JP2012001678A - 冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法、再生方法、空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置、再生装置、空調システム - Google Patents

冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法、再生方法、空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置、再生装置、空調システム Download PDF

Info

Publication number
JP2012001678A
JP2012001678A JP2010140162A JP2010140162A JP2012001678A JP 2012001678 A JP2012001678 A JP 2012001678A JP 2010140162 A JP2010140162 A JP 2010140162A JP 2010140162 A JP2010140162 A JP 2010140162A JP 2012001678 A JP2012001678 A JP 2012001678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
cold
soluble inorganic
transport medium
inorganic salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010140162A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5499931B2 (ja
Inventor
Keiji Tomura
啓二 戸村
Eiji Matsuyama
英治 松山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2010140162A priority Critical patent/JP5499931B2/ja
Publication of JP2012001678A publication Critical patent/JP2012001678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5499931B2 publication Critical patent/JP5499931B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E70/00Other energy conversion or management systems reducing GHG emissions
    • Y02E70/30Systems combining energy storage with energy generation of non-fossil origin

Landscapes

  • Other Air-Conditioning Systems (AREA)

Abstract

【課題】第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とする冷熱輸送媒体または蓄冷材から、水溶性無機塩の析出を抑制する精製方法の提供。
【解決手段】第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とする冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮工程と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程とを備え、前記二層分離工程は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、前記濃縮工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法、再生方法、空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置、再生装置、空調システムに関するものである。
ビルの空調や地域冷暖房においては、夜間電力により蓄冷材を蓄冷しておき、この蓄冷熱を翌日の昼間に取り出して利用する蓄冷空調システムが開発されている。このシステムに用いられる潜熱蓄冷材として、第4級アンモニウム塩の水和物が知られている。第4級アンモニウム塩の水和物は、第4級アンモニウム塩の水溶液を冷却して生成され、比較的蓄冷量が大きく、パラフィンのように可燃性ではないため取り扱いも容易であり、非常に有用な蓄冷材であり、冷熱輸送媒体としても使用されている。
このような第4級アンモニウム塩の水和物を冷熱輸送媒体または蓄冷材として使用する際に、その特性を調整するために添加剤を添加する場合がある。また、冷熱輸送媒体または蓄冷材として使用中に、混入物として無機塩類が混ざってくる場合がある。一定期間使用され、冷熱輸送媒体または蓄冷材としての役目を終えた材料は、廃棄されることなくリサイクル使用されることが望ましいが、そのためには前記の添加された添加剤から生成あるいは混入した無機塩類を、第4級アンモニウム塩の水溶液から分離除去する必要がある。
分離除去しなければならない無機塩類は限定されるものではないが、例えば、該水和物(あるいは、第4級アンモニウム塩の水溶液)を輸送する配管や貯留する容器の腐食を抑制するために添加される腐食抑制剤から生成する無機塩類が、挙げられる。腐食抑制剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
亜硫酸ナトリウムは水溶液中の溶存酸素や、大気中から溶け込んでくる酸素と反応して硫酸ナトリウムとなり、水溶液中の溶存酸素濃度を低下させて配管材の腐食を抑制する。水溶液中の亜硫酸ナトリウム濃度を一定濃度以上に維持することにより腐食を抑制することができるが、配管系に酸素が侵入すると亜硫酸ナトリウムが消費されるため、亜硫酸ナトリウム濃度を維持するために亜硫酸ナトリウムの追加添加が必要な場合があり、設備の構成や運転の条件によっては、亜硫酸ナトリウムが追加されることがある。このため、次第に水溶液中の硫酸ナトリウム濃度が増加することになるが、水溶液中の硫酸ナトリウム濃度が増加し、これが過大となると、冷熱輸送媒体または蓄冷材としての性能が著しく低下する。この場合、冷熱輸送媒体または蓄冷材を全て入れ替えるか、冷熱輸送媒体または蓄冷材から硫酸ナトリウムを除去して再生することが必要となる。
しかしながら、空調設備に用いられている冷熱輸送媒体または蓄冷材を全て入れ替えることは費用が嵩み困難である。
そこで、発明者らは冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法を検討し、その一例として以下のものを提案した。
第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし添加された腐食抑制剤から生成した水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法であって、冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮し、第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離し、水層を除去するものである。(特許文献1参照)。
特開2007−182510号公報
しかしながら、特許文献1に開示された再生方法では、第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する際に、水溶性無機塩が析出しスラッジが生成し、二層分離することが困難となることがあるという問題がある。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、水溶性無機塩の析出を抑制し、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、純度の高い冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法及び装置を提供することを目的としている。
また、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とする冷熱輸送媒体または蓄冷材から、水溶性無機塩の析出を抑制し該冷熱輸送媒体または蓄冷材に含まれる水溶性無機塩からなる不純物を除去して再生する方法、装置を提供することを目的としている。
また、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とする冷熱輸送媒体または蓄冷材から、水溶性無機塩の析出を抑制し該冷熱輸送媒体または蓄冷材に含まれる水溶性無機塩からなる不純物を除去して再生することによって装置の保全を行う空調装置の保全方法を提供することを目的としている。
また、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とする冷熱輸送媒体または蓄冷材から、水溶性無機塩の析出を抑制し該冷熱輸送媒体または蓄冷材に含まれる水溶性無機塩からなる不純物を除去して再生することによって装置の保全を行う空調システムを提供することを目的としている。
