JP2012013845A - 光学部材及びこれを備えた液晶表示装置並びに光学部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電防止能を有し、透明性が高く生産性にも優れた光学部材及び液晶表示装置並びに光学部材の製造方法を提供する。
【解決手段】光学部材12は、無機層状化合物を含む帯電防止層(ASコーティング層31)を有する。この帯電防止層は、気温が20〜25℃で、かつ相対湿度が40〜70%の雰囲気下で24時間調湿後の表面抵抗値が1.0×1011(Ω/□)以下であることが好ましい。また、無機層状化合物が有機物で修飾されていない化合物であることが好ましく、スメクタイト族の化合物が好適である。帯電防止層は、セルロース系樹脂からなる樹脂フィルムに塗設されるか、又は樹脂に混合され製膜された光学フィルムであることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材及びこれを備えた液晶表示装置並びに光学部材の製造方法に関し、特に、帯電防止層を備えた光学部材及びこれを備えた液晶表示装置並びに光学部材の製造方法に関する。
携帯電話,携帯情報端末,コンピュータ用のモニター,テレビなどの情報用表示デバイスとして、液晶表示装置(LCD)が使用されている。液晶表示装置は、偏光板など光学フィルムが積層された光学部材と液晶セルとを備えており、液晶セルに電圧を印加することで生じる電界の方向に沿って液晶分子を配向させることで、光の透過、遮断を制御している。
光学部材を構成する光学フィルムは、高分子の樹脂フィルムが使用されるが、このような樹脂フィルムは通常、導電性が低く、静電気が帯電しやすい性質を有している。液晶表示装置は、液晶セルに電圧を印加して駆動制御していることから、光学部材が特に帯電しやすい。光学部材が帯電すると、液晶セルの電界に乱れが生じて表示特性が低下したり、液晶セルに放電して損傷を引き起こしたりする不具合が生じやすい。
また、一般に光学部材はチップカットされ、複数枚が積層された状態で保管されるが、使用時に保管されている光学部材から1枚を取得する際に、静電気により他の光学部材と密着して二重取りが生じてしまうこともある。
そこで従来、光学部材に帯電防止層を備えることで、上述した液晶セルの損傷などの不具合を防止する技術が知られている。また、光学部材に帯電防止層を付与することで、上述した二重取りを防ぐことができるという利点もある。例えば、特許文献1には、セルロース系樹脂基板の少なくとも一方の面に帯電防止剤が塗布された帯電防止板が開示されている。この帯電防止剤として、無機化合物が開示されており、具体例として酸化アンチモン、インジウム−スズ複合化合物や、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムなどからなる無機微粒子などが挙げられている。帯電防止剤は、接着剤や粘着剤と混合してグラビアコート法などの方法でセルロース系樹脂基板の表面に塗布される。
また、特許文献2には、透明な光等方性フィルムに透明高分子層を形成し、更にその上に透明導電層を形成した静電気防止フィルムやこれを備えた偏光フィルムが開示されている。この文献には、透明導電層として、錫を添加した酸化インジウム、酸化アルミニウムを添加した酸化亜鉛などが記載されている。また、薄膜形成方法として、ゾルゲル法などによる湿式の塗布や、真空蒸着・スパッタリング法などによる乾式のコーティングなどの技術が記載されている。また、その他の技術として、帯電防止層にイオン性有機化合物を含有させるものも知られている。
ところで、従来、光学部材の一種である位相差板として無機層状化合物層を用いたものが知られている。例えば、特許文献3には、無機層状化合物として粘土系鉱物を使用し、これを光学的に透明な樹脂に混合して製膜することで、位相差板を製造する技術が記載されている。これにより、面内の屈折率と厚み方向の屈折率が異なる位相差板を容易に製造することが可能となる。
特開平11−91038号公報(請求項1,5、段落0006〜0008) 特開平10−44286号公報(請求項1、段落0017〜0019) 特開平5−196819号公報(請求項1、段落0012〜0022,0034)
上述したように、従来の帯電防止層としては、特許文献1に記載された無機粒子や金属粒子を含むものが知られている。しかしながら、これらの粒子を帯電防止層として使用した場合、得られる帯電防止層の透明性が低くなりやすいため、高い透明性が求められる光学部材としての用途に適していない。
また、特許文献2のように光学部材に金属薄膜を形成して帯電防止層とする技術は、薄膜形成にコストがかかるため製品の高コスト化を招くこと、薄膜形成に時間がかかるため生産性が低いこと、得られる帯電防止層の透明性が低いことなどの理由で好ましくない。さらに、帯電防止層としてイオン性有機化合物を使用する技術は、帯電防止層の透明性は比較的高いが、導電性が低く帯電防止能が悪いこと、帯電防止層に含まれるイオンが接着剤層や偏光板など他の層にブリードアウトして接着性の低下や光学特性の低下などを招くおそれがあることから好ましくない。
一方、特許文献3のように、無機層状化合物を位相差板に使用する技術は知られている。しかしながら、このような無機層状化合物を帯電防止層として使用することは知られていない。
本発明の目的は、帯電防止能を有するとともに透明性が高く生産性にも優れた光学部材及びこれを備えた液晶表示装置並びに光学部材の製造方法を提供することにある。
発明者らは、従来は位相差板として使用されている無機層状化合物の研究を進めた結果、無機層状化合物の表面抵抗値が小さく帯電防止能が高いことから、新たに帯電防止層としての用途を見出し、以下の発明を完成させるに至った。
すなわち、上記課題は、本発明の光学部材によれば、無機層状化合物を含む帯電防止層を有することにより解決される。
この場合、前記帯電防止層は、気温が20〜25℃で、かつ相対湿度が40〜70%の雰囲気下で24時間調湿後の表面抵抗値が1.0×1011(Ω/□)以下であることが好ましい。
また、前記無機層状化合物が有機物で修飾されていない化合物であると好適である。
さらに、前記無機層状化合物がスメクタイト族の化合物であることが好ましい。
さらにまた、前記帯電防止層は、前記無機層状化合物と樹脂との組合せからなることが好ましい。
この場合、前記樹脂がセルロース系樹脂であることが好ましい。
この場合、前記帯電防止層は、前記樹脂からなる樹脂フィルムに塗設されるか、又は前記樹脂に混合され製膜されてなることが好ましい。
また、前記帯電防止層は、面内の位相差値が0〜10nmであり、厚み方向の位相差値が0〜400nmであることが好ましい。
この場合、前記帯電防止層が偏光板、位相差板、粘着剤又はプロテクトフィルムとしての機能を兼ねるとより好適である。
上記課題は、本発明の液晶表示装置によれば、上記いずれかに記載の光学部材と液晶セルとを備えた液晶表示装置であって、前記光学部材が偏光子を更に備え、前記帯電防止層が前記偏光子に対して前記液晶セルと反対側に積層されることにより解決される。
