ回転体9A,9Bを備えて、それぞれのフィルタ回転体9A,9Bの回転角を制御回路33に接続されたコンピュータ端末34によって制御することにより、2波長を同時に光ファイバ4に出力することもできるし、白色出力も容易に得ることができる。また、2つのフィルタ回転体9A,9Bのバンドパスフィルタの回転角を一致させることで、エネルギ損失が少ない状態で単波長出力及び白色出力を自在に得ることができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図12は、本発明の第5実施形態に係る光源装置の概略構成を示す平面図である。同図に示す光源装置401と第3実施形態にかかる光源装置201との相違点は、フィルタ回転体9Bの代わりにフィルタ19Bが設けられている点である。
具体的には、フィルタ19Bは、偏光成分L4に含まれる波長帯域のうち所定の波長帯域を透過するための光学素子である。このフィルタ19Bの透過率特性により所定波長範囲のスペクトル形状を決定することができる。
本実施形態の光源装置401においては、フィルタ19B、1/4波長板10Bを往復する偏光成分L4と、フィルタ回転体9A、1/4波長板10Aを往復する偏光成分L3とが合成されて光ファイバ4から出射される。これにより、広い波長帯域を有する白色光の偏光成分L4と、フィルタ回転体9Aの回転角を制御することで所望の狭帯域の波長成分を有する偏光成分L3とが重畳された光出力を得ることができる。
図13には、本実施形態においてフィルタ回転体9Aのバンドパスフィルタ91a〜91dへの入射角を0度〜50度の範囲で変更した場合の光透過率の波長特性を簡略化して示している。このように、フィルタ回転体9Aの回転角を制御することで、白色光に約400nm〜700nmの範囲で変化する狭帯域成分が重畳された出力光を実現することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、フィルタ回転体9,9A,9Bに搭載するバンドパスフィルタの枚数としては特定の枚数に限定されるものではなく、想定波長範囲およびフィルタ回転体9,9A,9Bの面積に応じて3以上の任意の枚数を選択してよい。
図14には、5枚のバンドパスフィルタ91a〜91eを有するフィルタ回転体109の構造を示している。この場合、偏光成分L3のビーム径が5mm、バンドパスフィルタ91a〜91eの主面90aに沿った幅及び厚さが10mm、2mm、回転中心Cからバンドパスフィルタ91a〜91eまでの最短距離Rが15.3mmとなっており、バンドパスフィルタ91a〜91eを反時計回りに回転させると、各バンドパスフィルタ91a〜91eの入射角の可変範囲は0度〜45度に設定される。
また、図15には、6枚のバンドパスフィルタ91a〜91fを有するフィルタ回転体209の構造を示している。この場合、偏光成分L3のビーム径が5mm、バンドパスフィルタ91a〜91fの主面90aに沿った幅及び厚さが12mm、2mm、回転中心Cからバンドパスフィルタ91a〜91fまでの最短距離Rが39.4mmとなっており、バンドパスフィルタ91a〜91fを反時計回りに回転させると、各バンドパスフィルタ91a〜91fの入射角の可変範囲は0度〜45度に設定される。
また、図16には、3枚のバンドパスフィルタ91a〜91cを有するフィルタ回転体309の構造を示している。この場合、偏光成分L3のビーム径が10mm、バンドパスフィルタ91a〜91cの主面90aに沿った幅及び厚さが18mm、2mm、回転中心Cからバンドパスフィルタ91a〜91cまでの最短距離Rが3.16mmとなっており、バンドパスフィルタ91a〜91cを反時計回りに回転させると、各バンドパスフィルタ91a〜91cの入射角の可変範囲は0度〜50度に設定される。
これに対して、図21(a)に示す本発明の比較例であるフィルタ回転体909Dは、バンドパスフィルタ91a〜91eの主面90aに沿った幅及び厚さが10mm、2mmであって、バンドパスフィルタ91a〜91eが、回転中心Cからの最短距離が1.38mm、回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91eの中心点とを結ぶ線に対する光入射面の傾斜角が0度となるように配置された例である。このフィルタ回転体909Dを回転させた場合は、バンドパスフィルタ91a〜91e間で干渉を生じないためには、ビーム径が5mmの偏光成分L3の入射角の可変範囲が0度〜9度に制限される。また、図21(b)に示す本発明の比較例であるフィルタ回転体909Eは、バンドパスフィルタ91a〜91eの主面90aに沿った幅及び厚さが10mm、2mmであって、バンドパスフィルタ91a〜91eが、回転中心Cからの最短距離が16.38mm、回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91eの中心点とを結ぶ線に対する光入射面の傾斜角が0度となるように配置された例である。