JP2012001974A - 構造物における杭と基礎とのpc接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐震構造を確保しながら地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止し、杭頭部にコンクリートの圧縮破壊や鉄筋の座屈等の発生及び残留変位を防止することのできる構造物における杭と基礎とのPC接合構造を提供すること。
【解決手段】構造物における杭22と、この杭22上に別体で設けられる基礎32との接合構造であって、杭22の内部から基礎32の上端面まで埋設されて伸長する複数のほぼ真っ直ぐなシース管20aと、シース管20aに遊貫して設置され、杭22内の基端部は杭22内に固定され、基礎32の上端面から突出する他端部は張力印加手段を介して基礎32の上端面に係止される複数のほぼ真っ直ぐなPC鋼棒20bと、を有し、PC鋼棒20bは、基礎32の上端面と杭22内の固定部Cとの間で、所定の緊張力を付与されて設置された。
【選択図】図10

Description

本発明は、建物等の構造物における杭と基礎との接合構造に係り、特に、PC鋼棒を用いた杭と基礎との接合構造に関する。
従来、建物等の構造物における杭と基礎との接合構造は、杭と基礎とを鉄筋等により完全に一体化固定する剛接合構造が主流であった。しかし、剛接合構造とした場合、地震等により構造物に大きな水平力及び回転力が発生した場合に、杭頭部に曲げモーメントが集中し、杭頭部のコンクリートの圧縮破壊や鉄筋の座屈等の被害が発生することが多い。被害が発生した杭頭部には残留変位が起こり補修は非常に困難である。そのため、耐震設計として杭の断面積及び鉄筋の量を増加させる必要があり、設計や施工の点でコスト増の一因となっていた。
そこで、近年上記の剛接合構造に対し、曲げモーメントの集中を低減させ、杭頭部の損傷を少なくした半剛接合構造が数多く提案されている。この中で、杭と基礎とが鉄筋等により一体化固定されず、杭と基礎とをPC鋼棒により緊張結合させた構造として、特許文献1の杭と基礎の接合構造を挙げることができる。
上記の特許文献1では、杭と基礎とに跨って複数のPC鋼材が挿入され、このPC鋼材は、下端部が杭のコンクリート内に定着されると共に、上端部が基礎に緊張手段を介して係止され、中間部分が杭と基礎の対向面の中央部で収束するように、くの字形に屈曲した状態で挿入されている。この構成により、杭は基礎に対して、ほぼピン接合に近い状態となり、多数の杭頭主筋で定着する場合のような剛接合とはならないため、地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中が防止される。
特許第3796026号公報
しかしながら、特許文献1に記載される杭と基礎との接合構造では、PC鋼棒がくの字に屈曲した状態で基礎と杭に跨って挿入されているため、PC鋼棒に印加された緊張力は、主に屈曲部と基礎の上端面とに印加された状態となり、杭と基礎とに適切な緊張力が付与されていない状態となる懸念がある。更に、屈曲部が杭と基礎との接合部に位置してない場合は、付与した緊張力の効果は発揮されない。このような状態では、地震の際に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中が効果的に防止されないこととなる。更に、特許文献1に記載される杭と基礎との接合構造では、PC鋼棒に印加した緊張力が杭と基礎とにどのように作用するかが単純明快ではないため、良好な耐震構造を阻害することなく杭と基礎とを半剛接合構造とする最適な設計が難しいと考えられる。
本発明は、これらの課題を解決するために為されたものであり、その目的は、耐震構造を確保しながら地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止し、杭頭部にコンクリートの圧縮破壊や鉄筋の座屈等の発生及び残留変位を防止することのできる構造物における杭と基礎とのPC接合構造を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造は、
