JP2013188711A - 膜濾過装置及び膜濾過方法 - Google Patents

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晃司 山田
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Abstract

【課題】膜を用いてSS成分を含む被処理液からSS成分を濾過分離するにあたり、膜の目詰まりを抑制して、長期間の運転を可能にする膜濾過装置の提供。
【解決手段】SS成分を含有する被処理液からSS成分を分離するための膜濾過ユニット、被処理液を膜濾過ユニットに供給する加圧手段、前記被処理液を前記加圧手段に供給するための配管(a)、加圧された被処理液を膜濾過ユニットに供給するための配管(b)、前記膜濾過ユニットによりSS成分が分離された処理液を取り出す配管(c)、および膜濾過ユニットに供給する被処理液の供給圧力を周期的に変動させることのできる圧力変動手段、を備えた膜濾過装置において、前記圧力変動手段および/または前記加圧手段は、被処理液の供給圧力が、0.5〜5秒の範囲の周期で、平均差圧を中心として上下5%以上変動するように構成されていることを特徴とする膜濾過装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、SS成分(Suspended Solids; 浮遊物質、懸濁物質)を含有する廃水などの被処理液から、膜を用いてSS成分を分離するための膜濾過装置及び該膜濾過装置を用いる膜濾過方法に関する。
半導体や太陽電池用として広く用いられているシリコンインゴッドを切断して薄板を製造する過程において、インゴッドとワイヤソーとの接触面にクーラントまたはクーラントに砥粒を混合したスラリーを供給しつつ、ワイヤソーを移動させながらインゴッドを薄板状に切断することが行われている。クーラントの使用方法としては、加工用クーラントの貯留タンクを設け、工作機械にクーラントを送液し、加工部位を流れたクーラントを回収して貯留タンクに戻す循環方式の採用が主流となっている。加工に使用したクーラントには切削屑や研磨屑などの微細な粒子(以下、SS成分と記載することがある。)が混入しているので、ク−ラントを繰り返し使用するにつれて、加工精度が低下し、不良品が発生しやすくなるという問題が発生する。このため、使用したクーラントを全量交換するか、一部を廃棄して新液を補充しながら再使用することが行われている。クーラントの全量交換はコストの上昇となり、一部交換では、SS成分が残留しているので、残留SS成分による加工精度の問題や加工機械が傷つくことによるメンテナンスの問題がある。
上記のプロセスを改良する試みとして、クーラントを回収して再利用することが検討されている。特許文献1では、金属の加工工程で使用されたクーラントに含まれている、遠心分離、沈降分離等によっては除去できないSS成分を、中空糸膜を用いて濾過することによりクーラントを浄化し、中空糸膜で濾過された濾過液を金属加工のクーラントとして再利用する方法が開示されている。
膜を用いてSS成分を分離する膜濾過装置においては、SS成分による膜の目詰まりが起こり、長期の運転が困難であるという欠点を生じる。この点について、特許文献2では、被処理液を分離膜モジュールに移送する圧力発生装置を含む膜濾過装置に、圧力変動機材を加え、この圧力変動機材による圧力変動周波数を分離膜(セラミックフィルター)の固有振動数になるように調整して(108〜194Hz)、被処理液を処理することにより、SS成分が分離膜表面に堆積・圧密状態になるのを抑制する方法が開示されている。
特開2001−149760号公報 特開2007−268494号公報
特許文献1に開示されている方法では、分離膜ユニットに供給される液の圧力は一定であり、含まれる金属材料粒子の濃度の高い領域においては、逆洗を駆使しながら運転しても比較的短期間で膜の目詰まりが発生し、膜濾過が出来なくなるため、頻繁に膜交換をせざるを得ないという問題がある。
特許文献2に開示されている方法では、分離膜モジュールの膜前後の瞬間差圧を大きくするために、圧力発生装置を加振源として配管系内に形成される圧力定在波の腹部分に分離膜を置き、圧力定在波の節部分にポンプを置く必要があり、膜濾過装置設計上の制約が大きいという問題がある。
