JP2012014929A - 電池 - Google Patents

電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2012014929A
JP2012014929A JP2010149593A JP2010149593A JP2012014929A JP 2012014929 A JP2012014929 A JP 2012014929A JP 2010149593 A JP2010149593 A JP 2010149593A JP 2010149593 A JP2010149593 A JP 2010149593A JP 2012014929 A JP2012014929 A JP 2012014929A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
rubber
battery
binder
rubber binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010149593A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012014929A5 (ja
Inventor
Naoki Yamada
直毅 山田
Tokuji Ueda
上田  篤司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Vehicle Energy Japan Inc
Original Assignee
Hitachi Vehicle Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Vehicle Energy Ltd filed Critical Hitachi Vehicle Energy Ltd
Priority to JP2010149593A priority Critical patent/JP2012014929A/ja
Publication of JP2012014929A publication Critical patent/JP2012014929A/ja
Publication of JP2012014929A5 publication Critical patent/JP2012014929A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】バインダの含有量の低減と剥離強度の低下抑制とを両立させた電池を提供する。
【解決手段】電極に異なる平均粒径を有するゴムバインダ22a及び22bを特定量含有させる。即ち、電極を有する電池であって、該電極が平均粒径の異なる少なくとも2種のゴムバインダ22a及び22bを含み、該ゴムバインダのうち、最大の平均粒径を有するゴムバインダ22aの含有量が、該ゴムバインダの全量に対して、30重量%以上であることを特徴とする、電池。
【選択図】図1

Description

本発明は電池に関する。
地球温暖化等の環境問題の顕在化により、例えば乗り物の排気ガスに由来する二酸化炭素の排出量削減が求められている。このような要求に対し、電気エネルギーを動力とする鉄道及び自動車等の減速時に生じるエネルギーを回生し、動力の一部として使用するハイブリッド鉄道及びハイブリッド自動車等の開発が急ピッチで進められている。そして、上記の鉄道及び自動車等の動力源として通常搭載される電池として、電極でのリチウムイオンの吸蔵放出反応を利用したリチウムイオン二次電池(即ち非水電解液二次電池)が注目されている。また、太陽光発電又は風力発電等で発電した電力を蓄え、電力系統に供給する用途にもリチウムイオン二次電池が注目されている。
鉄道及び自動車等に搭載されるリチウムイオン二次電池の特に重要な特性として入出力特性が挙げられる。この入出力特性は、電極の種類及び構造等に通常は大きく依存する。また、例えば、大電池容量が特に要求される鉄道、プラグインハイブリッド自動車及び電気自動車等に搭載されるリチウムイオン二次電池、並びに電力系統に接続されるリチウムイオン二次電池においては、負極に含有される負極活物質として黒鉛炭素が用いられることが多い。また、電極に任意の成分を含有させるために、通常は例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ゴムバインダ等のバインダが用いられる。そして、バインダ、正極及び負極活物質等の活物質(電極活物質)、導電剤、分散媒等を混合して電極合剤を調製し、調製された電極合剤をアルミニウム等の集電体表面に塗布及び乾燥することにより、電極に任意の成分を含有させることができる。なお、バインダとしてゴムバインダを用いる場合には、分散媒として水が用いられることが多い。
バインダは活物質間の結着による電極の物理的強度を高めるために極めて重要な役割を果たすものの、電池容量には関与しない。そのため、電池の大容量化には、含有させるバインダ量を減少させて電極の厚さを薄くし、より多くの電極を電池内に設けることが重要である。しかしながら、バインダ量を減少させることは、通常は電極の物理的強度も減少させることになる。
そこで、バインダとして例えばゴムバインダを用いる場合においては、ゴムバインダの粒径を調整して結着力を増加させる方法が特許文献1に記載されている。また、特許文献1に記載の方法において発生しうるバインダの偏在を抑制し、結着力増加とバインダの含有量の減少とを両立させる方法が特許文献2に記載されている。
特開平11−297313号公報 特開2009−245925号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、結着力を維持しつつゴムバインダの含有量を減少させることは困難である。その理由としては、本発明者らの検討によると、電極合剤乾燥中に、電極合剤に含有されるゴムバインダが電極表面、即ち集電体からより離れた位置に偏在するためであると考えられる。
また、このようなゴムバインダの偏在は、本発明者らの検討によると、電極合剤乾燥中に電極合剤中で対流が発生し、他の材料と比較して相対的に浮上しやすいゴムバインダが容易に電極表面に移動することによって起きるものと考えられる。特に、ゴムバインダの移動度はその粒径に依存する傾向があり、より小粒径であるほど移動度は高くなり、より大粒径であるほど移動度は低くなる傾向がある。
このように、特許文献1に記載の方法においては、ゴムバインダの粒径を小さなものとすることにより電極合剤中でゴムバインダの偏在が起きるため、含有させるゴムバインダの量を減少させることができず、ひいては電池容量の増加が困難となる。
また、特許文献2に記載の方法においては、基本的な構造及び比重が異なる複数の樹脂を電極合剤に混合していることから、電極合剤に含まれる分散媒の種類が当該樹脂の種類によって制限される可能性がある。
