JP2022013399A - ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】第1の背圧溝及び第2の背圧溝に流体が充填されやすく、取付対象に取り付けられた後の始動時における始動性に優れたベーンポンプを提供する。【解決手段】第1及び第2の吸入ポート41,42及び第1及び第2の吐出ポート43,44がロータ5の回転方向に並んで形成されると共に、第1の吸入ポート41及び第1の吐出ポート43の内側で円弧状に延在する第1の背圧溝45、及び第2の吸入ポート42及び第2の吐出ポート44の内側で円弧状に延在する第2の背圧溝46が形成されたサイドプレート4を備えるベーンポンプ1において、サイドプレート4に、第1及び第2の背圧溝45,46のうち少なくとも何れかの背圧溝の異なる箇所に開口して第1の吐出ポート43又は第2の吐出ポート44に連通する複数の連通孔を形成する。【選択図】図4

Description

本発明は、複数のベーンを収容する複数のスリットが放射状に設けられたロータが楕円形状の内周カム面を有するカムリング内で回転することにより、吸入ポートからポンプ室に吸入された流体が、吐出ポートから吐出されるベーンポンプに関する。
従来、複数のベーンを保持するロータが内周カム面を有するカムリング内で回転することにより、吸入ポートからポンプ室に吸入された流体が吐出ポートから吐出されるベーンポンプが、各種の油圧機器の作動等のために用いられている。複数のベーンは、ロータに放射状に設けられたスリットに収容されてロータの径方向に移動可能であり、ロータの外周面と内周カム面との間に複数のポンプ室を形成する。
このようなベーンポンプには、カムリング内のロータ室に第1及び第2の吸入ポートならびに第1及び第2の吐出ポートが開口し、第1の吸入ポートからポンプ室に吸入された流体を第1の吐出ポートから吐出する第1の圧力遷移行程と、第2の吸入ポートからポンプ室に吸入された流体を第2の吐出ポートから吐出する第2の圧力遷移行程とを同時に行う2吐出構造のものがある。また、2吐出構造のベーンポンプには、ポンプ室から第1の吐出ポートに流入した流体と第2の吐出ポートに流入した流体とがポンプハウジング内で合流する2吐出合流構造のものと、第1の吐出ポートに流入した流体と第2の吐出ポートに流入した流体とが合流することなく分割されたままポンプハウジングの外部に出力される2吐出分割構造のものがある。
特許文献1に記載のベーンポンプは、2吐出分割構造のものであり、スリットからベーンを押し出してベーンの先端を内周カム面に押し付けるために、スリットの奥側(ロータの中心部側)に形成された背圧室に連通する第1及び第2の背圧溝をサイドプレートに有している。第1の背圧溝は、第1の圧力遷移行程を行うポンプ室を形成するベーンを収容するスリットの背圧室に連通し、第1の背圧導入路から背圧室に第1の吐出ポートの吐出圧が導入される。第2の背圧溝は、第2の圧力遷移行程を行うポンプ室を形成するベーンを収容するスリットの背圧室に連通し、第2の背圧導入路から背圧室に第2の吐出ポートの圧力が導入される。第1の背圧溝及び第2の背圧溝は、ロータの回転方向に沿ってそれぞれ円弧状に延在している。
なお、2吐出合流構造のベーンポンプは、第1の吐出ポートの吐出圧と第2の吐出ポートの吐出圧が同じであるため、複数の背圧溝が円環状に連結されて形成され、この背圧溝の二箇所に、第1の吐出ポート及び第2の吐出ポートの圧力がそれぞれ第1及び第2の背圧導入路を介して導入される。
特開2017-180121号公報
