以下、本発明に係る口金付ランプおよび照明器具の実施形態について説明する。
実施形態1
図1〜図2に示すように、本実施形態は電球形の口金付ランプ10を構成するもので、一面側に固体発光素子11が配設される基板12、両端部に開口部を有し、一端部の開口部に基板12が配設される筒状の本体13、本体内に配設され、固体発光素子を点灯する点灯装置14、ランプ部品を設けるための部材を開口の外周部に形成し、点灯装置14と本体との間に配設される絶縁ケース15、本体の他端側に設けられる口金部材16で構成する。
本実施形態においては、点灯装置14と本体13との間に配設される絶縁ケース15を利用し、その開口の外周部にランプ部品、本実施形態では電線17を保護するように設けられる部材、本実施形態では電線保護部材18を形成し、電気的な配線部分における信頼性を向上させた。
また、絶縁ケース15を利用し、その開口の外周部にランプ部品、本実施形態ではカバー部材19を設けるための部材、本実施形態では係止部20を形成し、製造性を向上させた。
固体発光素子11は、本実施形態では発光ダイオード(以下「LED」と称す)で構成し、同一性能を有する青色LEDチップからなる高輝度・高出力の複数個のLEDからなり、各LED11は、配線基板11aに実装されて発光モジュールAを構成する。
配線基板11aは、長方形をなし、熱伝導性が良好な部材、本実施形態では、アルミニウム基板上に絶縁層を形成した薄い平板で構成する。配線基板11aの一面側(表面側)の中央部分には、内周面が略円形をなす土手部を形成して、浅い円形の凹部11a1を形成し、この凹部の底面、すなわち、配線基板11aの表面に銅箔等からなる配線パターン(図示せず)を形成する。この際、配線基板11aをセラミックスで構成すると、電気絶縁性を有しているので、配線パターンとの間には電気絶縁処理を施す必要がなくなり、コスト的に有利となる。この配線基板11aは、COB技術を使用して凹部11a1の配線パターンに対して、複数のLED11(青色LEDチップ)を略マトリックス状に実装する。また、略マトリックス状に規則的に配置された各青色LEDチップは、隣接する配線パターンとボンディングワイヤによって直列に接続される。
上記に構成された配線基板11aの凹部11a1には、黄色蛍光体を分散・混合した封止部材11a2が塗布または充填され、上述した青色LEDチップから放射される青色光を透過させると共に、青色光によって黄色蛍光体を励起して黄色光に変換し、透過した青色光と黄色光が混光して白色の光が放射される。これにより、配線基板11aの一面側に、固体発光素子であるLED11が実装された発光モジュールAが構成される。なお、図中11a3はコネクタで、配線基板11aの一方の端部側に形成された+極と−極のそれぞれの入力端子部を構成する配線パターン上に半田によって固定される。
上記に構成された発光モジュールAは、基板12に配設される。基板12は、放熱部材を兼ねるもので、熱伝導性の良好な部材、本実施形態では、肉厚の略円板状をなすアルミニウムで構成する。基板12の一面側(表面側)の中央部には、略長方形をなす浅い凹部12aを形成し、この凹部12a内に発光モジュールAを嵌合し、2本のネジ12bによって密着させて固定する。これにより、一面側に固体発光素子であるLED11が配設された基板12が構成される。
基板12の外周部には、基板を貫通する電線挿通部12cを形成する。電線挿通部12cは、LED11へ給電するための電線17を、基板12の他面側(裏面側)から一面側(表面側)に向けて挿通させ、コネクタ11a3に接続させるためのもので、基板12を貫通しかつ外方に向けて開口した略四角形をなす切欠孔で構成する。また、基板12の外周部には、後述するカバー部材19を取り付けるための係止部20を挿通する挿通部12dを等間隔に複数個、本実施形態では、約120°の角度で略等間隔に3個形成する(図2)。この挿通部12dも貫通しかつ外方に向けて開口した略四角形の切欠孔で構成する。
上記により一面側に固体発光素子であるLED11が配設された基板12は、本体13の一端部に配設される。本体13は、熱伝導性の良好な金属、本実施例ではアルミニウムで構成され、横断面形状が略円形をなし、一端部に径の大きな開口部13aを他端部に径の小さな開口部13bを形成し、内部に収納凹部13cを形成した筒状をなし、外周面が一端から他端に向かい順次直径が小さくなる略円錐状のテーパー面をなすようにして、外観が一般白熱電球におけるネック部のシルエットに近似させた形状に構成する。外周面には、一端部から他端部に向かい本体13の中心軸線x−xを中心として放射状に突出する多数の放熱フィン13dを一体に形成し、表面はメタリックシルバー色、または、白色の塗装が施されている。これら本体13は、例えば、鋳造、鍛造または切削等で加工されアルミニウム製の比較的肉薄で所定の熱容量をもったケース状をなす本体として構成される。
本体13の一端部の開口部13aには、凹段部が形成されるように表面を平滑な面に形成した基板支持部13eを一体に形成し、この基板支持部に対して基板12が他面側(裏面側)を内向きにして配設される。すなわち、基板12の裏面側を平滑な凹段部からなる基板支持部13eに対して密着させ、ネジ13fにより支持する。
これにより、LED11と配線基板11aからなる発光モジュールAの光軸y−yが、本体13の中心軸線x−xに略合致し、全体として平面視で略円形の発光面を有する光源部が構成される。また、本体13に形成された収納凹部13cは、横断面が本体13の中心軸線x−xを中心とした略円形の筒状をなし、その内部に点灯装置14が配設される。
