JP2012015056A - 溶融塩電池 - Google Patents

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将一郎 酒井
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Abstract

【課題】溶融塩中での耐久性が高いセパレータを備えた溶融塩電池を提供する。
【解決手段】本発明に係る溶融塩電池は、正極と負極と正極及び負極を隔離するセパレータとを有する。該セパレータは、二酸化ケイ素を主成分とし、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有する化合物を副成分とするガラス繊維を用いて成り、ガラス繊維に含まれるケイ素の量は、ガラス繊維に含まれるケイ素以外の元素の量よりも多い。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融塩中での耐久性が高いセパレータを備えた溶融塩電池に関する。
充電を行うことにより電気を蓄えて繰り返し使用できる二次電池が、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などに用いられている。
二次電池は、正極と負極と電解質とセパレータとを用いて構成されている。セパレータは二次電池内で正極と負極とを隔離し、電解質を介した正極と負極との間のイオン伝導性を確保している(たとえば、特許文献1)。セパレータの材料として、セルロースなどの紙類、並びにポリプロピレンおよびポリエチレンなどの樹脂類がよく知られている。
一般的に二次電池は、使用しない場合においても時間と共に蓄えた電気が徐々に失われる自然放電が大きい。したがって、長期保存後に使用するには、失われた容量を回復させる為の充電を行わなければならない。
長期保存に対応する二次電池として、溶融塩電池が知られている。溶融塩電池は、温度変化に応じて導電性液体並びに非導電性固体となる電解質を用いて構成される。電解質が非導電性固体状態である場合、正極と負極との間のイオン伝導性は絶たれる。したがって、長期保存時の自然放電を抑制することができる。温度変化により固体の電解質が融解した場合、融解により液体の溶融塩が生成し、イオン伝導性が取り戻される。このような溶融塩電池は、長期保存が可能なため、ミサイルおよび魚雷などの兵器、ロケット、航空機の緊急脱出装置など、大きな起電力が必要な装置にも用いられている。近年、天候等の自然条件の変化に起因して発電量が変動し易いが、自然エネルギーを利用した発電が注目されており、溶融塩電池は、このような自然エネルギーを利用した発電に用いる補助電池としても着目されている。
特開平7−122257号公報
現在、様々な分野で溶融塩電池が利用されており、今後、更に広い分野での利用が予想される。利用分野の拡大に伴い、溶融塩電池の起電力の増大が求められている。また、起電力が増大した溶融塩電池の安定性も求められている。
しかしながら紙類を用いた従来のセパレータでは、大起電力を有する溶融塩電池内の正極で溶融塩との反応により酸化して劣化する問題および加熱された溶融塩中で発火する問題が有った。また樹脂類を用いた従来のセパレータでは、加熱された溶融塩の温度により劣化し易いという問題があった。つまり、溶融塩電池内でのセパレータの耐久性が十分でないという問題が有った。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、溶融塩中での耐久性が高いセパレータを備えた溶融塩電池を提供することを目的とする。
本発明に係る溶融塩電池は、正極及び負極を隔離するセパレータを有し、溶融塩からなる電解質を用いた溶融塩電池において、前記セパレータは、二酸化ケイ素を主成分とし、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有する化合物を副成分とするガラス繊維を用いて成り、前記ガラス繊維に含まれるケイ素の量は、前記ガラス繊維に含まれるケイ素以外の元素の量よりも多いことを特徴とする。
二酸化ケイ素を主成分とするガラス繊維は、紙類および樹脂類と比較し、化学的耐久性が高い。セパレータの化学的耐久性が向上したことにより、大起電力を有する溶融塩電池および長期にわたり利用された溶融塩電池においても、溶融塩電池の安定性が確保される。またガラス繊維を用いた形成物は一般的に、靭性が低いため変形などの物理的変化により破損し易い。主成分である二酸化ケイ素のほかに更に副成分を含むガラス繊維を用いることにより、二酸化ケイ素のみを含有するガラス繊維を用いセパレータと比較し、靭性が高くなり、変形などの物理的変化により破損し難くなる。
