JP2012006216A - 繊維強化樹脂成形品及び賦形成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維強化樹脂成形品100は、複数本の強化繊維束を含む織物基材3の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料4が付着された成形原反材1を裁断し積層した一対の積層成形材5に各種の機能を備える機能部であるインサート部品101をインサ−トしてなる。この様に積層成形材5にインサート部品101をインサ−トすることによって各種の機能を備える機能部を予め繊維強化樹脂成形品100に組み込み、所要の製品を得るための生産効率を向上することができる。また曲げ強度を向上し、さらに織物基材に要するコストを低減できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は以上の従来技術における問題に鑑み、成形原反材を用い強度の強い成形品を形状自由度高くかつ効率よく3次元形状に賦形して得られる繊維強化樹脂成形品及び賦形成形方法を提供することを目的とする。
それにより各種の機能を備える機能部を予め繊維強化樹脂成形品に組み込み、所要の製品を得るための生産効率を向上することができる。また曲げ強度を向上し、さらに織物基材に要するコストを低減できる
本発明の賦形成形方法によって、成形型を熱可塑性樹脂材の溶融温度に加熱することによって熱可塑性樹脂を強化繊維に完全に含侵させて繊維積層によって強化して十分な成形品強度の熱可塑性樹脂材を成形することが可能となる。しかも長い昇温時間によってサイクルタイムが過長になることを予熱することによって防止することができる。また積層成形材の所要部位にインサート部品をインサ−トして成形することによって、各種の機能を備える機能部を予め繊維強化樹脂成形品に組み込み、所要の製品を得るために要する時間を節減することができ、さらにサイクルタイムを短縮することができる。
炭素繊維間への熱可塑性樹脂の含浸には通常約5〜30分の時間を要する。
しかし、本発明の賦形成形方法によって、事前に平板形状の積層成形材を準備することによって、その時間を削減して賦形成形の成形サイクルタイムを短縮することができる。
平板積層成形品の所要部位にインサート部品をインサ−トして成形することによって、各種の機能を備える機能部を予め繊維強化樹脂成形品に組み込み、所要の製品を得るための生産効率を向上することができる。
図1(a)に示すように、成形原反材1は、複数本の強化繊維束2を含む織物基材3の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料4が付着してなる。
強化繊維束2は、炭素繊維束、黒鉛繊維束、ガラス繊維束、または、アラミド繊維束などを用いることができ、炭素繊維束であることが好ましい。炭素繊維束を用いることにより、最終製品である繊維強化樹脂成形品の力学特性を高いものとすることができる。
この実施の形態の繊維強化樹脂成形品100は、複数本の強化繊維束を含む織物基材3の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料4が付着された成形原反材1を裁断し積層した一対の積層成形材5に各種の機能を備える機能部であるインサート部品101をインサ−トしてなる。この様に積層成形材5にインサート部品101をインサ−トすることによって各種の機能を備える機能部を予め繊維強化樹脂成形品100に組み込み、所要の製品を得るための生産効率を向上することができる。また曲げ強度を向上し、さらに織物基材に要するコストを低減できる。
先ず成形原反材1を積層し、予備積層成形型(図示せず)で予備圧縮成形した積層成形材5を予備加熱型6で予備加熱する。
予備加熱にあたっては上部より近赤外線放射装置7によって近赤外線で予備加熱型6内の熱盤8上に載置された積層成形材5とインサート部品101とを加熱し、遠赤外線温度センサ−(図示せず)で積層成形材5とインサート部品101との温度を検知し、近赤外線放射装置7による近赤外線の強度を調整し所定の温度に積層成形材5とインサート部品101とを昇温させる。
一方3次元形状を有する賦形型である成形型9を予熱して成形原反材1の溶融温度に昇温する。次に積層成形材5とインサート部品101とを予熱された成形型9に収納し、成形型9によって積層成形材5とインサート部品101とを圧縮する。これによって織物基材3に付着している樹脂材料4を軟化して積層成形材5の層間を接着し、形状を保持させる。
その後成形型9を固化温度に急冷して型を開き離型する。以上の各工程によって成形原反材1を積層した積層成形材5とインサート部品101とを3次元形状に賦形する。