点灯装置14は、各LED11の点灯回路を構成する回路部品14aと、回路部品を実装した円板状の回路基板14bからなる。点灯回路は、交流電圧100Vを直流電圧24Vに変換して各LED11に定電流の直流電流を供給するように構成される。回路基板14bは円板状のガラスエポキシ材からなり、片面または両面に回路パターンが形成され、その実装面に回路部品14aである電解コンデンサ等の比較的大きな電子部品を片側の面(図1(a)中の下方)に配置し、小形のリード部品やトランジスタ等のチップ部品からなる電子部品が他方の面に実装され、本体13の収納凹部13c内に設けられる絶縁ケース15内に、回路基板14bを横方向にして支持される。そして、回路基板14bの出力端子には、電線17が接続され、回路基板14b入力端子には口金部材16に接続される入力線(図示せず)が接続される。
電線17は、点灯装置14の出力をLED11に給電するための電線で、基板12の電線挿通部12cに挿通することが可能な形状・寸法を有し、+極と−極の2本の電線が絶縁被覆され一体化されリード線で構成される。
絶縁ケース15は、耐熱性で電気絶縁性を有する合成樹脂、本実施形態では、PBT(ポリブチレンテレフタレート)で構成され、一端部(図1(a)中の上端部)に開口15aが形成され、他端部が開放され、本体13の収納凹部13cの内面形状に略合致する両端開放の円筒状をなすケース体として構成する。
絶縁ケース15は、内面の略中間部に円筒の軸方向と直交する水平方向に沿ってガイド溝15bを一体に形成し、開放された他端部の外周を段状になして口金取付部15cを一体に形成する。さらに、内周部の上部に点灯装置14の出力端子から導出された電線17を通すための電線孔15dを形成する。そして、絶縁ケース15のガイド溝15bに対し、上述した点灯装置14の円板状の回路基板14bが横方向に嵌合され支持される。これによって、アルミニウムからなる本体13と点灯装置14の回路基板14bとの間の電気的な絶縁が、絶縁ケース15によってなされる。
また、絶縁ケース15は、電気的な配線部分における信頼性を向上させるために、ランプ部品、本実施形態では電線17を保護するように設けるための部材、本実施形態では電線保護部材18を、開口15aの外周部に形成する。電線保護部材18は、図3に示すように、電線17を挿通するための基板12の電線挿通部12cを覆い、その切欠孔に嵌合して挿入されるように、合成樹脂製の絶縁ケース15の開口15aの外周部における上端部を一体に上方に突出させ、樹脂成形によって一体に形成する。
電線保護部材18は、略四角形をなす上下両端部に開口部18aが形成された筒体18bと、外方に面する側面の一部を開放して形成した電線導入部18cからなり、その筒体18bが電線挿通部12cの切欠孔の内側から上方に突出するように嵌合されて挿入される。これにより、筒体18bの内方側の側面で電線挿通部12cの内側、特に切欠孔の角部cが覆われる(図3(a))。
そして、電線17が、その電線導入部18cから筒体18bの内部に導入され、上方の開口部18aに向けて挿通され、基板12の表面側に折り曲げられて引き出される。この際、折り曲げられる電線17は、電線挿通部12cのアルミニウムの鋭利なエッジからなる角部cに接触することなく、筒体18bの内方側の側面でガイドされ保護されて折り曲げられる。
なお、本実施形態においては、電線挿通部12cの角部cを電線保護部材18によって、より確実に覆うために、筒体18bを基板12の電線挿通部12cに挿入し嵌合した際に、筒体18bの先端部18b1が基板12の表面、すなわち、電線挿通部12cの表面から若干突出させるように構成した。この突出寸法h1(図1(b))は、約0.2〜5mm、本実施形態では、約1mmの高さで突出させる。これにより、筒体18bの先端部18b1で電線挿通部12cの内側、特に鋭利なエッジからなる孔の角部cを合成樹脂で確実に覆うことができ、電線17の被覆が確実に保護される。上記の突出寸法h1は、0.2mm未満であると、製造誤差により先端部が突出しない虞があり、また5mmを越えるとLED11から放射される光の影となって現れる虞がある。
なお、筒体18bの先端部18b1に、例えば、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤を補助的に用いることによって、電線17の被覆部分をより確実に保護するようにしてもよい。また、筒体18bの先端部18b1に当たる電線の被覆部分に、さらに保護チューブ等を被せて電線17の被覆部分を、一層確実に保護するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態においては、点灯装置14と本体13との間に配設される絶縁ケース15を利用し、その開口の外周部にランプ部品、本実施形態では電線17を保護するように設けられる部材、本実施形態では電線保護部材18を形成したことにより、電球形の口金付ランプの電気的な配線部分における信頼性を向上させることが可能になる。
さらに、絶縁ケース15は、製造性を向上させるために、ランプ部品、本実施形態ではカバー部材19を設けるための部材、本実施形態では係止部20を、開口15aの外周部に形成する。
係止部20は、図4に示すように、基板12の外周部に形成された挿通部12dに対応し、その切欠孔に嵌合し挿入されるように、合成樹脂製の絶縁ケース15の開口15aの外周部における上端部を一体に上方に突出させ、樹脂成形によって一体に形成する。係止部20は、外方に向けて突出する鉤部20aを有し、基板12の3個の挿通部12dに対応して等間隔に複数個、本実施形態では、約120°の角度で略等間隔に3個形成する。
そして、鉤部12aが基板12の挿通部12dの切欠孔の内側から上方に突出するように嵌合し挿入される。なお、鉤部20aを基板12の挿通部12dに挿入し嵌合した際に、鉤部20aの先端部が基板12の外周面、すなわち、挿通部12dから外方に突出させるようにする。なお、鉤部20aは樹脂の弾性によって若干撓むことができるように構成される。
カバー部材19は、本実施形態におけるランプ部品としてのグローブを構成するもので、図2に示すように、例えば、厚さが薄いガラスや合成樹脂などの材質で構成され、透明または光拡散性を有する乳白色などの半透明、本実施形態では乳白色のポリカーボネート製で、一端部に開口19aを有する一般白熱電球のボール部分のシルエットに近似させた滑らかな曲面状に形成する。