上記課題は、本発明の光学部材の製造方法によれば、上記いずれかに記載の帯電防止層を樹脂フィルムに塗設するか、又は樹脂に混合して製膜することにより解決される。
本発明によれば、帯電防止能を有し、透明性が高く生産性にも優れた光学部材及び液晶表示装置を提供することが可能となる。また、本発明によれば、このような性質を備えた光学部材を製造する方法を提供することが可能となる。
第1の実施形態に係る光学部材及び液晶表示装置の断面模式図である。 第2の実施形態の光学部材及び液晶表示装置の断面模式図である。 第3の実施形態の光学部材及び液晶表示装置の断面模式図である。 第4の実施形態の光学部材及び液晶表示装置の断面模式図である。 第5の実施形態の光学部材及び液晶表示装置の断面模式図である。 第6の実施形態の光学部材及び液晶表示装置の断面模式図である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、本発明は以下に説明する部材や配置等によって限定されず、これらの部材等は本発明の趣旨に沿って適宜改変することができる。
本発明の光学部材は、無機層状化合物を含む帯電防止層を有することを特徴としている。光学部材は、光学フィルムが複数積層した部材であり、後述する各実施形態では偏光板と他の機能層との積層体から構成されている。
[無機層状化合物]
本発明に用いられる無機層状化合物とは、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、鉄などの金属イオンとケイ酸が連結してなるシート型構造が層状に形成された粘土鉱物であり、層状ケイ酸塩鉱物であることが好ましい。無機層状化合物は、層間に溶媒を配位又は吸収することにより膨潤する性質を有している。
無機層状化合物としては、有機物などで修飾されていない無機層状化合物であることが好ましい。一般に、樹脂に無機層状化合物を分散した複合材料は、無機層状化合物を有機修飾して樹脂との親和性を高め分散性をもたらすものが多く、逆に修飾などの変性がなされていない無機層状化合物を用いた複合材料は、しばしば透明性に劣る。そこで、従来は透明材料には何らかの修飾された無機層状化合物が用いられていたが、無機層状化合物を修飾する有機物が遊離して複合材料からブリードアウトするなどの弊害を起こす場合があった。
帯電防止層を構成する無機層状化合物が有機物で修飾されている場合、帯電防止層からブリードアウトした有機物が隣接する他の層に浸透して悪影響を及ぼすことがある。例えば、帯電防止層に隣接する他の層が粘着剤層(感圧接着剤層)の場合、ブリードアウトした有機物により粘着力が低下しやすくなる。この粘着力低下の作用機構は明確ではないが、上述したように無機層状化合物を修飾する修飾剤化合物が遊離し、感圧接着剤を変性させているものと推定される。このため、無機層状化合物として、有機物などで修飾されていないものを用いている。なお、「有機物で修飾されていない」とは、隣接する他の層に接着力低下などの悪影響を及ぼす量の有機化合物を実質的に含んでいないことを意味する。
このような無機層状化合物としては、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スチブンサイトなどのスメクタイト族鉱物、カオリナイト、アンチゴナイト、単斜クリソタイル石、斜方クリソタイル石、パラクリソタイル石、リザード石、アメス石、ケリー石、グルーナ石、ヌポア石などのカオリナイト族鉱物、白雲母、セラドン石、ロスコー雲母、砥部雲母、鉄雲母、金雲母、真珠雲母、クリントン石などのマイカ族鉱物などが挙げられる。このような無機層状化合物は、それぞれ単独で用いられてもよいし、異なる複数種が併用されてもよい。
これら無機層状化合物のうち、人工的に合成された層状ケイ酸塩鉱物が好ましく、スメクタイト族鉱物中でも合成スメクタイトがより好ましい。合成スメクタイトは、天然物に比べて高純度であり、粒子径が小さく、その分布が狭いことから、帯電防止層の構成材料として比較的好適である。
また、天然物の層状ケイ酸塩鉱物は地中から掘り出すために、地中で有機物によって多少修飾されている可能性があり、この有機物が無機層状化合物から遊離して粘着剤層に悪影響を及ぼすことも否定できない。一方、人工的に合成された無機層状化合物は、一般にケイ素やアルミニウムなどの無機物から水熱合成、溶融合成により人工的に製造される。水熱合成や溶融合成は、いずれも200℃以上の高温で行われるため、合成の過程で有機物が分解される。このため、人工の無機層状化合物が有機物で修飾されている可能性は限りなくゼロに近い。したがって、人工物では無機層状化合物から有機物が遊離することがほとんどなく、天然物よりも好ましい。
なお、天然物の層状ケイ酸塩鉱物であっても、高純度化され粒子径が十分に小さく、光学部材を構成する帯電防止層としての用途に支障ないものも適宜使用することができる。このような天然の層状ケイ酸塩鉱物は、人工的に合成されたものより一般に廉価であるため、光学部材の生産性向上に大きく寄与する点で好ましい。天然に存在する無機層状化合物は、海底や湖底に堆積した火山灰が加温度、加圧力下で浸食、風化作用を受けることにより生成される。これらを採掘し精製することにより、工業的に利用可能な無機層状化合物を得ることができる。
また、無機層状化合物を人工的に合成するには、通常、目的の無機層状化合物に近い組成を持つゲルや長石などの鉱物を出発原料に用い、この出発原料を十分な熱エネルギーと反応時間で水熱反応させる方法が採用される。
こうして得られる無機層状化合物は、市販品として容易に入手可能であり、例えば、クニピア(クニミネ工業株式会社販売:天然物ベントナイト精製物)、スメクトンSA(クニミネ工業株式会社製:合成サポナイト)、ベンゲル(株式会社ホウジュン販売:天然ベントナイト精製物)、ホワイトベントナイト(株式会社ボルクレイ・ジャパン販売:天然ベントナイト精製物)、ビーガム(バンダービルト社製:天然スメクタイト精製物)、ルーセンタイト(コープケミカル株式会社製:合成スメクタイト)、ミクロマイカ(コープケミカル株式会社製:合成雲母)、ソマシフ(コープケミカル株式会社製:合成雲母)、ラポナイト(ロックウッド・アディティブズ社製:合成スメクタイト)などが挙げられる。
次に、無機層状化合物が帯電防止能を発揮する機構について説明する。上述したように、無機層状化合物は、水和水やカウンターイオン(通常、一価の金属の陽イオン)を有している。この水和水や金属の陽イオンを有することにより、無機層状化合物は導電性が高く低抵抗特性を有し、帯電防止能を発揮すると考えられる。また、帯電防止能は、帯電防止層中の無機層状化合物の占める割合や、水和水や金属の陽イオンの量を制御することで調整できる。
上述した無機層状化合物は、樹脂と組み合わせて光学部材に適用することができる。このような樹脂の種類としては、光学部材に適用するに際して要求される特性に応じて適宜選択して使用することができる。例えば、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、液晶ポリマー樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、セルロース系樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などを挙げることができる。
