JP2012012030A - シール箔の破断に用いるプラスチック製蓋体及び該蓋体を備えた混合容器蓋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】頂板部40と、頂板部40の周縁から下方に降下しているスカート状側壁41とを備え、頂板部40の内面からは、シール箔破断用カッター50が下方に延びているプラスチック製蓋体において、シール箔破断用カッター50は、乾燥剤が分散された吸湿性熱可塑性樹脂組成物により形成されていることを特徴とする。
【選択図】図7
Description
さらに、従来公知の混合容器蓋では、容器蓋内に収容されている添加物を容器内に落下させて混合する操作が、一般の消費者には判り難かったり、或いは誤操作により、添加物を容器内に落下させずに、そのまま容器蓋を開封してしまうという問題もあった。
前記シール箔破断用カッターは、乾燥剤が分散された吸湿性熱可塑性樹脂組成物により形成されていることを特徴とするプラスチック製蓋体が提供される。
前記中蓋は、下部筒状側壁と、下部筒状側壁の上端から内方に延びている水平フランジの上面に設けられた上部筒状側壁とから構成されており、
前記上部筒状側壁の内面または前記水平フランジに、前記シール箔が直接または連結部を介して連結されており、該上部筒状側壁の上端面には、前記上蓋との係合用ラチェットが形成され且つ該上部筒状側壁の上端部外面には、前記上蓋との係合用凹部が形成されており、
前記下部筒状側壁の内面には、容器口部の外面と螺子係合する螺条が設けられており、
前記下部筒状側壁の外面、水平フランジの外面若しくは前記上部筒状側壁の外面には、前記上蓋の位置を規制するための第1及び第2の係止突起が形成されており、第1の係止突起は、第2の係止突起よりも上方に位置していると共に、
前記上蓋のスカート状側壁の下端には、ストッパーバンドが引き剥がし可能に連結されており、
前記上蓋の頂板部の内面には、前記カッターに加えて、容器口部に対して閉栓方向に該上蓋を回転したときに先端部分が前記ラチェットと係合し得る弾性片が設けられており、
前記スカート状側壁の内面には、前記第1及び第2の係止突起と係合し得る係合突起が設けられており、
さらに、前記頂板部の内面もしくは前記スカート状側壁の内面には、前記弾性片とラチェットとの係合を阻害しないように、前記係合用凹部と係合し得る係合部材が設けられており、
前記上蓋が中蓋に装着されている状態において、該上蓋の係合突起が前記中蓋の第1の係止突起と係合しており、これにより、該上蓋の中蓋からの離脱が防止されていると共に、該上蓋の係合部材と中蓋の係合用凹部とは係合しておらず、該上蓋の開栓方向への回転が該中蓋に伝達しないように構成されており、
前記中蓋を容器口部に装着する際には、前記上蓋が中蓋に装着されている状態において、該上蓋を閉栓方向に回転せしめることにより、前記弾性片が前記ラチェットと係合し、これにより、該上蓋と一体的に該中蓋が閉栓方向に回転して容器口部に装着され、
前記混合用添加物の容器内容物との混合に際しては、前記上蓋と共に中蓋が容器口部に装着されている未開封状態において、前記ストッパーバンドを該上蓋から切り離し、次いで該上蓋を下方に押し下げ、この押し下げによって前記カッターにより前記シール箔が破断して、前記混合用添加物が落下して容器内容物と混合され、該上蓋が下方に押し下げられた状態で、前記係合突起が第2の係止突起の下方に降下しており、従って、該上蓋の中蓋からの離脱が該係合突起と第2の係止突起との係合により防止されるようになっており、さらに、該上蓋の係合部材は、該上蓋の降下によって前記係合用凹部内に入り込んだ状態に保持されており、
前記中蓋の容器口部からの開封は、前記上蓋が押し下げられて前記シール箔が破断された状態で、前記上蓋を開栓方向に回転させることにより、該上蓋の係合部材と前記中蓋の係合用凹部との係合によって該中蓋が該上蓋と一体に開栓方向に回転し、これによって、該中蓋が該上蓋とともに容器口部から取り除かれること、
が好適である。
