JP2012002863A - 現像装置およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像剤搬送路内に現像剤を撹拌しながら搬送する現像剤搬送部材および現像剤掻出部材を備え、現像剤搬送路が、第1および第2現像剤搬送路P、Qを両側で連通させる第1および第2連通路a、bとを有し、第1および第2現像剤搬送路P、Q内に配置された第1および第2現像剤搬送螺旋部材112、113を有し、現像剤掻出部材が、第1連通路aに配置されて第1現像剤搬送路P内の現像剤を第2現像剤搬送路Q内へ送る第1現像剤掻出部材118Aと、第2連通路bに配置されて第2現像剤搬送路Q内の現像剤を第1現像剤搬送路P内へ送る第2現像剤掻出部材118Bとを有し、現像剤を第1現像剤搬送路Pと第2現像剤搬送路Qの間で循環させるように構成した現像装置。
【選択図】図3
Description
この現像剤は、トナーとキャリアとからなり、それらを現像装置の現像剤槽内で撹拌することによりトナーとキャリアとが摩擦し、この摩擦によって適正に帯電したトナーが得られる。
現像装置において、帯電したトナーは、現像ローラの表面に供給され、静電的吸引力によって現像ローラから感光体ドラムの表面に形成された静電潜像に移動する。
これにより、感光体ドラム上に静電潜像に基づいたトナー像が形成される。
そのため、従来技術1として、現像剤槽内に設けられた仕切り板によって区画された第1および第2現像剤搬送路と、第1現像剤搬送路と第2現像剤搬送路とを両端側で連通させる第1および第2連通路と、第1および第2現像剤搬送路内に配置されて相互に逆方向に現像剤を搬送する第1および第2オーガスクリューとを備えた循環方式の現像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
第1現像剤搬送路には上流端から下流端まで第1オーガスクリューが配置され、第2現像剤搬送路には上流端から下流端まで第2オーガスクリューが配置されるため、各連通路の第3および第4オーガスクリューと第1および第2オーガスクリューとは互いに接触しないように設計されている。つまり、各現像剤搬送路と各連通路との直角に交わる交差部において、第1および第2オーガスクリューの回転軸に対して第3および第4オーガスクリューの回転軸の高さを違えると共に、各オーガスクリューの螺旋羽根を省略した設計となっている。
そのため、従来技術2の現像装置は、第1および第2現像剤搬送路の上流端および下流端の四隅に現像剤が滞留し易くなっている。
その結果、十分な量の現像剤が現像ローラを介して感光体ドラムに供給され難くなり、記録媒体に印刷された画像の濃度が低下するという問題が生じる。
トナーとキャリアとを含む現像剤が収容される現像剤槽と、
該現像剤槽内にトナーを補給するためのトナー補給口と、
該現像剤槽内に設けられ現像剤を担持した状態で回転しながら静電潜像が形成された感光体ドラムの表面にトナーを供給するための現像ローラと、
該現像ローラの軸方向と平行な仕切り板によって区画された第1現像剤搬送路および現像ローラ側の第2現像剤搬送路と、第1および第2現像剤搬送路とを前記軸心方向の両側で連通させる第1および第2連通路とを有してなる現像剤搬送路と、
前記第1および第2現像剤搬送路に配置された第1および第2現像剤搬送部材と、
前記第1および第2連通路のうちの少なくとも一方に回転可能に配置された現像剤掻出部材とを備え、
前記第1および第2現像剤搬送部材は、回転軸と、該回転軸の外周面に取り付けられた螺旋羽根と、前記回転軸における現像剤の搬送方向下流側の一端に取り付けられた周方向回転羽根とを有してなり、
前記第1および第2現像剤搬送部材の前記螺旋羽根が回転して相互に逆方向に現像剤を搬送し、かつ前記第1および第2現像剤搬送部材の前記周方向回転羽根にて前記搬送方向下流側で現像剤を軸心廻りに撹拌し、かつ前記現像剤掻出部材が前記周方向回転羽根と非接触で回転して一方の現像剤搬送路内の現像剤を他方の現像剤搬送路へ搬送することにより、現像剤を第1現像剤搬送路と第2現像剤搬送路の間で循環させるように構成された現像装置が提供される。
そのため、第1現像剤搬送路の最下流に搬送された現像剤が現像剤槽の下流側内壁面に押し付けられることによって受ける圧力を緩和しストレスを低減することができる。
第2連通路に現像剤掻出部材を設けた場合も同様である。