従って、例えば、電極合剤が樹脂からなるバインダを2種含有する場合、それぞれのバインダからなる層が集電体上で形成されて擬似的に二層構造となる可能性がある。このような場合、二層構造の界面付近で当該二層同士の結着力が特に低下し、電極の剥離が生じやすい可能性がある。また、明確な二層構造となっていなくとも、2種類のバインダについての物性の相違から、電極合剤層の柔軟性が厚さ方向に対して連続的に変化し、例えば集電体付近では柔軟性が高いものの、集電体から離れるに従って柔軟性が低く剛直な構造となる可能性がある。そして、このような場合には、電極が曲げ応力に対して脆い構造となり、力学的に信頼性の低い電極となる可能性がある。
特に、リチウムイオン二次電池を鉄道及び自動車等の車両搭載用途に用いる場合、電池の物理的な強度(具体的には、例えば電極合剤と集電体との密着性。即ち電極合剤の剥離強度。)を確保することは、電池が激しい振動に耐えるために特に重要である。また、高充放電容量を有しつつも軽量な電池を搭載して車両の軽量化を図ることも重要であり、電池容量に関与しないバインダの含有量をできる限り低減させることが望まれている。
しかしながら、電極中のバインダの含有量を減少させることにより電極の剥離強度が低下することがあることから、バインダの含有量を減少させつつも、剥離強度の低下を抑制することができる技術が求められている。
本発明は上記の課題を解決するべくなされたものであり、その目的は、バインダの含有量の低減と剥離強度の低下抑制とを両立させた電池を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、電極に異なる平均粒径を有するゴムバインダを特定量含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、バインダの含有量の低減と剥離強度の低下抑制とを両立させた電池を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電池が有する電極における、ゴムバインダと活物質との相対的な位置関係を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態に係る電池の内部構造の模式的な斜視図である。 ゴムバインダAの含有量に対する電極の剥離強度を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、適宜「本実施形態」と言う。)を詳細に説明するが、本実施形態は以下の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
また、以下の記載においては、電池の具体例として非水電解液二次電池(即ちリチウムイオン二次電池)を挙げて、本実施形態に係る電池の説明を行う。ただし、本実施形態に係る電池は非水電解液二次電池に限定されるものではなく、本実施形態に係る電池が有する電極は任意の電池に適用することができる。
本実施形態に係る電池は、少なくとも電極活物質と、当該電極活物質を結着するバインダと、を含む電極を有する電池であって、当該電極が、当該バインダとして平均粒径の異なる少なくとも2種のゴムバインダを含み、当該電極に含まれる当該ゴムバインダのうち、最大の平均粒径を有するゴムバインダの含有量が、当該ゴムバインダの全量に対して、30重量%以上であるものである。
[1.電池の構成]
[1−1.電極]
〔バインダ〕
本実施形態に係る電池が有する電極(以下、適宜「本実施形態に係る電極」と言う。)は、平均粒径の異なる少なくとも2種のゴムバインダを含むものである。ここで、本実施形態において、「ゴムバインダ」とは、二重結合を有する1種以上の単量体を重合して得られるゴムからなるバインダのことを言う。
なお、本実施形態に係る電極に含まれるゴムバインダの中で、最大の平均粒径を有するゴムバインダを「ゴムバインダA」、最小の平均粒径を有するゴムバインダを「ゴムバインダB」と言うことがある。
ゴムバインダA及びゴムバインダBの平均粒径は、ゴムバインダAの平均粒径がゴムバインダBの平均粒径よりも大きいものであって、本発明の効果を著しく損なわない限り、具体的には任意である。ただし、ゴムバインダA及びゴムバインダBの平均粒径は、それぞれ独立して、通常0.1μm以上、好ましくは0.12μm以上、また、その上限は、通常0.3μm以下、好ましくは0.25μm以下である。平均粒径がそれぞれ上記範囲にあることにより、電極合剤を集電体表面に塗布して電極合剤層を形成し電極を作製する際(具体的には後述する。)、塗布後の乾燥時にゴムバインダの外表面への過度な移動を抑制することができる。
なお、本実施形態において、ゴムバインダの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
ただし、ゴムバインダA及びゴムバインダBの平均粒径としては、ゴムバインダAの平均粒径が0.15μm以上であって、かつ、ゴムバインダBの平均粒径が0.15μm未満であることが好ましい。ゴムバインダA及びゴムバインダBのそれぞれの平均粒径が上記範囲にあると、それぞれのゴムバインダの入手が容易であるという利点がある。
また、ゴムバインダA及びゴムバインダBの平均粒径の差も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、また、その上限は、通常0.25μm以下、好ましくは0.2μm以下である。平均粒径の差が小さすぎる場合、発明の効果が過小となる可能性があり、大きすぎる場合、ゴムバインダBの寄与が発現しない可能性がある。
さらに、本実施形態に係る電極においては、ゴムバインダA(即ち最大の平均粒径を有するゴムバインダ)の含有量が、当該電極に含まれるゴムバインダの全量に対して、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、また、その上限は、通常95重量%以下、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。ゴムバインダAの含有量が多すぎる場合、電極の剥離強度が低下し、電池の性能が低下する可能性があり、また、少なすぎる場合、電極に含まれるゴムバインダの偏在が大きくなり、やはり剥離強度が低下して電池の性能が低下する可能性がある。
本実施形態に係る電極に含まれるゴムバインダは、その平均粒径の関係及び量的関係が上記関係を満たす限り、その他の物性、具体的な種類等は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。例えば、ゴムバインダのガラス転移温度Tgは、それぞれ独立して、通常−30℃以上、好ましくは−25℃以上、より好ましくは−20℃以上、また、その上限は、通常50℃以下、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下である。ガラス転移温度が上記範囲内にあることにより、電極の柔軟性及び剥離強度の低下を抑制することができる。なお、ガラス転移温度Tgは、TMA(熱機械分析)、DMA(動的粘弾性測定)等の方法に従って測定することができる。