第二の実施の形態の賦形成形方法では正方形若しくは直方形の成形原反材1を複数用い、この各成形原反材1を、最上面の成形原反材1のみ織物基材3を上側として樹脂材料4が付着した面を下側にし、それ以外は織物基材3を下側として樹脂材料4が付着した面を上側にして積層し、その積層された積層成形材14を第一の実施の形態と同様に圧縮成形して平板状の平板積層成形品15とする。
次いで平板積層成形品15を成形型9に収納する前に予備加熱型6で予熱する。
予備加熱にあたっては上部より近赤外線放射装置7から放射される近赤外線によって平板積層成形品15を加熱し、遠赤外線温度センサ−で平板積層成形品15の温度を検知し、近赤外線放射装置7による近赤外線の強度を調整し所定の温度に平板積層成形品15を昇温させる。
また平板積層成形品15は予備加熱型6内の熱盤8上に炭素繊維面を下向きとして配置して予熱する。これによって平板積層成形品15の樹脂成分を近赤外線放射装置7によって効率よく軟化させることができる。
またその際、熱盤8上に配置した平板積層成形品15を耐熱部材(図示せず)で押圧して軟化させ、その後耐熱部材を取り外して予熱するようにすることもできる。この様にすることによって平板積層成形品15の予熱を効率よく行うことができる。
以上の様にして予熱された平板積層成形品15とインサート部品101である樹脂フイルムとを第一の実施の形態と同様に予熱された成形型9に収納し、第一の実施の形態と同様にして圧縮成形する。
この第二の実施の形態は成形型9が正方形平板状若しくは直方形平板状の平板積層成形品15を成形し、平板積層成形品15を用いて最終製品の成形を行う点で第一の実施の形態の賦形成形方法と異なる。また光輝性や反射特性等の各種機能の樹脂フイルムをインサート部品101としてインサートすることによって、樹脂フイルムの各種機能を製造する繊維強化樹脂成形品の表面性状として付与することができる。
第三の実施の形態の賦形成形方法では、積層成形材14及びインサート部品101又は平板積層成形品15及びインサート部品101の投入配置部分の成形型9内側形状に沿う形状に積層成形材14及びインサート部品101又は平板積層成形品15及びインサート部品101を予熱すると共に予成型として絞り加工を行う点で第一の実施の形態及び第二の実施の形態床となる。第三の実施の形態の賦形成形方法では、積層成形材14及びインサート部品101又は平板積層成形品15及びインサート部品101を成形型9へ簡易に効率よく投入配置することが可能となる。
この第四の実施の形態の賦形成形方法では、成形型9の製品部型10を構成する上部型16と下部型17によって予熱された平板積層成形品15及びインサート部品101を圧縮するにあたって、下部型17の中央部ブロック17aとこれに対抗する対抗型18によって挟みながら平板積層成形品15及びインサート部品101を圧縮成形する。
この各成形原反材1を、最上面の強化繊維織物のみ樹脂材料4が付着した面を下側にし、それ以外は樹脂材料4が付着した面を上側にして積層した積層成形材14を得た。
近赤外線の強度は、近赤外線放射装置7への通電圧の連続降下で調整し、また積層成形材14は熱盤8上に炭素繊維面を下向きとして配置して予熱した。
表1に以上の各工程における温度、圧力、所要時間を示す。
また上部型16と下部型17とよりなる製品部型10内側形状に沿う形状に平板積層成形品15及びインサート部品101の絞り加工を行なった。
表2にその各工程における温度、圧力、所要時間を示す。
各製品は図7、図8に示す様に何れの場合も表面性状が良好な3次元形状の皿状製品が得られた。
図9に実施例1,2の各工程及び使用/設備及び使用/型と、各工程における所要時間を示す。
図に示されるようにアクリル樹脂を主成分とする樹脂材料4を用いた場合で11.5分、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を主成分とする樹脂材料4を用いた場合で13.5分のサイクルタイムでの製造が可能となった。
Claims (18)
- 複数本の強化繊維束を含む織物基材の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が付着された成形原反材を裁断し積層した積層成形材に、インサ−ト部品をインサ−トして成形したことを特徴とする繊維強化樹脂成形品。
- インサート部品が織物基材と積層する熱可塑性樹脂と同一の熱可塑性樹脂部品である請求項1に記載の繊維強化樹脂成形品。
- インサート部品が穴付き板金である請求項1に記載の繊維強化樹脂成形品。
- インサート部品が樹脂フイルムである請求項1に記載の繊維強化樹脂成形品。