このフィルタ回転体909Eを回転させた場合は、ビーム径が5mmの偏光成分L3の入射角の可変範囲が0度〜24度に制限される。さらに、図21(c)に示す本発明の比較例であるフィルタ回転体909Fは、バンドパスフィルタ91a〜91eの主面90aに沿った幅及び厚さが12mm、2mmであって、バンドパスフィルタ91a〜91eが、回転中心Cからの最短距離が32mm、回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91eの中心点とを結ぶ線に対する光入射面の傾斜角が0度となるように配置された例である。このフィルタ回転体909Fを回転させた場合は、回転テーブル90の径が大きくなるにも関わらず、ビーム径が5mmの偏光成分L3の入射角の可変範囲が0度〜29度に制限される。このように、同じ枚数のバンドパスフィルタを用いた図14のフィルタ回転体109に比較して、入射角の可変範囲が大きく制限される。
また、図22に示す本発明の比較例であるフィルタ回転体909Gは、バンドパスフィルタ91a〜91fの主面90aに沿った幅及び厚さが12mm、2mmであって、バンドパスフィルタ91a〜91fが、回転中心Cからの最短距離が32mm、回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91fの中心点とを結ぶ線に対する光入射面の傾斜角が0度となるように配置された例である。このフィルタ回転体909Gを回転させた場合は、ビーム径が5mmの偏光成分L3の入射角の可変範囲が0度〜23度に制限される。このように、同じ枚数のバンドパスフィルタを用いた図15のフィルタ回転体209に比較して、入射角の可変範囲が大きく制限される。
また、図23(a)に示す本発明の比較例であるフィルタ回転体909Hは、バンドパスフィルタ91a〜91cの主面90aに沿った幅及び厚さが18mm、2mmであって、バンドパスフィルタ91a〜91cが、回転中心Cからの最短距離が0.577mm、回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91cの中心点とを結ぶ線に対する光入射面の傾斜角が0度となるように配置された例である。このフィルタ回転体909Hを回転させた場合は、ビーム径が10mmの偏光成分L3の入射角の可変範囲が0度〜38度に制限され、図16のフィルタ回転体309に比較して、入射角の可変範囲が大きく制限される。また、図23(b)に示す本発明の比較例であるフィルタ回転体909Iは、バンドパスフィルタ91a〜91cの主面90aに沿った幅及び厚さが26mm、2mmであって、バンドパスフィルタ91a〜91cが、回転中心Cからの最短距離が14.577mm、回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91cの中心点とを結ぶ線に対する光入射面の傾斜角が0度となるように配置された例である。このフィルタ回転体909Iを回転させた場合は、ビーム径が10mmの偏光成分L3の入射角の可変範囲が0度〜50度となるが、図16のフィルタ回転体309に比較して回転テーブル90の径が2倍以上に大きくなる。
フィルタ回転体9,9A,9Bのバンドパスフィルタ91a〜91dに関する入射角度の可変範囲は、バンドパスフィルタ91a〜91dの傾斜角を変更することで様々な範囲に設定することができる。
例えば、入射角度の可変範囲に含まれる最小角度は0度に限定されるものではない。具体的には、図17に示すように、バンドパスフィルタ91a〜91fを、主面90a上の回転中心Cとバンドパスフィルタ91a〜91fの中心点とを結ぶ線に対する光入射面の傾斜角が大きくなるように配置して、バンドパスフィルタ91a〜91fに関する入射角の可変範囲を例えば20度〜50度になるように設定してもよい。同図では、バンドパスフィルタ91a〜91fの主面90aに沿った幅及び厚さが11mm、2mmであって、バンドパスフィルタ91a〜91fが、回転中心Cからの最短距離が16.6mmとなるように設定され、偏光成分L3のビーム径が5mmと設定された例を示している。このように、入射角度の可変範囲に含まれる最小角度を0度より大きくすることで、入射角度変化に対する透過波長域の変化を大きくすることができ、全体の波長可変範囲を大幅に広げることができる。例えば、図3に示すような透過波長域のピーク波長の入射角依存性を有するバンドパスフィルタ91aの場合に、入射角を0度〜30度で変化させた場合では、ピーク波長の変化幅が最大ピーク波長に対して5.43%となる。それに対して、バンドパスフィルタ91aの入射角を20度〜50度で変化させた場合では、ピーク波長の変化幅が11.18%となり、同じ入射角の変化で透過波長域の変化を大きくとることができることがわかる。