ゴムバインダの種類としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、物性の制御を行いやすく、また、不純物が少ないという観点から、合成ゴムが好ましい。このような合成ゴムの具体的な種類としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)及びその変性体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム及びその変性体、アクリルゴム及びその変性体、フッ素ゴム等が挙げられる。中でも、本実施形態に係る電池に含まれるゴムバインダとしては、上記のものが好ましい。なお、ゴムバインダは、1種のみからなってもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせてなってもよい。
また、上記のものの中でも、電池が通常有する非水電解液及びリチウムイオン等に対する優れた化学的安定性、並びに当該電池の通常の使用温度である−30℃以上50℃以下における温度変化に対して弾性率の変化が少ないという観点から、本実施形態に係る電極に含まれるゴムバインダとしては、SBRが特に好ましい。
本実施形態に係る電極におけるゴムバインダの含有量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、乾燥後の電極合剤(即ち電極合剤層)中の組成として、通常0.5重量%以上、また、その上限は、通常10重量%以下であるが、電池の高容量化の観点から好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。ゴムバインダの量が少なすぎる場合、電極に通常含まれる集電体、活物質及び導電材を結着させることが困難となる可能性があり、電池の性能が低下する可能性がある。
また、本実施形態に係る電極は、ゴムバインダ以外のバインダを含んでもよい。このようなゴムバインダ以外のバインダとしては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意の物性を有するものを用いることができるが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。なお、ゴムバインダ以外のバインダは、1種が単独で含まれてもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで含まれてもよい。
本実施形態に係る電極がゴムバインダ以外のバインダを含む場合、本発明の効果を著しく損なわない限りその含有量は任意である。ただし、電極に含まれるバインダの総量に対する、含まれるゴムバインダの量は、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。含まれるゴムバインダの量が少なすぎる場合、得られる電極合剤層の柔軟性が損なわれる可能性がある。
〔その他の成分〕
本実施形態に係る電極は活物質(電極活物質)及びバインダを含むものであるが、これら以外に含まれうるその他の成分は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、本実施形態に係る電極は、上記のもののほかに、通常は集電体及び導電材を含む。
(集電体)
本実施形態に係る電極に通常含まれる集電体の物性及び種類については、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。例えば集電体の厚さは、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、その上限は、通常30μm以下、好ましくは20μm以下である。集電体の厚さが薄すぎる場合、電極の強度が低下し、電極が容易に破損する可能性があり、厚すぎる場合、電極の柔軟性が損なわれ、後工程での電池作製方法について制約が生じる可能性がある。
また、集電体の種類も本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常は導電性を有するものを用いる。このような導電性を有する集電体としては、例えば銅、アルミニウム等が好適に用いられる。なお、集電体は、1種が単独であってもよく、2種以上が任意の比率及び組み合わせで用いられてもよい。
また、集電体の形状も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常は箔状である。
(活物質)
さらに、本実施形態に係る電極に通常含まれる活物質の物性及び種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。以下、正極に含まれる正極活物質、及び負極に含まれる負極活物質に分けて、活物質の説明を行う。
・正極活物質
正極活物質は、電池が通常有する非水電解液中のリチウムイオンを吸蔵放出するものであり、電子を取り込むものである。正極活物質の物性及び種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。従って、非水電解液二次電池に好適に用いられる、公知の任意の物性を有する正極活物質を用いればよい。
正極活物質としては、リチウム酸化物等が好適なものとして挙げられる。このようなリチウム酸化物の具体例としては、コバルト酸リチウム,マンガン酸リチウム,ニッケル酸リチウム,リン酸鉄リチウム,リチウム複合酸化物(即ち、コバルト,ニッケル,マンガンからなる群より選ばれる2種以上の金属を含むリチウム酸化物)等が挙げられる。正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
・負極活物質
負極活物質は、電池が通常有する非水電解液中のリチウムイオンを吸蔵放出するものであり、電子を放出するものである。負極活物質の物性及び種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。従って、非水電解液二次電池に好適に用いられる、公知の任意の物性を有する負極活物質を用いればよい。ただし、本実施形態に係る負極活物質としては、黒鉛が特に好適である。負極活物質として黒鉛を用いることにより、大容量が要求される例えばプラグインハイブリッド自動車、電気自動車等の自動車用非水電解液二次電池を製造することができる。なお、負極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
(導電材)
導電材は、上記集電体と上記活物質との間での電子の授受を補助するものである。本実施形態に係る電極に通常含まれる導電材の物性及び種類は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。従って、非水電解液二次電池に好適に用いられる、公知の任意の物性を有する導電材を用いればよい。
このような導電材の具体例としては、アセチレンブラック、黒鉛等が挙げられる。導電材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
