JP2012004194A - ワイヤソー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体ウエハを、安価で効率良く、かつ製品歩留まりを上げながら製造することができるワイヤソー装置を提供する。
【解決手段】固定砥粒方式のワイヤソー装置1において、ワイヤをインゴットに対して特定の方向に相対移動させてインゴットを切断した後、逆方向にワイヤをインゴットに対して相対移動させて、ワイヤをインゴットから抜くようになっており、ワイヤによるインゴット切断中に切断部分にかけるインゴット切断用クーラントを供給すると共に、ワイヤをインゴットから抜く際に、インゴット切断用クーラントとは異なるワイヤ抜き用クーラントをかけるようになっており、ワイヤ抜き用クーラントは、クーラント内に含有するインゴット切削屑の割合がSS濃度で3%乃至0%である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば太陽電池やLED電球等の基板として広く使われるようになっているシリコンウエハを製造するためのワイヤソー装置に関する。
例えば太陽電池やLED電球等の基板として広く用いられるシリコンウエハを製造するに当たって、ワイヤソー装置を用いてシリコンのインゴットを厚さの薄いシリコンウエハに切断する技術は広く知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなワイヤソー装置の方式には、遊離砥粒方式と固定砥粒方式の2つの方式がある。
遊離砥粒方式は、オイルにインゴット切断用の砥粒を含有させたスラリーを、シリコンインゴットをワイヤで切断する際に切断部に供給する方式である。この際、ワイヤにはブラスメッキワイヤを用いる。このようにワイヤによるシリコンインゴットの切断時にスラリーを供給することによって、スラリー内の微小な砥粒がシリコンとワイヤとの切断部の間に入り込んで、この入り込んだ多数の砥粒を介してシリコンのインゴットを厚さの薄い多数のシリコンウエハに切断するようになっている。
一方、固定砥粒方式は、上述の遊離砥粒方式と異なり、スラリーを用いることなく、単なるクーラント液(以下単に「クーラント」とする。)を用いている。そして、樹脂ワイヤや金属のブラスメッキワイヤからなるワイヤ自体に、多数の砥粒を固着させた新技術のワイヤを用いてシリコンインゴットを切断するようになっている。これによってクーラントは、シリコンインゴットをワイヤで切断する際において、主に冷却液及び潤滑剤の役目を果たすと共に、副次的にシリコンの切削屑をクーラント内に含んで排出する役目を果たしている。
特開2002−144229号公報
上述した遊離砥粒方式は、砥粒がワイヤとシリコンインゴットとの間に入り込んで初めてインゴット切断作業が行われる原理となっているので、砥粒がワイヤに直接付着した固定砥粒方式に比べ、明らかに切断効率が悪い。
また、使用後のスラリー内には、オイルと、砥粒と、シリコンインゴット切断後の切削屑をなすシリコンの僅かな塊が混在する。従って、スラリーをコスト低減及び環境保護の観点からリサイクルして再利用するに当たって、使用前のスラリーの状態に近づけるために通常は遠心分離機を用いて切削屑を除去している。しかしながら、このような遊離砥粒方式での使用に適した遠心分離機は高性能でなければならず、コスト的に大変高価なものとなる。その上、遊離砥粒方式の場合、このような遠心分離機を用いても、切削屑を構成するシリコンの僅かな塊を使用後のスラリーから全て取り除くことは難しく、実用的ではない。
また、近年のシリコンウエハの低価格化に伴い、遊離砥粒方式において上述したようなコスト高の設備投資を行ったのではシリコンウエハの生産上、いわゆるコストパフォーマンスの点で割が合わなくなっている。
近年開発が進んでいる固定砥粒方式は、砥粒自体をワイヤに付着させているため、上述したような遊離砥粒方式に伴う諸問題を発生させない。具体的には、固定砥粒方式によるクーラントを上述したようにコスト低減及び環境保護の観点からリサイクルする場合、遊離砥粒方式で用いた遠心分離機でも切屑を除去できるが、除去できない微粒子の蓄積が確認されている。
一方、このような優れた固定砥粒方式を用いてシリコンインゴットから多数のシリコンウェハを製造するに際し、発明者は開発の過程でワイヤソー装置を用いた場合のみに起因する問題点を発見するに至った。具体的には、シリコンインゴットをワイヤで切断した後に切断後のシリコンインゴットからワイヤを引き抜く際(以下「ワイヤ抜き時」とする。)、インゴット切断時のクーラントをかけながらワイヤを引き抜くと、シリコンの切削屑がウエハの表面に多数付着してしまい、問題が生じることを発見した。
以下、この問題点について具体的に説明する。シリコンウエハの製造工程は、上述したシリコンインゴットから多数のシリコンウエハへのワイヤソーによる切断の後に、下流工程として、粗洗浄、詰め替え、仕上げ洗浄、外観検査等の各工程がある。一方、上述のワイヤソーによる切断工程の最終段階に行うワイヤ抜き時に、インゴット切断時のクーラントをかけながらワイヤを引き抜くと、シリコンウエハの切断面にシリコンの切削屑がある程度付着してしまう。そのため、このような切削屑をシリコンウエハの切断面から確実に除去するため、次なる工程である粗洗浄工程を、多数の洗浄槽を直列的に配置した大掛かりな構成とする必要が生じていた。そのため、粗洗浄工程の省スペース化を図ることができなかったり、この工程の設備コストが高くついたりしていた。