特許文献1に示されるように、臭化テトラnブチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩水溶液に硫酸ナトリウム等の水溶性無機塩が混入した水溶液から水を除去して濃縮することにより、水より軽い軽液層と水層の二層に分離し、軽液層には第4級アンモニウム塩が濃縮されており、水層には水溶性無機塩が濃縮されている。
発明者らは、第4級アンモニウム塩を主成分とし水溶性無機塩を含む水溶液を濃縮して、第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する際に、水溶性無機塩が析出しスラッジが生成し、二層分離することが困難になる状況について鋭意検討した結果、水溶液の温度を所定温度範囲に保持することにより、水溶性無機塩の析出を抑制することができることを見出した。以下に、詳しく説明する。
第4級アンモニウム塩としての臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液への、水溶性無機塩としての硫酸ナトリウムの溶解度と、水溶液温度との関係を調べた。
図1は水溶液温度と硫酸ナトリウムの溶解度との関係(溶解度曲線)を示す図であり、横軸は水溶液温度を、縦軸は硫酸ナトリウムの溶解度(水溶液100gに溶解する重量)を示す。硫酸ナトリウムの溶解度は水溶液温度が35℃で最大となっており、35℃より低い温度では著しく減少し、35℃より高い温度ではほぼ横ばいか多少減少している。このように水溶液温度が35℃より低いと、硫酸ナトリウムの臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液への溶解度は著しく小さいため、水溶液を濃縮し硫酸ナトリウムの濃度が高い場合には硫酸ナトリウムが析出しスラッジを生成しやすいことが判明した。
そこで、硫酸ナトリウムを含む臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液の温度を35℃以上に保持することにより、硫酸ナトリウムの水溶液に対する溶解度を高く保持することができ、硫酸ナトリウムの析出を抑制しスラッジの生成を防ぐことできることを見出した。(35℃より低い温度では硫酸ナトリウム10水和物塩として析出し、35℃より高い温度では硫酸ナトリウム無水和物塩として溶解して溶解度が高く析出しにくいことが推察される。)
また、第4級アンモニウム塩水溶液に硫酸ナトリウム等の水溶性無機塩が混入した水溶液から水を除去して濃縮する際に、図1に示す溶解度曲線より上側の濃度まで濃縮すると硫酸ナトリウム等の水溶性無機塩が析出するので、35℃以上の温度における溶解度曲線で示される濃度未満に濃縮することが必要である。
以上の検討から、濃縮した第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離させるためには、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出しない所定温度範囲に保持する必要があり、その前提として、濃縮の段階においては二層分離における前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で濃縮する必要があるとの知見を得た。
上記においては臭化テトラnブチルアンモニウムと硫酸ナトリウムを例に挙げて説明したが、他のテトラアルキルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩と他の水溶性無機塩との場合でも同様に水溶液の温度を前記所定温度範囲に保持することにより水溶性無機塩の析出を抑制できることを確認している。
なお、濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液の温度は、第4級アンモニウム塩の変質を避け、また高温に保持することは加熱保持のためのエネルギーを消費することになるため、このような観点から上限値を設けることが好ましい。
水溶性無機塩が、硫酸ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウムの場合には、好ましい所定温度範囲は35℃以上45℃以下であることを見出している。
本発明は上述した検討から得られた知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を有するものである。
(1)本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法は、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法であって、
前記冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮工程と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程とを備え、
前記二層分離工程は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、
前記濃縮工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮することを特徴とする冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法。
(2)また、本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法は、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法であって、
前記冷熱輸送媒体または蓄冷材に水溶性無機塩を添加する水溶性無機塩添加工程と、水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程とを備え、
前記二層分離工程は水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、
前記水溶性無機塩添加工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記水溶性無機塩を添加することを特徴とするものである。
(3)また、本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法は、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記水溶性無機塩は、硫酸ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウムであり、前記所定温度範囲は35℃以上45℃以下であることを特徴とするものである。
(4)また、本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法は、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法であって、
前記冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮工程と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程と、水層が除去された軽液に水を加えて第4級アンモニウム塩水溶液濃度を所定値に調整する濃度調整工程とを備え、
前記二層分離工程は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、
前記濃縮工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮すること特徴とするものである。
(5)また、本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法は、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法であって、
前記冷熱輸送媒体または蓄冷材に水溶性無機塩を添加する水溶性無機塩添加工程と、水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程と、水層が除去された軽液に水を加えて第4級アンモニウム塩水溶液濃度を所定値に調整する濃度調整工程とを備え、
前記二層分離工程は水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、
前記水溶性無機塩添加工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記水溶性無機塩を添加すること特徴とするものである。
(6)また、本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法は、上記(4)又は(5)に記載のものにおいて、前記水溶性無機塩は、硫酸ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムであり、前記所定温度範囲は35℃以上45℃以下であることを特徴とするものである。
(7)また、本発明に係る空調装置の保全方法は、冷熱輸送媒体または蓄冷材を用いる空調装置の保全方法であって、
空調装置から冷熱輸送媒体または蓄冷材を抜き出し、上記(4)乃至(6)に記載の冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法により、冷熱輸送媒体または蓄冷材を再生して、空調装置に戻すことを特徴とするものである。
