JP2012002183A - ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】気泡含有率の大小に拘らず、ポンプ室を的確に昇圧でき、かつ圧力が過大となるのを抑制できるベーンポンプを提供する。
【解決手段】カムリング17とロータ23との間に形成され複数のベーン25によって区画された複数のポンプ室27のうち吸入行程を行うポンプ室に対応して設けられた吸入ポート31、32および吐出行程を行うポンプ室に対応して設けられた吐出ポート33、34と、吸入行程から吐出行程に移行する間の予圧縮行程を行うポンプ室を吐出ポートに連通する連通溝57を備え、予圧縮行程における予圧縮勾配を、2つの異なる勾配(55a、55b)によって形成し、予圧縮行程が勾配が変化する切り替わり位置CPにおいて、連通溝を介して予圧縮行程を行うポンプ室を吐出ポートに連通する。
【選択図】図3

Description

本発明は、吸入行程から吐出行程に移行する間にポンプ室の圧力を昇圧させる予圧縮行程を設けたベーンポンプに関するものである。
ベーンポンプにおいては、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されているように、吸入行程から吐出行程に移行する間に、ポンプ室の容積を予圧縮行程によって徐々に減少させ、予圧縮行程のポンプ室と吐出ポートを連通する連通溝(ノッチ)を用いて、吐出ポートの圧力変化を調整するようになっている。かかる予圧縮と連通溝とにより、予圧縮行程のポンプ室を昇圧し、ポンプ室が吐出ポートに開口する際の急激な圧力変化を緩和するようにしている。
特開2000−179469号公報 特開2001−248569号公報
予圧縮および連通溝によるポンプ室の昇圧は、作動油の体積弾性係数に左右され、体積弾性係数は作動油の気泡の含有率により変化する。従って、上記した特許文献1および特許文献2に記載されているような従来のベーンポンプを、例えば、車両のトランスミッションなどのように気泡含有率が大きく変化する環境下で用いる場合には、予圧縮および連通溝によるポンプ室の昇圧が過大または不十分となる。
例えば、作動油の気泡含有率が小さい(体積弾性係数が大きい)場合には、図4に示すように、ポンプ室が吐出ポートに連通する角度位置A1において、線図S1に示すように、吐出ポートより吐出される作動油の圧力を所望の圧力まで上昇させることができるが、作動油の気泡含有率が大きい(体積弾性係数が小さい)場合には、線図S2に示すように、作動油の圧力を所望の圧力まで上昇させることができなくなる。この結果、気泡含有率の変動によってポンプの吐出圧が変動(ΔP)する恐れがある。
この問題を解決するために、予圧縮行程におけるカムリフトの変化量を従来より大きくすることが考えられるが、予圧縮量を大きくすると、作動油の気泡含有率が小さい場合に、ポンプ室の圧力が過大となり、振動等が発生する新たな問題を発生する恐れがでてくる。
本発明は、上述した従来の問題を解消するためになされたもので、作動油の気泡含有率の大小に拘らず、ポンプ室を的確に昇圧でき、かつ圧力が過大となるのを抑制できるベーンポンプを提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、ハウジングに嵌装されたカムリングと、該カムリングに回転可能に収容されたロータと、該ロータに放射方向に摺動可能に嵌合された円周上複数のベーンと、前記カムリングと前記ロータとの間に形成され前記複数のベーンによって区画された複数のポンプ室と、前記複数のポンプ室のうち吸入行程を行うポンプ室に対応して設けられた吸入ポートと、前記複数のポンプ室のうち吐出行程を行うポンプ室に対応して設けられた吐出ポートと、前記吸入行程から前記吐出行程に移行する間の予圧縮行程を行うポンプ室を前記吐出ポートに連通する連通溝を備えたベーンポンプにおいて、前記予圧縮行程における予圧縮勾配を、2つの異なる勾配によって形成し、該2つの勾配が切り替わる切り替わり位置において、前記連通溝を介して前記予圧縮行程を行うポンプ室を前記吐出ポートに連通するようにしたことである。