前記中蓋の下部筒状側壁の外面には、前記上蓋の位置を規制するための保持突起が、前記第2の係止突起よりも下方位置に形成されており、前記ストッパーバンドが切り離されていない状態において、前記上蓋の降下は、該保持突起とストッパーバンドとの当接により規制され、該保持突起とストッパーバンドとが当接した状態において、前記係合部材は前記係合用凹部よりも上方に位置しており且つ前記シール箔破断用カッターの下端は前記シール箔の上面の近傍に位置していること、
が好ましい。
即ち、上記のプラスチック製蓋体を用いた混合容器蓋では、シール箔破断用カッターが混合用粉末が充填される添加物充填空間内に延びている。このため、この添加物充填空間内に水分が浸入したとしても、このような水分は該カッターにより捕捉され、この結果、添加物充填空間に充填されている混合用粉末の吸湿を有効に抑制することができるのである。
また、蓋体自体を乾燥剤が分散された吸湿性熱可塑性樹脂組成物により形成することも考えられるが、この場合には、容器等との螺子係合部分などが摩耗し易くなり、シール性の低下などを生じるおそれがあるが、本発明においては、シール箔破断用カッターのみを吸湿性熱可塑性樹脂組成物により形成することができるため、このような不都合を生じるおそれもない。
本発明において、シール箔破断用カッターの形成に用いる吸湿性熱可塑性樹脂組成物は、乾燥剤を、成形可能な熱可塑性樹脂に分散させたものである。
このような無機吸着剤の例としては、これに限定されるものではないが、その代表例として、各種のゼオライト(例えば、A型ゼオライト、Y型ゼオライト、X型ゼオライトなど)、シリカゲル、メソポーラスシリカ、活性白土、アルミナ、活性炭、竹炭、木炭、ケイソウ土、結晶性ケイ酸亜鉛化合物、含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体、フィロケイ酸マグネシウム、含アルミニウムフィロケイ酸マグネシウムなどを例示することができ、これらは、1種単独或いは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明において、最も好適に使用されるのは、吸湿量が多く且つ吸湿速度が速いなどの観点から、ゼオライトである。このようなゼオライトは、天然及び合成の何れであってもよく、さらに、銀、銅、亜鉛などが担持された所謂抗菌ゼオライトであってもよい。
また、水平フランジ11の下面には、密封性を補強するために、アウターリング21が下部筒状側壁10とインナーリング20との間の部分に設けられ、さらに、インナーリング20とアウターリング21との間には、偏平状の周状小突起23が設けられている。即ち、中蓋1が容器口部80に装着されたとき、アウターリング21の内面が容器口部80の上端部外面に密着し、また周状突起23が容器口部80の上端面に密着することにより、密封性が補強されるようになっている。
本発明においては、シール箔27を接合するための連結部を環状形状とし、このような形状の連結部を上部筒状側壁13の内面から下方に降下させ、この下端にシール箔を接合することも可能であるが、図に示されているように、水平フランジ11の内側端部分の下面にシール箔27を設けることが、容器内からの添加物充填空間への水分の侵入を有効に防止する上で好適である。
また、かかる弾性片53の先端部分は自由端となっている為、上下方向にバネ状に撓むようになっている。
尚、図7及び以降の説明で引用する図8、図9では、図を判りやすくするために一部の部材の番号は省略されている。
この状態においては、既に述べた通り、容器口部80の上端部分は、中蓋1のインナーリング20と下部筒状側壁10との間の空間に嵌め込まれており、これにより、容器口部80の密封が確保される。また、中蓋1に設けられているTEバンド19の突片19aは、容器口部80に設けられている周状突起83の下面側に位置しており、従って、この中蓋1が開栓方向に回転して容器口部80から取り除いて開放されたときには、TEバンド19は中蓋1(下部筒状側壁10)から切り離されることとなり、一般消費者が開封履歴を認識することができる。