このカバー部材19は、絶縁ケース15に形成された係止部20に取り付けられる。すなわち、カバー部材19は、その開口19aの開口端部に係合孔19a1を有する係合部19a2を樹脂成形によって一体に形成する。係合部19a2は、絶縁ケース15の3個の係止部20に対応して等間隔に複数個、本実施形態では、約120°の角度で略等間隔に3個形成する。
カバー部材19は、本体13の光源部における発光モジュールAを覆うようにして被せられ、開口19aに形成した係合部19a2の係合孔19a1が、基板12の挿通部12dから突出された係止部20の鉤部12aに挿入し係合されることによって、絶縁ケース15、すなわち、本体13側に固定される。これにより、カバー部材19は本体13の中心軸線x−x方向、すなわち、カバー部材の引き抜き方向に対して確実に固定されるとともに、中心軸線x−xに直交する方向、すなわち、カバー部材の回転方向に対しても確実に固定され、カバー部材が不用意に外れたり回転することがなく固定される。そして、この固定は、接着剤を用いることなく行うことが可能となるので、接着剤塗布等の工程および長時間の乾燥工程が不要となり、製造性を向上させることが可能となる。また、乾燥を早めるために熱を加える必要もなく、樹脂グローブの変形や電子部品へ熱的影響を抑制することも可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、絶縁ケース15を利用し、その開口の外周部にランプ部品、本実施形態ではカバー部材19を設けるための部材、本実施形態では係止部20を形成し、量産化のための製造性を向上させることが可能となる。
絶縁ケース15は、さらに、口金取付部15cの外周面に口金部材16が設けられる。口金部材16は、図1(a)に示すように、エジソンタイプのE26形で、ねじ山を備えた導電性を有する金属、本実施形態では銅板からなる筒状のシェル部16aとこのシェル部の下端の頂部に絶縁部16bを介して設けられたアイレット部16cを備えている。シェル部16aの開口部が絶縁ケース15の口金取付部15cに嵌め込まれカシメによって固着され、アルミニウムからなる本体13と口金部材16との電気絶縁がなされる。また、口金部材16のシェル部16aおよびアイレット部16cには、回路基板14bの入力端子から導出された入力線(図示せず)が接続される。上記により、一端部にカバー部材19を有し、他端側にE26形の口金部材16が設けられ、全体の外観形状が一般白熱電球全体のシルエットに近似した電球形の口金付ランプ10が構成される。
次に、上記に構成された電球形の口金付ランプ10の組立手順につき説明する。先ず、点灯装置14の出力端子にあらかじめ接続された電線17を、絶縁ケース15の電線孔15dに通し外方に引き出す。次に、回路基板14aを横にして絶縁ケース15内に挿入しガイド溝15bに嵌合させて支持する。この際、回路基板14bは大きな回路部品14aが下方に位置する向きにして挿入する。
次に、LED11を配設した基板12を、LED11が外方に面するようにして、絶縁ケース15の開口15aに被せる。この際、絶縁ケース15に設けられた電線保護部材18を、基板12の電線挿通部12cの切欠孔に嵌合させて挿入し、さらに、絶縁ケース15の3個の係止部20を、基板12の3個の挿通部12dに位置合わせを行って嵌合させ挿入する。そして、先に、外方に引き出された電線17の先端部を電線導入部18cから筒体18b内部に導入し、上方の開口部18aから基板12のコネクタ11a3側に折り曲げ、先端をコネクタに接続する(図3)。
この際、筒体18bの先端部18b1が、基板12の表面、すなわち、電線挿通部12cの切欠孔の表面から若干、本実施形態では、寸法h1が約1mmの高さで突出している。これにより、電線挿通部12cの孔の角部cが、約1mmの高さで突出する筒体18bの先端部18b1によって確実に覆われ、電線17が角部cに接触することなく保持され、鋭利なエッジからなるアルミニウムの角部cから保護され、電線17を折り曲げてコネクタ11a3に接続する際に、電線17の被覆が損傷されることがない。
次に、カバー部材19を、本体13の発光モジュールAを覆うよう、さらに、係合部19a2の係合孔19a1に対して、絶縁ケース15に形成された係止部20の鉤部20aが挿入されるようにして押し込む。これにより、鉤部20aが樹脂の弾性によって一旦外方に撓み、係合孔19a1に落とし込まれると、弾性によって元の位置に復帰し、鉤部20aが係合孔19a1に係合されて固定される(図4)。
次に、上記により基板12、カバー部材19および点灯装置14の回路基板14bを取り付けた絶縁ケース15を、本体13の収納凹部13c内に、口金取付部15cが本体13の他端部の開口部13bから突出するようにして嵌め込む。このとき、基板12の裏面側を本体13の基板支持部13e上に載置して密着させ、上面側(表面側)から周囲3箇所を、ねじ13fを用いて固定する。これにより、基板12の裏面と基板支持部13eの平滑な凹段部の面が密着して熱的に連結して固定される。同時に、絶縁ケース15の開口15aの開口端が、基板12の裏面側によって下方に押圧され、絶縁ケース15が収納凹部13c内に押し込まれて支持される。
次に、点灯装置14の入力端子から導出された入力線(図示せず)を、口金部材16のシェル部16aおよびアイレット部16cに接続し、接続した状態でシェル部16aの開口部を絶縁ケース15の口金取付部15cに嵌め込みカシメによって固着する。
本実施形態によれば、上記組み立て手順から明らかなように、全てのランプ部品を接着剤なしで構成することが可能になり、接着剤塗布等の工程および長時間の乾燥工程が不要となって量産化のための製造性を一層向上させることができた。これにより、一端部にカバー部材19を有し他端側にE26形の口金部材16が設けられた電球形の口金付ランプ10が構成される。
