JP2012002708A - 超音波ガスメータ - Google Patents

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Abstract

【課題】計測流路内に水等が浸入した場合、早期に異常を検知する安全性の高い超音波ガスメータを提供することを目的とする。
【解決手段】ガスが通過する計測流路5の天面の上流側と下流側に一対の超音波センサ13、14が設置され、計測流路5の底面に超音波信号が反射するための反射部15を設け、反射部15を凹陥形状としたものである。これにより、計測流路5に水等が浸入したときに、少量の水量であっても早期段階で反射部15に水が貯留し、超音波信号が不安定となり増幅度の上昇、流量値の変動が生じるため制御装置12が異常判定し、ガスの供給を停止するため、浸水による誤計測を早期に検出し、誤計測を行なう期間を短縮することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波を用いて流量計測を行なう超音波ガスメータに関し、特に雨水等の浸水による誤計測の防止に関するものである。
従来、この種の超音波ガスメータは、図5に示すようにガスが流入する流入口28と流出する流出口29を有し、相対向して短辺および長辺を有する矩形の流路30と、前記流路30の同一短辺に第一の超音波センサ31と第二の超音波センサ32が設置され、超音波信号を対向面で反射させて超音波信号の送受信を行ない、超音波信号の伝搬時間を計測する計測制御手段と、前記計測制御手段からの信号に基づいて流量を算出する演算手段から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−279224号公報
しかしながら、前記従来の構成では、計測流路内にガス配管の継ぎ手から雨水や、隣接された水道配管等の漏水がガス配管にあたり、ガス配管に穴をあけるサンドブラスト現象を引き起こすことなどにより浸水した場合、計測流路の断面積が変化することで実際のガス流量と計測によるガス流量との間に誤差が生じ、超音波信号が妨げられるまでの間は流量計測が正常に行なわれなくなるという観点からは未だ改善の余地があった。
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたものであり、計測流路内への浸水を早期に検出し誤計測の期間の短縮化、或いはガス事業者のセンターに通報したり、ガス供給を停止し保安を確保する安全性の高い超音波ガスメータを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の超音波ガスメータは、ガスが通過する計測流路と、計測流路の上方に上流と下流に設置された一対の超音波センサと、計測流路の下方に設けた超音波を反射するための反射部と、超音波の送信を行う超音波センサを駆動する送信手段と、超音波の受信を行う超音波センサで受信した信号を増幅して受信の判定を行う受信手段と、超音波センサの一方から送信された超音波が反射部に反射して他方の超音波センサに受信され、受信手段で受信判定されるまでの伝搬時間を計測する伝搬時間計測手段と、伝搬時間計測手段で計測された伝搬時間から流量を算出する演算手段と、受信手段における超音波センサの信号の増幅度を設定する制御手段と、制御手段で設定された増幅度から異常の有無を判定する異常判定手段と、異常判定手段で異常判定時にガスの供給を遮断する遮断手段とを含み、反射部は凹陥状に形成している。
これにより、計測流路内に浸水した場合、短期間で反射部に水が貯留することで、計測手段で計測する信号が不安定となるため、制御部で信号の増幅を行なうことで異常判定手段にて異常と判定しガスの供給を遮断する。
本発明の超音波ガスメータは、計測流路内に雨水等が入り浸水状態になった場合に、早期段階でその状態を判定しガスの供給を停止することで、流量計測の誤計測期間の短縮化
を図ることができる。
本発明の実施の形態1における超音波ガスメータの概略構成を示す構造図 本発明の実施の形態1における超音波ガスメータに搭載される制御装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1における超音波ガスメータの他の実施例を示す構造図 本発明の実施の形態2における超音波ガスメータの概略構成を示す構造図 従来の超音波ガスメータの概略構成を示す構造図