これらの樹脂のうち、無機層状化合物の分散性が良好で透明性に優れたセルロース系樹脂が好ましく、特にセルロース誘導体から構成される樹脂が好適である。セルロース誘導体とは、下式(I)に相当するセルロースにおいて、水酸基の一部がエステル化やエーテル化などにより、アルカノイルオキシ基やアルコキシ基などで置換されている化合物をいう。
Figure 2012013845
セルロース誘導体としては、例えば、セルロースアセテート(セルローストリアセテートやセルロースジアセテートと呼ばれている化合物を含む)、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、セルロースナイトレート、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースなどが含まれる。このようなセルロース誘導体は、それぞれ単独で用いられてもよいし、異なる複数種が併用されてもよい。また、少量の可塑剤などの添加剤を加えて用いてもよい。
本発明では、水酸基の置換度が2.1〜3.0の範囲にあるセルロース誘導体が採用される。ここで、セルロース誘導体における水酸基の置換度とは、一般にいわれる置換度(Degree of Substitution)と同じ意味であって、下式(II)に相当するセルロースの単位環(ピラノース環と呼ぶこともできる)1個あたり3個存在する水酸基が、他の基によって置換されている割合を意味する。
Figure 2012013845
式(I)のとおり、セルロースは式(II)に相当する単位環(ピラノース環)が多数結合した構造を有するので、水酸基の置換度は、平均的な値として求められる。また、上の定義からわかるように、セルロースの単位環(ピラノース環)には水酸基が3個存在するので、セルロース誘導体における水酸基の置換度は、最大で3.0となる。
このような水酸基の置換度は、公知の方法で測定できる。例えば、セルロースアセテートの水酸基の置換度は、セルロースアセテートをプロピオニル化した後、13C−NMRを測定することにより求めることができる。測定方法については、手塚らの方法(Carbohydr. Res. 273 (1995) 83−91)を参照できる。
セルロース誘導体における水酸基の置換度は、2.1以上が好ましく、より好ましくは2.4以上、更に好ましくは2.5以上である。また、セルロース誘導体における水酸基の置換度は、3.0以下が好ましく、より好ましくは2.9以下である。水酸基の置換度が2.1を下回るセルロース誘導体を用いると、得られる帯電防止層の高温高湿環境下における耐久性が十分でなくなる傾向にある。反対に、水酸基が一部残っているセルロース誘導体を用いることで、無機層状化合物が分散しやすくなる傾向にある。このため、セルロース誘導体としては、水酸基の7割以上(好適には8割以上)が置換されているが、一部が水酸基のまま残っているものが好ましい。
また、セルロース誘導体の数平均分子量は、2万5千〜12万が好ましい。数平均分子量が2万5千を下回るセルロース誘導体を用いると、得られる帯電防止層の機械強度が弱くなる傾向にある。一方、数平均分子量が12万を超えるセルロース誘導体を用いると、それに相溶する高分子と無機層状化合物を配合して得られる塗工液において、無機層状化合物が十分に分散しにくくなる傾向にある。その結果、このような塗工液を用いて得られた帯電防止層においても、無機層状化合物の分散状態が悪くなり、透明性が低下する。セルロース誘導体の数平均分子量は、2万5千〜9万5千であるのが好ましい。これらの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した値を採用することができる。
セルロース誘導体は、低置換度セルロースアセテートと高置換度セルロースアセテートの混合物が好ましい。低置換度セルロースアセテートと高置換度セルロースアセテートの混合物の水酸基の置換度は、2.5〜2.75であることが好ましい。低置換度セルロースアセテートの水酸基の置換度は2.1〜2.6が好ましく、数平均分子量は2万5千〜7万5千であることが好ましい。また、高置換度セルロースアセテートの水酸基の置換度は2.8〜3が好ましく、数平均分子量は6万5千〜9万5千が好ましい。低置換度セルロースアセテートと高置換度セルロースアセテートの混合物の水酸基の置換度が2.5未満であると、帯電防止層の耐湿熱性が低下し、帯電防止層が白化する場合がある。また、これらの混合物の水酸基の置換度が2.75を超えると、帯電防止層の中の有機物で修飾されていない無機層状化合物の分散状態が悪化し、透明性が低下する場合がある。
セルロース誘導体の製法は、特に限定されないが、通常、以下の手順で行われる。まず、α−セルロース含有量の比較的高い木材パルプなどのセルロース原料を離解・解砕した後、酢酸、プロピオン酸、酪酸や少量の酸性触媒を含んだ酢酸などを散布混合する前処理活性化工程を行う。次に、酢酸、プロピオン酸又は酪酸などとその無水物及び酸性触媒(例えば硫酸)を含む混酸で活性化セルロースを処理して一次セルロースエステルを得る酢化工程を行う。こうして得られた一次セルロースエステルを加水分解して所望の置換度の二次セルロースエステルにする熟成工程を行う。さらに、この工程で得られた二次セルロースエステルを反応溶液から沈澱分離、精製、安定化、乾燥する後処理工程を経ることで、セルロース誘導体を得ることができる。
こうして得られるセルロース誘導体は、市販品として容易に入手可能であり、例えば、LM−80(ダイセル化学工業株式会社製)、L−20、L−30、L−40、L−70(ダイセル化学工業株式会社製:セルロースジアセテート)、LT−35、LT−55、LT−105(ダイセル化学工業株式会社製:セルローストリアセテート)、TC−5(信越化学工業株式会社製:ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、メトローズ(信越化学工業株式会社製:メチルセルロース)、信越AQOAT(信越化学工業株式会社製:ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート)、メセロース(巴工業株式会社製:メチルセルロース)、cellulose triacetate製品番号181005(アルドリッチ社製:セルローストリアセテート)などが挙げられる。
帯電防止層では、セルロース誘導体に対する無機層状化合物の重量比が0.5〜5の範囲とすることが好ましい。帯電防止層におけるセルロース誘導体に対する無機層状化合物の重量比が0.5未満であると、帯電防止層としたときに十分な厚み方向の位相差値が得られにくい。一方、帯電防止層におけるセルロース誘導体に対する無機層状化合物の重量比が5を超えると、それらを極性有機溶媒と混合して塗工液としたときに、無機層状化合物が十分に分散しにくくなる。そして、このような塗工液を用いて得られた帯電防止層においても、無機層状化合物の分散状態が悪くなり、透明性が低下する。セルロース誘導体に対する無機層状化合物の重量比は、1〜4の範囲となるようにするのがより好ましい。
