JP2012009636A - 電力変換装置および電力変換ユニットの冷却方法 - Google Patents

電力変換装置および電力変換ユニットの冷却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、複数の電力変換ユニットが格納される電力変換盤においてファンの数を最小限に抑え、ファンから遠く風量が不足しやすいユニットにも必要風量を確保する電力変換盤を提供することにある。
【解決手段】風路抵抗または発熱量の異なる複数の電力変換ユニットが筐体面に並列に格納される電力変換装置において、前記電力変換装置の筐体に具備され、前記電力変換ユニットの各々に設けられた吸気口を介して前記筐体の内部へ空気を吸引し、前記筐体の外部へ空気を排出するファンと、前記電力変換ユニットを通った空気を前記筐体の外部へ通風する通風ダクトを有し、かつ、通風ダクトに隣接する閉鎖室においても外部へ空気を排出するファンを設置し、通風ダクトと閉鎖室の間に通風孔を設けることによりバイパス化した風路を有することを特徴とする電力変換装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力変換装置および電力変換ユニットの冷却方法に関する。
電力変換装置は、直流と交流とを相互に変換したり、或いは所定の周波数の交流電力を任意の周波数の交流電力に変換するものであるが、今般、電力変換機能をユニット化して筐体に格納するものが多く用いられるようになってきた。各ユニットは、IGBTなどの半導体スイッチング素子で構成されるが、この半導体スイッチは、電気エネルギーの制御によって発熱するため、出力容量に応じた冷却機構が必要となる。例えば、空冷の場合には、冷却フィンに風を流し放熱させることにより半導体スイッチング素子の温度上昇を抑制している。
また、電力変換ユニットが複数格納される場合は、各電力変換ユニットにそれぞれ必要な冷却風量を確保する必要がある。ここで、各電力変換ユニットは、出力容量等によって大きさが異なる。そのため、このような複数の電力変換ユニットが格納される場合、流体抵抗や出力容量が異なる各電力変換ユニットで、半導体スイッチング素子の許容温度に対応した冷却が必要となる。
そのため、例えば特開2006−311679号公報に記載のように、各電力変換ユニットに個別にファンを設け、それぞれのユニットに必要な冷却を確保するように、流体抵抗或いはファンの動作を調整する技術が考え付かれている。
特開2006−311679号公報
ここで、上記従来技術では、電力変換ユニット毎にファンが設けられるため、ファンの故障によるメンテナンスが多発してしまう問題が生じるので、各ユニット毎にファンを設けずファンを所定電力変換ユニットで共有的に用いて送風することが考え付かれるが、この場合には、ファンから近いユニットに冷却媒体が流れやすくファンから遠いユニットに風が供給されにくい等、冷却媒体の流通が不均一になるという問題が生じる。
本発明の目的は、複数の電力変換ユニットが格納される電力変換装置において、ファンの数を少なく抑えると共に、電力変換ユニットの冷却のバランスをとることが可能な電力変換装置および電力変換ユニットの冷却方法を提供することにある。
上記目的を達成するためには、本発明では、筐体と、前記筐体に格納される複数の電力変換ユニットと、前記複数の電力ユニットを通る冷却媒体の各々が共通的に流れる通風ダクトと、前記通風ダクトの冷却媒体を移動させる第1のファンを有しており、前記筐体内で前記ダクトと隔壁によって隔てられた空間を形成するものであって、前記空間の冷却媒体を移動させる第2のファンと、前記複数の電力ユニットを通る冷却媒体の流量を調節するように前記隔壁に設けられた通路口を有するように構成した。
このような構成を有することで、本発明では、複数の電力変換ユニットが格納される電力変換装置において、ファンの数を少なく抑えると共に、電力変換ユニットの冷却のバランスをとることが可能となる。
本発明の実施例1における電力変換盤の斜視図である。 本発明の実施例1における電力変換盤の側面図である。 本発明の実施例1における電力変換盤の断面図である。 本発明の実施例1におけるインバータユニットの上面図である。 本発明の実施例1における電力変換盤の透過図である。 本発明の実施例1におけるインバータユニットの側面図である。 本発明の実施例1における冷却フィンの側面図である。 本発明の実施例1におけるインバータユニットの必要圧損特性を示した図である。 本発明の実施例1における風量アンバランスの比較図。 本発明の実施例2における電力変換盤図である。 本発明の実施例3における電力変換盤図である。