〔電極の剥離強度〕
図1は、本実施形態に係る電極における、活物質21とゴムバインダ22aとゴムバインダ22bとの相対的な位置関係を模式的に示した図である。図1においては、活物質及びゴムバインダ以外の記載を省略している。図1に示すように、本実施形態に係る電極においては、それぞれの活物質21が、平均粒径の大きいゴムバインダ(即ちゴムバインダA)22aと平均粒径の小さいゴムバインダ(即ちゴムバインダB)22bとにより接着されている。
そして、本実施形態に係る電極は、図1に示すように、平均粒径の異なる少なくとも2種のゴムバインダ22a及びゴムバインダ22bをそれぞれ特定の割合で含有させることにより、バインダの含有量を従来よりも減少させつつ、剥離強度の低下を抑制することができる。即ち、本実施形態においては、平均粒径の異なる少なくとも2種のゴムバインダを含有させることにより電極の剥離強度を従来よりも向上させることができる。従って、従来と同程度の剥離強度を維持するためには、従来よりも少ないバインダ含有量で足りることになる。
このように、平均粒径の異なる少なくとも2種のゴムバインダを特定の割合で電極に含有させることにより、バインダの含有量を減少させつつも剥離強度の低下を抑制することができる。その理由としては、本発明者らの検討によると、剥離強度向上が顕著な平均粒径の小さいゴムバインダ(即ちゴムバインダB)は、単独使用された場合には電極作製時の乾燥工程において偏在が顕著となる傾向が見られる。これに対し、偏在の傾向が低い、平均粒径の大きいゴムバインダ(即ちゴムバインダA)を共存させることで、ゴムバインダAとゴムバインダBとの親和性により、ゴムバインダBの偏在が抑制され、電極合剤層中に比較的均一にゴムバインダBが分布し、剥離強度の向上に寄与するためであると考えられる。
本実施形態に係る電極は剥離強度に優れるものである。具体的な電極の剥離強度は、通常10N/m以上、好ましくは30N/m以上、より好ましくは60N/m以上である。なお、剥離強度は、JIS C 0806−3 1999に基づいて測定することができる。
〔電極の適用範囲〕
本実施形態に係る電極は、正極若しくは負極のいずれか片方のみとして用いてもよく、正極及び負極の両方として用いてもよい。ただし、本実施形態に係る電極は、負極として用いることが好ましい。
[1−2.非水電解液]
本実施形態に係る電池は、上記バインダの他に、通常は非水電解液を有する。このような非水電解液は、リチウムイオンを上記活物質に対して吸蔵放出できるものであれば特に制限されない。
非水電解液は、通常は、非水溶媒と非水電解質とからなるものである。非水溶媒としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えば、カーボネート溶媒が好適なものとして挙げられる。カーボネート溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート(EC),プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC),メチルエチルカーボネート(MEC)等の鎖状カーボネート等が挙げられる。非水溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
また、非水電解液に含まれる非水電解質としても、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意のものを用いることができる。このような非水電解質の具体例としては、リチウム塩が特に好適である。このようなリチウム塩の具体例としては、フッ化リン酸リチウム(LiPF)、フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)等が挙げられる。なお、非水電解質も、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
[2.電池の製造方法]
本実施形態に係る電池は、上記の構成を有する限り、公知の任意の方法で製造することができる。以下、本実施形態に係る電池の製造方法を一例を挙げて説明するが、本実施形態に係る電位の製造方法は、以下に記載の方法に限定されるものではない。
[2−1.電極の製造方法]
本実施形態に係る電極は、例えば、集電体表面に、活物質、バインダ、導電材、分散媒及び必要に応じてその他の成分からなる電極合剤を塗布し、乾燥させて電極合剤層を形成することにより作製することができる。なお、バインダは、上記「[1−1.電極]の〔バインダ〕」において説明したものを用い、さらに、集電体、活物質及び導電材は、上記「[1−1.電極]の〔その他の成分〕」において説明したものを用いることができる。また、電極合剤中の各成分の量も、電極合剤層に含まれる各成分の量が上記[1−1.電極]において記載したものとなるように、適宜調整すればよい。
本実施形態に係る電極に含まれるゴムバインダとして好適に用いることができるSBRは、通常はスチレンとブタジエンとを共重合させることにより製造することができる。ただし、SBRに所望の物性を有させる観点から、共重合可能成分を適宜追加した系でSBRを合成してもよい。例えば、SBRのガラス転移温度(Tg)を所望のものとするためには、これらの原料比率を変更することで対応できる。具体的には、Tgを高くしたい場合にはスチレンの比率を高め、また、Tgを低くしたい場合にはブタジエンの比率を高めることで対応することが好ましい。また、例えばSBRの耐薬品性又は耐水性を向上させるために、アクリロニトリル、2−ビニルピリジン等の成分を共重合可能成分として用いることができる。
また、SBRは、通常は水中に分散された状態で保管されているため、SBRが分散された液体を通常は上記電極合剤に含有させることが好ましい。
電極合剤に通常含まれる分散媒の種類としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、例えばN−メチルピロリドン(NMP)、水等を用いることができる。分散媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。電極合剤における分散媒の量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電極合剤の全量に対して、通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、また、その上限は、通常70重量%以下、好ましくは65重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。分散媒の量が少なすぎる場合、電極合剤に含まれる各成分を適切に分散できずに集電体上で各成分が偏在する可能性があり、多すぎる場合、塗布後の乾燥に時間がかかりすぎる可能性がある。