ベーンポンプは、例えば自動車のトランスミッションにロータの回転軸線が水平となるように取り付けられ、トランスミッションオイルをオイルパンから汲み上げて出力する。出力されたトランスミッションオイルは、トランスミッションのアクチュエータを動作させる作動油として、またクラッチプレート等を潤滑及び冷却する潤滑油として、トランスミッション内の各部に供給される。近年では、ロータの回転負荷を低減して自動車の燃費性能を向上させるため、2吐出分割構造のベーンポンプが主流となっている。2吐出分割構造のベーンポンプは、各吐出ポートの下流側に圧力調整弁を配し、例えば第1の吐出ポートから吐出されるトランスミッションオイルを比較的高圧の状態でアクチュエータの動作のために用い、第2の吐出ポートから吐出されるトランスミッションオイルを比較的低圧の状態で潤滑及び冷却のために用いることで、第2の圧力遷移行程を行うための負荷を軽減することができ、全体としてロータの回転負荷を低減することが可能となる。
トランスミッションに取り付けられた2吐出分割構造のベーンポンプは、自動車の組み立て工場において、自動車の組み立て後にトランスミッション内にトランスミッションオイルが流し込まれることにより、第1及び第2の吸入ポート、第1及び第2の吐出ポート、ならびにロータ室にトランスミッションオイルが充填される。この際、第1の背圧溝には第1の背圧導入路からトランスミッションオイルが充填され、第2の背圧溝には第2の背圧導入路からトランスミッションオイルが充填されることが望ましい。しかし、トランスミッションに取り付けられたときの第1及び第2背圧溝には空気が満たされており、この空気が排出されないことにより、トランスミッションオイルが充填されにくいという課題があった。
第1及び第2背圧溝にトランスミッションオイルが充填されていない状態では、ベーンがスリットから押し出される背圧が不足するので、ロータが回転しても、部材間の僅かな隙間から第1及び第2背圧溝内の空気が排出されるまでは、適切な吐出圧が発生しない。なお、2吐出合流構造のベーンポンプでは、第1の背圧溝と第2の背圧溝とが分割(分離)されている2吐出分割構造のベーンポンプとは異なり、円環状に連結された背圧溝における第1及び第2の背圧導入路の開口部のうち、鉛直方向下方に位置する一方の開口部からトランスミッションオイルが充填され、鉛直方向上方に位置する他方の開口部から背圧溝内の空気が抜けるので、比較的トランスミッションオイルが背圧溝に充填されやすい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1の背圧溝及び第2の背圧溝に流体が充填されやすく、トランスミッション等の取付対象への取り付け初期における始動性に優れたベーンポンプを提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するため、楕円形状の内周カム面を有し、ロータ室を形成するカムリングと、前記ロータ室で回転軸線を中心として回転可能に収容され、中心部から径方向外方に向かって複数のスリットが放射状に形成されると共に、前記複数のスリットのそれぞれの前記中心部側の端部に連続して背圧室が設けられたロータと、第1の吸入ポート、第1の吐出ポート、第2の吸入ポート、及び第2の吐出ポートが前記ロータの回転方向に並んで形成されると共に、前記第1の吐出ポートに連通する第1の背圧溝及び前記第2の吐出ポートに連通する第2の背圧溝が前記ロータとの対向面に形成された側板と、前記複数のスリットに収容されて前記ロータと共に回転し、前記第1の背圧溝又は前記第2の背圧溝から前記背圧室に供給される背圧を受けて前記内周カム面と前記ロータの外周面との間に複数のポンプ室を画成する複数のベーンとを備え、前記ロータの回転によって、前記第1の吸入ポートから前記ポンプ室に吸入された流体を前記第1の吐出ポートから吐出する第1の圧力遷移行程と、前記第2の吸入ポートから前記ポンプ室に吸入された流体を前記第2の吐出ポートから吐出する第2の圧力遷移行程とを同時に行うベーンポンプであって、前記側板には、前記第1及び第2の背圧溝のうち少なくとも何れかの背圧溝の複数の異なる箇所に開口して前記第1の吐出ポート又は前記第2の吐出ポートに連通する複数の連通孔が形成されている、ベーンポンプを提供する。
本発明によれば、第1の背圧溝及び第2の背圧溝に流体が充填されやすく、トランスミッション等の取付対象への取り付け初期における始動性に優れたベーンポンプを提供することができる。