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記予圧縮行程における予圧縮勾配は、前記切り替わり位置より前に設けられカムリフトの変化量が大きな第1予圧縮勾配と、前記切り替わり位置より後に設けられカムリフトの変化量が小さな第2予圧縮勾配からなることである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または請求項2において、前記連通溝を、前記予圧縮行程を行うポンプ室を構成する2枚のベーンのうち、先行するベーンが前記切り替わり位置を通過するより前に、前記予圧縮行程を行うポンプ室に開口するようにしたことである。
請求項1に係る発明によれば、予圧縮行程における予圧縮勾配を、2つの異なる勾配によって形成し、2つの勾配が切り替わる切り替わり位置において、連通溝を介して予圧縮行程を行うポンプ室を吐出ポートに連通するようにしたので、予圧縮勾配を、カムリフトが大きく変化する予圧縮勾配と、カムリフトがほとんど変化しない予圧縮勾配とで構成することが可能となる。これにより、カムリフトが大きく変化する予圧縮勾配によって作動油に含まれる気泡を効果的に除去することができるとともに、予圧縮行程の早い段階で、予圧縮行程を行うポンプ室を連通溝を介して吐出ポートとに連通することができる。従って、作動油の気泡含有率の大小に拘らず、ポンプ室を的確に昇圧することができるとともに、圧力が過大となるのを抑制することができる。
請求項2に係る発明によれば、予圧縮行程における予圧縮勾配は、切り替わり位置より前に設けられカムリフトの変化量が大きな変化する第1予圧縮勾配と、切り替わり位置より後に設けられカムリフトの変化量が小さな第2予圧縮勾配からなるので、第1予圧縮勾配によって予圧縮行程を行うポンプ室の容積を急速に減少させることが可能となり、これにより、第1予圧縮勾配によって作動油に含まれる気泡を効果的に除去することができるとともに、第2予圧縮勾配によって圧力が過大となるのを抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、連通溝を、予圧縮行程を行うポンプ室を構成する2枚のベーンのうち、先行するベーンが切り替わり位置を通過するより前に、予圧縮行程を行うポンプ室に開口するようにしたので、作動油の気泡含有率が小さい場合であっても、予圧縮行程を行うポンプ室の圧力を連通溝を介して逃がすことにより、ポンプ室の圧力が過大になるのを抑制することができる。
本発明の実施の形態を示すベーンポンプの縦断面図である。 図1の2−2線に沿って切断した断面図である。 予圧縮行程を示す展開図である。 予圧縮行程における昇圧状態を示す図である。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は、本実施の形態に係るベーンポンプの断面を示し、当該ベーンポンプは、例えば、車両のトランスミッションのクラッチ制御に使用されるものである。ベーンポンプは、車両のエンジンによって駆動され、エンジン回転数に比例した作動油を吐出する。ベーンポンプには、後述するように、エンジン回転数(ポンプ回転数)に比例した吐出流量をトランスミッション等に必要な所定流量に制御するために、流量制御弁を備えている。
ベーンポンプは、図1および図2に示すように、フロントハウジング11を備え、このフロントハウジング11には断面円形の収納穴12が形成され、収納穴12はフロントハウジング11の取付端面13に開口されている。フロントハウジング11の取付端面13には、収納穴12を閉塞するリアハウジング14がボルト15によって固定されている。フロントハウジング11の収納穴12内には、サイドプレート16およびカムリング17が、フロントハウジング11とリアハウジング14とで挟持されるように、軸線方向に積層して嵌装され、ピン18によって回り止めされている。カムリング17の内周には、周期が180度のカム曲線を有するカム面19が形成されている。
フロントハウジング11には、エンジンによってベルトを介して駆動されるポンプ駆動軸21が軸受22を介して回転可能に軸承され、ポンプ駆動軸21の一端はリアハウジング14に形成された凹部20内に回転可能に支持されている。ポンプ駆動軸21上には、ロータ23がスプライン嵌合されている。
