JP2012009507A - 超音波基板処理ユニット及び超音波基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超音波基板処理ユニット10は、対向する半導体ウェハWHの表面WSに超音波を放射する放射面31を有する振動体30と、これを超音波振動させて、放射面31から超音波を放射させる複数の超音波振動子21とを備える。振動体30は、クサビ形状で、放射面31を複数の分割放射面に仮想的に分割する複数のクサビ部からなる。クサビ部は、分割放射面、これと鋭角αをなし、超音波振動子21で加振される加振面、分割放射面と鋭角βをなし、加振面とも角γをなし、分割放射面及び加振面に直交する仮想直交面に対して直交し、加振面から離れるほど分割放射面に近づく平坦なクサビ面、で囲まれる形態とされてなる。
【選択図】図1
Description
これらの装置では、取付面(背面)の大きさに比して、広い放射面から超音波を放射できるので、基板の広い範囲に亘って洗浄等を行うことができる。
しかしながら、処理のスループット向上の要請や、半導体ウェハなどの被処理基板の大型化に伴い、さらに大きな放射面を有する超音波基板処理ユニット及びこれを備えた超音波基板処理装置が求められている。
これに対応するに当たり、単に、振動体を比例的に大型化する、例えば、振動体の各部の寸法を2倍とすると、放射面の大きさは4倍(22倍)とすることができる。しかし、振動体の重量は8倍(23倍)になるというように、単に放射面の大きさを大きくするだけでは、振動体の重量の増加の方が大きく影響し、振動体の吊り下げ等、振動体の保持が難しくなる不具合がある。
従って、各々クサビ部の加振面を、それぞれ少なくとも1つの超音波振動子で加振することで、各々のクサビ部の分割放射面から超音波が放射されるから、従来に比して、さらに広い面積に亘って、被処理基板を処理(洗浄等)することができる。
しかも、例えば、放射面の面積を2倍としても、振動体の重量もこれに比例して2倍程度となるだけに止めることができる。かくして、重量の増加を抑制しつつ、超音波を放射する放射面を大きく確保した超音波基板処理ユニットとすることができる。従って、振動体の保持も容易である。
さらに、振動体を一体としているので、従来のクサビ形の振動体を複数同時に用いたとした場合よりも、振動体の扱いや処理が容易である。また、被処理基板の被処理表面が、放射面よりも小さい場合には、被処理基板を回転させることなく一度に洗浄等の処理を行うことができる。
この振動体は、一体の部材とされてなり、たとえば、全体を金属塊からの削り出しで形成した金属体や一体に鋳造した金属体、一体焼結したセラミックス体が挙げられる。
超音波振動子としては、たとえば、板状の圧電セラミックスからなるものが挙げられる。その他、積層型、ボルト締めランジュバン形振動子などの超音波振動子を用いることもできる。また、1つの加振面に、複数の超音波振動子を接続しても良い。そのほか、クサビ部の加振面に接続する超音波振動子の共振周波数を、各クサビ部のうち、一部について異ならせる、或いは、いずれのクサビ部についても互いに異ならせるようにすることもできる。
なお、各クサビ部の加振面に接続された各超音波振動子を、駆動するパターンとしては様々なパターンを用いることができる。たとえば、各超音波振動子を、同時に駆動しても良いし、交互に駆動したり、順次駆動する、或いは一部のみ駆動するなどの駆動パターンとすることができる。
また、クサビ面と加振面とのなす角は、鋭角、鈍角のいずれとしても良いが、90度近くの大きさとするのが好ましく、特に、90度とすると良い。このようにすると、加振面から入射した超音波を、クサビ面で反射することなく、このクサビ面に沿ってクサビ部の先端に向けて進行させることができる。このため、クサビ部のうち先端部分まで直接超音波を伝えることが出来る上、クサビ面での超音波の反射に伴って、分割放射面から放射される超音波の強度が場所的に不均一となるのを防止し、分割放射面の各所から均一に超音波を放射させることができる。
また、この振動体は、放射面の径方向の外側、つまり振動体の外周に各クサビ部の加振面が位置している形態となる。このため、複数のクサビ部が含まれていながら、各加振面の面積を十分に確保できるから、より大きな超音波振動子で加振面全体を加振できるので、各クサビ部を、従って、振動体全体を、各超音波振動子で十分に加振できる。かくして、各分割放射面から、従って放射面から、強力な超音波を放射させることができる。