第1の発明は、ガスが通過する計測流路と、前記計測流路の天面の上流側と下流側に設置された一対の超音波センサと、前記計測流路の底面に設けた超音波を反射するための反射部と、超音波の送信を行なう前記超音波センサを駆動する送信手段と、超音波の受信を行う前記超音波センサで受信した信号を増幅して受信の判定を行なう受信手段と、前記超音波センサの一方から送信された超音波が前記反射部に反射して他方の前記超音波センサに受信され、前記受信手段で受信判定されるまでの伝搬時間を計測する伝搬時間計測手段と、前記伝搬時間計測手段で計測された伝搬時間から流量を算出する演算手段と、前記受信手段における前記超音波センサの信号の増幅度を設定する制御手段と、前記制御手段で設定された増幅度から異常の有無を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段にて異常判定時にガスの供給を遮断する遮断手段とを含み、前記反射部は凹陥状に形成した超音波ガスメータである。
これにより、計測流路内に雨水等により浸水した場合、反射部に早期に貯留することで超音波センサの信号が小さくなるため制御手段にて増幅度を大きく設定する。その際の増幅度を異常判定手段で判定し、所定範囲外の増幅度の場合に異常判定を行ない、遮断手段でガスの供給を停止するため、浸水による誤計測を早期に検出し、誤計測を行なう期間を短縮することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記計測流路の底面を上流側および下流側の少なくとも一方から前記反射部に向かい、下方向に傾斜をもたせた超音波ガスメータである。
これにより、雨水等により浸水した場合、傾斜により水が反射部に貯留しやすくすることで、浸水による誤計測をより早期に検出し、誤計測を行なう期間を短縮することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、前記超音波センサ間の超音波伝搬経路がV字形状をなす超音波ガスメータである。
これにより、超音波センサの信号の反射を1回利用した送受信により、超音波伝搬経路を長くすることができるため、計測精度を向することができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、超音波センサ間の超音波伝搬経路がW字形状をなす超音波ガスメータである。
これにより、超音波センサの信号の反射を2回利用した送受信により、超音波伝搬経路をより長くすることができるため、計測精度をより向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の
形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における超音波ガスメータの概略構成を示す構造図、図2は超音波ガスメータに搭載される制御装置の構成を示すブロック図である。
図1において、超音波ガスメータ1は、ガスが入口2から略鉛直に設置された導入路3を経て上流側流路4を介し、略水平に設置された計測流路5を経て、下流側流路6を介し略鉛直に設置された導出路7を経て出口8からガス消費機器へ至るように構成されている。導入路3、計測流路5、導出路7は全体的なコンパクト化を図るために直角状に接続され略コ字状をなしており、また計測流路5はそれぞれ対向する短辺および長辺を有し、断面が矩形状に設定してある。
導入路3は、入口2から計測流路5に至る途中に弁体9で開閉される弁座10を有するものである。
弁体9は電磁装置或いはステッピングモーターなどから駆動体11に連係しており、制御装置12にて異常を判定した場合などに、弁座10を閉じるように駆動体11が弁体9を動作するものである。
そして、計測流路5の天面には上流側超音波センサ13、下流側超音波センサ14がガス進行方向に沿って、上流側と下流側に所定間隔をおいて配置されている。
上流側超音波センサ13、下流側超音波センサ14は一方より送信された超音波の信号が計測流路5の底面に設けた反射部15に反射して他方に受信されるようにしてある。つまり超音波伝搬経路が反射を1回利用したV字形状をなすように設定してある。
また別の構成として、図3に示すように、計測流路5の底面の2箇所と天面の1箇所に反射部15を設け、3箇所の反射部15で反射を3回させるW字形状でも実施できる。超音波伝搬経路をW字形状にすることで超音波伝搬経路をV字形状より長くとれ、且つ超音波センサを配置する位置の自由度が向上するため、超音波ガスメータ1内の限られた空間を阻害することなく、計測精度の向上を図ることができる。なお、底面に設置された反射部15は計測流路5内に浸水した水等が貯留できるように凹陥状に形成されている。
上記のように配置された上流側超音波センサ13と下流側超音波センサ14と反射部15は、制御装置12が上流側超音波センサ13、下流側超音波センサ14を送受信させて、ガスの流れに対して順方向と逆方向の超音波伝搬時間の差を一定間隔おいて計測し、伝搬時間差から流量を算出している。制御装置12にはリチウム電池などで構成される電源手段16が接続されている。