また、圧力変動周波数が分離膜の固有振動数になるように調整する必要があるが、固有振動数は分離膜の素材、形状等により変化し、また、圧力変動の周波数によって、他の部材が共振したり、流れの中で干渉し合うことがあり、その調整が容易ではないという問題がある。
したがって、本発明の課題は、SS成分を含む被処理液から、膜を用いてSS成分を分離するにあたり、膜の目詰まりを抑制しながら長時間運転することを可能にするとともに、分離膜モジュールやポンプなどの膜濾過装置の構成要素の配置について設計上の大きな制約を受けることなく、また、ユーザが容易に取り扱うことのできる膜濾過装置および該膜濾過装置を用いた膜濾過方法を提供することである。
本発明者は、膜を用いてSS成分を高濃度に含有する被処理液からSS成分を分離する膜濾過装置において、膜面に供給される被処理液の圧力を一定ではなく、所定の周期で変動させることにより、膜面に付着したSS成分を膜面から離れさせて、膜の目詰まりが発生するまでの時間を画期的に延長でき、膜モジュールを交換することなく、長期の運転が可能になることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1の構成は、下記の構成からなる膜濾過装置である。
SS成分を含有する被処理液からSS成分を分離するための膜濾過ユニット、
前記被処理液を膜濾過ユニットに供給する加圧手段、
前記被処理液を前記加圧手段に供給するための配管(a)、
前記加圧手段により加圧された被処理液を前記膜濾過ユニットに供給するための配管(b)、
前記膜濾過ユニットによりSS成分が分離された処理液を取り出す配管(c)、および
前記膜濾過ユニットに供給する被処理液の供給圧力を周期的に変動させることのできる圧力変動手段を備えた、被処理液中に含まれるSS成分を分離する膜濾過装置において、
前記圧力変動手段および/または前記加圧手段は、被処理液の供給圧力が、0.5〜5秒の範囲の周期で、平均差圧を中心として上下5%以上変動するように構成されていることを特徴とする膜濾過装置。
本発明において、平均差圧とは、計測器で定期的に測定・記録した圧力のデータの最大値と最小値を規定し、その中間の圧力を指しており、平均差圧、圧力変動の振幅および周期は、膜濾過装置入口における値である。
上記の本発明の膜濾過装置において、前記加圧手段は、圧力変動手段を兼ね備えていることが好ましく、この場合、前記加圧手段は、ダイヤフラムポンプまたはベローズポンプであることが好ましい。
上記の本発明の膜濾過装置において、前記膜濾過ユニットが、中空糸膜モジュールを具備していることが好ましい。
本発明の第2の構成は、前記の膜濾過装置を用いた膜濾過方法である。
従来、被処理液の供給は圧力変動を伴うことなく一定圧力下で供給するということを当然のこととして行われていたが、本発明においては、被処理液の供給圧力を周期的に大きく変動させることにより、膜面に付着したSS成分を剥離させることができ、SS成分が膜の内部に浸透するのを防ぐことが出来るので、膜の目詰まりが抑制され、膜モジュールの交換をすることなく、長期の運転が可能になった。
本発明においては、被処理液の供給圧力を、0.5〜5秒(2〜0.2Hz)の周期で、平均差圧を中心にして上下に5%以上変動させて行う。すなわち、特許文献2に開示されている20〜200Hzの周期とは異なり長い周期で、大きな圧力変動により、膜面に付着した、または付着しつつあるSS成分を剥離させることにより、膜の目詰まりを抑制して、モジュール交換頻度を下げることにより、膜濾過の効率を飛躍的に高めることができる。
本発明の膜濾過装置では、膜濾過ユニットやポンプなどの装置構成要素の配置について、設計上の大きな制約がなく、また、圧力変動周波数が分離膜の固有振動数になるように頻繁に調整する必要もないので、本発明は、取り扱い性に優れた膜濾過装置及び該膜濾過装置を用いる膜濾過方法を提供する。
本発明に係る膜濾過装置の第1実施態様の概要を示す模式図である。 本発明に係る膜濾過装置の第2実施態様の概要を示す模式図である。
(SS成分)