構造物における杭と該杭上に別体で設けられる基礎との接合構造において、前記杭の内部から前記基礎の上端面まで埋設されて伸長する複数のほぼ真っ直ぐなシース管と、該シース管に遊貫して設置され、前記杭内の基端部は該杭内に固定され、前記基礎の上端面から突出する他端部は張力印加手段を介して前記基礎の上端面に係止される複数のほぼ真っ直ぐなPC鋼棒と、を有し、前記PC鋼棒は、前記基礎の上端面と前記杭内の前記固定部との間で、所定の緊張力を付与されて設置されたことを特徴とする。
この構成により、杭と基礎とは非固定状態で接合され、杭と基礎とに跨って配された複数のほぼ真っ直ぐなPC鋼棒により、杭内の固定部と基礎の上端面との間に緊張力が付与される。PC鋼棒はほぼ真っ直ぐであるので、基礎の上端面での張力印加手段により印加された張力は、そのまま杭と基礎との緊張力となる。したがって、良好な耐震構造を阻害することなく半剛接合構造とする接合構造の設計が容易となる。設計が容易なことから、例えば、杭本体の鉄筋鋼材量を考慮してPC鋼棒の最適な本数等を容易に決定することができる。したがって、簡易な構成でありかつ設計が容易な半剛接合構造が実現でき、その半剛接合構造は、耐震構造を確保しながら地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止し、杭頭部のコンクリートの圧縮破壊や鉄筋の座屈等の発生を防止すると共にPC鋼棒に印加された張力により残留変位を抑止することが可能である。
請求項2に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造は、請求項1に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造において、
前記杭の杭頭部は、所定長さ範囲に亘って全周を補強鋼板により被覆されたことを特徴とする。したがって、補強鋼板が杭頭部の外周を覆っているので、地震等の際に杭頭部に圧縮軸力が作用し杭頭部に水平方向の膨張力が生じても、補強鋼板が周囲から杭頭部を拘束する。したがって、地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止するという半剛接合構造の作用をより的確に確保することができる。
請求項3に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造は、請求項1又は2の何れか1項に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造において、
前記杭の杭頭部は、鋼繊維含入コンクリートで形成されたことを特徴とする。したがって、地震等の際に杭頭部に圧縮軸力が作用し杭頭部に水平方向の膨張力が生じても、杭頭部が鋼繊維入りコンクリートで形成されているので、圧縮破壊することはない。したがって、地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止するという半剛接合構造の作用をより的確に確保することができる。
請求項4に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造は、請求項1から3の何れか1項に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造において、
前記杭の杭頭部の上端面には、該杭頭部の上端面内にモルタルが所定の厚さで打設されたことを特徴とする。したがって、地震等の際に杭頭部に曲げモーメントが働いて杭頭部が傾斜したときに、杭頭部の上端面と基礎の下端面との傾斜が所定の角度だけ許容されるので、良好な耐震構造を阻害することなく地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止しつつ、杭頭部の外周部の損壊を効果的に防ぐことが可能である。
本発明の構造物における杭と基礎とのPC接合構造によれば、ほぼ真っ直ぐなPC鋼棒を用いて杭と基礎とを緊張する構成であるので、簡易な構成でかつ設計の容易な半剛接合構造が実現できる。したがって、耐震構造を確保しながら地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止することの可能な半剛接合構造の採用の容易化が図られる。