以下図面を用いて、本発明による空冷インバータについての実施形態を説明する。
図1は本発明によるインバータ盤を示しており、インバータ盤1はユニット室2,ファン3(3−1,3−2),通風ダクト4,主回路室5などで構成される。インバータ盤1は金属筐体であり、主としてステンレスなどが用いられるが金属一般で構成される。鉄などが部分的に用いられることもある。ユニット室2において、インバータ盤1に挿抜可能なインバータユニット30(30a−1,30a−2,30a−3,30a−4,30b−1,30b−2,30c)が高さ方向に積み上げられる。ユニット30は出力容量に応じて3種の構造があり、小さな方からAユニット30a(30a−1,30a−2,30a−3,30a−4),Bユニット30b(30b−1,30b−2),Cユニット30cとなり、それぞれのユニットには個々に吸気口11(11a−1,11a−2,11a−3、11a−4,11b−1,11b−2,11c)が設けられている。本実施例では、A,B,Cユニットの奥行きの長さを統一している。Bユニット30bはAユニット30aと高さと奥行きが同じで幅のみを2倍としたものであり、Cユニット30cはAユニット30aの幅と高さをそれぞれ2倍したものである。状況に応じて、統一する辺を奥行きではなく高さや幅を統一して採用する場合もある。ユニット内部の構造については、後に詳細を記載する。
ユニット室2においては、高さ方向の最小単位であるAユニット30aまたはBユニット30bを10段分の高さを確保している。Cユニット30cは2段で1個となるため、最大5段分積むことができる。Aユニット30aのみをインバータ盤1に搭載する場合1段当たりに2個積むことできるので、1つのインバータ盤1においてAユニット30aを最大20個まで搭載することができる。インバータ盤1内部のユニットの個数および配置は出力容量や顧客の要望に依存するためA〜Cユニット30a,30b,30cは混在し空の段も存在するため、インバータ盤1内部のユニット組み合わせは数万通りとなる。これら全ての場合において、インバータ盤内の全ユニットに対して原理的に必要風量を確保しなければならず風量を最適化する必要がある。ユニット30内部の重さはAユニット30a<Bユニット30b<Cユニット30cとなるので、ユニット30挿抜時の作業性を向上するために上段からAユニット→Bユニット→Cユニットの順に優先して搭載する。
以下、冷却媒体を空気を例として説明するが、しかしながら、例えばインバータ盤全体を密封して他の流体を用いても良い。ユニット室2の下部の制御部10には、図示しない各種電源や制御配線などが納められている。ユニット室2の背面には通風ダクト4が存在しその内部には直流バスバや制御配線(図示しない)を格納している。通風ダクト4の上部には天井ファン3(3−1,3−2)(例えば、天井ファン3−1を第1のファンと、天井ファン3−2を第2のファンとも称する。以下同様)が設けられている。ファン3はユニット30内部には設けず、天井に統一的に設置する。ユニット30毎にファンを設けた場合、風量確保は容易となるがファン故障による取替えが多発するため配置しない。また、ユニット内にファンがないためスペースも縮小化できる。風量および圧損が不足する構成においては、通風ダクト4の上部に複数の天井ファンを並列または直列に用いる場合もある。風9の経路は天井ファン3により統一的に空気を吸い込みその空気が共通の通風ダクト4を経由して、通風ダクト4に対して並列に並べられた複数の電力変換ユニット30を介して吸い込まれる。ただし、通風ダクトのみに天井ファンを設置した場合、上部と下部のユニットに流れる風量にアンバランスが生じてしまう。例えば、同一種のユニットのみを複数段搭載した場合、上部ユニットに流れる風速は高くファンから遠い下部ユニットに供給される風速は小さい。
そこで、ファンから遠い下段ユニットに対し優先的に風量を供給する構成を以下に述べる。本構成では、図3に示すように、通風ダクト4に隣接する主回路室5の天井にもファン3を設置する。これに加えて、通風ダクト4と主回路室5の間に通風孔39(あるいは、通路口とも称する。以下同様)を設ける。通風孔39は、通風ダクト4に設置されたファン3から最も遠いユニットの近傍に設ける。これにより、下段ユニットから通風ダクト4と主回路室5の間の通風孔39を介して、主回路室5の天井ファンから送風される風路が形成される。