本発明の実施の形態に係るベーンポンプの概略の構成を示す構成図である。 図1のA-A線断面図である。 ロータを示す平面図である。 (a)はベーンポンプのサイドプレート及びカムリングを示す平面図であり、(b)は(a)のB-B線におけるサイドプレートの断面図である。 (a)はサイドプレートを示す斜視図であり、(b)は(a)とは反対側から見たサイドプレートを示す斜視図である。 ハウジング蓋体を示す斜視図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係るベーンポンプの概略の構成を示す構成図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図3は、ロータを示す平面図である。図4(a)は、ベーンポンプのサイドプレート及びカムリングを示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)のB-B線におけるサイドプレートの断面図である。図5(a)は、サイドプレートを示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)とは反対側から見たサイドプレートを示す斜視図である。図6は、ハウジング蓋体を示す斜視図である。
このベーンポンプ1は、例えば自動車の駆動源(エンジン)の出力回転を車速等に応じて変速するトランスミッションに取り付けられ、トランスミッションオイルを吸入して出力する。出力されたトランスミッションオイルは、トランスミッションの各部の潤滑や、トランスミッションのアクチュエータの動作のために用いられる。トランスミッションオイルは、本発明における流体の一態様である。以下、トランスミッションオイルを単にオイルという。
(ベーンポンプの構成)
ベーンポンプ1は、ポンプハウジング2と、ポンプハウジング2に収容されたカムリング3及びサイドプレート(側板)4と、カムリング3内のロータ室30に回転可能に収容されたロータ5と、ロータ5と共に回転する複数の板状のベーン6と、ロータ5に相対回転不能に連結されたポンプ軸7とを備えている。また、ベーンポンプ1は、図1における図面上方が鉛直方向の上方となり、図面下方が鉛直方向の下方となるように、取付対象であるトランスミッションに取り付けられる。
ポンプ軸7は、駆動源であるエンジンの回転力を受けて回転する。ロータ5は回転軸線Oを回転中心とし、ポンプ軸7と共に一定の方向(図1に示す矢印a方向)に回転する。ベーンポンプ1がトランスミッションに取り付けられたとき、回転軸線Oは水平となる。以下、ロータ5の回転軸線Oに平行な方向を軸方向という。
ポンプハウジング2は、図2に示すように、収容空間20が形成されたハウジング本体21と、ハウジング本体21における収容空間20の開口を閉塞するハウジング蓋体22とを有し、ハウジング本体21とハウジング蓋体22とが複数のボルト23により締結されている。ボルト23は、ハウジング本体21に設けられたねじ孔21a(図1に示す)に螺合する。また、ハウジング本体21には、複数の取付アーム217が設けられており、取付アーム217に形成されたボルト孔217aに挿通される図略のボルトにより、ハウジング本体21がトランスミッションケースに固定される。
ハウジング本体21及びハウジング蓋体22は、例えばアルミ系金属材料(アルミニウム合金)からなり、ダイキャスト成形されている。図1では、ハウジング蓋体22の図示を省略して収容空間20の内部を示している。
収容空間20には、カムリング3及びサイドプレート4が収容され、カムリング3の内側にロータ5が収容されている。サイドプレート4は、収容空間20の底面20a側に対向して配置され、カムリング3及びロータ5は、サイドプレート4とハウジング蓋体22との間に配置されている。カムリング3及びサイドプレート4は、例えば鉄系金属材料からなり、焼結によって成形されている。