本発明の構造物における杭と基礎とのPC接合構造の第1の実施の形態に係り、構築方法の工程図である。 第1の実施の形態に係り、杭孔掘削工程の概略説明図である。 第1の実施の形態に係り、シース管付きPC鋼棒及び鉄筋の建て込み工程の概略説明図である。 第1の実施の形態に係り、シース管付きPC鋼棒の概略正面図(同図(a))と概略断面図(同図(b))である。 第1の実施の形態に係り、コンクリートの打設工程の概略説明図である。 第1の実施の形態に係り、地盤掘削と杭頭処理工程の概略説明図である。 第1の実施の形態に係り、杭頭部の補強工程の概略説明図である。 第1の実施の形態に係り、シース管及びPC鋼棒の継ぎ足し工程の概略斜視図である。 第1の実施の形態に係り、補強された杭頭部の概略説明図である。 第1の実施の形態に係り、基礎の構築工程とPC鋼棒の緊張工程の概略説明図である。 本発明の構造物における杭と基礎とのPC接合構造の第2の実施の形態に係り、補強された杭頭部の概略斜視図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の構造物における杭と基礎とのPC接合構造の第1の実施の形態について、図面を参照しながら詳述する。
図1は、第1の実施の形態に係る杭と基礎とのPC接合構造の構築方法のフローチャートである。構築方法の流れを示すと次の様である。構造物を構築する場所に杭を立てるため杭孔部の掘削を行う(杭孔掘削工程:ステップS1)。次いで、掘削した杭孔部にシース管付きPC鋼棒及び鉄筋の建て込みを行い(PC鋼棒及び鉄筋の建込み工程:ステップS2)、コンクリートを打設する(コンクリート打設工程:ステップS3)。そして、現況地盤を設計地盤まで掘削し、杭頭部の処理を行う(地盤掘削と杭頭処理工程:ステップS4)。次に、杭頭部の補強を行い(杭頭部補強工程:ステップS5)、シース管及びPC鋼棒の継ぎ足しを行う(シース管及びPC鋼棒の継ぎ足し工程:ステップS6)。最後に、基礎を構築して、構築した基礎と杭とをPC鋼棒にて緊張する(基礎構築とPC鋼棒の緊張工程:ステップS7)。以下、各ステップを図面に基づいて詳述する。
(掘削工程:ステップS1)
図2は杭孔部の掘削工程の概略説明図である。杭孔掘削工程では通常の方法で現況地盤12から所定の径で、所定の深さ掘削が行われ、杭孔部10が形成される。
(PC鋼棒及び鉄筋の建込み工程:ステップS2)
図3はシース管付きPC鋼棒及び鉄筋の建て込み工程の概略説明図である。この工程において、まず、設計地盤14から杭孔部10の深さ方向に鉄筋16、18が建て込まれる。鉄筋16、18は、杭孔部10の外周付近に鉛直方向に延びる複数の主筋16と、これら主筋16を取り囲むリング状又はスパイラル状のせん断補強筋18とを有する。次いで、シース管付きPC鋼棒20を建て込む。この建て込みは、シース管付きPC鋼棒20のシース管20aと主筋16又はせん断補強筋18とを補助鉄筋44を介して固定することにより行われる。
図4は、シース管付きPC鋼棒の概略正面図(同図(a))と概略断面図(同図(b))を示す。概略断面図は、図4(a)のA−A概略断面図である。シース管付きPC鋼棒20は、金属製の中空のシース管20aにPC鋼棒20bが遊貫して通されている。PC鋼棒20bの杭内の基端部Tkには、アンカープレート36が固定ナット36aを用いて取り付けられる構成になっている。アンカープレート36が取り付けられた部分を固定部Cと称する。固定部Cは杭内のコンクリートに固定され、この固定部Cにより引き抜き抵抗が担保される。なお、PC鋼棒20bに緊張力を付加すると、杭及び基礎のコンクリートに対し支圧力が働いてコンクリートが圧縮破壊することがある。これを防止する目的で、アンカープレート36の近傍で支圧力が働く側に、かつPC鋼棒20bに垂直な面に、格子筋34が設置される。ここで、格子筋34は、鉄筋を格子状に配列したものである(図4(b)参照)。
上述のシース管付きPC鋼棒20の固定部Cは、杭孔部10内において、杭径の約2から3倍程度の深さに位置するように設計されている。また、この時点では、PC鋼棒20bの他端部Ttは、設計地盤14から約300mm突出するように建て込まれ、他端部Ttにはキャップ46が被せられている。
なお、シース付きPC鋼棒20の本数は、例えば、PC鋼棒による鋼材料(断面積×耐力)が杭本体の鉄筋鋼材料の65%程度となるように適宜定めることができる。第1の実施の形態では、構築される杭の外周面から所定の間隔を置いて杭の内側に、外周面に沿って6本配置される(後述の図8参照)。したがって、PC鋼棒の本数と杭内の設置場所を最適にすることにより、杭22と基礎32との半剛接合の状態を最適に設計することが可能であり、地震発生時に杭頭部に作用する曲げモーメントを許容範囲内に押さえ、杭頭部が変形した場合の残留変位を少なくすることが可能である。
(コンクリート打設工程:ステップS3)
図5は、杭を構築するためのコンクリートの打設工程の概略説明図である。コンクリート打設工程では、コンクリートの打設は通常の方法で行うことができる。例えば、杭孔部10を形成した後に杭孔部10内に安定液を充填し、トレミー管(図示していない)を挿入してコンクリートを打設しながら引く抜くことでコンクリートの杭22を構築することができる。コンクリートの打設は、設計地盤14より突出しているPC鋼棒20bの他端部Ttを完全に覆う位置まで行う。なお、先述のようにPC鋼棒20bの他端部Ttにはキャップ46が被せられており、この状態でコンクリートの打設が行われる。
(地盤掘削と杭頭処理工程:ステップS4)
図6は、地盤掘削と杭頭処理工程の概略説明図である。地盤掘削は、現況地盤12を設計地盤14まで掘削するものである。現況地盤12と設計地盤14が同じであれば、この掘削は必要でない。杭頭処理は、低品質となっている打設した後のコンクリートの上部をはつり作業により削り取り除く処理であり、はつり作業は設計地盤14と同位置の所まで行う。この場合、杭頭部24において設計地盤14より突出しているのは6本のシース付きPC鋼棒20のみであるから、はつり作業は容易に行うことができ、作業性良く短時間で杭頭処理を行うことが可能である。
(杭頭部補強工程:ステップS5)
図7は、杭頭部の補強工程の概略説明図である。杭頭部補強工程での杭頭部24の補強は、杭頭部24の周囲の設計地盤14を杭径程度掘り下げ、杭頭部24の周囲に杭径程度の長さ範囲に亘って補強鋼板26を巻き、杭22と補強鋼板26の間を間詰めモルタルで埋め、補強鋼板26を杭22に堅固に固定することにより行う。補強鋼板26の厚さは杭22の径と設計荷重等により適宜決めることができる。図8に杭頭部24を補強鋼板26により補強した場合の概略斜視図を示す。杭22の杭頭部24に補強鋼板26が巻かれ間詰めモルタル38により固定されている。なお、杭22の上端面は杭頭処理が終わり、平坦に均されており、この上端面から6本のシース付きPC鋼棒20が突出している。したがって、補強鋼板26が杭頭部24の外周を取り囲んでいるので、杭頭部24に圧縮軸力が作用する際に杭頭部24に生じる水平方向の膨張を、補強鋼板が周囲から拘束することから、杭頭部24の圧縮強度及び剛性が向上することとなる。したがって、地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止するという半剛接合構造の作用をより的確に確保することができる。
(シース管及びPC鋼棒の継ぎ足し工程:ステップS6)
図9は、シース管及びPC鋼棒の継ぎ足し工程の概略説明図である。上記の杭頭部24の補強が終了すると、図9に示すように、杭頭部24の上端面に目地モルタル30が平に所定の厚さで打設される。目地モルタル30は、補強鋼板26の厚さの2倍程度の厚さで、杭22の杭頭部24の上端面の外径より小さな径で杭頭部24の上端面に打設されている。次いで、シース管及びPC鋼棒の継ぎ足し工程に入り、シース付きPC鋼棒20に別のシース付きPC鋼棒20が継ぎ足される。新たに継ぎ足したシース付きPC鋼棒20は、その先端が、構築される基礎の上端面に位置するような長さを有する。シース付きPC鋼棒20の継ぎ足しは、例えば、PC鋼棒20bは螺合にて、シース管20aはボンド等を用いて行われる。
(基礎構築とPC鋼棒の緊張工程:ステップS7)