ガラス繊維中において、ケイ素以外の元素の含有量が増加した場合、ケイ素の含有量が減少する。ケイ素の含有量の減少は、セパレータの化学的耐久性に直接関与するガラス成分の減少を意味する。ガラス繊維に含まれるケイ素の量がケイ素以外の元素の量よりも多いセパレータを用いることにより、化学的耐久性を維持しつつ靭性が高いセパレータを提供することが可能となる。
本発明に係る溶融塩電池は、前記溶融塩がナトリウムを含有することを特徴とする。
ナトリウムは資源量が豊富な金属元素である。したがって、稀少金属元素であるリチウムを利用した二次電池と比較した場合、溶融塩電池の製造コストを抑制できる。
本発明に係る溶融塩電池は、前記セパレータの密度が0.15g/cm3 以上0.3g/cm3 以下であることを特徴とする。
セパレータはガラス繊維を用いて形成されており、繊維と繊維との間に孔が存在する。セパレータの密度が高い場合、セパレータ中で孔が占める体積の割合(孔の存在比率)が低くなり、セパレータの密度が低い場合に孔の存在比率が高くなる。ナトリウムイオンが孔を通過することにより電流が発生するが、孔の存在比率が低い場合にナトリウムイオンの通過が困難となる。ナトリウムイオンの通過が困難になった場合には供給される電流が小さくなる。ナトリウムイオンの通過を確保するために、セパレータの密度を0.3g/cm3 以下としてある。一方、溶融塩電池には、ナトリウムのデンドライトが析出する可能性がある。析出したナトリウムのデンドライトがセパレータにある孔を通過した場合、短絡問題が生じる。析出したデンドライトの通過を抑制するために、セパレータの密度を0.15g/cm3 以上としてある。セパレータの密度を適切な範囲に規定することにより、短絡問題を抑制しつつ、所望の電流を供給できる。
本発明に係る溶融塩電池は、前記セパレータの厚みが20μm以上300μm以下であることを特徴とする。
セパレータの厚みが大きい場合にナトリウムイオンが通過する距離が長くなり、セパレータの厚みが小さい場合にナトリウムイオンが通過する距離が短くなる。つまり、セパレータの厚みが大きい場合にナトリウムの通過が困難となり、セパレータの厚みが小さい場合にナトリウムの通過が容易となる。ナトリウムイオンの通過を確保するために、セパレータの厚みを300μm以下としてある。一方、析出したデンドライトの通過を抑制するために、セパレータの厚みを20μm以上としてある。セパレータの厚みを適切な範囲に規定することにより、短絡問題を抑制しつつ、所望の電流を供給できる。
本発明に係る溶融塩電池は、前記セパレータがリチウムを実質的に含まないことを特徴とする。
リチウムはナトリウムと置換し易い性質を有する。セパレータがリチウムを含む場合、含まれたリチウムが溶出して電極のナトリウムと置換することにより、ナトリウムを介した電流発生が阻害される可能性がある。溶出したリチウムによる電流発生阻害を抑制するために、溶融塩電池のセパレータはリチウムを含まない。
本発明にあっては、化学的耐久性が高く靭性が改善されたセパレータを備えることにより、大起電力を有する溶融塩電池においても安定性が向上し、長期にわたり利用された溶融塩電池においても安定性が向上する等、優れた効果を奏する。
実施の形態1に係る溶融塩電池の内部構造を示す概略図である。 実施の形態2に係る溶融塩電池の内部構造を示す概略図である。
以下、本発明の溶融塩電池の実施例について、実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る溶融塩電池の内部構造を示す概略図である。溶融塩電池は、垂直方向に延びる正極1、負極2、及びセパレータ3を箱状の電池容器内に配置してある。正極1及び負極2は矩形平板状に形成されており、セパレータ3はシート状に形成してある。正極1、負極2、及びセパレータ3は、水平方向に並列に配置してある。正極1は、セパレータ3により負極2と隔離してある。溶融塩電池の電解質4は、正極1、負極2及びセパレータ3の全体に染み渡って存在する。
正極1は、アルミニウムからなる矩形板状の正極集電体に、正極活物質として用いるNaCrO2 とバインダとを含む正極材をアルミニウムからなる矩形板状の正極集電体に塗布して形成してある。負極2は、負極活物質としてナトリウムを含む負極材をアルミニウムからなる矩形板状の負極集電体上に塗布して形成してある。正極材及び負極材の材質の組み合わせは、以上の組み合わせに限定されるものではなく、溶融塩電池を実現できる組み合わせであれば、その他の組み合わせであってもよい。正極集電体及び負極集電体は、アルミニウムに限定されず、例えばステンレス鋼であってもよい。また、正極1および負極2の形成方法は、上記の塗布に限定されるものではなく、溶融塩電池を実現できる組み合わせであれば、その他の形成方法であってもよい。