図2に示すように、計測手段17は上流側超音波センサ13、下流側超音波センサ14、切替手段18、送信手段19、受信手段20、伝搬時間計測手段21、信号判定手段22、及び制御手段23とからなる。
超音波信号を送信または受信する上流側超音波センサ13と受信または送信する下流側超音波センサ14が切替手段18によって送受信の切替が可能になっている。この上流側超音波センサ13或いは下流側超音波センサ14に超音波信号を出力する送信手段19が接続され、切替手段18によって上流側超音波センサ13或いは下流側超音波センサ14を介して超音波信号を受信手段20で受信する。
上流から下流に向かって超音波信号を送信する場合、送信手段19で超音波信号を送信し、下流側超音波センサ14で受信し、受信手段20からの受信信号を伝搬時間計測手段21で伝搬時間を計測する。次に、切替手段18で下流から上流に向かって超音波信号を送信し、伝搬時間を計測する。そして、上流側超音波センサ13と下流側超音波センサ14との超音波信号の伝搬時間差は予め定めた周期毎に求められる。
受信手段20で受信した超音波信号は信号判定手段22で信号レベルを判定するが、適正な範囲を逸脱した場合、適正な大きさの範囲になるように制御手段23で増幅度の調整を行なう。調整された増幅度で次回計測時に送信手段19より、超音波信号即ち受信信号が送信される。
そして、所定周期、例えば2秒毎計測し求めた伝搬時間差は、演算手段24で流量値に換算される。
流量が大きくなると超音波信号の受信感度が低下するので増幅度を大きくする傾向がある。そして制御手段23で調整された増幅度や演算手段24で算出された流量値を異常判定手段25で監視する。
超音波ガスメータ1の配管流路(図示せず)から例えばサンドブラスト現象により計測流路5内に浸水した場合、超音波信号の信号レベルは変動する。例えば浸水状態になることで、超音波信号の伝搬速度が異なり、結果超音波信号の信号レベルは小さくなるため、制御手段23は超音波信号の信号レベルを大きくしようとし増幅度は高くなる。超音波信号の増幅度が所定範囲外となったことを異常判定手段25で検出すると遮断信号を遮断手段26に送信し、ガスの供給を停止する。
また、異常判定手段25は求められた流量値から使用器具の監視を行なうために、流量域毎に対応した使用時間の制限時間値、或いは使用最大流量の監視判定値等が記憶されている。例えば、ファンヒーター等へガスを供給する配管が何らかの原因で外れたとき、異常な大流量が発生するが、そのような状態を監視するための合計流量遮断値や、器具の通常使用する最大使用時間よりはるかに長く使用された場合に応じて使用時間の制限時間を規定した使用時間遮断の制限時間等が記憶されている。この設定値と流量値とを異常判定手段25で比較判定することで、流量値が使用最大流量値を超えていないか、或いは器具の使用時間が登録流量に対応した連続使用の制限時間を超えていないかを監視する。
そして、報知手段27は、遮断状態や遮断内容を液晶表示素子(図示せず)等に表示するとともにガスの安全監視を行なっているガス事業者のセンターに電話回線等の通信により通報する。
次に、以上のように構成された超音波ガスメータ1の動作を説明する。
ガス需要家宅にガス事業者が超音波ガスメータ1を設置した状態で、配管流路(図示せず)に何らかの原因、例えばサンドブラスト現象により計測流路5内に浸水する場合がある。計測流路5に侵入した水は、計測流路5の垂直下方向に設けられた超音波信号の反射部15に貯留する。この浸水により、上流側超音波センサ13、下流側超音波センサ14の信号が通る超音波信号は水中を通る経路や気中を通る経路ができ、信号の伝搬速度が異なり、結果信号レベルが小さくなるため、制御手段23は信号レベルを大きくしようとし増幅度は高くなる。すると遮断信号を遮断手段26に送信し、遮断手段26がガスの供給を停止する。
そして、報知手段27は遮断状態や遮断内容を液晶表示素子(図示せず)等に表示する
とともにガスの安全監視を行なっているガス事業者のセンターに電話回線等の通信により通報する。結果、ガス事業者は直ちに超音波ガスメータ1への浸水等の異常を知ることができ超音波ガスメータ1を交換する等の対応ができ、異常状態の早期発見、継続状態の防止が可能となる。
また、浸水状態になり、超音波信号の伝搬速度が異なることで増幅度とともに流量値が変動する。伝搬時間計測手段21で求められた伝搬時間差から演算手段24で流量値に換算する。演算手段24で算出された流量値は異常判定手段25で監視する。