本発明において、SS成分とは、被処理液中に含まれ、被処理液中で、浮遊したり、懸濁したりする物質を意味する。かかる物質としては、汚泥、無機微粒子、有機性不溶物などが挙げられ、肉眼では確認できない微小な浮遊物質やコロイド状で分散する微粒子も含まれる。これらのSS成分の種類、大きさ、量などは、被処理液の種類により様々である。
微粒子としては、フュームドシリカ、コロイダルシリカなどの二酸化ケイ素、酸化ジコニウム、酸化チタン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、二酸化マンガン、アルミナ、セリア(酸化セリン)、シリコン切削屑や研磨屑などの微粒子が挙げられる。有機性不溶物としては、煎茶などの抽出液に含まれている煎茶の微量固形物や粉砕された食品屑などが挙げられる。
(被処理液)
上記のSS成分を含有する廃水としては、電子産業工場、化学工場、食品工場、メッキ工場からの各種廃水が挙げられるが、より具体的には、ガラス基板やレンズの研磨工程からの廃水、シリコンウエハ製造におけるコロイダルシリカなどの研磨剤粒子を含む研磨工程廃水、シリコンインゴッドを切断してシリコン薄板を製造する切断工程からの廃水などが挙げられる。
(膜濾過装置)
本発明の膜濾過装置(1)は、図1および図2に示されているように、下記の構成要素から構成されている。
SS成分を含有する被処理液からSS成分を分離するための膜濾過ユニット(2)
前記被処理液を膜濾過ユニットに供給する加圧手段(3、3’)
前記被処理液を前記加圧手段に供給するための配管(a)(4)
前記加圧手段により加圧された被処理液を前記膜濾過ユニットに供給するための配管(b)(5)
前記膜濾過ユニットによりSS成分が分離された処理液を取り出す配管(c)(6)
前記膜濾過ユニットに供給する被処理液の供給圧力を周期的に変動させることのできる圧力変動手段
(3、11)
上記の構成要素に加えて、配管(b)に圧力計(7)を配備して、前記膜濾過ユニットに導入される被処理液の圧力変動を測定して、運転を管理することが好ましい。
被処理液タンク(8)に入れられているSS成分を含有する被処理液は、配管(a)(4)を通り、加圧手段(3、3’)により加圧されて、配管(b)(5)を通って、膜濾過ユニット(2)に導入される。その際、被処理液は、加圧手段(3)により加圧されるとともに所定周期の所定変動幅の圧力変動が与えられて、または、加圧手段(3’)により加圧され、電磁開閉弁などの圧力変動手段(11)により圧力変動が加えられて、膜濾過ユニット(2)に供給され、被処理液中のSS成分の分離が行われる。膜濾過された処理液は、配管(c)(6)を通って処理液タンク(9)に送液され、膜により分離されなかったSS成分を含むスラッジは回収タンク(10)に導かれる。なお、一度の濾過操作により濾過されなかった濃縮液をさらに濾過する場合には、被処理液タンクと回収タンクを兼ねた一つのタンクとして、液を循環させながら、循環濾過を行ってもよい。
(膜濾過ユニット)
1本または複数本の膜モジュールが直列または並列に配置されて容器に収納されたものであり、膜としては、中空糸膜、管状膜、スパイラル状膜、平膜など、各種形状の分離膜を使用することが可能であるが膜濾過面積を大きく取れるという観点で、中空糸タイプが望ましい。
濾過方式としては、高濃度のSS成分を含有する被処理液を扱う場合には、膜の目詰まりの観点から、内圧式よりも外圧式の濾過方式が好ましく、外圧循環濾過方式であることがさらに好ましい。外圧循環濾過方式を採用する場合、膜濾過ユニットは、膜濾過ユニットに供給された被処理液の一部が被処理液タンクに戻るための配管を有する場合がある。
(分離膜)
分離膜を形成する素材としては、特に限定されず、要求特性に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、エチレンービニルアルコール共重合体系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリパーフルオロエチレン系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられ、他成分を共重合したもの、他の素材をブレンドしたもの、親水化処理などの処理をしたものでもよい。
