JP2012012680A - 石灰系フラックスおよびその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱硫・脱燐に寄与するNa2 Oを積極的多量に生石灰に混成させたかたちの精錬剤とすること、Na2 Oが溶湯投入直後に消失することなくCaOとともに溶鉄内での反応を可能にしておくこと、Na2 Oの原料となるNa2 CO3 の精錬剤への転化率を高めて未消費損失を可及的に抑制できるようにすること。
【解決手段】カルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物CaO・Al23 ・Na2 Oを30ミリメートル以下に粉砕した石灰系フラックスであり、これにはCaO100重量部に対してAl23 は80ないし120重量部、Na2 Oは24ないし76重量部含ませる。また、カルシウム・フェライト・ソーダの混成固形物を粉砕した石灰系フラックスとする場合、CaO100重量部に対してFe23 は90ないし130重量部、Na2 Oは25ないし80重量部含ませる。
【選択図】なし

Description

本発明は石灰系フラックスおよびその製造法に係り、詳しくは、溶銑や溶鋼に含まれる硫黄分や燐酸分と反応して、スラグの生成を促す精錬用石灰系フラックスならびにその製造方法に関するものである
溶製された溶鉄に投入され、それに含まれる硫黄分や燐酸分を除去すべく、それらと反応してスラグを生成させる精錬剤(すなわち、フラックス・造滓材)として、最近では生石灰が常用されている。鉄鉱石には元々硫黄分や燐酸分が大なり小なり含まれているからであるが、これらを残存させておくと鋼質が低下して鉄の強度向上が阻害されたり、また加工性に影響する展性・延性を損なう。
造滓材として、かっては炭酸ソーダNa2
CO3 が多用されていた。これは脱硫のみならず脱燐作用も発揮するからであるが、精錬中に分解して白煙が湯面を覆い、操業中の目視を阻害する。Na2 CO3 からは脱硫・脱燐に寄与するNa2 Oが生成されるものの、溶湯から離脱して脱硫・脱燐反応への寄与率を落とす。それのみならず、Na2 Oが炉壁や炉蓋に付着するなどして設備の劣化を早めたり、スラグが肥料に転化できなくなるなど幾つかの問題を抱えることになった結果、すっかり生石灰にとって代わられている。
ところが、生石灰CaOの溶融温度は2,750℃であって、精錬中の溶湯の1,300ないし1,600℃に比べて高く、その反応性の改善の研究が長年にわたって積み重ねられてきた。最も手っとり早い方法としては、生石灰CaOを融解し、溶湯面での分散を助成して溶鉄との接触の機会を高める蛍石CaF2 の投入がある。
しかし、蛍石にはフッ素分が含まれるので人体に有害であり、生成されたスラグの再利用はおろか廃棄にも問題があるとして、最近では、その使用が極力抑えられている。蛍石の投入は上記したように融点の高いCaOを融解させやすくするためであるから、蛍石の投入に代わる手段を講じるにしても、CaOと溶鉄との接触の機会を高める効果が発揮される策でなければならない。
ところで、Na2 Oは脱硫・脱燐作用のあることを上で述べたが、一部の動きとして、その使用が見直されてきている。とは言っても、従前のごとく造滓材の主材をなさせるのではなく、スラグの利用や廃棄が可能となる範囲でCaOに添加するに留められる。
Na2 OをCaOに添加することを試みた例として、特開2003−253315(特許第4150194号公報)が挙げられる。これは、特にKR法に適用しかつ脱硫を目指したものである。適用対象の如何によらず、Fe23 の添加量をCaO100重量部に対して2ないし7重量部、Al23 を2ないし20重量部混在させた場合においては、Na2 Oの添加量をCaO100重量部に対して2ないし10重量部と定めている。
この構成を以下に吟味する。表1は、CaO100重量部に対してFe23 が2重量部、Al23 が2重量部、Na2 Oも2重量部の場合から、CaO100重量部に対してFe23 が7重量部、Al23 が20重量部、Na23 は10重量部の場合の極限値組合せ8通りにおける重量%を与える。
これから分かることは、造滓材の構成においてNa2 Oは多くても9重量%に留められている。にもかかわらず、蛍石を投入するまでもなく脱硫率が改善されたと報告されている。したがって、CaOの融解はAl23 による融点降下とNa2 Oによる脱硫作用とがあいまって、溶銑の脱硫率の向上が図られたということである。
この開示は、Na2 OのCaOへの混在が、脱硫において意義あることを教えている。ちなみに、Na2 OがCaO100重量部に対して10重量部以下と定められているが、それはNa2 Oが単体で極めて活性および吸湿性が高く、一般的にはNa2 CO3 の形態で使用されるものの、Na2 CO3 は高温でかつC濃度が高い溶銑と接触すると気化損失を起こし、多量の使用は不経済となるからという。
特開2003−253315
