JP2019079755A - 非水電電解質用負極、その製造方法、及びそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電電解質用負極、その製造方法、及びそれを用いた非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 デンドライト生成を抑制でき、かつ、寿命特性に優れた、非水電解質負極を提供することを目的とする。【解決手段】 上記課題を解決するために、本発明に係る非水電解質二次電池用負極は、金属リチウムと、金属リチウムの表面に圧着された不織布とを備え、不織布は金属又は合金を含む導電性繊維で構成されており、不織布の表面は、導電性繊維の断面ではなく導電性繊維の側面が露出していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用の金属リチウム負極、その製造方法、及びそれを用いた非水電解質二次電池に関する。
非水電解質二次電池は、電気自動車や、ウェアラブル端末等の小型機器の長時間駆動を実現するため、さらなる高エネルギー密度化が要求されている。
現在、負極活物質には、黒鉛やシリコン等が広く用いられている。黒鉛やシリコンはリチウムの挿入脱離を繰り返し性能に優れ、比較的高容量かつ低電位であるためである。しかしながら、特に電気自動車や、ウェアラブル端末等の小型機器における長時間駆動の要求の高まりから、高容量な負極活物質が求められている。
高容量な負極活物質として、一次電池ではすでに実用化されている金属リチウムが注目されている。金属リチウムは、電位が最も低く、かつ理論容量は3860mAh/gと黒鉛の10倍にも及ぶことから最も理想的な負極活物質といえる。
しかしながら、金属リチウムには、表面に生じた欠陥等に電流が集中することにより、充放電時にデンドライト状のリチウムが発生するという課題がある。充放電によってデンドライトの溶解析出が繰り返されると、電解液の還元分解物の堆積による抵抗上昇がおこる。さらにはデンドライト成長により短絡が起こる虞もある。また、Li溶解時と析出時の金属リチウムの厚さが変化するため、電極群の膨張収縮が大きいという課題もあった。
非特許文献1には、金属リチウムにステンレス鋼からなる繊維金属フェルト(FMF)を圧着した負極が開示されている。
Hongkyung Lee et al., Scientific Reports 6, 30830(2016)
非特許文献1に開示された負極は、表面に断面が露出している繊維金属フェルト(FMF)を用いている。このようなFMFは、露出した繊維の断面が、膨張収縮による圧力でセパレータを傷つける虞がある。セパレータが傷ついた場合、当該箇所の抵抗が低下するため、電極内面の抵抗に分布が生じ、電流集中により短絡する虞がある。
そこで、本発明は金属リチウム負極の短絡を抑制し、かつ寿命特性を向上することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る非水電解質二次電池用負極は、金属リチウムと、金属リチウムの表面に圧着された不織布とを備え、不織布は金属又は合金を含む導電性繊維で構成されており、前記不織布の表面は前記導電性繊維の側面が露出していることを特徴とする。
本発明によれば、デンドライト生成を抑制でき、かつ、寿命特性に優れた、非水電解質負極を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る負極の断面図である。 本発明の一実施形態に係る負極の作製方法を示す図である。 実施例1に係る対称セルの断面図である 実施例1に係る非水電解質二次電池の断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る金属リチウム負極、および非水電解質二次電池について説明する。本発明における金属リチウム負極、および本金属リチウム負極を適用して作製された非水電解質二次電池は、下記に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲内において適宜変更して実施できる。
<負極>
図1に本発明の一実施形態に係る負極の断面図を示す。負極10は、金属リチウム11と、金属リチウムの表面に圧着された不織布12と、を備える。
図1において金属リチウム11は、金属リチウム箔でもよいし、リチウムと反応しないステンレス鋼、銅などの金属箔上に金属リチウム箔を圧着したものでもよい。
金属リチウム11の厚さは、ロールtoロール装置(Roll to Roll装置)で扱える柔軟性と強度を有する厚さであればよい。具体的には、30μm以上1mm以下であることが好ましい。
不織布12は、導電性繊維が3次元的にネットワークを形成したものであればよい。導電性繊維は、金属又は合金を含む。負極に金属リチウムを用いた場合、電場が不均一であるとリチウムがデンドライト状に析出し、これが抵抗上昇、Li失活をもたらす。金属リチウムの表面に、導電性繊維により3次元的にネットワークを形成すると、リチウム析出時の電流分布が均等化されデンドライトの成長が抑制される。また、3次元ネットワークにより形成される空隙にリチウムが析出することで、金属リチウム負極の膨張収縮が抑制される。