また、この状態において、上蓋3に設けられているストッパーバンド45の下端は、中蓋1の下部筒状側壁10の外面に設けられている第3の係止突起37のやや上方に位置している。即ち、図7に示されている状態で、上蓋3を下方に押し込んだとしても、ストッパーバンド45の下端が直ちに第3の係止突起37と係合し、上蓋3の降下が規制されることとなる。この結果、上蓋3に設けられているカッター50の降下が抑制され、カッター50によるシール箔27の破断が生じることはないのである。換言すると、ストッパーバンド45を切り離さない限り、シール箔27が破断して混合用粉末が容器内に落下することはない。
さらに、上蓋3の係合用リブ55は、係合用凹部31の上方に位置している。即ち、図7の状態では、上蓋3を開栓方向に回転させても、弾性片53がラチェット30とは係合せず、また係合用リブ55は係合用凹部31とは係合していないため、上蓋3が空回りするだけで、中蓋1が開栓方向に回転することはない。従って、添加物充填空間Xから混合用粉末を落下させて容器内容物と混合せずに、中蓋1を容器口部80から取り除くことはできない。
即ち、図8(a)に示されているように、予め成形された上蓋3を倒立状態に保持しておき、この上蓋3内に、別個に成形された中蓋1を倒立状態で押し込む。尚、この段階では、中蓋1にシール箔27は設けられていない。
尚、図8(b)では、上蓋3及び中蓋1が倒立状態に保持されているため、上下関係は、図7とは逆になっている。
さらには、上蓋3の係合用リブ55は、中蓋1の係合用凹部31とは係合しておらず、従って、この状態で上蓋3を開栓方向に回転しても中蓋1が開栓方向に回転することはなく、この状態で中蓋1を容器口部80から取り除くことはできない。
また、この混合容器蓋が、一旦、容器口部80から取り除かれたときには、中蓋1からTEバンド19が切り離されており、これを見て、一般の消費者は開封の事実を認識することが可能となる。
また、シール箔27を破断し、中蓋1内の添加物充填空間に充填されている混合用粉末を容器内に落下せしめた後でなければ開封することができず、混合用粉末を混合せずに混合容器蓋を開封して容器内容液を取り出してしまうという一般消費者の誤操作を確実に防止することができる。
さらに、この混合容器蓋は、逆螺子のような複雑な機構を採用しておらず、構成物品数も少なく(実質的に中蓋1と上蓋3との2つである)、さらにはカッターもシール箔27を破断するために設けられているもののみであり、従って混合用粉末の容器内への落下操作(シール箔27の破断)も、単にストッパーバンド45を切り離して上蓋3を押し込むだけの簡単な操作でよく、さらに、キャッピングや開封操作も、単に上蓋3を閉栓方向或いは開栓方向に回転させるのみであり、極めて容易であり、一般消費者にも極めて判りやすい。
さらに、上蓋3は、前述した吸湿性樹脂組成物でカッター3が成形されることを除けば、それ自体公知の方法で成形される。例えば、上記の中蓋1と同様の樹脂を用いての射出成形、圧縮成形等の一体成形により、頂板部40、スカート状側壁41及びストッパーバンド45等を備えた基本形状の成形体を成形した後、この成形体を型内に配置して吸湿性熱可塑性樹脂組成物を射出することにより、吸湿性熱可塑性樹脂組成物からなるカッター50を頂板部40の内面に成形することにより成形することができる。
3:上蓋
10:下部筒状側壁
11:水平フランジ
13:上部筒状側壁
20:インナーリング
27:シール箔
30:ラチェット
31:係合用凹部
33:第1の係止突起
35:第2の係止突起
37:保持突起
40:頂板部
41:スカート状側壁
45:ストッパーバンド
50:シール箔破断用カッター
51:シールリング
53:弾性片
55:係合用リブ
80:容器口部
Claims (5)
- 頂板部と、該頂板部の周縁から下方に降下しているスカート状側壁とを備え、該頂板部の内面からは、シール箔破断用カッターが下方に延びているプラスチック製蓋体において、
前記シール箔破断用カッターは、乾燥剤が分散された吸湿性熱可塑性樹脂組成物により形成されていることを特徴とするプラスチック製蓋体。 - 前記乾燥剤がゼオライトである請求項1に記載のプラスチック製蓋体。