電極合剤に必要に応じて含まれるその他の成分としては、例えば界面活性剤、消泡材、増粘剤等が挙げられる。電極合剤が界面活性剤を含有することにより、電極合剤に含まれるゴムバインダA及びゴムバインダBの分散安定性を向上させることができる。また、電極合剤が消泡剤を含有することにより、上記界面活性剤を含有させた電極合剤を塗布する際の泡立ちを抑制することができる。さらに、電極合剤が増粘剤を含有することにより、電極合剤の粘度を所望のものとすることができ、集電体への電極合剤の塗布が容易になる。
このような界面活性剤の具体例としては、n−ドデシル硫酸ナトリウム等が挙げられ、界面活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。また、消泡剤の具体例としては、n−オクタノール、ポリシロキサン等が挙げられ、消泡剤も1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。さらに、増粘剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられ、増粘剤も1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
上記の、活物質、バインダ、導電材、分散媒及び必要に応じてその他の成分を、公知の任意の方法により混合して、電極合剤を作製することができる。混合方法としては、各成分を均一に分散媒中に分散させることができ、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。
作製した電極合剤の固形分率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常35重量%以上、好ましくは45重量%以上、より好ましくは50重量%以上、また、その上限は、通常70重量%以下、好ましくは65重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。固形分率が小さすぎる場合、電極作製時、塗布乾燥の工程に時間がかかりすぎる可能性があり、大きすぎる場合、塗布性が低くなる可能性がある。なお、固形分率は、乾燥前の合剤重量に対する、電極合剤を加熱乾燥して分散媒等を蒸発させた後に残留する固形分の重量の比率を表す。
また、電極合剤の粘度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.5Pa・s以上、好ましくは1Pa・s以上、また、その上限は、通常100Pa・s以下、好ましくは10Pa・s以下である。粘度が小さすぎる場合、塗布乾燥の工程で流動し、均一な電極合剤層が得られない可能性があり、大きすぎる場合、塗布が困難となる可能性がある。なお、粘度は、JIS Z 8803準拠の粘度計等の測定装置を用いて測定することができる。
作製した電極合剤を集電体に塗布する際の塗布方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。具体的な塗布方法としては、例えばロール塗工法、スリットダイ塗工法等が挙げられる。なお、塗布は1種の方法のみによって行ってもよく、2種以上の方法を任意に組み合わせて行ってもよい。また、塗布は、1回のみ行ってもよく、例えば1回塗布した後乾燥させ、さらにその上に電極合剤を塗布してもよい。
電極合剤を電極に塗布する際の塗布量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、電極の片側表面積に対して、通常10g/m以上、好ましくは20g/m以上、より好ましくは30g/m、また、その上限は、通常500g/m以下、好ましくは350g/m以下、より好ましくは200g/m以下である。電極合剤の量が少なすぎる場合、電極作製のための塗布が困難となる可能性があり、多すぎる場合、作製した電極が剛直となる傾向を強め、電池組み立て工程での取り回しが困難となる可能性がある。
また、電極合剤を集電体に塗布した後の乾燥方法も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。また、乾燥時間も特に制限されず、電極合剤に含まれる活物質等を集電体に十分に固定できる程度まで乾燥すればよい。
また、本実施形態に係る電池が有する非水電解液も、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の方法で作製することができる。例えば、上記[1−2.非水電解液]において説明した非水電解質を、所望の濃度となるように非水溶媒に溶解させて非水電解液を作製することができる。
以上のように作製した、電極及び非水電解液を組み合わせ、所望の電池を製造すればよい。
[3.電池の構造]
上記電極及び非水電解液を用いた電池の具体的な構造を、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の記載及び図面に記載の内容は、本実施形態に係る電池の構造のあくまでも一例に過ぎず、本実施形態に係る電池の構造は、以下の記載及び図面に記載の内容に限定されるものではない。
図2は、本発明の一実施形態(第一実施形態)に係る電池の内部構造の模式的な斜視図である。図2に示す第一実施形態に係る電池100は、電池容器1と、ガスケット2と、上蓋3と、上蓋ケース4と、正極集電板5と、負極集電板6と、電極群8と、正極リード9と、からなっている。
電池容器1は、正極集電板5、負極集電板6、電極群8、正極リード9及び非水電解液(図示しない。)を収納するものである。本実施形態に係る電池100において、電池容器1は円筒形状となっているが、角型形状であってもよい。また、電池容器1の材質としては、収納される非水電解液により腐食されない金属を用いることが好ましい。
ガスケット2は、電池容器1と上蓋ケース4との間に設けられるものである。ガスケット2により、電池容器1が密封され、かつ、電池容器1と上蓋3及び上蓋ケース4とが電気的に絶縁されたものとなる。ガスケット2の材質は、例えば弾性樹脂等の公知の封止部材を用いることができる。
上蓋3は、電池100により得られた電力を外部に取り出す外部端子、具体的には正極外部端子である。
上蓋ケース4は、上蓋3と同一の材質により一体となって形成され、上蓋3と上蓋ケース4とは電気的に導通されたものとなっている。上蓋3及び上蓋ケース4の材質としては、導電性を有する金属を用いることができる。また、上蓋ケース4と正極集電板5とは、金属からなる正極リード9を介して電気的に接続されている。
正極集電板5及び負極集電板6は、それぞれ、後述する正極タブ12及び負極タブ13と電気的に接続されている。この電気的な接続は、例えば超音波溶接等により行うことができる。また、正極集電板5及び負極集電板6の中央部には孔が設けられており、軸心7(後述する。)が当該孔に嵌められることにより、正極集電板5及び負極集電板6を軸心7に対して固定している。正極集電板5及び負極集電板6の材質としては、導電性を有する金属が用いられる。
また、負極集電板6は、電池容器1の底部と電気的に接続され、電池容器1の底部が電池100にて得られた電力を外部に取り出す端子、具体的には負極外部端子として機能している。従って、電池容器1の底部と側面部とは、絶縁体(図示しない。)で相互に絶縁されたものとなっている。