(8)また、本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置は、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置であって、
前記冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮手段と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離手段と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去手段とを備え、
前記二層分離手段は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持手段を有し、
前記濃縮手段は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮することを特徴とするものである。
(9)また、本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置は、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置であって、
前記冷熱輸送媒体または蓄冷材に水溶性無機塩を添加する水溶性無機塩添加手段と、水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離手段と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去手段とを備え、
前記二層分離手段は水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持手段を有し、
前記水溶性無機塩添加手段は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記水溶性無機塩を添加することを特徴とするものである。
(10)また、本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置は、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置であって、
前記冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮手段と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離手段と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去手段と、水層が除去された軽液に水を加えて第4級アンモニウム塩水溶液濃度を所定値に調整する濃度調整手段とを備え、
前記二層分離手段は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持手段を有し、
前記濃縮手段は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮すること特徴とするものである。
(11)また、本発明に係る冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置は、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置であって、
前記冷熱輸送媒体または蓄冷材に水溶性無機塩を添加する水溶性無機塩添加手段と、水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離手段と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去手段と、水層が除去された軽液に水を加えて第4級アンモニウム塩水溶液濃度を所定値に調整する濃度調整手段とを備え、
前記二層分離手段は水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持手段を有し、
前記水溶性無機塩添加手段は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記水溶性無機塩を添加すること特徴とするものである。
(12)また、本発明に係る空調システムは、空調装置から冷熱輸送媒体または蓄冷材を抜き出す手段と、上記(10)又は(11)に記載の冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置と、再生された冷熱輸送媒体または蓄冷材を前記空調装置に戻す手段とを備えたことを特徴とするものである。
本発明における第4級アンモニウム塩は、ゲスト化合物として水分子に包接されて水和物を形成するものであって、親水基と親油基(疎水基)の両方を有する両親媒性分子である。具体的には、テトラアルキルアンモニウム−アニオン塩、トリアルキル・アルキルアンモニウム−アニオン塩が挙げられる。
また、アルキルとして、nブチル、nペンチル、isoペンチル、nプロピル、isoプロピル、エチル、メチルが挙げられる。
また、アニオンとして、Br、F、Cl、CHCOO、OH、CHCOO、HCOO、CHSO、CO、PO、HPO、WO、iCHCOO、OS(CH)SO、sCHCOO、NO、(CH)CH(NH)COO、nCHSO、CFCOO、CrOが挙げられる。
また、テトラアルキルアンモニウム−アニオン塩として、テトラアルキル臭化アンモニウム、テトラアルキル弗化アンモニウム、テトラアルキル塩化アンモニウム、テトラアルキル硝酸アンモニウムが挙げられる。
さらに、テトラアルキル臭化アンモニウムの例としては、臭化テトラnブチルアンモニウムが挙げられる。
またさらに、トリアルキル・アルキルアンモニウム−アニオン塩の例としては、臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム、塩化トリnブチルnペンチルアンモニウムが挙げられる。
また、水溶性無機塩としては、冷熱輸送媒体や蓄冷材に添加されるもの、または添加された化合物から生成されるものがある。具体的には、冷熱輸送媒体や蓄冷材に添加され溶存酸素を消費して腐食を抑制する腐食抑制剤として添加される亜硫酸塩、チオ硫酸塩から生成される硫酸塩、具体的には硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸リチウム、硫酸アンモニウムが挙げられる。
また、冷熱輸送媒体や蓄冷材に添加される水溶性無機塩としては、過冷却解除剤として添加されるリン酸水素二ナトリウムが挙げられる。
また、他の水溶性無機塩としては、冷熱輸送媒体や蓄冷材の製造過程や使用中に混入する無機塩が挙げられる。
本発明においては、第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法であって、前記冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮工程と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程とを備え、前記二層分離工程は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、前記濃縮工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮するようにしたので、二層分離工程において水溶性無機塩が析出することを抑制し、冷熱輸送媒体または蓄冷材に含まれる水溶性無機塩からなる不純物を効果的に除去して再生することができる。
従って本発明によれば、冷熱輸送媒体または蓄冷材に含まれる水溶性無機塩からなる不純物を効果的に除去することができる、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製及び再生に係る技術を実現することができ、また、空調装置で使用される冷熱輸送媒体または蓄冷材をそのように精製又は再生することにより当該空調装置を保全する技術、更にはそのように再生された冷熱輸送媒体または蓄冷材を使用する空調システムに係る技術を実現することができる。
課題を解決するための手段を説明する説明図であり、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液への、水溶性無機塩としての硫酸ナトリウムの溶解度と、水溶液温度との関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態に係る蓄冷空調システムの構成の一例を示す図である。 実施の形態1に係る冷熱輸送媒体再生装置の構成の説明図である。 実施の形態2に係る冷熱輸送媒体再生装置の構成の説明図である。
[実施の形態1]
図2は本発明の一実施の形態に係る蓄冷空調システムの構成の一例を示す図である。本実施の形態に係る蓄冷空調システムは、第4級アンモニウム塩水溶液および/またはその水和物のスラリを貯留する冷熱輸送媒体貯留槽1、冷熱輸送媒体貯留槽1に貯留されている第4級アンモニウム塩水溶液を冷却して水和物のスラリを製造するスラリ製造部3、冷熱輸送媒体貯留槽1に貯留されている水和物スラリの冷熱を利用する空調設備5、蓄冷空調システム内で循環使用されて冷熱輸送媒体貯留槽1に貯えられている第4級アンモニウム塩水溶液を抜き出して不純物を除去するための冷熱輸送媒体再生装置7を備えている。
スラリ製造部3は冷熱発生源である冷凍機9とこの冷凍機9から排出される冷熱媒体を流通させる冷却器11を備えている。そして、冷却器11と冷熱輸送媒体貯留槽1とは第4級アンモニウム塩水溶液の循環路を形成する配管13で連結され、配管13には循環ポンプ15が設けられている。