- 容器口部に螺子係合により着脱自在に設けられる中蓋と、該中蓋に装着された上蓋とからなり、該中蓋には、容器の内部空間を遮蔽するシール箔が設けられており、該中蓋のシール箔と該上蓋との間に混合用粉末が充填される添加物充填空間が形成されており、該上蓋として、請求項1または2に記載のプラスチック製蓋体が使用されていることを特徴とする混合容器蓋。
- 前記中蓋は、下部筒状側壁と、下部筒状側壁の上端から内方に延びている水平フランジの上面に設けられた上部筒状側壁とから構成されており、
前記上部筒状側壁の内面または前記水平フランジに、前記シール箔が直接または連結部を介して連結されており、該上部筒状側壁の上端面には、前記上蓋との係合用ラチェットが形成され且つ該上部筒状側壁の上端部外面には、前記上蓋との係合用凹部が形成されており、
前記下部筒状側壁の内面には、容器口部の外面と螺子係合する螺条が設けられており、
前記下部筒状側壁の外面、水平フランジの外面若しくは前記上部筒状側壁の外面には、前記上蓋の位置を規制するための第1及び第2の係止突起が形成されており、第1の係止突起は、第2の係止突起よりも上方に位置していると共に、
前記上蓋のスカート状側壁の下端には、ストッパーバンドが引き剥がし可能に連結されており、
前記上蓋の頂板部の内面には、前記カッターに加えて、容器口部に対して閉栓方向に該上蓋を回転したときに先端部分が前記ラチェットと係合し得る弾性片が設けられており、
前記スカート状側壁の内面には、前記第1及び第2の係止突起と係合し得る係合突起が設けられており、
さらに、前記頂板部の内面もしくは前記スカート状側壁の内面には、前記弾性片とラチェットとの係合を阻害しないように、前記係合用凹部と係合し得る係合部材が設けられており、
前記上蓋が中蓋に装着されている状態において、該上蓋の係合突起が前記中蓋の第1の係止突起と係合しており、これにより、該上蓋の中蓋からの離脱が防止されていると共に、該上蓋の係合部材と中蓋の係合用凹部とは係合しておらず、該上蓋の開栓方向への回転が該中蓋に伝達しないように構成されており、
前記中蓋を容器口部に装着する際には、前記上蓋が中蓋に装着されている状態において、該上蓋を閉栓方向に回転せしめることにより、前記弾性片が前記ラチェットと係合し、これにより、該上蓋と一体的に該中蓋が閉栓方向に回転して容器口部に装着され、
前記混合用添加物の容器内容物との混合に際しては、前記上蓋と共に中蓋が容器口部に装着されている未開封状態において、前記ストッパーバンドを該上蓋から切り離し、次いで該上蓋を下方に押し下げ、この押し下げによって前記カッターにより前記シール箔が破断して、前記混合用添加物が落下して容器内容物と混合され、該上蓋が下方に押し下げられた状態で、前記係合突起が第2の係止突起の下方に降下しており、従って、該上蓋の中蓋からの離脱が該係合突起と第2の係止突起との係合により防止されるようになっており、さらに、該上蓋の係合部材は、該上蓋の降下によって前記係合用凹部内に入り込んだ状態に保持されており、
前記中蓋の容器口部からの開封は、前記上蓋が押し下げられて前記シール箔が破断された状態で、前記上蓋を開栓方向に回転させることにより、該上蓋の係合部材と前記中蓋の係合用凹部との係合によって該中蓋が該上蓋と一体に開栓方向に回転し、これによって、該中蓋が該上蓋とともに容器口部から取り除かれる請求項3に記載の混合容器蓋。 - 前記中蓋の下部筒状側壁の外面には、前記上蓋の位置を規制するための保持突起が、前記第2の係止突起よりも下方位置に形成されており、前記ストッパーバンドが切り離されていない状態において、前記上蓋の降下は、該保持突起とストッパーバンドとの当接により規制され、該保持突起とストッパーバンドとが当接した状態において、前記係合部材は前記係合用凹部よりも上方に位置しており且つ前記シール箔破断用カッターの下端は前記シール箔の上面の近傍に位置している請求項4に記載の混合容器。
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