無機層状化合物は、上述した樹脂と組み合わせて光学部材に適用することができる。樹脂と組み合わせる方法としては、主に以下の方法が挙げられる。
(a)樹脂フィルムの表面に無機層状化合物を直接塗工して粘土自立膜を形成する方法
(b)無機層状化合物とバインダー樹脂を混合して他のフィルム表面に塗工する方法
(c)無機層状化合物と樹脂を混錬して製膜し、樹脂フィルムとする方法
(a)の方法では、無機層状化合物単独、あるいはこれに少量のバインダー樹脂を添加して溶媒に溶解することで塗工液を作製し、この塗工液を他のフィルム上に直接塗工して乾燥させて無機層状化合物の自立膜で構成される帯電防止層を形成する。(b)の方法では、無機層状化合物とバインダー樹脂を溶媒に混合して溶解し、これを他のフィルム表面に塗工することで、フィルム表面に無機層状化合物と樹脂からなる帯電防止層を形成する。(c)の方法では、無機層状化合物と樹脂を混錬機などで混錬し、これをフィルム状に製膜して帯電防止能を有する樹脂フィルムを作製する。この樹脂フィルムを他のフィルムに積層することで、帯電防止層を有する光学部材を得る。
(a)〜(c)のいずれの方法でも、無機層状化合物を溶媒に溶解させる必要がある。このような溶媒としては、水や極性有機溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、無機層状化合物を膨潤させることができるものが好ましく用いられる。この場合、さらにコロイド状を呈するまで膨潤させ得るものが好ましい。
極性有機溶媒としては、無機層状化合物を膨潤させ、更にコロイド状を呈するまで膨潤させ得るものであれば特に限定されない。また、(b)のように樹脂と無機層状化合物を混合する場合は、極性有機溶媒に樹脂を溶解する性質があれば特に限定されない。このような極性有機溶媒としては、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、炭酸プロピレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリンなどが好ましい。これらをそれぞれ単独か、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
極性有機溶媒の比誘電率は30以上が好ましい。このような好ましい極性有機溶媒の典型的な例として、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、炭酸プロピレンなどが挙げられる。また、これらから複数選択された混合溶媒を用いることもできる。また、この塗工液組成物には、基板上に塗工する際の塗布性を向上させるための粘度調整剤、レベリング剤、消泡剤などを含有させてもよい。
このような塗工液組成物の成分を分散・溶解するのに用いられる装置としては、特に限定されない。例えば、タービン型などの攪拌翼を備えた通常の攪拌混合機、ホモジナイザー(ホモゲナイザー)、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、超音波分散機などが挙げられる。中でも、ビーズミル、ペイントシェーカーは有機物で修飾されていない無機層状化合物を効率よく微分散させることができるため好ましい。これらの装置は、有機物で修飾されていない無機層状化合物の分散状態や、樹脂成分の溶解程度に応じて異なる複数種が併用されてもよい。
塗工方法としては、例えばダイコーター、カンマコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、ドクターブレードコーター、エアドクターコーターなど公知の塗工機を用いて行うことができる。
さらに、乾燥により極性有機溶媒を揮発させて塗工液から除去する。具体的には、乾燥炉へ導入して乾燥させる方法が挙げられる。乾燥温度と乾燥時間は、用いた溶媒を除去するのに十分な範囲であれば特に制限されない。例えば、温度は50〜170℃程度、時間は30秒〜30分程度の範囲から適宜選択することができる。
また、(c)の方法のように、無機層状化合物と樹脂を混錬し、これをフィルム状に成型して未延伸フィルムに製膜してもよい。無機層状化合物と樹脂を混錬する方法としては、上述した、攪拌混合機、ホモジナイザーなど公知の混錬装置を用いることができる。また、製膜方法としては、例えば、溶融樹脂からの押出成形法や、有機溶剤に溶解させた樹脂を平板上に流延した後で溶剤を除去して製膜する溶剤キャスト法等が挙げられる。これにより、実質的に面内位相差がない未延伸フィルムを得ることができる。なお、これらの製膜方法のうち、生産性の観点からは溶融樹脂からの押出成形法が好ましい。
また、製膜後の未延伸フィルムに対して、必要に応じて延伸処理を行ってもよい。延伸方法としては、固定端一軸延伸、自由端一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸などが挙げられる。延伸処理により、樹脂フィルムに位相差を持たせたり、機械強度を向上させたりすることができる。
このようにして得られる帯電防止層は、気温が20〜25℃で、かつ相対湿度が40〜70%の雰囲気下で24時間調湿後の表面抵抗値が1.0×1011(Ω/□)以下であることが好ましい。表面抵抗値がこの値以下であれば、導電性に優れ、帯電防止能を十分に発揮することができる。
また、帯電防止層のヘイズ値は、本光学部材が適用される液晶表示装置のコンセプトに依存する。例えば、防眩性重視の場合、光拡散機能が必要にあるが、この機能を本光学部材に求める場合、ヘイズ値は通常2%〜50%の範囲の中から適宜選択される。また、明所コントラスト重視(暗室のような暗所ではなく、通常の室内の明るさの中で表示装置を見たときのコントラスト)の場合、外光入射による光拡散を抑制するために、本光学部材のヘイズ値は通常1%以下に調整される。なお、ヘイズ値は、JIS K 7105に準拠して測定される。
本発明の光学部材としては、上述した無機層状化合物を含む帯電防止層を少なくとも備えていればよいが、偏光板や位相差板など光学機能層と組み合わせることで所望の光学特性を備えた光学部材とすることができる。また、帯電防止層の数としては少なくとも1層を備えていればよいが、2層以上備えていてもよい。
さらに、無機層状化合物を含む帯電防止層を光学部材に適用する場合、通常の帯電防止層として機能させるほか、接着など他の機能を併せ持つ機能層とすることも可能である。このような機能層としては、帯電防止能を兼ね備えた位相差板、粘着剤、偏光板、プロテクトフィルムなどが挙げられる。以下、無機層状化合物を含む帯電防止層を光学部材に適用した各種の実施形態について説明する。
<第1の実施形態:ASコーティング層>
