JP2012009275A - 燃料電池システム及びその起動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化劣化することを防止しつつ、燃料電池システムを昇温することが可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】固体酸化物形燃料電池1と、原燃料を改質して改質ガスを製造する改質器2と、燃料を燃焼させて前記改質器2を加熱するための第一燃焼手段3と、前記固体酸化物形燃料電池1からのアノードオフガスを燃焼させて前記改質器2を加熱するための第二燃焼手段4と、前記第一燃焼手段3及び前記第二燃焼手段4のうち少なくとも一方の燃焼手段により生成した燃焼ガスに前記固体酸化物形燃料電池1が曝されることを防止するための燃焼ガス曝露防止手段5と、前記燃焼ガスの流れ方向において前記改質器2の下流側に位置する水蒸発器6であって、前記燃焼ガスとの熱交換により水蒸気を発生させる水蒸発器6とを備えることを特徴とする燃料電池システムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム及び該燃料電池システムの起動方法に関し、特には、固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化劣化することを防止しつつ、燃料電池システムを昇温することが可能な燃料電池システムの起動方法に関するものである。
一般に、燃料電池システムにおいては、固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化するのを防止するため、固体酸化物形燃料電池の昇温起動時においてアノード側が還元状態を維持する必要のある温度領域(約400℃以上)では、アノードを不活性ガス又は還元性ガスの雰囲気に維持することが必要となる。また、燃料電池システムでは、発電用燃料となる水素を主成分とする改質ガスを製造するため、通常改質器が利用されるが、この場合、改質器から固体酸化物形燃料電池へ改質ガスを供給するためには、まず改質器が改質反応を行うことのできる温度まで昇温させておく必要がある。
特開2005−285621号公報(特許文献1)では、燃料電池から排出されるガスの燃焼を行い、この燃焼熱によって、改質器及び燃料電池の双方を加熱すると共に、改質器が改質反応開始温度に達する前には、該燃焼熱により気化させた水蒸気を改質器へ供給する方法が提案されている。また、特開2005−293951号公報(特許文献2)では、水蒸気改質反応を利用した改質器と部分酸化改質反応を利用した改質器の二種類の改質器を備える燃料電池システムにおいて、固体酸化物形燃料電池の発電時、発電開始期及び発電停止期で使用する改質器を切り替える方法が提案されている。更に、特開2008−16277号公報(特許文献3)では、固体酸化物形燃料電池の容器内に設置される内部改質器に加えて、該固体酸化物形燃料電池の容器の外側に、可燃物の燃焼手段を備えた外部改質器を設置することで、内部改質器が改質可能な温度に達する前には、外部改質器により製造した改質ガスを固体酸化物形燃料電池へ供給し、内部改質器が改質可能な温度に達したら、外部改質器による改質ガスの製造を停止し、内部改質器により製造した改質ガスを固体酸化物形燃料電池へ供給することが可能な燃料電池システムが提案されている。
特開2005−285621号公報 特開2005−293951号公報 特開2008−16277号公報
しかしながら、固体酸化物形燃料電池のアノードへ窒素ガス等の不活性ガスを流したり、改質器へ水蒸気を流したりしても、固体酸化物形燃料電池のアノードに微量の酸素が混入する可能性は高く、固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化することを防止する手段としては十分でない。また、水素ガス等の還元性ガスを流すことは、アノードの酸化を防止する手段としては有効であるものの、発電用燃料としての水素を含む改質ガスを改質器から燃料電池へ供給する改質ガス供給手段とは異なる水素ガス供給手段を別途設けることは、燃料電池システムを複雑化させて、コストアップを招く要因にもなるため好ましくない。従って、固体酸化物形燃料電池システムの起動時に、上記改質ガス供給手段以外に、水素ガスを固体酸化物形燃料電池へ供給する手段を別途設けることなく、如何にして固体酸化物形燃料電池のアノードの酸化を防止するかが課題となる。
そこで、本発明の目的は、固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化劣化することを防止しつつ、燃料電池システムを昇温することが可能な燃料電池システム及び該燃料電池システムの起動方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、アノードが酸化する温度以上に固体酸化物形燃料電池が加熱される前に、水蒸気改質反応を開始できる温度以上に改質器を加熱して該改質器からアノードへの還元性を有する改質ガスの供給を開始することで、改質器から燃料電池へ改質ガスを供給する改質ガス供給手段以外に水素ガス供給手段を設置することなく、固体酸化物形燃料電池のアノードの酸化を防止できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の燃料電池システムは、
固体酸化物形燃料電池と、
原燃料を改質して改質ガスを製造する改質器と、
炭化水素及び脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも一種の燃料を燃焼させて前記改質器を加熱するための第一燃焼手段と、
前記固体酸化物形燃料電池からのアノードオフガスを燃焼させて前記改質器を加熱するための第二燃焼手段と、
前記第一燃焼手段及び前記第二燃焼手段のうち少なくとも一方の燃焼手段により生成した燃焼ガスに前記固体酸化物形燃料電池が曝されることを防止するための燃焼ガス曝露防止手段と、
前記燃焼ガスの流れ方向において前記改質器の下流側に位置する水蒸発器であって、前記燃焼ガスとの熱交換により水蒸気を発生させる水蒸発器と
を備えることを特徴とする。
本発明の燃料電池システムの好適例においては、前記固体酸化物形燃料電池が、前記第一燃焼手段、前記第二燃焼手段及び前記燃焼ガス曝露防止手段からなる群から選択される少なくとも一種の手段からの熱伝導及び熱輻射の少なくとも一方により加熱される。
本発明の燃料電池システムの他の好適例においては、更に、前記燃焼ガスとの熱交換により前記固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスを加熱する熱交換器を備える。
本発明の燃料電池システムの他の好適例においては、改質ガスを製造する前に、前記原燃料を脱硫して脱硫原燃料とする脱硫器を更に備え、前記熱交換器により加熱された酸素含有ガスの一部を用いて前記脱硫器が加熱される。
本発明の燃料電池システムの他の好適例においては、更に、前記熱交換器による加熱から前記固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスの一部を回避させるためのバイパス流路を備える。
また、本発明の燃料電池システムの起動方法は、
