JP2012011405A - 角柱鋼管の接合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】角柱鋼管の内孔に溶接される裏当金具の溶接位置を線引きにて行うことの煩わしさ、更には作業者の目測に頼ることなく、角柱鋼管の切口から一定長さに突出させて溶接し、その突出長さのバラ付による溶融材の量変化に伴う、溶接不良等の課題を解決する。
【解決手段】上下角柱鋼管間に金属性の巾広中敷板3を介在させて3者一体に溶接接合する角柱鋼管の接合方法において、一方角柱鋼管の内孔側面に沿わせると共に、該一方角柱鋼管の内孔切口端面より上端が少許突出する様、裏当金具4をホルダー5にて保持し、次に該裏当金具の下端を前記一方角柱鋼管の内孔側面に溶接した後前記ホルダーを取外し、更に中敷板を前記裏当金具の突出上端に載置させて該中敷板と一方角柱鋼管の内孔切口端面との空間、並びに該中敷板に載置した前記上下角柱鋼管の他方角柱鋼管を夫々溶接したことを特徴とした角柱鋼管の接合方法。
【選択図】図2

Description

本発明は建築物の躯体を構成する一定長さの角柱鋼管、所謂コラムを相互に溶接して連結する接合方法に関する。
一般的に角柱鋼管は建築物の階層によって外形寸法が異なり、一般居住用の低層建築物においては、例えば100mm角以下の鋼管を用いており、鋼管内に継手を挿入して鋼管の外部からのスポット溶接にて鋼管相互を接合するもの、更には下記特許文献1の如く、一方鋼管の切口を45度カットして他方鋼管の切口とのカット隙間に溶融材を充填させるものが存在する。
而して、この特許文献1は、切口の45度カット加工精度が要求され、そのバラ付を考慮して裏当金具を溶接し、45度カットの切口と他方の鋼管との溶接空間を確保しており、裏当金具の溶接位置に誤差がそのまま鋼管相互の溶接空間に影響し、溶接不良等の原因となる。
また、中高層建築物となると、鋼管の肉厚も当然厚くなることから、スポット溶接は避けられ、且つ外径も200mm程度となることから、特許文献2の如く、それぞれの角柱鋼管の内孔に裏当金具となる角型内枠を少許切口から突出させ、巾広の中敷板にそれぞれの突出した角型内枠を当接してその空間を溶接空間として、相互の角柱鋼管及び中敷板を溶接している。
然しながら、上記特許文献1、2共に裏当金具(角型内枠)を角柱鋼管の切口からの突出長さを一定に保つ必要が有り、その長さのバラ付により、溶融材の量変化が伴い、溶接強度が一定しないのである。
特許2520369号 特開20006−35264
角柱鋼管の内孔に溶接される裏当金具の溶接位置を線引きにて行うことの煩わしさ、更には作業者の目測に頼ることなく、角柱鋼管の切口から一定長さに突出させて溶接し、その突出長さのバラ付による溶融材の溶融材の量的変動に伴う、溶接不良等の課題を解決する。
本発明は、上下角柱鋼管間に金属性の巾広中敷板を介在させて3者一体に溶接接合する角柱鋼管の接合方法において、一方角柱鋼管の内孔側面に沿わせると共に、該一方角柱鋼管の内孔切口端面より上端が少許突出する様、裏当金具をホルダーにて保持し、次に該裏当金具の下端を前記一方角柱鋼管の内孔側面に溶接した後前記ホルダーを取外し、更に中敷板を前記裏当金具の突出上端に載置させて該中敷板と一方角柱鋼管の内孔切口端面との空間、並びに該中敷板に載置した前記上下角柱鋼管の他方角柱鋼管を夫々溶接したことを特徴としたものである。
更に本発明は、ホルダーは、裏当金具の下端を受ける下片を設けた内金具と、この内金具とボルトにて連結されると共に、下端が一方角柱鋼管の内孔切口端面に載置して裏当金具の上端を少許突出させる外金具とで構成されたことを特徴としたものである。
また、本発明は、ホルダーは、裏当金具に対面する縦片、該縦片に設けられた裏当金具の下端を受ける下片とで構成された内金具、更には一方角柱鋼管の内孔切口端面に載置して裏当金具の上端を少許突出させると共に、裏当金具を一方角柱鋼管の内孔側面に引き寄せるボルトを有すると共に、前記縦片にヒンジ結合された外金具とでコ字型に形成したものである。