中空糸膜を束ねて中空糸膜エレメントが構成され、このエレメントを容器に装填して中空糸膜モジュールが構成されるが、一般的に中空糸膜のエレメントは、被処理液に多く含まれるSS成分の影響で、中空糸膜間へのSS成分の付着が起こりやすいため、中空糸の一方の端部のみ固定された片末端フリーの構造が好ましく、さらには樹脂で固定される中空糸は、5mm以上の線状の隙間をもって断続的な模様で固定樹脂に植えられた構造をとることが好ましい。このような構造の膜エレメントを用いることによって、中空糸膜間に隙間ができ、SS成分が膜間に滞留することなく、より安定的な液供給を行うことが出来る。
中空糸の両端部が樹脂で固定されている場合、中空糸と中空糸の間に入り込んだSS成分が、一方の端部を固定する樹脂部分で堰き止められ、膜エレメント内部をSS成分で詰まらせてしまう可能性がある。
(加圧手段)
本発明において、用いられる加圧手段としては、圧力変動が可能で、供給水に脈動を与えることを可能にする、すなわち、圧力変動機能を有する、脈動型のポンプ、なかでも、プランジャーポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、ベローズポンプなどの往復運動式のポンプを用いることが可能である。
また、圧力変動手段が加圧手段と別個に設けられる場合には、加圧手段は、上記のポンプだけでなく、ターボ型のポンプなどを用いることができる。
図1に示す実施態様においては、加圧手段(3)としてダイヤフラムポンプが用いられ、このポンプが圧力変動手段を兼ねている。圧力変動手段としては、加圧手段と別個に、後述の電磁開閉弁などを用いることも可能であるが、圧力変動周期のコントロール性、安定性に加え長期間の運転に対する耐久性などを考慮し、ダイヤフラムポンプが好適に用いられる。
(圧力変動手段)
加圧手段と別に設けられる圧力変動手段は、配管(b)において、加圧手段の下流で、濾過膜ユニット及び圧力計の上流の位置に設けられる。該圧力変動手段としては、配管(b)を周期的に開閉することにより脈動が発生することのできる部材が用いられ、具体的には、ロータリー弁、電磁開閉弁などが挙げられる。なかでも、圧力変動の大きさ、周期の調整が容易な点で電磁開閉弁が好ましい。図2に示す実施態様においては、加圧手段として、ターボ型のポンプ(3’)などが用いられ、圧力変動手段としてポンプから膜ユニットへ送液する配管に電磁開閉弁(11)が設けられて、電磁開閉弁(11)の開閉によって液流を一定周期で変化させることにより圧力変動をさせている。
(圧力変動幅および変動周期)
膜に与える圧力変動は、平均差圧を中心として上下5%以上の圧力変動を与えることが必要であり、より好ましくは10〜50%である。圧力が変動することによって、必然的に液の供給速度も変化する。圧力変動が5%未満の場合は、供給される液の速度等が十分でなく、付着した膜の目詰まりが剥離しにくい傾向がある。一方、圧力変動の上限は特に限定できないが、100%を超える圧力変動を与えると中空糸膜へのダメージが懸念されるため好ましくない。
また、上記の圧力変動の周期は、膜の目詰まり防止効果が高い観点から、0.5〜5秒であることが必要であり、コストおよび装置のコンパクト性の観点から、0.5〜2秒であることがより好ましい。
被処理液に所定の変動周期で所定の圧力変動幅を与えるためには、加圧手段として、例えば、ダイヤフラムポンプが所定の変位幅および変位間隔で動くダイヤフラムを有しているものを選定することが好ましく、ダイヤフラムポンプの容積変化幅の大小が脈動の変動幅の大小になり、容積変化の周期が脈動の変化周期となる。また、圧力変動手段として、例えば、電磁開閉弁が所定の開閉頻度で所定の開度で開くものを選定することが好ましく、電磁開閉弁の開閉の程度と開閉頻度が圧力変動幅の大きさと周期を決める。
(圧力計)
本発明の膜濾過装置においては、加圧手段、圧力変動手段から膜濾過ユニットに被処理液を送液する配管(b)上、膜濾過ユニットの近くに、圧力計が置かれているのが好ましい。この圧力計により被処理液に所定の圧力変動が、所定の周期で与えられて被処理液が膜濾過ユニットに供給されていることをチェックすることができる。