ここで、通風ダクト室天井のファンを第1ファン3−1、主回路室天井のファンを第2ファン3−2とする(両者を総称してファン30とも記す。以下同様)。第1ファン3−1は全ユニットから吸気するのが目的であり第2のファン3−2は補助的に下段ユニットからの送風を行うので、第2のファン3−2より第1のファンの性能を高くする必要がある。一般的にファン性能とファンサイズは比例するため、第1ファン3−1は第2のファン3−2より大きくなる。
このように各ユニット30には、個別にファンを設置せず、天井に配置されたファン3−1により統一的に冷却風を取り込むことで、各ユニット30にファンを設置することによるインバータ盤1の大型化やファン故障によるメンテナンスの多発を防ぐことができる。
一方、複数のタイプの電力変換ユニットが格納されるインバータ盤において、上記のように単一ないし複数の天井ファン3で統一的に冷却風を吸引し各ユニット30a,30b,30cに送風する場合、出力容量の異なる各ユニット30a,30b,30cで異なる冷却風量が必要とされる。そのため、いくつかのユニットには余剰な風量がかかることになりユニット間の温度アンバランスが発生してしまうという問題がある。また、各ユニット30a,30b,30cに必要風量を確保するために天井に設けるファン3が大型化してしまうという問題もある。
本実施例では、各ユニット30a,30b,30cにはファンを設置せず、天井ファン3により統一的に冷却風を取り込み、また、各ユニット30a,30b,30c内の構造、特に冷却フィンをインバータ盤1に対して最適な構造に設計する。これによって、余剰風量を削減可能となり、天井ファン3の大型化を防ぎ、結果インバータ盤1を小型化することができる。以下に、ユニット30内の構造および冷却フィンの設計方法について記す。
ユニット30内部の構造について説明する。図5はユニット30の上面図の概略例であり、図6はその側面図を示す。各ユニット30は半導体スイッチング素子であるIGBT(なお、IGBT以外のスイッチング素子を用いても良いのはもちろんである)31と、IGBT31に装着されIGBT31で発生した熱を放熱させる冷却フィン32と、ユニット内に吸引される空気から埃などを除去するエアフィルタ33と、電解コンデンサ34と、バスバ35と、コンタクタ36などの部品により構成される。電気的には、商用交流電源の電力がコンタクタ36を介して電解コンデンサ34に導かれて平滑化される。平滑化された電力はバスバ35を介してIGBT31に導かれ、IGBT31によって任意の周波数に変換されて出力される。冷却フィン32を通風ダクト4側に配置し、エアフィルタ33を吸気口11を介して吸気面に配置する。このとき冷却フィン32を囲い込むように仕切板37を配置し、通風ダクト4へ流れる風は必ず冷却フィン32を通るようにする。また、電解コンデンサ34はエアフィルタ33の前に配置し、エアフィルタの幅や高さを調整することによって電解コンデンサ34に満遍なく冷却風が当たるようにする。ユニット30は、出力容量に応じて各部品のサイズおよび個数などが異なる。
また、コンタクタ36と電解コンデンサ34を仕切板38で隔離することで風量の分量調整を可能とする。風9がコンタクタ36から冷却フィン32に吸い込まれるようするため、コンタクタ36から冷却フィン32に通風孔39を設ける。ここで、通風孔39の大きさを調整することでコンタクタ36側を通る通風量を適切な値に調節できる。このような構造により、全ての風は必ずエアフィルタと冷却フィンを通過する構造となり、電解コンデンサ34とコンタクタ36に流れる風をエアフィルタおよび仕切板38で調整可能である。ただし、コンタクタ36は保護目的であるので存在しない場合もある。
次に、冷却フィン32の形状について図7を用いて説明する。本実施例では、例としてコルゲートフィンを適用しているが他のフィン形状でも良い。冷却フィン32の両側面を仕切板321で囲い込む。このとき、仕切板321の材質は任意であるが絶縁性を強化するためにガラスエポキシやベークライトを使用するのが望ましい。底面には、対地間短絡を避けるため絶縁仕切板322を用いる。対地絶縁が取れる材質および厚みであれば良いが、ガラスエポキシやベークライトを適用する。