軸心7は、電極群8の中心部に位置するものであり、正極電極14、負極電極15及びセパレータ18を捲回させるものである。また、軸心7の上下端部においては、正極集電板5及び負極集電板6を軸心7が貫通したものとなっている。軸心の形状は任意であるが、第一実施形態においては中空状の円柱を用いている。また、その材質としては、導電性を有さない、若しくは導電性が著しく低い例えば樹脂等を用いることができる。
電極群8は、セパレータ18と、乾燥後の正極合剤(乾燥正極合剤;即ち、正極合剤層)16がその両面に設けられた正極電極14と、乾燥後の負極合剤(乾燥負極合剤;即ち、負極合剤層)17がその両面に設けられた負極電極15とが、セパレータ18を介して交互に積層されている。そして、その最外周には、セパレータ18が設けられている。そして、電極群8は、その最外周の設けられたセパレータ18に対して捲回部材19により固定され、電極群8の捲回が解けないようになっている。また、正極電極14の上部には正極タブ12が設けられ、さらに負極電極15の下部には負極タブ13が設けられている。
正極タブ12及び正極電極14はアルミニウム等の金属からなるものであり、上記[1−1.電極]において説明した集電体に相当するものである。そして、正極電極14の両表面には乾燥正極合剤16が設けられている。乾燥正極合剤16は、正極合剤を正極電極14に塗布後に乾燥させたものである。正極合剤は、上記[2.電池の製造方法]において説明した電極合剤に相当するものである。
また、負極タブ13及び負極電極15は、銅等の金属からなるものであり、上記[1−1.電極]において説明した集電体に相当するものである。そして、負極電極15の両表面には乾燥負極合剤17が設けられている。乾燥負極合剤17は、負極合剤を負極電極15に塗布後に乾燥させたものである。負極合剤は、上記[2.電池の製造方法]において説明した電極合剤に相当するものである。
さらに、正極電極14と負極電極15とは、セパレータ18を介して設けられている。セパレータ18は、多孔質かつ絶縁性を有するものであり、リチウムイオン二次電池に用いることができる、公知の任意のセパレータを用いることができる。
本実施形態に係る電池100は、上記及び図2に示す構成を有することにより、電池容器1の外部から充電、若しくは電池容器1の外部へ放電することができる。即ち、例えば電池100の放電時には、電極群8の負極電極15にて発生した電子は、負極タブ13、負極集電板6及び電池容器1の底部をこの順で経由して外部に取り出される。一方で、上蓋3、上蓋ケース4、正極リード9及び正極タブ12を介して、外部から電極群8の正極電極14に電子が到達するようになっている。
[4.本実施形態に係る電池の用途]
本実施形態に係る電池は、公知の任意の用途に用いることができる。特に、本実施形態に係る電池が有する電極は、その剥離強度に優れるという利点を有するため、優れた剥離強度が要求される用途、例えば、使用時に激しい振動に晒される鉄道、自動車(電池容量が通常が3.5Ah以上)等に搭載する電池として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本実施形態をより詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
〔実施例1〕
黒鉛と、ゴムバインダA(平均粒径0.17μm)と、ゴムバインダB(平均粒径0.12μm)と、カルボキシメチルセルロース(数平均重合度1500、エーテル化度0.7)とを、重量比で98:0.75:0.25:1となるように混合し、水100mlに分散させて電極合剤を作製した。作製した電極合剤の固形分率は50重量%、粘度は3500mPa・sであった。なお、粘度は、JIS Z 8803準拠の円錐平板型粘度計を用いて測定した。そして、作製した電極合剤を、厚さ10μmの銅箔の表面に、塗布量が100g/mとなるようにロール塗工法により塗布して十分に乾燥させ、電極を作製した。
作製した電極表面に幅18mmの粘着テープを貼付し、その一端を剥離させ、剥離強度を評価した。剥離強度の評価方法は、JIS C 0806−3 1999に準拠し、180°剥離にて測定した。測定された剥離強度は、84.4N/m(86.1gf/10mm)であった。
〔実施例2〕
電極合剤における各成分の含有量を、重量比で98:0.5:0.5:1としたこと以外は実施例1と同様にして電極を作製し、剥離強度を評価した。作製した電極合剤の固形分率は50重量%、粘度は3600mPa・sであった。また、測定された剥離強度は、79.0N/m(80.6gf/10mm)であった。
〔比較例1〕
電極合剤にゴムバインダBを含有させず、黒鉛と、ゴムバインダAと、カルボキシメチルセルロースとを、重量比で98:1:1としたこと以外は実施例1と同様にして電極を作製し、剥離強度を評価した。作製した電極合剤の固形分率は50重量%、粘度は3400mPa・sであった。また、測定された剥離強度は、77.6N/m(79.2gf/10mm)であった。
〔比較例2〕
電極合剤にゴムバインダAを含有させず、黒鉛と、ゴムバインダBと、カルボキシメチルセルロースとを、重量比で98:1:1としたこと以外は実施例1と同様にして電極を作製し、剥離強度を評価した。作製した電極合剤の固形分率は50重量%、粘度は3800mPa・sであった。また、測定された剥離強度は、76.2N/m(77.8gf/10mm)であった。
〔比較例3〕
電極合剤における各成分の含有量を、重量比で98:0.25:0.75:1としたこと以外は実施例1と同様にして電極を作製し、剥離強度を評価した。作製した電極合剤の固形分率は50重量%、粘度は3600mPa・sであった。また、測定された剥離強度は、77.6N/m(79.2gf/10mm)であった。
実施例1及び2並びに比較例1〜3における、電極合剤の組成及び剥離強度を表1にまとめた。また、ゴムバインダAの含有量に対する電極の剥離強度のグラフを図3に示す。
Figure 2012014929
表1及び図3に示すように、ゴムバインダA及びゴムバインダBの両方が電極合剤に含まれる場合には、ゴムバインダBのみを含有する電極合剤(比較例2)と比べて高い剥離強度を示した。ゴムバインダAの含有量が25%の電極合剤(比較例3)と、ゴムバインダAの含有量が100%の電極合剤(比較例1)とは、それらの電極合剤を用いた電極の剥離強度は同じ値を示した(77.6N/m)。ゴムバインダAの含有量が25重量%未満の電極合剤(比較例2)を用いた場合の剥離強度は、ゴムバインダAのみを含有する電極合剤(比較例1)の場合の剥離強度と比べて、低い傾向にあることが分かった。
そして、ゴムバインダAの含有量が25重量%より大きく75重量%までは剥離強度が上昇する傾向が顕著に見られた(図3参照)。特に、含有量が75重量%の電極合剤(実施例1)において、剥離強度が最大となった。また、含有量が75重量%を超えると剥離強度は減少する傾向にあった。