図10は、基礎構築とPC鋼棒の緊張工程の概略説明図である。基礎構築とPC鋼棒の緊張工程では、まず、所定の厚さを有する基礎32が杭22の上部に別体で構築される。シース付きPC鋼棒20の継ぎ目28は、構築された基礎32の内部であって下端面近傍に位置し、継ぎ足したシース付きPC鋼棒20の他端部は基礎32の上端面に位置するように構成される。すなわち、継ぎ足したPC鋼棒20bの他端部Ttは、張力印加手段としてのアンカープレート36及び固定ナット36aを介して基礎32の上端面に係止される。図10では、基礎32の上端面から凹部42が形成され、この凹部42の底面にアンカープレート36が載置され、このアンカープレート36を固定ナット36aが基礎の上端面に押さえ付けるように構成されている。杭22と基礎32との緊張力は、この固定ナット36aによる締め具合で容易に調節できる。したがって、良好な耐震構造を阻害することなく半剛接合構造とする接合構造の設計が容易となる。設計が容易なことから、例えば、杭本体の鉄筋鋼材量を考慮してPC鋼棒の最適な本数等を容易に決定することができる。なお、アンカープレート36の近傍で支圧力が働く側に、かつPC鋼棒20bに垂直な面に、格子筋34が設置されるが、前述したように基礎のコンクリートに対し支圧力が働いてコンクリートが圧縮破壊するのを防止するためである。
また、基礎32と杭22とは、杭径より小さな径のモルタル30を介して接合されるので、杭頭部24の上端面の縁部と基礎32の下端面には隙間Gが形成され、この隙間Gにより地震等の際に杭頭部24に曲げモーメントが働いた場合に、杭頭部の上端面と基礎の下端面との傾きを或程度許容し、杭頭部24の外周部の損壊を防ぎ、曲げモーメントをより一層効果的に低下させることができることとなる。なお、上記のモルタル30は凸球面状に形成されても良い。凸球面状に構成した場合、杭22と基礎32との接合はよりピン接合に近い状態となり、地震等の際に杭頭部24に働く曲げモーメントを更に小さくすることができ、杭22の規模を小さくすることが可能である。
なお、PC鋼棒20bとシース管20aとの隙間にはグラウト材20cが注入され、PC鋼棒20bに印加された緊張力が、効果的にコンクリートのプレストレスとして作用するように構成されている。また、同時にPC鋼棒20bの保護としても作用する。
本発明の構造物における杭と基礎とのPC接合構造によれば、杭22と基礎32とは、別体で構築され、6本のほぼ真っ直ぐなPC鋼棒20bにより緊張力が付与されて半剛接合の状態になっている。したがって、PC鋼棒20bはほぼ真っ直ぐであるので、基礎32の上端面で張力印加手段により印加された張力は、そのまま杭22と基礎32との緊張力となるので、良好な耐震構造を阻害することなく半剛接合構造とする接合構造の設計が容易である。このようにして得られた半剛接合構造は、杭22と基礎32の接合部の回転剛性が小さくなり、地震等の際に杭頭部24に働く曲げモーメントを小さくすることができる。また、杭22の杭頭部24は補強鋼板26により補強されているので、圧縮軸力に対する剛性及び強度を向上させることが可能である。したがって、地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止するという半剛接合構造の作用をより的確に確保することができる。すなわち、簡易な構成で、曲げモーメントに対する曲げ剛性の低減と圧縮軸力に対する剛性及び強度の向上とを両立させることが可能であり、杭頭部24のコンクリートの圧縮破壊や鉄筋の座屈等の発生を防止することができる。なお、曲げ剛性を小さくできることから、杭22の規模を小さくすることが可能であり、杭22の鉄筋量も少なくすることが可能である。更に、杭頭部24に水平力が作用し杭頭部24が変形した場合でもPC鋼棒20bの緊張力により残留変位は著しく小さくなる。
(第2の実施の形態)
本願発明の杭と基礎とのPC接合構造の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、杭頭部24の補強方法が異なる。第1の実施の形態では、杭頭部24を、補強鋼板26を用いて補強したが、第2の実施の形態では、杭頭部24を鋼繊維入りコンクリート40を用いて形成している。