ロータ23は、収納穴12に嵌装されたカムリング17内に回転可能に収容されている。ロータ23の外周には、複数のベーン溝24が円周上等角度間隔に形成され、これらベーン溝24にベーン25が放射方向にそれぞれ摺動可能に嵌合されている。ベーン25の先端は、後述するベーン背圧室に導入される作動油の圧力によって、カムリング17の内周カム面19に常時当接される。
ロータ23および各ベーン25の一方の側面は、サイドプレート16の端面に摺接し、他方の側面は、リアハウジング14の端面に摺接するように配置されている。これにより、カムリング17の内周カム面19とロータ23の外周面との間に、複数のベーン25によって区画された円周上複数のポンプ室27が区画され、各ポンプ室27はロータ23の回転により容積変化する。
サイドプレート16の端面には、ロータ23の回転によって容積が拡大するポンプ室27に対応して、一対の吸入ポート31、32が径方向に対向して形成され、また、ロータ23の回転によって容積が縮小するポンプ室27に対応して、一対の吐出ポート33、34が径方向に対向して形成されている。すなわち、一対の吸入ポート31、32および一対の吐出ポート33、34は、吸入(膨張)行程および吐出(圧縮)行程を行うポンプ室27にそれぞれ対応して形成されている。
さらに、サイドプレート16の端面には、吸入ポート31、32および吐出ポート33、34の内周側に、円周方向に分離された複数の背圧溝35が形成され、各背圧溝35には吐出ポート33、34より作動油が導入されるようになっている。背圧溝35は、ベーン25を収納するベーン溝24の底部、すなわち、ベーン背圧室36(図3参照)にそれぞれ連通され、ベーン背圧室36に導入される作動油の圧力により、ベーン25が放射方向に押圧される。これによって、ベーン25の先端がカムリング17の内周カム面19に摺接可能に当接される。
リアハウジング14の端面には、一対の吸入ポート31、32に対応して凹部(図示せず)が形成され、一対の吐出ポート33、34に対応して凹部37、38が形成されている。これら凹部は、ポンプ室27を介して吸入ポート31、32および吐出ポート33、34に連通されている。また、リアハウジング14の端面には、背圧溝35に対応して凹部39が形成され、凹部39は、ベーン背圧室36を介して背圧溝35に連通されている。
一対の吐出ポート33、34は、サイドプレート16を貫通するように形成され、収納穴12の底部に凹設された圧力室41に連通されている。圧力室41にはフロントハウジング11に形成された吐出通路42が連通されている。また、フロントハウジング11には、一対の吸入ポート31、32に各々連通する一対の分岐通路43、44が形成されている。これら分岐通路43、44の各一端は吸入通路45に連通されている。
吐出通路42と吸入通路45との間には、流量制御弁51が配置されている。流量制御弁51は、吐出通路42に吐出された作動油の一部をバイパス通路52を介して吸入通路45側に還流することにより、トランスミッション等に送出される作動油の流量を一定量(所定量)に制御するものである。
カムリング17の内周カム面19は、図3に示すように、吸入ポート31(32)に対応して吸入行程を行う吸入曲線部53と、吐出ポート33(34)に対応して吐出行程を行う吐出曲線部54を有している。吸入曲線部53の終端部と吐出曲線部54の始端部は、予圧縮行程を行う予圧縮曲線部55によって接続され、吐出曲線部54の終端部と吸入曲線部53の始端部は、小径円弧部56によって接続されている。
予圧縮曲線部55は、ロータ23の単位回転当たりのポンプ室27の容積変化量が2段階に変化するように構成されている。具体的には、予圧縮曲線部55は、カムリフトの変化量が大きな第1予圧縮勾配55aと、カムリフトの変化量が小さな第2予圧縮勾配55bとによって構成されている。この場合、予圧縮曲線部55の角度範囲θ0のうち、3/4程度(θ1)を第1予圧縮勾配55aが占め、残りの1/4程度(θ2)を第2予圧縮勾配55bが占めるように設定することが好ましい。図3におけるCPは、予圧縮勾配が切り替わる切り替わり位置を示している。このように、第1予圧縮勾配55aは、従来より小さな角度範囲(θ1)で所定のカムリフト量だけ変化するように構成されていることにより、ポンプ室27の容積を急速に減少させることが可能である。
なお、第2予圧縮勾配55bは、カムリフトが全く変化しないロータ中心を円弧中心とする円弧であってもよい。