次に、上記のように構成された電球形の口金付ランプ10を光源とした照明器具の構成を説明する。図5に示すように、30は店舗等の天井面Xに埋め込み設置され、E26形の口金を有する一般白熱電球を光源としたダウンライト式の既存の照明器具で、下面に開口部31aを有する金属製の箱状をなした本体ケース31と、開口部31aに嵌合される金属製の反射体32と、一般白熱電球のE26形の口金をねじ込むことが可能なソケット33で構成されている。反射体32は、例えばステンレス等の金属板で構成し、反射体32の上面板の中央部にソケット33が設置される。
上記に構成された一般白熱電球用の既存の照明器具30において、省エネや長寿命化などのために白熱電球に替えて、上述したLEDを光源とする電球形の口金付ランプ10を使用する。すなわち、電球形の口金付ランプは口金部材16をE26形に構成してあるので、上記照明器具30の一般白熱電球用のソケット33にそのまま差し込むことができる。この際、カバー部材19は引き抜き方向および回転方向に対しても確実に固定されているので、カバー部材19が不用意に回転することがなく、確実にソケット33に対して装着することができる。
また、口金付ランプ10は、本体13が略円錐状のテーパー面をなすようにして、外観が白熱電球におけるネック部のシルエットに近似させた形状に構成されているので、ネック部がソケット周辺の反射体32等に当たることなくスムーズに差し込むことができ、電球形の口金付ランプ10における既存照明器具への適合率が向上する。これにより、LEDを光源とした電球形の口金付ランプが設置された省エネ形のダウンライトが構成される。
次に、上記に構成された口金付ランプ10を光源としたダウンライト30の作動につき説明する。上記に構成されたダウンライトに電源を投入すると、ソケット33から口金付ランプ10に対し、口金部材16を介して商用電源が供給され、点灯装置14が動作して24Vの直流電圧が出力される。この直流電圧は点灯装置14から各LED11に印加され、定電流の直流電流が供給されて全てのLED11が同時に点灯して白色の光が放射される。
各LED12から放射された白色の光は、カバー部材19の内面全体に向かって略均等に放射され、さらに乳白色のカバー部材で光が拡散されるので、一般白熱電球に近似した配光特性をもった照明を行うことができる。特に、光源となる口金付ランプ10の配光が一般白熱電球の配光に近づくことで、照明器具30内に配置されたソケット33近傍の反射体32への光の照射量が増大し、一般白熱電球用として構成された反射体32の光学設計通りの器具特性を略得ることが可能となる。
また、基板12は、板状をなし凹段部からなる基板支持部13e内に内包されているので、基板12がカバー部材の内面に影となって現れることがなく、基板12が配光特性を阻害することがない。さらに、電線保護部材18における先端部18b1の突出寸法h1は、5mmを越えることなく約1mmに設定したので、LED11から放射される光の影となって現れることもない。
また、電球形の口金付ランプ10が点灯されると各LED11の温度が上昇し熱が発生する。その熱は、アルミニウム製の配線基板11aから発光モジュールAが凹部12aに嵌合して密着して固定された基板12に伝達され、さらに、基板12が密着して固着された本体13の基板支持部13eに伝達され、放熱フィン13dを介して外部に放熱される。この際、発光モジュールAの配線基板11a、基板12および本体13を熱伝導性の良好なアルミニウムで構成し、また、配線基板11aを基板12の凹部12aに嵌合して密着し、さらに、基板12を本体13の基板支持部13eに密着して支持したので、LED11から発生する熱を、伝導ロスを少なくして効果的に放熱させることが可能となる。これにより、各LED11の温度上昇および温度むらが防止され、発光効率の低下が抑制され、光束低下による照度の低下を防止することができる。同時にLEDの長寿命化を図ることができる。また、アルミニウムによってランプを軽量化することができる。
また、口金付ランプ10が運搬時や使用中に振動を受けても、カバー部材19は引き抜き方向に対しても、回転方向に対しても確実に固定されているので、カバー部材19が不用意に外れたりすることがない。また、電線17が振動した場合でも、電線保護部材18の先端部18b1によってアルミニウムからなる電線挿通部12cの孔の角部cが覆われているので、電線17が角部cに接触することなく保護され、長期の使用にわたっても電線17の被覆が損傷されることがない。
以上、本実施形態の口金付ランプによれば、点灯装置14と本体13との間に配設される絶縁ケース15を利用して、その開口の外周部にランプ部品、本実施形態ではカバー部材19を設けるための部材、本実施形態では係止部20を形成し、カバー部材を、接着剤を用いることなく固定することができるので、量産化のための製造性を向上させることが可能となる。なお、本実施形態において、カバー部材19と基板12または本体13との間に、例えば、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤を補助的に用いることによって、より確実に固定するようにしても差し支えない。また、本実施形態によれば、全てのランプ部品を接着剤なしで構成することが可能になり、接着剤の塗布等の工程および長時間の乾燥工程が不要となって量産化のための製造性を、一層向上させることが可能になった。
また、カバー部材19は、係止部20によって引き抜き方向に対しても、回転方向に対しても確実に固定されているので、不用意に回転することがなく、確実にソケット33に対して装着することができる。また、口金付ランプ10が運搬時や使用中に振動を受けても、カバー部材19が不用意に外れたりすることがない。