さらに、圧力計の測定データをコントローラーに送信して、コントローラーにより圧力変動幅および周期が所定の範囲内になるように、加圧手段(ダイヤフラムによる容積変化幅、変化間隔)および/または圧力変動手段(電磁開閉弁の開度、開閉間隔)を制御することもできる。
ここで、本発明者は、膜ユニットへの供給液の脈動が膜の目詰まりを抑制する効果として、液の脈動による液流の加速度が寄与しているものと推測している。一定の圧力、流速で供給される液と異なり、脈動させることにより発生する流速の加速度によって、膜表面に付着する固形分を掻き落す効果が増加し、膜表面が常に更新されるものと考えている。
(膜濾過装置の適用例)
本発明に係る膜濾過装置の適用の具体例として、シリコンインゴッドなどの金属材料を切断して薄板を製造する過程における、砥粒や切削屑・研磨屑などの微細な粒子(SS成分)の混合したクーラント廃液(被処理液)から、クーラント回収のための、上記砥粒など(SS成分)の分離を示す。
(クーラント廃液に含まれるSS成分)
半導体、太陽電池などの電子部品に使用される金属材料の加工方式には、クーラントに炭化ケイ素などの砥粒を混ぜて加工を行う遊離砥粒方式と、ワイヤソーにダイヤモンド粒子を固着して切断する固定砥粒方式とがある。
いずれの方式で加工を行った場合にも、クーラント廃液には、SS成分として、金属材料粒子だけでなく、例えば金属材料がシリコンの場合には、シリコンの微粒子が水と反応して超微細なコロイダルシリカを生成していることが考えられる。さらに、遊離砥粒方式で加工を行った場合には、比較的粒子径の大きい炭化ケイ素などの砥粒も含まれている。いずれのクーラント廃液であっても、本発明に係る膜濾過装置を用いて膜濾過を行うことが出来るが、遊離砥粒方式で加工を行った場合においては、砥粒および金属材料粒子をそれぞれ回収し、再利用するという観点でまず砥粒を予め遠心分離機などで除去、回収する場合が多い。
固定砥粒方式で加工を行った場合においては、砥粒は含まれていないので、この廃液は膜濾過がそのまま適用可能であるが、いずれの場合においても、本発明の膜濾過装置に供給するクーラント廃液のSS成分の濃度(以下、固形分濃度と記載することがある。)は低い方が好ましい(一般的に10重量%以下、より好ましくは4重量%以下)ため、一般的に公知である他の方法(遠心分離や沈殿分離、フィルタープレスなど)により固形分濃度を予め低下させる処理を行ってから、本発明に係る膜濾過装置によるSS成分の分離を行うことが好ましい。
金属加工に用いられる金属材料としては、シリコンインゴッド、ガリウム砒素インゴッド、希土類焼結合金などの金属材料などが例示される。これらの金属材料を切断・切削・研磨する加工工程においてクーラントが使用され、加工後には、上記SS成分を含むクーラント廃液が発生する。クーラントを再使用可能にするためには、クーラント廃液中のSS成分をできるだけ除去することが必要であるが、クーラント廃液には、通常、SS成分が10〜30重量%の濃度で含まれており、SS成分の粒径は、切断に用いるワイヤソーの太さを含めた切断条件によっても異なるが、およそ0.01〜30μmの広範囲に分布している。
このようなSS成分は、先に述べた遠心分離、沈降分離等によりある程度除去できるが、遠心分離等の分離のみでは、完全な除去は困難で、特に粒径0.1μm以下の粒子を分離することはできない。そのため、分離膜に供給されるクーラント廃液に含まれるSS成分は0.1μm以下の粒子が中心となる場合が多い。
(クーラント)
金属材料を切断、切削、研磨などの金属加工を施す場合に、加工対象の金属材料にクーラントを流しながら行われる。クーラントとしては、防錆剤や界面活性剤を主成分とする水性クーラント、エチレングリコールなどの水溶性油剤と水とを混合したクーラント、防錆油、灯油、潤滑油などがベースになった油系クーラントが挙げられる。本発明は、上記のいずれのクーラントについても、回収・再利用を可能とするものであるが、粘度は低い方が好ましく、10〜30cPの範囲であれば好ましく濾過することができる。よって、必要に応じてクーラントを加温することによって粘度を下げて膜濾過を行う場合がある。
(膜濾過)