図11は、第2の実施の形態に係る杭頭部の概略斜視図である。杭22の杭頭部24は、鋼繊維入りのコンクリート40により形成され、補強されている。この形成は、前述のステップ3のコンクリート打設工程において、補強鋼板による補強の場合と比較し補強分だけコンクリートを少なく打設し、ステップS4の杭頭処理工程において補強部下端までコンクリートをはつる杭頭処理を行う。そして、ステップS5の杭頭補強工程において、鋼繊維入りコンクリート40により杭頭部24を形成する。なお、コンクリートに対する鋼繊維の含有量等は、設計荷重等を考慮して適宜決定することができる。
杭頭部24を鋼繊維入りコンクリート40で形成した後、第1の実施の形態と同様に、地盤掘削と杭頭処理(ステップS4)が行われ、その後、シース管及びPC鋼棒の継ぎ足し工程(ステップS6)に入る。なお、本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、均された杭頭部24の上端面には目地モルタル30が所定に厚さで打設される。ただし、目地モルタル30は、第1の実施の形態と同様に、杭頭部24の上端面全部に打設されるのではなく、構築される基礎との接触面積が少なくなるように打設される。これにより、地震等の際に杭頭部24に曲げモーメントが働いた場合に、杭頭部24の損壊を防ぎ、曲げ剛性をより一層効果的に低下させることができることとなる。したがって、地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部24への集中を効果的に防止するという半剛接合構造の作用をより的確に確保することができる。
このように本実施の形態では、鋼繊維入りコンクリート40にて杭頭部24を形成したが、第1の実施の形態と同様の作用、効果を期待することができる。すなわち、簡易な構成でありかつ設計が容易な半剛接合構造が実現でき、その半剛接合構造は、良好な耐震構造を阻害することなく地震等の際に杭に生じる曲げモーメントの杭頭部への集中を効果的に防止し、杭頭部のコンクリートの圧縮破壊や鉄筋の座屈等の発生を防止することが可能である。また、杭頭部24を、鋼繊維入りコンクリート40にて形成しているので、杭頭部24の靭性が向上できることとなる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、PC鋼棒の本数は6本としたが、半剛接合構造の設計が容易であるので、杭径等を考慮してその本数を変更することが可能である。更に、PC鋼棒の杭内の配置場所も適宜設計することができる。
10 杭孔部
12 現況地盤
14 設計地盤
16 主筋
18 せん断補強筋
20 シース管付きPC鋼棒
20a シース管
20b PC鋼棒
22 杭
24 杭頭部
26 補強鋼板
28 継ぎ目
30 目地モルタル
32 基礎
34 格子鉄筋
36 アンカープレート
36a 固定ナット
38 間詰めモルタル
40 鋼繊維入りコンクリート
42 凹部
44 補助鉄筋
46 キャップ
C 固定部

Claims (4)

  1. 構造物における杭と該杭上に別体で設けられる基礎との接合構造において、
    前記杭の内部から前記基礎の上端面まで埋設されて伸長する複数のほぼ真っ直ぐなシース管と、
    該シース管に遊貫して設置され、前記杭内の基端部は該杭内に固定され、前記基礎の上端面から突出する他端部は張力印加手段を介して前記基礎の上端面に係止される複数のほぼ真っ直ぐなPC鋼棒と、を有し、
    前記PC鋼棒は、
    前記基礎の上端面と前記杭内の前記固定部との間で、所定の緊張力を付与されて設置されたことを特徴とする構造物における杭と基礎とのPC接合構造。
  2. 前記杭の杭頭部は、所定長さ範囲に亘って全周を補強鋼板により被覆されたことを特徴とする請求項1に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造。
  3. 前記杭の杭頭部は、鋼繊維含入コンクリートで形成されたことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造。
  4. 前記杭の杭頭部の上端面には、該杭頭部の上端面内にモルタルが所定の厚さで打設されたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の構造物における杭と基礎とのPC接合構造。
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