JP2012004437A - 固体撮像装置 - Google Patents

固体撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012004437A
JP2012004437A JP2010139628A JP2010139628A JP2012004437A JP 2012004437 A JP2012004437 A JP 2012004437A JP 2010139628 A JP2010139628 A JP 2010139628A JP 2010139628 A JP2010139628 A JP 2010139628A JP 2012004437 A JP2012004437 A JP 2012004437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
red light
solid
optical waveguide
imaging device
state imaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010139628A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshifumi Yokoyama
敏史 横山
Yoshiaki Nishi
嘉昭 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2010139628A priority Critical patent/JP2012004437A/ja
Publication of JP2012004437A publication Critical patent/JP2012004437A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】各画素に対応したマイクロレンズを有し、マイクロレンズと受光部との間に光導波路を備えた固体撮像装置において、フレアの発生を効果的に抑制すること。
【解決手段】二次元状に配列されてそれぞれが画素1を形成する複数の受光部12と、受光部で受光する波長を選択するために受光部に対応して配置された少なくとも赤色を含む複数色のカラーフィルタ18と、受光部に入射する光を集光するために受光部に対応して配置されたマイクロレンズ19と、カラーフィルタと受光部との間に受光部の受光面に垂直となるようにそれぞれ配置された光導波路16とを有する固体撮像素子10と、固体撮像素子の上面に配置されたIRカットフィルタ32とを備え、光導波路のうち赤色光を伝搬させる赤色光用光導波路16Rと、赤色光用光導波路を伝搬した赤色光が入射する赤色光受光部12Rとの間の配置関係が、少なくとも一部で異なっている。
【選択図】図7

Description

本発明は、固体撮像装置に関するものであり、特に、各画素に対応したマイクロレンズを有し、マイクロレンズと受光部との間に光導波路を備えた固体撮像装置に関する。
固体撮像装置では、シリコン基板に形成されたCCDやCMOSなどの受光部の上方に、受光色を選別するための赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルタが配列されていて画素を形成している。また、カラーフィルタ上には、受光感度を向上させるためのマイクロレンズが、それぞれの受光部に対応して形成され、受光部の開口率を実効的に向上させている。
近年、固体撮像装置の解像度向上のため、撮像素子の微細化が進み受光部の大きさが小さくなっているが、固体撮像装置を形成するために必要な配線部の厚みなどから、層状のカラーフィルタと受光部が形成された半導体基板表面との間隔は、所定の値より小さくすることが出来ない。このため、マイクロレンズの大きさ(径)に対してマイクロレンズの下面と受光部との距離が大きい中で、マイクロレンズにより集光された光が受光部に効率よく入射することが出来るように、カラーフィルタ層と受光部との間に、受光部の受光面に垂直に光導波路を形成し、マイクロレンズの焦点を光導波路の表面付近に位置させることが行われている。
一方、固体撮像装置においては、得られた画像信号におけるノイズの低減が必要である。画像信号のノイズとしてはさまざまなものが挙げられるが、輝度の高い撮影対象を撮像したときに、撮影対象の周りに実際には存在しない光点が生じるフレアと呼ばれるノイズを低減させることも、高品質な画像を出力させるために重要である。
このような、マイクロレンズと受光部との間に光導波路が配置された固体撮像装置においてフレアを防止する技術として、光導波路の周囲を反射防止膜で覆うことが提案されている(特許文献1参照)。
図12は、特許文献1に開示された従来の固体撮像装置500の断面構造を示す要部断面図である。なお、図面の煩雑化を避けるために、図12においてハッチングは省略している。
図12に示す、従来の固体撮像装置500では、シリコン基板上に絶縁層118を形成した後、その上部に、Ti、TiNなどからなる反射防止膜122を受光部の全面に渡って形成し、RIE法によって選択的に反射防止膜122、絶縁層118を順次除去し、光導波路用穴120を形成する。この方法によれば、マイクロレンズ114により集光される入射光116のうち、光導波路用穴120に入射しない迷光123は反射防止膜122によって吸収されるため、迷光123によるフレアを防止することができる。
特開平07−045805号公報
図12に示した、従来の固体撮像装置500では、迷光によるフレアは抑制することができるものの、太陽などの輝度の高い被写体を撮像する際に、実際には存在しない赤色の輝点が写り込む、赤球フレアと称される輝度の高いフレアを防止することはできない。また、受光部に入射する光の大部分は、マイクロレンズによって集光されて光導波路を通ることから、光導波路周辺の迷光を除去するだけではフレア発生源を有効に解消しているとは言い難く、実用的な効果として十分とは言えない。
本発明は、上記従来の課題を解決し、各画素に対応したマイクロレンズを有し、マイクロレンズと受光部との間に光導波路を備えた固体撮像装置において、フレアの発生を効果的に抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の固体撮像装置は、二次元状に配列されてそれぞれが画素を形成する複数の受光部と、前記受光部で受光する波長を選択するために前記受光部に対応して配置された少なくとも赤色を含む複数色のカラーフィルタと、前記受光部に入射する光を集光するために前記受光部に対応して配置されたマイクロレンズと、前記カラーフィルタと前記受光部との間に前記受光部の受光面に垂直となるようにそれぞれ配置された光導波路とを有する固体撮像素子と、前記固体撮像素子の上面に配置されたIRカットフィルタとを備え、前記光導波路のうち赤色光を伝搬させる赤色光用光導波路と、前記赤色光用光導波路を伝搬した赤色光が入射する赤色光受光部との間の配置関係が、少なくとも一部で異なっていることを特徴とする。