不織布12の表面には、導電性繊維の断面ではなく側面が、不織布の表面に略平行に露出している。不織布の表面に凹凸やささくれがあると、膨張収縮による圧力でセパレータを傷つけてしまう虞がある。部分的にでもセパレータが裂けた場合、当該箇所の抵抗が低下するため、電極面内の抵抗に分布が生じ、電流集中により短絡する。不織布の表面に、導電性繊維の断面ではなく側面を露出させることにより、セパレータに対して平行な面が露出するため、圧着時にセパレータを傷つける可能性を低減できる。その結果、短絡を抑制でき、長寿命なLi負極を提供できる。
導電性繊維の断面は扁平形状又は矩形であることが好ましい。繊維の断面を扁平形状又は長方形とすることにより、不織布の表面の繊維がセパレータを傷つけることを抑制することができる。不織布の繊維の断面形状は繊維の製造方法により調整できる。
導電性繊維は、リチウムイオンを吸収・吸蔵しない材料であることが好ましい。導電性繊維として、活性炭などのリチウムイオンを吸着する材料を用いた場合、金属リチウム負極の電位0V(vsLi/Li+)よりも高くなり、電池電圧を低下によるエネルギー密度低下の虞があるためである。
導電性繊維を構成する材料としては、例えば、銅、ニッケル、亜鉛、金、銀、あるいはこれらを含む合金、ステンレス鋼などを用いることができる。ポリマー、ガラス、及びカーボン繊維表面に、上述した金属をコーティングしたものを不織布として用いてもよい。
不織布の繊維径は、直径50μm以下であることが好ましい。不織布の繊維径が大きいと、表面積が小さくなることで電流分布の均一性が損なわれ、充分なデンドライト抑制効果が得られないためである。
不織布の目付け(単位面積当たりの質量)は、50g/m以上250g/m以下であることが好ましい。不織布の面積を50g/m以上とすることにより、リチウム析出時の電流分布の均等化の効果を充分に得ることができる。不織布の目付けを250g/m以下とすることにより、析出した金属リチウムが不織布表面にまで及ぶことにより金属リチウム負極の膨張収縮を抑制することができる。
なお、不織布の密度(目付け)及び厚さは、正極の容量に合わせて選択すべきである。層状酸化物系、スピネル系、オリビン系のインサーション型正極や、硫黄や硫黄化合物、またはコンバージョン型正極のフッ化鉄、および遷移金属酸化物系を用いる場合には、不織布の密度は50g/m以上250g/m以下、厚さは30μm以上100μm以下であることが好ましい。
不織布は、金属リチウム側の表面に中空構造を保持していることが好ましい。金属リチウム表面に中空構造を保持することにより、金属リチウムの膨張収縮の影響を低減することができる。
<負極の製造方法>
本発明の一実施形態に係る負極は、金属リチウムの表面に不織布を重ねて、ロールプレス機でプレスすることにより作製することができる。図2に金属リチウム負極の製造方法の一例を示す、不活性ガス雰囲気のグローブボックス内にて、不織布12と金属リチウム11を重ねてロールプレス機20でプレスすることで金属リチウム上に不織布を圧着できる。
ロールプレス機の上下ロールのギャップは、金属リチウムと不織布の合計厚さに対して、70%以上90%以下となるように調整する。ギャップを金属リチウムと不織布の合計厚さに対して70%未満に設定すると、金属リチウムの圧延に不織布が追随できず、不織布にクラックが生じてしまう。また、不織布が金属リチウムに完全に埋め込まれることでリチウム析出を担う空隙を失ってしまう。金属リチウムと不織布の圧着時の圧力を調整することにより、金属リチウム表面で中空構造を保持したまま金属リチウムと不織布を圧着することができる。その結果リチウム析出を担う空隙を保持することができる。ギャップを金属リチウムと不織布の合計厚さに対して90%超に設定すると、不織布が金属リチウムに充分に圧着されず、不織布が金属リチウムから剥がれてしまう。
<非水電解質二次電池>
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解質と、正極と負極とを分離するセパレータとを備える。負極は、上述した金属リチウム負極である。
(正極)
正極は、正極集電体と、正極集電体の表面に設けられた正極合剤層と、から構成される。正極は、正極活物質、バインダ、導電助剤などを溶媒に分散させた正極合剤スラリーを、正極集電体の表面に塗布、乾燥、プレスすることにより得られる。
正極活物質としては、リチウムイオンを挿入脱離することができ、負極活物質である金属リチウム負極よりも電位が高いものから任意に選択することができる。例えば、正極活物質としては、リチウム層状酸化物系のLiMeO(Me:遷移金属のNi、Co、Mn、その他金属のAl、Mg、Ti等が任意の配合比で固溶したもの。)や、オリビン系のLiMePO(Me:遷移金属のNi、Co、Mn、Feが任意の比率で固溶したもの。)、またスピネル系のLiMe((Me:遷移金属のNi、Co、Mn、Feが任意の比率で固溶したもの。)等に代表されるインサーション型の遷移金属酸化物が用いられる。