空調設備5と冷熱輸送媒体貯留槽1とは払い出し配管17および戻り配管19で連結されており、払い出し配管17には水和物スラリを空調設備5に払い出すポンプ21および開閉弁22が設けられている。
冷熱輸送媒体再生装置7には払い出し配管17から分岐して第4級アンモニウム塩水溶液を冷熱輸送媒体再生装置7に送る水溶液受入れ配管23と、冷熱輸送媒体再生装置7で再生された第4級アンモニウム塩水溶液を冷熱輸送媒体貯留槽1に返送するための水溶液返送配管25が接続されている。また、水溶液受入れ配管23には開閉弁26が設けられている。第4級アンモニウム塩水溶液は、戻り配管19から分岐する配管を設け冷熱輸送媒体再生装置7に抜き出しても良い。
冷熱輸送媒体再生装置7は第4級アンモニウム塩水溶液の不純物含有度合いに応じて、適宜運転する装置であるが、蓄冷空調システムを稼働するシーズンを迎える時期、或いは、所定期間毎に運転し、第4級アンモニウム塩水溶液を清浄化するための装置である。
図3は本実施の形態に係る冷熱輸送媒体再生装置7の構成の説明図である。以下、図3に基づいて冷熱輸送媒体再生装置7の構成を説明する。
冷熱輸送媒体再生装置7は、冷熱輸送媒体貯留槽1から抜き出された第4級アンモニウム塩水溶液中の錆等の非溶解性不純物を除去するろ過器27、第4級アンモニウム塩水溶液の水を蒸発させることで所定量の水の除去を行う水蒸発器31、水蒸発器31で所定量の水が除去されて濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液を後述の液・液分離器35に送るための濃縮液送水管32、濃縮液送水管32の途中に設置されて濃縮液を冷却する冷却熱交換器33、冷却熱交換器33で冷却された第4級アンモニウム塩水溶液を、その温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲、例えば35℃以上45℃以下に保持し比重差によって二層状態に分離する液・液分離器35、液・液分離器35の水層38の液を抜き出して排水するための排水管37及び排水管37に設けられた排水ポンプ39、液・液分離器35の軽液層36の軽液を抜き出して調整槽40に送るための送液管41および送液管41に設けられた送液ポンプ43をそれぞれ備えている。
ろ過器27にはガラスフィルター、樹脂フィルター、布フィルター、沈殿槽、砂ろ過槽など、一般的なろ過器27を用いることができる。 ろ過により、1μm以上の非溶解性不純物を取り除くことが好ましい。
液・液分離器35は、濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液の温度を前記所定温度範囲、例えば35℃以上45℃以下に保持するための加熱保持手段を備えている。加熱保持手段の構成の一例を示すと、水溶液の温度を計測する温度センサ(図示せず)、加熱手段42としての熱媒を流通させ水溶液と熱交換させる伝熱菅又は液・液分離器35容器の周囲に設ける加熱ジャケット、ヒータ、温度センサにより計測された水溶液温度に基づき加熱手段42を制御する制御手段(図示せず)を備えて構成されている。
また、冷熱輸送媒体再生装置7は、水蒸発器31に接続されて水蒸発器31で発生する水蒸気を取り出す水蒸気取り出し管45、水蒸気取り出し管45の途中に設けられて水蒸気を冷却して凝縮させる冷却熱交換器47、水蒸気取り出し管45に接続されて冷却熱交換器47で凝縮された凝縮水の気・液分離を行う気・液分離器49、気・液分離器49に接続されて気液分離器49の凝縮水を調整槽40に送る送水管51および送水管51に設けられた送水ポンプ53、気・液分離器49に接続されて気・液分離器49で発生するガスを取り出すガス取出し管55、ガス取出し管55に設けられた減圧ポンプ57をそれぞれ備えている。
なお、水蒸発器31は臭化テトラnブチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム塩の変質を避けるため、減圧フラッシュ方式等により80℃程度以下の温度で水を蒸発させる機能を有するものが好ましい。
また、調整槽40には軽液層36の濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液と凝縮水が送られて所定の濃度に調整されるが、これらの他に外部から水および腐食抑制剤の亜硫酸ナトリウムを添加できるようになっている。
以上のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
冷熱輸送媒体貯留槽1に貯留された第4級アンモニウム塩水溶液は循環ポンプ15によって配管13を介して冷却器11に送られ、冷却器11で冷却されて水和物スラリとなり、再び配管13を介して冷熱輸送媒体貯留槽1に送られて冷熱輸送媒体貯留槽1に貯留され、冷熱を蓄熱する。
空調運転時には冷熱輸送媒体貯留槽1に貯えられた水和物スラリは払い出しポンプ21によって抜き出され、空調設備5に送られる。空調設備5へ送られた水和物スラリは熱交換されて冷熱を放出して水溶液になり、戻り配管19を経由して冷熱輸送媒体貯留槽1へ戻される。
このように、第4級アンモニウム塩水溶液から生成した水和物スラリは蓄熱材として使用されると共に冷熱輸送媒体としても使用され、循環使用される。
前述したように、腐食抑制剤として添加される例えば亜硫酸ナトリウムが酸素と反応して生成する硫酸ナトリウムの量が過大になると、水和物スラリの蓄冷材および冷熱輸送媒体としての性能が著しく低下するため、冷熱輸送媒体再生装置7を稼動して第4級アンモニウム塩水溶液の再生を行なう。
第4級アンモニウム塩水溶液の再生を行なう場合には、払い出し配管17の開閉弁22を閉止し、水溶液受入れ配管23の開閉弁26を開放して、第4級アンモニウム塩水溶液を冷熱輸送媒体再生装置7側へ送るようにする。
冷熱輸送媒体再生装置7へ送られた第4級アンモニウム塩水溶液は、ろ過器27で錆等の非溶解性不純物が除去され、水蒸発器31で一定量の水が蒸発され濃縮される。
濃縮は、比重差に基づく二層分離が行われるために行うものであり、そのためには軽液層36と水層38の比重差が二層分離できる程度にまで大きくなるように第4級アンモニウム塩水溶液の濃度を所定の倍率以上に濃縮する必要がある。
もっとも、濃縮後における第4級アンモニウム塩水溶液中の水溶性無機塩の濃度を高くしすぎると、液・液分離器35において温度調整をしても水溶性無機塩の析出を抑制できなくなってしまうので、濃縮後の水溶性無機塩の濃度には上限を設ける必要がある。
濃縮は、液・液分離器35において設定される所定温度範囲において水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で行うようにする。なお、所定温度範囲において水溶性無機塩が析出する濃度は、当該水溶性無機塩について、温度と溶解度との関係を予め求めておくことで把握することができる。
濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液は、冷却熱交換器で冷却されて液・液分離器35に送られ、二層分離が行われる。
液・液分離器35では加熱保持手段により濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液の温度が所定温度範囲、例えば35℃以上45℃以下に保持され静置されて、比重差に基づいて軽液層36と水層38の二層分離が行われる。水溶液の温度が所定温度範囲、例えば35℃以上45℃以下に保持されているため、水溶性無機塩が析出することなく、円滑に二層分離が行われる。
所定温度範囲は、冷熱輸送媒体または蓄冷材の主成分として用いる第4級アンモニウム塩(例えば臭化テトラnブチルアンモニウム)水溶液における水溶性無機塩(例えば腐食抑制剤として添加される例えば亜硫酸ナトリウムが酸素と反応して生成する硫酸ナトリウム)の溶解度と温度との関係を予め把握しておき、その溶解度と温度との関係を参照して、濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液の温度を水溶性無機塩が析出しない温度範囲に決定する。これによって、水溶性無機塩の析出を抑制しスラッジの生成を防ぎ円滑に二層分離することができる。
比重の軽い軽液層36には濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液、例えば臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液が分離され、比重の重い水層38には腐食抑制剤から生成した水溶性無機塩、例えば硫酸ナトリウムを含む水が分離される。そして、硫酸ナトリウムをほとんど含まない軽液層36の軽液は送液管41を介して調整槽40に送られる。また、水層38の硫酸ナトリウムを含む水は排水ポンプ39によって排水管37を介して排水される。
水蒸発器31で発生する水蒸気は冷却熱交換器47で凝縮され、気・液分離器49で気・液分離される。そして、気・液分離器49で分離された凝縮水は調整槽40に送られる。
濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液や凝縮水が送られて貯留される調整槽40では腐食抑制剤の亜硫酸ナトリウムや水が加えられて濃度調整が行われ再生されて、冷熱輸送媒体貯留槽1に戻される。