上記したごとくNa2 Oは実質的にNa2 CO3 で提供されているわけであるが、これは、CaO、Al23 、Na2 CO3 が粉体もしくは粒体の状態で混成されたものとなっていることが原因して、Na2 CO3 が溶銑に接触した時点で気化して脱硫に寄与しないまま消失させる機会を残しているからと考えられる。
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、脱硫・脱燐に寄与するNa2 Oを積極的多量に生石灰に混成させた精錬剤とすること、Na2 Oが溶湯投入直後に消失することなくCaOとともに溶鉄内での反応を可能にしておくこと、Na2 Oの原料となるNa2 CO3 の精錬剤への転化率を高めて未消費損失を可及的に抑制できるようにすること、を実現した石灰系フラックスおよびその製造法を提供することである。
本発明は、溶鉄に含まれる硫黄分や燐酸分と反応して、スラグの生成を促す精錬用石灰系フラックスに適用される。その特徴とするところは、フラックスがカルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物CaO・Al23 ・Na2 Oを30ミリメートル以下に粉砕したものであり、CaO100重量部に対してAl23 は80ないし120重量部、Na2 Oは24ないし76重量部含まれていることである。
そのカルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形粉砕物に粉状の金属Mg、金属Caからなる群より選択される少なくとも一つが混入され、その金属は混成前CaO100重量部に対して10ないし20重量部に相当する量としておく。
そのカルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物の粉砕品には、粉状カーボンを添加しておくとよい。
上記の石灰系フラックスを製造するにあたり、石灰石とボーキサイトもしくはアルミ精錬灰を水練り可能な状態に粉砕しておき、これに粉状の炭酸ソーダを加えて水と粘着助成用の水酸化カルシウムを添加して混練し、混練物をブロックに成形し、そのブロックを台車に静置した状態で非回転式のトンネルキルンを通過させることにより焼成品とし、その焼成品を破砕・粉砕して精錬用フラックスとする。
上記石灰系フラックスを製造するにあたり、石灰石とボーキサイトもしくはアルミ精錬灰と炭酸ソーダを溶融炉に投入して溶融させ、生成された混成溶融体を冷却して得た固溶体を破砕・粉砕して精錬用フラックスとしてもよい。
フラックスはカルシウム・フェライト・ソーダの混成固形物CaO・Fe23 ・Na2 Oを30ミリメートル以下に粉砕したものであり、CaO100重量部に対してFe23 は90ないし130重量部、Na2 Oは25ないし80重量部含まれていることである。
そのFe23 の全部もしくは一部をMnO2 に置き替えることもできる。
上記の石灰系フラックスを製造するにあたり、石灰石と鉄鉱石もしくはミルスケールを水練り可能な状態に粉砕しておき、これに粉状の炭酸ソーダを加え、水と粘着助成用の水酸化カルシウムを添加して混練し、混練物をブロックに成形し、このブロックを台車に静置した状態で非回転式のトンネルキルンを通過させることによって焼成品とし、その焼成品を破砕・粉砕して精錬用フラックスとする。
上記の石灰系フラックスを製造するにあたり、石灰石と鉄鉱石もしくはミルスケールと炭酸ソーダを溶融炉に投入して溶融させ、生成された混成溶融体を冷却して得た固溶体を破砕・粉砕して精錬用フラックスとすることもできる。
本発明によれば、カルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物(焼成品・固溶体)CaO・Al23 ・Na2 Oを、30ミリメートル以下に粉砕したものをフラックスとし、CaO100重量部に対してAl23 は80ないし120重量部、Na2 Oは24ないし76重量部含ませているので、Na2 Oの重量%を10以上に常時保っておくことができる。そして、例えば30重量%の精錬剤とすることもでき、Na2 Oによる脱硫・脱燐作用をおおいに発揮させることができる。
Al23 は脱酸作用とともに脱硫作用も持ち合わせているが、それとともにCaOの融化を促進するから、CaOによる造滓作用も高められる。そのAl23 は30重量%近くもしくはそれより多くなる一方、CaOは50重量%までにとどまる。CaOとAl23 との重量%比が、カルシウム・アルミネート12CaO・7Al23 の場合の重量%比に近いものにすることができる。
カルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形粉砕物に粉状の金属Mg、金属Caからなる群より選択される少なくとも一つが混入され、混成前CaO100重量部に対して10ないし20重量部に相当する量を含ませておくと、その金属の混成率は3ないし9重量%となる。それでいて、Na2 Oを10重量%前後以上に保っておくことができる。粉状をなすフラックスは、サブランスを介してもしくは炉底から不活性ガスに伴わせるインジェクション操作によって溶湯に供給する場合極めて好適なものとなる。
カルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物の粉砕品に、粉状カーボンを添加しておけば、脱硫作用が発揮される。この粉状のフラックスも、サブランスを介してもしくは炉底から不活性ガスに伴わせるインジェクション操作によって溶湯に供給するのに好適である。
カルシウム・アルミネート・ソーダ混成固形物を焼成品で得る場合、石灰石とボーキサイトもしくはアルミ精錬灰を水練り可能な状態に粉砕しておき、これに粉状の炭酸ソーダを加え、水と粘着助成用の水酸化カルシウムを添加して混練し、混練物をブロックに成形し、そのブロックを台車に静置した状態で焼成炉を通過させるようにしているから、生成された焼成品を破砕・粉砕して精錬用フラックスとすることができ、溶湯に投入するフラックスとしても、インジェクション用フラックスとしても、適宜サイズの粉粒体とすることにより対応させることができる。
焼成品を得るに際しては、炉体が回転しないキルンを使用するので、混練ブロックが形崩れすることがなく破損することもない。しかも、トンネルキルンでは被焼成物をゆっくりと移動させながら焼成するので、焼成むらが生じるなどの品質の低下を招くようなことも可及的に少なくなる。焼成速度は遅いが、台車上の何段にも組んだ井桁に載せるから、小滝運動させるロータリキルンの場合よりも極めて多量の処理物を収容して焼成することができる。
カルシウム・アルミネート・ソーダ混成固形物を固溶体で得る場合、石灰石とボーキサイトもしくはアルミ精錬灰と炭酸ソーダを溶融炉に投入して溶融させ、生成された混成溶融体を冷却し、生成された固溶体を破砕・粉砕して精錬用フラックスとすることができるので、溶湯に投入するフラックスとしても、インジェクション用フラックスとしても使用することができる。なお、一旦融化を経たプリメルト品であるゆえ、精錬剤として溶湯に投入すれば、容易かつ迅速に溶融して、脱硫・脱燐効果を助長させる。
カルシウム・フェライト・ソーダの混成固形物(焼成品・固溶体)CaO・Fe23 ・Na2 Oを30ミリメートル以下に粉砕したものをフラックスとし、CaO100重量部に対してFe23 は90ないし130重量部、Na2 Oは25ないし80重量部含ませているので、Na2 Oの重量%を10以上に常時保っておくことができる。また、例えば30重量%の精錬剤とすることもでき、Na2 Oによる脱硫・脱燐作用をおおいに発揮させることができるようになる。
Fe23 の全部もしくは一部に代えてMnO2 とした混成物とする場合、MnO2 はFe23 と同様に、固体酸素が脱燐のための酸素を溶湯中で提供する。
カルシウム・フェライト・ソーダ混成固形物を焼成品で得る場合、石灰石と鉄鉱石もしくはミルスケールを水練り可能な状態に粉砕しておき、これに粉状の炭酸ソーダを加え、水と粘着助成用の水酸化カルシウムを添加して混練し、混練物をブロックに成形し、そのブロックを台車に静置した状態で焼成炉を通過させるようにしているから、生成された焼成品を破砕・粉砕して精錬用フラックスとすることができ、溶湯に投入するフラックスとしても、インジェクション用フラックスとしても、適宜サイズの粉粒体とすることにより対応させることができる。
焼成品を得るに際しては、炉体が回転しないキルンを使用するので、混練ブロックが形崩れすることがなく破損することもない。しかも、トンネルキルンでは被焼成物をゆっくりと移動させながら焼成するので、焼成むらが生じるなど品質の低下を招くようなことも可及的に少なくなる。焼成速度は遅いが、台車上の何段にも組んだ井桁に載せるから、小滝運動させるロータリキルンの場合よりも極めて多量の処理物を収容して焼成することができる。
カルシウム・フェライト・ソーダ混成固形物を固溶体で得る場合、石灰石鉄鉱石もしくはミルスケールと炭酸ソーダを溶融炉に投入して溶融させ、生成された混成溶融体を冷却し、生成された固溶体を破砕・粉砕して精錬用フラックスとすることができるので、溶湯に投入するフラックスとしても、インジェクション用フラックスとしても使用することができる。
以下に、本発明に係る石灰系フラックスおよびその製造法を、その実施の形態に基づいて詳細に説明する。このフラックスは、金属精錬炉内の溶銑・溶鋼などの溶鉄(溶湯)に含まれる硫黄分や燐酸分と反応して、スラグの生成を促すものである。その主たる造滓作用をするのはCaOであり、その脱硫反応は
で表される。下線の元素は溶鉄中に存在するカーボンと硫黄である。ちなみに、脱硫は高温、高塩基度、還元性雰囲気下で進行が捗る。一方、脱燐反応は以下の過程をたどる。まず、溶湯中に含まれている珪素が酸化されてSiO2 となると、
の反応を呈して脱珪され、燐は、
によってP25 となる。そして、CaOやP25 は、
の反応を呈して、それらがスラグに固定される。なお、脱燐は低温、高塩基度、酸化性雰囲気下で進行性が高まる。