高容量であり、初期状態で負極側にリチウムを有するという金属リチウム負極の利点を生かすことができる正極活物質としては、硫黄や硫黄化合物、またはフッ化鉄や遷移金属酸化物に代表されるコンバージョン型の高容量正極が用いられる。これら正極活物質は高容量である一方で、初期状態でリチウムを有していないことから、金属リチウム負極との相性が良く、さらには非水電解質二次電池のエネルギー密度を飛躍的に向上することが可能となる。
バインダとしては、非水電解質二次電池内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体またはそのNa+イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体またはそのNa+イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体またはそのNa+イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体またはそのNa+イオン架橋体などが使用可能である。これらを単独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよい。これらの中では、非水電解質二次電池での安定性や、特性への影響などを考慮すると、PVDFまたはアクリル系の材料が好ましい。
導電助剤としては、非水電解質二次電池内で化学的に安定なものであれば、無機材料、有機材料のいずれでもよい。例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などのグラファイト、単層または多層のカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン、VGCF、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維、アルミニウム粉などの金属粉末、フッ化炭素、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどからなる導電性ウィスカー、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などが使用可能である。これらを単独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよい。これらの中では、導電性の高い黒鉛と、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。
正極集電体の材料は、非水電解質二次電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。上記材料の中では、軽量で導電性が高いことから、アルミニウムまたはアルミニウム合金が好ましい。
(セパレータ)
本発明の非水電解質二次電池に係るセパレータには、通常の非水電解質二次電池で使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。
また、前記の微多孔膜の表面に、耐熱性の無機フィラーを含有する耐熱性の多孔質層を形成した積層型のセパレータを用いてもよい。このような積層型のセパレータを用いた場合には、電池内の温度が上昇してもセパレータの収縮が抑制されて、正極と負極との接触による短絡を抑えることができるため、より安全性の高い非水電解質二次電池とすることができる。
耐熱性の多孔質層に含有させる無機フィラーとしては、ベーマイト、アルミナ、シリカなどが好ましく、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。
また、耐熱性の多孔質層には、前記の無機フィラー同士を結着したり、耐熱性の多孔質層と微多孔膜とを接着したりするためのバインダを含有させることが好ましい。バインダには、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などを用いることが好ましく、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。
セパレータ(ポリオレフィン製の微多孔膜からなるセパレータや、前記積層型のセパレータ)の厚みは、例えば、10〜30μmであることが好ましい。また、前記積層型のセパレータの場合、耐熱性の多孔質層の厚みは、例えば、3〜8μmであることが好ましい。
(非水電解質)