これらの結果、第1および第2現像剤搬送路の下流側において、現像剤の流動性の低下を低減しながら現像剤を滞留させることなくスムーズに第1および第2連通路側へ移動させることができる。
前記現像剤掻出羽根は、現像剤の流動性の低下を低減しながら現像剤を滞留させることなく一方の現像剤搬送路から他方の現像剤搬送路へよりスムーズに移動させることができる観点から、第1および第2連通路の両方に設けられていることが好ましい。
以下、単に「現像剤搬送部材」という場合は第1および第2現像剤搬送部材のうちの一方または両方を指し、単に「現像剤搬送路」という場合は第1および第2現像剤搬送路のうちの一方または両方を指し、単に「連通路」という場合は第1および第2連通路のうちの一方または両方を指すものとする。
(1)前記現像剤掻出部材は、前記回転軸と平行に回転可能に設けられた短軸と、該短軸に等しい中心角度で放射状にかつ同一円周上に設けられた複数枚の突出片からなる掻出羽根を有してなる。
このようにすれば、一方の現像剤搬送路の下流端から連通路へ向かう現像剤の流れが均一になると共に、連通路を通過して他方の現像剤搬送路へ向う現像剤の流れが均一になる。
(2)前記(1)の場合、前記周方向回転羽根は、前記回転軸に等しい中心角度で放射状にかつ同一円周上に設けられた複数枚の突出片からなる撹拌羽根とを有してなる。
このようにすれば、連通路を通過して他方の現像剤搬送路へ向う現像剤の流れがさらに均一になる。
なお、掻出羽根と撹拌羽根の回転エリア内に互いの突出片が進入する場合、それらの突出片が互いに衝突しないように各突出片の形状、配置、突出寸法、中心角度、回転速度等を調整する。
つまり、軸方向から見た掻出羽根の回転エリアと撹拌羽根の回転エリアが重なるように現像剤掻出部材と現像剤搬送部材を配置し、隣接する2組みの掻出羽根の突出片間で1組の撹拌部材が回転するように構成する。
よって、軸方向から見た掻出羽根と撹拌羽根の回転エリア内に互いの突出片が進入し合っても、互いの突出片同士が衝突することはない。
さらに、現像剤掻出部材の短軸と現像剤搬送部材の回転軸との間隔を小さくすることができると共に、現像剤掻出部材を配置する連通路を短くすることができ、この結果、現像剤槽をコンパクト化することができる。
比W/Gが0.8より小さいと、隣接する2組みの掻出羽根の突出片と、それらの間を回転する1組の撹拌部材の突出片との間の隙間が大きくなって現像剤の受け渡し効率が低下し、比W/Gが0.9より大きいと前記隙間が小さくなって現像剤へのせん断力(ストレス)が強くなる。
比W/Gを0.8〜0.9とすることにより、現像剤の受け渡し効率の向上と現像剤へのせん断力(ストレス)の抑制を両立できる。
比M/Dが0.5より小さいと、前記掻出羽根と前記回転軸との間の最小隙間が大きくなって現像剤の受け渡し効率が低下し、比M/Dが0.95より大きいと前記隙間が小さくなって現像剤へのせん断力(ストレス)が強くなる。
比M/Dを0.5〜0.9とすることにより、現像剤の受け渡し効率の向上と現像剤へのせん断力(ストレス)の抑制を両立でき、比M/Dは0.8〜0.9がさらに好ましい。
このようにすれば、現像剤掻出部材によって、現像剤搬送方向に対して逆向きに押し戻される現像剤の量を低減できるため、連通路における現像剤の滞留を低減することができる。
このようにすれば、撹拌羽根によって汲み上げられる現像剤が、掻出羽根によって現像剤搬送方向に移動させられるため、撹拌羽根上部の現像剤の滞留を低減することができる。
図1は本発明の現像装置を備えた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
この画像形成装置100は、複数の現像装置2a〜2dがケーシング内に収容された現像装置収容部100Aと、定着装置12がケーシング内の現像装置収容部100Aの上方に収容された定着装置収容部100Bと、それらの間に設けられて定着装置12の熱が現像装置側に伝わらないように断熱するための隔壁30とを備え、外部から伝達される画像データに応じてシート状の記録媒体(記録用紙)に多色または単色の画像を形成することができるプリンターである。
なお、定着装置収容部100Bの横に位置する現像装置収容部100Aの上面は排紙トレイ15とされている。