本発明においては、以下のようなフラックスとする。それは、カルシウム・アルミネート・ソーダCaO・Al23 ・Na2 Oの焼成品もしくは固溶体の形態をとった混成固形物としたものであって、それをフラックスとして供することができる30ミリメートル以下に粉砕したものである。その製法は後述するが、構成はCaO100重量部に対してAl23 が80ないし120重量部、Na2 Oは24ないし76重量部含まれたものである。このような構成の脱硫剤・脱燐剤では、Na2 Oの重量%が常に少なくとも10は確保され、その一方、多くても30までにとどめておくことができる。それを以下に説明するが、その前に特許文献1に記載された構成について再び触れる。先に記した表1から分かるように、Na2 Oの重量%は少なくとも2であり、多くても9である。その理由も既に述べた。
そこで、本発明について考察する。
(1)Na2 OはCaO100重量部に対して少なくとも24重量部としている。それゆえ、CaO100重量部に対してAl23 を80ないし120重量部とした場合におけるNa2 Oの重量%は表2のごとく10ないし12となり、常に少なくとも10重量%は確保されている。
(2)Na2 OはCaO100重量部に対して上記のごとく多くても76重量部としている。それゆえ、CaO100重量部に対してAl23 を80ないし120重量部とした場合におけるNa2 Oの重量%は表3のごとく30ないし26となり、常に多くても30重量%にとどめておくことができる。
以上から分かることは、本発明のカルシウム・アルミネート・ソーダは、特許文献1の請求項2の構成では不可能と指摘された10重量%を超える範囲のNa2 Oを保有する。言うまでもないが、本発明においては後述する製法から知ることができるように、Na2 OをCaOに固定させておくという画期的な形態をとらせることができるようにしたからである。なお、多くても30重量%までとしたのは、ソーダ分の過大比率化を避け、Na2 Oの炉壁・炉蓋付着を断ち、またスラグの肥料転化が許容される程度にとどめておくことからにほかならない。
なお、カルシウム・アルミネート・ソーダをすでに固溶体の状態にあるカルシウム・アルミネート12CaO・7Al23 からつくったと仮定した場合を検討する。
12CaO の分子量=12×(40+16) =672→48%
7Al23 の分子量=7×(27×2+16×3)=714→52%
であるから、12CaOは48重量%、7Al23 は52重量%の構成をなす。これに上で得たNa2 O24ないし76重量部を混成させる。その重量%は表4から、Na2 Oは少なくとも10に、多くても27となり、本発明に係るカルシウム・アルミネート・ソーダである表2、表3に極めて近似した構成となることが分かる。
ちなみに、本発明では次に述べるような製法を採用し、今挙げたカルシウム・アルミネートを使用して製造することにはしていない。カルシウム・アルミネートが高価であることに加えて、カルシウム・アルミネートを溶解させることになる結果、その生成に消費したエネルギと本フラックスとするために溶解させるエネルギとが二重になることは避けられない。言うまでもなく、このエネルギの二重投入は回避しておきたいとの意図による。
次に、上記した構成のカルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物を焼成品として得る場合の製法について述べる。使用される原料はCaOのための石灰石CaCO3 、Al23 のためのボーキサイト(ばん土頁岩)もしくはアルミ精錬灰、Na2 Oのための炭酸ソーダNa2 CO3 である。まず、前二者を水練り可能な状態すなわち例えば0.2ミリメートル以下に粉砕しておき、これに元来粉状の炭酸ソーダを加える。そして水と粘着助成用の水酸化カルシウムを添加して混練する。
混練物を枠体に充填し、自然乾燥もしくは強制乾燥するなどしてブロックに成形する。これらのブロックを台車に静置した状態で非回転式のトンネルキルンを通過させると熱ガスとの接触により焼成品(カルシウム・アルミネート・ソーダ)が得られる。炉体が回転しないキルンが使用されるので、混練ブロックが形崩れすることがなく破損することもない。しかも、トンネルキルンでは被焼成物をゆっくりと移動させながら焼成するので、焼成むらが生じるなど品質の低下を招くようなことも可及的に少なくなる。
焼成品を得るに際しては、焼成速度は遅いが、台車上で何段にも組んだ井桁に載せるなどするから、小滝運動(カスケードモーション)させるロータリキルンの場合よりも極めて多量の処理物を収容して焼成することができる。なお、キルン雰囲気が400℃を超えたところからNa2 CO3 →Na2 O+CO2 の反応が進む。CO2 はキルン排ガスとなるが、Na2 Oの結晶はブロックに残る。その結果、Na2 OはCaOに固定されざるを得なくなる。CaO、Al23 、Na2 CO3 が個々に粉体もしくは粒体の状態で混成されたものをフラックスとした場合には、Na2 CO3 が溶銑に接触した時点で気化して脱硫に寄与しないまま直ちに消失してしまうものが出るが、そのようなことを起こさなくて済む。
