JP2012012552A - 塗料用艶消し樹脂粒子、および艶消し塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モノマー成分(c)を含むコア材が重合したコア部と、モノマー成分(s)を含むシェル材が重合したシェル部とからなるコアシェル型の塗料用艶消し樹脂粒子であって、前記モノマー成分(c)は、該モノマー成分(c)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が20℃以下となる1種以上のモノマーで構成され、前記モノマー成分(s)は、該モノマー成分(s)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が70℃以上となる1種以上のモノマーで構成され、かつ、前記コア材とシェル材の質量比が、コア材/シェル材=30/70〜80/20であることを特徴とする塗料用艶消し樹脂粒子。
【選択図】なし
Description
近年、意匠性の向上や運転者への防眩性の配慮などから、より優れた艶消し感を有する塗膜が求められている。
塗膜の艶消し感を高めるには艶消し剤の添加量を増やせばよい。しかし、体質顔料を塗料に大量に添加すると、形成される塗膜の伸び性が低下するといった問題があった。塗膜の伸び性が低下すると、塗膜が設けられる壁面や成形品基材等が気温変化などによって膨張収縮を起こした際に、その膨張収縮に塗膜が追従できず、クラックが発生しやすくなる。特に壁面においては、隣り合う壁材の間隔が変化しやすいため、伸び性に劣る塗膜はクラックが発生しやすい。
また、特許文献1には、水性塗料に適用できるコアシェル構造の樹脂粒子分散体が開示されている。
一方、シリコーン粒子は高価である上に、補修時に塗膜上に補修用塗料が塗装しにくいといった問題があった。
また、特許文献1に記載の樹脂粒子分散体は、樹脂粒子自体の弾性が考慮されておらず、艶消し剤として塗料に用いた場合、優れた艶消し感と伸び性の両方を塗膜に付与するのは困難であった。
従って、これら樹脂粒子やシリコーン粒子に代わる、新たな艶消し剤が求められている。
また、本発明の艶消し塗料組成物は、前記塗料用艶消し樹脂粒子と、バインダー樹脂成分とを含有し、前記塗料用艶消し樹脂粒子の含有量が、バインダー樹脂成分100質量部に対して13〜87質量部であることを特徴とする。
また、本発明の艶消し塗料組成物によれば、優れた艶消し感、伸び性、耐汚染性を有する塗膜を形成できる。
[塗料用艶消し樹脂粒子]
本発明の塗料用艶消し樹脂粒子(以下、単に「樹脂粒子」という場合がある。)は、コア部と、該コア部を被覆するシェル部とからなるコアシェル型である。
成分(c)に含まれるモノマー(単量体)については特に制限されないが、例えば(メタ)アクリル酸、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体などが挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の両方を示すものとする。「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの両方を示すものとする。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられる。
1/(Tg+273.15)=Σ[Wn/(Tgn+273.15)] ・・・(1)
なお、Tgnはホモポリマーの特性値として広く知られており、例えば、「POLYMER HANDBOOK、THIRD EDITION」に記載されている値を用いればよい。
2官能の単量体としては、例えばアリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、ヘキサメチレンジアクリレートなどが挙げられる。
成分(s)に含まれるモノマーについては特に制限されないが、例えば(メタ)アクリル酸、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体などが挙げられる。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体としては、コア部の説明において先に例示したアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族環を有する単量体などが挙げられる。
その他の単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられる。
重合体(S)のTgは、先に説明した重合体(C)のTgと同様に、上記式(1)に示されるFoxの式から求められる値である。
架橋剤としては、コア部の説明において先に例示した架橋剤などが挙げられる。
乳化剤としては、例えば脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジオクチルサクシネートスルホン酸塩などが挙げられる。
重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などが挙げられる。
分級する際は、樹脂粒子の平均粒子径が2〜80μmとなるように分級するのが好ましく、より好ましくは8〜60μmである。樹脂粒子の平均粒子径が2μm以上であれば、樹脂粒子を配合した塗料より形成される塗膜に十分な艶消し感を付与できる。一方、樹脂粒子の平均粒子径が80μm以下であれば、塗膜のざらつきを抑制でき、塗膜外観を良好に維持できる。
なお、平均粒子径とは、体積基準のメジアン径のことであり、具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した値である。