以下に、第1の実施形態に係る光学部材と液晶表示装置について説明する。この実施形態では、帯電防止層として帯電防止能を有するコーティング層に適用した例について説明する。図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置1は、液晶セル11と光学部材12と図示しないリア側の光学部材、バックライト等を備えている。
本実施形態の光学部材12は、液晶表示装置1の視認側(液晶セル11とは反対側)から順に、ASコーティング層31、偏光板22、位相差板23、粘着剤層24が積層された構造を有している。なお、図1では、視認側(フロント側)の光学部材12のみを図示しているが、液晶表示装置1には通常、図示しないバックライト側(リア側)にも光学部材を備えている。本明細書の他の実施形態についても同様に、バックライトやリア側の光学部材を省略して図示している。なお、ASコーティング層31の「AS」とは、アンチスタティック(Anti−static:帯電防止)の略であり、本明細書の他の記載についても同様の意味である。なお、粘接着性のない層を積層する際、光学部材の構造を強固にするために、粘着剤や接着剤を介して積層されてもよい。
[ASコーティング層]
ASコーティング層31は、上述した無機層状化合物を含み、帯電防止能を備えている。ASコーティング層31は、上述した無機層状化合物と樹脂とを組み合わせて形成することができる。ASコーティング層に使用される樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル、メチルメタクリレート共重合体、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。ASコーティング層は、上述した(a),(b)のいずれかの方法で作製することができる。
[偏光板]
偏光板22は、ある方向の振動面を有する直線偏光を吸収し、それと直交する方向の振動面を有する直線偏光を透過させる機能を有する。偏光板22の種類は特に限定されず、公知の偏光板を用いることが可能である。偏光板22を構成する偏光子(偏光フィルム)として、例えばポリビニルアルコールやエチレン・酢酸ビニル共重合体などの樹脂フィルムにヨウ素や二色性染料を吸着させて配向させたものを使用することができる。また、必要に応じて樹脂フィルムの表面に補強のためトリアセチルセルロース層(TAC層)からなる保護フィルムを積層したり、TAC層にハードコート処理や防眩処理を施したりしてもよい。偏光板22の製造方法は、公知の手法を採用することが可能であり、例えば、上述した樹脂フィルムをヨウ素や二色性色素で染色したのち、樹脂フィルムを一軸延伸し、ホウ酸処理を施す方法が挙げられる。
[位相差板]
位相差板23は、面内に配向し、光学異方性を有する位相差フィルムからなる部材である。位相差板23は、例えば、溶融樹脂からの押出成形によって原反フィルムを作製し、この原反フィルムを延伸して位相差を発現させ、位相差板とすることができる。また、液晶のような配向する材料を基材に塗工し、配向させることで位相差を発現させ、固定化することによって、位相差板とする方法もある(例えば、特開2004−272202号公報の実施例4、または特開2004−233872号公報の実施例3に記載の、透明支持体上に棒状液晶性化合物を含む光学異方性層を形成する方法)。特に、二軸延伸により二軸方向の複屈折性を発現させたものが好ましい。このときの延伸倍率は、材料にも依存するが、縦方向及び横方向のうち、軸を発現させる方向(延伸倍率が大きい方向)で1.1〜10倍程度、それと直行する方向(延伸倍率が小さい方向)で1.1〜7倍程度の範囲から、必要とする位相差値に合わせて、適宜選択すればよい。フィルムの横方向に軸を発現させてもよいし、縦方向に軸を発現させてもよい。
位相差フィルム20の位相差値について説明すると、面内の位相差値(Ro)が40〜500nmの範囲にあり、厚み方向の位相差値(Rth)が0〜500nmの範囲にあるのが好ましい。この範囲から、適用される液晶表示装置に要求される特性に合わせて、適宜選択すればよい。面内の位相差値(Ro)は、より好ましくは100nm以下であり、厚み方向の位相差値(Rth)は、より好ましくは、80nm以上、また300nm以下である。
フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をn、面内進相軸方向(遅相軸と面内で直交する方向)の屈折率をn、厚み方向の屈折率をn、厚みをdとしたときに、面内の位相差値(Ro )及び厚み方向の位相差値(Rth)は、それぞれ下式(I)及び(II)で定義される。
Ro=(n−n)×d (I)
Rth=[(n+n)/2−n]×d (II)
また、位相差板23は、その厚みが60μm以下でよい。ただし、あまり薄すぎると、ハンドリング性の低下などが起こり得ることから、5μm以上であるのが好ましい。この位相差フィルムの厚みは、10μm以上、また40μm以下であるのがより好ましい。但し、基材に液晶などの材料を塗工して作製するような位相差板の場合、ハンドリング性は基材の厚みで確保されることから、位相差層の厚みは、5μm以下であってもよく、好ましくは、0.1〜20μm、更に好ましくは、0.3〜10μmである。
[粘着剤層]
粘着剤層24は、粘着性のある材料で形成され、樹脂フィルムどうしや樹脂フィルムと液晶セル11を接着する機能を有している。本実施形態の粘着剤層24は、位相差板23と液晶セル11を接着している。本実施形態では、粘着剤層24として感圧接着剤を使用している。感圧接着剤は、押さえるだけで他の物質の表面に接着する性質を有しており、被着面に強度さえあれば被着面から引き剥がすだけでほとんど痕跡を残さずに除去できる。このような感圧接着剤は、粘着剤とも呼ばれる粘弾性体である。感圧接着剤としては、公知の粘着剤から適宜選択して用いることが可能であり、例えばアクリル系、ゴム系、ウレタン系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系などの粘着剤が挙げられる。
光学部材12は、これらの各層を構成する樹脂フィルムを、この順に、あるいは任意の順で積層することで製造することができる。樹脂フィルムの貼合には、公知の接着剤や粘着剤などを使用することができる。各層を構成する樹脂フィルムの貼合方法としては、枚葉体の樹脂フィルムどうしを貼合するシート・トゥ・シート貼合や、ロール状の樹脂フィルムに枚葉体の樹脂フィルムを貼合するロール・トゥ・シート貼合(あるいはシート・トゥ・ロール貼合)などが挙げられる。
また、樹脂フィルムの表面に他の樹脂フィルムの塗工液を塗工することで、樹脂フィルムどうしを直接積層することもできる。塗工液を直接塗工する方法としては、上述したダイコーターなどの公知の塗工機を用いる方法が挙げられる。
<第2の実施形態:AS偏光板>
以下に、第2の実施形態に係る光学部材と液晶表示装置について説明する。この実施形態では、偏光板に帯電防止能を付与して偏光機能と帯電防止機能の両方を兼ね備えた帯電防止層の例について説明する。図2(a)に示すように、本実施形態の液晶表示装置2は、液晶セル11と光学部材13と図示しないリア側の光学部材、バックライト等を備えている。