- 強化繊維束が炭素繊維束であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の繊維強化樹脂成形品。
- 複数本の強化繊維束を含む織物基材の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が付着された成形原反材を裁断し積層した積層成形材を成形型に投入配置し、加圧、加熱して複数本の強化繊維束を含む織物基材に付着している樹脂材料を溶融して繊維間及び成形原反材の層間を接着する賦形成形方法において、賦形をする成形型を溶融温度に昇温する工程と、成形型の所要部位にインサート部品をインサ−トする工程と、積層成形材を予熱して成形型へ投入配置する予熱工程と、成形型を型締し加圧する工程と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する工程とを有することを特徴とする賦形成形方法。
- 複数本の強化繊維束を含む織物基材の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が付着された成形原反材を裁断し積層した積層成形材を成形型に投入配置し、加圧、加熱して複数本の強化繊維束を含む織物基材に付着している樹脂材料を溶融して繊維間及び成形原反材の層間を接着する賦形成形方法において、賦形をする成形型を溶融温度に昇温する工程と、積層成形材を予熱して成形型へ投入配置する予熱工程と、成形型を型締し加圧する工程と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する工程と、を行い平板形状の平板積層成形品を成形する工程と、前記平板積層成形品を所定の形状に裁断する工程と、賦形をする成形型を溶融温度に昇温する工程と、前記成形型の所要部位にインサート部品をインサ−トする工程と、前記平板積層成形品を予熱して成形型へ投入配置する予熱工程と、成形型を型締し加圧する工程と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する工程とを有することを特徴とする賦形成形方法。
- 成形型が製品部型と、製品部型の背面に蓄熱盤を備え、製品部型のヒ−タ−と、蓄熱盤からの熱伝導で製品部型の型温を昇温させることを特徴とする請求項6〜請求項5のいずれか一に記載の賦形成形方法。
- 成形型の冷却が水冷であり、成形型の冷却後にエア−で水を抜き取り、成形型の昇温を開始することを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか一に記載の賦形成形方法。
- 積層成形材又は平板積層成形品を予熱すると共に予成型した後に成形型へ投入配置することを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれか一に記載の賦形成形方法。
- 予熱工程が、近赤外線で加熱し、遠赤外線温度センサ−で温度を検知し、近赤外線の強度を調整し所定の温度に昇温させる工程である請求項6〜請求項10のいずれか一に記載の賦形成形方法。。
- 近赤外線強度を、電圧の連続降下で調整し所定の温度に昇温させることを特、することを特徴とする請求項11記載の賦形成形方法。
- 積層成形材又は平板積層成形品を熱盤上に炭素繊維面を下向きとして配置して予熱することを特徴とする請求項11又は請求項12記載の賦形成形方法。
- 熱盤上に配置した積層成形材又は平板積層成形品を溶融させて耐熱部材で押圧して繊維間及び成形原反材の層間を溶融接着させ、その後耐熱部材を取り外す工程を含む請求項11〜請求項13のいずれか一記載の賦形成形方法。
- 上部型と下部型とよりなる成形型によって積層成形材又は平板積層成形品を圧縮する工程を有し、下部型のブロックとこれに対抗する対抗型で挟みながら積層成形材を圧縮成形することを特徴とする請求項6〜請求項14のいずれか一記載の賦形成形方法。
- 上部型のブロックと下部型のブロックとによって積層成形材又は平板積層成形品を挟持する工程と、上部型のブロックと下部型のブロックとによって挟持した積層成形材又は平板積層成形品を凹型へ移動して積層成形材又は平板積層成形品を絞り変形させる工程を有することを特徴とする請求項15記載の賦形成形方法。
- 上部型のブロックを下降し、下部型のブロックを押し上げて積層体を挟持する請求項15又は請求項16記載の賦形成形方法。
- 請求項6〜請求項17記載のいずれか一記載の賦形成形方法によって製造された繊維強化樹脂成形品。
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