また、シリコンウエハの切断面から完全に切削屑を除去しないと、詰め替えや外観検査にてシリコンウエハを搬送する際に搬送路中でいわゆるジャミングと呼ばれるシリコンウエハのつまりが生じて、製品前のシリコンウエハを破損させてしまう虞があった。
また、ワイヤ抜き時に可能な限り切削屑を除去しておかないと、このような粗洗浄工程、仕上げ洗浄工程においてどうしても除去しきれない切削屑が残り、最終工程である部品の外観検査ではじかれて、製品の歩留まりを低下させてしまうことが見受けられた。
本発明の目的は、例えば太陽電池やLED電球等の基板として広く用いられるシリコンウエハなどの半導体ウエハを、安価で効率良く、かつ製品歩留まりを上げながら製造することができるワイヤソー装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1に係るワイヤソー装置は、
半導体のインゴットから厚さの薄い半導体ウエハを複数枚製造する固定砥粒方式のワイヤソー装置において、
ワイヤをインゴットに対して特定の方向に相対移動させて当該インゴットを切断した後、前記特定の方向と逆方向に前記ワイヤを前記インゴットに対して相対移動させて、当該ワイヤを前記インゴットから抜くようになったワイヤソー装置であって、
前記ワイヤソー装置は、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて切断する際に、前記ワイヤによる前記インゴット切断中に当該切断部分にかけるインゴット切断用クーラントを供給すると共に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向と反対方向に相対移動させて当該ワイヤを前記インゴットから抜く際に、前記インゴット切断用クーラントとは異なるワイヤ抜き用クーラントをかけるようになっており、
前記ワイヤ抜き用クーラントは、クーラント内に含有する半導体切削屑の割合がSS濃度で3%乃至0%のクーラントであることを特徴としている。
本発明の請求項1に係るワイヤソー装置によると、ワイヤソー装置のワイヤ抜き時にSS濃度が3%乃至0%のクーラントをかけながら、ワイヤ抜き動作を完了する。これにより、半導体の切削屑が半導体ウエハの表面に付着する度合いを従来の固定砥粒方式のワイヤソー装置に比べて格段に少なくすることができる。
その結果、後の粗洗浄に伴って配置する洗浄槽の洗浄槽を配置する段階数を減らしたり、例えば2ライン並列に構成された粗洗浄工程を1ラインにまとめたりすることが可能となる。これにより、粗洗浄にかかる装置の省スペースを図ると共に、粗洗浄自体の設備コスト、特にランニングコストを低減させることができる。
また、SS濃度の低いクーラント液で切削屑を除去することができるので、その後に、ウエハ切断面に切削屑が付着したままの半導体ウエハがそのまま仕上げ洗浄に向かうことが少なくなり、粗洗浄と仕上げ洗浄の間の搬送工程や詰め替え工程においていわゆるジャミングと呼ばれる半導体ウエハのつまりを防止することができる。
また、ウエハ切断面における半導体の切削屑の付着率を低下させることで、製品の外観検査段階において半導体ウエハが不合格とならないようにし、製品の歩留まりを向上させることが可能となり、コスト低減や現場の作業スケジュールの乱れを生じさせずに済む。
また、本発明の請求項2に係るワイヤソー装置は、請求項1に記載のワイヤソー装置において、
前記SS濃度が3%乃至0%である代わりに1%乃至0%であることを特徴としている。
本発明の請求項2に係るワイヤソー装置によると、クーラント濃度が、請求項1のように3%乃至0%であることに代えて、1%乃至0%となっていることで、ワイヤ抜き時における半導体ウエハの切断面への半導体の切削屑の付着をより確実に抑えることが可能となる。
また、本発明の請求項3に係るワイヤソー装置は、請求項1又は請求項2に記載のワイヤソー装置において、
半導体のインゴットから厚さの薄い半導体ウエハを複数枚製造する固定砥粒方式のワイヤソー装置において、
ワイヤをインゴットに対して特定の方向に相対移動させて当該インゴットを切断した後、前記特定の方向と逆方向に前記ワイヤを前記インゴットに対して相対移動させて、当該ワイヤを前記インゴットから抜くようになったワイヤソー装置であって、
前記ワイヤソー装置は、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて切断する際に、切断するワイヤ加工中に当該切断部分にかけるワイヤ切断用のクーラントを供給すると共に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向と反対方向に相対移動させて当該ワイヤを前記インゴットから抜く際に、前記インゴット切断用クーラントとは異なるワイヤ抜き用クーラントをかけるようになっており、
