JP2012013046A - タービン翼環の真円状態保持方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】翼環上半部16aと翼環下半部16bとの接合面20に、荷重受け部材52を固定し、内部車室下半部14の接合面18に真円保持治具60を固定する。真円保持治具60の荷重受け部材52側側面60aに荷重付加装置75を取り付ける。荷重付加装置75は、該側面60aに螺着したネジ軸76と、ネジ軸76に螺合したナット78、80と、ネジ軸76の先端に遊嵌した押込みヘッド82とからなる。ナット80を回し、押込みヘッド82を矢印a方向に移動させ、押込みヘッド82で荷重受け部材52を押して、翼環下半部16bに内側方向の荷重を付加し、翼環下半部16bの真円状態を保持させる。
【選択図】図3
Description
図6は、蒸気タービン車室の横断面図であり、図6では、外部車室上半部及び内部車室上半部が取り外された状態を示している。図6において、内部車室104の内側にリング状の翼環106が配置されている。
特許文献2には、タービン、圧縮機等の車室上半部と車室下半部とをフランジレス方式で結合する手段が開示されている。この手段は、接合面付近の車室上半部と車室下半部に、該接合面を跨いで垂直方向にネジ穴を設け、この2つのネジ穴にボルトを螺合して、車室の上半部と下半部とを結合するものである。通常、翼環上半部と翼環下半部とも、かかるフランジレス方式で結合されている。
これによって、翼環上半部を取り外した後においても、翼環下半部の真円状態を保持することができる。そのため、運転時の静止部と回転部との間隙を正確に計測することができる。また、翼環下半部の真円状態を保持することで、静止部と回転部との接触を防止し、接触による破損をなくすことができる。
これによって、翼環下半部を正確に真円状態に保持できるので、静止部と回転部との間隙を運転時の状態と極めて近い状態とすることができる。
これによって、真円保持治具を用いた簡単な装置で、翼環上半部を取り外した後においても、翼環下半部の真円状態を保持することができる。そのため、運転時の静止部と回転部との間隙を正確に計測することができる。また、翼環下半部の真円状態を保持することで、静止部と回転部との接触を防止し、接触による破損をなくすことができる。
本発明を蒸気タービン車室の分解及び組立時に適用した第1実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施形態は、図7に示すように、翼環上半部を翼環下半部から取り外した後、自重により、両端部が内側方向に変形する翼環下半部の真円状態保持に適用された例である。図1は、図6中のA部の拡大図に相当するものである。即ち、図1及び図2は、タービン車室の分解時に、外部車室上半部及び内部車室上半部を順に取り外した後の状態を示す。
このように、真円保持治具32を固定した後で、翼環下半部16bを翼環上半部16aから取り外す。
これによって、タービン車室の分解及び組立時に、静止部と回転部との接触や接触部の破損を防止できる。
本発明を蒸気タービン車室の分解及び組立時に適用した第2実施形態を図3〜図5に基づいて説明する。本実施形態は、図8に示すように、翼環上半部を取り外した後で、翼環下半部の両端部が外側方向に変形する場合に適用された真円度保持装置である。
また、分解及び組立時に、翼環下半部16bの真円状態を保持できるので、静止部と回転部間の接触や接触による破損を防止できる。
14、104 内部車室下半部
16a、106a 翼環上半部
16b、106b 翼環下半部
18、20 接合面
22 外周面
24、28 凹部
24a 水平面
26 サポート部材
26a 突片
30 ライナ
32、60 真円保持治具
34、36、61、63 ボルト挿入用貫通孔
38、40、70、72、74 ネジ穴
42、44、54、56、58、90 ボルトナット
52 荷重受け部材
60a 側面
62、64 リーマボルト
66、68 押え環
76 ネジ軸
75 荷重付加装置
78、80 ナット
82 押込みヘッド
82a 凹溝
84 突起部
86 空間
88 案内台
88a 案内面
108 静翼
b 矯正量
f1 外側方向荷重