本発明の固体撮像装置は、赤色光用光導波路とこれと対応する赤色光受光部との間の配置関係が少なくとも一部で異なっているため、赤色光受光部の基板表面で反射する反射光が、IRカットフィルタで再び反射して生じる強い赤球フレアを低減でき、高い品質の画像信号を出力できる固体撮像装置を実現することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置の概略の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置の断面構成を示す要部拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置の光導波路の配置状態を示す要部拡大平面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置における赤色光用光導波路のずれ方向を示す平面図である。 マイクロレンズと光導波路とを有する固体撮像装置において、赤球フレアが生じる原理を説明するための図である。 IRカットフィルタの反射特性を示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置において、基板表面で反射した反射光の振る舞いを説明するための図である。 本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置の赤球フレア低減の効果を説明するための図である。図8(a)は、撮像画像の状態を示すイメージ図であり、図8(b)は、赤球フレアの輝度の分布を示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置において、赤色光用光導波路のずれ量と赤色感度との関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる固体撮像装置の断面構成を示す、要部拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる固体撮像装置の断面構成を示す、要部拡大断面図である。 従来の固体撮像装置の断面構成を示す、要部拡大断面図である。
本発明の固体撮像装置は、二次元状に配列されてそれぞれが画素を形成する複数の受光部と、前記受光部で受光する波長を選択するために前記受光部に対応して配置された少なくとも赤色を含む複数色のカラーフィルタと、前記受光部に入射する光を集光するために前記受光部に対応して配置されたマイクロレンズと、前記カラーフィルタと前記受光部との間に前記受光部の受光面に垂直となるようにそれぞれ配置された光導波路とを有する固体撮像素子と、前記固体撮像素子の上面に配置されたIRカットフィルタとを備え、前記光導波路のうち赤色光を伝搬させる赤色光用光導波路と、前記赤色光用光導波路を伝搬した赤色光が入射する赤色光受光部との間の配置関係が、少なくとも一部で異なっている。
上記本発明の半導体装置は、赤色光用光導波路とこれと対応する赤色光受光部との間の配置関係が、少なくとも一部で異なっているため、赤色光受光部の基板表面で反射した反射光がIRカットフィルタで再び反射したときに、複数の反射光同士の間隔や位相にずれが生じて、反射光同士の干渉が強まることを防止できる。このため、赤球フレアが生じにくくなり、また、赤球フレアが生じた場合でもその輝度を低減することができる。
前記固体撮像装置の構成において、前記赤色光用光導波路と前記赤色光受光部との間の前記配置関係が、一つの赤色光用光導波路に隣接する他の全ての赤色光用光導波路との間で異なっていることが好ましい。このようにすることで、基板表面で反射した反射光の位 相を効果的に異ならせることができ、赤球フレアの発生を抑制することができる。
また、前記赤色光用光導波路と前記赤色受光部との前記配置関係が、前記赤色光用光導波路と前記赤色受光部との中心位置のずれの方向であることが好ましい。このようにすることで、簡易な構成で赤色光用光導波路と赤色光受光部との位置関係を異ならせることができる。
さらに、前記赤色光用光導波路と前記赤色受光部との中心位置のずれ量が50nm以下であることが好ましい。このようにすることで、感度低下などの不都合を生じさせずに、赤球フレアを低減することができる。
さらにまた、前記赤色光用光導波路と前記赤色受光部との前記配置関係が、前記赤色受光部上に配置された前記赤色光用光導波路の高さの差異であることが好ましい。赤色光用光導波路の高さに差異を設けることで、IRカットフィルタで反射された反射光の干渉を効果的に抑制することができる。
この場合において、前記赤色光用光導波路の高さの差異が200nm以下であることが好ましい。このようにすることで、感度低下などの不都合を防止することができる。
また、前記赤色光用光導波路と前記赤色受光部との前記配置関係が、前記赤色受光部上に配置された前記赤色光用光導波路の幅の差異であることが好ましい。赤色光用光導波路の幅に差異を設けることで、IRカットフィルタで反射された反射光の干渉を効果的に抑制することができる。
この場合において、前記赤色光用光導波路の幅の差異がプラスマイナス100nm以下であることで、赤色受光部での感度低下を防止することができる。
また、前記マイクロレンズを覆う保護膜の表面が、前記受光部の前記受光面に平行な平坦面であることが好ましい。このようにすることで、比較的輝度の低い弱い赤球フレアも効果的に抑制することができる。
以下、本発明の固体撮像装置について、図面を参照して説明する。
なお、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態である固体撮像装置の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明にかかる固体撮像装置は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備えることができる。
また、各図中の部材の寸法、特に、固体撮像装置の厚さ方向の寸法は、実際の構成部材の寸法および各部材の寸法比率等を必ずしも忠実に表したものではない。さらに、図面の煩雑化を防ぐため、各断面図におけるハッチングは省略している。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる固体撮像装置の概略構成を示す平面図である。