このため、この超音波基板処理ユニットでは、同形状の各クサビ部を、同等の超音波振動子で超音波振動させることができるので、放射面全体に亘って、均一に超音波を放射させることができる。
超音波基板処理ユニット及びこれを用いた超音波基板処理装置についての実施の形態を、図1〜図7を参照して説明する。
図1に示す超音波基板処理装置1は、主として、超音波基板処理ユニット10と、これを駆動する駆動装置2と、洗浄液CWを供給する洗浄液供給装置5からなる。このうち、図2〜図4に示す超音波処理ユニット10は、大略、正方形椀状とされた振動体30と、その側面33にそれぞれ固着された4つの超音波振動子21をそれぞれ含む4つの振動子ユニット20とからなる。駆動装置2は、各々超音波振動子21を駆動する発振回路ユニット4と、これらの駆動を総合的に制御する駆動制御装置3とを含んでいる。
一方、この洗浄液CWは、排出孔35Hを通じて、排出配管7から排出される。
このうち、振動体30は、金属塊から削り出されて一体に形成されている。この振動体30は、厚み方向一方側(図4中、下側)の放射面31が平坦な平面とされている一方、その逆側の面は、中央が凹んだ凹形面32とされている。さらに具体的には、凹形面32は、これによって形成される空間が、概略、四角錐台となる凹形状を有しており、中央に向かう4つの稜線32Rが形成されている。
次述する給液孔34H,排出孔35H、及び保持ネジ孔36Hは、いずれも、この稜線32R上に形成されている。これらを、後述する各クサビ部40A,40B,40C,40D同士の境界となる稜線32R上に形成することで、各クサビ部40A等を伝わる超音波振動への影響を少なくすることができるからである。
また、稜線32R上には、排出配管7を接続し、排出孔35Hを通じて放射面31側からの洗浄液CWを排出する排出部35がそれぞれ形成されている。
さらに、この稜線32R上には、保持ネジ孔36Hがそれぞれ形成されており、図1に示すように、これにユニット保持具8を締結して、超音波処理ユニット10を所定位置に保持する。
また、振動体30の側面33(加振面42)には、矩形板状で、圧電セラミックスからなる超音波振動子21(図4において、21B,21Dのみ破線で示す)が、接着剤(図示しない)により固着されている。
なお、クサビ部40において、加振面42から離れる側(図7中、左側)を先端側と表現することとする。
また、本実施形態では、各クサビ部40(40A…)は、各分割放射面41(41A…)で単一の放射面31を形成する一方、加振面42は互いに異なる方向を向いている。また、クサビ面43も互いに異なる方向を向いている。
そして、クサビ部40内を進行する進行超音波US1は、角γを鈍角とした場合と異なり、クサビ面43に沿って、加振面42から最も離れた先端部45(クサビ面43と分割放射面41が交叉する付近)まで直接届くため、分割放射面41について、その加振面42側から先端部45まで、全体に亘って均一に放射超音波US2を放射することができる。しかも、角γを鋭角とした場合と異なり、クサビ部40内を進行する進行超音波US1が、クサビ面43に反射されることなくクサビ面43に沿って進行するので、反射波との干渉等による超音波強度の場所的な不均一が生じにくく、分割放射面42の各部から放射される放射超音波US2の強度が、加振面42からの距離に影響されにくくなっている。
従って、各々クサビ部40の加振面43を、超音波振動子21で加振することで、各々のクサビ部40の分割放射面41から放射超音波US2を放射させることができるから、従来に比して、さらに広い面積に亘って、半導体ウェハWHを洗浄することができる。
しかも、本実施形態の超音波基板処理ユニット10では、例えば、放射面31の大きさを、1つのクサビ部の分割放射面の4倍としているが、振動体30の重量もこれに比例して、1つのクサビ部の4倍程度となるに止めることができる。かくして、重量の増加を抑制しつつ、超音波を放射する放射面を大きく確保できる超音波基板処理ユニット10とすることができる。従って、ユニット保持具8による振動体30の保持も容易である。また、この超音波基板処理ユニット10を用いた本実施形態の超音波基板処理装置1でも、振動板30の放射面31の大きさを大きく確保できる一方で、振動体30の重量増加を抑制することができる。