また、絶縁ケース15を利用し、その開口の外周部にランプ部品、本実施形態では電線17を保護するように設けられる部材、本実施形態では電線保護部材18を形成したことにより、電線17を保護することができ、電球形の口金付ランプの電気的な配線部分における信頼性を向上させることが可能になる。なお本実施形態において、筒体18bの先端部18b1に、接着剤を補助的に用いることによって、電線17の被覆部分をより確実に保護するようにしてもよい。また、電線の被覆部分に保護チューブ等を被せて、一層確実に保護するようにしてもよい。
また、本実施形態によれば、電線保護部材18の筒体18bの先端部18b1を、基板12の表面、すなわち、電線挿通部12cの表面から若干突出させるように構成したので、電線挿通部12bの内側、特に孔の角部cを確実に覆うことができ、電線17をより確実に保護することが可能となる。
また、電線17が電線保護部材18によって、保護されるので、組立作業において、電線の先端を基板12の電線挿通部12cから引き出す際や、電線を折り曲げてコネクタ11a3に接続する際においても電線の被覆が損傷されることがなく、また運搬時や使用時において振動を受けた場合にも電線が損傷されることがない。これら作用により、電線の短絡や漏電事故等の発生を確実に防止することができ、安全で寿命の長い口金付ランプを提供することができる。同時に、電線保護部材18により、金属からなる電線挿通部12cと電線17との沿面距離を確保することができ、電気絶縁不足による短絡も確実に防止することができる。また、電線保護部材18は、合成樹脂製の絶縁ケース15に一体に形成したので、専用部品としての保護チューブ等を用いることなく電線の保護を行うことが可能となり、さらにコスト的に有利な口金付ランプを提供することができる。さらに、組立作業において、電線17の被覆が損傷されることがないように、予め電線保護部材18によって覆われているため、組立作業がし易くなることから製造コストも低減され、より一層コスト的に有利な口金付ランプを提供することができる。これら作用により、組立作業が簡素化され、製造性を一層向上させることが可能となり量産化に適した口金付ランプを提供することができる。
また、カバー部材19を設けるための係止部20や電線保護部材18は、本体13に設けずに絶縁ケース15に設けるように構成したので、本体13は係止部20や電線保護部材18を設けるための設計上の制約がなくなり、例えば、本実施形態のように、アルミニウム製の比較的肉薄で所定の熱容量をもったケース状をなす本体として構成することができ、さらには、鋳造、鍛造または切削等で加工することなく、プレス加工により構成することも可能になり、コスト的に有利で、かつ軽量化を達成することが可能な口金付ランプを提供することが可能になる。
さらに、上記に構成された口金付ランプは、点灯装置14の出力をLED11に給電するための電線17は、基板12の中央部分ではなく、外周部に設けられた電線挿通部12cから導出して発光モジュールAの入力端子に接続することができるので、COBによって構成された発光モジュールAの中央部分にもLED11を密に実装することができ、より高輝度・高出力の発光部を構成することが可能となる。因みに、基板の中央部から電線を導出した場合には、発光モジュールの中央部にLEDを設けることができないため、一般的には、中央部分の周囲に複数個のSMD形のLEDを配設して発光モジュールを構成せざるを得ず、目的とする光出力を達成することが難しかった。
これにより、本実施形態における口金付ランプ10は、基板12の表面に中央部を含めてCOBによるLED11が実装された高輝度・高出力の発光モジュールAが配設されているので、各LED12から放射された白色の光は、カバー部材19の内面全体に向かって略均等に放射され、さらに乳白色のグローブで光が拡散されるので、一般白熱電球に近似した配光特性をもった照明を行うことができ、一般白熱電球用として構成された反射体32の光学設計通りの器具特性を略得ることが可能となる。また、基板12が板状をなし基板支持部13e内に内包されているので、基板12がグローブの内面に影となって現れることがない。さらに、電線保護部材18における先端部18b1の突出寸法h1は、5mmを越えることなく約1mmに設定したので、LED11から放射される光の影となって現れることもない。
以上、本実施形態において、全てのランプ部品を接着剤なしで構成するように構成したが、発光モジュールAは、基板12の凹部12a内に、熱伝導性の良好なシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等からなる接着剤によって固着するようにしてもよい。さらに接着剤とネジによって、一層確実に密着されるように固定するようにしてもよい。
また、基板12の裏面側と基板支持部13eとの間に、熱伝導性を有し電気絶縁性を有するシリコーン樹脂等からなる絶縁シートまたは接着剤等を介在させて、より確実に密着させて支持するようにしてもよい。また、回路基板14bは、絶縁ケース15内にシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の熱伝導性が良好で、かつ電気絶縁性の良好な接着剤で固定してもよい。さらに、これら接着剤を回路基板14bと絶縁ケース15の内周面との間に充填して固定するようにしてもよい。
また、カバー部材19と基板12または本体13との間に、例えば、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤を補助的に用いることによって、より確実に固定するようにしてもよい。また、口金部材16と絶縁ケース15の口金取付部15cは、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の電気絶縁性を有し、かつ耐熱性を有する接着剤を用いて固着するようにしてもよい。
実施形態2
本実施形態は、実施形態1と同様に、カバー部材19を設けるための係止部20や電線保護部材18は、本体13に設けずに絶縁ケース15に設ける構成を基にして、本体13をプレス加工によって構成し、さらに、発光モジュールAと電線17を、コネクタを用いずに半田によって接続する方式となし、コスト的に有利で、かつ軽量化を達成することが可能な電球形の口金付ランプ10を構成しようとするものである。