本実施形態の固体撮像装置100は、図1中にXとして示す水平方向、および、図1中にYとして示す垂直方向に、それぞれ行および列を形成したマトリクス状に、赤色(R)画素1R、緑色(G)画素1G、青色(B)画素1Bが配置されている。本実施形態の固体撮像装置100の画素配列は、人間の視感度の高い緑色画素1Gを2つ、赤色画素1Rと青色画素1Bとをそれぞれ1つの合計4つの画素1を組み合わせて配置するBayer配列となっている。なお、画素ピッチは、水平ピッチ、垂直ピッチ共に1.34μmである。
各画素1が形成する列の間には、垂直方向に垂直CCD部2が形成されている。垂直CCD部2には、各色の画素1に形成されている図示しない読み出しゲートによって、各画素1に光が入射することにより発生した電荷が転送される。
垂直CCD部2には図示しない電極が形成されていて、この電極に電位を順次与えることで、垂直CCD部2に転送された電荷が水平CCD部3へと転送される。水平CCD部3では、電荷を水平方向に転送してアンプ部4に入力し、アンプ部4から画像信号として固体撮像装置100の外部に出力される。
図2は、本実施形態にかかる固体撮像装置のうち、固体撮像素子部分の断面構成を示す要部拡大断面図である。なお、図2では、赤色画素と緑色画素とが配置された行の部分の断面を示している。
図2に示すように、本実施形態の固体撮像装置100を構成する固体撮像素子10は、シリコン基板11に、n型不純物を注入などして形成された受光部であるフォトダイオード(PD)12が離間して配置されている。フォトダイオード12に光が入射したときに、光電変換により電荷が蓄積される。
フォトダイオード12の間には垂直CCD部2が形成されていて、フォトダイオード12と垂直CCD部2を覆うようにゲート酸化膜13が形成されている。垂直CCD部2に対応する位置には、ゲート酸化膜13で分離されて読み出しゲート電極14が形成されていて、この読み出しゲート電極14に電位を与えることで、フォトダイオード12に蓄積された電荷が垂直CCD部2に移動する。
読み出しゲート電極14を覆うように遮光膜15が形成され、読み出しゲート電極14下部の垂直CCD部2に不要な光が入射してスミアの原因となることを防止している。
ゲート絶縁膜13上のフォトダイオード12に対応する位置には、窒化膜製の光導波路16がフォトダイオード12の受光面、すなわちシリコン基板11表面に垂直となるように配置されている。また、遮光膜15上には、図示しない各種の配線層が形成され、光導波路16と配線層の間の部分には有機材料製の中間層17が形成されている。中間層17は、反射率の調整やマイクロレンズ19と光導波路16の間の距離の調整に用いられる。
中間層17の上面には、フォトダイオード12で受光する光の波長を選択するためのカラーフィルタ18が層状に形成されている。本実施形態の固体撮像素子10では、赤(R)緑(G)青(B)の三色のカラーフィルタ18が配置されていて、カラーフィルタ18の色がフォトダイオード12の受光色、すなわち何色の画素であるか決める。本実施形態の固体撮像装置100では、図1に示したように画素配列がBayer配列となっているため、カラーフィルタ18の配列もBayer配列となる。
図2では、赤色(R)画素1Rと、緑色(G)画素2Gとの配列部分を示しているため、緑色フィルタ18Gと赤色フィルタ18Rが示されている。緑色フィルタ18Gを透過した入射光は緑色となるため、図2において左側に示す光導波路16が緑色光用光導波路16Gとなり、図2において左側に配置されているフォトダイオード12が緑色光受光部であるGフォトダイオード12Gとなる。同様に、赤色フィルタ18Rを透過した入射光は赤色となるため、図2において右側に示す光導波路16が赤色光用光導波路16Rとなり、図2において右側に配置されているフォトダイオード12が赤色光受光部であるRフォトダイオード12Rとなる。なお、図示しないが、青色フィルタを透過した入射光は青色となり、対応する光導波路が青色光用光導波路となり、対応するフォトダイオードが青色光受光部であるBフォトダイオードとなる。
層状のカラーフィルタ18の上部には、それぞれのフォトダイオード12に対応する位置に***製のマイクロレンズ19が配置されている。マイクロレンズ19の焦点は光導波路16の上面近傍に位置するように設計されているため、光導波路16を介して、入射光21(21(G)、21(R))を高い効率でフォトダイオード12に入射させることができる。マイクロレンズ19の上面は、有機材料製の厚さ約1μm程度の保護膜20で覆われている。
なお、後述するように、本実施形態の固体撮像装置100は、図2で説明した固体撮像素子10の上面、すなわち外部からの光が入射する側に、保護膜20の表面から所定の間隔を隔てて外表面に有害な赤外線の入射を防ぐIRカットフィルタ32が形成されたカバーガラス31を備えている。
本実施形態にかかる固体撮像装置100では、赤色画素1Rを形成するRフォトダイオード12Rと、Rフォトダイオード12Rに入射する光を伝搬する赤色光用光導波路16Rとの間の配置関係が、赤色光用光導波路16Rの中心位置と、これと対応するRフォトダイオード12Rの中心位置とのずれの方向となっている。
図3は、本実施形態の固体撮像装置100の、Rフォトダイオード12Rの中心位置に対する赤色光用光導波路16Rの中心位置のずれを示すための図であり、光導波路16の配置状態を示す要部拡大平面図である。なお、図3は、図2中に示した矢示線B−B’部分を示している。また、図面の煩雑化を防ぐために、図3ではゲート保護膜13上に形成された光導波路16とその列間に形成された遮光膜15のみを図示している。
図3においては、行列上にマトリクス配置されたフォトダイオード12の、水平方向(行方向)の中心位置と、垂直方向(列方向)の中心方向とを、それぞれ一点鎖線で示している。図3に示すように、緑色光用光導波路16Gと、青色光用光導波路16Bとは、その中心が対応するフォトダイオード12の中心位置(開口中心)上に配置されているのに対し、赤色光用光導波路16Rの中心は、中心部に図示する赤色光用光導波路16R5を除いて、Rフォトダイオード12Rの中心位置を示す一点鎖線の交点からずれて配置されている。
本実施形態の固体撮像装置100では、赤色光用光導波路16R5を取り囲むように、その上下左右と斜め方向の上下に配置される合計8つの赤色光用光導波路16Rが、それぞれ図3中に矢印として示す方向にずれて配置されている。具体的には、左上の赤色光用光導波路16R1が左側に、真上の赤色光用光導波路16R2が下側に、右上の赤色光用光導波路16R3が右側にずれている。また、左横の赤色光用光導波路16R4が右側に、右横の赤色光用光導波路16R6が上側に、さらに、左下の赤色光用光導波路16R7が上側に、真下の赤色光用光導波路16R8が左側に、右下の赤色光用光導波路16R9が下側に、それぞれずれて配置されている。