以上のように、本実施の形態においては、腐食抑制剤として添加された亜硫酸ナトリウムから生成した水溶性無機塩、例えば硫酸ナトリウムの量が過大となって水和物スラリの蓄冷材および冷熱輸送媒体としての性能が低下した第4級アンモニウム塩水溶液から水を蒸発させることによって水を除去し濃縮し、濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液の温度を所定温度範囲、例えば35℃以上45℃以下に保持し静置して、水溶性無機塩の析出を抑制し、第4級アンモニウム塩水溶液を二層分離状態にして硫酸ナトリウムを除去するようにしたので、第4級アンモニウム塩水溶液の再生を確実に行なうことができる。
上記では、冷熱輸送媒体または蓄冷材の主成分として用いる第4級アンモニウム塩水溶液における水溶性無機塩の溶解度と温度との関係を予め把握しておき、その溶解度と温度との関係を参照して、濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液の温度を水溶性無機塩が析出しない所定温度範囲に保持する際の所定温度範囲を決定するようにした。
この場合、水溶性無機塩が例えば硫酸ナトリウムのように、その溶解度が所定温度(35℃)で最大となり所定温度以上では溶解度がほぼ一定のような場合には(図1参照)、水溶性無機塩が析出しない温度範囲として前記所定温度(35℃)以上に決定すればよい。
また、水溶性無機塩が例えば硫酸カリウムのように、温度が高くなると溶解度が高くなる関係が認められる場合には、以下のようにしてもよい。
第4級アンモニウム塩水溶液における水溶性無機塩の溶解度と温度との関係を調べ、水溶性無機塩の溶解度と温度との関係を把握しておく。冷熱輸送媒体再生装置7へ送られ濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液中の水溶性無機塩の濃度を計測し、計測した水溶性無機塩の濃度を、先に把握しておいた水溶性無機塩の溶解度と温度との関係に照合し水溶性無機塩の析出開始温度を導きだす。濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液を静置し比重差に基づいて二層分離する際に、その析出開始温度より高い温度以上に濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液の温度を保持する。
これによって、二層分離の際に水溶性無機塩の析出を抑制しスラッジの生成を防ぐことができ防ぎ円滑に二層分離することができる。
[実施の形態2]
上記の実施の形態1においては冷熱輸送媒体再生装置7として、第4級アンモニウム塩水溶液を二層分離させるために第4級アンモニウム塩水溶液から水を除去して濃縮する例を示した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、第4級アンモニウム塩水溶液に水溶性無機塩を添加することにより第4級アンモニウム塩水溶液中の水溶性無機塩濃度を高くして二層分離するようにしてもよい。
そこで、本実施の形態においては冷熱輸送媒体再生装置の他の例として、再生対象の第4級アンモニウム塩水溶液に水溶性無機塩を添加する装置について説明する。
図4は本発明の実施の形態2に係る冷熱輸送媒体再生装置の説明図であり、実施の形態1で示した図3の装置と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態に係る冷熱輸送媒体再生装置は、冷熱輸送媒体貯留槽1の第4級アンモニウム塩水溶液を冷熱輸送媒体再生装置側に取り出す水溶液受入れ配管23に設けられて、冷熱輸送媒体貯留槽1から抜き出された第4級アンモニウム塩水溶液中の錆等の非溶解性不純物を除去するろ過器60、後述する高温の濃縮塩水溶液を供給された第4級アンモニウム塩水溶液を冷却する冷却熱交換器61、冷却熱交換器61で冷却された第4級アンモニウム塩水溶液を比重差によって二層状態に分離する液・液分離器63、液・液分離器63の軽液層64の軽液を抜き出して調整槽40に送るための送液管65および送液管65に設けられた送液ポンプ67を備えている。
液・液分離器63は、実施の形態1の液・液分離器35と同様に、濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液の温度を所定温度範囲、例えば35℃以上45℃以下に保持するための加熱保持手段を備えている。加熱保持手段は実施の形態1で示した図3の装置における液・液分離器35に備えるものと同一である。
また、本実施の形態に係る冷熱輸送媒体再生装置は、液・液分離器63の水層66の液を抜き出して排水するための排水管69及び排水管69に設けられた排水ポンプ71を備えている。液・液分離器63の水層66の液には腐食抑制剤として添加された亜硫酸ナトリウムから生成した水溶性無機塩、例えば硫酸ナトリウムが含まれている。本実施の形態に係る冷熱輸送媒体再生装置は、この水層66の水を蒸発させることで水を除去して水溶性無機塩を濃縮する水蒸発器73、水蒸発器73によって濃縮された高温の濃縮塩水溶液を水溶液受入れ配管23を流れる第4級アンモニウム塩水溶液に供給する濃縮塩水溶液供給管75を備えている。
さらに、本実施の形態に係る冷熱輸送媒体再生装置は、水蒸発器73に接続されて水蒸発器73で発生する水蒸気を取り出す水蒸気取り出し管77、水蒸気取り出し管77の途中に設けられて水蒸気を冷却して凝縮させる冷却熱交換器79、水蒸気取り出し管77に接続されて冷却熱交換器79で凝縮された凝縮水の気・液分離を行う気・液分離器81、気液分離器81に接続されて気液分離器81の凝縮水を調整槽40に送る送水管83および送水管83に設けられた送水ポンプ85、気・液分離器81に接続されて気・液分離器81で発生するガスを取り出すガス取出し管87、をそれぞれ備えている。
以上のように構成された本実施の形態の動作について、特に冷熱輸送媒体再生装置による第4級アンモニウム塩水溶液の再生に関して説明する。
第4級アンモニウム塩水溶液の再生を行なう場合には、実施の形態1と同様に図2に示す払い出し配管17の開閉弁22を閉止し、水溶液受入れ配管23の開閉弁26を開放して、第4級アンモニウム塩水溶液を冷熱輸送媒体再生装置7側へ送るようにする。
冷熱輸送媒体再生装置7へ送られた第4級アンモニウム塩水溶液は、ろ過器60で錆等の非溶解性不純物が除去され、濃縮塩水溶液が供給されることにより水溶性無機塩が添加され、冷却熱交換器61で冷却され、液・液分離器63に送られる。水溶性無機塩が添加されることで第4級アンモニウム塩水溶液は二層分離可能状態となる。そして、液・液分離器63では加熱保持手段により濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液の温度が所定温度範囲、例えば35℃以上45℃以下に保持され静置されて、比重差に基づいて軽液層64と水層66の二層分離が行われる。水溶液の温度が所定温度範囲、例えば35℃以上45℃以下に保持されているため、水溶性無機塩が析出することなく、円滑に二層分離が行われる。比重の軽い軽液層64には濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液、例えばTBAB水溶液が分離され、比重の重い水層66には腐食抑制剤として添加された亜硫酸ナトリウムから生成した水溶性無機塩、例えば硫酸ナトリウムを含む水が分離される。そして、硫酸ナトリウムをほとんど含まない濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液である軽液層64の軽液は送液管65を介して調整槽40に送られる。また、水層66の硫酸ナトリウムを含む水は排水ポンプ71によって排水管69を介して水蒸発器73に送られる。
水蒸発器73では硫酸ナトリウムを含む水の加熱が行われ、水を蒸発させることで硫酸ナトリウムを含む水が濃縮され濃縮塩水溶液が生成される。この濃縮塩水溶液は濃縮塩水溶液供給管75を介して冷熱輸送媒体貯留槽1からの第4級アンモニウム塩水溶液に供給される。このように、一旦、液・液分離器63で二層分離が行われ水層66の液が抜き出された後は、濃縮塩水溶液を生成することによって、外部から水溶性無機塩を供給する必要がない。
水蒸発器73で発生する水蒸気は冷却熱交換器79で凝縮され、気・液分離器81で気・液分離される。そして、気・液分離器81で分離された凝縮水は調整槽40に送られる。
濃縮された第4級アンモニウム塩水溶液や凝縮水が送られて貯留される調整槽40では腐食抑制剤の亜硫酸ナトリウムや水が加えられて濃度調整が行われ再生されて、冷熱輸送媒体貯留槽1に戻される。
以上のように、本実施の形態においては、腐食抑制剤として添加された亜硫酸ナトリウムから生成した水溶性無機塩、例えば硫酸ナトリウムの量が過大となって水和物スラリの蓄冷材および冷熱輸送媒体としての性能が低下した第4級アンモニウム塩水溶液に水溶性無機塩を添加することによって、水溶性無機塩濃度を高くした第4級アンモニウム塩水溶液の温度を所定温度範囲、例えば35℃以上45℃以下に保持し静置して、水溶性無機塩の析出を抑制し、二層分離状態にして硫酸ナトリウムを除去するようにしたので、第4級アンモニウム塩水溶液の再生を確実に行なうことができる。
また、本実施の形態においては、液・液分離器63で分離された水層66の液から濃縮塩水溶液を生成し、これを冷熱媒体貯留槽1からの第4級アンモニウム塩水溶液に供給するようにしたので、外部から水溶性無機塩を供給する必要がなく、運転コストを低減できる。
本実施の形態において、水溶性無機塩濃度を高くした第4級アンモニウム塩水溶液の温度を所定温度範囲に保持し静置する際の所定温度範囲は、実施の形態1における濃縮した第4級アンモニウム塩水溶液の温度を保持する際に設定する所定温度範囲と同様にして設定する。このようにすることにより、水溶性無機塩の析出を抑制し、円滑に二層分離することができる。