以下、図6〜図9に実施形態1と同一部分に同一の符合を付し、実施形態1と共通する構成の詳細な説明を省略して説明する。すなわち、本実施形態における配線基板11aは、コネクタに替えて電線接続部となる半田面11a4を形成する。半田面は、配線基板11aの対向する角部側に延長して設けられた+極と−極のそれぞれの入力端子部となる配線パターンに、それぞれ形成された一対の半田面11a4で構成する(図7(b))。図中、11a5は、配線基板11aの半田面が設けられていない側の角部側に形成された一対の支持孔で、この支持孔にネジ12bが挿通されて配線基板が基板12の凹部12aに支持される。なお、長方形をなし配線基板11aの角部に各半田面11a4と支持孔11a5が位置し、それぞれが離間して配置されることから、充電部である半田面11a4と導電体からなるネジ12bとの電気的な絶縁距離を自動的にとることが可能になる。
基板12は、図7(b)に示すように、その外周部に発光モジュールAの+極と−極のそれぞれの半田面11a4に対応した電線挿通部12cを一対2個一体に形成する。さらに基板の外周部には、カバー部材19の開口19aの端部を載置するための載置部21(図8)を挿通するための挿通部12eを等間隔に複数個、本実施形態では、約120°の角度で等間隔に3個形成する。この挿通部12eは、カバー部材19を係合するための係止部20を挿入する挿通部12dと隣接して配置される。この載置部21を挿通するための挿通部12eも、基板12を貫通しかつ外方に向けて開口した略四角形の切欠孔で構成する。
本体13は、実施形態1と同様に、熱伝導性の良好なアルミニウムで構成されるが、本実施形態の本体13は、アルミニウム板をプレス加工することによって構成される。すなわち、図7(a) に示すように、横断面形状が略円形をなし、一端部に基板支持部13eを有する径の大きな開口部13aを、他端部に径の小さな段部13b1を有する開口部13bを形成し、内部に収納凹部13cを一体に形成した筒状をなし、外周面が一端から他端に向かい順次直径が小さくなる略円錐状のテーパー面をなし、周面には、一端部から他端部に向かい放射状に突出する多数の放熱フィン13dを、それぞれアルミニウム板をプレスすることによって一体に形成する。
絶縁ケース15は、図8に示すように、実施形態1と同様に、量産化のための製造性を向上させるために、ランプ部品、本実施形態ではカバー部材19を設けるための部材、本実施形態では係止部20を、開口15aの外周部に一体に形成する。また、実施形態1と同様に、電気的な配線部分における信頼性を向上させるために、ランプ部品、本実施形態では電線17を保護するように設けるための部材、本実施形態では電線保護部材18を、開口15aの外周部に一体に形成する。
本実施形態における電線保護部材18は、略四角形をなす上下両端部に開口部18aが形成された筒体18bと、内方に面する側面の一部を開放して形成した電線導入部18cからなり、その筒体18bが電線挿通部12cの切欠孔の内側から上方に突出するように嵌合されて挿入される。そして、電線17が、その電線導入部18cから筒体18bの内部に導入され、上方の開口部18aに向けて挿通させることができる。
本実施形態では、電線保護部材18は、図6、図8に示すように、+極と−極の一対2個の電線挿通部12cに対応して、絶縁ケース15の開口15aに一対2個が形成される。この2個の電線保護部材は同様の構成をしており、+極側の電線17が一方の電線保護部材18に、−極側の電線17´が他方の電線保護部材18´に、それぞれ1本ずつが挿通される。
また、本実施形態の絶縁ケース15には、カバー部材19を固定するための係止部20とは別に、カバー部材19の開口端部19a3を載置するための載置部21を一体に形成する。載置部21は、図8に示すように、基板12の外周部に形成された挿通部12eに対応し、その切欠孔に嵌合し挿入されるように、合成樹脂製の絶縁ケース15の開口15aの外周部における上端部を一体に上方に突出させ、樹脂成形によって一体に形成する。載置部21は、基板12の3個の挿通部12eに対応して等間隔に複数個、本実施形態では、約120°の角度で略等間隔に3個形成する。そして、載置部21が基板12の挿通部12eの切欠孔の内側から上方に突出するように嵌合し挿入される。なお、図9に示すように、載置部21の高さ寸法h2は、係止部20の鉤部20aが、カバー部材19の係合孔19a1に係合したときに、カバー部材19の開口端部19a3が載置部21の上面に当接して載置される寸法に形成する。また、載置部21の高さ寸法h2は、基板12の厚さ寸法t1より高くなるように形成する(h2>t1)。
なお、本実施形態における点灯装置14の回路基板14bは、図6に示すように、短冊状をなす長方形に形成され、絶縁ケース15内面の略中間部に円筒の軸方向に沿って一体に形成されたガイド溝15bに対して縦方向に嵌合され支持される。また、絶縁ケース15の他端部側に形成される口金取付部15cには、口金部材16のシェル部16aに形成されたネジ部に螺合するネジ部15c1を一体に形成し、このネジ部の上端部に外方に突出する鍔部15c2を一体に形成する。この鍔部15c2は、絶縁ケース15を本体13の収納凹部13c内に挿入した際に、本体13の他端部の径の小さな段部13b1の内面に当接する。
上記のように構成された本実施形態の口金付ランプ10は、次の手順によって組み立てられる。先ず、点灯装置14における回路基板14bの出力端子にあらかじめ接続された電線17の先端を外方に引き出す。なお、本実施形態においては、配線基板11aの電線接続部が+極側の半田面と−極側の半田面に分離されており、電線17は、+極側の電線17と−極側の電線17´に振り分けて外方に引き出す。次に、回路基板14bを縦にして絶縁ケース15内に挿入しガイド溝15bに嵌合させて支持する。