電解質4は、ナトリウムビスフルオロスルフォニルアミド(NaFSA)とカリウムビスフルオロスルフォニルアミド(KFSA)とを混合してある。NaFSAとKFSAとは不燃性であり、火災に対する安全性が高い。また電解質4は、常温で非導電性固体となり、溶融塩電池は正極1と負極2との間のイオン伝導性が絶たれた状態となる。一方80℃以上で、電解質4は溶融塩と呼ばれる導電性液体となる。電解質4が導電性液体になった場合にナトリウムの移動が可能となり、溶融塩電池は正極1と負極2との間のイオン伝導性が確保された状態となる。つまり、実施の形態1に係る溶融塩電池は、常温で長期保存に対応する状態となり、80℃以上の加熱で使用可能な状態となる。電解質4の材料は、以上の組み合わせに限定されるものではなく、溶融塩電池を実現できる組み合わせであれば、その他の組み合わせであってもよい。
セパレータ3は、二酸化ケイ素を主成分とするガラス繊維を用いたガラスクロスである。ガラスクロスであるため、紙類ならびに樹脂類を用いたセパレータと比較して、80℃以上の加熱により液化した電解質4中における化学的耐久性が高い。また温度変化に対しても、高い化学的耐久性を示す。
セパレータ3は、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウムおよびカルシウムからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有する化合物を副成分とするガラス繊維を用いたガラスクロスである。本実施の形態に係る溶融塩電池のイオン伝導性は、溶融ナトリウムのナトリウムイオンに依存している。リチウムを用いた二次電池が知られているが、リチウムはナトリウムと置換し易い性質を有する。本実施の形態に係るナトリウムを用いた溶融塩電池にリチウムが溶出した場合、ナトリウムが溶出したリチウムと置換されることにより、電池としての動作に悪影響を与えることが想像される。したがって、セパレータ3はリチウムを含まない。
セパレータ3の副成分としてナトリウム、マグネシウム、カリウム及び/またはカルシウムを含有する化合物が含まれている場合、セパレータ3を形成するガラス繊維の粘性が増加する。ガラス繊維の粘性が増加した場合、セパレータ3の靭性が高くなり、変形などの物理的変化により破損し難くなる。また、ガラス繊維の粘性が増加することにより、太い線径を有するガラス繊維だけでなく、細い線径を有するガラス繊維を提供することが可能となる。セパレータ3の繊維と繊維との間に生じる孔をナトリウムイオンが通過することが電流発生に関与しているが、細い線径を有するガラス繊維をセパレータ3の形成に利用した場合、セパレータ3中で孔が占める体積の割合(孔の存在比率)を低くすることができる。また反対に、太い線径を有するガラス繊維をセパレータ3の形成に利用した場合、孔の存在比率を高くすることができる。したがって、所望の孔の存在比率を有するセパレータ3の形成が容易となる。
ガラス繊維を用いた形成品は、一般的に変形などの物理的変化により破損し易く、靭性が十分ではない。セパレータ3を形成するガラス繊維の副成分としてアルミニウムを含有する化合物が含まれている場合、ケイ素イオンがアルミニウムイオンと置換されるアルミニウム−同形置換が生じ、非常に安定した構造が形成される。したがって、セパレータ3の靭性が高くなり、変形などの物理的変化により破損し難くなる。
ガラス繊維を用いた形成品は、一般的に、温度変化に依存した熱膨張・収縮が繰り返し生じた場合に割れる可能性が高い。セパレータ3の副成分としてホウ素を含有する化合物が含まれている場合、セパレータ3を形成するガラス繊維の熱膨張率が低下する。したがって、セパレータ3が温度変化に対して熱膨張・熱収縮しにくくなる。その結果、セパレータ3の靭性が高くなる。
セパレータ3における主成分および副成分の元素組成比は、以下の式を満たす。
0<(ホウ素+ナトリウム+マグネシウム+アルミニウム+カリウム+カルシウム) /(ケイ素+ホウ素+ナトリウム+マグネシウム+アルミニウム+カリウム+カルシ ウム)<0.5
つまり、ケイ素の含有量はケイ素以外の元素の含有量よりも多い。ケイ素以外の元素の含有量がケイ素の含有量以上になった場合、ガラスとしての一般的な化学的耐久性に関与している二酸化ケイ素の比率が低くなり、セパレータ3が十分な化学的耐久性を示さなくなり、液状電解質4中でセパレータ3の腐食が進行する虜がある。ケイ素の含有量がケイ素以外の元素の含有量よりも多いことにより、セパレータ3の腐食を抑制して寿命の縮小を防止することが可能となる。