本発明の樹脂粒子は、柔らかいコア部によって適度な弾性が付与されるため、樹脂粒子を配合した塗料より形成される塗膜が伸びたときに、樹脂粒子が塗膜の伸びに追従できる。よって、バインダー樹脂成分と樹脂粒子との界面が剥離しにくくなり、クラックの発生を抑制でき、塗膜の伸び性が向上する。加えて、硬いシェル部によって耐ブロッキング性に優れると共に、形成される塗膜の耐汚染性が向上し、汚れが付着しにくくなる。
本発明の艶消し塗料組成物(以下、単に「塗料組成物」という場合がある。)は、バインダー樹脂成分と、上述した樹脂粒子とを含有する。
バインダー樹脂成分としては、アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等のエマルション樹脂などが挙げられる。
なお、樹脂粒子を市販の塗料に添加して用いる場合、その添加量は、塗料に含まれるバインダー樹脂成分(固形分換算)100質量部に対する割合が、上記範囲内となるように適宜決定すればよい。
また、塗料組成物は溶剤として水、有機溶剤、これらの混合物を含有してもよい。有機溶剤としては、例えば2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、プロピレングリコールなどが挙げられる。
なお、例中「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。
バインダー樹脂成分としてアクリル樹脂エマルション(旭化成ケミカルズ株式会社製、「ポリトロンE−800」、固形分50%)46.0部、造膜助剤(イーストマンケミカルジャパン株式会社製、「テキサノール」)1.0部、分散剤(サンノプコ株式会社製、「ノプコスパース44C」)0.5部、消泡剤(株式会社ADEKA製、「アデカネートB−190」)0.2部、増粘剤(フジケミカル株式会社製、「ヒドロキシエチルセルロース」)0.3部、酸化チタン24.0部、水28.0部を混合し、アクリル樹脂エマルションを主成分とする白色に調色した水系エマルション塗料を調製した。
<平均粒子径の測定>
樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、「SALD−3100」)を用いて測定した。なお、樹脂粒子の製造過程においてブロッキングが発生したため樹脂粒子が得られず、平均粒子径の測定ができなかった場合を「NG」として表す。
直径5cm、高さ10cmのガラス瓶中に、樹脂粒子を50g入れ、23℃で1週間放置した。放置後の樹脂粒子について目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。なお、樹脂粒子の製造過程においてブロッキングが発生したため樹脂粒子が得られず、耐ブロッキング性の評価ができなかった場合を「NG」として表す。
○:凝集していない、または凝集していても手で容易に凝集がほぐれる。
×:凝集しており、手では凝集がほぐれない。
アルミニウム板に、30ミルアプリケータを用いて乾燥膜厚が0.3mmになるように塗料組成物を塗布した。その後、温度50℃の条件下で6日間乾燥させて塗膜を形成した。
形成した塗膜の任意の3点について、60°の光沢度をJIS Z8741に準拠して、鏡面光沢計(ビックカードナー社製、「マイクロ−トリ−グロスμ」)を用いて測定し、その平均値を求めた。なお、光沢度は数値が小さいほど艶消し感に優れることを意味し、測定した3点の平均値が9.0以下の場合を合格とする。
光沢の評価と同様にして塗膜を形成した。ついで、幅10mm、長さ40mmの大きさの測定片を切り出し、引張試験機(株式会社オリエンテック製、「テンシロンRTC−1210」)を用い、測定雰囲気23℃、定格荷重250N、引張速度20mm/分の条件で引張伸度(伸び率)を測定した。同様の操作を3回行い、その平均値を求めた。平均値が60%以上の場合を合格とする。
スレート板(70×150×3mm)に、乾燥膜厚が0.5mmになるように塗料組成物を塗布し、23℃で1週間乾燥させて試験片を作製した。得られた試験片のLab値をJIS Z8741に準拠して、測色計(コニカミノルタセンシング株式会社製)を用いて測定した。
ついで、70℃で石油を燃焼させたススが舞う煤煙試験機内に試験片を1時間放置し、煤煙処理を施した。その後、エアブローでススを払い、スポンジで水洗した。煤煙処理後の試験片について、先と同様にしてLab値を測定し、下記式(2)よりΔEを求めた。なお、ΔEは数値が小さいほど耐汚染性に優れることを意味し、ΔEが10以下の場合を合格とする。
ΔE=煤煙処理前の試験片のLab値−煤煙処理後の試験片のLab値 ・・・(2)
<樹脂粒子の製造>
予め、成分(c)としてブチルアクリレート393部と、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート3.97部とを混合したコア材に、重合開始剤として過酸化ベンゾイル5.98部を溶解し、モノマー分散液を調製した。
別途、成分(s)としてメチルメタクリレート234部からなるシェル材と、重合開始剤として過酸化ベンゾイル9.36部と、乳化剤としてジオクチルサクシネートスルホン酸ナトリウムメタノール溶液(日本乳化剤株式会社製、「ニューコール290−M」)2.93部と、水175部とを20分間攪拌し、モノマー乳化液を調製した。
ついで、懸濁液を78℃に冷却した後、先に調製したモノマー乳化液を一括で加え、フラスコ内の温度を78℃に維持しながら60分間攪拌した。さらに90℃に昇温し、60分間加熱処理を行った(シェル部の形成)。