次に、LED11を実装した基板12を、発光モジュールAが外方に面するようにして、絶縁ケース15の開口15aに被せる。この際、絶縁ケース15に設けられた一対の電線保護部材18を、基板12の一対の電線挿通部12cの切欠孔に嵌合させて挿入し、さらに、絶縁ケース15の3個の係止部20を基板12の3個の挿通部12dに、また絶縁ケースの3個の載置部21を基板12の挿通部12eに、それぞれ位置合わせを行って嵌合させ挿入する。
次に、先に振り分けて外方に引き出された+極側の電線17を一方の電線保護部材18に、−極側の電線17´を他方の電線保護部材18´に、それぞれ1本ずつが挿通され上方の開口部18aから外方に引き出される。なお、各電線17は、電線保護部材18の筒体18bの内方に面する電線導入部18cから筒体18b内に導入され上方の開口部18aから外方に引き出される。また、本実施形態によれば、電線17は、絶縁ケース15に形成された電線孔15dを通さずに、直接、電線保護部材18に挿通させることができる。
次に、各電線保護部材18から外方に引き出された各電線を、配線基板11aの各半田面11a4側に折り曲げ、先端を半田面に半田付けして接続する。なお、本実施形態においては、配線基板11aの電線接続部が+極側の半田面と−極側の半田面に分離されており、+極側の電線17を+極の半田面側に折り曲げ、−極側の電線17´を−極の半田面側に折り曲げで半田付けを行う。
この際、電線17は、電線保護部材18を介して配線基板11aの半田面に接続されることにより、+、−の各電線保護部材18の筒体18bの先端部18b1が、基板12の表面、すなわち、各電線挿通部12cの切欠孔の表面から若干、本実施形態では、約1mmの高さで突出している。これにより、各電線挿通部12cの孔の角部cが、約1mmの高さで突出する筒体18bの各先端部18b1によって覆われ、+、−の各電線17が共に角部cに接触することなく保持され、鋭利なエッジからなるアルミニウムの角部cから保護され、各電線17を折り曲げて半田付けする際に、各電線17の被覆が損傷されることがない。
次に、カバー部材19を押し込むことにより、鉤部20aが樹脂の弾性によって一旦外方に撓み、係合孔19a1に落とし込まれることにより弾性によって元の位置に復帰し、鉤部20aが係合孔19a1に係合されて固定される。
この際、本実施形態では、カバー部材19の開口端部19a3が、絶縁ケース15に形成された載置部21に載置され、カバー部材19は、絶縁ケース15に対してガタつくことなく支持されて結合される。因みに、載置部21を設けずに、基板12の上面に対してカバー部材の開口端部19a3を載置して支持した場合、基板の厚さ寸法t1の製造誤差によって、基板表面とカバー部材の開口端部19a3との間に隙間が生じてガタつく虞がある。
これに対し、本実施形態によれば、載置部21の高さ寸法h2は、基板12の厚さ寸法t1より高くなるように形成し、カバー部材の開口端部19a3を載置部に載置するようにしたので、基板12の厚さ寸法t1に誤差が生じても、その影響を受けることなく、すなわち、ガタつくことなく確実に支持することができる。
次に、上記により基板12、カバー部材19および点灯装置14の回路基板14bを取り付けた絶縁ケース15を、本体13の収納凹部13c内に、口金取付部15cが本体13の他端部の開口部13bから突出するようにして嵌め込む。このとき、基板12の裏面側を本体13の基板支持部13e上に嵌めこんで密着させる。これにより、基板12の裏面と基板支持部13eの平滑な面が密着して熱的に連結して固定される。
次に、点灯装置14における回路基板14bの入力端子から導出された入力線(図示せず)を、口金部材16のシェル部16aおよびアイレット部16cに接続し、絶縁ケース15の口金取付部15cのネジ部15c1に対して口金部材16のシェル部16aを、樹脂リング15c3を挟み込みながらねじ込む。これにより、絶縁ケース15の鍔部15c2と樹脂リング15c3との間で、本体他端部の径の小さな段部13b1を挟み込み固定する(図6)。これにより、絶縁ケース15に固定され口金部材16が、本体13の他端側に設けられるとともに、絶縁ケース15が本体13に固定される。同時に、本体13の基板支持部13e上に嵌め込まれた基板12が、口金部材16のねじ込みにより、下方に引き寄せられ、基板12の裏面側が基板支持部13eに対してより密着して固定され、実施形態1のように、固定のための3個のねじ13fを用いることなく密着させて固定することができる。
上記のように、本実施形態においても、全てのランプ部品を接着剤なしで構成することが可能になり、接着剤塗布等の工程および長時間の乾燥工程が不要となって量産化のための製造性を、一層向上させることが可能になった。なお、絶縁ケース15と本体13は、収納凹部13cの内周面と絶縁ケース15の外周面との間に、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の接着剤を挿入して、より確実に固定するようにしてもよい。
上記により構成された本実施形態の電球形の口金付ランプ10は、実施形態1と同様にして、既存のダウンライト等の照明器具30の白熱電球に代替が可能な光源として用いられる。
以上、本実施形態によれば、実施形態1と同様に、点灯装置14と本体13との間に配設される絶縁ケース15を利用して、その開口の外周部にランプ部品、本実施形態ではカバー部材19を設けるための部材、本実施形態では係止部20を形成し、カバー部材を、接着剤を用いることなく固定することができるので、量産化のための製造性を向上させることが可能となる。