以上のように、平均粒径の異なる少なくとも2種のゴムバインダを含んだ電極において、最大の平均粒径を有するゴムバインダの含有量が、含まれるゴムバインダの全量に対して30重量%以上である場合、その剥離強度が特に優れることがわかった。図3に示すように、ゴムバインダAの含有量が50〜95重量%の場合により剥離強度が向上し、とりわけ60〜90重量%とすることで、特に剥離強度が向上する。従って、従来の技術である比較例1及び2の技術(即ち、1種のゴムバインダのみを含有させた電極)、又は最大の平均粒径を有するゴムバインダの含有量が、含まれるゴムバインダの全量に対して25重量%以下の比較例3の技術と同程度の剥離強度を達成しようとする場合、実施例1及び2の技術(即ち平均粒径の異なる2種のゴムバインダを本実施形態で規定する割合で含有させた電極)によって、含有させるゴムバインダの量を低減させることができる。従って、ゴムバインダの含有量を低減させた量だけ活物質を電極に含有させることができるようになる。即ち、従来と同程度の剥離強度を維持しつつも、従来よりも多くの活物質を含有させることにより、従来よりも高い充放電容量を達成することが可能となる。
また、剥離強度に優れる電極は振動に対する信頼性が高く、本実施形態に係る電極を用いた電池は、特に鉄道、自動車用等の激しい振動に晒される用途に好適に用いることができる。
1 電池容器
2 ガスケット
3 上蓋
4 上蓋ケース
5 正極集電板
6 負極集電板
7 軸心
8 電極群
9 正極リード
12 正極タブ
13 負極タブ
14 正極電極
15 負極電極
16 乾燥正極合剤
17 乾燥負極合剤
18 セパレータ
19 捲回部材
100 電池(非水電解質二次電池)
21 活物質
22a,22b バインダ

Claims (6)

  1. 少なくとも電極活物質と、該電極活物質を結着するバインダと、を含む電極を有する電池であって、
    該電極が、該バインダとして平均粒径の異なる少なくとも2種のゴムバインダを含み、
    該電極に含まれる該ゴムバインダのうち、最大の平均粒径を有するゴムバインダの含有量が、該ゴムバインダの全量に対して、30重量%以上であることを特徴とする、電池。
  2. 該ゴムバインダの中で、
    該最大の平均粒径を有するゴムバインダの平均粒径が0.15μm以上であり、
    最小の平均粒径を有するゴムバインダの平均粒径が0.15μm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の電池。
  3. 該ゴムバインダの中で、
    該最大の平均粒径を有するゴムバインダにおける該最大の平均粒径と、最小の平均粒径を有するゴムバインダにおける該最小の平均粒径との差が、0.05μm以上0.2μm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電池。
  4. 該電極が、集電体と、該集電体表面に形成された該ゴムバインダを含む電極合剤層と、を有し、
    該ゴムバインダの含有量は、該電極合剤層中、0.5重量%以上2重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の電池。
  5. 該ゴムバインダは、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム及びその変性体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム及びその変性体、アクリルゴム及びその変性体、フッ素ゴムからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の電池。
  6. 該最大の平均粒径を有するゴムバインダの含有量が、該ゴムバインダの全量に対して、50重量%以上95重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の電池。
JP2010149593A 2010-06-30 2010-06-30 電池 Pending JP2012014929A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010149593A JP2012014929A (ja) 2010-06-30 2010-06-30 電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010149593A JP2012014929A (ja) 2010-06-30 2010-06-30 電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012014929A true JP2012014929A (ja) 2012-01-19
JP2012014929A5 JP2012014929A5 (ja) 2013-05-16

Family

ID=45601126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010149593A Pending JP2012014929A (ja) 2010-06-30 2010-06-30 電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012014929A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013058362A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Toyota Motor Corp 二次電池用電極の製造方法
KR20130111387A (ko) 2012-03-30 2013-10-10 니폰 에이 엔 엘 가부시키가이샤 전지 전극용 바인더 및 이 바인더를 함유하는 조성물 및 전극
KR20160084053A (ko) * 2015-01-05 2016-07-13 주식회사 엘지화학 리튬 이차전지용 바인더 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
CN111194502A (zh) * 2017-10-12 2020-05-22 富士胶片株式会社 全固态二次电池用粘合剂组合物、含固体电解质的片材及全固态二次电池、以及含固体电解质的片材及全固态二次电池的制造方法
US12009520B2 (en) 2018-04-26 2024-06-11 Samsung Sdi Co., Ltd. Secondary lithium battery anode and secondary lithium battery including same

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040228A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Jsr Corp エネルギーデバイス電極用バインダー組成物、エネルギーデバイス電極用スラリー並びにエネルギーデバイス電極およびその製造方法