ハウジング本体21には、吸入通路210からオイルが導入される第1及び第2の導入部211,212が収容空間20に連通して形成されている。また、ハウジング本体21には、図2に示すように、収容空間20の底面20aに開口する第1及び第2の吐出通路213,214が形成されている。ベーンポンプ1は、第1及び第2の導入部211,212に供給されたオイルを、圧力を高めて第1及び第2の吐出通路213,214からオイルの供給対象であるトランスミッションに出力する。
ポンプ軸7は、ハウジング本体21に形成された挿通孔216及びサイドプレート4に形成された挿通孔40に挿通され、一端部がハウジング蓋体22に形成された止まり穴220に収容されている。また、ポンプ軸7は、ハウジング本体21の挿通孔216に収容された軸受81、及びハウジング蓋体22の止まり穴220に収容された軸受82によって回転自在に支持されている。
カムリング3は、軸方向から見た外周面が円形状であり、内周面が楕円形状である。この内周面は、ベーン6の先端部が突き当てられる内周カム面3aである。内周カム面3aに囲まれたカムリング3の内部には、ロータ5が配置されるロータ室30が形成されている。カムリング3には、一対の貫通孔31,31が形成されており、この一対の貫通孔31,31に、ハウジング本体21における収容空間20の底面20aに立設された一対のピン215,215がそれぞれ挿通されている。また、一対のピン215,215は、サイドプレート4に形成された一対の貫通孔400,400(図5に示す)にも挿通されている。これにより、カムリング3及びサイドプレート4は、ポンプハウジング2に対して相対回転不能とされている。
サイドプレート4には、図1及び図4に示すように、第1の吸入ポート41、第2の吸入ポート42、第1の吐出ポート43、及び第2の吐出ポート44が、ロータ5の回転方向に並んで形成されている。第1の吸入ポート41は、第1の導入部211に連通し、第2の吸入ポート42は、第2の導入部212に連通している。第1の吐出ポート43は、第1の吐出通路213に連通し、第2の吐出ポート44は、第2の吐出通路214に連通している。
第1及び第2の吸入ポート41,42、及び第1及び第2の吐出ポート43,44は、カムリング3の内周カム面3aと共にロータ室30の内面を形成するサイドプレート4の平面4aから軸方向に窪んで形成され、ロータ室30に開口している。平面4aは、軸方向に対して垂直な平坦面である。第1の吐出ポート43は、ロータ5の回転方向の後方側の端部に、ロータ5の回転方向と逆向きに開口面積を徐々に縮小して延在するひげ溝431を有している。また、第2の吐出ポート44は、ロータ5の回転方向の後方側の端部に、ロータ5の回転方向と逆向きに開口面積を徐々に縮小して延在するひげ溝441を有している。
ロータ5は、カムリング3の内周カム面3aに外周面5aが対向するように、ロータ室30内に回転可能に配置されている。ロータ5は、例えば鉄系の金属からなる粉末を焼成した焼結体からなる円板状である。ロータ5の中心部には、ポンプ軸7のスプライン嵌合部71が嵌合する嵌合孔50が形成されている。ロータ5は、ポンプ軸7に対して相対回転不能であり、ポンプ軸7と共に回転する。ロータ5の一方の側面5bには、サイドプレート4の平面4aが対向する。平面4aは、サイドプレート4におけるロータ5との対向面である。
また、ロータ5には、図3に示すように、外周面5aに開口する複数(本実施の形態では12個)のスリット51がロータ5の中心部から径方向外方に向かって放射状に形成されている。スリット51は、ベーン6の厚みよりも僅かに大きな幅に形成され、ロータ5を軸方向に貫通している。それぞれのスリット51には、ベーン6の少なくとも一部が収容されている。ベーン6は、スリット51に案内されてロータ5の径方向に移動可能である。
また、ロータ5には、その中心部側にあたるスリット51の端部に、ベーン6をスリット51から径方向外方に押し出す方向の背圧が導入される背圧室52が設けられている。背圧室52は、ロータ5を軸方向から見た場合に、スリット51の端部のみ、他の部分の幅よりも直径が大きい丸孔とされ、ロータ5を軸方向に貫通している。