上記SS成分を含むクーラント廃液を、例えば遠心加速度が3000Gの遠心分離により、主に粒径0.1μm以上のSS成分を分離して固形分濃度が4重量%以下の一次処理液を作製し、その後、この一次処理系を被処理液として本発明に係る膜濾過装置による分離を行い、SS成分である金属材料粒子を分離除去し、クーラント含有液を製造する。
再生クーラントは、求められる固形分濃度により、上記のように膜濾過されたものだけを再生クーラントとしてもよいし、遠心分離後の一次処理液の一部を取り出して膜濾過を行い、その後膜濾過液と一次処理液の残りを混合してもよいし、さらには、膜濾過した後に濃縮される液を再度遠心分離してSS成分を除去した後に、その液と膜濾過液を混合してもよい。
(分離膜精度)
クーラントの再生に用いる分離膜としては、濾過後の再生クーラントに含まれるSS成分の濃度許容範囲や、膜濾過速度(透過流速)などによって選択されるが、分離膜の分離精度を細かくすると、膜自体の目詰まりは発生しにくくなるものの透過流速が遅くなるため必要量のクーラント回収再生がしづらくなり、逆に大きくすると短時間で目詰まりが発生し、更に大きくすると小さい粒径の粒子が通過して濾過液の固形分濃度が高くなり、さらに目詰まりが発生するという傾向がある。一般的には、分離精度が0.2〜5μmの範囲内にあるものを用いる場合が多く、より好ましくは1〜4μmの範囲内である。分離精度は高いほど清澄化の度合いも高いが、クーラントは粘度の高い物が多いため分離膜の透過量を確保するには、分離精度が2μm以上のものが望ましい。なお、ここで、分離膜の分離精度とは、分離膜により粒子の90重量%が阻止できる粒子の大きさを示す。
(逆洗)
濾過処理により、濾過膜表面にスラッジ(SS成分含有液)が付着し、濾過能力が低下してくると、定期的に逆洗を行い、濾過能力を回復させることが望ましい。すなわち、逆洗方式としては、気体(空気、窒素など)逆洗、液体逆洗が挙げられ、適宜選択可能であるが、逆洗後に回収クーラントの組成が変わらない点で気体逆洗が好ましい。液体逆洗を採用する場合は、クーラントや濾過処理水、水道水などの清浄な水、なかでもクーラントや濾過処理水を逆洗水として処理水側に圧送し、洗浄用水を処理水側から原水側へと濾過膜を原水の濾過方向とは逆方向に通過させ、濾過膜表面に付着したスラッジを剥離除去することが望ましい。なお、剥離除去されたスラッジは、沈降式、遠心分離式、フィルター式などの方法により固液分離し、クーラントのさらなる回収および金属材料粒子の回収を行うことができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例によりなんら限定されるものではない。
<実施例1>
(被処理液)
シリコンインゴッドを、ワイヤソーを用いて切断(クーラントとして、ジエチレングリコール70重量%、水29重量%、その他添加剤として、消泡剤、キレート剤、防錆剤が合計1重量%からなる配合物を使用、砥粒としては平均粒径10μmの炭化ケイ素を使用)した。その際、発生したクーラント廃液は、固形分濃度15重量%であった。このクーラント廃液を遠心分離機(ジー・フォース ジャパン株式会社製、製品番号MG−50型)にて3000Gの遠心力を60分間作用させ、砥粒を主とするSS成分を除去した。得られたクーラント廃液の一次処理液の固形分濃度は3.5重量%であった。その後、この一次処理液を被処理液として、下記の膜濾過ユニットに供給した。
(膜濾過ユニット)
分離精度が2μmの親水化ポリフッ化ビニリデン中空糸膜(外径2mm、内径1.6mm)を約1000本束ね、片端のみをポリウレタン樹脂で固定、もう一端は目詰めのみでフリーにした、濾過面積が1.8mの中空糸膜エレメント1本を装着した膜濾過ユニットを用いて、膜濾過を行った。
(膜濾過)
図1に示す膜濾過装置を用いて、膜濾過を行った。濾過方式は、外圧循環濾過方式(図1に示されているように、被処理液の一部が配管(a)に戻されている)で、液供給を120秒間行って膜濾過をし、エアーによって5秒間の逆洗を行うというサイクルを繰り返しながら膜濾過を行った。液の供給はダイヤフラムポンプを用いて行い、濾過圧力(平均差圧)を10kPa(循環線速度0.1m/sec)に調整した。圧力変動は±15%、脈動周期は1.1秒になるようにダイヤフラムポンプを制御した。この処理により、運転開始30分後の透過流速は4.2L/h・mで濾過液が得られた。その後膜濾過を継続し、20時間後の透過流速を測定したが、4.1L/h・mであり、ほぼ同じ値を維持していた。