炭化水素及び脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも一種の燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成し、該燃焼ガスを用いて改質器を加熱する工程であって、前記燃焼ガスに固体酸化物形燃料電池が曝されることを防止する工程と、
前記燃焼ガスの流れ方向において前記改質器の下流側に位置する水蒸発器を前記燃焼ガスにより加熱し、水蒸気を発生させる工程と、
前記水蒸発器の温度が水蒸気を発生することが可能な温度以上に達し、かつ、前記改質器の温度が原燃料の改質反応を行うことが可能な温度以上に達した後、前記改質器に前記水蒸気と原燃料とを供給して改質反応を開始し、改質ガスを生成する工程と、
前記固体酸化物形燃料電池の温度が、該固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化する温度に達する前に、前記固体酸化物形燃料電池のアノードに前記改質ガスを供給する工程と
を含むことを特徴とする。
本発明の燃料電池システムの起動方法の好適例においては、
前記燃焼ガスの流れ方向において前記改質器の下流側に位置する熱交換器において、前記燃焼ガスとの熱交換により、前記固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスを加熱する工程と、
加熱された前記酸素含有ガスの一部を用いて、前記改質器に供給される原燃料を脱硫して脱硫原燃料とする脱硫器を加熱する工程と
を更に含む。
本発明の燃料電池システムの起動方法の他の好適例においては、更に、前記固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスのうち前記燃焼ガスとの熱交換を行わない酸素含有ガスを用意し、該酸素含有ガスを固体酸化物形燃料電池に供給する工程を含む。
本発明の燃料電池システムの起動方法の他の好適例においては、更に、前記改質器に、酸素を含む酸化性ガスを導入して部分酸化反応を行う工程を含む。
本発明の燃料電池システムによれば、固体酸化物形燃料電池、改質器、第一燃焼手段、第二燃焼手段、燃焼ガス曝露防止手段、及び水蒸発器を備えることで、固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化劣化することを防止しつつ、燃料電池システムを昇温することができる。
本発明の燃料電池システムの起動方法によれば、特に、燃焼ガスを用いて改質器を加熱する際に、該燃焼ガスに固体酸化物形燃料電池が曝されることを防止することで、固体酸化物形燃料電池の温度が該固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化する温度に達する前に固体酸化物形燃料電池のアノードに改質ガスを供給することが可能となり、固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化劣化することを防止しつつ、燃料電池システムを昇温することができる。
本発明の燃料電池システムの一例を示す概略図である。 本発明の燃料電池システムに好適な改質装置の一例を示す概略図である。 図2に示す改質装置を左側から見た概略図である。 図2に示す改質装置の部分断面図である。 本発明の燃料電池システムの他の例を示す部分概略図である。
以下に、図を参照しながら、本発明の燃料電池システムを詳細に説明する。図1は、本発明の燃料電池システムの一例を示す概略図である。図1に示す燃料電池システムは、固体酸化物形燃料電池1と、原燃料を改質して改質ガスを製造する改質器2と、炭化水素及び脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも一種の燃料を燃焼させて改質器2を加熱するための第一燃焼手段3と、固体酸化物形燃料電池1からのアノードオフガスを燃焼させて改質器2を加熱するための第二燃焼手段4と、第一燃焼手段3及び第二燃焼手段4のうち少なくとも一方の燃焼手段により生成した燃焼ガスに固体酸化物形燃料電池1が曝されることを防止するための燃焼ガス曝露防止手段5と、上記燃焼ガスの流れ方向において改質器2の下流側に位置する水蒸発器6であって、上記燃焼ガスとの熱交換により水蒸気を発生させる水蒸発器6とを備えることを特徴とする。
図示例の燃料電池システムにおいて、固体酸化物形燃料電池1は、特に限定されるものではなく、公知の構造を持った固体酸化物形燃料電池を採用することができる。なお、通常、固体酸化物形燃料電池1は、複数のセルを積層及び/又は連結して構成されるものが一般的である。また、固体酸化物形燃料電池は、通常、700〜800℃の高温で運転される。
図示例の燃料電池システムにおいて、改質器2は、原燃料を改質して水素を含む改質ガスを製造するためのものであり、例えば、内部に既知の改質触媒を充填した改質器本体を備える。具体的には、改質器2として、水蒸気改質装置や酸化自己熱型改質装置(ATR)等の既知の改質器を用いることができる。ここで、改質触媒としては、Ru、Ni、W、Co、Rh、Pt等をアルミナ、シリカ、ジルコニア等の担体に担持した触媒を用いることができる。また、上記原燃料としては、特に限定されず、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の気体炭化水素燃料、軽油、ガソリン、ナフサ、灯油等の液体炭化水素燃料、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール燃料を用いることができる。改質条件としては、例えば、原燃料となる液体炭化水素燃料供給量(LHSV):0.1〜10hr−1、水蒸気と原燃料に含まれる炭素のモル比(スチーム/カーボン比):2〜4mol/mol、反応圧力:大気圧〜1.0MPa未満、反応温度:400〜800℃であることが好ましい。
図示例の燃料電池システムにおいて、第一燃焼手段3は、炭化水素及び脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも一種の燃料を燃焼させて改質器2を加熱するための燃焼手段である。燃料電池システムの起動時においては、アノードが酸化する温度以上に該固体酸化物形燃料電池が加熱される前に、改質反応を開始できる温度以上に改質器を加熱して該改質器からアノードへの還元性を有する改質ガスの供給を開始することが望まれており、燃料電池システムに第一燃焼手段を設置することで、改質器の迅速な加熱が可能となる。第一燃焼手段としては、例えば、バーナ等の既知の燃焼装置を用いることができる。なお、特に限定されるものではないが、炭化水素燃料としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、LPガス等の気体炭化水素燃料、軽油、ガソリン、ナフサ、灯油等の液体炭化水素燃料を用いることができ、脂肪族アルコール燃料としては、メタノール、エタノール等を用いることができる。
図示例の燃料電池システムにおいて、第二燃焼手段4は、固体酸化物形燃料電池1からのアノードオフガスを燃焼させて改質器2を加熱するための燃焼手段であり、アノードオフガス供給手段7とカソードオフガス供給手段8とを備える。ここで、上記第二燃焼手段によれば、カソードオフガス供給手段により供給されるカソードオフガスを支燃性ガスとして用いることで、アノードオフガス供給手段により供給されるアノードオフガスの燃焼ガスを生成することができる。本発明の燃料電池システムにおいては、燃料電池のアノードオフガス及びカソードオフガスを利用するため、燃料電池排熱の利用効率が高い。また、第二燃焼手段により改質器を加熱することができれば、上記第一燃焼手段を停止することができるため、第一燃焼手段の使用を燃料電池システムの起動時に限定することも可能となる。これにより、燃料電池システムの燃料消費量を低減することができる。