こうして生成された焼成品を破砕・粉砕して精錬用フラックスとする。溶湯に投入するフラックスとしても、インジェクション用フラックスとしても、CaO、Al23 、Na2 Oは一体化された混成焼成状態にあるから、Na2 Oは溶湯に投入されて溶融するまでの間CaOやAl23 に拘束された状態に置かれ、Na2 Oが早期に消失してしまうのを抑えておくことができる。もちろん、特許文献1がいうごとくのNa2 CO3 が高温でかつC濃度が高い溶銑と接触して気化損失を起こすなどとの造滓作用前消失現象はほとんど起こり得ない。このような焼成品は30ミリメートル以下といった適宜なサイズの粉粒体の造滓材として供される。
以上から分かるようにNa2 Oの重量%を特許文献1では達成し得なかった10以上に常時保っておくことができ、さらにはその文献で考えられもしない30重量%の精錬剤とすることもできる。その結果、Na2 Oによる脱硫・脱燐作用をおおいに発揮させることができるようになる。ちなみに、原料に投入される熱エネルギは、トンネルキルンで消費される一度だけである。カルシウム・アルミネートを使用した場合、これを溶解するに必要となるエネルギが同じであったとしても、そのカルシウム・アルミネート自体を生成するときに投入されるエネルギは本発明においては必要でなくなることが分かる。
ところで、Al23 は脱硫作用を持ち合わせているが、それとともにCaOの融化を促進するから、CaOによる造滓作用も高められる。そのAl23 は30重量%近くもしくはそれより多くなる一方、CaOは50重量%までにとどまる。Al23 が高々16重量%にすぎない特許文献1の場合とは異なり、本件発明ではCaOとAl23 との重量%比が、カルシウム・アルミネート12CaO・7Al23 の場合の重量%比(=672:714)に近いものとなる。
カルシウム・アルミネートの造滓作用はCaO単体のそれを凌ぐことはよく知られており、特許文献1の比でなくなることも分かる。なお、発明者らのテストによれば、本発明に係るフラックスは操業形態にもよるが、カルシウム・アルミネートが発揮する脱硫率(350ppm→250ppm)よりも2ないし3倍低減させることができた(350ppm→150ppm)。これは、多量のAl23 の存在が脱硫・脱燐に必要な塩基度(CaO+Al23 )/SiO2 の向上に寄与しているからと思われる。
このように脱硫・脱燐効果の著しい向上はNa2 Oの顕在率が高いことによるが、その寄与の高さは上記したとおりNa2 Oが反応前に消散しないからにほかならない。すなわち、カルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物としてNa2 OがCaOに固定されており、溶湯に投入されて精錬剤の融解が進むとNa2 Oが離脱し、その時点から活性化すると考えられる。Na2 Oの脱硫・脱燐作用とCaOによるそれらとが重畳する結果、一方が捕捉し得なかった例えばサルファ分を他方が捕捉するといったように補完しあう。そのフラックス構成物が接触する箇所で溶湯の脱硫・脱燐は促進され、その結果、フラックスの分散が図られれば、それに伴って溶湯の脱硫・脱燐効果が向上することは言うに及ばない。
ところで、カルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形粉砕物に、脱硫機能を向上させるべく粉状金属Mgを混入させ、この金属Mgは混成前CaO100重量部に対して10ないし20重量部に相当する量にしておく。この場合の重量%は表5のようになる。Mgの混成率は3ないし9重量%となるが、それでいてNa2 Oは特許文献1では達成し得なかった10重量%前後以上に保たれている。それでいて、30重量%を超えることはない。
金属Mgは、
の反応から分かるようにCaSの生成を促し、結果的に脱硫作用を発揮する。この場合、一部のCaOのOと結合して生じたMgOは、生石灰、アルミナや溶銑などに多量に含まれるSiO2 とともに、
CaO−SiO2 −Al23 −MgO
の四元系相もしくはそれに準じた相状態になり、CaOの融点低下をますます助長するようにも作用する。常に30重量%前後を超えるCaOや常に29重量%を超えるAl23 、常に10重量%前後を超えるNa2 Oによる脱硫・脱燐のみならず、常に3重量%を超える金属Mgによる脱硫が加重する。その一方で、反応で生じたMgOは塩基度の増大にも寄与するが、マグネシア系耐火物に対するスラグ侵蝕を抑制する点も見逃せない。ちなみに、Mgの融点は649℃であり、溶湯に投入されるとその分散性は極めて高いといえる。
なお、金属Mgは1,090℃で気化するから、カルシウム・アルミネート・ソーダ・マグネシウムの混成固形物としておくことはできず、カルシウム・アルミネート・ソーダ混成固形物を粉砕してからマグネシウムを金属粉の状態で混合させることになる。こうして得られる粉状のフラックスは、サブランスを介してもしくは炉底から不活性ガスに伴わせるインジェクション操作によって溶湯に供給する場合極めて好適である。