本発明者らは、主成分および副成分の元素組成比が異なるセパレータを作成し、NaFSAとKFSAとを混合した120℃の液状電解質4中に1カ月間放置し、放置前後のセパレータの外観・重量とを調査した。主成分と副成分との元素組成比が0.35の場合、放置後のセパレータの重量は放置前と比較して1.2%の減少にとどまり、外観にも異常は見られなかった。主成分および副成分の元素組成比が0.45の場合、放置後のセパレータの重量は放置前と比較して1.2%の減少にとどまり、外観にも異常は見られなかった。しかしながら主成分および副成分の元素組成比が0.55の場合、放置後のセパレータ3の重量は放置前と比較して12.5%減少し、セパレータ3の一部が溶解していた。この調査結果は、上記の組成比に関する式と合致している。
溶融塩電池には、ナトリウムのデンドライトが正極1ならびに負極2に析出する可能性がある。析出したナトリウムのデンドライトがセパレータ3にある孔を通過した場合、正極1と負極2との間の短絡問題が生じる。前述したように、セパレータ3は、細い線径のガラス繊維を用いた場合に孔の存在比率が低くなり、太い線径のガラス繊維を用いた場合に孔の存在比率が高くなる。孔の存在比率が低いということは、セパレータの密度が大きいことを意味しており、孔の存在比率が高いということは、セパレータの密度が小さいことを意味している。ナトリウムのデンドライトが孔を通過して短絡することを抑制するために、孔の存在比率に対応するセパレータ3の密度を、0.15g/cm3 以上としてある。また逆に、セパレータ3の密度が大きくなりすぎた場合、セパレータ3におけるナトリウムイオンの通過が抑制され、所望の電流が得られないという問題が懸念される。ナトリウムイオンの通過を抑制しないために、孔の存在比率に対応するセパレータ3の密度を、0.3g/cm3 以下としてある。つまり、セパレータ3の密度を0.15−0.3g/cm3 としてある。したがって、デンドライトによる短絡の危険性を抑制すると共に所望の電流を供給できる。
セパレータの厚みが大きい場合にナトリウムイオンならびにナトリウムのデンドライトが通過する距離が長くなり、セパレータの厚みが小さい場合にナトリウムイオンならびにナトリウムのデンドライトが通過する距離が短くなる。つまり、セパレータの厚みが大きい場合にナトリウムイオンならびにナトリウムのデンドライトの通過が困難となり、セパレータの厚みが小さい場合にナトリウムイオンならびにナトリウムのデンドライトの通過が容易となる。また、セパレータ3の厚みが大きくなりすぎた場合、電池容器内に配置できる正極1、負極2及び電解質4の領域が減少する。上記の短絡防止およびナトリウムイオン供給の問題ならびに電池容器内の容量の問題を考慮し、セパレータ3の厚みを20μm−300μmとしてある。またセパレータ3の厚みが薄くなるに従って、セパレータ3の物理的強度も低くなる。したがって、より好ましくは、セパレータ3の厚みを50μm−300μmとしてある。
溶融塩電池の内側は、正極1と負極2との短絡を防止するために、絶縁性の樹脂で被覆する等の方法により絶縁性の構造となっている。また溶融塩電池の内部では、正極1および負極2は、直接に又はリード線等の導電性部材を介して、電池容器に電気的に接続されている。溶融塩電池は、電解質4が溶融する温度範囲において、二次電池として機能する。本実施の形態1においては、溶融塩電池は、80℃以上の温度で動作する。なお、図1に示した溶融塩電池の構成は模式的な構成であり、溶融塩電池内には、内部を加熱するヒータ、充放電に伴う正極1又は負極2の変形を吸収する弾性部材、又は温度センサ等、図示しないその他の構成物が含まれていてもよい。
本実施の形態の溶融塩電池は、上述した構成のガラス繊維を用いて形成したセパレータ3を備えている。したがって、溶融塩電池内の正極で生じるセパレータ3の酸化が抑制される。また、溶融塩中でセパレータ3が発火する危険を回避できる。更に、靭性が改善されているために、セパレータ3が変形などの物理的変化により破損し難い。以上の理由により、本実施の形態1の溶融塩電池は、溶融塩中での耐久性が高いセパレータ3を備えており、溶融塩電池の安定性が向上する。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2に係る溶融塩電池の内部構造を示す概略図である。溶融塩電池は、箱状の電池容器内の垂直方向に延びる複数の正極1及び負極2を備えている。複数の正極1及び負極2は、夫々に矩形平板状に形成されており、箱状の電池容器内に、互いの間にセパレータ3を介在させながら水平方向に並列に配置してある。正極1は、矩形板状の正極集電体の両面に正極活物質を含む正極材を塗布して形成してある。負極2は、矩形板状の負極集電体の両面に負極活物質を含む負極材を塗布して形成してある。複数の正極1は、リード線(不図示)を介して正極端子(不図示)に電気的に接続してあり、複数の負極21は、リード線(不図示)を介して全て負極端子(不図示)に電気的に接続してある。正極端子および負極端子を用いて電力を取り出す。