また、本発明は、ホルダーは、裏当金具に対面すると共に、下端を受ける片及び一方角柱鋼管の外面側よりネジ締め操作されるボルトを直立した内金具、更に一方角柱鋼管の内孔切口端面に載置して裏当金具の上端を少許突出させると共に、前記内金具を介して上下動する様連結され、且つ前記ボルトが挿通する下開口溝を有すると共に、前記内金具と相互にリンク結合された外金具とでコ字型に形成したことを特徴としたものである。
(1)請求項1により、予め一方角柱鋼管の内孔切口端面より上端が少許突出する様、裏当金具をホルダーにて保持し、この状態にて裏当金具を角柱鋼管の内孔側面に溶接した後、ホルダーを取外せば、裏当金具にて一定高さに中敷板を溶接でき、従来の如く作業者の目測に頼ることもなく、且つ裏当金具の突出長さのバラ付による溶融材の量的変動、更にはそれに伴う溶接不良等が生じる様なことがなく、角柱鋼管相互の接合も確固なものとなると共に、裏当金具を保持するホルダーは繰り返し使用できる。
(2) 請求項3により、裏当金具を保持するホルダーを、内金具と外金具とで構成すると共に、ヒンジ結合したから、常に両者が一体となって、使用後の保管が容易で、且つ再度の使用にも支障がない。
(3) 請求項4により、内金具と外金具とが一体となって使用後の保管が容易になるのは勿論、内金具のボルトも外すことなく、スライドさせて所定位置にて締付けることができ、内金具と外金具、更にはボルトも一体となって使用後の保管が容易になる。
特にボルトは角柱鋼管の外側から締付け、更には緩めの操作できるから、懐の狭い角柱鋼管の内側から工具を斜め状態にて操作するものに比し、作業性が良い。
角柱鋼管を溶接接合した状態を示す一部断面正面図 同上の角柱鋼管溶接前の部分拡大断面図 同上の裏当金具を溶接した状態を示す部分拡大断面図 同上の中敷板を溶接した状態を示す部分拡大断面図 分解斜視図 異なる実施例を示す部分拡大断面図 異なる実施例を示す部分拡大断面図 同上の分解斜視図
以下本発明を実施例の図面に基づいて説明すると、図1は角柱鋼管を接合した状態を示す一部断面正面図であって、上下角柱鋼管1、1間には該角柱鋼管1、1より巾広の中敷板3を介在させて、上下角柱鋼管1、1と、中敷板3の3者一体に溶接して接合しており、それぞれの溶融材の溶接痕跡X、Y、Zを示している。
この上下角柱鋼管1、1の一方角柱鋼管1の内孔2の側面2aに沿わせると共に、該一方角柱鋼管1の内孔2の側面2aに裏当金具4を添わせて、その上端4aが切口端面1aより少許突出する様、ホルダー5にて保持している。この切口端面1aより少許突出した高さtが中敷板3との溶接空間として、一定量の溶接痕跡Yが存在し、溶融材の量的バラ付による溶接不良が生じることはない。
而して、中敷板3を一方角柱鋼管1に溶接する工程前に、図2に示す如く、裏当金具4を切口端面1aより少許突出した高さtをホルダー5にて保持状態において、一方角柱鋼管1の内孔2から溶接機のノズルを挿入し、側面2aに部分的溶接する。即ち、仮溶接し、その後、ホルダー5を外して裏当金具4の全周を一方角柱鋼管1の内孔2の側面2aに本格溶接する。
従って、この裏当金具4はコ字型とし、左右一対として角柱鋼管1の内孔2の側面2aにて対峙させる。勿論、四角型に形成して一個の裏当金具4、更には平板としてもよいが、外径寸法精度、仮溶接等から実施例の如く、コ字型が最適である。
具体的にはホルダー5は、裏当金具4の下端4aを受ける下片6aを設けた内金具6と、この内金具6とボルト7にて連結されると共に、下端8bが一方角柱鋼管1の内孔2の切口端面2bに載置して裏当金具4の上端4bを少許突出した高さtに位置させる外金具8とで構成している。
而して、内金具6にはボルト7の挿通孔9、外金具8にはネジ孔10が夫々設けられている。
図6は、ホルダー5の異なる実施例であって、内金具6と外金具8とをヒンジ10にて結合し、内金具6を仮想線6zにて示す如く、引き上げた状態から矢印Rの如く反転させて裏当金具4を下片6aにて支持することとしている。