現像装置収容部100Aには、図1に示すように、4つの感光体ドラム3a、3b、3c、3dと、各感光体ドラム3a〜3dの表面を帯電させる4つの帯電器(帯電装置)5a、5b、5c、5dと、各感光体ドラム3a〜3dの表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)1と、黒、シアン、マゼンタおよびイエローのトナーを個別に収容して各感光体ドラム3a〜3dの表面の静電潜像を現像してトナー像を形成する4つの現像装置2a、2b、2c、2dと、現像および画像転写後の各感光体ドラム3a〜3dの表面に残存する残留トナーを除去するクリーナユニット4a、4b、4c、4dと、各現像装置2a〜2dに前記4色のトナーを個別に補給する4つのトナー補給装置22a、22b、22c、22dと、各感光体ドラム3a〜3dの表面のトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトユニット(転写装置)8と、中間転写ベルトクリーニングユニット9等が収容されている。
なお、a〜dを有する符号で示された各部材において、aは黒画像形成用の部材、bはシアン画像形成用の部材、cはマゼンタ画像形成用の部材、dはイエロー画像形成用の部材である。
各色に対応する感光体ドラム3a〜3dは同じ構成であるため、それらの構成の説明では符号を3に統一し、これと同様に、現像装置は符号を2、帯電器は符号を5、クリーナユニットは符号を4、トナー補給装置は符号を22に統一して説明する。
感光体ドラム3は、導電性基体およびその表面に形成される感光層から構成され、帯電と露光による潜像形成を担う円筒状部材であり、光の照射によって導電性を示し、その表面に静電潜像とよばれる電気的な画像が形成される。
感光体ドラム3は、軸線回りに回転駆動が可能となるよう図示しない駆動手段により支持されている。
露光ユニット1は、画像データに応じた光を、帯電器5と現像装置2との間を通過させて、帯電された感光体ドラム3の表面に照射して露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
実施形態1においては、露光ユニット1として、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)を使用した場合を例示しているが、発光素子をアレイ状に並べたEL(エレクトロルミネッセンス)またはLED書込みヘッドを用いることもできる。
図2は図1で示した現像装置の概略拡大断面図であり、図3は図2のA−A線断面矢視図であり、図4は図2のB−B線断面矢視図であり、図5は図3のC−C線断面矢視図であり、図6は図3のD−D線断面矢視図である。なお、これらの図において、現像剤槽111内に収容されている現像剤は図示省略している。
さらに、第1現像剤搬送路Pと第2現像剤搬送路Qとは前記軸心方向の両側の第1連通路aと第2連通路bによって連通している。
よって、第1および第2現像剤搬送路P、Qと第1および第2連通路a、bが1つの環状現像剤搬送路となっている。
この現像剤槽カバー115には、第1現像剤搬送路Pにおける現像剤搬送方向(矢印X方向)の上流側に未使用のトナーを補給するためのトナー補給口115aが形成されている。
また、現像剤槽111は、第2現像剤搬送路Q側の側壁と現像剤槽カバー115の下端縁との間に開口部を有しており、その開口部の位置に現像ローラ114が回転可能にかつ感光体ドラム3との間に所定の現像ニップ部Nをもって配置されている。
ドクターブレード116は、現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる長方形の板状部材であって、その下端116bは現像剤槽111の開口部の下端縁に固定され、かつその上端116aは現像ローラ114の表面に対して所定の間隙をもって離間している。
ドクターブレード116の材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、合成樹脂等が挙げられる。
図7は図3および図4で示された第1現像剤搬送部材の一端部の拡大図であり、図8は図3および図4で示された第1現像剤掻出部材の拡大図である。
図2〜図7に示すように、第1現像剤搬送部材(以下、「第1搬送部材」という場合がある)112は、第1現像剤搬送路P内に平行かつ回転可能に設けられた第1回転軸112cと、第1回転軸112cの外周面に固定された螺旋羽根(オーガスクリュー)112aと、第1回転軸112cにおける螺旋羽根112aよりも現像剤搬送方向(矢印X方向)の下流側端部に設けられた周方向回転羽根112bと、第1回転軸112cにおける周方向回転羽根112bよりも現像剤搬送方向(矢印X方向)の下流側端部に設けられた第1ギア112dとから構成されている。