得られた反応液を23℃にまで冷却し、60メッシュの篩を通した後、遠心機を用いて洗浄脱水し、コアシェル型の樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子の平均粒子径を測定し、耐ブロッキング性の評価を行った。結果を表1に示す。
また、樹脂粒子に用いた成分(c)および成分(s)をそれぞれ重合して得られる各重合体のTgを、上記式(1)に示すFoxの式から求めた。結果を表1に示す。
水系エマルション塗料100部に、得られた樹脂粒子を3部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して13.0部に相当)を添加し、撹拌機で十分に分散させて塗料組成物を得た。
得られた塗料組成物について、光沢、伸び性、および耐汚染性の評価を行った。結果を表4に示す。
樹脂粒子の添加量を5部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して21.7部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4に示す。
樹脂粒子の添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4に示す。
樹脂粒子の添加量を15部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して65.2部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂粒子の添加量を20部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して87.0部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4に示す。
表1に示す配合組成のモノマー分散液を用い、コア部形成時の分散安定剤として10%リン酸第三カルシウム水溶液195部の代わりに5%ポリビニルアルコール(部分ケン化物)水溶液195部を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表1に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4に示す。
表1、2に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表1、2に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表4、5に示す。
表2に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表2に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を5部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して21.7部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表5に示す。
コア部およびシェル部形成時における、フラスコ内の攪拌速度を増速した以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表2に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表5に示す。
コア部およびシェル部形成時における、フラスコ内の攪拌速度を減速した以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表2に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表5に示す。
予め、メチルメタクリレート700部に、重合開始剤として過酸化ベンゾイル9.24部と、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.35部を溶解し、モノマー分散液を調製した。
攪拌機、冷却コンデンサ、温度計を備えた内容量5Lの4つ口フラスコに、水2436部と、分散安定剤として10%リン酸第三カルシウム水溶液168部と、乳化剤としてアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液1.05部を投入し、3分間攪拌した後、先に調製したモノマー分散液を一括で加え、78℃に昇温した。フラスコ内の温度を78℃に維持しながら90分間攪拌した後、さらに90℃に昇温し、60分間加熱処理を行った。
得られた反応液を23℃にまで冷却し、36メッシュの篩を通した後、遠心機を用いて洗浄脱水し、樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子について各測定および評価を行った。結果を表3に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を5部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して21.7部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
樹脂粒子の添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、比較例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
樹脂粒子の添加量を15部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して65.2部に相当)に変更した以外は、比較例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