前記ワイヤ抜き用のクーラントは、前記インゴット切断時に一旦使用されリサイクルされたクーラントであってSS濃度が3%以下のクーラントであることを特徴としている。
請求項3に係るワイヤソー装置によると、インゴット切断時に一旦使用されリサイクルされたクーラントでSS濃度が3%以下のクーラントをかけながら、ワイヤ抜き動作を完了する。これにより、半導体の切削屑が半導体ウエハの表面に付着する度合いを従来の固定砥粒方式のワイヤソー装置に比べて格段に少なくすることができる。
その結果、後の粗洗浄に伴って配置される洗浄槽の段階数を減らしたり、例えば2ライン並列に構成された粗洗浄工程を1ラインにまとめたりすることが可能となる。これにより、粗洗浄にかかる装置の省スペースを図ると共に、粗洗浄自体の設備コスト、特にランニングコストを低減させることができる。
また、SS濃度の低いクーラント液で切削屑を除去することができるので、その後に、ウエハ切断面に切削屑が付着したままの半導体ウエハが仕上げ洗浄に向かうことが少なくなり、粗洗浄と仕上げ洗浄の間の搬送工程や詰め替え、外観検査工程においていわゆるジャミングと呼ばれる半導体ウエハのつまりを防止することができる。
また、インゴット切断時における半導体の切削屑の付着率を低下させることで、製品の外観検査段階において半導体ウエハが不合格とならないようにし、製品の歩留まりを向上させることが可能となり、コスト低減や現場の作業スケジュールの乱れを生じさせずに済む。
また、本発明の請求項4に係るワイヤソー装置は、請求項3に記載のワイヤソー装置において、
前記SS濃度が3%以下である代わりに1%以下であることを特徴としている。
本発明の請求項4に係るワイヤソー装置によると、リサイクルされたクーラント濃度が、請求項1のように3%以下であることに代えて、1%以下となっていることで、ワイヤ抜き時における半導体ウエハの切断面への半導体の切削屑が付着するのをより確実に抑えることが可能となる。
また、本発明の請求項5に係るワイヤソー装置は、
半導体のインゴットから厚さの薄い半導体ウエハを複数枚製造する固定砥粒方式のワイヤソー装置において、
ワイヤをインゴットに対して特定の方向に相対移動させて当該インゴットを半導体のウエハに切断した後、前記特定の方向と逆方向に前記ワイヤを前記インゴットに対して相対移動させて、当該ワイヤを前記インゴットから抜くようになったワイヤソー装置であって、
前記ワイヤソー装置は、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて切断する際に、前記ワイヤによる前記インゴット切断中に当該切断部分にかけるインゴット切断用のクーラントを供給すると共に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向と反対方向に相対移動させて当該ワイヤを前記インゴットから抜く際に、前記インゴット切断用クーラントとは異なるワイヤ抜き用クーラントをかけるようになっており、
前記ワイヤ抜き用クーラントは、インゴット切断時に使用されたクーラントを更にフィルタプレスを用いてリサイクルしたクーラントであることを特徴としている。
本発明の請求項5に係るワイヤソー装置は、インゴット切断時に使用されたクーラントを更にフィルタプレスを用いてリサイクルしたクーラントをワイヤ抜き用クーラントとして使用するので、クーラントのSS濃度を簡単な設備で確実に低下させることができ、高価な遠心分離機を使用せずに済む。
また、遠心分離機を使用した場合、分離した切削屑にクーラントが含まれるため、リサイクルされるクーラントに更に適切な量のクーラントを補給しなければならず、補充工程の時間とコストの点で問題が生じる。
しかしながら、本発明の請求項5に係るワイヤソー装置は、インゴット切断用クーラントをリサイクルしてワイヤ抜き用クーラントとする際にフィルタプレスを用いるため、フィルタプレスでクーラント内の半導体の切削屑を乾燥させた状態で廃棄するようになる。その結果、フィルタプレスで再生されたクーラントに再び加えるクーラントの量を最小限に抑えることができ、コスト低減と作業性の効率化を図ることができる。
また、本発明の請求項6に係る半導体ウエハの製造方法は、
固定砥粒方式のワイヤソー装置を用いて半導体のインゴットから厚さの薄い半導体ウエハを複数枚製造するワイヤソー装置を用いた半導体ウエハの製造方法において、
前記ワイヤソー装置の作動中に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて当該インゴットを切断した後、前記特定の方向と逆方向に前記ワイヤを前記インゴットに対して相対移動させて、当該ワイヤを前記インゴットから抜くようになったワイヤソー装置を用意する第1のステップと、
前記ワイヤソー装置の作動中に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて切断する際に、前記ワイヤによる前記インゴット切断中に当該切断部分にかけるインゴット切断用クーラントを供給する第2のステップと、