第1回転軸112bの下流側端部は、現像剤槽111の長手方向側の一側壁を貫通しており、現像剤槽111の外部へ突出した前記端部に第1ギア112dが固定されている。
一方、周方向回転羽根112bは、第1回転軸112cに等しい中心角度で放射状にかつ同一円周上に設けられた複数枚の突出片112b11からなる撹拌羽根112b1を有しており、第1連通路aを臨む位置に配置されている。
実施形態1の場合、1組の撹拌羽根112b1は、第1回転軸112cに中心角度90°で放射状にかつ同一円周上に4枚の長方形突出片112b11が設けられることにより構成されている。
さらに実施形態1の場合、撹拌羽根112b1は第1回転軸112cに沿って等間隔で3組み配置されている。すなわち、周方向回転羽根112bは、第1回転軸112cに沿って等間隔で3組みの撹拌羽根112b1が配置されることにより構成されている。
螺旋羽根113aは第1連通路aを臨む位置から第2連通路bの手前位置に亘って設けられている。
なお、第1搬送部材112の螺旋羽根112aと第2搬送部材113の螺旋羽根113aの螺旋の巻回方向は同じである。
すなわち、周方向回転羽根113bは、第2回転軸113cに中心角度90°で放射状にかつ同一円周上に設けられた4枚の突出片113b11からなる撹拌羽根113b1が、第1回転軸113cに沿って等間隔で3組み配置されることにより構成されている。
よって、第1搬送部材112の螺旋羽根112aと第2搬送部材113の螺旋羽根113aとは相対的に逆回転するため、図3に示すように、第1現像剤搬送路P内の現像剤は回転方向に撹拌されながら矢印X方向に搬送され、第2現像剤搬送路Q内の現像剤は回転方向に撹拌されながら矢印Y方向に搬送される。
あるいは、第1搬送部材112の螺旋羽根112aと第2搬送部材113の螺旋羽根113aの螺旋の巻回方向を相対的に逆向きとし、第1および第2ギア112d、113dを同じ駆動ギアに噛合させて同じ方向に回転させることによっても、現像剤は第1現像剤搬送路Pと第2現像剤搬送路Qで逆方向に搬送されるため、現像装置2をこのように構成してもよい。
図3〜図8に示すように、第1現像剤掻出部材(以下、「第1掻出部材」という場合がある)118Aは、第1連通路aの第1現像剤搬送路P側であって第1回転軸112bの斜め上方位置で平行かつ回転可能に設けられた第1短軸118Abと、第1短軸118Abに沿って所定間隔で複数組み配置された第1掻出羽根118Aaと、第1短軸118Abの一端に設けられた第3ギア118Acとから構成されている。
第1短軸118Abは、第1回転軸112bの斜め上方近傍位置に配置されるよう、現像剤槽111の長手方向の一側壁に回転可能に支持されており、その一端は、現像剤槽111の長手方向の前記一側壁を貫通している。
なお、現像剤槽111内に突出した部分の第1短軸118Abの長さは、第1連通路aの開口幅よりも短い。
実施形態1の場合、第1掻出部材118Aにおいて、第1短軸118Abに沿って等間隔で3組みの第1掻出羽根118Aaが設けられている。
この第3ギア118Acは、例えば、第1搬送部材112の第1ギア112cを駆動する図示しない前記第1駆動ギアと噛合することにより、第1ギア112cの回転方向と同じ方向に同期して回転する。
さらに詳しくは、第1ギア112cと第3ギア118Acは同じギアからなり、同じ回転数で回転する。
すなわち、第1ギア112cと第3ギア118Acとから、第1回転軸112bと第1短軸118Abとを同期して同じ回転数で回転させる回転機構部が構成されている。
第2短軸118Bbは、第2回転軸113bの斜め上方近傍位置に配置されるよう、現像剤槽111の長手方向の他側壁に回転可能に支持されており、その一端は、現像剤槽111の長手方向の前記他側壁を貫通している。
この第4ギア118Bcは、例えば、第2搬送部材113の第2ギア113eと噛合する図示しない伝達ギアと噛合することにより、第2ギア113eの回転方向と同じ方向に同期して回転する。
さらに詳しくは、第2ギア113eと第4ギア118Bcは同じギアからなり、同じ回転数で回転する。
すなわち、第2ギア113eと第4ギア118Bcとから、第2回転軸113bと第2短軸118Bbとを同期して同じ回転数で回転させる回転機構部が構成されている。
図3〜図6および図9に示すように、第1掻出部材118Aの各掻出羽根118Aaと第1搬送部材112の各撹拌羽根112b1とは軸方向に交互に配列する位置にある。