ベーン6は、背圧室52に導入されたオイルの圧力(背圧)を受け、先端部が内周カム面3aに押し当てられる。ロータ室30内には、複数のベーン6によってロータ5の外周面5aと内周カム面3aとの間に複数のポンプ室Pが画成される。ここで、画成とは、区画して形成することをいう。
第1及び第2の吸入ポート41,42に連通するポンプ室Pを画成するベーン6は、ロータ5の回転に伴って徐々にスリット51からの突出量が大きくなり、第1及び第2の吐出ポート43,44に連通するポンプ室Pを画成するベーン6は、ロータ5の回転に伴って徐々にスリット51からの突出量が小さくなる。そして、このロータ5の回転に伴うベーン6の動きによってポンプ室Pの容積が変化する。
ポンプ室Pの容積が大きくなる過程では、第1の吸入ポート41又は第2の吸入ポート42からポンプ室Pにオイルが流入し、ポンプ室Pの容積が小さくなる過程では、ポンプ室Pに流入したオイルが第1の吐出ポート43又は第2の吐出ポート44に流出する。以下、第1の吸入ポート41から吸入したオイルを第1の吐出ポート43から吐出する行程を第1の圧力遷移行程といい、第2の吸入ポート42から吸入したオイルを第2の吐出ポート44から吐出する行程を第2の圧力遷移行程という。
ベーンポンプ1は、ロータ5の回転によって第1の圧力遷移行程と第2の圧力遷移行程とを同時に行う。また、ベーンポンプ1は、2吐出分割構造のものであり、第1の吐出通路213と第2の吐出通路214とがポンプハウジング2内で合流することなく、第1の吐出通路213のオイルと第2の吐出通路214のオイルとが分割されたままポンプハウジング2の外部に出力される。第1の吐出通路213から出力されたオイルは、例えばトランスミッション内のアクチュエータを動作させる作動油として用いられる。また、第2の吐出通路214から出力されたオイルは、例えばトランスミッション内のクラッチプレート等を潤滑及び冷却する潤滑油として用いられる。
ロータ5の側面5bに対向するサイドプレート4の平面4aには、第1及び第2の背圧溝45,46が形成されている。第1の背圧溝45は、第1の圧力遷移行程にあるポンプ室Pを区画するベーン6に対応する背圧室52に連通する。第2の背圧溝46は、第2の圧力遷移行程にあるポンプ室Pを区画するベーン6に対応する背圧室52に連通する。第1の背圧溝45は、第1の吸入ポート41及び第1の吐出ポート43よりも内側(ロータ5の中心部側)で円弧状に延在している。第2の背圧溝46は、第2の吸入ポート42及び第2の吐出ポート44よりも内側で円弧状に延在している。
第1の背圧溝45は、第1の吸入ポート41の内側にあたる部位に形成された第1の吸入側背圧溝部451と、第1の吐出ポート43の内側にあたる部位に形成された第1の吐出側背圧溝部452と、第1の吸入側背圧溝部451と第1の吐出側背圧溝部452との間に設けられた第1の絞り部453と、第1の吐出側背圧溝部452からロータ5の回転方向に沿って第1の吸入側背圧溝部451とは反対側に延出された第1の延出部454とを有している。第1の絞り部453及び第1の延出部454は、第1の吸入側背圧溝部451及び第1の吐出側背圧溝部452よりも浅くかつ径方向の幅が狭く形成されており、流路面積が狭くなっている。第1の絞り部453は、第1の吸入側背圧溝部451と第1の吐出側背圧溝部452との間のオイルの流れを抑制する。
第2の背圧溝46は、第2の吸入ポート42の内側にあたる部位に形成された第2の吸入側背圧溝部461と、第2の吐出ポート44の内側にあたる部位に形成された第2の吐出側背圧溝部462と、第2の吸入側背圧溝部461と第2の吐出側背圧溝部462との間に設けられた第2の絞り部463と、第2の吐出側背圧溝部462からロータ5の回転方向に沿って第2の吸入側背圧溝部461とは反対側に延出された第2の延出部464とを有している。第2の絞り部463及び第2の延出部464は、第2の吸入側背圧溝部461及び第2の吐出側背圧溝部462よりも浅くかつ径方向の幅が狭く形成されており、流路面積が狭くなっている。第2の絞り部463は、第2の吸入側背圧溝部461と第2の吐出側背圧溝部462との間のオイルの流れを抑制する。