ブチルアクリレート630部に、架橋剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート70部、重合開始剤として過酸化ベンゾイル9.24部を溶解し、モノマー分散液を調製した以外は、比較例1と同様にして樹脂粒子を製造しようとしたが、製造過程においてブロッキングが発生したため、樹脂粒子が得られなかった。よって、塗料組成物の評価は行わなかった。
ブチルアクリレート351部とメチルメタクリレート209部に、重合開始剤として過酸化ベンゾイル9.24部を溶解し、モノマー分散液を調製した以外は、比較例1と同様にして樹脂粒子を製造しようとしたが、製造過程においてブロッキングが発生したため、樹脂粒子が得られなかった。よって、塗料組成物の評価は行わなかった。
表3に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表3に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
表3に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造しようとしたが、製造過程においてブロッキングが発生したため、樹脂粒子が得られなかった。よって、塗料組成物の評価は行わなかった。
表3に示す配合組成のモノマー分散液、およびモノマー乳化液を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂粒子を製造し、各測定および評価を行った。結果を表3に示す。
得られた樹脂粒子を用い、その添加量を10部(アクリル樹脂エマルションの固形分100質量部に対して43.5部に相当)に変更した以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、各評価を行った。結果を表6に示す。
樹脂粒子を配合せず、水系エマルション塗料を塗料組成物として用い、各評価を行った。結果を表6に示す。
「BA」:ブチルアクリレート(Tg:−54℃)、
「2−EHA」:2−エチルヘキシルアクリレート(Tg:−70℃)、
「EA」:エチルアクリレート(Tg:−25℃)、
「MA」:メチルアクリレート(Tg:8℃)、
「MMA」:メチルメタクリレート(Tg:105℃)、
「St」:スチレン(Tg:100℃)、
「i−PMA」:イソプロピルメタクリレート(Tg:81℃)、
「TMTPA」:トリメチロールプロパントリアクリレート、
「EGDMA」:エチレングリコールジメタクリレート、
「AMA」:アリルメタクリレート、
「A」:リン酸第三カルシウム、
「B」:ポリビニルアルコール部分ケン化物、
「E」:アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスNB−L」)、
「G」:ジオクチルサクシネートスルホン酸ナトリウム(日本乳化剤株式会社製、「ニューコール290−M」)、
「H」:アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製、「ペレックスSS−L」)、
「K」:n−ドデシルメルカプタン、
「O」:過酸化ベンゾイル、
「P」:過硫酸カリウム、
「R」:2,2’−アゾビス(2−イソブチロニトリル)。
また、表4、5から明らかなように、これらの樹脂粒子を用いて調製した各実施例の塗料組成物は、艶消し感、伸び性、耐汚染性に優れる塗膜を形成できた。
従って、本発明の樹脂粒子は、塗膜に優れた艶消し感、伸び性、耐汚染性を付与でき、かつ耐ブロッキング性に優れる。
比較例7の場合は、コア材の割合が多く、シェル材の割合が少なかったため、樹脂粒子の製造過程においてブロッキングが発生した。
比較例9で得られた樹脂粒子は、製造過程ではブロッキングは発生しなかったが、シェル部を構成する成分(s)のTgが61℃と低かったため、樹脂粒子の保存中にブロッキングが発生した。
比較例6の場合、コア材の割合が少なく、シェル材の割合が多かったため、塗料組成物より形成された塗膜は伸び性が悪かった。
比較例8の場合、コア部を構成する成分(c)のTgが30℃と高かったため、塗料組成物より形成された塗膜は伸び性が悪かった。
比較例9の場合、シェル部を構成する成分(s)のTgが61℃と低かったため、塗料組成物より形成される塗膜は耐汚染性が悪かった。
比較例10の場合、樹脂粒子を配合しなかったので、塗料組成物より形成される塗膜は艶消し感に乏しかった。
Claims (2)
- モノマー成分(c)を含むコア材が重合したコア部と、モノマー成分(s)を含むシェル材が重合したシェル部とからなるコアシェル型の塗料用艶消し樹脂粒子であって、
前記モノマー成分(c)は、該モノマー成分(c)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が20℃以下となる1種以上のモノマーで構成され、
前記モノマー成分(s)は、該モノマー成分(s)を重合して得られる重合体のガラス転移温度が70℃以上となる1種以上のモノマーで構成され、
かつ、前記コア材とシェル材の質量比が、コア材/シェル材=30/70〜80/20であることを特徴とする塗料用艶消し樹脂粒子。 - 請求項1に記載の塗料用艶消し樹脂粒子と、バインダー樹脂成分とを含有し、
前記塗料用艶消し樹脂粒子の含有量が、バインダー樹脂成分100質量部に対して13〜87質量部であることを特徴とする艶消し塗料組成物。
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