上記第二燃焼手段のアノードオフガス供給手段7としては、上述のように燃料電池のアノードオフガスを供給するため、固体酸化物形燃料電池1のアノードに連結されたアノードオフガス供給流路を用いることが好ましい。また、上記第二燃焼手段のカソードオフガス供給手段8としては、燃料電池のカソードオフガスを供給するため、例えば、図1に示されるように、固体酸化物形燃料電池1のカソードに連結されたカソードオフガス供給流路を用いることができる。なお、アノードオフガス及びカソードオフガスは、それらの供給手段から排出され、燃焼ガスを形成することになる。
本発明の燃料電池システムにおいては、アノードオフガス供給手段から供給されるアノードオフガス及びカソードオフガス供給手段から供給されるカソードオフガスの少なくとも一方が、好ましくは高温であり、具体的には500℃以上である。該アノードオフガス及び該カソードオフガスが混合された状態で高温であれば、即ち約500℃以上であれば、自然着火するため、燃焼ガスを生成させるための点火装置等の設置が不要となる。
なお、燃料電池システムの燃料利用率は一般に60〜80%であり、燃料の20〜40%程度はアノードオフガスとして排出されるため、本発明の燃料電池システムに用いるアノードオフガスを十分に確保することができる。また、燃料電池の酸素含有ガス利用率は一般に20〜40%であり、供給される酸素含有ガスの60〜80%程度はカソードオフガスとして排出されるため、本発明の燃料電池システムに用いるカソードオフガスを十分に確保することもできる。
図示例の燃料電池システムにおいて、燃焼ガス曝露防止手段5は、第一燃焼手段3及び第二燃焼手段4のうち少なくとも一方の燃焼手段により生成した燃焼ガスに固体酸化物形燃料電池1が曝されることを防止するための手段である。ここで、上記燃焼ガス曝露防止手段によれば、燃焼手段により生成した燃焼ガスが固体酸化物形燃料電池へ直接供給されないため、改質器が改質反応を開始できる温度に達する前に、固体酸化物形燃料電池がアノードの酸化する温度に達することを防止することができる。言い換えれば、アノードが酸化する温度以上に固体酸化物形燃料電池が加熱される前に、改質反応を開始できる温度以上に改質器を加熱して該改質器からアノードへの改質ガスの供給を開始できるため、固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化劣化することを防止しつつ、燃料電池システムを昇温することが可能となる。
上記燃焼ガス曝露防止手段としては、例えば、図1に示されるような隔壁を使用してもよいし、図2に示されるような第一燃焼手段、第二燃焼手段及び改質器を囲うハウジングを使用してもよい。また、燃焼ガス曝露防止手段からの熱を伝導及び輻射の少なくとも一方により固体酸化物形燃料電池へ伝えたり、固体酸化物形燃料電池と改質器との間で熱授受を行ったりする観点から、燃焼ガス曝露防止手段に用いる材料としては、ステンレス鋼、ニッケル合金等の金属を用いることが好ましい。なお、図示例の燃料電池システムは、少なくとも固体酸化物形燃料電池1及び改質器2を覆うハウジング(以下、第一ハウジングともいう)9を備え、該ハウジング9と燃焼ガス曝露防止手段5としての隔壁により空間を形成することにより、該空間内で改質器2を効果的に加熱することができる。
本発明の燃料電池システムにおいては、固体酸化物形燃料電池が、第一燃焼手段、第二燃焼手段及び燃焼ガス曝露防止手段からなる群から選択される少なくとも一種の手段からの熱伝導及び熱輻射の少なくとも一方により加熱されることが好ましい。これにより、改質器を加熱しながら、固体酸化物形燃料電池を昇温させることが可能となり、短時間で効果的に燃料電池システムの起動を行うことができる。なお、第一燃焼手段及び第二燃焼手段に用いる材料としては、燃焼ガス曝露防止手段と同様の観点から、ステンレス鋼、ニッケル合金等の金属を用いることが好ましい。
図示例の燃料電池システムにおいて、水蒸発器6は、上記燃焼ガスの流れ方向において改質器2の下流側に位置し、原燃料との改質反応に用いるための水蒸気を燃焼ガスとの熱交換により発生させるものであり、既知の水蒸発器を用いることができる。また、図示例の燃料電池システムにおいては、水蒸気へ気化させるための水が、水供給ライン10及び水ポンプ11を用いて水タンク12から水蒸発器6へ供給され、一方、燃焼ガスは、燃焼ガス排気ライン13を用いて第一ハウジング9と隔壁(燃焼ガス曝露防止手段5)により形成された空間から水蒸発器6へ供給される。なお、水蒸発器に供給される水の温度は、5〜40℃であることが好ましく、一方、水蒸発器に供給される燃焼ガスの温度は、150〜600℃であることが好ましい。
本発明の燃料電池システムは、更に、上記燃焼ガスとの熱交換により固体酸化物形燃料電池1に供給される酸素含有ガスを加熱する熱交換器14を備えることが好ましい。この場合、酸素含有ガスとの熱交換に燃焼ガスを利用するため、燃料電池システムの排熱利用効率を向上させることができる。上記熱交換器は、燃料電池のカソードに供給される酸素含有ガスを加熱するためのものであり、例えば、既知の熱交換器を用いることができ、熱交換器14には、例えば、固体酸化物形燃料電池1のカソードへ供給される酸素含有ガスが通過する酸素含有ガス供給ライン15と、燃焼ガスが通過する燃焼ガス排気ライン13とが連結され、熱交換器14内を通過する酸素含有ガスと燃焼ガスとの熱交換により、酸素含有ガスを加熱する。なお、上記酸素含有ガスは、例えば、空気ブロワ16等の送風機を用いて酸素含有ガス供給ライン15に導入され、また、熱が回収された燃焼ガスは、排ガスとして処理される。ここで、酸素含有ガスとしては、純酸素ガスも使用可能であるが、コスト等の観点から空気が好適である。また、熱交換器に供給される酸素含有ガスの温度は、通常、大気温度であり、一方、熱交換器に供給される燃焼ガスの温度は、通常、400〜750℃である。なお、図1に示されるように、熱交換器14を通過した燃焼ガスを排ガスとして排出する前に水蒸発器6へ供給し、水蒸気の発生に利用することができる。
また、本発明の燃料電池システムは、更に、熱交換器14による加熱から固体酸化物形燃料電池1に供給される酸素含有ガスの一部を回避させるためのバイパス流路17を備えることが好ましい。熱交換器による加熱を受けていない酸素含有ガスを用意することで、カソードへ供給される酸素含有ガスの温度が上昇しすぎた場合に該酸素含有ガスを冷却することができる。ここで、燃料電池のカソードに供給される酸素含有ガスの一部を分離するには、燃焼ガスとの熱交換を行う前に、酸素含有ガス供給ライン15から分岐するバイパス流路17を設置すればよい。そして、燃焼ガスとの熱交換を行った後の酸素含有ガス供給ライン15にバイパス流路17を接続することで、酸素含有ガス供給ライン15を通過する酸素含有ガスの温度を下げることができる。なお、カソードへ供給される酸素含有ガスの温度が十分に確保されている場合には、その酸素含有ガス供給ラインには冷却用酸素含有ガスを導入する必要がないため、例えば、流路切替バルブ等を用いて、酸素含有ガス供給ライン15からバイパス流路17への流路又はバイパス流路17から酸素含有ガス供給ライン15への流路を塞いで、冷却用酸素含有ガスの流通を停止すればよい。