以下においては、第4級アンモニウム塩水溶液の例として臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)水溶液を、腐食抑制剤から生成した水溶性無機塩として硫酸ナトリウムを、それぞれ例に挙げて二層分離による臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)水溶液の不純物除去の実施例を説明する。
比較例
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)15%水溶液に、硫酸ナトリウムを0.5%加えた水溶液について、減圧下40℃にて水を蒸発させた。 溶質(TBABおよび硫酸ナトリウム)の濃度が4.4倍となった時点で加熱を停止し、その濃縮された水溶液を液液分離器としての分液槽に移して10時間静置した。
分液槽は加熱されておらず、水溶液の温度は20〜30℃であった。10時間静置後には分液槽内にはスラッジが析出し、水溶液は二層に分離していなかった。原水溶液の組成と濃縮後の推定組成を表1に示す。
Figure 2012001678
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)15%水溶液に、硫酸ナトリウムを0.5%加えた水溶液について、減圧下40℃にて水を蒸発させた。溶質(TBABおよび硫酸ナトリウム)の濃度が4.4倍となった時点で加熱を停止し、その濃縮された水溶液を分液槽に移して10時間静置した。分液槽は加熱手段を備え水溶液の温度は40℃に保持されている。水溶液は二層に分離した。原水溶液の組成と水蒸発後の推定組成を表2に示す。
Figure 2012001678
二層に分離した軽液層と水層の組成を分析し、TBABと硫酸ナトリウムの軽液層と水層への分配率を求め、これを表3に示す。
Figure 2012001678
表3に示されるように、軽液層には臭化テトラnブチルアンモニウムが、水層には硫酸ナトリウムが濃縮されていることが判明した。軽液層への硫酸ナトリウムの残留率は3%であり、硫酸ナトリウムを十分に分離除去できた。
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)16%水溶液に、硫酸ナトリウムを4%加えた水溶液について、減圧下40℃にて水を蒸発させた。溶質(TBABおよび硫酸ナトリウム)の濃度が3.9倍となった時点で加熱を停止し、その濃縮された水溶液を分液槽に移して10時間静置した。分液槽は加熱手段を備え水溶液の温度は40℃に保持されている。水溶液は二層に分離した。原水溶液の組成と水蒸発後の推定組成を表4に示す。
Figure 2012001678
二層に分離した軽液層と水層の組成を分析し、TBABと硫酸ナトリウムの軽液層と水層への分配率を求め、これを表5に示す。
Figure 2012001678
表5に示されるように軽液層には臭化テトラnブチルアンモニウムが、水層には硫酸ナトリウムが濃縮されていることが判明した。軽液層への硫酸ナトリウムの残留率は1%であり、硫酸ナトリウムを十分に分離除去できた。特に、TBABについてはほぼ完全に分離されている。
また、第4級アンモニウム塩水溶液の他の例として臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム(TBPAB)水溶液、塩化トリnブチルnペンチルアンモニウム(TBPACl)水溶液を、水溶性無機塩として硫酸ナトリウム、リン酸水素ニナトリウムを、それぞれ例に挙げて二層分離による不純物除去の実施例を説明する。
臭化トリnブチルnペンチルアンモニウム(TBPAB)15%水溶液に、硫酸ナトリウムを0.5%加えた水溶液について、減圧下40℃にて水を蒸発させた。溶質(TBPABおよび硫酸ナトリウム)の濃度が4.6倍となった時点で加熱を停止し、その濃縮された水溶液を分液槽に移して10時間静置した。分液槽は加熱手段を備え水溶液の温度は40℃に保持されている。水溶液は二層に分離した。原水溶液の組成と水蒸発後の推定組成を表6に示す。
Figure 2012001678
二層に分離した軽液層と水層の組成を分析し、TBPABと硫酸ナトリウムの軽液層と水層への分配率を求め、これを表7に示す。
Figure 2012001678
表7に示されるように軽液層には臭化トリnブチルnペンチルアンモニウムが、水層には硫酸ナトリウムが濃縮されていることが判明した。軽液層への硫酸ナトリウムの残留率は3%であり、硫酸ナトリウムを十分に分離除去できた。
塩化テトラnブチルアンモニウム(TBPACl)15%水溶液に、硫酸ナトリウムを1%加えた水溶液について、減圧下40℃にて水を蒸発させた。溶質(TBPAClおよび硫酸ナトリウム)の濃度が4.3倍となった時点で加熱を停止し、その濃縮された水溶液を分液槽に移して10時間静置した。分液槽は加熱手段を備え水溶液の温度は40℃に保持されている。水溶液は二層に分離した。原水溶液の組成と水蒸発後の推定組成を表8に示す。
Figure 2012001678
二層に分離した軽液層と水層の組成を分析し、TBPAClと硫酸ナトリウムの軽液層と水層への分配率を求め、これを表9に示す。
Figure 2012001678
表9に示されるように軽液層には塩化トリnブチルnペンチルアンモニウムが、水層には硫酸ナトリウムが濃縮されていることが判明した。軽液層への硫酸ナトリウムの残留率は3%であり、硫酸ナトリウムを十分に分離除去できた。
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)15%水溶液に、過冷却解除剤として用いるリン酸水素ニナトリウムを0.5%加えた水溶液について、減圧下40℃にて水を蒸発させた。溶質(TBABおよびリン酸水素ニナトリウム)の濃度が4.5倍となった時点で加熱を停止し、その濃縮された水溶液を分液槽に移して10時間静置した。分液槽は加熱手段を備え水溶液の温度は40℃に保持されている。水溶液は二層に分離した。原水溶液の組成と水蒸発後の推定組成を表10に示す。
Figure 2012001678
二層に分離した軽液層と水層の組成を分析し、TBABとリン酸水素ニナトリウムの軽液層と水層への分配率を求め、これを表11に示す。
Figure 2012001678
表11に示されるように軽液層には臭化テトラnブチルアンモニウムが、水層にはリン酸水素ニナトリウムが濃縮されていることが判明した。軽液層への硫酸ナトリウムの残留率は4%であり、リン酸水素ニナトリウムを十分に分離除去できた。
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)16%水溶液に、硫酸ナトリウムを4%加えた水溶液について、さらにこの水溶液に硫酸ナトリウムを10%添加した。この硫酸ナトリウムをさらに添加された水溶液を分液槽に移して10時間静置した。分液槽は加熱手段を備え水溶液の温度は40℃に保持されている。水溶液は二層に分離した。原水溶液の組成と硫酸ナトリウムを10%添加した後の推定組成を表12に示す。
Figure 2012001678
二層に分離した軽液層と水層の組成を分析し、TBABと硫酸ナトリウムの軽液層と水層への分配率を求め、これを表13に示す。
Figure 2012001678
表13に示されるように軽液層には臭化テトラnブチルアンモニウムが、水層には硫酸ナトリウムが濃縮されていることが判明した。軽液層への硫酸ナトリウムの残留率は5%であり、硫酸ナトリウムを十分に分離除去できた。
1 冷熱輸送媒体貯留槽、3 スラリ製造部、5 空調設備、7 冷熱輸送媒体再生装置
31 水蒸発器、35 液・液分離器、36 軽液層、38 水層、40 調整槽
63 液・液分離器、73 水蒸発器、64 軽液層、66 水層。

Claims (12)

  1. 第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法であって、
    前記冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮工程と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程とを備え、
    前記二層分離工程は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、
    前記濃縮工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮することを特徴とする冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法。
  2. 第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法であって、
    前記冷熱輸送媒体または蓄冷材に水溶性無機塩を添加する水溶性無機塩添加工程と、水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程とを備え、
    前記二層分離工程は水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、
    前記水溶性無機塩添加工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記水溶性無機塩を添加することを特徴とする冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法。