非水電解質には、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液(非水電解液)を用いることができる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLi+イオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限はない。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbFなどの無機リチウム塩、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiCnF2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩などを用いることができる。
非水電解液に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。また、これらの非水電解液に充放電サイクル特性の改善、高温保存特性や過充電防止などの安全性を向上させる目的で、無水酸、スルホン酸エステル、ジニトリル、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤(これらの誘導体も含む)を適宜加えることもできる。
このリチウム塩の非水電解液中の濃度は、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
また、前記の非水電解液に公知のポリマーなどのゲル化剤を添加してゲル状としたもの(ゲル状電解質)や、公知のイオン液体を本発明の非水電解質二次電池に使用してもよい。
上述した金属リチウム負極を用いることで、金属リチウムの溶解析出によるデンドライト生成および膨張収縮を抑制することで、高エネルギー密度かつ寿命特性に優れた、非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明における非水電解質二次電池は、電極以外の構成、構造については特に制限はなく、以下の実施例になんら限定されるものではない。
<金属リチウム負極の作製>
図1に示すような、金属リチウム11に、不織布12を圧着させた金属リチウム負極10をロールプレス機を用いて作製した。金属リチウムは厚み1mmを用いた。
不活性ガス雰囲気のグローブボックス内にて、不織布と金属リチウムを重ねてロールプレス機でプレスすることで金属リチウム上に不織布を圧着した。このときの不織布の材質、繊維径、厚さ、目付およびロールプレス時のギャップについては、表1に記載した通りである。なお、実施例1〜6では、繊維の断面が扁平形状の不織布(日工テクノ社製)を用いた。
ロールプレス機により金属リチウム上に不織布が圧着されたものを、ベルトポンチで直径13mmに打ち抜き金属リチウム負極を得た。作製された金属リチウム負極の表面を観察した結果、繊維の断面は露出していないこと、繊維の側面が不織布の表面に対して略平行に露出していることが確認できた。
<対称セルの作製>
上記金属リチウム負極を用いて、図3に示すような、直径20mm、厚み3.2mmのコイン型電池を作製した。図3のコイン型電池は、ポリプロピレン(PP)製の厚さ30μmのセパレータ35を、作製した負極10の間に挟み、負極10を対向させた電極を、ステンレス製の正極側電池ケース30と負極側電池ケース31との間に収納し、ウェーブワッシャー33及びスペーサ34を積層し、電解液を充填した構造となっている。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:2の割合で混合した混合溶媒を用い、1mol/LのLiPFを添加した電解液を100μL滴下した。両電池ケースの周囲をガスケット32を介してかしめることで、対称セルを作製した。
<対称セルのサイクル特性評価>
作製したコイン型の対称セルを用いて、サイクル特性の評価を行った。具体的には、電流密度0.5mA/cmの定電流で、容量0.5mAh/cmを終止条件とした充放電を100サイクル繰り返した後に、過電圧を測定し、抵抗上昇を評価した。
<非水電解質二次電池の作製>
正極活物質にはLiCoOで表されるリチウム含有複合酸化物95質量部と、導電助剤であるケッチェンブラック3質量部と、バインダであるPVDF2質量部と、脱水NMPとを、プラネタリーミキサーで混合してスラリーを調製した。この正極合剤層形成用スラリーを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる集電体に塗布し、乾燥後にプレス処理を行って、片面あたりの厚みが72.5μmの正極合剤層を集電体に形成した。ベルトポンチで直径13mmに打ち抜き正極を得た。
作製した負極及び正極を用いて、図4に示すような、直径20mm、厚み3.2mmのコイン型電池を作製した。図4のは、ポリプロピレン(PP)製の厚さ30μmのセパレータ35を、作製した負極10と正極36の間に挟み、負極10と正極36とを対向させた電極を、ステンレス製の正極側電池ケース30と負極側電池ケース31との間に収納し、ウェーブワッシャー33及びスペーサ34を積層し、電解液を充填した構造となっている。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:2の割合で混合した混合溶媒を用い、1mol/LのLiPFを添加した電解液を100μL滴下した。両電池ケースの周囲をガスケット32を介してかしめることで、対称セルを作製した。