赤色光用光導波路16Rの中心位置のずれをより明確に示すために、赤色光用光導波路16Rのみを図4に図示する。
図4は、図3で示した9つの赤色光用光導波路16R1〜16R9とその周囲に配置された全部で25個の赤色光用光導波路16Rについて、それぞれの中心位置が、対応するRフォトダイオードR12の中心位置に対してずれている方向を矢印で示したものである。なお、図中の中央部に位置する赤色光用光導波路16R5のように、対応するRフォトダイオード12Rと中心位置が一致している赤色光用光導波路16Rには、矢印の代わりに白丸印を記している。
図4に示すように、本実施形態の固体撮像装置100では、水平方向および垂直方向にそれぞれ5個ずつ配置された計25個の赤色光用光導波路16Rを見たときに、縦方向、横方向、そして斜め方向のどの方向においても、5個の赤色光用光導波路16Rの中心位置が、対応するRフォトダイオード12Rの中心位置からずれているずれの方向が、すべて異なるように配置されている。このように、赤色光用光導波路16Rの中心位置がずれている方向を異ならせることで、互いに隣接する関係にある赤色光用光導波路16R同士の間隔が不均一となる。
次に、本実施形態の固体撮像装置100における、赤球フレアを低減する作用について説明する。
まず、マイクロレンズと光導波路とを備えた固体撮像装置において、赤球フレアが発生する原理を説明する。
図5は、比較例である固体撮像装置200の断面の構成を示す要部拡大断面図である。
比較例である固体撮像装置200では、赤色光用光導波路106Rの中心位置と対応するRフォトダイオード102Rの中心位置との間にずれが無く、すべての赤色光用光導波路106RとRフォトダイオード102Rとの中心位置が一致している。また、マイクロレンズ109を覆う保護膜110の上面が平坦ではなく、マイクロレンズ109の凸形状に対応した凹凸形状を有している。比較例である固体撮像装置200は、この2点において、図2で示した本実施形態の固体撮像装置100と異なっている。なお、比較例の固体撮像装置200の画素配置もBayer配列であり、図5では、赤色画素1Rと緑色画素1Gとが配置された行部分の断面構成を示している。
図5に示すように、比較例の固体撮像装置200の固体撮像素子150は、シリコン基板101に画素を形成するフォトダイオード102が所定の間隔を有して配置されていて、フォトダイオード102の上面を含むシリコン基板101の表面全面に、ゲート絶縁膜103が形成されている。なお、フォトダイオード102間には図示を省略する垂直CCD部が形成されている。
ゲート絶縁膜103上には、読み出しゲート電極104が配置され、その上面は遮光膜105で覆われている。シリコン基板101に形成されたフォトダイオード102に対応する位置には、光導波路106が配置され、遮光膜105と光導波路106は中間層107で覆われている。
中間層107の上面には、カラーフィルタ108として、緑色フィルタ108Gと赤色フィルタ108Rとが交互に配置されている。緑色フィルタ108Gを透過した緑色光が伝搬される光導波路106が緑色光用光導波路106G、緑色光が入射するフォトダイオード102がGフォトダイオード102Gであり、赤色フィルタ108Rを透過した赤色光が伝搬される光導波路106が赤色光用光導波路106R、赤色光が入射するフォトダイオード102がRフォトダイオード102Rである。
層状のカラーフィルタ108の上面にはそれぞれのフォトダイオード102に対応してマルチレンズ109が形成されていて、マルチレンズ110の上面には保護膜110が塗布されている。
このように形成された固体撮像素子150の保護膜110から、所定の距離を隔てて配置されたカバーガラス151上面にIRカットフィルタ152が形成されていて、比較例の固体撮像装置200が構成されている。
固体撮像装置200に入射した外光は、マイクロレンズ109で集光されたのちカラーフィルタ108で波長選択される。このうち、赤色フィルタ108Rで選別された赤色光121Ra、121Rbは、光導波路106R1、106R2を通って、受光部102Rに入射し光電変換されて画像信号となる。このとき、一部の入射光121Ra、121Rbがシリコン基板101の表面で反射して、赤色光用光導波路106R1、106R内を入射時とは逆の方向に進む。逆方向に進んだ赤色光は、赤色光用光導波路106R1、106R2から出射される際に回折現象が発生して、図5中に反射光122Ra、122Rbとして示すように、シリコン基板101の表面に垂直な方向に対して、角度θを持った斜め方向に出射する成分が生じる。
このとき、赤色光の波長をλ、画素のピッチをPとすると、2P*sinθ=λの関係が成り立つため、たとえば、画素ピッチが1.34μmの場合には、θの値は約14°程度となる。
角度θで斜め方向に出射された反射光122Ra、122Rbは、カバーガラス151へ入射後、カバーガラス151上に形成されたIRカットフィルタ152によって反射される。
図6は、IRカットフィルタの反射特性を示している。
図6において、Rとして示した太実線が赤色光(中心波長640nm)の反射特性を示しており、入射角度が約14度の場合、反射率が0.5〜0.6であり、IRカットフィルタ152に到達した光の約半分が反射されて再び固体撮像素子150に入射する。
IRカットフィルタ152で反射された光は、赤色光であるため赤色フィルタ108Rを透過し、この反射光が他のRフォトダイオード102Rに再入射するとノイズ成分となる。また、回折された光121Rbと122Rbが互いに干渉することで強度のより強い反射光123となり、大きなノイズ成分となる。
上記、図5に示した比較例の固体撮像装置200と比較して、本実施形態の固体撮像装置100では、図3,図4を用いて詳述したように、赤色受光部であるRフォトダイオード12Rの中心位置に対して、対応する赤色光用光導波路16Rの中心位置がずれている。このため、本実施形態の固体撮像装置100の場合には、反射光での干渉が生じにくく、大きなノイズ成分となりにくい。このことを、本実施形態の固体撮像装置100の断面構成を示す図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態の固体撮像装置100の断面構成を示す要部拡大断面図である。なお、本実施形態の固体撮像装置100の断面構成自体は、図2で既に説明しているため、図7では繰り返しての説明を省略すると共に、一部部材の図示や符号の表示を省略する。