ここで、各ユニット30の風量最適化について述べる。必要風量とはIGBT31の許容温度からの差が10℃以内となるような冷却風量と定める。例えば、IGBT31の許容温度が120℃の場合は110℃〜120℃となるような温度となるようにする。冷却風量は風速およびフィン構造によって変化する。必要圧損とは冷却フィン32に最低限必要な風量を流すために各ユニット30全体にかかる圧力損失を意味する。ユニット30全体にかかる圧力損失は、風の流入口であるエアフィルタ33から流出口である冷却フィン32までの間の圧力損失となる。風の流入口であるエアフィルタ33の圧力は外気圧である。
図8は、冷却フィン32をコルゲート型とし囲い込みにより風を絞り込んだ本実施例の条件下において、フィン間隔324に対する必要圧力損失の依存性を示したグラフである。図中の点線は、フィン間隔324の変化に伴うAユニット30aにかかるユニット圧損ΔP(縦軸)とユニット風量Q(横軸)の関係を示したものであり、下記の数式(1)で表わされる。ただし、RはAユニット30aの風路抵抗である。
ΔP=RQ2 … 数式(1)
図中の点線は、フィン間隔324を狭くするとAユニット30aの風路抵抗Rが大きくなり、フィン間隔324を広くするとAユニット30aの風路抵抗Rが小さくなることを表わしている。図11から、同じユニット圧損ΔPでも、フィン間隔324が広い方がAユニット30aに多くのユニット風量Qが流れることがわかる。一方、フィン板厚み323が一定の場合、フィン間隔324が広くなるとその分フィンの設置スペースが減りフィンの枚数が減少する。そのため、フィン枚数の減少によって冷却フィン32全体での放熱の効率は下がる。
このようにフィン間隔324とユニット風量Qおよびフィン枚数の関係に基づいて、Aユニット30aの必要圧力損失をシミュレーションし、Aユニット30aの必要圧損特性を求める図5中の実線のようになる。この必要圧損特性から、Aユニット30aの必要圧損は極小値を持つことがわかる。例えば、フィン板厚み323を0.6mmとした場合、フィン間隔324が1.8mm〜2.9mmの間において極小値をとり、その範囲で必要圧損は極小必要圧損の+20%に収めることが可能となる。また本実施例では、必要圧力損失とフィン間隔との関係をシミュレーションしているが、数式(1)のように圧力損失Pと風量Qの関係は1対1であるので、必要圧損特性は風量Qとフィン間隔の関係を示すことでもある。
上記シミュレーションを各ユニット30で行うと、ユニット毎に極小必要圧損が異なる値を示す。一般的に構造物が小さいほど風路抵抗が大きくなり、出力密度も大きくなりやすいため、ユニットが小さいほど極小必要圧損が大きくなりやすい。つまり、全ユニット30の極小必要圧損の中で、最も構造の小さなAユニット30aの極小必要圧損が最大となる。本実施例の構造条件下において通風ダクト4の内部の圧力損失(例えば合流による圧力損失や摩擦損失)の分布を無視した場合、各段ユニットに等価な圧力損失が掛かる。ゆえに、最小ユニットの極小圧力損失を満たすことにより他の全ユニット30の必要圧力損失を満たすことができる。
ここで最小ユニットの必要圧力損失の極小値と、他ユニットの必要圧力損失に差が存在するので、他のユニットには余剰な冷却風量が生じると考えられる。余剰な風量が流れると、各ユニット30の間で温度が不均一になってしまい、また風量を確保するため天井のファン3の大型化を招いてしまう。そこで、最小Aユニット30a以外の他ユニット30においては、それらの必要圧力損失を最小ユニットの極小必要圧力損失付近にまで増加させることにより必要風量を減らす。
具体的には、Bユニット30bおよびCユニット30cにおいて上記シミュレーションにより各ユニットの必要圧損特性(図6の実線相当のもの)を求め、Aユニット30aの極小必要圧力損失に対応したフィン間隔324を設計する。これに加えてエアフィルタ33の面積,材質,厚みなどを調整することによりBユニット30b,Cユニット30cの風路抵抗を変え必要圧損を最小Aユニット30aの必要圧力損失の極小値に揃える。