本発明の燃料電池システムは、改質ガスを製造する前に、原燃料を脱硫して脱硫原燃料とする脱硫器18を更に備えることが好ましい。上記脱硫器18は、原燃料中に含まれる硫黄分を除去するものであり、例えば、内部に吸着脱硫剤を充填した脱硫器本体と、該脱硫器本体を加熱する熱交換器やヒーター等の加熱手段とを備える。ここで、吸着脱硫剤としては、従来脱硫用に用いられている吸着脱硫剤を用いることができ、例えば、ニッケル系脱硫剤、アルミナ系脱硫剤等を用いることが好ましい。なお、脱硫条件としては、例えば、液体原燃料供給量(LHSV):0.1〜5.0hr−1、反応圧力:0.1MPa以上1.0MPa未満、反応温度:100℃以上300℃以下であることが好ましい。そして、この脱硫器18では、原燃料を吸着脱硫剤存在下で加熱することで、原燃料中の硫黄分が吸着脱硫剤に吸着され、脱硫した原燃料を生成する。なお、図示例の燃料電池システムにおいて、上記原燃料は、原燃料供給ライン19及び原燃料ポンプ20を用いて原燃料タンク21から脱硫器18へ供給される。
更に、本発明の燃料電池システムにおいては、熱交換器14により加熱された酸素含有ガスの一部を用いて脱硫器18を加熱することが好ましい。上記熱交換器14により加熱された酸素含有ガスの一部を脱硫器18の熱源として利用することで、燃料電池システムの熱利用効率を向上させることができる。また、燃料電池オフガスを脱硫器に直接供給するのではなく、燃料電池のカソードに供給される酸素含有ガスの一部を脱硫器に供給するため、燃料電池システムの運転条件を変えることによって燃料電池オフガスの温度や量が変化しても、安定的に脱硫の熱源を確保することが可能となる。図示例の燃料電池システムにおいては、燃焼ガスとの熱交換を行った後に、酸素含有ガス供給ライン15から分岐する脱硫器加熱用ガス供給ライン22が設置されている。
本発明の燃料電池システムは、通常、原燃料(又は脱硫原燃料)と水蒸気とを混合する混合装置23を備え、該混合装置23で原燃料と水蒸気とを混合して得られた原燃料・水蒸気混合ガスを改質器2へ供給して、改質ガスを生成する。図示例の燃料電池システムにおいて、混合装置23は、原燃料と、水蒸発器6で製造した水蒸気とを混合するものであり、例えば、既知のミキサー等を用いることができる。具体的に、混合装置23には、例えば、脱硫器18から混合装置23へ脱硫原燃料を供給する脱硫原燃料供給ライン24と、水蒸発器6から混合装置23へ水蒸気を供給する水蒸気供給ライン25とが連結されている。なお、混合装置に供給される水蒸気の温度は、300〜600℃であることが好ましく、一方、混合装置に供給される脱硫原燃料の温度は、10〜200℃であることが好ましい。また、図示例の燃料電池システムにおいて、上記原燃料・水蒸気混合ガスは、原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン26を用いて混合装置23から改質器2へ供給され、該改質器2により製造される改質ガスは、改質ガス供給ライン27を用いて改質器2から固体酸化物形燃料電池1のアノードへ供給される。
次に、図2を参照しながら、本発明の燃料電池システムに好適な改質装置を詳細に説明する。図2は、本発明の燃料電池システムに用いる改質装置の一例を示す概略図である。図2に示す改質装置は、少なくとも一部に改質触媒が充填された反応管101と、上記反応管101を加熱するための手段として、該反応管101の側面側に設置された伝熱用部材102と、上記伝熱用部材102に燃焼ガスを供給するための手段として、アノードオフガス供給手段103及びカソードオフガス供給手段を備える燃焼装置とを備え、該燃焼装置を上記反応管の少なくとも片方の底面側に設置することを特徴とする。なお、反応管の底面とは、反応管の長手方向の両端(両端部)に位置する面(上面及び下面)を指し、反応管の側面とは、反応管の底面以外の面を指す。また、反応管の底面側に設置するとは、反応管の上面の上方又は反応管の下面の下方に設置すること意味し、反応管の側面側に設置するとは、反応管の側面の少なくとも一部に対向するように設置することを意味する。
図示例の改質装置において、反応管101は、本発明の燃料電池システムの改質器を構成し、少なくとも一部に改質触媒が充填されており、該改質触媒に、改質原料と水蒸気との混合物を接触させ、改質反応により水素を主成分とする改質ガスを生成することができる。なお、上記改質装置において、反応管の本数は任意であり、例えば、図2に示す改質装置は、5本の反応管101を備えている。また、上記改質装置が複数本の反応管を備える場合、伝熱用部材からの均一な熱伝導及び/又は熱輻射を達成するため、図2に示されるように、反応管101を並列に配置するのが好ましい。
図示例の改質装置においては、上記燃焼装置が、本発明の燃料電池システムの第二燃焼手段を構成し、ここで、燃焼装置のアノードオフガス供給手段103にガス排出用の孔又はスリットを設けたものが好ましい。
図示例の改質装置において、伝熱用部材102は、反応管101を加熱するための手段として、該反応管101の側面側に設置されており、後述する燃焼装置により供給される燃焼ガスによって加熱され、これにより、反応管101への熱伝導及び熱輻射が起こり、反応管101内での改質反応に必要な熱を供給することができる。なお、上記改質装置において、伝熱用部材の数は、任意であるが、例えば、図2に示されるように、複数本の反応管101が並列に配置される場合においては、複数の伝熱用部材102(図2では、二組の伝熱用部材102)で該複数本の反応管101を挟むように、複数の伝熱用部材102が設置されている。このように伝熱用部材102間で反応管101を挟むことで、反応管101への均一な熱伝導及び熱輻射が可能となり、反応管101内の改質触媒を均一に加熱することができる。なお、伝熱用部材の温度は、650〜1000℃の範囲に調整されることが好ましい。
また、上記改質装置においては、燃焼装置により供給される燃焼ガスが伝熱用部材と接触しながら流れることによって該伝熱用部材を加熱するため、燃焼ガスの接触効率を向上させ、かつ圧力損失が少なく、燃焼ガスの流れ方向に沿った流路を持つため整流効果を持っている点から、プレートフィン型の伝熱用部材102を用いることが好ましい。なお、プレートフィンの形状は、例えば、平板状、波状、オフセット型等が挙げられる。更に、上記改質装置においては、燃焼ガスの圧力損失を少なくし、かつ伝熱用部材に効率良く燃焼ガスを供給するため、言い換えれば、伝熱用部材が効率よく燃焼ガスを回収するため、図2に示されるように、伝熱用部材102は、積層構造を有することが好ましい。なお、上記伝熱用部材の材料としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金、その他の耐熱金属を用いることができる。