本実施形態の固体撮像装置100では、規則的に配列されているRフォトダイオード12Rの中心位置に対して、赤色光用光導波路16Rの中心位置がずれて配置されている。例えば、図7に示すように、赤色光用光導波路16Rbの配置位置が図7における右方向にずれて配置されている場合には、赤色光用光導波路16Rbと隣り合う他の赤色光用光導波路16Raとの間の間隔P1が大きくなり、一方で、赤色光用光導波路16Rbと隣り合うもう一つの赤色光用光導波路16Rcとの間の間隔P2が小さくなる。すなわち、P1>P2の関係が生じる。
このような本実施形態の固体撮像装置100に入射した光のなかで、赤色フィルタ18Rを透過する赤色光21(Ra)、21(Rb)、21(Rc)は、それぞれ赤色光用光導波路16Ra、16Rb、16Rcを通ってRフォトダイオード12Rに入射する。このとき、シリコン基板11の表面で反射した反射光は、赤色光用光導波路16Ra、16Rb、16Rcを反対方向に進んで、赤色光用光導波路16Ra、16Rb、16Rcから出射される際の回折現象によって、角度θを持った斜め方向に出射する反射光22Ra、22Rb、22Rcの成分が生じる。この反射光22Ra、22Rb、22Rcはカバーガラス31表面のIRカットフィルタ32で反射されて、再び固体撮像素子10へと向かう。
ここで、本実施形態の固体撮像装置100の場合には、赤色光用光導波路16Raと赤色光用光導波路16Rbとの間隔P1と、赤色光用光導波路16Rbと赤色光用光導波路16RCとの間隔P2とが異なるため、互いに平行に挙動する反射光22Raと反射光22Rbとの間隔と、反射光22Rbと反射光22Rcとの間隔とが異なる。この結果、これら3つの反射光が重なり合うときに周期性が崩れ、反射光の間隔が同じであったために、同じ位相となりやすい図5に示した比較例の固体撮像装置200の場合の干渉光と比較して、本実施形態の固体撮像装置100で生成される干渉光23は、反射光の位相がずれるためにその強度が強くならず、強い赤球フレアの発生を抑制することができる。
図8は、本実施形態の固体撮像装置100における赤球フレア低減の効果を示す図である。
図8(a)は、固体撮像装置で太陽などの輝点を撮像した際の撮像画像の様子を示すイメージ図である。
図8(a)に示すように、固体撮像装置で太陽などの輝点を撮像した場合の撮像画像51では、中央に位置する撮像対象の輝点である太陽52の周囲に、上下左右および斜め上下方向に合計8つの強い赤い球状の輝点である、強い赤球フレア53が写り込む。また、強い赤球フレア53のさらに周囲には、同じく太陽52を中心として上下左右および斜め上下方向に、8つの比較的弱い赤い球状の輝点である弱い赤球フレア54が写り込む。
図8(b)は、本実施形態の固体撮像装置100と比較例の固体撮像装置200とにおける、図8(a)に示した強い赤球フレア53の輝度分布の違いを示す図である。
図8(b)に示すように、本実施形態の固体撮像装置100での撮像画像における強い赤球フレアの強度分布61は、比較例の固体撮像装置200での撮像画像における強い赤球フレアの強度分布62と比較して、なだらかな分布となっていて、最大強度も2分の1以下に低減されている。
このことから、本実施形態の固体撮像装置100では、シリコン基板11表面の反射光により生じる、強い赤球フレアが低減されていることが理解できる。
なお、図8(a)で示した、周辺側に発生する比較的輝度の低い弱い赤球フレア54は、マイクロレンズを覆う保護膜の表面での反射光により生じると考えられる。
図5に示した比較例の固体撮像装置200のように、マイクロレンズ109を覆う保護膜110が、凹凸形状となっている場合には、保護膜表面で反射した赤色光のうち、IRカットフィルタに斜め入射する成分が発生してしまうため赤球フレアの原因となる。
これに対し、本実施形態の固体撮像装置100では、マイクロレンズ19を覆う保護膜20の表面が、シリコン基板11の表面に平行な平坦面となっているため、比較例の固体撮像装置200のように、保護膜20の表面で反射した赤色光がIRカットフィルタに斜め入射することを効果的に回避することができる。このため、本実施形態の固体撮像装置100では、強い赤球フレア53の周囲に生じる弱い赤球フレア54の輝度を低減する効果をも備えている。
なお、本実施形態の固体撮像装置100において、Rフォトダイオードの12Rの中心位置に対する赤色光用光導波路16Rの中心位置のずらし量は、50nm以下であることが好ましい。
図9に示すように、本実施形態の固体撮像装置100では、Rフォトダイオード12Rの中心位置と赤色光用光導波路16Rの中心位置のずらし量が、50nm以下であれば、Rフォトダイオード12Rでの受光量の感度である赤色感度の低下がほとんど生じないからである。また、ずらし量が50nm以下であれば、その他の電気特性、光学特性(たとえばスミア、シェーディング、混色など)においても、特に問題が生じないこと確認できた。
なお、図3および図4では、赤色光用光導波路16Rの中心位置を、フォトダイオードの配列方向に対して縦方向と横方向にのみずらしたものを示したが、本実施形態の固体撮像装置100での赤色光用光導波路16Rのずらし方向は、これに限られるものではない。例えば、フォトダイオードの配列方向に対して斜め方向にずらすことも可能であり、近傍に配置されている赤色光用光導波路16Rの間隔がなるべくバラバラの数値を取るように、適宜ずらしの方向を定めることができる。
また、図3および図4では、中心の赤色光用光導波路16R5に対して、これと隣接する8つの赤色光用光導波路16R1、16R2、16R3、16R4、16R6、16R7、16R8、16R9全てをいずれかの方向にずらしたものを例示したが、本実施形態の固体撮像装置において、このように周辺の全ての赤色光用光導波路16Rの中心位置をずらすことは必須の要件ではない。赤球フレアの発生状況を確認しながら、複数個のグループにおいて、その中の一つのみの赤色光用光導波路16Rをずらすなど、中心位置をずらす赤色光用導波路16Rの個数を適宜調整することが好ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の固体撮像装置の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態にかかる固体撮像装置では、赤色光用光導波路と対応する赤色受光部であるRフォトダイオードとの間の配置関係として、実施の形態1で示した赤色光用光導波路の中心位置のずれに加えて、固体撮像素子において赤色光フィルタとRフォトダイオードとの間に配置された、赤色光用光導波路の高さの差異が加わるものである。
このため、第2の実施形態として示す固体撮像装置では、赤色光用光導波路の高さが異なっている点のみが、上記第1の実施形態として示した固体撮像装置と異なっていて、他の構成部分は、第1の実施形態として示した固体撮像装置と同じとなっている。