例えばインバータ盤1にAユニット30aとBユニット30bを1個ずつ搭載した例を用いて、余剰風量が生じる場合と比較する。Aユニット30aの必要圧力損失の極小値に対しBユニット30bの必要圧力損失が80%となる場合を図9(b)に示す。ただし、図中の点線は各ユニットの冷却に必要な必要風量Qを示し、図中の棒グラフは各ユニットに流れる風量Qを示す。図9(b)に示すように、Aユニット30aに必要な圧力損失を掛けるとBユニット30bには余剰な圧力損失が掛かるため余剰な風量が流れる。余剰風量が大きくなる盤構成において必要圧損差が±20%を超えると、搭載可能なファンの能力の限界を超える恐れがある。
一方、Aユニット30aの必要圧力損失の極小値とBユニット30bの必要圧力損失の差が全くないように各ユニット30を設計した場合を図9(a)に示す。図9(a)に示すようにAユニット30aの必要圧力損失の極小値とBユニット30bの必要圧力損失の差が全くない場合には、過不足なく必要風量を流すことができる。つまり、Aユニット30aの必要圧力損失の極小値に揃えることで、各ユニットの必要圧損差がファン能力を超えない範囲である±20%以内に抑えることが可能である。
天井ファン3から遠い位置にある下段のインバータユニット30にかかる圧力損失は、上段のインバータユニット30にかかる圧力損失よりも低くなる。この場合、下段のインバータユニット30の必要圧損を上段のインバータユニット30の必要圧損よりも低くなるようにフィン間隔324を設計することで上記の圧力損失差の問題を解消できる。
以上本実施例では、インバータ盤1に格納される各ユニット30の奥行きを統一し、ユニット30に必要な圧力損失を、冷却フィン32のフィン間隔324に対する必要圧損特性を求める。求められた必要圧損特性から、必要圧損が極小値となるフィン間隔324に定めることで効率的に冷却風量を確保することができる。
また、異なるタイプのインバータユニット30が複数格納されるインバータ盤1において、出力密度や風路抵抗が最も大きいユニットに対して、冷却に必要な圧力損失が極小値となるようユニット内の冷却フィン32を設計する。これにより、他の全インバータユニット30の必要圧力損失を満たすことができるため、ユニット毎にファンを設ける必要が無く、メンテナンス性の向上およびインバータ盤の小型化が可能となる。
また、他のユニット30については、必要圧損が極小値となるよう設計されたユニット30に合わせて、必要圧力損失を揃えるように冷却フィン32を設計する。これにより、余剰風量が削減され、天井のファン3に出力の大きいファンを用いる必要がなく、結果インバータ盤1の小型化に貢献できる。
図10を用いて実施例2を説明する。異なる部分のみ説明し、同様な部分の説明は省略する。図において、Aユニットは実施例1の符号30aと同様であり、Bユニットは符号30bと同様であり、Cユニットは符号30cと同様である。上述の実施例と異なる部分を説明し、同様な部分の説明は省略する。実施例2では、第2のファン3−3を制御部10に設けた。この場合、通風ダクト4と制御部10の間に通風孔39′を設けることにより、最下段のユニットを優先的に吸気する。本実施例では同時に制御部の各種機器を冷却することが可能である。
図11を用いて実施例3を説明する。実施例3では、実施例1のように通風ダクト室と主回路室の間に通風孔39a〜39cを設ける。ただし、通風孔は図11に示すように複数個設ける。すなわち、Aユニット,Bユニット,Cユニットそれぞれに対向する位置に通風孔(大)39a,通風孔(中)39b,通風孔(小)39cを設ける。通風孔の面積は上部ほど小さくなり下部ほど大きくする。これによって下部に供給される風量を優先的に増やすことが出来る。
本実施例のポイントを再度説明すると、複数の電力変換ユニットが筐体面に並列に格納される電力変換装置において、前記電力変換装置の筐体に具備され、前記電力変換ユニットの各々を介して前記筐体の内部へ空気を吸引するファンと、前記電力変換ユニットを通った空気を前記筐体の外部へ通風する通風ダクトを有し、かつ、通風ダクトに隣接する室においても前記筺体内部の空気を吸引するファンを設置し、通風ダクトに隣接する室の間に通風孔を設けることにより、バイパス風路を有するものである。
また、各電力変換ユニットの冷却に最低限必要な風量を得るための必要圧力損失の差がほぼ等しくなるよう前記電力変換ユニット内に設けられた冷却フィンが設計される。