換言すると、軸方向から見た掻出羽根118Aaの回転エリアA2と撹拌羽根112b1の回転エリアA1が重なるように第1掻出部材118Aと第1搬送部材112は配置されており、軸方向に隣接する2組みの掻出羽根118Aaの突出片118Aa1間で1組の撹拌羽根112b1が回転するようになっている。
よって、軸方向から見た掻出羽根118Aaと撹拌羽根112b1の回転エリア内A2、A1に互いの突出片118Aa1、112b11が進入し合っても衝突することはない。
比W/Gを0.8〜0.9とすることにより、撹拌羽根112b1により汲み上げられる現像剤を掻出羽根118Aaに受け渡す効率の向上と現像剤へのせん断力(ストレス)の抑制を両立できる。
また、第1掻出部材118Aの短軸118Abと第1搬送部材112の回転軸112cとの間の軸間距離Dに対する掻出羽根118Aaと回転軸112cとの間の最小隙間寸法Mの比M/Dが0.5〜0.95に設定されており、実施形態1では0.9に設定されている。
比M/Dを0.5〜0.9とすることによっても、現像剤の受け渡し効率の向上と現像剤へのせん断力(ストレス)の抑制を両立できる。
なお、これらの比W/Gおよび比M/Dについては第2搬送部材113および第2掻出部材118Bも同様である。
図10に示すように、第1搬送部材112と第1掻出部材118Aの回転に伴って、第1連通路aの現像剤dは第1搬送路Pから第2搬送路Qに向けて滞留することなく速やかに搬送される(図3参照)。
また、図10の場合と同様に、第2搬送部材113と第2掻出部材118Bの回転に伴って、第2連通路bの現像剤は第2搬送路Qから第1搬送路Pに向けて滞留することなく速やかに搬送される(図3、図6参照)。
トナー濃度検知センサ119は、図示しないトナー濃度制御手段に電気的に接続されている。
トナー濃度制御手段は、トナー濃度検知センサ119が検知するトナー濃度測定値に応じて、後述するトナー補給装置22(図11参照)のトナー排出部材122を回転駆動させ、トナーをトナー排出口123から排出して現像装置2の第1現像剤搬送路P内に供給するように制御する。
トナー濃度検知センサ119としては、例えば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサ等の一般的なトナー濃度検知センサを使用することができ、これらの中でも、透磁率検知センサが好ましい。
この電源は、透磁率検知センサを駆動させるための駆動電圧およびトナー濃度の検知結果を制御手段に出力するための制御電圧を、透磁率検知センサに印加する。
電源による透磁率検知センサへの電圧の印加は、制御手段によって制御される。
透磁率検知センサは、制御電圧の印加を受けてトナー濃度の検知結果を出力電圧値として出力する型式のセンサであり、基本的に出力電圧の中央値近傍の感度がよいため、その付近の出力電圧が得られるような制御電圧を印加して用いられる。
このような型式の透磁率検知センサは市販されており、例えば、TDK社製の商品名TS−L、TS−A、TS−Kなどが挙げられる。
図11は実施形態1の現像装置におけるトナー補給装置を示す概略断面図であり、図12は図11のE−E線断面矢視図である。
図11と図12に示すように、トナー補給装置22は、トナー排出口123を有するトナー収容容器121と、トナー攪拌部材125と、トナー排出部材122とを備え、その内部に未使用のトナーが収容される。
トナー補給装置22は、現像剤槽111の上方に配置されており(図1参照)、そのトナー排出口123と、現像装置2のトナー補給口115a(図2参照)とが、トナー搬送パイプ102にて接続されている。
トナー攪拌部材125はトナー収容容器121の半円筒状部分の略中央位置に回転可能に配置されており、トナー排出部材122はトナー排出口123の上方近傍位置に回転可能に配置されている。
このとき、トナー汲み上げ部材125bは、その可撓性によって、トナー収容容器121の内壁に沿って摺動して変形しつつ回転し、トナーをトナー排出部材122側に供給する。
なお、トナー排出部材122とトナー攪拌部材125との間には、トナー攪拌部材125によって汲み上げられたトナーがトナー排出部材122の周辺に適量のトナーを保持できるように、トナー排出部材隔壁124が設けられている。
ギア122cは、図示しない駆動手段の駆動ギアと噛合している。