第1の背圧溝45は、ベーンポンプ1がトランスミッションに取り付けられたとき、第1の吐出側背圧溝部452が第1の吸入側背圧溝部451の上方に配置され、第1の吐出側背圧溝部452のさらに上方に第1の延出部454が配置される。一方、第2の背圧溝46は、ベーンポンプ1がトランスミッションに取り付けられたとき、第2の吐出側背圧溝部462が第2の吸入側背圧溝部461の下方に配置され、第2の吐出側背圧溝部462のさらに下方に第2の延出部464が配置される。本実施の形態では、ベーンポンプ1がこのような姿勢でトランスミッションに取り付けられた、と仮定する。
第1の背圧溝45には、サイドプレート4に形成された第1の主連通孔401及び第1の副連通孔402が開口している。第1の主連通孔401及び第1の副連通孔402は、それぞれが本発明の連通孔であり、第1の吐出ポート43に連通している。なお、後述するように、第1の副連通孔402が、第1の吐出通路213を介して第1の吐出ポート43に連通している態様も、連通孔が吐出ポートに連通している構成に相当する。第1の主連通孔401及び第1の副連通孔402は、第1の背圧溝45における第1の絞り部453を挟む異なる箇所に開口している。より具体的には、第1の主連通孔401は、第1の吸入側背圧溝部451に開口し、第1の副連通孔402は、第1の延出部454に開口している。第1の主連通孔401は、第1の副連通孔402よりもオイルの流路面積が大きく、第1の背圧溝45には、主として第1の主連通孔401から第1の吐出ポート43の吐出圧が導入される。
第1の主連通孔401は、図5(b)に示すように、収容空間20の底面20aに対向するサイドプレート4の裏面4bに開口して第1の吐出ポート43から延びる溝47に連通している。第1の副連通孔402は、図4(a)及び(b)に示すように、第1の吐出ポート43に連通し、第1の延出部454における第1の吐出側背圧溝部452と反対側の端部に開口している。なお、図4(b)の図示例では、第1の副連通孔402が第1の吐出ポート43の内面に開口しているが、第1の副連通孔402は、第1の吐出通路213を介して第1の吐出ポート43に連通していてもよい。
第2の背圧溝46には、サイドプレート4に形成された第2の主連通孔403及び第2の副連通孔404が開口している。第2の主連通孔403及び第2の副連通孔404は、それぞれが本発明の連通孔であり、第2の吐出ポート44に連通している。なお、後述するように、第2の副連通孔404が、第2の吐出通路214を介して第2の吐出ポート44に連通している態様も、連通孔が吐出ポートに連通している構成に相当する。第2の主連通孔403及び第2の副連通孔404は、第2の背圧溝46における第2の絞り部463を挟む異なる箇所に開口している。より具体的には、第2の主連通孔403は、第2の吸入側背圧溝部461に開口し、第2の副連通孔404は、第2の延出部464に開口している。第2の主連通孔403は、第2の副連通孔404よりもオイルの流路面積が大きく、第2の背圧溝46には、主として第2の主連通孔403から第2の吐出ポート44の吐出圧が導入される。
第2の主連通孔403は、図5(b)に示すように、サイドプレート4の裏面4bに開口して第2の吐出ポート44から延びる溝48に連通している。第2の副連通孔404は、図4(a)及び(b)に示すように、第2の吐出ポート44に連通し、第2の延出部464における第2の吐出側背圧溝部462と反対側の端部に開口している。なお、図4(b)の図示例では、第2の副連通孔404が第2の吐出ポート44の内面に開口しているが、第2の副連通孔404は、第2の吐出通路214を介して第2の吐出ポート44に連通していてもよい。