本実施形態の光学部材13は、液晶表示装置2の視認側(液晶セル11とは反対側)から順に、コーティング層21、AS偏光板32、位相差板23、粘着剤層24が積層された構造を有している。このうち位相差板23、粘着剤層24は、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。また、コーティング層21は、第1の実施形態のASコーティング層31とは異なり、帯電防止能がない通常のコーティング層である。なお、粘接着性のない層を積層する際、光学部材の構造を強固にするために、粘着剤や接着剤を介して積層されてもよい。
[AS偏光板]
AS偏光板32は、偏光板に帯電防止層としての機能を付与した偏光板である。上述したように、偏光板は通常、偏光作用を有する偏光子と、その表面を保護するTACなどの樹脂からなる保護層とにより構成されている。偏光板に帯電防止能を付与するには、図2(b)に示すように偏光子32a自体に帯電防止能を付与する方法や、図2(c)に示すように偏光子を保護する保護層32bに帯電防止能を付与する方法がある。
偏光子32aに帯電防止能を付与する方法としては、例えば偏光子32aを構成するポリビニルアルコールなどの樹脂に無機層状化合物を混錬して製膜する方法や、ヨウ素や二色性色素に無機層状化合物を混合して樹脂に吸着させる方法などが挙げられる。保護層32bに帯電防止能を付与する場合には、偏光子32aの両側の保護層32bの両方に帯電防止能を付与してもよく、一方のみ(例えば、液晶セル11側あるいはその反対側の保護層32bのみ)に帯電防止能を付与してもよい。このように、偏光子32aや、これに直接貼合される保護層32bに帯電防止能をもたせることで、帯電防止層を別途設ける必要がなく、薄型化や製造コストの低減を図ることができる。
また、保護層32bに帯電防止能を付与する方法としては、例えば保護層32bを構成するトリアセチルセルロースなどの樹脂に無機層状化合物を混錬して製膜する方法が挙げられる。また、偏光子32aと保護層32bの間や、保護層32bの表面に無機層状化合物や無機層状化合物と樹脂を含む塗工液を塗工することで帯電防止層を形成する方法も挙げられる。このように、偏光板が帯電防止機能を兼ねることで、光学部材13に帯電防止層を別途設ける必要がなくなるため、光学部材13の全体の薄膜化や製造コストの低減を図ることができる。
<第3の実施形態:AS位相差板>
以下に、第3の実施形態に係る光学部材と液晶表示装置について説明する。この実施形態では、位相差板に帯電防止能を付与して位相差機能と帯電防止機能の両方を兼ね備えた帯電防止層の例について説明する。図3に示すように、本実施形態の液晶表示装置3は、液晶セル11と光学部材14と、図示しないリア側の光学部材、バックライト等を備えている。
本実施形態の光学部材14は、液晶表示装置3の視認側(液晶セル11とは反対側)から順に、コーティング層21、偏光板22、AS位相差板33、粘着剤層24が積層された構造を有している。このうちコーティング層21、偏光板22、粘着剤層24は、第1や第2の実施形態と同様であるため説明は省略する。なお、粘接着性のない層を積層する際、光学部材の構造を強固にするために、粘着剤や接着剤を介して積層されてもよい。
[AS位相差板]
AS位相差板33は、帯電防止層としての機能を付与した位相差板である。位相差板に帯電防止能を付与するには、位相差板自体に帯電防止能を付与する方法がある。位相差板自体に帯電防止能を付与する方法としては、例えば位相差板を構成する樹脂に無機層状化合物を混錬して製膜する方法が挙げられる。また、位相差板の表面に無機層状化合物を直接塗工して粘土自立膜を形成する方法や、無機層状化合物とバインダー樹脂を混合して位相差板表面に塗工する方法も挙げられる。AS位相差板33の樹脂材料としては、上述した透明性等の観点から、セルロース誘導体が好ましい。また、AS位相差板33の製造方法も、上述したような公知の製膜、延伸による方法を適宜採用することができる。また、使用される無機層状化合物は、ブリードアウトの観点からは有機物などで修飾されていないものが好ましい。特に、本実施形態の光学部材14のように、AS位相差板33に粘着剤層24が直接積層されている場合には、有機物修飾された無機層状化合物では有機物のブリードアウトにより粘着剤層24の粘着力が低下するため好ましくない。
AS位相差板33には、疎水性、耐久性、可塑性、凝集力をさらに向上させるための各種添加剤、例えば、滑剤、架橋剤、可塑剤などを含有していてもよい。
AS位相差板33は、フィルムの厚みやそれを構成する組成物の配合比率を適宜調整して厚み方向の位相差値を制御し、完全二軸性の位相差板(cプレート)とすることもできる。
cプレートとしたときの、AS位相差板33の位相差値としては、面内が0〜10nmであり、厚み方向が40〜400nmであることが好ましい。面内の位相差値が10nmを超えると、その値が無視できなくなり厚み方向の負の一軸性が損なわれ、複合偏光板化し液晶セル11に貼合した際に光漏れなどが生じることがある。厚み方向の負の一軸性を維持するという観点から、面内の位相差値は、好ましくは0〜5nmである。また、AS位相差板33の厚み方向の位相差値は、この位相差板の用途、特に複合偏光板が貼合して用いられる液晶セル11の特性にあわせて適時選択されるものであり、上記の範囲内に特に制限されるものではないが、50〜350nmがより好ましく、40〜300nmが特に好ましい。
この厚み方向の位相差値は、AS位相差板33中の粘土鉱物の含有量、粘土鉱物の配向とフィルムの厚みによって制御することができる。したがって、フィルムの厚みは特に制限されず、位相差板に求められる位相差値を実現するのに必要な厚みであればよい。
なお、フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をn、フィルムの面内進相軸方向の屈折率をn、フィルムの厚み方向の屈折率をn、フィルムの厚みをdとしたとき、面内の位相差値R、厚み方向の位相差値RthとN係数は、それぞれ下式(1)〜(3)で定義される。
=(n−n)×d (1)
th=〔(n+n)/2−n〕×d (2)
係数=(n−n)/(n−n) (3)
厚み方向の屈折率異方性は、式(2)により定義される厚み方向の位相差値Rthで表される。位相差値Rthは、面内の位相差値R、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜して測定した位相差値R40、フィルムの厚みd、フィルムの平均屈折率nを用いて、式(1)と次式(4)と(5)から数値計算によりn、n、nを求め、これらを式(2)に代入して算出することができる。
40=(n−ny′)×d/cos(φ) (4)
(n+n+n)/3=n (5)
ここで、
φ=sin−1[sin(40°)/n] (6)
y′=n×n/[n ×sin(φ)+n ×cos(φ)]1/2 (7)
このように、位相差板が帯電防止機能を兼ねることで、光学部材14に帯電防止層を別途設ける必要がなくなるため、光学部材14の全体の薄膜化や製造コストの低減を図ることができる。