トナー排出口123はトナー排出部材122によってトナーを搬送する方向の下流側に配置されている。
トナー排出部材122が回転することにより、トナーは螺旋羽根122によってトナー排出口123側に向けて搬送され、トナー排出口123からトナー搬送パイプ102を介して現像剤槽111内へ供給される。
次に、図1〜図6を参照しながら現像装置2の作動について説明する。
画像形成装置の現像工程においては、図5および図6に示すように、現像装置2の現像ローラ114、第1・第2搬送部材112、113および第1・第2掻出部材118A、118Bがそれぞれ矢印方向に回転する。
このとき、第1現像剤搬送路P内の現像剤が第1搬送部材112によってその回転周方向に撹拌されながら矢印X方向(図3、図4参照)に搬送されて下流側の撹拌羽根112bへ送られると共に、第2現像剤搬送路Q内の現像剤が第2搬送部材113によってその回転周方向に撹拌されながら矢印Y方向(図3参照)に搬送されて下流側の撹拌羽根113bへ送られる。
これと同時に、第1現像剤搬送路P内の下流側の現像剤が撹拌羽根112bから第1掻出部材118Aの掻出羽根118Aaへ受け渡されることによって矢印X方向に対して直角方向に掻き出されてスムースに第2現像剤搬送路Qへ送られると共に、第2現像剤搬送路Q内の下流側の現像剤が撹拌羽根113bから第2掻出部材118Bの掻出羽根118Baへ受け渡されることによって矢印Y方向に対して直角方向に掻き出されてスムースに第1現像剤搬送路Pへ送られる。
このように、現像剤槽111内の現像剤は第1現像剤搬送路Pと第2現像剤搬送路Qの間で循環し、現像剤のトナーはキャリアとの摩擦により十分に帯電する。
現像ローラ114に供給される現像剤は、ドクターブレード116によって現像ローラ114の外周面に均一な所定厚みの現像剤層となって感光体ドラム3(図2参照)へ送られ、現像剤層から一部のトナーが感光体ドラム3へ供給され、その後、トナー濃度が低下した現像剤が現像ローラ114から第2現像剤搬送路Q内の現像剤と混合する。
したがって、第2現像剤搬送路Q内の現像剤のトナー濃度は徐々に低下していく。
図1に示すように、各感光体ドラム3の上方に配置された中間転写ベルトユニット8は、中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7を張架して図1の矢印B方向に回転駆動させるための中間転写ローラ6a、6b、6c、6d(以下、符号を6に統一して説明する)、駆動ローラ71、従動ローラ72およびベルトテンション機構(図示省略)と、駆動ローラ71の横に近接して配置された転写ローラ11とを備える。なお、各中間転写ローラ6は、ベルトテンション機構におけるローラ取付部に回転可能に支持されている。
さらに、中間転写ベルトユニット8の従動ローラ72側には中間転写ベルトクリーニングユニット9が配置されている。
中間転写ベルト7は、厚さが例えば100〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されており、その外側の面上に、各感光体ドラム3に形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されてカラートナー像(多色トナー像)が形成される。
中間転写ローラ6は、直径が例えば8〜10mmの金属軸(例えばステンレス製)と、金属軸の外周面を覆う導電性の弾性材層によって覆われている。
この導電性の弾性材層の材料としては、例えば、カーボンブラックなどの導電剤を含むエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)、発泡ウレタン等が挙げられる。
中間転写ローラ6の金属軸には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加され、これによって中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。
本実施の形態では、転写電極として中間転写ローラ6を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
一方、記録媒体もシート搬送路Sを通って転写部に搬送され、転写ローラ11によって記録媒体が中間転写ベルト7側へ押し付けられることにより、中間転写ベルト7上のトナー像が記録媒体上に転写される。