サイドプレート16の端面には、図3に示すように、各吐出ポート33(34)の縁部からロータ23の回転方向(図3の矢印方向)と反対方向に延びるV字状の連通溝(ノッチ)57が形成されている。連通溝57はロータ23の回転方向と反対の方向に向かってその開口幅および溝深さが徐々に小さくなるように形成されている。連通溝57は、ポンプ室27を構成する2枚のベーン25のうち先行するベーン25が、第1予圧縮勾配55aより第2予圧縮勾配55bに移行するより前に、予圧縮行程を行うポンプ室27に開口するように配置されている。言い換えれば、連通溝57は、従来一般のベーンポンプよりも、予圧縮行程の早めの段階で、予圧縮行程を行うポンプ室27に開口し、連通溝57を介してポンプ室27と吐出ポート33(34)とを連通するようになっている。
これにより、ロータ23の回転によってベーン25はまず第1予圧縮勾配55aを摺接することにより、予圧縮行程を行うポンプ室27の容積を急速に減少させて昇圧させ、第2予圧縮勾配55bに移行するに先立って連通溝57を開口させ、ポンプ室27を吐出ポート33(34)に連通する。
これにより、作動油の気泡含有率が大きい場合には、第1予圧縮勾配55aによる予圧縮によって、連通溝57が吐出ポート33(34)に連通するまでにポンプ室27を十分に昇圧でき、逆に、作動油の気泡含有率が小さい場合には、連通溝57を、予圧縮行程の途中の第1予圧縮勾配55aと第2予圧縮勾配55bの切り替わり位置CPより手前で、吐出ポート33(34)に連通し始めることにより、予圧縮行程のポンプ室27の圧力が過大となるのを抑制できる。この結果、ベーンポンプを、車両のトランスミッション等、作動油の気泡含有率が大きく変化する環境下で用いる場合にも、気泡含有率の変化によって、予圧縮行程のポンプ室27の圧力上昇が不十分であったり、逆に、ポンプ室27の圧力が過大となる弊害を予防することができる。
次に、上記した実施の形態に係るベーンポンプの作動について説明する。ポンプ駆動軸21がエンジンによって回転されると、ロータ23がカムリング17内で回転する。ロータ23の回転によって容積が拡大するポンプ室27では、一対の吸入ポート31、32に作動油が吸入され、ロータ23の回転によって容積が縮小するポンプ室27では、一対の吐出ポート33、34に作動油が吐出される。
ポンプ室27を構成する2枚のベーン25のうち先行するベーンが予圧縮行程に達すると、予圧縮行程を行うポンプ室27の容積が徐々に縮小され、予圧縮される。ここで、予圧縮曲線部55は、ロータ23の単位回転当たりのポンプ室27の容積変化量を2段階に変化させるように、カムリフトの変化量が大きな第1予圧縮勾配55aと、カムリフトの変化量が小さな第2予圧縮勾配55bによって構成されているので、第1予圧縮勾配55aによる急速な容積変化によって作動油に含まれる気泡が効果的に除去される。一方、予圧縮行程の比較的早い段階で、予圧縮行程を行うポンプ室27に連通溝57が開口し、ポンプ室27と吐出ポート33、34とが連通し始める。
この際、作動油の気泡含有率が大きい場合には、連通溝57が予圧縮行程を行うポンプ室27に開口するまでに、カムリフトの変化量が大きな第1予圧縮勾配55aによってポンプ室27を十分に昇圧することができる。従って、作動油の気泡含有率が大きい場合であっても、一対の吐出ポート33、34より吐出される作動油の吐出圧を、図4の線図S1に示すように、所望の圧力まで上昇させることができるようになり、吐出圧力の変動による振動や騒音の発生を抑制することができる。
逆に、作動油の気泡含有率が小さく、第1予圧縮勾配55aによって圧力が十分に昇圧された場合には、予圧縮行程を行うポンプ室27を構成する2枚のベーン25のうち先行するベーン25が、第1予圧縮勾配55aより第2予圧縮勾配55bに移行する以前に、連通溝57が予圧縮行程を行うポンプ室27に開口されるので、過大な圧力を連通溝57を介して逃がし、その後は第1予圧縮勾配55aによって予圧縮を行わない。従って、作動油の気泡含有率が小さい場合であっても、ポンプ室27の圧力が過大になるのを抑制することができる。