上記改質装置においては、伝熱用部材が、反応管の一方の端部又は両方の端部より内側に位置するように設置されていることが好ましい。このように、伝熱用部材を反応管の一方の端部又は両方の端部より内側に位置するように配置することで、反応管の一方の端部又は両方の端部の温度過上昇を避けることができる。改質装置の反応管に充填される改質触媒は使用温度領域が決められており、このような伝熱用部材の配置は好適である。また、上記改質装置においては、伝熱用部材に燃焼ガスを効率よく流す観点から、燃焼装置が好ましくは伝熱用部材より上方に設置されるため、図2では、伝熱用部材102が、反応管101の上端より下方に設置されている。更に、反応管には、通常、原燃料・水蒸気混合ガス供給ラインや改質ガス供給ライン等が連結されており、これら流路内の温度過上昇を避ける観点からも、伝熱用部材を反応管の一方の端部又は両方の端部より内側に位置するように配置することは好ましい。その上、上記改質装置の好適な実施態様においては、後述するように、上記原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン及び改質ガス供給ラインが、燃焼装置が設置される側の反応管端部と反対側の端部に設置されるため、図2に示されるように、伝熱用部材102は、反応管101の上端より下方に設置され且つ反応管101の下端より上方に設置されている。従って、上記改質装置においては、上記伝熱用部材が、反応管の両端部より内側に位置するように設置されていることが特に好ましい。なお、図3に示されるように、反応管の長さをLとすると、反応管の端部Pからの直線距離が(1/20)L以上の位置に伝熱用部材を設置することが好ましい。ここで、図3は、図2に示す改質装置を左側から見た概略図である。
また、上記改質装置において、複数の反応管を均等に加熱するには、伝熱用部材を反応管と平行に設置することが好ましく、また、図2に示されるように、複数の反応管101が並列に配置される場合には、該伝熱用部材102を反応管101の並列方向と平行な方向に設置することが好ましい。
更に、上記改質装置においては、上記伝熱用部材を介して燃焼装置と反対側に位置するように設置された燃焼ガス集合部を備えることが好ましい。ここで、燃焼ガス集合部とは、伝熱用部材に供給される燃焼ガスの流れ方向に垂直な断面が、該伝熱用部材に供給される燃焼ガスの流路断面積より大きく、燃焼ガスを集合させる部分である。燃焼ガス集合部を燃焼装置と反対側に設置することで、燃焼ガスを改質装置から安定且つスムーズに排出することができる。即ち、燃焼ガス排出手段として燃焼ガス排出流路を設けた場合、燃焼ガス排出流路内を通過する燃焼ガスのガス流の乱れを低減することができる。また、燃焼ガス排出手段を設けた場合、燃焼ガス排出手段からの距離に応じて、伝熱用部材と接触しながら流れる燃焼ガスの流速に違いが生じるおそれがあるものの、上記燃焼ガス集合部を設置すれば、該燃焼ガスの流速を一定に保つことが可能である。なお、図2に示す改質装置においては、伝熱用部材102の下方に位置する空間が、燃焼ガス集合部に相当する。また、図3は、図2に示す改質装置を左側から見た概略図であり、燃焼ガス集合部109を示す。
図2に示す改質装置において、燃焼装置は、伝熱用部材102に燃焼ガスを供給するための手段として、アノードオフガス供給手段103及びカソードオフガス供給手段を備える。ここで、上記燃焼装置によれば、カソードオフガス供給手段により供給されるカソードオフガスを支燃性ガスとして用いることで、アノードオフガス供給手段により供給されるアノードオフガスの燃焼ガスを生成することができる。また、特に限定されるものではないが、図2に示されるように、伝熱用部材102の上方にアノードオフガス供給手段103を配置することで、伝熱用部材102に燃焼ガスを容易に供給することができる。上記改質装置においては、反応管に燃焼ガスを直接接触させるのではなく、反応管の加熱には、伝熱用部材からの熱伝導及び熱輻射を利用するため、反応管を安定且つ均一に加熱することが可能であり、反応管を効果的に加熱することができる。
上記燃焼装置のアノードオフガス供給手段103としては、燃料電池のアノードに連結されたアノードオフガス供給流路を用いることが好ましい。なお、アノードオフガス供給流路は、ガス流れの乱れを低減するため、管状であることが好ましく、また、該管の側面には、アノードオフガスを排出するための複数のガス排出口を備えることが好ましい。複数のガス排出口を備えることで、排気口近傍で燃焼がおこり、この燃焼ガスを均等に伝熱用部材へ供給することができる。なお、上記アノードオフガス供給流路が、その管の側面に複数のガス排出口を有する場合、燃料電池への連結部と反対側の端部Eは、燃焼ガスをより均等に伝熱用部材へ供給する観点から、閉じていることが好ましい。更に、複数の反応管への伝導及び輻射の少なくとも一方による熱をより均等に分配するには、伝熱用部材を流れる燃焼ガスの流れ方向と反応管の長手方向とが平行であることが好ましく、また、図2に示されるように、複数の反応管101が並列に配置される場合には、アノードオフガス供給手段103を反応管101の並列方向と平行な方向に延在させることが好ましい。
上記燃焼装置のカソードオフガス供給手段は、支燃性ガスとしてのカソードオフガスをアノードオフガスへ供給するための手段である。例えば、アノードオフガス供給手段103と同様に、カソードオフガス供給流路をカソードオフガス供給手段として設けてカソードオフガスを供給することもできるが、図2に示されるように、少なくともアノードオフガス供給手段103の一部(即ち、アノードオフガス供給流路のガス排出口)、後述する燃焼ガス供給手段105の一部(即ち、燃焼ガス供給流路のガス排出口)、伝熱用部材102及び反応管101を囲うようにハウジング(以下、第二ハウジングともいう)104を設けて、ハウジング104内に酸素含有ガスを供給する手段を採用することもできる。ハウジング104内にカソードオフガスが供給されていれば、アノードオフガスは、アノードオフガス供給手段103から排出されると同時に、好ましくは上述の複数のガス排出口から排出されると同時に、アノードオフガスと混合され、燃焼ガスを生成することができる。なお、図2に示す改質装置においては、第二ハウジング104の上部が開放されており、燃料電池のカソードから排出されたカソードオフガスは、第二ハウジング104内に導入される。また、カソードオフガスは実質的に継続して第二ハウジング104に導入されるため、燃焼ガスが第二ハウジング104の上部から逆流することはない。
なお、図3に示されるように、第二ハウジング104により囲いを形成する場合、上述の燃焼ガス集合部109を容易に形成することができる。また、第二ハウジング104により囲いを形成した場合、図2に示されるように、伝熱用部材102を介して燃焼装置と反対側に燃焼ガス排出手段106の設置が必要となるが、燃焼ガス排出手段としては、例えば、第二ハウジングの一部に穴部を形成し、該穴部から第二ハウジング外部へ燃焼ガスを排出する手段や、第二ハウジングに連結された燃焼ガス排出流路を用いることができる。なお、燃焼ガス排出手段106は、図2に示されるように、伝熱用部材102を介して燃焼装置と反対側の位置に設置されることに加えて、アノードオフガス供給手段103の第二ハウジングへの挿入口107と燃焼ガス排出手段106とが伝熱用部材102の対角方向に対向するように設置されることが好ましい。このようにすれば、伝熱用部材102への燃焼ガスの流れを均一にすることができる。