第1の吸入ポート41に交差するベーン6は、第1の主連通孔401から第1の吸入側背圧溝部451に導入される吐出圧によりスリット51から押し出される。また、第2の吸入ポート42に交差するベーン6は、第2の主連通孔403から第2の吸入側背圧溝部461に導入される吐出圧によりスリット51から押し出される。
第1の吐出ポート43に交差するベーン6は、先端部が内周カム面3aに押し当てられてロータ5と共に回転することにより、スリット51内を背圧室52側に押し込まれる。これにより、スリット51内のオイルが背圧室52を経て第1の吐出側背圧溝部452に排出されて第1の吐出側背圧溝部452におけるオイルの圧力が高くなり、この圧力によってベーン6の先端部が内周カム面3aに押し当てられる。第2の吐出ポート44に交差するベーン6についても同様である。
ハウジング蓋体22には、ロータ室30側の平面22aに、第1の吐出ポート43と軸方向に向かい合う第1の凹部221、第2の吐出ポート44と軸方向に向かい合う第2の凹部222、第1の背圧溝45と軸方向に向かい合う第1の対向溝223、及び第2の背圧溝46と軸方向に向かい合う第2の対向溝224が形成されている。第1及び第2の凹部221,222は、それぞれ第1及び第2の吐出ポート43,44と対称な形状をなしており、第1及び第2の対向溝223,224は、第1及び第2の背圧溝45,46と対称な形状をなしている。この構成により、ロータ5がオイルの圧力によってハウジング蓋体22側に受ける力とサイドプレート4側に受ける力とがバランスし、ロータ5の回転が円滑化される。
ベーンポンプ1は、自動車の組み立て後にトランスミッション内にトランスミッションオイルが流し込まれることにより、第1及び第2の吸入ポート41,42、第1及び第2の吐出ポート43,44、第1及び第2の背圧溝45,46、ロータ室30、吸入通路210、ならびに第1及び第2の吐出通路213,214等の各部にオイルが充填される。そして、これら各部にオイルが充填された状態でロータ5が回転することにより、第1の圧力遷移行程及び第2の圧力遷移行程が行われる。
オイルがトランスミッションに流し込まれるとき、第1の背圧溝45には、第1の主連通孔401からオイルが流入すると共に、第1の背圧溝45内の空気が第1の副連通孔402から排出される。この際、第1の副連通孔402が排気孔として機能し、第1の背圧溝45に円滑にオイルが充填される。また、第2の背圧溝46には、第2の副連通孔404からからオイルが流入すると共に、第2の背圧溝46内の空気が第2の主連通孔403から排出される。この際、第2の主連通孔403は、排気孔として機能し、第2の背圧溝46に円滑にオイルが充填される。
なお、前述のように、第1の主連通孔401は第1の副連通孔402よりもオイルの流路面積が大きいので、仮に第1の背圧溝45における第1の主連通孔401の開口と第1の副連通孔402の開口とが水平方向に並ぶようにベーンポンプ1が取り付けられた場合には、第1の主連通孔401の方が第1の副連通孔402よりもオイルの流動抵抗が小さいため、第1の主連通孔401から第1の背圧溝45にオイルが流れ込み、第1の副連通孔402から空気が排出される。第2の背圧溝46についても同様である。
(実施の形態の効果)
以上説明した実施の形態によれば、ベーンポンプ1の各部にオイルが充填されるとき、第1の主連通孔401及び第1の副連通孔402の何れかから第1の背圧溝45の空気が排出され、第2の主連通孔403及び第2の副連通孔404の何れかから第2の背圧溝46の空気が排出されるので、第1及び第2の背圧溝45,46にオイルが充填されやすい。これにより、例えば自動車の組み立て後に行われる完成検査の際にも、適切な吐出圧を発生させてオイルを供給対象に供給することができる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記の実施の形態では、第1の背圧溝45に連通する第1の主連通孔401及び第1の副連通孔402をサイドプレート4に形成し、第2の背圧溝46に連通する第2の主連通孔403及び第2の副連通孔404をサイドプレート4に形成した場合について説明したが、これに限らず、例えば取付対象に取り付けられる際の天地方向による第1及び第2の背圧溝45,46からの空気の抜けやすさや、自重によるベーン6のスリット51からの突出しやすさ等を考慮して、第1の副連通孔402及び第2の副連通孔404の一方をサイドプレート4に形成しなくともよい。