いま述べた粉状金属Mgの全部もしくは一部を金属Caで代替させてもよい。金属Mgと同様に、混成前CaO100重量部に対して10ないし20重量部に相当する量が選定される。なお、金属Caの沸点は1,480℃であるが融点は839℃であるため混成固形物としておくことはできず、カルシウム・アルミネート・ソーダ混成固形物を粉砕してから粉の状態で混合させることになる。
カルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物の粉砕品には、粉状カーボンを添加することもできる。これも脱硫機能を向上させる。
によって、脱硫作用が発揮されるからである。カーボンは焼成すれば消失し、溶融させようとしても溶融するものでないから、カルシウム・アルミネート・ソーダ混成固形物を粉砕してからカーボンを粉の状態で混合させることになる。こうして得られる粉状のフラックスも、サブランスを介してもしくは炉底から不活性ガスに伴わせるインジェクション操作によって溶湯に供給する場合、極めて好適なものとなる。
次に、上記した構成のカルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物を固溶体として得る場合の製法について述べる。使用される原料は石灰石とボーキサイト(ばん土頁岩)もしくはアルミ精錬灰と炭酸ソーダであることは、焼成品の場合と変わらない。これらを溶融炉例えば平炉に投入して溶融させ、生成された混成溶融体(カルシウム・アルミネート・ソーダ)を冷却して得た固溶体は破砕・粉砕して精錬用フラックスとされる。粉砕の程度によって、溶湯に投入するフラックスとしても、インジェクション用フラックスとしても使用することができる。
固溶体を得るに際しては、石灰石は898℃でCaCO3 →CaO+CO2
となるが、融点が2,570℃とはいえ生成したばかりのポーラスで脆い(焼きしまっていない)生石灰は擬似軟化状態にあり、融点が2,050℃のAl23 も生石灰が生じた時点で融合しやすい状態におかれる。一方、炭酸ソーダの融点は851℃であるが、400℃付近からCO2 を失ってNa2 Oとなり、その融点は1,132℃である。溶融したNa2 OはCaOやAl23 を凝集させ、時間を掛けて溶融もしくは半溶融化が進むと1,400℃程度で混成状態になる。これを冷却して砕けば、一旦融化を経たプリメルト品であるゆえ、精錬剤として溶湯に投入したとき、その溶融は容易かつ迅速になされる。
まずは精錬剤表層を形成するNa2 Oが脱硫・脱燐作用を進行させ、Na2 Oが表面から消失したCaOはその性状を利してサルファ分をポーラス化で生じた微細な孔に進入させて捕捉する。このCaOとAl23 とはカルシウム・アルミネート類似の挙動を発揮して、脱硫・脱燐効果を助長する。
以上はAl23 を含むものであったが、それに代えてFe23 とした場合について述べる。すなわち、フラックスはカルシウム・フェライト・ソーダCaO・Fe23 ・Na2 Oの焼成品もしくは固溶体の形態をとった混成固形物としたものである。これがフラックスとして供することができる30ミリメートル以下に粉砕される。その混成固形物の製法は後述するが、構成はCaO100重量部に対してFe23 は90ないし130重量部、Na2 Oは25ないし80重量部含まれたものである。このような構成の脱燐剤では、Na2 Oの重量%が常に少なくとも10は確保され、その一方、多くても30までにとどめておくことができる。それを以下に説明するが、その前に特許文献1に記載されたもののうちAl23 を添加しない場合の構成について触れる。表6から、Na2 Oの重量%は少なくとも2であり、多くても9であることが分かる。
ここで、カルシウム・フェライト・ソーダに関する本発明について考察する。
(1)Na2 OはCaO100重量部に対して少なくとも25重量部としている。それゆえ、CaO100重量部に対してFe23 を90ないし130重量部とした場合におけるNa2 Oの重量%は表7のごとく10ないし12となり、常に少なくとも10重量%は確保されている。
(2)Na2 OはCaO100重量部に対して上記のごとく多くても80重量部としている。それゆえ、CaO100重量部に対してFe23 を90ないし130重量部とした場合におけるNa2 Oの重量%は表8のごとく30ないし26となり、常に多くても30重量%にとどめておくことができる。
以上から分かることは、本発明に係るカルシウム・フェライト・ソーダは特許文献1の構成では不可能と指摘された10重量%を超える範囲のNa2 Oを保有する。本発明においては後述する製法から知ることができるように、カルシウム・アルミネート・ソーダの場合と同様に、Na2 OをCaOに固定させておくという画期的な形態をとらせるからである。なお、多くても30重量%までとしたのは、ソーダ分の過大化を避け、Na2 Oの炉壁・炉蓋付着を断ち、またスラグの肥料転化が許容される程度にしておこうとするものである。