また、複数の電力変換ユニットが筐体面に格納され、前記筐体に設置されるファンによって前記複数の電力変換ユニット内に冷却風を吸引する電力変換装置において、一の前記電力変換ユニットよりも前記ファンから遠い位置にある二の前記電力変換ユニットは、前記二の電力変換ユニットの冷却に最低限必要な風量を得るための必要圧力損失が前記一の電力変換ユニットの前記必要圧力損失よりも低くなるよう当該二の電力変換ユニット内の冷却フィンが設計される。
また、電力変換盤に格納され、自己のユニット面に設けられた吸気口を介して冷却フィンに空気を通風する電力変換ユニットにおいて、前記冷却フィンは、該電力変換ユニットの冷却に必要な圧力損失と、前記電力変換盤に格納される他の電力変換ユニットの冷却に必要な圧力損失とがほぼ等しくなるフィン間隔に設計される。
また、一の電力変換ユニット内に設けられる冷却フィンのフィン間隔と当該一の電力変換ユニットの冷却に必要な必要圧力損失との関係に基づいて、前記必要圧力損失が前記一の電力変換ユニットと共に電力変換盤に格納される他の電力変換ユニットの必要圧力損失とほぼ等しくなる前記フィン間隔に設計する。
このように、複数の電力変換ユニットが格納される電力変換盤において、第1のファンから遠いユニットに対してその近傍に第2のファンからバイパスされた通風路を設けることで電力変換盤の小型化が可能となる。
1 インバータ盤
2 ユニット室
3 ファン
3−1 冷却フィン(第1のファン)
3−2 補助ファン(第2のファン)
4 通風ダクト
5 主回路室(交流)
10 制御部
11 吸気口
30a Aユニット
30b Bユニット
30c Cユニット
31 IGBT
33 エアフィルタ
34 電解コンデンサ
35 バスバ
36 コンタクタ
37,38,321 仕切板
39 通風孔
322 絶縁仕切板
323 フィン板厚み
324 フィン間隔

Claims (9)

  1. 筐体と、前記筐体に格納される複数の電力変換ユニットと、前記複数の電力ユニットを通る冷却媒体の各々が共通的に流れる通風ダクトと、前記通風ダクトの冷却媒体を移動させるファンを有しており、前記筐体内で前記ダクトと隔壁によって隔てられた空間を形成するものであって、前記空間の冷却媒体を移動させる第2のファンと、前記複数の電力ユニットを通る冷却媒体の流量を調節するように前記隔壁に設けられた通路口を有することを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、前記冷却媒体は空気であり、前記複数の電力変換ユニットは互いに上下となるように配置され、前記ダクトは前記空気を前記筐体の外部に排出するように構成されることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項2において、前記通風ダクトと前記空間は隣接しており、前記通路口を通過する空気は、前記第2のファンにより前記筐体の外部に排出するように構成されることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1において、前記通路口は、前記通風ダクトに設置されたファンから最も遠いユニットに隣接して設けられたことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1において、前記通路口を複数設け、ファンから遠いほど通路口の開口面積が大きくなるように構成されたことを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、前記第1のファンよりも前記第2のファンが小形であることを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記空間は、前記ダクトの下方に設けられたことを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項7において、前記空間に、前記電力ユニットの動作を制御する制御部が格納されることを特徴とする電力変換装置。
  9. 筐体に格納される複数の電力変換ユニットを通る冷却媒体を通風ダクトで共通的に流す電力変換ユニットの冷却方法であって、前記通風ダクトの冷却媒体に移動させる力を付し、前記筐体内で前記ダクトと隔壁によって隔てられた空間を形成させており、前記空間の冷却媒体に移動させる力を付すことで前記複数の電力ユニットを通る冷却媒体の流量を前記隔壁に設けられた通路口で調節する電力変換ユニットの冷却方法。
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