<非水電解質二次電池のサイクル特性評価>
作製したコイン型の非水電解質二次電池を用いて、サイクル特性の評価を行った。具体的には、電流密度1C定電流で、充電電圧4.3V、放電電圧2.5Vを終止条件とした充放電を繰り返し、100サイクル後の容量維持率を評価した。
(比較例1)
導電性繊維からなる不織布を用いなかったこと以外、実施例1と同様にして金属リチウム負極、対称セル、非水電解質二次電池を作製し、対称セルの過電圧及び非水電解質二次電池の容量低下率を評価した。
(比較例2)
金属リチウム負極作製時のロールプレス機の上下のロールのギャップを0.5μmにしたこと以外実施例1と同様にして金属リチウム負極、対称セル、非水電解質二次電池を作製し、対称セルの過電圧及び非水電解質二次電池の容量低下率を評価した。
Figure 2019079755
実施例1〜6の対称セルは、比較例1の対称セルに比べて100サイクル後の過電圧が小さかった。この結果から、金属リチウム上に導電性繊維で構成された不織布を圧着することにより、抵抗上昇を抑制できることが分かった。また、実施例1〜6の非水電解質二次電池は、比較例1、2の非水電解質二次電池に比べ容量維持率が高い。実施例1〜6の非水電解質二次電池は、平滑な金属リチウム表面よりも、不織布による3次元ネットワーク内でリチウムを溶解析出させることで抵抗上昇が抑制されることがわかった。
比較例2は、金属リチウム上に実施例1と同様の導電性繊維を圧着しているにもかかわらず、実施例1と比較すると対称セルの過電圧が大きく、容量維持率も低くなった。実施例はリチウム金属表面の導電性繊維が中空構造を保持しているため、リチウムの溶解析出がその中空構造内で起こる。一方、比較例2では、プレス時のギャップを金属リチウムと不織布の合計厚さの70%未満としたことにより、導電性繊維がが金属リチウムに埋め込まれることでリチウム析出を担う空隙を失ってしまい、過電圧が大きく、容量維持率が低くなったと推定される。
実施例1〜6を比較すると、Cu不織布を用いた実施例1〜3の方がSUS不織布を用いた実施例4〜6よりも対称セルの過電圧が小さい。これは、CuのほうがSUSよりも導電率が高く、リチウムの溶解析出反応の速度が速いためであると考えられる。
実施例1〜6を比較すると、容量維持率向上の観点からは、繊維径は50μm以下、目付けは250g/m以下であることが好ましく、エネルギー密度向上の観点から、厚さは30〜50μmが好ましいことがわかる。
10…金属リチウム負極
11…金属リチウム
12…不織布
20…ロールプレス機
30…正極側電池ケース
31…負極側電池ケース
32…ガスケット
33…ウェーブワッシャー
34…スペーサー
35…セパレータ
36…正極

Claims (7)

  1. 金属リチウムと、前記金属リチウムの表面に圧着された不織布とを備え、
    前記不織布は金属又は合金を含む導電性繊維で構成され、
    前記不織布の表面は、前記導電性繊維の側面が露出していることを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極であって、
    前記導電性繊維の断面は扁平形状であることを特徴とする非水電解質電池用負極。
  3. 請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用負極であって、
    前記不織布は、リチウムイオンの吸着及び吸蔵が起こらないことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極であって、
    前記金属又は合金は、銅又はステンレス鋼であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極であって、
    前記不織布の繊維の直径は50μm以下であり、目付は50g/m以上250g/m以下であり、厚さは30μm以上100μm以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用負極と、正極と、前記正極と前記負極の間に配置された非水電解質と、を備える非水電解質用二次電池。
  7. 金属リチウムと、前記金属リチウムの表面に設けられた不織布と、を備える非水電解質二次電池用負極の製造方法であって、
    前記不織布は金属又は合金を含む導電性繊維から構成され、
    前記金属リチウムの表面に前記不織布を重ねて、上下ロールのギャップを前記金属リチウムと前記不織布の合計厚さの70%以上90%以下に設定したロールプレス機でプレスすることにより、前記金属リチウムの表面に前記不織布を圧着することを特徴とする非水電解質二次電池用負極の製造方法。
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