Fe23 の全部もしくは一部に代えてMnO2 とした混成物とする場合、MnO2 はFe23 と同様に、固体酸素が脱燐のための酸素を溶湯中で提供することになる。すなわち、MnO2 は熱せられると酸素を失い、Mn23 を経てMn34 となる。
なお、カルシウム・フェライト・ソーダをすでに固溶体の状態にあるカルシウム・フェライト2CaO・Fe23 からつくったと仮定した場合を検討する。
2CaO の分子量= 2×(40+16) =112→41%
Fe23 の分子量=(56×2+16×3)=160→59%
であるから、2CaOは41重量%、Fe2
3 は59重量%の構成をなす。これに上で得たNa2 O25ないし80重量部を混成させる。その重量%は表9から、Na2 Oは少なくとも10に、多くても25となり、本発明に係るカルシウム・フェライト・ソーダである表7、8におおよそ近似した構成となることが分かる。
このように、カルシウム・フェライト・ソーダの混成固形物(焼成品・固溶体のいずれか)CaO・Fe23 ・Na2 Oにおいても、Na2 Oの重量%を特許文献1では達成し得なかった常時10以上に保っておくことができる。特許文献1では考えられもしない例えば30重量%の精錬剤とすることもでき、Na2 Oによる脱硫・脱燐作用をおおいに発揮させることができるようになる。
Fe23 はとりわけ脱燐作用を持ち合わせているが、それとともにCaOとの二元系状態では1,300℃までで溶けるカルシウム・フェライトと類似する作用を発揮して、CaOによる造滓作用も高められる。そのFe23 は30重量%より多くなる一方、CaOも30重量%より多くなる。Fe23 が高々7重量%にすぎない特許文献1の場合とは異なり、本件発明ではCaOとFe23 との重量%比が、カルシウム・フェライト2CaO・Fe23 の場合の重量%比(=112:160)に、大雑把に言って近いものとなっているのである。
カルシウム・フェライトの造滓作用は、CaO単体のそれを凌ぐことはよく知られており、特許文献1の比でないことも分かる。溶湯に含まれている燐を最終的にはmCaO・nP25 やmCaO・nFe23 ・P25 にしてスラグ化し、硫黄については一部が高温でガス化するものの大部分をCaSにしてスラグへ移行させるように機能する。滓化して生じたスラグが再利用しにくいソーダ灰系フラックスとは異なり、産業廃棄物としてのスラグの利用の途も開かれる。
脱燐効果の向上はNa2 Oの顕在率が高いことにもよるが、その寄与の高さはNa2 Oが反応前に消散しないからにほかならない。すなわち、カルシウム・フェライト・ソーダの混成固形物としてNa2 OがCaOに固定されており、溶湯に投入されて精錬剤の融解が進むとNa2 Oが離脱し、その時点から活性化すると考えられるからである。Na2 Oの脱燐作用とFe23 によるそれとが重畳する結果、一方が捕捉し得なかった例えば燐酸分を他方が捕捉するといったように補完しあう。そのフラックス構成物が接触する箇所で溶湯の脱燐が飛躍的に促進され、その結果、フラックスの分散を図れば、それに伴って溶湯の脱燐効果が向上する。
Fe23 の全部もしくは一部に代えて、MnO2 とした混成固形物としてもよい。MnO2 はFe23 と同様に、固体酸素を脱燐のための酸素として溶湯中に提供する。すなわち、MnO2 は熱せられると酸素を失い、Mn23 を経てMn34 となる。したがって、MnO2 も脱燐剤としてFe23 と同様に機能する。少し付け加えれば、脱燐するために必要となる酸素は吹錬中の気体酸素もしくは酸化物の固体酸素によって供給される。前者は溶湯から簡単に脱気してしまうが、Fe23 やMnO2 といった固体酸素は脱燐のための酸素を溶湯中で提供する。Fe23 としては鉄鉱石もしくは圧延工程で出るミルスケールなどの廃棄物を使用すればよい。いずれも酸素が離脱した後の金属元素の溶湯混入は問題にならず、Mnは鋼をつくるうえで欠かせないくらいで、その意味でも有用な添加剤といえる。
以上述べたカルシウム・フェライト・ソーダやカルシウム・マンガン・ソーダの製造はカルシウム・アルミネート・ソーダの場合と同様であり、水練物をブロックに成形し、そのブロックを台車に静置した状態で非回転式のトンネルキルンを通過させて得られる焼成品もしくは溶融炉に投入して溶融させ、生成された混成溶融品とし、それを破砕・粉砕して精錬用フラックスとすればよい。生成された固形物を破砕・粉砕して、溶湯に投入するフラックスとしても、インジェクション用フラックスとしても使用することができる。造滓時の挙動はカルシウム・アルミネート・ソーダの場合とほとんど同じである。カルシウム・フェライトからの製造についても不可能でないが、カルシウム・アルミネートからの場合と同様の考えから、本発明による製法が優れていると言える。
固溶体を得るに際しては、石灰石は898℃でCaCO3 →CaO+CO2