また、図2に示す改質装置は、炭化水素及び脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも一種の燃料を燃焼させて反応器101を加熱するための燃焼ガス供給手段105を備えており、該燃焼ガス供給手段105が、本発明の燃料電池システムの第一燃焼手段を構成する。なお、上記燃焼ガス供給手段としては、例えば、液体燃料バーナやガスバーナ等が挙げられ、該バーナにより発生させた燃焼ガスを用いることができる。該燃焼ガス供給手段の好適な形状、配置位置等は、上述のアノードオフガス供給流路の場合と同様である。なお、上記燃焼ガス供給手段は、燃料を予め燃焼させてから、伝熱用部材に該燃焼ガスを供給するものである。
上記改質装置においては、反応管の上方又は下方に伝熱用部材が配設されないため、燃焼装置のアノードオフガス供給手段及び/又は燃焼ガス供給手段が、反応管の端部近傍(上端近傍又は下端近傍)に設置されることがある。この場合、アノードオフガス供給手段及び/又は燃焼ガス供給手段と反応管との間に断熱部材が設置されるのが好ましい。アノードオフガス供給手段及び/又は燃焼ガス供給手段と反応管との間に断熱部材を設置すれば、アノードオフガス供給手段及び/又は燃焼ガス供給手段からの輻射熱を反応管が直接受けることを回避することができる。上記断熱部材の形状は、反応管の端部を覆う蓋のような形状であることが好ましく、また、図2に示されるように、複数の反応管101が並列に配置され、それら反応管101の上方にアノードオフガス供給手段103及び燃焼ガス供給手段105が設置されている場合においては、反応管の配列の隙間に燃焼ガスが流入することを防ぐため、全ての反応管の端部を覆う蓋のような形状であることが好ましい。また、断熱部材の材料としては、特に限定されるものではないが、シリカアルミナ系ボード、セラミックファイバー等を用いることができる。なお、ここでいう反応管の端部近傍とは、図3に示されるように、反応管の長さをLとした場合、反応管の端部Pからアノードオフガス供給手段又は燃焼ガス供給手段までの最短距離が(1/2)L以内の領域を意味する。
上記改質装置は、燃焼ガスの反応管への接触をより確実に回避するため、図3に示されるように、反応管101と伝熱用部材102との間に、隔壁108を備えることが好ましい。また、伝熱用部材からの熱を伝導及び輻射の少なくとも一方により反応管へ伝える必要があるため、該隔壁の材料としては、ステンレス鋼、ニッケル合金等を用いることができる。
また、上記改質装置は、装置内での酸化熱を改質反応に利用し得る酸化自己熱型の改質装置として好適である。なお、該酸化自己熱型改質装置とは、少なくとも一部に改質触媒が充填されており、該改質触媒に原燃料と水蒸気との混合物を接触させて改質反応により水素を主成分とする改質ガスを生成する改質層と、少なくとも一部に酸化触媒が充填されており、上記原燃料又は改質ガスの一部を酸化して熱を発生させる酸化発熱層とを備える改質装置である。ここで、上記改質装置の反応管は、一端が閉じられ、閉じられた端部において内管と外管とが連通する二重管構造を有することが好ましい。反応管を二重管構造とすれば、酸化自己熱型改質装置を小型化できるだけでなく、装置を安価で製造することが可能となると共に、簡素な構造の酸化性ガス供給手段で酸化性ガスを酸化発熱層へ均一に供給することができる。また、上記改質装置は、上記反応管の上記一端とは反対側の他端に、反応管の外管と内管との間の間隙部へ原燃料及び水蒸気の混合物を供給するための原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン及び内管から改質ガスを排出して該改質ガスを燃料電池へ供給するための改質ガス供給ラインを備えることが好ましい。反応管の内管と外管とは閉じられた端部において連通しており、改質層での改質反応により生成した改質ガスは内管を通って排出される。該閉じられた端部とは反対側の端部(他端)に原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン及び改質ガス供給ラインを設けた場合、原燃料の改質層への導入及び改質ガスの内管からの排出のために複雑な配管を設ける必要がなく、装置を容易に製造することができるからである。
図4は、図2に示す改質装置の部分断面図であり、反応管101の断面を詳細に説明する。図4に示す反応管101は、上側の端部が閉じた外管111と、内管112とを備えた二重管構造を有しており、内管112が下方に突出した逆凸字状をしている。また、反応管101の内管112より内側には、酸化性ガスとしての空気や酸素を供給する酸化性ガス供給手段として酸化性ガス供給管118が設けられている。そして、外管111と内管112との間の間隙部には改質触媒からなる改質層113が設けられており、内管112内には酸化触媒からなる酸化触媒層114と、伝熱粒子からなる伝熱粒子層115とで構成された酸化発熱層116が設けられている。なお、改質触媒、酸化触媒及び伝熱粒子は、外管111及び内管112の下部に設けられたメッシュ117により支持されており、このメッシュ117は、改質触媒、酸化触媒及び伝熱粒子は通過させないが、改質原料、水蒸気及び改質ガスは通過させるように構成されている。また、外管111及び内管112からなる二重管構造は、直径の異なる2つの管を後に詳細に説明するマニホールド120に溶接し固定することで形成されている。
ここで、酸化発熱層116の一部を構成する酸化触媒としては、高温で劣化しにくいPt、Pd等をアルミナ、シリカ、ジルコニア等の担体に担持した酸化触媒等を用いることができ、該酸化触媒の添加量は、酸化性ガスを完全に反応させられる量以上とすることが好ましい。更に、伝熱粒子としては、酸化触媒を用いた酸化反応により生じた熱を伝熱することが可能な粒子、例えばSiC粒子等を用いることができる。なお、図4に示す改質装置の酸化発熱層116では、伝熱粒子を充填した上に酸化触媒を充填して酸化触媒層114及び伝熱粒子層115からなる酸化発熱層116を形成したが、上記改質装置に用い得る酸化発熱層はこれに限定されることはない。具体的には、酸化発熱層は、(1)上述した酸化触媒と、NiやRh等を担持した改質触媒との混合物を内管内に充填して形成しても良く、(2)酸化触媒と、伝熱粒子との混合物を内管内に充填して形成しても良く、(3)酸化触媒と、改質触媒と、伝熱粒子との混合物を内管内に充填して形成しても良い。
酸化性ガス供給管118は、酸化反応に用いる酸化性ガスを酸化発熱層116の酸化触媒に供給できるものであれば特に制限はないが、改質層113の改質触媒が酸化性ガスにより劣化しないように、改質層113の後段側に酸化性ガスの噴出し口を設けることが好ましい。そして、図4に示す改質装置では、酸化性ガス供給管118は、その先端が酸化触媒層114内に位置し、該先端には酸化性ガス噴出し口が設けられている。
反応管101の下部に設けられたマニホールド120は、反応管101の外管111と内管112との間の間隙部へ原燃料及び水蒸気の混合物を供給するための原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン121と、反応管101の内管112から改質ガスを排出して該改質ガスを燃料電池へ供給するための改質ガス供給ライン122と、酸化性ガス供給管118を介して酸化発熱層116へ酸化性ガスを供給するための酸化性ガス供給ライン123とからなる。そして、図2に示すように、このマニホールド120の原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン121、改質ガス供給ライン122及び酸化性ガス供給ライン123は、5本の反応管101に共通した流路となっている。なお、原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン121は反応管101の外管111と内管112との間の間隙部と連通しており、改質ガス供給ライン122は内管112と連通しており、酸化性ガス供給ライン123は酸化性ガス供給管118と連通している。