溶融塩電池の電解質4は、実施の形態1と同様に、複数の正極1、複数の負極2及びセパレータ3の全体に染み渡って存在する。また電解質4は、実施の形態1と同様に構成してある。
セパレータ3は、実施の形態1と同様に、主成分(二酸化ケイ素)と副成分とを含有するガラス繊維により形成されたガラスクロスである。連続した一枚のセパレータ3を垂直方向に複数回折り返してあり、交互に並列配置した正極1と負極2との間隙に、セパレータ3の折り返した各部分が配置してある。セパレータ3の折り返しによって屈曲した部分は、正極2及び負極3の一端部を包み、平坦な部分は正極1と負極2との間に介在してある。これにより、複数の正極1及び負極2は、一枚のセパレータ3によって互いに分離し、夫々の正極1及び負極2は、表面及び裏面の両面から一枚のセパレータ3に挟み込まれる。また複数の正極1はセパレータ3の一方の面側に配置され、複数の負極2はセパレータ3の他方の面側に配置される。
以上のように、本実施の形態に係る溶融塩電池は、交互に並列配置した複数の正極1及び負極2を備え、連続したシート状のセパレータ3を複数回折り返して夫々の正極1と負極2との間に介装してある。ガラス繊維を用いて形成したセパレータ3は、紙類および樹脂類を用いたセパレータと比較し、化学的耐久性が高い。一方、従来のガラスクロスセパレータは、加工性が悪く折り曲げによって壊れ易いので、複数回折り返した形状に形成することが困難であった。しかしながらセパレータ3は、二酸化ケイ素である主成分と、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウムおよびカルシウムからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有する化合物である副成分とを含有するガラス繊維を用いて形成されているため、靭性が改善されている。したがって、折り曲げによって壊れ難く、複数回折り返した形状に形成することが容易になっている。
本実施の形態に係る溶融塩電池は、複数の正極1及び負極2を内部に交互に並列配置してあるので、複数の電池を並列に接続した回路と同等の動作を行う。従って、本実施の形態に係る溶融塩電池は、単一の正極及び負極を備えた電池に比べて容量が増加する。また、本実施の形態では、夫々の正極1及び負極2は両面がセパレータ3に挟まれているので、電極又はセパレータ3の位置がずれた場合においても、正極1と負極2との間にはセパレータ3がある可能性が高く、短絡が発生する確率が低い。従って、本実施の形態に係る溶融塩電池は、安全性が向上する。
なお、本実施の形態においては、正極集電体の両面に正極材が形成され、負極集電体の両面に負極材が形成された形態について記載したが、両端に位置する正極1又は負極2は、片面に正極材又は負極材が形成された形態であってもよい。
その他の構成については、実施の形態1と同様であり、詳細な説明は省略する。
上記の実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電解質

Claims (5)

  1. 正極及び負極を隔離するセパレータを有し、溶融塩からなる電解質を用いた溶融塩電池において、
    前記セパレータは、二酸化ケイ素を主成分とし、ホウ素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有する化合物を副成分とするガラス繊維を用いて成り、
    前記ガラス繊維に含まれるケイ素の量は、前記ガラス繊維に含まれるケイ素以外の元素の量よりも多い
    ことを特徴とする溶融塩電池。
  2. 前記溶融塩は、ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1に記載の溶融塩電池。
  3. 前記セパレータは、密度が0.15g/cm3 以上0.3g/cm3 以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融塩電池。
  4. 前記セパレータは、厚みが20μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の溶融塩電池。
  5. 前記セパレータは、リチウムを実質的に含まないことを特徴とする請求項1乃至4に記載の溶融塩電池。
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