図10に、第2の実施形態にかかる固体撮像装置の固体撮像素子部分の断面構成を示す。上記の通り、本実施形態の固体撮像装置が第1の実施形態の固体撮像装置と異なる点は、固体撮像素子の赤色光用光導波路のみであるため、カバーガラスとIRカットフィルタ部分の図示は省略し、固体撮像素子70部分のみについて説明を行う。また、赤色光用光導波路以外の部材については、図2および図7で示した部材に付したものと同じ符号を付す。なお、図10も、図2および図7と同様に、Bayer配列の画素1のうち、赤色画素1Rと緑色画素1Gとが配列されている行部分の断面構成を示している。
図10に示すように、第2の実施形態の固体撮像装置にかかる固体撮像素子70は、第1の実施形態で示したように、それぞれの配置間隔が異なっている6つの赤色光用光導波路71R(71Ra、71Rb、71Rc、71Rd、71Re、71Rf)のうち、図中最も左側に位置する赤色光用光導波路71Raと、左から4つめの赤色光用光導波路71Rdの高さが、H2(=1200nm)となっていて、他の赤色光用光導波路71Rb、71Rc、71Re、71Rfの高さH1(=1400nm)に対して低くなっている。
本実施形態の固体撮像装置では、このように、赤色光用光導波路71Rの高さに差異を持たせることによって、シリコン基板11表面での反射光が、赤色光用光導波路71R内を進行する距離にばらつきが生じる。この結果、異なる長さの赤色光用光導波路71Rを通った反射光間においてその位相が異なり、図10では図示しないIRカットフィルタでの反射光が再び固体撮像素子70に入射する際の干渉光での強度の増大を、第1の実施形態の固体撮像装置100と比較してもより一層低減することができる。このため、図8(a)にその画像イメージを示した強い赤球フレア53の輝度を、図5として示した比較例の固体撮像装置500での赤球フレア53の輝度に対して約1/3程度にまで低減することができる。
なお、図10に示した第2の実施形態の固体撮像素子70では、赤色光用光導波路71Rの高さとして、H1(=1400nm)とH2(=1200nm)との2種類のものを適用しているが、本実施形態の固体撮像装置の固体撮像素子70において、赤色光用光導波路71Rの高さ(H)の種類は、2つに限られず、反射光の干渉によって生じる強い赤球フレアの発生状態を見ながら、3つ以上の異なる高さの赤色光用光導波路71Rを配置することができる。
また、図10に示した固体撮像素子70では、3つおきの赤色光用光導波路71Rに対してその高さを他の高さより低い高さH2としたものを示したが、このようにすることで、赤球フレアが発生した場合でも本来の輝点周辺に発生するため、視認しにくくなるからである。しかし、本実施形態の固体撮像装置にかかる固体撮像素子おいて、赤色光用光導波路71Rの高さを異ならせるものについての限定はなく、図示した3つおきの例に限られない。例えば、交互に赤色光用光導波路71Rの高さに差異を設けることや、4つおきの赤色光用光導波路71Rの高さに差異を設けるなど、第1の実施形態で説明した、Rフォトダイオードの中心位置からずらしの有無やそのずらし量の大きさに対応させて、適宜赤色光用光導波路71Rの高さを設計することが好ましい。この場合において、高さの異なる(H2)赤色光用光導波路71Rを連続して配置しないようにすることで、より高い効果を期待することができる。
なお、高さの低い赤色光用光導波路を形成するには、固体撮像素子の作成時に露光マスクを追加して、高さを低くする赤色光用光導波路のみを追加エッチングすることで容易に実現することができる。
また、一つの固体撮像装置内に形成される赤色光用光導波路の高さの差(H1−H2)としては、最大で200nm以下であれば、本来の赤色光に対する受光感度やその他の光学特性への影響はないため、高さの差異の最大値が200nm以下となる範囲でそれぞれの赤色光用光導波路71Rの高さを設計することができる。
また本実施形態では、赤色光用光導波路と対応する赤色受光部であるRフォトダイオードとの間の配置関係として、実施の形態1で示した赤色光用光導波路の中心位置をずらしたものに加えて、赤色光用光導波路の高さの差異を設けることを組み合わせて適用した固体撮像装置について説明した。しかし、本実施形態で説明した、赤色光用光導波路と対応する赤色受光部であるRフォトダイオードとの間の配置関係として赤色光用光導波路の高さに差異を設けることのみを適用し、赤色光用光導波路の中心位置を対応する赤色光受光部の中心位置と一致させた固体撮像装置においても、赤球フレアの低減に効果があることは言うまでもない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の固体撮像装置の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態にかかる固体撮像装置では、赤色光用光導波路と対応する赤色受光部であるRフォトダイオードとの間の配置関係として、実施の形態1で示した赤色光用光導波路の中心位置をずらすこと、さらに、実施の形態2として示した赤色光用品理導波路の高さに差異を設けることに加えて、赤色光用光導波路の幅にも差異を設けたものである。
図11に、第3の実施形態の固体撮像装置の固体撮像素子部分の断面構成を示す。図11においても、カバーガラスとIRカットフィルタ部分の図示は省略し、固体撮像素子80部分のみについて説明を行う。この第3の実施形態として示す固体撮像装置でも、赤色光用光導波路のみが異なっているため、他の構成部分の説明は省略する。また、赤色光用光導波路以外の部材については、図2および図7で示した部材に付したものと同じ符号を付し、図11も、図2および図7と同様に、Bayer配列の画素1のうち、赤色画素1Rと緑色画素1Gとが配列されている行部分の断面構成を示している。
図11に示すように、第3の実施形態の固体撮像装置にかかる固体撮像素子80は、第2の実施形態で示した、配置間隔や高さの異なる赤色光用光導波路81R(81Ra、81Rb、81Rc、81Rd、81Re、81Rf)のうち、図中左側から2番目に位置する赤色光用光導波路81Rbと、左から5番目に位置する赤色光用光導波路81Reの幅がW2(=600nm)となっていて、他の赤色光用光導波路71Ra、71Rc、71Rd、71Rfの幅W1(=700nm)に対して狭くなっている。
本実施形態の固体撮像装置では、このように、赤色光用光導波路81Rの幅に差異を持たせることによって、シリコン基板11表面での反射光が、赤色光用光導波路81R内を進行する際に位相のばらつきが生じる。この結果、異なる幅の赤色光用光導波路81Rを通った反射光間の干渉が起きた場合でも、IRカットフィルタでの反射光が再び固体撮像素子80に入射する干渉光の強度の増大を、第2の実施形態の固体撮像装置と比較してもさらに一層低減することができる。具体的には、図8(a)にその画像イメージを示した強い赤球フレア53の輝度を、図5として示した比較例の固体撮像装置500での赤球フレア53の輝度に対して約1/4程度にまで低減することができる。