1…ベーンポンプ 3…カムリング
30…ロータ室 3a…内周カム面
4…サイドプレート 401…第1の主連通孔
402…第1の副連通孔 403…第2の主連通孔
404…第2の副連通孔 41…第1の吸入ポート
42…第2の吸入ポート 43…第1の吐出ポート
44…第2の吐出ポート 45…第1の背圧溝
451…第1の吸入側背圧溝部 452…第1の吐出側背圧溝部
453…第1の絞り部 454…第1の延出部
46…第2の排圧溝 461…第2の吸入側背圧溝部
462…第2の吐出側背圧溝部 463…第2の絞り部
464…第2の延出部 5…ロータ
51…スリット 52…背圧室
6…ベーン

Claims (3)

  1. 楕円形状の内周カム面を有し、ロータ室を形成するカムリングと、
    前記ロータ室で回転軸線を中心として回転可能に収容され、中心部から径方向外方に向かって複数のスリットが放射状に形成されると共に、前記複数のスリットのそれぞれの前記中心部側の端部に背圧室が設けられたロータと、
    第1の吸入ポート、第1の吐出ポート、第2の吸入ポート、及び第2の吐出ポートが前記ロータの回転方向に並んで形成されると共に、前記第1の吐出ポートに連通する第1の背圧溝及び前記第2の吐出ポートに連通する第2の背圧溝が前記ロータとの対向面に形成された側板と、
    前記複数のスリットに収容されて前記ロータと共に回転し、前記第1の背圧溝又は前記第2の背圧溝から前記背圧室に供給される背圧を受けて前記内周カム面と前記ロータの外周面との間に複数のポンプ室を画成する複数のベーンとを備え、
    前記ロータの回転によって、前記第1の吸入ポートから前記ポンプ室に吸入された流体を前記第1の吐出ポートから吐出する第1の圧力遷移行程と、前記第2の吸入ポートから前記ポンプ室に吸入された流体を前記第2の吐出ポートから吐出する第2の圧力遷移行程とを同時に行うベーンポンプであって、
    前記側板には、前記第1及び第2の背圧溝のうち少なくとも何れかの背圧溝の異なる箇所に開口して前記第1の吐出ポート又は前記第2の吐出ポートに連通する複数の連通孔が形成されている、
    ベーンポンプ。
  2. 前記第1の背圧溝は、前記第1の吸入ポートよりも前記回転軸線側に形成された第1の吸入側背圧溝部と、前記第1の吐出ポートよりも前記回転軸線側に形成された第1の吐出側背圧溝部と、前記第1の吸入側背圧溝部と前記第1の吐出側背圧溝部との間に設けられた絞り部とを有し、
    前記第2の背圧溝は、前記第2の吸入ポートよりも前記回転軸線側に形成された第2の吸入側背圧溝部と、前記第2の吐出ポートよりも前記回転軸線側に形成された第2の吐出側背圧溝部と、前記第2の吸入側背圧溝部と前記第2の吐出側背圧溝部との間に設けられた絞り部とを有し、
    前記少なくとも何れかの背圧溝は、前記絞り部を挟む複数箇所に前記連通孔が開口している、
    請求項1に記載のベーンポンプ。
  3. 前記第1の背圧溝は、前記第1の吐出側背圧溝部から前記ロータの回転方向に沿って前記第1の吸入側背圧溝部とは反対側に延出された延出部を有し、
    前記第2の背圧溝は、前記第2の吐出側背圧溝部から前記ロータの回転方向に沿って前記第2の吸入側背圧溝部とは反対側に延出された延出部を有し、
    前記少なくとも何れかの背圧溝は、前記延出部に前記連通孔が開口している、
    請求項2に記載のベーンポンプ。
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