また、絶縁ケース15を利用し、その開口の外周部にランプ部品、本実施形態では電線17を保護するように設けるための部材、本実施形態では電線保護部材18を形成したことにより、電線17を保護することができ、電球形の口金付ランプの電気的な配線部分における信頼性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態によれば、カバー部材19を設けるための係止部20や電線保護部材18は、本体13に設けずに絶縁ケース15に設けるように構成したので、本体13はカバー部材19や電線保護部材18を設けるための設計上の制約がなくなり、本体13をプレス加工により構成することが可能になり、コスト的に有利で、かつ軽量化を達成することが可能な口金付ランプを提供することが可能になる。
また、本体をプレスで構成した場合、本体の開口部の内周部にカバー部材を嵌めこむ溝を形成することが困難となり、本体の開口部にカバー部材を連結することができなくなる。しかし、本実施形態では、本体にカバー部材を連結せずに、絶縁ケースに対して連結する構成としたため、プレスによる本体を採用することが可能になり、コスト的に有利な口金付ランプを実現することが可能になった。
さらに、発光モジュールAと電線17を、コネクタを用いずに半田によって接続する方式となし、さらに、コスト的に有利な電球形の口金付ランプ10を構成することが可能になる。なお、本実施形態における、その他の構成、作動、手順、作用効果、変形例等は、実施形態1と同様である。
以上、上述した各実施形態1、2において、口金付ランプは、一般白熱電球の形状に近似させた電球形(A形またはPS形)、レフ形(R形)、ボール形(G形)、円筒形(T形)などに構成してもよい。さらに、口金付ランプにおける電気的な配線部分における信頼性を向上させるのであれば、グローブレスの口金付ランプを構成するものであってもよい。また各実施形態において、一般白熱電球の形状に近似させた口金付ランプに限らず、その他各種の外観形状、用途をなす口金付ランプに適用することができる。
また、固体発光素子は、発光ダイオードに限らず、有機ELまたは半導体レーザなどを発光源とした固体発光素子が許容される。固体発光素子は複数個で構成されていることが好ましいが、照明の用途に応じて必要な個数は選択され、例えば、4個程度の素子群を構成し、この群1個、若しくは複数の群をなすように構成してもよい。さらには1個の固体発光素子で構成されるものであってもよい。固体発光素子は、COB技術を用いて構成されたものが好ましいが、SMD形構成されたものであってもよい。固体発光素子は、白色で発光するように構成することが好ましいが、使用される照明器具の用途に応じ、赤色、青色、緑色等でも、さらには各種の色を組み合わせて構成してもよい。
基板および配線基板は、熱伝導性の良好なアルミニウムで構成したが、銅、ステンレス等の金属で構成したものであってもよい。さらには、例えば、エポキシ樹脂等の合成樹脂やガラスエポキシ材、紙フェノール材等の非金属性の部材で構成されてもよい。さらにセラミックスで構成されたものであってもよい。また、基板および配線基板の形状は、点または面モジュールを構成するために板状の円形、四角形、六角形などの多角形状、さらには楕円形状等をなすものであってもよく、目的とする配光特性を得るための全ての形状が許容される。
基板の電線挿通部は、基板を貫通する略四角形の切欠孔で形成したが、孔の形状は長孔状、丸孔等であってもよく、特定の形状には限定されない。また、切欠孔ではなく貫通する孔で形成したものであってもよい。
本体は、熱伝導性の良好なアルミニウムで構成したが、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)の少なくとも一種を含む金属で形成してもよい。この他に、窒化アルミニウム(AlN)、シリコーンカーバイト(SiC)などの工業材料で構成しても、さらに高熱伝導樹脂等の合成樹脂で構成してもよい。さらには、PBT等の合成樹脂で構成したものであってもよい。外観形状は、一端部から他端部に向けて直径が順次小さくなるような、一般白熱電球におけるシルエットに近似させた形状に形成したが、一般白熱電球に近似させることは条件でなく、限られた特定の外観形状には限定されない。
点灯装置は、固体発光素子を調光するための調光機能や調色機能を有するものであってもよい。点灯装置は本体の収納凹部内に全てが収容され配設されたものでも、本体の他端側に設けられる口金部材に一部が収容されるものであってもよい。
絶縁ケースは、電気絶縁性および耐熱性を有するPBTで構成したが、他のアクリルやABS等の合成樹脂、さらには、パルプ材や合成ゴム等、合成樹脂以外の電気絶縁体で構成してもよい。形状は、例えば、円筒体をなしていることが好適であるが、材料費節減や放熱効果向上等のために電気絶縁を損なわない範囲で、例えば、格子状等、他の開口を設けた円筒体、角筒体等で構成されたものであってもよい。
絶縁ケースの電線保護部材は、筒体の先端部を基板の表面から若干突出させ、筒体の先端部で角部を確実に覆うように構成したが、先端部を基板の表面化から若干突出させることが条件でなく面一であってもよい。また、電線保護部材を筒体で構成したが、平板で構成してもよい。また、合成樹脂製の絶縁ケースの成形時に一体に形成したが、別体に構成された電線保護部材を接着剤等で一体化したものであってもよい。
電線は、点灯装置の出力をLEDに給電するための手段であり、基板の電線挿通部に挿通することが可能な形状・寸法を有する被覆リード線等、全ての電線が許容される。また電線は、コネクタに接続される方式および半田面に半田付けする方式にしたが、ネジ等の手段によって接続されるものであってもよい。さらには、配線パターンを介さずにLEDに電線を直接接続するものであってもよい。
口金部材は、一般白熱電球が取付けられるソケットに装着可能な全ての口金が許容されるが、一般的に最も普及しているエジソンタイプのE26形やE17形等の口金が好適である。また、材質は口金全体が金属で構成されたものでも、電気的接続部分を銅板等の金属で構成し、それ以外の部分を合成樹脂で構成した樹脂製の口金であっても、さらには、ピン形の端子を有する口金でも、L字形の端子を有する口金でもよく、特定の口金には限定されない。