前記ワイヤソー装置の作動中に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向と反対方向に相対移動させて当該ワイヤを前記インゴットから抜く際に、前記インゴット切断用クーラントとは異なるワイヤ抜き用クーラントをかける第3のステップとを有し、
前記第3のステップにおいて使用するワイヤ抜き用クーラントは、クーラント内に含有する半導体切削屑の割合がSS濃度で3%乃至0%のクーラントであることを特徴としている。
このような半導体ウエハの製造方法を実施することで、半導体ウエハの切断面に半導体切削屑が付着する割合を極端に低下させることができ、その後の製造工程の簡略化を図ると共に、半導体ウエハの詰め替えや外観検査においてウエハ搬送中にいわゆるジャミングと呼ばれる半導体ウエハのつまりを防止することができる。その結果、低コストで歩留まりの高い半導体ウエハを製造することができるようになる。
本発明によると、例えば太陽電池やLED電球等の基板として広く用いられるシリコンウエハ等の半導体ウエハを、安価で効率良く、かつ製品歩留まりを上げながら製造することができるワイヤソー装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るワイヤソー装置の構成を示す概略図である。 図1に示したワイヤソー装置の第1変形例の構成を示す概略図である。 図1に示したワイヤソー装置の第2変形例の構成を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態に係るワイヤソー装置の構成を示す概略図である。 本発明の第1及び第2の実施形態に係るワイヤソー装置の変形例の構成を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係るワイヤソー装置の構成を示す概略図である。
以下、本発明の第1の実施形態に係るワイヤソー装置について、図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るワイヤソー装置の構成を示す概略図である。なお、以下の説明は、シリコンのインゴットをワイヤで切断して太陽電池やLED電球用の基板として利用されるシリコンウエハを複数枚製造する工程に関連したものとする。
本実施形態に係るワイヤソー装置1は、図1から明らかなように、ワイヤソー加工室11、ワイヤソー10の加工室11からインゴット切断に使用した後のクーラントを入れるインゴット切断用クーラントタンク20、ワイヤソー加工室11からインゴット切断に使用した後のクーラントをインゴット切断用クーラントタンク20に送る使用済みクーラント回収パイプ30、入口側がインゴット切断用クーラントタンク20内に配置されたクーラントリサイクル用循環パイプ40、及びクーラントリサイクル用循環パイプ40を介してリサイクルクーラントを貯めるワイヤ抜き用クーラントタンク50を備えている。なお、クーラントリサイクル循環パイプ40の出口側はワイヤ抜き用クーラントタンク50内に配置されている。
インゴット切断用クーラントタンク20の底部近傍には、インゴット切断用クーラントをワイヤソー10の加工室11に供給するインゴット切断用クーラント循環パイプ60の一端が配置され、このインゴット切断用クーラント循環パイプ60の他端は、3方電磁弁110の一方の流入ポートに接続されている。
ワイヤ抜き用クーラントタンク50の高さ方向略中央部には、クーラントをワイヤソー10の加工室11に供給するワイヤ抜き用クーラント循環パイプ70の一端が配置され、このワイヤ抜き用クーラント循環パイプ70の他端は、3方電磁弁110の他方の流入ポートに接続されている。
3方電磁弁110の出力ポートはリサイクルクーラント供給パイプ80の一端に接続され、リサイクルクーラント供給パイプ80の他端はワイヤソー10の加工室11のワイヤによるインゴット切断部近傍に配置されている。
インゴット切断用クーラントタンク20とワイヤ抜き用クーラントタンク50の間には、各クーラントタンクの上縁よりも高さが低くなっており、かつワイヤ抜き用クーラントタンク50の上縁近傍まで溜まってきたクーラントがインゴット切断用クーラントタンク20に流れ込むことができる堰190が設けられている。そして、ワイヤ抜き用クーラントタンク50の上縁近傍まで溜まってきたSS濃度の低いワイヤ抜き用クーラントの一部が堰190を介してインゴット切断用クーラントタンク20に流れ込むようになっている。これによって、SS濃度の低いワイヤ抜き用クーラントがワイヤソー10の加工室11から回収された比較的SS濃度の高いインゴット切断用クーラントに混ざって、このインゴット切断用クーラントのSS濃度を低くするようになっている。即ち、インゴット切断用クーラントタンクの下層部はシリコンの切削屑が溜まってSS濃度が高くなっているが、このようにシリコンの切削屑がクーラントタンクの下層部に沈殿しているため、インゴット切断用クーラントタンクの上層部は、SS濃度が低くなっている。この上層部にSS濃度の低いワイヤ抜き用クーラントが流れ込むことで、更にSS濃度が低くなる。なお、本発明におけるSS濃度とは、クーラント中に懸濁している固形物の割合のことであり、重量%で表わす。