その一方、この振動体30は、放射面31の径方向DRの外側、つまり振動体30の外周に各クサビ部40の加振面42が位置している形態となる。このため、複数のクサビ部40(40A…)が含まれていながら、各加振面42の面積を十分に確保できるから、より大きな超音波振動子21で加振面42全体を加振できるので、各クサビ部40を、従って、振動体30全体を、各超音波振動子21で十分に加振できる。かくして、各分割放射面41(41A…)から、従って放射面31から、強力な放射超音波US2を放射させることができる。
従来(特許文献1,2参照)の三角柱状(クサビ状)の振動体と比較すれば判るように、この超音波基板処理ユニット10では、上述の形態の振動体30を有するので、各クサビ部40において、分割放射面41の大きさの割に、加振面42を大きく確保できるから、より大きな超音波振動子21で加振面42全体を加振できるので、各クサビ部40を、従って、振動体10全体を、各超音波振動子21で十分に加振できる。かくして、各分割放射面41から、従って放射面31から、強力な放射超音波US2を放射させることができる。
即ち、本実施形態の超音波基板処理ユニット10では、振動体30は、各クサビ部40(40A…)の先端部45が中央に集まり、各分割放射面41が三角形状で、しかも各クサビ部40が互いに同形状となる形態とされてなる。このような形態の振動体30では、放射面31が正多角形(たとえば正方形)となる。しかも、各クサビ部40において、加振面42に接続される超音波振動子21(21A…)も互いに同等である。
このように超音波基板処理ユニット10では、同形状の各クサビ部40を、同等の超音波振動子21で超音波振動させることができるので、放射面31全体に亘って、均一に放射超音波US2を放射させることができる。
上述した実施形態では、振動体30として、2本の仮想分割線LL、MMにより、正方形状の放射面31が、4つの三角形状の分割放射面41(41A…)に仮想的に分割されて、4つのクサビ部40(40A…)から構成される形態とした。
各クサビ部140における各クサビ面の傾斜方向は、各クサビ部140中を進行する進行超音波US1の進行方向を、図8中に示すことで、判るようにしてある。
この変形形態1にかかる超音波基板処理ユニット110でも、実施形態と同様、各々クサビ部140の各分割放射面141から放射超音波US2が放射されるから、従来に比して、さらに広い面積に亘って、半導体ウェハWHを処理することができる。
本変形形態2の超音波基板処理ユニット210における振動体230は、図9に示すように、正六角形状の放射面231を有する。この振動体230は、この放射面231の中心を通る対角線を3本の仮想分割線QQ,RR,SSにより、この放射面231が、6つの三角形状の分割放射面241(241A,241B,241C,241D,241E,241F)に仮想的に分割されて、6つの互いに同形状のクサビ部240(240A,240B,240C,240D,240E,240F)を含む形態とされている。なお、容易に理解出来るように、各クサビ部240におけるクサビ面(図示しない)の三角形状となる。
例えば、実施形態では、超音波基板処理装置1として、半導体ウェハWHを洗浄するものを示したが、薬液等を用いて、被処理基板を超音波(放射超音波)で処理するものとしても良い。また、超音波振動子21として、板状の圧電セラミックス体を加振面42に直接接着した例を示したが、ボルト締めランジュバン形振動子などを用いることもできる。
また、実施形態では、振動体30の中央に1つの給液孔34H(給液部34)を、振動体30の周囲部分に4つの排出孔(排出部35)を設けた例を示した。しかし、例えば、図1に破線に矢印で示すように、この逆に、周囲部分に給液孔(給液部)を設け、中央に排出孔(排出部)を設けるようにしても良い。また、実施形態における4つの排出孔35Hのうち、2つを排出孔ままとし、他の2つを給液孔に代えるようにすることもできる。
なお、いずれの場合も、給液孔34H及び排出孔35Hは、各クサビ部40A等の境界に形成される稜線32R上に形成するのが好ましい。