異常判定手段25には、流量域毎に対応した使用時間の制限時間値、或いは使用最大流量の監視判定値等が記憶されている。例えば、ファンヒーター等へガスを供給する配管が何らかの原因で外れたとき、異常な大流量が発生するが、そのような状態を監視するための合計流量遮断値や、器具の通常使用する最大使用時間よりはるかに長く使用された場合に応じて使用時間の制限時間を規定した使用時間遮断の制限時間等が記憶されている。
この設定値と流量値とを異常判定手段25で比較判定することで、流量値が使用最大流量値を超えていないか、或いは器具の使用時間が登録流量に対応した連続使用の制限時間を超えていないかを監視し、超えた場合、遮断信号を遮断手段26に出力しガスの供給を停止する。
本実施の形態における超音波ガスメータは、計測流路の底面に設けた反射部を凹陥状に形成したことにより、計測流路内に雨水等により浸水した場合、水が計測流路内全体に拡散することなく、反射部に早期に貯留することで超音波センサの信号が小さくなるため制御手段にて増幅度を大きく設定する。その際の増幅度を異常判定手段で判定し、所定範囲外の増幅度の場合に異常判定を行ない、遮断手段でガスの供給を停止するため、浸水による誤計測を早期に検出し、誤計測を行なう期間を短縮化できる。
(実施の形態2)
図4は、本発明実施の形態2における計測流路の概略構成を示す構造図である。
図4において、計測流路5の底面は上流側流路4から反射部15に向かい垂直下方向に傾斜をもたせて構成されている。
次に以上のように構成された計測流路5の動作を説明する。ガスが流入する入口側流路4より、何らかの原因例えばサンドブラスト現象により浸水が開始した場合、入口側流路4から反射部15に向かい垂直下方向に傾斜をもたせているために、水が凹陥状に形成された反射部に向かって流れ早期段階で貯留する。
この浸水により、上流側超音波センサ13、下流側超音波センサ14の信号が通る超音波信号は水中を通る経路や気中を通る経路ができ、信号の伝搬速度が異なり、結果信号レベルが小さくなるため、制御手段23は信号レベルを大きくしようとし増幅度は高くなる。すると遮断信号を遮断手段26に送信し、遮断手段26がガスの供給を停止する。
なお、本実施の形態においては、計測流路5の底面の傾斜は上流側流路(4)側にのみに設けたが、これに限るものではなく、下流側流路(6)側に設けても同様の効果を発揮することができ、上流側流路側と下流側流路側の両方に傾斜を設ければ、より効果を高めることができる。また、図3に示すW字形状の超音波伝搬経路の構成においても、同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる超音波ガスメータは、雨水等で浸水された時、早期に異常状態を検出し誤計測を行なう期間を短縮化できるものであり、電磁波の反射を使用する機器全般に適用できるものである。
1 超音波ガスメータ
5 計測流路
13 上流側超音波センサ(超音波センサ)
14 下流側超音波センサ(超音波センサ)
15 反射部
19 送信手段
20 受信手段
21 伝搬時間計測手段
23 制御手段
24 演算手段
25 異常判定手段
26 遮断手段

Claims (4)

  1. ガスが通過する計測流路と、
    前記計測流路の天面の上流側と下流側に設置された一対の超音波センサと、
    前記計測流路の底面に設けた超音波を反射するための反射部と、
    超音波の送信を行う前記超音波センサを駆動する送信手段と、
    超音波の受信を行う前記超音波センサで受信した信号を増幅して受信の判定を行う受信手段と、
    前記超音波センサの一方から送信された超音波が前記反射部に反射して他方の前記超音波センサに受信され、前記受信手段で受信判定されるまでの伝搬時間を計測する伝搬時間計測手段と、
    前記伝搬時間計測手段で計測された伝搬時間から流量を算出する演算手段と、
    前記受信手段における前記超音波センサの信号の増幅度を設定する制御手段と、
    前記制御手段で設定された増幅度から異常の有無を判定する異常判定手段と、
    前記異常判定手段にて異常判定時にガスの供給を遮断する遮断手段と、を含み、
    前記反射部は、凹陥状に形成した、
    超音波ガスメータ。
  2. 前記計測流路の底面を上流側および下流側の少なくとも一方から前記反射部に向かい下方向に傾斜をもたせた、
    請求項1に記載の超音波ガスメータ。
  3. 前記超音波センサ間の超音波伝搬経路がV字形状をなす、
    請求項1または2に記載の超音波ガスメータ。
  4. 前記超音波センサ間の超音波伝搬経路がW字形状をなす、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波ガスメータ。
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