この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで互いに圧接されると共に、転写ローラ11にはトナー像を記録媒体に転写させるためのトナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加される。
また、中間転写ベルト7と転写ローラ11との前記ニップが定常的に得られるよう、転写ローラ11と駆動ローラ71の何れか一方は金属といった硬質材料から形成され、他方はゴムや発泡樹脂等の軟質材料から形成される。
中間転写ベルトクリーニングユニット9は、中間転写ベルト7に接触して残留トナーを除去するクリーニングブレードと、除去されたトナーを回収するトナー回収部とを備えている。なお、中間転写ベルト7におけるクリーニングブレードに接触している部分は、従動ローラ72にて支持されている。
図1に示すように、シート搬送路Sは、給紙トレイ10および手差しトレイ20から後述する定着装置12を通って排紙トレイ15に通じており、その周辺には、ピックアップローラ16a、16b、搬送ローラ25a〜25f(以下、符号を25に統一して説明する)、レジストローラ14、転写ローラ11、定着装置12等が配置されている。
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進および補助するための小型ローラであり、シート搬送路Sに沿って複数対設けられている。
ピックアップローラ16aは、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシート状の記録媒体(記録用紙)を1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
ピックアップローラ16bは、手差しトレイ20の近傍に備えられ、手差しトレイ20から記録媒体を1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されている記録媒体を一旦保持し、中間転写ベルト7上のトナー像の先端と記録媒体の先端とを合わせるタイミングで、記録媒体を転写部に搬送するものである。
図1に示すように、定着装置収容部100Bに収容された定着装置12は、トナー画像が転写された記録媒体を挟んで相互に逆方向に回転するヒートローラ81および加圧ローラ82と、搬送ローラ25bと、排紙ローラ25cとを備えている。
ヒートローラ81は、所定の定着温度となるように図示しない制御部によって制御される。なお、この制御部は、図示しない温度検出器からの検出信号に基づいてヒートローラ81の温度を制御する。
定着温度に昇温したヒートローラ81と加圧ローラ82は、記録媒体に圧接してトナーを溶融することにより、記録媒体上にトナー画像を定着させる。
トナー像が定着された記録媒体は、搬送ローラ25bと排紙ローラ25cによってシート搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態(トナー像を下側に向けた状態)で排紙トレイ15上に排出される。
実施形態1の第1搬送部材112と第1掻出部材118Aにおける周方向回転羽根112bと掻出羽根118Aaは、それらの突出片112b11、118Aa1が互いに接触しないよう軸方向に交互に位置をずらして配列された構成であるが(図9参照)、周方向回転羽根112bと掻出羽根118Aaはこのような構成に限定されるものではない。
例えば、周方向回転羽根112bの軸方向に並ぶ3枚の突出片112b11および掻出羽根118Aaの軸方向に並ぶ3枚の突出片118Aa1をそれぞれ連続的に一体化した1枚の突出片に変更してもよい。この場合、周方向回転羽根112bと掻出羽根118Aaはそれらの突出片が互いに接触しない方向およびタイミングで回転する。例えば、図5における周方向回転羽根112bを逆回転させる。
なお、第2搬送部材113と第2掻出部材118Bにおける周方向回転羽根113bと掻出羽根118Baについても同様である。
2、2a〜2d 現像装置
3、3a〜3d 感光体ドラム
5、5a〜5d 帯電器(帯電装置)
8 中間転写ベルトユニット(転写装置)
12 定着ユニット(定着装置)
22、22a〜22d トナー補給装置
100 画像形成装置
100A 現像装置収容部
100B 定着装置収容部
111 現像剤槽
112 第1現像剤搬送部材(第1搬送部材)
112a 螺旋羽根
112b 周方向回転羽根
112b1 撹拌羽根
112b11 突出片