クーラントリサイクル用循環パイプ40の途中には、フィルタプレス150が備わっている。フィルタプレス150は、リサイクルされたクーラントの切削屑に、圧力をかけながらこれをフィルタプレス150で濾過した後に加熱してケーク状になった切削屑を定期的に廃棄する設備である。即ち、フィルタプレス150を介して使用後のクーラントから殆ど除去されたリサイクルクーラントを切削屑内の水分と共にワイヤ抜き用クーラントタンク50に戻す一方、乾燥してケーク状になった切削屑を定期的に排出するようにしている。
フィルタプレス150によってリサイクルされたクーラントのSS濃度は、本実施形態の場合、少なくとも3%以下まで抑えるようになっている。また、濾過したシリコンの切削屑を乾燥させて回収したクーラントをワイヤ抜き用クーラントタンク50に戻すので、リサイクルされたクーラントの水分量を殆ど損なわずに済み、クーラントへの新たなクーラントの補充量及び補充にかかる時間を最低限に抑えることができる。
リサイクルクーラント供給パイプ80の途中には、ポンプ120と流量計130が直列に設けられている。ポンプ120は、3方電磁弁110の切換えによって選択されたインゴット切断用クーラント又はワイヤ抜き用クーラントをワイヤソー10の加工室11に一定の圧力設定した流量で供給するようになっている。
また、流量計130は、3方電磁弁110の切換えによって選択されたインゴット切断用クーラント又はワイヤ抜き用クーラントの流量であって、リサイクルクーラント供給パイプ80に流れる流量を常に監視している。流量計130には比重が測定できるコリオリ式等の流量計を用いるのが本発明においては望ましい。
そして、流量計130の出力によって、フィルタプレス150が適切な量のリサイクルクーラントを提供しているか、インゴット切断用クーラントタンク20やワイヤ抜き用クーラントタンク50に十分な量のリサイクルクーラントが溜まっているか、ポンプ120がその作動能力通りに適切に動いているか等のチェックを行う。
そして、ここではその構造を詳細には示さない3方電磁弁110の流入ポートをインゴット切断用クーラント循環パイプ60又はワイヤ抜き用クーラント循環パイプ70の何れかに切り替えることで、リサイクルクーラント供給パイプ80を介してインゴット切断用リサイクルクーラントかワイヤ抜き用リサイクルクーラントの何れかがワイヤソー10の加工室11に供給されるようになっている。
より具体的には、3方電磁弁110の流入ポートをインゴット切断用クーラント循環パイプ側に切り替えることで、ワイヤソー10の加工室11にインゴット切断用クーラントタンク内のリサイクルされたインゴット切断用クーラントを供給する。一方、3方電磁弁110の流入ポートをワイヤ抜き用クーラント循環パイプ側に切り替えることで、ワイヤソー10の加工室11にフィルタプレス150を介してリサイクルされたSS濃度3%以下のワイヤ抜き用クーラントを供給する。
なお、上述したようにフィルタプレス150に関してより性能も良いものを利用すれば、リサイクルされたワイヤ抜き用クーラントのSS濃度を1%以下に抑えることができる。
ワイヤソー10の加工室11には、本実施形態に係るワイヤソー装置1の一部が備わっている。本実施形態に係るワイヤソー装置1は、固定砥粒方式を採用している。この固定砥粒方式とは、上述したようにインゴット切断時に切断の供給する液体にスラリーを用いることなく、単なるクーラント液を用いる方式である。そして、樹脂ワイヤや金属のブレスメッキワイヤからなるワイヤ自体に、多数の砥粒を固着させた、近年新たに採用されつつある砥粒付着タイプのワイヤを用いてシリコンインゴットを切断するようになっている。
これによってクーラントは、シリコンインゴットをワイヤで切断する際には、主に冷却液及び潤滑剤の役目を果たすと共に、副次的に切削屑の回収除去の役目を果たしている。
このような本実施形態の固定砥粒方式を採用することで、タンク内の液体は、従来の遊離砥粒方式のようにクーラントとシリコンの切削屑と砥粒が混ざったスラリー状をなすことなく、オイルにシリコン切削屑が混ざった程度の比較的きれいな状態で使用済みのクーラントが回収される。
続いて、上述した第1の実施形態に係るワイヤソー装置の作用について説明する。第1の実施形態に係るワイヤソー装置1によると、ワイヤソー装置1のワイヤ抜き時にSS濃度が3%乃至0%のクーラントをかけながら、ワイヤ抜き動作を完了する。これにより、シリコンの切削屑がシリコンウエハの表面に付着する度合いを従来の固定砥粒方式のワイヤソー装置に比べて格段に少なくすることができる。その結果、後の粗洗浄に伴って配置する洗浄槽の洗浄槽を配置する段階数を減らしたり、例えば2ライン並列に構成された粗洗浄工程を1ラインにまとめたりすることが可能となる。これにより、粗洗浄にかかる装置の省スペースを図ると共に、粗洗浄自体の設備コスト、特にランニングコストを低減させることができる。