<第4の実施形態:AS粘着剤層>
以下に、第4の実施形態に係る光学部材と液晶表示装置について説明する。この実施形態では、粘着剤層に帯電防止能を付与して粘着機能と帯電防止機能の両方を兼ね備えた帯電防止層の例について説明する。図4に示すように、本実施形態の液晶表示装置4は、液晶セル11と光学部材15と図示しないリア側の光学部材、バックライト等を備えている。
本実施形態の光学部材15は、液晶表示装置4の視認側(液晶セル11とは反対側)から順に、コーティング層21、偏光板22、位相差板23、AS粘着剤層34が積層された構造を有している。このうちコーティング層21、偏光板22、位相差板23は、第1〜第3の実施形態と同様であるため説明は省略する。AS粘着剤層34は、位相差板23と液晶セル11の貼合に使用される。なお、粘接着性のない層を積層する際、光学部材の構造を強固にするために、粘着剤や接着剤を介して積層されてもよい。
[AS粘着剤層]
AS粘着剤層34は、帯電防止層としての機能を付与した粘着剤層である。粘着剤層に帯電防止能を付与するには、粘着剤層を構成する粘着剤に無機層状化合物を混合する方法が挙げられる。なお、AS粘着剤層34に使用される無機層状化合物は、ブリードアウトの観点からは有機物などで修飾されていないものが好ましい。有機物修飾された無機層状化合物では、有機物のブリードアウトにより感圧接着剤の変性等が生じ、AS粘着剤層34の粘着力が低下するため好ましくない。
このように、AS粘着剤層34が帯電防止機能を兼ねることで、光学部材15に帯電防止層を別途設ける必要がなくなるため、光学部材15の全体の薄膜化や製造コストの低減を図ることができる。また、液晶セル11に直接接しているAS粘着剤層34が帯電防止機能を備えていることから、光学部材15に帯電した静電気が液晶セル11へ放電することを効率的に防止することが可能となり、液晶セル11の損傷等を防ぐことができるという効果も期待できる。
<第5の実施形態:ASプロテクトフィルム>
以下に、第5の実施形態に係る光学部材と液晶表示装置について説明する。この実施形態では、偏光板を保護するプロテクトフィルムに帯電防止能を付与して保護機能と帯電防止機能の両方を兼ね備えた帯電防止層の例について説明する。図5に示すように、本実施形態の液晶表示装置5は、液晶セル11と光学部材16と図示しないリア側の光学部材、バックライト等を備えている。
本実施形態の光学部材16は、液晶表示装置5の視認側(液晶セル11とは反対側)から順に、ASプロテクトフィルム25、偏光板22、位相差板23、粘着剤層24が積層された構造を有している。このうち偏光板22、位相差板23、粘着剤層24は、第1〜第4の実施形態と同様であるため説明は省略する。なお、粘接着性のない層を積層する際、光学部材の構造を強固にするために、粘着剤や接着剤を介して積層されてもよい。
[ASプロテクトフィルム]
ASプロテクトフィルム25は、偏光板22の表面を保護するための剥離可能なフィルムであり、本実施形態では剥離可能な剥離層26と粘着性を有する粘着剤層27とから構成されている。ASプロテクトフィルム25は、粘着剤層27に無機層状化合物を含んでおり、剥離するまでは、光学部材の帯電防止を図っている。また、剥離層26を剥離する際に生じる光学部材の帯電を防止する役目も担っている。
剥離層26を構成する樹脂としては、ハンドリングが容易であり、ある程度の透明性が確保される材料が好ましい。このような樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂などを好ましく用いることができる。さらに、これらの1種又は2種以上を単層または多層状に成形したフィルムを保護フィルムとして用いることができる。また、粘着剤層27としては、上述した粘着剤層24と同様の構成を採用することができる。粘着剤層27には、無機層状化合物が添加される。
プロテクトフィルムとしては、具体的には、ポリエチレン樹脂フィルム表面に粘着剤層が形成されているサニテクト((株)サンエー化研より販売)、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム表面に粘着剤層が形成されているE−マスク(日東電工(株)製)、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム表面に接着剤層が形成されているマスタック(藤森工業(株)製)などの市販品が挙げられる。ASプロテクトフィルム25は、このような市販品のプロテクトフィルムの粘着剤層に無機層状化合物を添加することで製造することができる。
このように、ASプロテクトフィルム25が帯電防止機能を兼ねることで、光学部材16に帯電防止層を別途設ける必要がなくなるため、光学部材16の全体の薄膜化や製造コストの低減を図ることができる。
<第6の実施形態:2以上のAS層>
以下に、第6の実施形態に係る光学部材と液晶表示装置について説明する。この実施形態では、2種類以上の帯電防止層を備えた例について説明する。図6に示すように、本実施形態の液晶表示装置6は、液晶セル11と光学部材17と図示しないリア側の光学部材、バックライト等を備えている。
本実施形態の光学部材17は、液晶表示装置6の視認側(液晶セル11とは反対側)から順に、ASコーティング層31、偏光板22、AS位相差板33、粘着剤層24が積層された構造を有している。これらの部材は、いずれも第1〜第5の実施形態と同様であるため説明は省略する。なお、粘接着性のない層を積層する際、光学部材の構造を強固にするために、粘着剤や接着剤を介して積層されてもよい。
本実施形態では、上述した第1〜第5の実施形態の帯電防止層を2つ以上組み合わせた例である。このように2つ以上の帯電防止層を備えることで、光学部材17の帯電をより効率的に防止することが可能となるため好ましい。なお、本実施形態では、コーティング層と位相差板に帯電防止機能を付与した例について説明している。しかしながら、2種類以上の帯電防止層としてはこれに限定されず、例えば粘着剤層と偏光板に帯電防止層を付与するなど、第1〜第5の実施形態の任意の組み合わせで実現することができる。また、3種類以上の帯電防止層を設けることも可能である。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量を表す%は、特記ないかぎり重量基準である。
[実施例1]
(1)合成スメクタイト水溶液の調整
有機修飾されていない合成スメクタイト(ルーセンタイトSWN、コープケミカル株式会社製)5gを、純水95gに溶解し、合成スメクタイト水溶液を得た。
(2)ケン化TACフィルムの作製
厚み80μmのTACフィルム(セルローストリアセテートフィルム、KC8UY、コニカミノルタオプト株式会社製)を40℃5規定の水酸化カリウム水溶液に23秒浸し、乾燥させることで、表層がケン化処理された、厚み80μmのケン化TACフィルムを得た。
(3)ケン化TACフィルム上へのスメクタイト自立膜(帯電防止層)の作製