WS (半導体ウェハの)表面(被処理表面)
CW 洗浄液(媒体)
1 超音波基板処理装置
2 駆動装置
3 駆動制御装置
10,110,210 超音波基板処理ユニット
20,20A,20B,20C,20D 振動子ユニット
21,21A,21B,21C,21D,121A,121B,121C,121D,221A,221B,221C,221D,221E,221F 超音波振動子
30,130,230 振動体
31,131,231 放射面
32 凹形面
33 側面(加振面)
40,40A,40B,40C,40D,140,140A,140B,140C,140D,240,240A,240B,240C,240D,240E,240F クサビ部
41,41A,41B,41C,41D,141,141A,141B,141C,141D,241,241A,241B,241C,241D,241E,241F 分割放射面
42,42A,42B,42C,42D 加振面
43,43A,43B,43C,43D クサビ面
α 分割放射面と加振面とがなす角
β 分割放射面とクサビ面とがなす角
γ 加振面とクサビ面とがなす角
US1 (クサビ部(振動体)を伝わる)進行超音波
US2 (クサビ部(分割放射面)から放射された)放射超音波
HP (分割放射面及び加振面に直交する)仮想直交面
45,45A,45B,45C,45D (クサビ部の)先端部
DR (放射面の)径方向
Claims (7)
- 被処理基板の被処理表面に対向させて、上記被処理表面に向けて超音波を放射する平坦な単一の放射面を有する一体の振動体と、
上記振動体を超音波振動させて、上記放射面から超音波を放射させる複数の超音波振動子と、を備える
超音波基板処理ユニットであって、
上記振動体は、
クサビ形状をなし、上記放射面を複数の分割放射面に仮想的に分割する、複数のクサビ部からなり、
複数の上記クサビ部は、それぞれ、
上記分割放射面と、
上記分割放射面と鋭角αをなし、少なくとも1つの上記超音波振動子の超音波振動が加えられる平坦な加振面と、
上記分割放射面と鋭角βをなし、上記加振面とも角γをなし、上記分割放射面及び上記加振面に直交する仮想直交面に対して直交し、上記加振面から離れるほど上記分割放射面に近づく平坦なクサビ面と、
で囲まれる形態とされてなる
超音波基板処理ユニット。 - 請求項1に記載の超音波基板処理ユニットであって、
前記クサビ部は、
前記クサビ面と前記加振面とのなす角γが90度である
超音波基板処理ユニット。 - 請求項1または請求項2に記載の超音波基板処理ユニットであって、
前記振動体は、
各々の前記クサビ部のうち前記加振面から最も離れた先端部が、いずれも前記放射面の径方向の内側部分に集まった形態とされてなる
超音波基板処理ユニット。 - 請求項3に記載の超音波基板処理ユニットであって、
前記振動体は、
各々の前記クサビ部の前記分割放射面およびクサビ面が三角形状をなす形態とされてなる
超音波基板処理ユニット。 - 請求項4に記載の超音波基板処理ユニットであって、
前記振動体は、
各々の前記クサビ部が、互いに同形状となる形態とされてなり、
各々のクサビ部の前記加振面に接続される前記超音波振動子も、互いに同等である
超音波基板処理ユニット。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の超音波基板処理ユニットであって、
前記振動体は、
前記放射面の大きさが、前記被処理基板の前記被処理表面よりも、大きくされてなる
超音波基板処理ユニット。 - 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の超音波基板処理ユニットと、
前記超音波振動子を駆動する駆動装置と、を備える
超音波基板処理装置。
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JP2010141871A JP2012009507A (ja) | 2010-06-22 | 2010-06-22 | 超音波基板処理ユニット及び超音波基板処理装置 |
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