更に図7、8は、ホルダー5の異なる実施例であって、内金具6と外金具8とは両端ヒンジ10にリンク11を連結し、外金具8を図7の仮想線状態から降下させて該外金具8の下開口溝12を内金具6のボルト7にスライドさせた後、ボルト7を締付け、裏当金具4を保持すると共に、内金具6、外金具8、リンク11は軸13にて連結される。
而して、ボルト7は内金具6に直立して一体化されていることから、その都度ボルト7を脱着させる必要がなく、紛失することもない。
特に、ボルト7は角柱鋼管1の外側から締付け、更には緩めの操作できるから、懐の狭い角柱鋼管1の内側から工具を斜め状態にて操作するものに比し、作業性が良い。
次に本発明角柱鋼管の接合方法を説明すると、先ず図2に示す如く、一方角柱鋼管1の内孔2の側面2aに裏当金具4を添わせて、その上端4aが切口端面1aより少許突出する様、ホルダー5の内金具6と外金具8にてボルト7を締め付けることによって保持する。
この状態において一方角柱鋼管1の内孔2から溶接機のノズルを挿入して裏当金具4を側面2aに部分溶接(仮止め)し、ボルト7を緩めてホルダー5を外した状態を図3にて示しており、この状態にて溶接痕跡Xにて示す如く、裏当金具4を側面2aに本格溶接を行い、且つ裏当金具4を切口端面1aより少許突出した一定の高さtに確保できる。
続いて、図4に示す如く、切口端面1aより少許突出した裏当金具4の上端4aに中敷板3を載置させ、中敷板3、裏当金具4、一方角柱鋼管1を夫々溶接痕跡Yにて示す如く、溶接して接合する。
上記状態から、他方角柱鋼管1を中敷板3に載せ、図1に示す如く、他方角柱鋼管1と中敷板3とを溶接痕跡Zにて示す如く、溶接接合して角柱鋼管の接合を終える。
X 溶接痕跡
Y 溶接痕跡
Z 溶接痕跡
1 角柱鋼管
2 内孔
3 中敷板
4 裏当金具
5 ホルダー
6 内金具
7 ボルト
8 外金具

Claims (4)

  1. 上下角柱鋼管間に金属性の巾広中敷板を介在させて3者一体に溶接接合する角柱鋼管の接合方法において、一方角柱鋼管の内孔側面に沿わせると共に、該一方角柱鋼管の内孔切口端面より上端が少許突出する様、裏当金具をホルダーにて保持し、次に該裏当金具の下端を前記一方角柱鋼管の内孔側面に溶接した後前記ホルダーを取外し、更に中敷板を前記裏当金具の突出上端に載置させて該中敷板と一方角柱鋼管の内孔切口端面との空間、並びに該中敷板に載置した前記上下角柱鋼管の他方角柱鋼管を夫々溶接したことを特徴とした角柱鋼管の接合方法。
  2. 前記ホルダーは、裏当金具の下端を受ける下片を設けた内金具と、この内金具とボルトにて連結されると共に、下端が一方角柱鋼管の内孔切口端面に載置して裏当金具の上端を少許突出させる外金具とで構成されたことを特徴とした請求項1記載の角柱鋼管の接合方法。
  3. 前記ホルダーは、裏当金具に対面する縦片、該縦片に設けられた裏当金具の下端を受ける下片とで構成された内金具、更には一方角柱鋼管の内孔切口端面に載置して裏当金具の上端を少許突出させると共に、裏当金具を一方角柱鋼管の内孔側面に引き寄せるボルトを有すると共に、前記縦片にヒンジ結合された外金具とでコ字型に形成したことを特徴とした請求項1〜2記載の何れか1記載の角柱鋼管の接合方法。
  4. 前記ホルダーは、裏当金具に対面すると共に、下端を受ける下片及び一方角柱鋼管の外面側よりネジ締め操作されるボルトを直立した内金具、更に一方角柱鋼管の内孔切口端面に載置して裏当金具の上端を少許突出させると共に、前記内金具を介して上下動する様連結され、且つ前記ボルトが挿通する下開口溝を有すると共に、前記内金具と相互にリンク結合された外金具とでコ字型に形成したことを特徴とした請求項1記載の角柱鋼管の接合方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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