  3. 前記水溶性無機塩は、硫酸ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウムであり、前記所定温度範囲は35℃以上45℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法。
  4. 第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法であって、
    前記冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮工程と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程と、水層が除去された軽液に水を加えて第4級アンモニウム塩水溶液濃度を所定値に調整する濃度調整工程とを備え、
    前記二層分離工程は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、
    前記濃縮工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮すること特徴とする冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法。
  5. 第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法であって、
    前記冷熱輸送媒体または蓄冷材に水溶性無機塩を添加する水溶性無機塩添加工程と、水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離工程と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去工程と、水層が除去された軽液に水を加えて第4級アンモニウム塩水溶液濃度を所定値に調整する濃度調整工程とを備え、
    前記二層分離工程は水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持工程を有し、
    前記水溶性無機塩添加工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記水溶性無機塩を添加すること特徴とする冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法。
  6. 前記水溶性無機塩は、硫酸ナトリウム又はリン酸二水素ナトリウムであり、前記所定温度範囲は35℃以上45℃以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法。
  7. 冷熱輸送媒体または蓄冷材を用いる空調装置の保全方法であって、
    空調装置から冷熱輸送媒体または蓄冷材を抜き出し、請求項4乃至6に記載の冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生方法により、冷熱輸送媒体または蓄冷材を再生して、空調装置に戻すことを特徴とする空調装置の保全方法。
  8. 第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置であって、
    前記冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮手段と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離手段と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去手段とを備え、
    前記二層分離手段は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持手段を有し、
    前記濃縮手段は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮することを特徴とする冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置。
  9. 第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし、水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置であって、
    前記冷熱輸送媒体または蓄冷材に水溶性無機塩を添加する水溶性無機塩添加手段と、水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離手段と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去手段とを備え、
    前記二層分離手段は水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持手段を有し、
    前記水溶性無機塩添加手段は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記水溶性無機塩を添加することを特徴とする冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置。
  10. 第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置であって、
    前記冷熱輸送媒体または蓄冷材から水を除去して濃縮する濃縮手段と、濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離手段と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去手段と、水層が除去された軽液に水を加えて第4級アンモニウム塩水溶液濃度を所定値に調整する濃度調整手段とを備え、
    前記二層分離手段は濃縮された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持手段を有し、
    前記濃縮手段は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記冷熱輸送媒体または蓄冷材を濃縮すること特徴とする冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置。
  11. 第4級アンモニウム塩水溶液を主成分とし水溶性無機塩を含む冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置であって、
    前記冷熱輸送媒体または蓄冷材に水溶性無機塩を添加する水溶性無機塩添加手段と、水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材を静置して第4級アンモニウム塩を含む比重の軽い軽液層と水溶性無機塩を含む比重の重い水層とに二層分離する二層分離手段と、二層分離された冷熱輸送媒体または蓄冷材から前記水層を除去する水層除去手段と、水層が除去された軽液に水を加えて第4級アンモニウム塩水溶液濃度を所定値に調整する濃度調整手段とを備え、
    前記二層分離手段は水溶性無機塩を添加された冷熱輸送媒体または蓄冷材の温度を、水溶性無機塩が析出せずかつ第4級アンモニウム塩の変質が生じない所定温度範囲に保持する加熱保持手段を有し、
    前記水溶性無機塩添加工程は、前記所定温度範囲において前記水溶性無機塩が析出する濃度未満の濃度範囲で前記水溶性無機塩を添加すること特徴とする冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置。
  12. 空調装置から冷熱輸送媒体または蓄冷材を抜き出す手段と、請求項10又は11に記載の冷熱輸送媒体または蓄冷材の再生装置と、再生された冷熱輸送媒体または蓄冷材を前記空調装置に戻す手段とを備えたことを特徴とする空調システム。
JP2010140162A 2010-06-21 2010-06-21 冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法、再生方法、空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置、再生装置、空調システム Expired - Fee Related JP5499931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010140162A JP5499931B2 (ja) 2010-06-21 2010-06-21 冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法、再生方法、空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置、再生装置、空調システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010140162A JP5499931B2 (ja) 2010-06-21 2010-06-21 冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法、再生方法、空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置、再生装置、空調システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012001678A true JP2012001678A (ja) 2012-01-05