また、マニホールド120では、原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン121内へ混合物が供給される入口部と、改質ガス供給ライン122から改質ガスが排出される出口部とが、反応管101を挟んでマニホールド120の反対側に位置している。このようにすれば、各反応管1への混合物の分配を均一にすることができる。更に、マニホールド120では、酸化性ガス供給ライン123内へ酸化性ガスが供給される入口部も、改質ガス供給ライン122の出口部とは反対側、即ち原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン121の入口部と同じ側に位置している。このようにすることは、各反応管101への酸化性ガスの分配を均一にすることができるという観点から好ましい。
なお、マニホールドの形状及びマニホールド上の反応管の配置も任意の形とすることができる。具体的には、マニホールドの平面形状(反応管側から見た形状)は、反応管の配置に応じて適当な形状とすることができ、例えば、正方形、長方形、三角形、円形、L字形、V字形、U字形、ジグザグ形等とすることができる。また、マニホールド上の反応管は、マニホールドの平面に対して垂直であることが好ましい。
そして、図4に示す改質装置では、原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン121を介して供給された原燃料及び水蒸気の混合物を改質層113において例えば温度400〜800℃で改質することにより、水素を主成分とする改質ガスが製造される。具体的には、図4に示す通り、反応管101に供給された混合物は、改質層113をアップフローで通り改質された後、反応管101上部の閉じた端部で折り返して内管112内に入り、酸化発熱層116をダウンフローで通って改質ガス供給ライン122から排出される。ここで、改質層113における改質反応に必要な熱量は、上述した伝熱用部材102からの伝導及び輻射により供給されるが、燃料電池の起動時や急激な負荷変動時等の熱量が不足する場合には、酸化発熱層116に酸化性ガスを供給し、混合物の改質により生じた改質ガスや原燃料の一部を酸化させて得た熱を利用しても良い。なお、上記改質装置で生成した改質ガスは、燃料電池に供給され、発電用燃料として利用される。
次に、図5を参照しながら、図2に示す改質装置を用いた燃料電池システムを詳細に説明する。図5は、本発明の燃料電池システムの他の例を示す部分概略図である。図5に示す燃料電池システムは、固体酸化物形燃料電池のセルを複数組み合わせた燃料電池スタック201と、図2に示す改質装置と、該燃料電池スタック201及び該改質装置を囲う第一ハウジング202とを備える。この場合、燃料電池スタック201から排出されるカソードオフガスは、第二ハウジング104内に導入される。また、第二ハウジング104は、本発明の燃料電池システムの燃焼ガス曝露防止手段として作用している。
また、本発明の燃料電池システムの起動方法は、炭化水素及び脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも一種の燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成し、該燃焼ガスを用いて改質器を加熱する工程であって、上記燃焼ガスに固体酸化物形燃料電池が曝されることを防止する工程と、上記燃焼ガスの流れ方向において上記改質器の下流側に位置する水蒸発器を上記燃焼ガスにより加熱し、水蒸気を発生させる工程と、上記水蒸発器の温度が水蒸気を発生することが可能な温度以上に達し、かつ、上記改質器の温度が原燃料の改質反応を行うことが可能な温度以上に達した後、上記改質器に上記水蒸気と原燃料とを供給して改質反応を開始し、改質ガスを生成する工程と、上記固体酸化物形燃料電池の温度が、該固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化する温度に達する前に、上記固体酸化物形燃料電池のアノードに上記改質ガスを供給する工程とを含むことを特徴としており、上述の燃料電池システムによって達成することができる。
本発明の燃料電池システムの起動方法においては、炭化水素及び脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも一種の燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成し、該燃焼ガスを用いて改質器を加熱することを要し、更に、上記燃焼ガスに固体酸化物形燃料電池が曝されることを防止する。これにより、改質器を優先的に加熱することが可能となり、アノードが酸化する温度以上に固体酸化物形燃料電池が加熱される前に、水蒸気改質反応を開始できる温度以上に改質器を加熱することができる。なお、燃料電池のアノードの酸化は、通常400℃以上で起こり、一方、水蒸気改質反応は、通常600℃以上で行うことが可能となる。
本発明の燃料電池システムの起動方法においては、燃焼ガスの流れ方向において改質器の下流側に位置する水蒸発器を燃焼ガスにより加熱し、水蒸気を発生させることを要する。これにより、燃料電池システムの排熱利用効率を高めつつ、十分に加熱された改質器へ直ちに水蒸気を供給できるため、短時間で効果的に燃料電池システムの起動を行うことが可能となる。
本発明の燃料電池システムの起動方法においては、水蒸発器の温度が水蒸気を発生することが可能な温度以上に達し、かつ、改質器の温度が原燃料の改質反応を行うことが可能な温度以上に達した後、改質器に水蒸気と原燃料とを供給して改質反応を開始し、改質ガスを生成させることを要する。これにより、改質器内での改質反応を確実に行うことが可能となり、固体酸化物形燃料電池へ改質ガスを確実に供給することができる。
本発明の燃料電池システムの起動方法においては、固体酸化物形燃料電池の温度が、該固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化する温度に達する前に、固体酸化物形燃料電池のアノードに改質ガスを供給することを要する。これにより、固体酸化物形燃料電池のアノードの酸化を防止することができる。
本発明の燃料電池システムの起動方法は、更に、上記燃焼ガスの流れ方向において改質器の下流側に位置する熱交換器において、燃焼ガスとの熱交換により、固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスを加熱する工程を含むことが好ましい。これにより、燃料電池システムの排熱利用効率を高めつつ、加熱された酸素含有ガスを固体酸化物形燃料電池に供給できるため、短時間で効果的に燃料電池システムの起動を行うことが可能となる。ここで、本発明の燃料電池システムの起動方法は、上記加熱された酸素含有ガスの一部を用いて、改質器に供給される原燃料を脱硫して脱硫原燃料とする脱硫器を加熱する工程を含むことが更に好ましい。この場合、燃料電池システムの排熱利用効率を更に向上させつつ、安定的に脱硫の熱源を確保することが可能となる。