JP2010182626A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Sanyo Electric Co Ltd 非水系二次電池用負極電極

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040228A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Jsr Corp エネルギーデバイス電極用バインダー組成物、エネルギーデバイス電極用スラリー並びにエネルギーデバイス電極およびその製造方法
JP2010182626A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Sanyo Electric Co Ltd 非水系二次電池用負極電極

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013058362A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Toyota Motor Corp 二次電池用電極の製造方法
KR20130111387A (ko) 2012-03-30 2013-10-10 니폰 에이 엔 엘 가부시키가이샤 전지 전극용 바인더 및 이 바인더를 함유하는 조성물 및 전극
KR20160084053A (ko) * 2015-01-05 2016-07-13 주식회사 엘지화학 리튬 이차전지용 바인더 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
CN111194502A (zh) * 2017-10-12 2020-05-22 富士胶片株式会社 全固态二次电池用粘合剂组合物、含固体电解质的片材及全固态二次电池、以及含固体电解质的片材及全固态二次电池的制造方法
JPWO2019074075A1 (ja) * 2017-10-12 2020-10-22 富士フイルム株式会社 全固体二次電池用バインダー組成物、固体電解質含有シート及び全固体二次電池、並びに、固体電解質含有シート及び全固体二次電池の製造方法
US11489163B2 (en) 2017-10-12 2022-11-01 Fujifilm Corporation Binder composition for all-solid state secondary battery, solid electrolyte composition, solid electrolyte-containing sheet, all-solid state secondary battery, method of manufacturing solid electrolyte-containing sheet, and method of manufacturing all-solid state secondary battery
CN111194502B (zh) * 2017-10-12 2023-05-05 富士胶片株式会社 全固态二次电池用粘合剂组合物以及含固体电解质片材、全固态二次电池和两者的制造方法
US12009520B2 (en) 2018-04-26 2024-06-11 Samsung Sdi Co., Ltd. Secondary lithium battery anode and secondary lithium battery including same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5167703B2 (ja) 電池用電極
JP5316905B2 (ja) リチウム二次電池
JP4794619B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極の製造方法及びリチウムイオン二次電池の製造方法、並びに、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池
WO2009087731A1 (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP5736049B2 (ja) 非水電解液二次電池
US20140106237A1 (en) Lithium secondary battery including water-dispersible binder, conduction agent, and fluoroethylenecarbonate
JP2009043641A (ja) 非水電解質電池及びこの電池に用いられる負極
JP5601361B2 (ja) 電池用電極
JP2013140977A (ja) 電極、その製造方法、及びこれを含む電気化学キャパシタ
JP2016207636A (ja) リチウムイオン電池用陽極及びこれを利用したリチウムイオン電池
JP6801167B2 (ja) 非水電解質二次電池用電極
JP2012014929A (ja) 電池
JP5985161B2 (ja) 集電体、電極構造体、非水電解質電池及び蓄電部品
WO2012147647A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6202107B2 (ja) 電気デバイス
JP2008300148A (ja) 二次電池用負極
JP2015204282A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
WO2011074663A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP2014026824A (ja) 非水電解質二次電池
JP2012129083A (ja) 非水電解液二次電池
JP2019079755A (ja) 非水電電解質用負極、その製造方法、及びそれを用いた非水電解質二次電池
JP5880942B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP6130018B2 (ja) 集電体、電極構造体、非水電解質電池及び蓄電部品
JP6428151B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極及びそれを用いたリチウムイオン二次電池
WO2013018159A1 (ja) 集電体、電極構造体、非水電解質電池、蓄電部品、硝化綿系樹脂材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131022

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140311