<実施例2>
実施例1において、脈動周期が0.5秒になるようにダイヤフラムポンプを制御した以外は、同様にして膜濾過を行った。その結果、運転開始30分後の透過流速は4.2L/h・mで濾過液が得られた。その後膜濾過を継続し、20時間後の透過流速を測定したが、3.9L/h・mであり、ほぼ同じ値を維持していた。
<実施例3>
実施例1において、脈動周期が2秒になるようにダイヤフラムポンプを制御した以外は、同様にして膜濾過を行った。その結果、運転開始30分後の透過流速は4.2L/h・mで濾過液が得られた。その後膜濾過を継続し、20時間後の透過流速を測定したが、3.8L/h・mであり、ほぼ同じ値を維持していた。
<比較例1>
実施例1において、ダイヤフラムポンプを用いて同じ圧力変動±15%を、0.2秒の周期にて与えて、被処理液を膜濾過ユニットに供給した以外は、同様にして膜濾過を行った。その結果、運転開始30分後の透過流速は4.1L/h・mで膜濾過された処理液が得られたが、5時間後には透過流速が1.9L/h・m2まで低下しており、20時間後には、1.3L/h・mまで低下していた。
<比較例2>
ラインポンプを用いて脈動のない状態で被処理液を供給した以外は、実施例1と同じ濾過圧力(循環線速度)で膜濾過を行った。その結果、運転開始30分後の透過流速がすでに3.6L/h・mまで低下しており、2時間後には1.8L/h・mまで低下していたため、運転を中止した。
本発明により、膜を用いて、SS成分を高濃度に含む廃液などの被処理液からSS成分を効率よく分離することのできる膜濾過装置及びその装置を用いる膜濾過方法が提供される。この膜濾過装置及び膜濾過方法は、電子産業工場、化学工場、食品工場、メッキ工場からの各種廃液処理に利用可能性があるので、分離膜分野、廃液処理分野などの種々の産業分野において利用可能性がある。とくに、半導体、太陽電池など、電子部品に使用される金属材料の加工により発生する金属材料粒子を含むクーラント廃液から、高品質のクーラントの回収を安定的に行い、クーラントの再利用を可能にする。
以上の通り、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 膜濾過装置
2 膜濾過ユニット
3 加圧手段(ダイヤフラムポンプ)
3’ 加圧手段(ポンプ)
4 配管(a)
5 配管(b)
6 配管(c)
7 圧力計
8 被処理液タンク
9 処理液タンク
10 回収タンク
11 電磁開閉弁

Claims (5)

  1. SS成分を含有する被処理液からSS成分を分離するための膜濾過ユニット、
    前記被処理液を膜濾過ユニットに供給する加圧手段、
    前記被処理液を前記加圧手段に供給するための配管(a)、
    前記加圧手段により加圧された被処理液を前記膜濾過ユニットに供給するための配管(b)、
    前記膜濾過ユニットによりSS成分が分離された処理液を取り出す配管(c)、および
    前記膜濾過ユニットに供給する被処理液の供給圧力を周期的に変動させることのできる圧力変動手段、
    を備えた、被処理液中に含まれるSS成分を分離する膜濾過装置において、
    前記圧力変動手段および/または前記加圧手段は、被処理液の供給圧力が、0.5〜5秒の範囲の周期で、平均差圧を中心として上下5%以上変動するように構成されていることを特徴とする膜濾過装置。
  2. 前記加圧手段は、圧力変動手段を兼ね備えている、請求項1に記載の膜濾過装置。
  3. 圧力変動手段を兼ね備えている前記加圧手段が、ダイヤフラムポンプまたはベローズポンプである、請求項2に記載の膜濾過装置。
  4. 前記膜濾過ユニットが、中空糸膜モジュールを具備している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の膜濾過装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置を用いた膜濾過方法。
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