なお、図11に示した第2の実施形態の固体撮像素子80では、赤色光用光導波路81Rの幅として、W1(=700nm)とW2(=600nm)との2種類のものを適用しているが、本実施形態の固体撮像装置の固体撮像素子80において、赤色光用光導波路81Rの幅(W)の種類は、2つに限られず、反射光の干渉によって生じる強い赤球フレアの発生状態を見ながら、3つ以上の異なる幅の赤色光用光導波路81Rを配置することができる。
また、図11に示した固体撮像素子80では、3つおきの赤色光用光導波路81Rに対してその幅を他の幅よりも狭いW2としたものを示したが、本実施形態の固体撮像装置にかかる固体撮像素子おいては、赤色光用光導波路81Rの幅を3つおきに異ならせる例の他に、例えば、交互に赤色光用光導波路81Rの幅に差異を設けることや、4つおきの赤色光用光導波路81Rの幅に差異を設けるなど、赤球フレアの低減効果を確認しながら、適宜赤色光用光導波路81Rの幅を設計することが好ましい。ただし、幅の異なる(W2のもの)赤色光用光導波路81Rを連続して配置しないようにすることで、より高い効果を期待することができる。
なお、所定の赤色光用光導波路の幅を異ならせることは、固体撮像素子の作成時に露光マスクを調整することで容易に実現できる。
また、一つの固体撮像装置内に形成される赤色光用光導波路の幅の差(W1−W2)としては、最大で200nm(プラスマイナス100nm)以下であれば、本来の赤色光に対する受光感度やその他の光学特性への影響はない。
以上、本実施形態では、赤色光用光導波路と対応する赤色受光部であるRフォトダイオードとの間の配置関係として、実施の形態1で示した赤色光用光導波路の中心位置をずらしたものに加えて、実施の形態2で示した、赤色光用光導波路の高さの差異を設けることを適用したものに、さらに、赤色光用光導波路の幅に差異を設けることを全て組み合わせて適用した固体撮像装置について説明した。しかし、本実施形態で説明した、赤色光用光導波路と対応する赤色受光部であるRフォトダイオードとの間の配置関係として、赤色光用光導波路の幅に差異を設けることのみを適用し他場合でも、赤球フレアの低減に効果があることは言うまでもない。また、第1の実施形態として示した、赤色光用光導波路の中心位置をずらすことや、実施の形態2で説明した赤色光用光導波路の高さに差異を設けることのいずれか一方と、赤色光用光導波路の幅に差異を設けることを組み合わせることもできる。
以上、本発明の各実施形態として説明したように、赤色光用光導波路と、これと対応する赤色光受光部との配置関係が、少なくとも一部で異なるようにすることで、カバーガラスに形成されたIRカットフィルタで反射された反射光同士の強い干渉が発生しにくくなる。このため、本発明の固体撮像装置では、反射光同士の干渉作用により生じる強い赤球フレアの低減が実現され、高い品質の画像信号を出力できる固体撮像装置を得ることができる。
特に近年は、固体撮像素子の微細化に伴い受光部面積が小さくなるとともに、開口部分の大きさも小さくなってきている。開口部分の大きさが小さくなると回折角が大きくなるが、図6に示したように、IRカットフィルタへの入射角が大きくなるほど反射率が大きくなり、反射光の強度が増加する。このように、固体撮像装置の微細化という、赤球フレアが発生しやすい状況下において、本願発明は、今後益々高い効果を奏することが期待できる。
なお、上記各実施形態では、受光部としてフォトダイオードを用いたCCDデバイスを例示して説明したが、本発明の固体撮像装置の受光部としては、CCDに限られず、他の光導波路を用いた光学系を採用する固体撮像素子全般、たとえばCMOSセンサにも同様に効果がある。
また、上記本発明の各実施形態においては、マイクロレンズを覆う保護膜の表面が、受光面に平行な平坦面であるものについて説明したが、本発明の固体撮像装置の保護膜の表面は、平坦なものに限られない。図8(a)にイメージを示した弱い赤球フレア54の影響が少なく、実用上問題がないのであれば、比較例として図5に示した固体撮像装置のように、保護膜の表面がマイクロレンズの外形の影響を受けて凹凸形状を有していてもかまわない。
本発明にかかる固体撮像装置は、受光部での開口率を向上するマイクロレンズと、マイクロレンズで集光された光を受光部へ伝搬する光導波路とを備えた固体撮像装置として、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等各種の画像撮影機器に有用に利用可能である。
1 画素
10 固体撮像素子
12 フォトダイオード(受光部)
12R Rフォトダイオード(赤色受光部)
16 光導波路
16R 赤色光用光導波路
18 カラーフィルタ
18R 赤色フィルタ
19 マイクロレンズ
32 IRカットフィルタ
100 固体撮像装置

Claims (9)

  1. 二次元状に配列されてそれぞれが画素を形成する複数の受光部と、前記受光部で受光する波長を選択するために前記受光部に対応して配置された少なくとも赤色を含む複数色のカラーフィルタと、前記受光部に入射する光を集光するために前記受光部に対応して配置されたマイクロレンズと、前記カラーフィルタと前記受光部との間に前記受光部の受光面に垂直となるようにそれぞれ配置された光導波路とを有する固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子の上面に配置されたIRカットフィルタとを備え、
    前記光導波路のうち赤色光を伝搬させる赤色光用光導波路と、前記赤色光用光導波路を伝搬した赤色光が入射する赤色光受光部との間の配置関係が、少なくとも一部で異なっていることを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記赤色光用光導波路と前記赤色光受光部との間の前記配置関係が、一つの赤色光用光導波路に隣接する他の全ての赤色光用光導波路との間で異なっている請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記赤色光用光導波路と前記赤色光受光部との間の前記配置関係が、前記赤色光用光導波路の中心位置と前記赤色光受光部との中心位置とのずれの方向である請求項1または2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記赤色光用光導波路の中心位置と前記赤色光受光部の中心位置とのずれ量が50nm以下である請求項2または3に記載の固体撮像装置。