となるが、融点が2,570℃とはいえ生成したばかりのポーラスで脆い生石灰は擬似軟化した状態にあり、融点が1,570℃のFe23 も生石灰が生じた時点で融合しやすい状態におかれる。一方、炭酸ソーダの融点は851℃であるが、400℃付近からCO2 を失ってNa2 Oとなり、その融点は1,132℃である。溶融したNa2 OはCaOやFe23 を凝集させ、時間を掛けて溶融もしくは半溶融化が進むと1,400℃程度で混成状態になる。これを冷却して砕けば、一旦融化を経たプリメルト品であるゆえ、精錬剤として溶湯に投入したとき、その溶融は容易かつ迅速になされる。
まずは精錬剤表層を形成するNa2 Oが脱硫・脱燐作用を進行させ、Na2 Oが表面から消失したCaOはその性状を利してサルファ分をポーラス化で生じた微細な孔に進入させて捕捉する。とはいえ溶湯温度が低い時点では、このCaOと混在するFe23 とはカルシウム・フェライト類似の挙動を発揮して、とりわけ脱燐効果を助長させる。
以上のカルシウム・アルミネート・ソーダならびにカルシウム・フェライト・ソーダにおけるNa2 Oの混成比率を、CaO100重量部に対して24ないし76重量部、およびCaO100重量部に対して25ないし80重量部と規定して、その効用を述べた。しかし、Na2 Oが前者で23重量部以下、後者で24重量部以下の場合、所期の効果を全く奏しないというものでないことは言うまでもない。したがって、Na2 Oが2重量%程度に過ぎない場合でも脱硫・脱燐効果は低いとはいえ、Na2 Oの存在が無視できるものでないことを付言しておく。

Claims (9)

  1. 溶鉄に含まれる硫黄分や燐酸分と反応して、スラグの生成を促す精錬用石灰系フラックスにおいて、
    フラックスはカルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物CaO・Al23 ・Na2 Oを30ミリメートル以下に粉砕したものであり、CaO100重量部に対してAl23 は80ないし120重量部、Na2 Oは24ないし76重量部含まれていることを特徴とする石灰系フラックス。
  2. 前記カルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形粉砕物に粉状の金属Mg、金属Caからなる群より選択される少なくとも一つが混入され、該金属は混成前CaO100重量部に対して10ないし20重量部に相当する量とされていることを特徴とする請求項1に記載された石灰系フラックス。
  3. 前記カルシウム・アルミネート・ソーダの混成固形物の粉砕品には、粉状カーボンが添加されていることを特徴とする請求項1に記載された石灰系フラックス。
  4. 請求項1に記載された石灰系フラックスを製造するにあたり、石灰石とボーキサイトもしくはアルミ精錬灰を水練り可能な状態に粉砕しておき、これに粉状の炭酸ソーダを加えて水と粘着助成用の水酸化カルシウムを添加して混練し、混練物をブロックに成形し、該ブロックを台車に静置した状態で非回転式のトンネルキルンを通過させることにより焼成品とし、該焼成品を破砕・粉砕して精錬用フラックスとすることを特徴とする石灰系フラックスの製造法。
  5. 請求項1に記載された石灰系フラックスを製造するにあたり、石灰石とボーキサイトもしくはアルミ精錬灰と炭酸ソーダを溶融炉に投入して溶融させ、生成された混成溶融体を冷却して得た固溶体を破砕・粉砕して精錬用フラックスとすることを特徴とする石灰系フラックスの製造法。
  6. 溶鉄に含まれる硫黄分や燐酸分と反応して、スラグの生成を促す精錬用石灰系フラックスにおいて、
    フラックスはカルシウム・フェライト・ソーダの混成固形物CaO・Fe23 ・Na2 Oを30ミリメートル以下に粉砕したものであり、CaO100重量部に対してFe23 は90ないし130重量部、Na2 Oは25ないし80重量部含まれていることを特徴とする石灰系フラックス。
  7. 前記Fe23 の全部もしくは一部に代えてMnO2 とした混成物であることを特徴とする請求項6に記載された石灰系フラックス。
  8. 請求項6に記載された石灰系フラックスを製造するにあたり、石灰石と鉄鉱石もしくはミルスケールを水練り可能な状態に粉砕しておき、これに粉状の炭酸ソーダを加え、水と粘着助成用の水酸化カルシウムを添加して混練し、混練物をブロックに成形し、該ブロックを台車に静置した状態で非回転式のトンネルキルンを通過させることによって焼成品とし、該焼成品を破砕・粉砕して精錬用フラックスとすることを特徴とする石灰系フラックスの製造法。
  9. 請求項6に記載された石灰系フラックスを製造するにあたり、石灰石と鉄鉱石もしくはミルスケールと炭酸ソーダを溶融炉に投入して溶融させ、生成された混成溶融体を冷却して得た固溶体を破砕・粉砕して精錬用フラックスとすることを特徴とする石灰系フラックスの製造法。
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