本発明の燃料電池システムの起動方法は、更に、固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスのうち燃焼ガスとの熱交換を行わない酸素含有ガスを用意し、該酸素含有ガスを固体酸化物形燃料電池に供給する工程を含むことが好ましい。これにより、上記熱交換により加熱された酸素含有ガスを固体酸化物形燃料電池へ供給することで、該固体酸化物形燃料電池の温度が上昇しすぎることを防止することができる。なお、熱交換を行わない酸素含有ガスは、固体酸化物形燃料電池へ直接供給されてもよいし、図1に示されるように、バイパス流路17を用いて加熱された酸素含有ガスと混合して固体酸化物形燃料電池へ供給してもよい。
本発明の燃料電池システムの起動方法は、更に、改質器に酸素を含む酸化性ガスを導入して部分酸化反応を行う工程を含むことが好ましい。これにより、改質器内で部分酸化反応が行われ、該部分酸化反応の反応熱により改質器を昇温させることが可能となる。
1 固体酸化物形燃料電池
2 改質器
3 第一燃焼手段
4 第二燃焼手段
5 燃焼ガス曝露防止手段
6 水蒸発器
7 アノードオフガス供給手段
8 カソードオフガス供給手段
9 ハウジング
10 水供給ライン
11 水ポンプ
12 水タンク
13 燃焼ガス排気ライン
14 熱交換器
15 酸素含有ガス供給ライン
16 空気ブロワ
17 バイパス流路
18 脱硫器
19 原燃料供給ライン
20 原燃料ポンプ
21 原燃料タンク
22 脱硫器加熱用ガス供給ライン
23 混合装置
24 脱硫原燃料供給ライン
25 水蒸気供給ライン
26 原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン
27 改質ガス供給ライン
101 反応管
102 伝熱用部材
103 アノードオフガス供給手段
104 ハウジング
105 燃焼ガス供給手段
106 燃焼ガス排出手段
107 アノードオフガス供給手段の第二ハウジングへの挿入口
108 隔壁
109 燃焼ガス集合部
111 外管
112 内管
113 改質層
114 酸化触媒層
115 伝熱粒子層
116 酸化発熱層
117 メッシュ
118 酸化性ガス供給管
120 マニホールド
121 原燃料・水蒸気混合ガス供給ライン
122 改質ガス供給ライン
123 酸化性ガス供給ライン
201 燃料電池スタック
202 第一ハウジング

Claims (9)

  1. 固体酸化物形燃料電池と、
    原燃料を改質して改質ガスを製造する改質器と、
    炭化水素及び脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも一種の燃料を燃焼させて前記改質器を加熱するための第一燃焼手段と、
    前記固体酸化物形燃料電池からのアノードオフガスを燃焼させて前記改質器を加熱するための第二燃焼手段と、
    前記第一燃焼手段及び前記第二燃焼手段のうち少なくとも一方の燃焼手段により生成した燃焼ガスに前記固体酸化物形燃料電池が曝されることを防止するための燃焼ガス曝露防止手段と、
    前記燃焼ガスの流れ方向において前記改質器の下流側に位置する水蒸発器であって、前記燃焼ガスとの熱交換により水蒸気を発生させる水蒸発器と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記固体酸化物形燃料電池が、前記第一燃焼手段、前記第二燃焼手段及び前記燃焼ガス曝露防止手段からなる群から選択される少なくとも一種の手段からの熱伝導及び熱輻射の少なくとも一方により加熱されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 更に、前記燃焼ガスとの熱交換により前記固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスを加熱する熱交換器を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 改質ガスを製造する前に、前記原燃料を脱硫して脱硫原燃料とする脱硫器を更に備え、前記熱交換器により加熱された酸素含有ガスの一部を用いて前記脱硫器が加熱されることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 更に、前記熱交換器による加熱から前記固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスの一部を回避させるためのバイパス流路を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
  6. 炭化水素及び脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも一種の燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成し、該燃焼ガスを用いて改質器を加熱する工程であって、前記燃焼ガスに固体酸化物形燃料電池が曝されることを防止する工程と、
    前記燃焼ガスの流れ方向において前記改質器の下流側に位置する水蒸発器を前記燃焼ガスにより加熱し、水蒸気を発生させる工程と、
    前記水蒸発器の温度が水蒸気を発生することが可能な温度以上に達し、かつ、前記改質器の温度が原燃料の改質反応を行うことが可能な温度以上に達した後、前記改質器に前記水蒸気と原燃料とを供給して改質反応を開始し、改質ガスを生成する工程と、
    前記固体酸化物形燃料電池の温度が、該固体酸化物形燃料電池のアノードが酸化する温度に達する前に、前記固体酸化物形燃料電池のアノードに前記改質ガスを供給する工程と
    を含むことを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
  7. 前記燃焼ガスの流れ方向において前記改質器の下流側に位置する熱交換器において、前記燃焼ガスとの熱交換により、前記固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスを加熱する工程と、
    加熱された前記酸素含有ガスの一部を用いて、前記改質器に供給される原燃料を脱硫して脱硫原燃料とする脱硫器を加熱する工程と
    を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システムの起動方法。
  8. 更に、前記固体酸化物形燃料電池に供給される酸素含有ガスのうち前記燃焼ガスとの熱交換を行わない酸素含有ガスを用意し、該酸素含有ガスを固体酸化物形燃料電池に供給する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システムの起動方法。
  9. 更に、前記改質器に、酸素を含む酸化性ガスを導入して部分酸化反応を行う工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システムの起動方法。
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