また、SS濃度の低いクーラント液で切削屑を除去することができるので、その後に、ウエハ切断面に切削屑が付着したままのシリコンウエハがそのまま仕上げ洗浄に向かうことが少なくなり、粗洗浄と仕上げ洗浄の間の搬送工程や詰め替え、外観検査工程におけるいわゆるジャミングと呼ばれるシリコンウエハのつまりを防止することができる。
また、ウエハ切断面におけるシリコンの切削屑の付着率を低下させることで、製品の外観検査段階においてシリコンウエハが不合格とならないようにし、製品の歩留まりを向上させることが可能となり、コスト低減や現場の作業スケジュールの乱れを生じさせずに済む。
続いて、上述した第1の実施形態の第1変形例について説明する。図2は、図1に示したワイヤソー装置の変形例を示す図である。なお、第1の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付してその詳細な説明を省略する。
図2から分かるように、本変形例は図1の構成とは異なり、ポンプ121,122をインゴット切断用クーラント循環パイプ60とワイヤ抜き用クーラント循環パイプ70のそれぞれに設けている。また、インゴット切断用クーラント循環パイプ60とワイヤ抜き用クーラント循環パイプ70のそれぞれに3方電磁弁111,112を有している。本変形例では、インゴット切断用クーラントとワイヤ抜き用クーラントの物理的性質が互いに異なる点(SS濃度が互いに異なる点)に着目して、それぞれのクーラントの物理的特性に対応可能なポンプ121,122及び3方電磁弁111,112をそれぞれ別個に使用することで、ポンプ121,122及び3方電磁弁111,112を少ないメンテナンス数で長期間にわたって使用するようにしている。
続いて、上述した第1の実施形態の第2変形例について説明する。なお、第1の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付してその詳細な説明を省略する。
図3は、本発明の第1の実施形態の第2変形例に係るワイヤソー装置の構成を示す概略図である。具体的には、上述の第1の実施形態及びその第1変形例においては、3方電磁弁を設けて第3の循環パイプを介してインゴット切断用クーラント又はワイヤ抜き用クーラントの何れかを選択してワイヤソー加工室に供給したが、第1の実施形態の第2変形例においては、このような構成を有していない。即ち、第2変形例においては、ワイヤソー10の加工室11にインゴット切断用クーラントを供給する専用のインゴット切断用クーラント循環パイプ61と、ワイヤソー10の加工室11にワイヤ抜き用クーラントを供給する専用のワイヤ抜き用クーラント循環パイプ71とを並列に配置している。また、インゴット切断用クーラント循環パイプ61には、その途中にクーラント吸い上げ側から見てポンプ121、流量計131、電磁弁113が介装されている。一方、ワイヤ抜き用クーラント循環パイプ71には、その途中にクーラント吸い上げ側から見てポンプ122、流量計132、電磁弁114が備わっている。
このような構成を有することで、従来の他の実施形態及び各変形例のように、ワイヤ抜き工程において3方電磁弁の切り替え直後に上述したクーラントリサイクル循環パイプからインゴット切断用クーラントを、切断後のインゴットに当たらないように全て排出する特別の工夫をしなくても済む。
続いて、本発明の第2の実施形態に係るワイヤソー装置について、図面に基づいて説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係るワイヤソー装置の構成を示す概略図である。なお、第1の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2の実施形態に係るワイヤソー装置2は、第1の実施形態に係るワイヤソー装置1と異なり、フィルタプレス150の代わりに遠心分離機160を用いている。遠心分離機160は、本発明の作用を発揮するのに十分な性能を有する遠心分離機である。具体的には、使用済みのクーラントを遠心分離機160で分離することによって、クーラントのSS濃度を3%以下にできる性能を有している。
第2の実施形態に係るワイヤソー装置2によると、従来の遊離砥粒方式に使用するような大がかりでコスト高の遠心分離機を用いることなく、廉価な遠心分離機160で本発明の作用を発揮することができる。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態の第1及び第2変形例を適用することについては、その構成上困難性を有さない。
以上の第1及び第2の実施形態の説明においては、使用済みクーラント回収パイプ30、フィルタプレス150又は遠心分離機160、ワイヤ抜き用クーラントタンク50の間のリサイクルクーラントの送り動作は、クーラントリサイクル用循環パイプ40を介して行ったが、必ずしもこのようにする必要はなく、作業者が図5の二点鎖線で示す作業経路41を介してリサイクルクーラントを直接運搬しても良い。これは、第1の実施形態の第1及び第2変形例においても同様に適用可能である。