  5. 前記赤色光用光導波路と前記赤色光受光部との間の前記配置関係が、前記赤色光受光部上に配置された前記赤色光用光導波路の高さの差異である請求項1〜4のいずれかに記載の固体撮像装置。
  6. 前記赤色光用光導波路の高さの差異がプラスマイナス200nm以下である請求項5に記載の固体撮像装置。
  7. 前記赤色光用光導波路と前記赤色光受光部との間の前記配置関係が、前記赤色光受光部上に配置された前記赤色光用光導波路の幅の差異である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  8. 前記赤色光用光導波路の幅の差異がプラスマイナス100nm以下である請求項7に記載の固体撮像装置。
  9. 前記マイクロレンズを覆う保護膜の表面が、前記受光部の前記受光面に平行な平坦面である請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
JP2010139628A 2010-06-18 2010-06-18 固体撮像装置 Withdrawn JP2012004437A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010139628A JP2012004437A (ja) 2010-06-18 2010-06-18 固体撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010139628A JP2012004437A (ja) 2010-06-18 2010-06-18 固体撮像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012004437A true JP2012004437A (ja) 2012-01-05

Family

ID=45536064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010139628A Withdrawn JP2012004437A (ja) 2010-06-18 2010-06-18 固体撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012004437A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015176969A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 キヤノン株式会社 固体撮像装置及び撮像システム
WO2015182302A1 (ja) * 2014-05-30 2015-12-03 ソニー株式会社 固体撮像装置、電子機器及び固体撮像装置の製造方法
WO2016002575A1 (ja) * 2014-07-03 2016-01-07 ソニー株式会社 固体撮像素子、および電子装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015176969A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 キヤノン株式会社 固体撮像装置及び撮像システム
US9906743B2 (en) 2014-03-14 2018-02-27 Canon Kabushiki Kaisha Solid-state imaging apparatus and imaging system having a light shielding portion
US10158817B2 (en) 2014-03-14 2018-12-18 Canon Kabushiki Kaisha Solid-state imaging apparatus and imaging system
WO2015182302A1 (ja) * 2014-05-30 2015-12-03 ソニー株式会社 固体撮像装置、電子機器及び固体撮像装置の製造方法
WO2016002575A1 (ja) * 2014-07-03 2016-01-07 ソニー株式会社 固体撮像素子、および電子装置
US9571721B2 (en) 2014-07-03 2017-02-14 Sony Corporation Solid-state imaging device and electronic apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6141024B2 (ja) 撮像装置および撮像システム
KR101832094B1 (ko) 이면 조사형 촬상 소자, 그 제조 방법 및 촬상 장치
JP5119668B2 (ja) 固体撮像装置
JP4798232B2 (ja) 固体撮像装置とその製造方法、及び電子機器
JP5845856B2 (ja) 固体撮像素子およびその製造方法、並びに電子機器
KR102372745B1 (ko) 이미지 센서 및 이를 구비하는 전자장치
JP2016015430A (ja) 固体撮像素子および電子機器
TW201535695A (zh) 固態影像感測裝置
JP2014175553A (ja) 固体撮像装置およびカメラ
JP5725123B2 (ja) 固体撮像装置及び電子機器
JP2013157442A (ja) 撮像素子および焦点検出装置
JP2012212878A (ja) 撮像素子および撮像装置
JP2011103359A (ja) 固体撮像素子および電子情報機器
JP2014027178A (ja) 固体撮像素子および電子情報機器
JP3571982B2 (ja) 固体撮像装置及びそれを備えた固体撮像システム
JP5504382B2 (ja) 固体撮像素子及び撮像装置
JP5359323B2 (ja) 固体撮像装置及び電子機器
TW201444068A (zh) 固態影像感測裝置及固態影像感測裝置之製造方法
KR101196926B1 (ko) 고체 촬상 장치
JP4264248B2 (ja) カラー固体撮像装置
JP5418527B2 (ja) 固体撮像装置及び電子機器
JP2012004437A (ja) 固体撮像装置
JP2014022649A (ja) 固体撮像素子、撮像装置、及び電子機器
KR101473720B1 (ko) 컬러 필터 어레이 및 컬러 필터 제조 방법, 및 상기 컬러필터 어레이를 포함하는 이미지 촬상 장치
JP2011135100A (ja) 固体撮像装置及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130903