113 第2現像剤搬送部材(第2搬送部材)
113a 螺旋羽根
114 現像ローラ
115a トナー補給口
118A 第1現像剤掻出部材(第1掻出部材)
118Aa 第1掻出羽根
118Aa1 突出片
118B 第2現像剤掻出部材(第2掻出部材)
118Ba 第2掻出羽根
P 第1現像剤搬送路
Q 第2現像剤搬送路
Claims (10)
- 表面に静電潜像が形成される感光体ドラムを備えた電子写真方式の画像形成装置に装着される現像装置であって、
トナーとキャリアとを含む現像剤が収容される現像剤槽と、
該現像剤槽内にトナーを補給するためのトナー補給口と、
該現像剤槽内に設けられ現像剤を担持した状態で回転しながら静電潜像が形成された感光体ドラムの表面にトナーを供給するための現像ローラと、
該現像ローラの軸方向と平行な仕切り板によって区画された第1現像剤搬送路および現像ローラ側の第2現像剤搬送路と、第1および第2現像剤搬送路とを前記軸心方向の両側で連通させる第1および第2連通路とを有してなる現像剤搬送路と、
前記第1および第2現像剤搬送路に配置された第1および第2現像剤搬送部材と、
前記第1および第2連通路のうちの少なくとも一方に回転可能に配置された現像剤掻出部材とを備え、
前記第1および第2現像剤搬送部材は、回転軸と、該回転軸の外周面に取り付けられた螺旋羽根と、前記回転軸における現像剤の搬送方向下流側の一端に取り付けられた周方向回転羽根とを有してなり、
前記第1および第2現像剤搬送部材の前記螺旋羽根が回転して相互に逆方向に現像剤を搬送し、かつ前記第1および第2現像剤搬送部材の前記周方向回転羽根にて前記搬送方向下流側で現像剤を軸心廻りに撹拌し、かつ前記現像剤掻出部材が前記周方向回転羽根と非接触で回転して一方の現像剤搬送路内の現像剤を他方の現像剤搬送路へ搬送することにより、現像剤を第1現像剤搬送路と第2現像剤搬送路の間で循環させるように構成されたことを特徴とする現像装置。 - 前記現像剤掻出部材が、前記第1および第2連通路の両方に配置されている請求項1に記載の現像装置。
- 前記現像剤掻出部材は、前記回転軸と平行に回転可能に設けられた短軸と、該短軸に等しい中心角度で放射状にかつ同一円周上に設けられた複数枚の突出片からなる掻出羽根を有してなる請求項1または2に記載の現像装置。
- 前記周方向回転羽根は、前記回転軸に等しい中心角度で放射状にかつ同一円周上に設けられた複数枚の突出片からなる撹拌羽根とを有してなる請求項3に記載の現像装置。
- 前記掻出羽根が前記短軸に沿って所定間隔で複数組み配置されると共に、前記撹拌羽根が前記回転軸に沿って所定間隔で複数組み配置されており、これらの前記掻出羽根と前記撹拌羽根とは軸方向に交互に配列する位置にある請求項4に記載の現像装置。
- 軸方向に隣接する2つの前記掻出羽根間の距離Gに対する前記撹拌羽根の前記突出片の軸方向の幅Wの比W/Gが、0.8〜0.9である請求項5に記載の現像装置。
- 前記現像剤掻出部材の前記短軸と前記現像剤搬送部材の前記回転軸との間の軸間距離Dに対する前記掻出羽根と前記回転軸との間の最小隙間寸法Mの比M/Dが、0.5〜0.95である請求項5または6に記載の現像装置。
- 前記現像剤掻出部材において、前記短軸が前記回転軸よりも高い位置に配置され、かつ前記掻出羽根の前記突出片が上方から前記撹拌羽根の方へ向かって回転する請求項3〜7のいずれか1つに記載の現像装置。
- 前記撹拌羽根の前記突出片が下方から前記掻出羽根の方へ向かって回転する請求項8に記載の現像装置。
- 表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと、該感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置と、前記感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する露光装置と、前記感光体ドラムの表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する請求項1〜9のいずれか1つに記載の現像装置と、該現像装置にトナーを補給するトナー補給装置と、前記感光体ドラムの表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備えた画像形成装置。
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