上記した実施の形態によれば、予圧縮行程における予圧縮勾配を、カムリフトの変化量が大きな第1予圧縮勾配55aと、カムリフトの変化量が小さな第2予圧縮勾配55bとの2つで構成したので、カムリフトの変化量が大きな第1予圧縮勾配55aによって作動油に含まれる気泡を効果的に除去することができるとともに、予圧縮行程の早い段階で、予圧縮行程を行うポンプ室27を連通溝57を介して吐出ポート33、34に連通することができる。この結果、作動油の気泡含有率の大小に拘らず、予圧縮行程を行うポンプ室27を的確に昇圧することができるとともに、圧力が過大となるのを抑制することができる。
しかも、連通溝57を、予圧縮行程を行うポンプ室27を構成する2枚のベーン25のうち、先行するベーン25が切り替わり位置CPを通過する以前に、ポンプ室27に開口するようにしたので、作動油の気泡含有率が小さく、第1予圧縮勾配55aによって圧力が十分に昇圧された場合でも、過大な圧力を連通溝57を介して逃がすことができる。従って、その後は第1予圧縮勾配55aによって予圧縮を行わないようにできるので、作動油の気泡含有率が小さい場合であっても、ポンプ室27の圧力が過大になるのを抑制することができる。
上記した実施の形態においては、連通溝57を、ポンプ室27を構成する2枚のベーン25のうち先行するベーン25が、第1予圧縮勾配55aより第2予圧縮勾配55bに移行するより前に、予圧縮行程を行うポンプ室27に開口する例について述べたが、連通溝57は、先行するベーン25が第1予圧縮勾配55aより第2予圧縮勾配55bに移行すると同時に、ポンプ室27に開口するようにしてもよい。
また、上記した実施の形態においては、径方向に対向する一対の吸入ポート31、32および一対の吐出ポート33、34を備えたベーンポンプを例に述べたが、本発明は、少なくとも1つの吸入ポートおよび吐出ポートを備えたベーンポンプに適用可能である。
なお、第2予圧縮勾配55bは、上記したように、カムリフトが変化しないロータ中心を円弧中心とする円弧であってもよいことから、請求項におけるカムリフトの変化量が小さな予圧縮勾配は、カムリフトが変化しないものも包含するものであることは勿論である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
本発明に係るベーンポンプは、吸入行程から吐出行程に移行する間に、予圧縮と連通溝とによってポンプ室の圧力を昇圧する予圧縮行程を設けたものに用いるのに適している。
11、14…ハウジング、16…サイドプレート、17…カムリング、19…カム面、21…ポンプ駆動軸、23…ロータ、25…ベーン、27…ポンプ室、31、32…吸入ポート、33、34…吐出ポート、53…吸入曲線部、54…吐出曲線部、55…予圧縮曲線部、55a…第1予圧縮勾配、55b…第2予圧縮勾配、57…連通溝、CP…切り替わり位置。

Claims (3)

  1. ハウジングに嵌装されたカムリングと、該カムリングに回転可能に収納されたロータと、該ロータに放射方向に摺動可能に嵌合された円周上複数のベーンと、前記カムリングと前記ロータとの間に形成され前記複数のベーンによって区画された複数のポンプ室と、前記複数のポンプ室のうち吸入行程を行うポンプ室に対応して設けられた吸入ポートと、前記複数のポンプ室のうち吐出行程を行うポンプ室に対応して設けられた吐出ポートと、前記吸入行程から前記吐出行程に移行する間の予圧縮行程を行うポンプ室を前記吐出ポートに連通する連通溝を備えたベーンポンプにおいて、
    前記予圧縮行程における予圧縮勾配を、2つの異なる勾配によって形成し、該2つの勾配が切り替わる切り替わり位置において、前記連通溝を介して前記予圧縮行程を行うポンプ室を前記吐出ポートに連通するようにしたことを特徴とするベーンポンプ。
  2. 請求項1において、前記予圧縮行程における予圧縮勾配は、前記切り替わり位置より前に設けられカムリフトの変化量が大きな第1予圧縮勾配と、前記切り替わり位置より後に設けられカムリフトの変化量が小さな第2予圧縮勾配からなることを特徴とするベーンポンプ。
  3. 請求項1または請求項2において、前記連通溝を、前記予圧縮行程を行うポンプ室を構成する2枚のベーンのうち、先行するベーンが前記切り替わり位置を通過するより前に、前記予圧縮行程を行うポンプ室に開口するようにしたことを特徴とするベーンポンプ。
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