続いて、本発明の第3の実施形態に係るワイヤソー装置について、図面に基づいて説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係るワイヤソー装置の構成を示す概略図である。なお、第1の実施形態及びその各変形例並びに第2の実施形態と同等の構成については、対応する符号を付してその詳細な説明を省略する。
第3の実施形態に係るワイヤソー装置3は、第1及び第2の実施形態に係るワイヤソー装置のようにフィルタプレス150や遠心分離機160を備える代わりに、SS濃度が0%の新しいクーラントを供給する新クーラント供給パイプ90を備えている。新クーラント供給パイプ90の一端は、ワイヤ抜き用クーラントタンク内に配置される。そして、ワイヤ抜き用クーラントタンク50に上述の実施形態及び各変形例におけるリサイクルクーラントとは異なるSS濃度が0%の未使用のクーラントを供給するようになっている。
一方、インゴット切断用クーラント循環パイプ62は、3方電磁弁110の流入ポートの一方に接続されている。そして、シリコンインゴットの切断時にはインゴット切断用クーラントタンク20からインゴット切断用クーラント循環パイプ62を介してリサイクルされたクーラントが3方電磁弁110の一方の流入ポートに流入され、リサイクルクーラント供給パイプ80を介してワイヤソー10の加工室11に供給される。一方、ワイヤによるシリコンインゴットの切断終了後でワイヤ抜き時においては、新クーラント供給パイプ72を介してSS濃度0%の新しいクーラントが3方電磁弁110の他方の流入ポートに流入され、リサイクルクーラント供給パイプ80を介してワイヤソー10の加工室11に供給される。
本発明の第3の実施形態に係るワイヤソー装置3がこのような構成を有することで、SS濃度が0%の新しいクーラントをワイヤ抜き時に供給できるので、シリコンウエハの切断面に付着する切削屑の割合を格段に低下させることができ、本発明の作用を確実に発揮することが可能となる。
また、インゴット切断用クーラントタンク20内に回収された使用済みクーラント中に含まれる砥粒がタンク下部に沈殿することに加えて、ワイヤ抜き用クーラントタンク50に溜められたSS濃度0%のクーラントが、堰190を介してインゴット切断用クーラントタンク20に溜まったリサイクルクーラントの上層部に流入することで、インゴット切断用クーラントタンク20のSS濃度を効率良く低下させることができる。
続いて、上述した第1の実施形態の有する特有の作用を第2及び第3の実施形態と比較しながら再確認する。なお、第1の実施形態の第1及び第2変形例は、第1の実施形態の有する作用に加えて、付加的な作用をそれぞれ有することは既に述べた通りである。
第1の実施形態に係るワイヤソー装置1は、インゴット切断時に使用されたクーラントを更にフィルタプレス150を用いてリサイクルしたクーラントを用いるようになっているので、クーラントのSS濃度を格段に低下させるために、コストが高い遠心分離機を使用せずに済む。
また、遠心分離機を使用した場合、分離した切削屑にクーラントが含まれるため、リサイクルされるクーラントに更に適切な量のクーラントを補給しなければならず、補充工程の時間とコストの点で問題が生じる。しかしながら、第1の実施形態に係るワイヤソー装置1は、インゴット切断用クーラントをリサイクルしてワイヤ抜き用クーラントとする際にフィルタプレスを用いるため、フィルタプレスでシリコンの切削屑を乾燥させた状態でケーク状にして廃棄する。その結果、フィルタプレスで再生されたクーラントに再び加えるクーラントの量を最小限に抑えることができ、コスト低減と作業性の効率化を図ることができる。
ここで、第1及び第2の実施形態に係るワイヤソー装置1,2において、リサイクルされたクーラント濃度が、3%乃至0%であることに代えて、1%乃至0%とすることで、ワイヤ抜き時におけるシリコンウエハの切断面へのシリコン切削屑の付着をより確実に抑えることが可能となる。
なお、上述した実施形態においては、半導体のインゴットとしてシリコンを用いたが、本発明は、その加工対象物の材料に関してシリコンに限定されず、サファイアや炭化珪素等の半導体からなるインゴットを切断して一度に複数のウエハを製造する場合にも適用可能である。
1,2,3 ワイヤソー装置
10 ワイヤソー
11 ワイヤソー加工室
20 インゴット切断用クーラントタンク
30 使用済みクーラント回収パイプ
40 クーラントリサイクル用循環パイプ
41 作業経路
50 ワイヤ抜き用クーラントタンク
60 インゴット切断用クーラント循環パイプ
61 インゴット切断用クーラント循環パイプ
62 インゴット切断用クーラント循環パイプ
70 ワイヤ抜き用クーラント循環パイプ
71 ワイヤ抜き用クーラント循環パイプ
72 新クーラント供給パイプ
80 リサイクルクーラント供給パイプ
90 新クーラント供給パイプ
110,111,112 3方電磁弁
113,114 電磁弁
120,121,122 ポンプ
130,131,132 流量計
150 フィルタプレス
160 遠心分離機
190 堰

Claims (6)

  1. 半導体のインゴットから厚さの薄い半導体ウエハを複数枚製造する固定砥粒方式のワイヤソー装置において、