f2 内側方向荷重
Claims (9)
- タービン車室の分解組立て時に、車室上半部及び翼環上半部を取り外した後の翼環下半部の変形を防止してその真円状態を保持するタービン翼環の真円状態保持方法において、
車室上半部を取り外した後、翼環の横方向両側に位置する車室下半部の接合面に、真円保持治具を固定する第1工程と、
翼環上半部を取り外す前後に、翼環上半部を取り外した後に発生する翼環下半部の変形に対し、該真円保持治具によって翼環下半部両端部に翼環下半部両端部の変形方向と逆方向の荷重を付加する第2工程と、
翼環上半部を取り外した後、真円保持治具により前記荷重を継続付加して翼環下半部の真円状態を保持する第3工程と、からなることを特徴とするタービン翼環の真円状態保持方法。 - 前記真円保持治具の荷重付加による翼環下半部両端部の移動量を検出し、該移動量を調節して翼環下半部の真円度を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のタービン翼環の真円状態保持方法。
- 前記翼環下半部が、翼環上半部を取り外した後両端部が内側に変形するものであり、翼環下半部の両端部付近で翼環下半部と密に嵌合して翼環下半部を上下方向に支持するサポート部材が設けられ、
翼環上半部を取り外す前に、前記真円保持治具によって、翼環下半部両端部の内側方向への変形に抗して該サポート部材を固定することにより、翼環下半部に外側方向の引張り荷重を付加するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のタービン翼環の真円状態保持方法。 - 前記翼環下半部が、翼環上半部を取り外した後で両端部が外側に変形するものであり、翼環上半部を取り外す前後に、翼環下半部の翼環上半部との接合面に固定された荷重受け部材に対して前記真円保持治具から内側方向の荷重を付加するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のタービン翼環の真円状態保持方法。
- タービン車室の分解組立て時に、車室上半部及び翼環上半部を取り外した後の翼環下半部の変形を防止してその真円状態を保持するタービン翼環の真円状態保持装置において、
車室上半部を車室下半部から取り外した後の、翼環の横方向両側に位置する車室下半部の接合面に固定される真円保持治具を備え、
翼環上半部を取り外した後に発生する翼環下半部の変形に対し、前記接合面に固定された該真円保持治具によって翼環下半部両端部の変形方向と逆方向の荷重を翼環下半部両端部に付加するように構成したことを特徴とするタービン翼環の真円状態保持装置。 - 前記翼環下半部が、翼環上半部を取り外した後で両端部が内側に変形するものであり、翼環下半部の両端部付近で翼環下半部と車室下半部との間に設けられ、翼環下半部と密に嵌合して翼環下半部を上下方向に支持するサポート部材が設けられ、
前記真円保持治具によって、翼環下半部両端部の内側方向への変形に抗して該サポート部材を固定することにより、翼環下半部に外側方向の引張り荷重を付加するように構成したことを特徴とする請求項5に記載のタービン翼環の真円状態保持装置。 - 前記翼環下半部が、翼環上半部を取り外した後で両端部が外側に変形するものであり、翼環下半部の翼環上半部との接合面に固定された荷重受け部材を備えていると共に、前記真円保持治具が該荷重受け部材に向かって進退する荷重付加装置を備え、
前記真円保持治具から該荷重付加装置を介して該荷重受け部材に内側方向の荷重を付加するように構成したことを特徴とする請求項5に記載のタービン翼環の真円状態保持装置。 - 前記荷重付加装置が、荷重受け部材に向けて真円保持治具に固定されたネジ軸と、該ネジ軸に螺合されたナットと、該ネジ軸の先端に移動可能に遊嵌された押込みヘッドと、からなり、該ナットにより該押込みヘッドを荷重受け部材に向けて移動させるように構成したものであることを特徴とする請求項7に記載のタービン翼環の真円状態保持装置。
- 前記荷重付加装置が、真円保持治具に取り付けられた油圧ジャッキであることを特徴とする請求項7に記載のタービン翼環の真円状態保持装置。
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