上記(1)で調整した、合成スメクタイト水溶液を、上記(2)で作製した厚み80μmのケン化TACフィルム上に、アプリケーターを用いて塗工し、80℃で5分間乾燥して、ケン化TACフィルム上にコーティングされたスメクタイト自立膜を作製した。
(4)表面抵抗値の測定
上記(3)で作製した、ケン化TACフィルム上へのスメクタイト自立膜の表面抵抗値を高抵抗率計(ハイレスターUP、MCP−H450、三菱化学株式会社製)で測定した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
合成スメクタイトをルーセンタイトSWNからルーセンタイトSWN−Lに変えた以外は、実施例1と同様に操作を行った。得られた表面抵抗値の結果を表1に示す。
[実施例3]
(1)スメクタイト/N,N−ジメチルアセトアミド分散液の調製
無機層状化合物であって、有機修飾されていない合成スメクタイト(ルーセンタイトSWN−L、コープケミカル株式会社製)3.3g、有機修飾されていない合成スメクタイト(ルーセンタイトSWN、コープケミカル株式会社製)3.3g、N,N−ジメチルアセトアミド96.1gを加え、ジルコニアビーズ(直径:0.8mm)79mlと高速攪拌機(スリーワンモーターBL1200、新東科学株式会社製)を用いて攪拌し、スメクタイトを分散させスメクタイト分散液を得た。
(2)セルロースアセテート溶液の調製
水酸基の置換度が2.88で数平均分子量が76000のセルロースアセテート(セルローストリセテート LT−35、ダイセル化学工業株式会社製)15部にN,N−ジメチルアセトアミド85部を加え、攪拌して溶解させ、15%濃度の高置換度セルロースアセテート溶液を調製した。
(3)塗工液の調製
上記(1)で調製したスメクタイトとN,N−ジメチルアセトアミドの分散液102.7gに、同じく上記(2)で調製した15%濃度の高置換度セルロースアセテート溶液22.2gを加え、高速攪拌機でさらに2時間攪拌し、分散処理を行なった。得られた分散液を孔径6μmのメンブランフィルターで濾過し、塗工液Aとした。この塗工液は、全体を100部としたときに以下の組成を有するものである。
・有機修飾されていない合成スメクタイト SWN−L 2.6部
・有機修飾されていない合成スメクタイト SWN 2.6部
・水酸基の置換度が2.88の高置換度セルロースアセテート 2.6部
・N,N−ジメチルアセトアミド 92.2部
(4)ルーセンタイト入りTACフィルムの作製および評価
上記(3)で調製した塗工液Aを、離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを用いて塗工し、100℃で3分間乾燥して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にコーティングされたルーセンタイト入りTACフィルムを作製した。
(5)表面抵抗値の測定
上記(4)で作製した、ルーセンタイト入りTACフィルムの表面抵抗値を高抵抗率計(ハイレスターUP、MCP−H450、三菱化学株式会社製)で測定した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で作製したケン化フィルムの表面抵抗値を実施例1に記載の方法で評価を行った。得られた表面抵抗値の結果を表1に示す。
[参考例1]
特開2010−066756号公報に記載の粘着剤(帯電防止粘着剤に相当)の実施例の表面抵抗値(Ω/□)を表1に示す。
[参考例2]
特開2007−022071号公報に記載の帯電防止積層体(帯電防止表面処理に相当)の実施例の表面抵抗値(Ω/□)を表1に示す。
[参考例3]
特開2006−326961号公報に記載の表面保護フィルム(帯電防止プロテクトフィルムに相当)の実施例の表面抵抗値(Ω/□)を表1に示す。
Figure 2012013845
実施例1〜3と比較例1から、無機層状化合物を含む帯電防止層を備えたフィルムでは、無機層状化合物を含まない通常の樹脂フィルムよりも表面抵抗値が低く、したがって帯電防止能が優れていることがわかる。特に、実施例1,2のようにフィルム上に合成スメクタイト水溶液を塗工して粘土自立膜を形成する方法では、実施例3のように無機層状化合物を樹脂に分散させて製膜したフィルムよりも表面抵抗値が更に低く、帯電防止能がより優れていることがわかる。また、実施例1〜3と参考例1〜3との比較から、無機層状化合物を含む帯電防止層を備えたフィルムは、従来の帯電防止処理が施されたフィルムと比べて表面抵抗値が小さく、帯電防止能がより優れていることがわかる。
1〜6 液晶表示装置、11 液晶セル、12〜17 光学部材、21 コーティング層、22 偏光板、23 位相差板、24 粘着剤層、25 プロテクトフィルム、26 剥離層、27 粘着剤層、31 ASコーティング層、32 AS偏光板、32a 偏光子、32b 保護層、33 AS位相差板、34 AS粘着剤層

Claims (11)

  1. 無機層状化合物を含む帯電防止層を有する光学部材。
  2. 前記帯電防止層は、気温が20〜25℃で、かつ相対湿度が40〜70%の雰囲気下で24時間調湿後の表面抵抗値が1.0×1011(Ω/□)以下である請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記無機層状化合物が有機物で修飾されていない化合物である請求項1又は2に記載の光学部材。
  4. 前記無機層状化合物がスメクタイト族の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材。
  5. 前記帯電防止層は、前記無機層状化合物と樹脂との組合せからなる請求項1〜4のいずれかに記載の光学部材。
  6. 前記樹脂がセルロース系樹脂である請求項5に記載の光学部材。
  7. 前記帯電防止層は、前記樹脂からなる樹脂フィルムに塗設されるか、又は前記樹脂に混合され製膜されてなる請求項5又は6に記載の光学部材。
  8. 前記帯電防止層は、面内の位相差値が0〜10nmであり、厚み方向の位相差値が0〜400nmである請求項1〜7のいずれかに記載の光学部材。
  9. 前記帯電防止層が偏光板、位相差板、粘着剤層又はプロテクトフィルムとしての機能を兼ねる請求項1〜8のいずれかに記載の光学部材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の光学部材と液晶セルとを備えた液晶表示装置であって、
    前記光学部材が偏光子を更に備え、
    前記帯電防止層が前記偏光子に対して前記液晶セルと反対側に積層される液晶表示装置。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の帯電防止層を樹脂フィルムに塗設するか、又は樹脂に混合して製膜する光学部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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