    ワイヤをインゴットに対して特定の方向に相対移動させて当該インゴットを切断した後、前記特定の方向と逆方向に前記ワイヤを前記インゴットに対して相対移動させて、当該ワイヤを前記インゴットから抜くようになったワイヤソー装置であって、
    前記ワイヤソー装置は、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて切断する際に、前記ワイヤによる前記インゴット切断中に当該切断部分にかけるインゴット切断用クーラントを供給すると共に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向と反対方向に相対移動させて当該ワイヤを前記インゴットから抜く際に、前記インゴット切断用クーラントとは異なるワイヤ抜き用クーラントをかけるようになっており、
    前記ワイヤ抜き用クーラントは、クーラント内に含有する半導体切削屑の割合がSS濃度で3%乃至0%のクーラントであることを特徴とするワイヤソー装置。
  2. 前記SS濃度が3%乃至0%である代わりに1%乃至0%であることを特徴とする、請求項1に記載のワイヤソー装置。
  3. 半導体のインゴットから厚さの薄い半導体ウエハを複数枚製造する固定砥粒方式のワイヤソー装置において、
    ワイヤをインゴットに対して特定の方向に相対移動させて当該インゴットを切断した後、前記特定の方向と逆方向に前記ワイヤを前記インゴットに対して相対移動させて、当該ワイヤを前記インゴットから抜くようになったワイヤソー装置であって、
    前記ワイヤソー装置は、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて切断する際に、切断するワイヤ加工中に当該切断部分にかけるワイヤ切断用のクーラントを供給すると共に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向と反対方向に相対移動させて当該ワイヤを前記インゴットから抜く際に、前記インゴット切断用クーラントとは異なるワイヤ抜き用クーラントをかけるようになっており、
    前記ワイヤ抜き用のクーラントは、前記インゴット切断時に一旦使用されリサイクルされたクーラントであってSS濃度が3%以下のクーラントであることを特徴とするワイヤソー装置。
  4. 前記SS濃度が3%以下である代わりに1%以下であることを特徴とする、請求項3に記載のワイヤソー装置。
  5. 半導体のインゴットから厚さの薄い半導体ウエハを複数枚製造する固定砥粒方式のワイヤソー装置において、
    ワイヤをインゴットに対して特定の方向に相対移動させて当該インゴットを半導体のウエハに切断した後、前記特定の方向と逆方向に前記ワイヤを前記インゴットに対して相対移動させて、当該ワイヤを前記インゴットから抜くようになったワイヤソー装置であって、
    前記ワイヤソー装置は、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて切断する際に、前記ワイヤによる前記インゴット切断中に当該切断部分にかけるインゴット切断用のクーラントを供給すると共に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向と反対方向に相対移動させて当該ワイヤを前記インゴットから抜く際に、前記インゴット切断用クーラントとは異なるワイヤ抜き用クーラントをかけるようになっており、
    前記ワイヤ抜き用クーラントは、インゴット切断時に使用されたクーラントを更にフィルタプレスを用いてリサイクルしたクーラントであることを特徴とするワイヤソー装置。
  6. 固定砥粒方式のワイヤソー装置を用いて半導体のインゴットから厚さの薄い半導体ウエハを複数枚製造するワイヤソー装置を用いた半導体ウエハの製造方法において、
    前記ワイヤソー装置の作動中に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて当該インゴットを切断した後、前記特定の方向と逆方向に前記ワイヤを前記インゴットに対して相対移動させて、当該ワイヤを前記インゴットから抜くようになったワイヤソー装置を用意する第1のステップと、
    前記ワイヤソー装置の作動中に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向に相対移動させて切断する際に、前記ワイヤによる前記インゴット切断中に当該切断部分にかけるインゴット切断用クーラントを供給する第2のステップと、
    前記ワイヤソー装置の作動中に、前記ワイヤを前記インゴットに対して特定の方向と反対方向に相対移動させて当該ワイヤを前記インゴットから抜く際に、前記インゴット切断用クーラントとは異なるワイヤ抜き用クーラントをかける第3のステップとを有し、
    前記第3のステップにおいて使用するワイヤ抜き用クーラントは、クーラント内に含有する半導体切削屑の割合がSS濃度で3%乃至0%のクーラントであることを特徴とするワイヤソー装置を用いた半導体ウエハの製造方法。

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