また、本実施形態の光源装置1,101,201,301,401に内蔵されるバンドパスフィルタ91a〜91dは、同一入射角に対する透過波長域における中心波長が互いに異なっていたが、中心波長が同一で半値幅が異なるように構成されていてもよい。図18(a)〜(d)には、それぞれ、バンドパスフィルタ91a〜91dにおいて入射角を0度〜50度の範囲を5度間隔で変化させた場合の透過波長域の特性の一例を示している。このように中心波長が等しいバンドパスフィルタ91a〜91dを用いた場合は、帯域幅を切り換えながら選択波長の可変範囲を容易に広くすることができる。
本発明の分光装置の実施形態としては、上述した光源装置以外に、外部から入力された光のうちで所定の波長成分を分光するための分光装置であってもよいし、分光された光を検出する検出器を内蔵する光検出装置であってもよい。
本発明の上述した各実施形態で用いる誘電体薄膜干渉フィルタは、バンドパスフィルタの他、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、ノッチフィルタ等を適用しても良い。
1,101,201,301,401…光源装置、3…光源、8…偏光分離素子、9,9A,9B,109,209,309…フィルタ回転体(フィルタ部)、10,10A,10B…1/4波長板、11,11A,11B…高反射ミラー(ミラー部材)、90…回転テーブル(回転支持部材)、90a…主面、91a〜91f…バンドパスフィルタ(誘電体薄膜干渉フィルタ)、92…光入射面(端面)、93…光出射面(端面)、95a〜95d…中心点、96a〜96d…交線、97…内接円、C…回転中心、L3,L4…直線偏光成分。

Claims (8)

  1. 光源からの光を互いに直交する第1及び第2の直線偏光成分に分離する偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子によって分離された前記第1及び第2の直線偏光成分のうちのいずれかの直線偏光成分を、前記偏光分離素子に戻すように反射させるミラー部材と、
    前記偏光分離素子と前記ミラー部材との間に設けられたフィルタ部と、
    前記偏光分離素子と前記ミラー部材との間に設けられた1/4波長板とを備え、
    前記フィルタ部は、
    前記偏光分離素子からの前記直線偏光成分に基づく光成分を、前記光成分の入射角に応じた波長範囲で選択的に透過させ、前記入射角が変更可能なように回転可能に支持された誘電体薄膜干渉フィルタを有する、
    ことを特徴とする分光装置。
  2. 前記フィルタ部は、
    n個(nは3以上の整数)の前記誘電体薄膜干渉フィルタと、
    前記誘電体薄膜干渉フィルタが主面上に立設され、前記主面に沿って所定点の周りを回転可能にされた平板状の回転支持部材とを有し、
    前記n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、それぞれ、光入射側或いは光出射側の端面が、前記回転支持部材の前記表面上の前記所定点と前記主面上の該誘電体薄膜干渉フィルタの中心点とを結ぶ線に対して傾斜するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の分光装置。
  3. 前記n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、前記主面と前記端面とで形成されるそれぞれの交線が1つの内接円に接するように搭載されている、
    ことを特徴とする請求項2記載の分光装置。
  4. 前記n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、それぞれ、前記主面上において前記内接円の外側に位置するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項3記載の分光装置。
  5. 前記n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、前記主面上の前記所定点と前記主面上の該誘電体薄膜干渉フィルタの中心点とを結ぶ線が互いに等角度を成すように配置されている、
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の分光装置。
  6. 前記n個の誘電体薄膜干渉フィルタは、前記主面上において前記所定点を中心にしてn回回転対称となるように配置されている、
    ことを特徴とする請求項5記載の分光装置。
  7. 前記1/4波長板は、前記フィルタ部と前記ミラー部材との間に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の分光装置。
  8. 前記1/4波長板は、前記偏光分離素子と前記フィルタ部との間に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の分光装置。
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