JP5499931B2 JP5499931B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=45534024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010140162A Expired - Fee Related JP5499931B2 (ja) 2010-06-21 2010-06-21 冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法、再生方法、空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置、再生装置、空調システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5499931B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015021648A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 株式会社デンソー 蓄熱装置、および蓄熱制御方法
CN104633776A (zh) * 2015-02-05 2015-05-20 大连盛仁能源科技发展有限公司 一种多功能室内空气处理系统

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007046855A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Jfe Engineering Kk 水和物スラリ蓄熱装置および蓄熱方法
JP2007182510A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Jfe Engineering Kk 冷熱輸送媒体または蓄冷材の不純物除去方法、再生方法、精製方法、蓄冷空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の不純物除去装置、再生装置、蓄冷空調システム
JP2008230988A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Jfe Engineering Kk 溶液中の包接化合物又はそのゲスト分子の相分離促進方法
JP2008230989A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Jfe Engineering Kk 包接化合物のゲスト分子の濃縮方法、濃縮分離方法及び濃縮回収方法並びに再生方法
JP2009079108A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Jfe Engineering Kk 包接水和物生成用の水溶液、蓄熱剤、包接水和物又はそのスラリーの製造方法、蓄放熱方法並びに潜熱蓄熱剤又はその主成分を生成するための水溶液の調製方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007046855A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Jfe Engineering Kk 水和物スラリ蓄熱装置および蓄熱方法
JP2007182510A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Jfe Engineering Kk 冷熱輸送媒体または蓄冷材の不純物除去方法、再生方法、精製方法、蓄冷空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の不純物除去装置、再生装置、蓄冷空調システム
JP2008230988A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Jfe Engineering Kk 溶液中の包接化合物又はそのゲスト分子の相分離促進方法
JP2008230989A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Jfe Engineering Kk 包接化合物のゲスト分子の濃縮方法、濃縮分離方法及び濃縮回収方法並びに再生方法
JP2009079108A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Jfe Engineering Kk 包接水和物生成用の水溶液、蓄熱剤、包接水和物又はそのスラリーの製造方法、蓄放熱方法並びに潜熱蓄熱剤又はその主成分を生成するための水溶液の調製方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015021648A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 株式会社デンソー 蓄熱装置、および蓄熱制御方法
CN104633776A (zh) * 2015-02-05 2015-05-20 大连盛仁能源科技发展有限公司 一种多功能室内空气处理系统
CN104633776B (zh) * 2015-02-05 2018-04-06 周志杰 一种多功能室内空气处理系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP5499931B2 (ja) 2014-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020083720A1 (en) Air conditioning and thermal storage systems using clathrate hydrate slurry
US10500540B2 (en) Method for dehumidifying humid gas mixtures using ionic liquids
JP6186240B2 (ja) 水溶液の蒸発処理方法
CN107497256B (zh) 用于对潮湿气体混合物进行除湿的方法
EP1990595A1 (en) Method of heat accumulation and heat accumulation system
EP0034164B1 (en) A method and apparatus for storing heat
JPWO2018207431A1 (ja) Nmp水溶液の精製システム及び精製方法
JP5499931B2 (ja) 冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製方法、再生方法、空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の精製装置、再生装置、空調システム
JP4736809B2 (ja) 冷熱輸送媒体または蓄冷材の不純物除去方法、再生方法、精製方法、蓄冷空調装置の保全方法、冷熱輸送媒体または蓄冷材の不純物除去装置、再生装置、蓄冷空調システム
JP2000328049A (ja) 抑制剤を含む相変化物質およびその製造方法
US11499761B2 (en) Thermochemical heat pump and method for redistributing heat energy with variable power
JP2001280875A (ja) 包接水和物と氷の混合スラリを用いた蓄冷方法および蓄冷システム
JP5851886B2 (ja) 地熱利用システム、シリカライト合成方法、並びに炭酸リチウム回収方法
NO20140904A1 (no) Fremgangsmåte og system for prosessering av en strøm omfattende glykolbaserte og kinetiske hydratinhibitorer
JP4513230B2 (ja) 冷熱蓄熱システム及び冷熱媒体の再生方法
WO2018173330A1 (en) Drawing agent for forward osmosis and pressure retarded osmosis and a system using the same
JP2010216705A (ja) 電解プラントにおける生成物の冷却方法
Ameri Thermodynamic analysis of single and multi-effect freeze desalination
JP2002060739A (ja) 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム及び冷熱輸送システムの運転方法
JP7525373B2 (ja) エネルギーを利用する方法及び蓄エネルギーシステム
JPH0650686A (ja) 潛熱蓄熱装置
JP5125316B2 (ja) 包接水和物生成用原料並びに、包接水和物又はそのスラリを製造する方法及び、包接水和物生成用水溶液を冷却する際に生じる圧力損失を低減する方法
JP2016506299A (ja) 正浸透圧方式の水処理装置における重炭酸アンモニウム溶液の再生方法およびその再生装置
CN113754120B (zh) 一种温泉井上负压强化析垢方法
CN111348665A (zh) 一种膜法冷冻脱硝方法及生产装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5499931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees