JP2010216705A - 電解プラントにおける生成物の冷却方法 - Google Patents

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Seiichi Kubokawa
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Abstract

【課題】電解プラントの生成物を吸着ヒートポンプによって効率的に冷却し、電解プラントにおいて一層の省エネルギー化と環境保全を図ることが出来る生成物の冷却方法を提供する。
【解決手段】電解プラントにおける生成物の冷却は、塩水を電気分解し、得られた生成物を冷却して塩素、水素および苛性ソーダを製造する電解プラントにおいて、吸着材による吸着質の吸脱着操作により熱移動を行う吸着ヒートポンプを使用し、電気分解で発生するジュール熱により吸着質の脱着操作を行うと共に、吸着操作の際の吸着質の蒸発潜熱により生成物の少なくとも1つを冷却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解プラントにおける生成物の冷却方法に関するものであり、詳しくは、塩水の電気分解により塩素、水素および苛性ソーダを製造する電解プラントにおいてこれら生成物の冷却を吸着ヒートポンプによって行う冷却方法に関するものである。
電解プラントにおいては、塩水の電気分解により、塩素、水素および苛性ソーダが製造されるが、電気分解直後の生成物は、規格に沿った製品とするため、精製工程や濃縮工程において水洗あるいは濃縮され且つ冷却水により冷却される。そして、上記の電解プラントにおいては、省エネルギー化を図る観点から、より効率的な冷却方法が望まれている。
一方、コジェネレーション等のシステムにおいては、吸着ヒートポンプを利用し、低温排熱を回収して冷熱生成を行う技術が検討されている。吸着ヒートポンプは、吸着材による吸着質の吸着・脱着現象に付随して起こる相変化を利用して熱の汲み上げを行うシステムであり、電力あるいは高質熱エネルギーをその駆動源として用いることなく、低質熱エネルギーを熱源として作動させ得る優れた排熱回収手段である(特許文献1)。
吸着ヒートポンプにおいて低温排熱を回収する場合は、吸着材の吸着特性が重要である。すなわち、吸着材に求められる特性としては、高い温度環境下でも装置を充分に駆動させるために、低い相対蒸気圧で吸着質を吸着できること、装置の小型化を図るために、吸脱着量が十分に大きいことが挙げられる。そして、吸着材の再生に低温熱源を利用するため、低い温度で吸着質を脱着できることが重要である(特許文献2)。
特開2005−205331号公報 特開2002−372332号公報
ところで、電解プラントの電解槽においては、電気分解に利用されなかった電力が余剰の熱(ジュール熱)として排出されるが、斯かる排熱を吸着ヒートポンプによって有効に利用する具体的手段が未だ提案されていない。本発明は、電気分解で発生するジュール熱を有効利用することを主眼になされたものであり、その目的は、電解プラントで生成される生成物を吸着ヒートポンプによって効率的に冷却し、電解プラントにおいて一層の省エネルギー化と環境保全を図ることが出来る生成物の冷却方法を提供することにある。
本発明においては、電気分解で発生するジュール熱を吸着ヒートポンプの脱着操作に利用することにより吸着ヒートポンプを駆動させ、当該吸着ヒートポンプで吸着操作の際に得られる吸着質の蒸発潜熱を利用し、電気分解の生成物である塩素、水素の粗ガスや苛性ソーダ水溶液を冷却する様にした。
すなわち、本発明の要旨は、塩水を電気分解し、得られた生成物を冷却して塩素、水素および苛性ソーダを製造する電解プラントにおいて前記生成物を冷却する方法であって、吸着材による吸着質の吸脱着操作により熱移動を行う吸着ヒートポンプを使用し、電気分解で発生するジュール熱により吸着質の脱着操作を行うと共に、吸着操作の際の吸着質の蒸発潜熱により前記生成物の少なくとも1つを冷却することを特徴とする電解プラントにおける生成物の冷却方法に存する。
本発明によれば、電気分解で発生する低温のジュール熱によって吸着ヒートポンプを駆動させ、吸着ヒートポンプで得られる冷熱を生成物の冷却に利用するため、電解プラントの消費電力を全体として削減でき、一層の省エネルギー化を図ることができる。また、排熱を低減できるため、環境保全に寄与できる。
本発明が適用される電解プラントの概要を示すブロック図である。 吸着ヒートポンプの構成例を示すフロー図である。
本発明に係る電解プラントにおける生成物の冷却方法(以下、「冷却方法」と言う。)の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用される電解プラントの概要を示すブロック図であり、図2は、吸着ヒートポンプの構成例を示すフロー図である。
本発明の冷却方法は、塩水を電気分解し、得られた生成物を冷却して塩素、水素および苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を製造する電解プラント(図1参照)において前記の生成物を冷却する方法であり、本発明においては、吸着材による吸着質の吸脱着操作により熱移動を行う吸着ヒートポンプ(図2参照)を使用し、電気分解で発生するジュール熱により吸着質の脱着操作を行うと共に、吸着操作の際の吸着質の蒸発潜熱により前記の生成物の少なくとも1つを冷却する。
先ず、電解プラントの概要について説明する。図1に示す様に、電解プラントは、塩水を電気分解して塩素および水素の各粗ガス並びに苛性ソーダの水溶液を生成する電解槽10と、当該電解槽で得られた塩素の粗ガスを精製・冷却する塩素精製装置11と、電解槽10で得られた水素の粗ガスを精製・冷却する水素精製装置12と、電解槽10で得られた苛性ソーダの水溶液を濃縮・冷却する苛性ソーダ濃縮装置13と、電解槽10から使用済塩水を回収し且つ原料の塩水を再調製して電解槽10に還流する塩水循環精製ラインとを備えており、そして、当該塩水循環精製ラインは、使用済塩水から残留塩素を脱気する脱塩素装置14と、残留塩素が脱気された使用済塩水を飽和濃度の塩水に調整する塩水精製装置15とを備えている。
通常、電解プラントにおいては、イオン交換膜法を利用して塩素、水素および苛性ソーダが製造される。具体的には、電解槽10は、イオン交換膜により区画された陽極室および陰極室と、これら陽極室および陰極室に各付設されたガス分離容器と、陽極室に塩水(飽和食塩水)を供給する塩水供給ラインと、陰極室に純水を供給する塩水供給ラインと、陽極室側のガス分離容器から塩素を取り出す塩素ガス脱気ライン及び使用済塩水を排出する塩水排出ラインと、陽極室側のガス分離容器から水素を取り出す水素ガス脱気ライン及び苛性ソーダ水溶液を取り出す苛性ソーダ排出ラインとから概ね構成される。
電解槽の電解操作では、電解質としての塩水を陽極室に供給し且つ純水を陰極室に供給しながら、各室の電極に電力を供給することにより、陽極室において塩素イオンとナトリウムイオンを発生させ、陰極室において水素イオンと水酸イオンを発生させると共に、イオン交換膜により陽極室から陰極室へナトリウムイオンだけを透過させ、陰極室においてナトリウムイオンと水素イオンとを反応させる。そして、陽極室側のガス分離容器において塩素の粗ガスを分離して取り出し且つ使用済塩水を排出し、陰極室のガス分離容器において水素の粗ガスを分離して取り出し且つ苛性ソーダの水溶液を排出する。なお、上記のイオン交換膜法としては、陰極室にガス拡散陰極を配置し、陰極室に酸素含有ガスを供給しながら電気分解を行う方法でもよい。
上記の電解槽10で得られた塩素の粗ガスは、流路21を通じて塩素精製装置11に送気され、例えば、冷却・脱水乾燥装置を備えた塩素精製装置11により純度99vol%以上の塩素に精製される様になされている。符号11b及び22は、精製された塩素を塩素精製装置11から取り出すためのブロワー及び流路を示す。
電解槽10で得られた水素の粗ガスは、流路23を通じて水素精製装置12に送気され、例えば、水洗・冷却装置から成る水素精製装置12により純度99.99vol%の水素に精製される様になされている。また、電解槽10で得られた苛性ソーダの水溶液は、流路25を通じて苛性ソーダ濃縮装置13に送液され、例えば、多重効用缶構造を備えた苛性ソーダ濃縮装置13により純度48〜49wt%の苛性ソーダに濃縮され、流路26を通じて取り出される様になされている。
他方、電解槽10で電気分解に使用されて排出された使用済塩水は、塩水循環精製ラインにより、原料の飽和食塩水として再度調製されて電解槽10に戻される。塩水循環精製ラインは、電解槽10の陽極室側のガス分離容器から排出された使用済塩水を流路27により脱塩素装置14に供給し、塩素が脱気された使用済塩水を流路28により塩水精製装置15に供給し、塩水精製装置15において飽和濃度に調製された塩水を流路29により再び電解槽10の陽極室に供給する様に構成される。
脱塩素装置14は、使用済塩水に含まれる幾分かの塩素を除去するための装置であり、例えば真空脱塩素塔により構成される。塩水精製装置15は、原料としての塩水を調製するための装置であり、例えば沈降濾過装置により構成される。なお、塩水循環精製ラインの流路29には、塩水を昇温するための熱交換器16及び17および、塩水を冷却するための熱交換器18が配置される。これにより、50〜60度の範囲内の一定温度の塩水を電解槽10に供給する様になされている。
本発明においては、電気分解で発生するジュール熱(排熱)により吸着ヒートポンプを駆動させ、これにより電解プラントにおける生成物、すなわち、塩素の粗ガス、塩素の粗ガス及び苛性ソーダ水溶液のうちの少なくとも1つを冷却するため、上記の塩水循環精製ラインには、電気分解で発生するジュール熱の回収手段としての熱交換器70が配置される。そして、塩素精製装置11、水素精製装置12及び苛性ソーダ濃縮装置13のうちの少なくとも1つの装置には、生成物を冷却する冷却手段としての熱交換器80が配置される。
具体的には、ジュール熱の回収効率を高める観点から、熱交換器70は、脱塩素装置14を構成する真空脱塩素塔の塔頂コンデンサーに配置される。これにより、熱交換器70に塩素排ガスを流通させてジュール熱を回収する。熱交換器70としては、熱交換効率を高めるため、必要な耐蝕性能を備えた多管式熱交換器が使用される。熱交換器70として、プレート式熱交換器を使用することも出来る。熱交換器70においては、通常、熱媒体mとして水を循環させる様になされている。なお、ジュール熱の回収方法としては、塩水循環精製ラインの塩水精製装置15の下流側に熱交換器70が配置され、これにより、熱交換器70に濃度調整された塩水を通水して当該塩水からジュール熱を回収してもよい。
一方、生成物に対する冷却効率を高める観点から、熱交換器80は、塩素精製装置11に配置される。これにより、塩素乾燥用の硫酸を冷却し、その結果として、塩素の粗ガスが冷却される様になされている。更に、熱交換器80は、水素精製装置12に配置されてもよい。これにより、熱交換器80に精製前の水素の粗ガスを流し、当該粗ガスを冷却することが出来る。熱交換器80としては、熱交換効率を高めるため、耐蝕性能を備えた多管式の熱交換器が使用される。熱交換器80においては、通常、熱媒体mとして水あるいは不凍液を循環させる様になされている。
次に、上記の電解プラントに適用する吸着ヒートポンプについて説明する。吸着ヒートポンプは、図2に示す様に、概略、器内を大気圧以下に減圧され且つ吸着材に吸着質を吸着する吸着操作および吸着材から吸着質を脱着する脱着操作を繰り返す吸着器3A,3Bと、減圧下において熱媒体mによる加熱によって吸着質を気化させてその蒸気を吸着器3A,3Bに供給する蒸発器40と、脱着操作で脱着された吸着質の蒸気を熱媒体mによる冷却によって凝縮させてその液体を蒸発器40に供給する凝縮器50とを備えている。そして、熱交換器70で加熱された熱媒体mを吸着器3A,3Bに循環させることにより脱着操作を行い、蒸発器40で冷却された熱媒体mを熱交換器80に循環させることにより生成物を冷却する様になされている。
吸着器3A,3Bは、吸着材が充填されており且つ熱媒体としての低温流体(熱媒体m)及び高温流体(熱媒体m)を切り替えて循環可能に構成されている。そして、低温流体による冷却によって吸着材に吸着質を吸着する吸着操作、および、高温流体による加熱によって吸着材から吸着質を脱着する脱着操作を繰り返す様になされている。
具体的には、吸着器3A,3Bは、各々、例えば、吸着材が充填された吸着材充填部と、当該吸着材充填部と隔壁で仕切られた流体供給排出部としてのヘッダー部と、当該ヘッダー部から吸着材充填部に挿通された多数の流体流路とから構成されている。
各吸着器3A,3Bの吸着材充填部には、蒸発器40で生成された吸着質の蒸気を導入するため、蒸発器40から伸長された吸着質配管31の分岐管である吸着質配管31a及び31bがそれぞれ接続されており、吸着質配管31a,31bには、各々、制御バルブ61a及び61bが介装されている。また、各吸着器3A,3Bの吸着材充填部には、これら吸着器において脱着した吸着質の蒸気を取り出すため、各々、吸着質配管32a及び32bが接続され、これら吸着質配管32a,32bは、相互に接続されて吸着質配管32として凝縮器50に接続されている。そして、吸着質配管32a,32bには、各々、制御バルブ62a及び62bが介装されている。
吸着器3Aのヘッダー部には、当該吸着器の流体流路に熱媒体としての高温流体(熱媒体m)及び低温流体(熱媒体m)を循環させるため、流体入口としての熱媒配管41aと、流体出口としての熱媒配管42aが接続されている。熱媒配管41aの上流側には、高温流体供給用の熱媒配管41と低温流体供給用の熱媒配管43とが切替バルブ63aを介して接続されており、切替バルブ63aの切替操作により吸着器3Aに高温流体と低温流体を選択的に供給する様になされている。そして、熱媒配管42aの下流側には、高温流体排出用の熱媒配管42と低温流体排出用の熱媒配管44とが切替バルブ64aを介して接続されており、切替バルブ63aの操作に同期させた切替バルブ64aの切替操作により、循環させた高温流体および低温流体を吸着器3Aから排出する様になされている。
他方、吸着器3Bのヘッダー部には、吸着器3Aにおけるのと同様に、吸着器3Bの流体流路に熱媒体としての高温流体(熱媒体m)及び低温流体(熱媒体m)を循環させるため、流体入口としての熱媒配管41bと、流体出口としての熱媒配管42bが接続されている。熱媒配管41bの上流側には、高温流体供給用の熱媒配管41(前述の熱媒配管41から分岐した配管)と低温流体供給用の熱媒配管43(前述の熱媒配管43から分岐した配管)とが切替バルブ63bを介して接続されており、切替バルブ63bの切替操作により吸着器3Bに高温流体と低温流体を選択的に供給する様になされている。そして、熱媒配管42bの下流側には、高温流体排出用の熱媒配管42(前述の熱媒配管42に連結された配管)と低温流体排出用の熱媒配管44(前述の熱媒配管44に連結された配管)とが切替バルブ64bを介して接続されており、切替バルブ63bの操作に同期させた切替バルブ64bの切替操作により、循環させた高温流体および低温流体を吸着器3Bから排出する様になされている。
吸着器3Aと吸着器3Bは、吸着質の吸着操作と吸着質の脱着操作とを相互に反転させて行う様に構成されている。すなわち、吸着器3Aは、脱着操作の際、切替バルブ63a及び64aの切替えにより、熱媒配管41及び41aを通じて高温流体(熱媒体m)を導入し、循環させた使用済の高温流体を熱媒配管42a及び42を通じて排出する様になされている。一方、吸着器3Aにおける脱着操作の際、吸着器3Bは、吸着操作を行うため、切替バルブ63b及び64bの切替えにより、熱媒配管43及び41bを通じて低温流体(熱媒体m)を導入し、循環させた使用済の低温流体を熱媒配管42b及び44を通じて排出する様になされている。
また、同様に、吸着器3Aは、吸着操作の際、熱媒配管43及び41aを通じて低温流体を導入し、使用済の低温流体を熱媒配管42a及び44を通じて排出すると共に、吸着器3Bは、脱着操作を行うため、熱媒配管41及び41bを通じて高温流体を導入し、使用済の高温流体を熱媒配管42b及び42を通じて排出する様になされている。
なお、熱媒配管41及び42は、高温流体(熱媒体m)として例えば温水を供給するため、温水の発生源としての前述の熱交換器70(図1参照)に接続され、その経路中には、温水循環用のポンプ(図示省略)が介装されている。また、熱媒配管43及び44は、低温流体(熱媒体m)として、例えば冷却水を供給するため外気との熱交換によって冷却水を製造する冷却機(図示省略)に接続され、その経路中には、冷却水循環用のポンプ(図示省略)が介装されている。
蒸発器40は、冷熱発生源であり、前述の熱交換器80との間で熱媒体m(例えば水)を循環可能に構成されている。そして、吸着操作時の吸着器3A,3Bに切り替えて接続されると共に、前述の熱交換器80から高温の熱媒体mが供給されることにより、吸着質を気化させてその蒸気を吸着器3A,3Bに供給し、同時に、吸着質の蒸発潜熱によって冷却された低温の熱媒体mを熱交換器80に供給する様に構成されている。
具体的には、蒸発器40は、吸着質を気化させる気化室と、当該気化室の上部に挿入された吸着質(凝縮液)の噴霧管と、気化室に挿通された熱媒体循環路とから構成されている。気化室の上部には、気化させた吸着質蒸気を取り出すため、吸着器3A,3Bへ至る前述の吸着質配管31が接続されている。噴霧管は、液体の吸着質を気化室に導入して噴霧するため、配管にスプレーノズル等を取り付けて構成され、凝縮器50から伸長された戻し配管33に接続されている。また、熱媒体循環路は、蛇管などの熱交換可能な構造の管路で構成されている。そして、熱媒体循環路の一端は、昇温した熱媒体mを熱交換器80から導入する熱媒配管81に接続され、熱媒体循環路の他端は、冷却した熱媒体mを熱交換器80へ戻す熱媒配管82に接続されている。なお、熱媒配管82又は81には、熱交換器80との間で熱媒体を循環させるための循環ポンプが配置されている。
凝縮器50は、外部から冷却用の熱媒体mを循環可能に構成され且つ脱着操作時に吸着器3A,3Bに切り替えて接続されることにより、脱着された吸着質の蒸発を熱媒体mにより凝縮すると共に、凝縮した吸着質を蒸発器40に供給する様に構成されている。
具体的には、凝縮器50は、吸着質蒸気を液化する冷却室と、当該冷却室に挿通された熱媒体循環路とから構成されている。冷却室の底部には、液化した吸着質を取り出すため、蒸発器40に至る前述の戻し配管33が接続されている。熱媒体循環路は、蛇管などの熱交換可能な構造の管路で構成されており、そして、熱媒体循環路の一端は、熱媒体m(例えば水)を外部の冷却水供給装置(図示省略)から導入する熱媒配管51に接続され、熱媒体循環路の他端は、昇温した熱媒体mを冷却水供給装置へ戻す熱媒配管52に接続されている。なお、熱媒配管52又は51には、冷却水供給装置との間で熱媒体mを循環させるための循環ポンプ(図示省略)が配置されている。
本発明においては、図1及び図2に示す様に、電解槽10で発生したジュール熱(排熱)を生成物の冷却に利用するため、熱交換器70で加熱された熱媒体mを吸着器3A,3Bに循環させ、そして、蒸発器40で冷却された熱媒体mを熱交換器80に循環させる様になされている。すなわち、本発明においては、電解槽10で発生したジュール熱を吸着器3A、3Bにおいて吸着材の脱着操作に利用し、吸着材の吸着操作に伴い、蒸発器40において吸着質の蒸発により生成した冷熱を熱交換器80で利用する。
本発明においては、上記の吸着ヒートポンプを効率的に駆動させて排熱の利用効率を高めるため、吸着材として、一層低い相対蒸気圧(より高温)で吸着質を吸着でき、一層高い相対蒸気圧(より低温)で吸着質を脱着でき、しかも、吸脱着量の大きな吸着材が使用される。電解プラントにおいて吸着材に求められる特性は次の通りである。
吸着ヒートポンプにおける操作蒸気圧範囲は、高温熱源温度(Th)、低温熱源温度(Tl)、低温熱源温度(Tl)及び冷熱生成温度(Tc)から求められる脱着側相対蒸気圧(φ1)と吸着側相対蒸気圧(φ2)によって決定される。脱着側相対蒸気圧(φ1)と吸着側相対蒸気圧(φ2)は、以下の式により算出でき、脱着側相対蒸気圧(φ1)と吸着側相対蒸気圧(φ2)との間が操作可能な相対蒸気圧範囲である。
なお、高温熱源温度(Th)とは、吸着材の脱着操作のために吸着器3A,3Bに供給する高温流体(熱媒体m)の温度を意味し、低温熱源温度(Tl)とは、凝縮器50における吸着質(凝縮液)の温度を意味し、低温熱源温度(Tl)とは、吸着材の吸着操作のために吸着器3A,3Bに供給する低温流体(熱媒体m)の温度を意味し、冷熱生成温度(Tc)とは、蒸発器40における吸着質の蒸気の温度、すなわち、生成した冷熱の温度を意味する。上記の式中、平衡蒸気圧(Pl)、(Ph)、(Pc)及び(Pl)は、各々、上記の各温度(Tl)、(Th)、(Tc)及び(Tl)における平衡蒸気圧を示し、これらは吸着質の平衡蒸気圧曲線に基づいて求めることが出来る。
上記の吸着ヒートポンプに要求される吸着材の吸着特性からすると、吸着質として最も一般的な水を使用した場合、冷熱生成温度(Tc)を11℃、低温熱源温度(Tl)を35℃とすると、吸着側相対蒸気圧(φ2)は0.24となる。また、低温熱源温度(Tl)を35℃、高温熱源温度(Th)を65℃とすると、脱着側相対蒸気圧(φ1)は0.22となる。従って、吸着ヒートポンプを駆動させるための相対水蒸気圧範囲(φ1〜φ2)は0.22〜0.24となり、吸着材としてはこの範囲において吸着量の変化の大きなものが好ましい。
本発明においては、比較的高温の環境下で吸着ヒートポンプを使用するため、吸着材の吸着温度(Ta)は25〜45℃が好ましい。夏期の外気温度や電解槽10の条件変動などを考慮すると、吸着温度(Ta)の上限は40〜45℃程度である。吸着温度(Ta)の下限に関しては特に限界はないが、高温環境下での使用を想定すると、吸着温度(Ta)の下限は、通常25〜30℃、好ましくは30℃以上である。すなわち、吸着温度(Ta)は、一般的には25〜45℃、好ましくは30〜40℃である。
吸着材の脱着温度(Td)は、上記の様な吸着温度(Ta)に対し、以下の式(1)で示す範囲にある必要がある。
脱着温度(Td)を上記の様な範囲に規定する理由は次の通りである。すなわち、脱着温度(Td)は、電解槽10から得られる排熱の温度によって決定されるが、例えば、塩水循環精製ラインに通水する使用済塩水の温度は70〜90℃程度であり、実際にはこれを更に脱塩素装置14の熱交換器70で熱変換して利用するため、実用上、利用可能な熱の温度は実際の排熱温度よりも10℃程度低い温度となる。従って、斯かる温度が脱着温度(Td)の下限であり、吸着温度(Ta)との温度差Ta+28℃となる。脱着温度(Td)の上限は100℃である。水の沸点を越える様な脱着温度(Td)は、装置上の問題を惹起すること、実際に供給される排熱の温度よりも高い温度であること等の観点からして実用的ではない。具体的な脱着温度(Td)の範囲は、排熱の一般的な利用環境を考慮した場合、通常58〜85℃、好ましくは60〜80℃、更に好ましくは60〜75℃である。
一方、冷熱生成温度(Tc)は、以下の式(2)で示す範囲である。
上記の冷熱生成温度(Tc)とは、蒸発器40において蒸発した吸着質の温度、すなわち、吸着器3A,3Bに供給される吸着前の吸着質の平均温度であり、吸着質の量と吸着材の吸着量の関係から一義的に決まる温度である。冷熱生成温度(Tc)は、より低い方が生成熱としての価値は大きいが、下限は利用可能な温度の価値を基準に決定される。実質的には、吸着ヒートポンプを駆動させるため、冷熱生成温度(Tc)は(Ta−25)℃を越えることが必要である。一方、冷熱生成温度(Tc)は、25℃未満であれば実用的に冷熱として使用可能である。冷熱生成温度(Tc)の下限は、好ましくは5℃、更に好ましくは7℃であり、上限は、好ましくは20℃、更に好ましくは15℃である。
吸着材に要求される特性の1つとして、吸着量差、すなわち、吸着温度(Ta)における水蒸気吸着量と脱着温度(Td)における水蒸気吸着量との差が挙げられる。吸着量差とは、吸着温度(Ta)における吸着等温線、および、脱着温度(Td)における吸着等温線に基づき、冷熱生成温度(Tc)と吸着温度(Ta)から決定される相対湿度(吸着側相対蒸気圧)での吸着量(a)と、吸着温度(Ta)と脱着温度(Td)から決定される相対湿度(脱着側相対蒸気圧)での吸着量(b)との差(a−b)を意味する。
本発明において、上記の吸着量差は、0.1g/g[g・HO/g・吸着材]以上であることが必要であり、0.12g/g以上が好ましく、0.135g/g以上が更に好ましく、0.15g/g以上がより一層好ましい。吸着量差が上記の値よりも小さい場合には、必要とする吸着材の容積が大きくなり、装置が大型化するため好ましくない。吸着量差の上限は特に制限はないが、吸着材の材料上の制約からすると、通常は0.3g/g程度以下である。
上記の吸着量差の違いは、具体的には吸着ヒートポンプにおいて以下の様に影響する。吸着ヒートポンプを冷却装置として使用した場合、5.0kW(=18,000kJ/hr)の冷却能力(従来の電解プラントにおける冷凍機の少なくとも一部に相当する能力)を得ることを想定すると、吸着材の吸着量差が0.1g/gの場合、吸着材の必要量は、以下の式により12.0kgとなる。ただし、水の蒸発潜熱量を約2500kJ/kgとし、吸脱着の切り替えサイクルを10分(6回/時間)とする。これに対し、例えば、吸着材の吸着量差が0.05g/gであった場合、吸着材の必要量が24kgとなる。
本発明においては、吸着材が上記の様な吸着特性を備えていることにより、低温側熱源温度(熱媒体mの温度)が30℃以上で且つ高温側熱源温度(熱媒体mの温度)が60℃以下と言う厳しい条件、あるいは、低温側吸着条件が45℃以上で且つ高温側脱着条件が75℃以下と言う厳しい条件下でも吸着ヒートポンプを駆動させることが出来る。また、上記の様に大きな吸着量差を有していることにより、吸着ヒートポンプを一層コンパクトに構成できる。
また、上記の吸着材は、蓄熱材であるから、その特性を出力の面から規定することが出来る。すなわち、吸着材の出力密度(単位質量当たりの出力)は、上記の吸着量差、蒸発潜熱および吸着ヒートポンプでの吸脱着サイクルによって特定できる。例えば、吸着量差が0.12g/g、水の蒸発潜熱が約2500kJ/kg、10分/1サイクルで水を吸着したとすると、吸着材の出力密度は、以下の演算の様に0.5kW/kgとなる。吸着材の出力密度は、吸着量差と同様に、より大きい方が望ましいが、吸着材の材料上の制約や吸着サイクルの設計上の制約から、1.5kW/kg程度以下である。
また、吸着材の出力密度については、吸着ヒートポンプを実稼動させる場合の装置の大きさを考慮して設計する必要がある。通常、吸着ヒートポンプにおいては、吸着器3A,3Bが少なくとも2基以上設けられており、これらの切替操作により吸着機能を連続的に発揮する。しかも、各吸着器3A,3Bは、例えば、多数のフィン等から成る熱交換部材の表面に吸着材を付着させ且つ熱交換部材を密閉容器内に収容した構造を備えており、そして、吸着材が占める容積は、実質的に約50%である。
従って、実際のスケールからすると、吸着器3A,3Bにおける吸着材の充填密度は、最大で800kg/m、最小で50kg/m、平均で200kg/m程度であるため、吸着器3A,3Bに要求される単位容積あたりの出力密度は、吸着材の出力密度を0.5kW/kgとすると、以下の式から約150kW/mとなる。吸着器の出力密度の上限と下限は、吸着材の出力密度に依存し、通常は150〜450kW/m程度である。なお、吸着ヒートポンプは、上記の様な吸着器3A,3Bの他、蒸発器40、凝縮器50及び各機器を接側する配管を備えているため、吸着器3A,3Bの実際の出力密度は、吸着ヒートポンプの出力密度の1.5〜2倍程度に設計される必要がある。
本発明においては、上記の特性を満足する吸着材として、特定のゼオライトが使用される。斯かるゼオライトとしては、骨格構造に少なくともアルミニウムとリンを含むアルミノフォスフェート類(以下、「ALPO類」と適宜略記する。)が挙げられる。ALPO類は、IZA(International Zeolite Association)の定める結晶性アルミノフォスフェートである。結晶性アルミノフォスフェートは、骨格構造を構成する原子がアルミニウム及びリンであり、その一部が他の原子で置換されていてもよい。中でも、吸着特性の点から、次の(I)〜(III)に挙げるアルミノフォスフェートの何れかが特に好ましい。
(I)アルミニウムがヘテロ原子Me1で一部置換されたMe−アルミノフォスフェート(但し、Me1は周期表第三または第四周期に属し、2A族、7A族、8族、1B族、2B族、3B族(Alを除く)の元素から選ばれる少なくとも一種類の元素)。(II)リンがヘテロ原子Me2で置換されたMe−アルミノフォスフェート(但し、Me2は周期表第三または第四周期に属する4B族元素)。(III)アルミニウムとリンの両方がそれぞれヘテロ原子Me1,Me2で置換されたMe−アルミノフォスフェート。
Meは、1種でも2種以上含まれていてもよい。好ましいMe(Me1,Me2)は、周期表第3、第4周期に属する元素である。Me1は2価の状態でイオン半径が3以上、0.8nm以下であるのが好ましく、更に好ましくは2価、4配位の状態でイオン半径が0.4以上、7nm以下である。上記の中でも、合成の容易さ、吸着特性の点から、Fe,Co,Mg,Znから選ばれる少なくとも一種類の元素であるのが好ましく、特にFeであるのが好ましい。Me2は、周期表第三または第四周期に属する4B族元素であり、好ましくはSiである。
また、上記のALPO類としては、通常、そのフレームワーク密度(FD)が13T/nm以上で且つ20T/nm以下のものが使用される。フレームワーク密度の下限は、好ましくは13.5T/nm以上であり、更に好ましくは14T/nm以上である。フレームワーク密度の上限は、好ましくは19T/nm以下である。フレームワーク密度を規定する理由は次の通りである。すなわち、フレームワーク密度が上記の範囲未満の場合は、吸着量差は大きくなる傾向はあるが、適当な相対湿度範囲で吸脱着を起こさなかったり、構造が不安定となる傾向があり、耐久性が低下する。一方、フレームワーク密度が上記の範囲を越えると、吸着容量が小さくなり、吸着ヒートポンプ用の吸着材として適さない。
なお、フレームワーク密度(単位:T/nm)とは、単位体積(nm)あたりに存在するT原子(ゼオライト1nm当たりの酸素以外の骨格を構成する元素の数)を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。フレームワーク密度は細孔容量と相関があり、一般的に、より小さいフレームワーク密度のゼオライトはより大きい細孔容量を有し、その結果、吸着容量が大きくなる。上記の様なゼオライトの構造は、XRD(X-ray diffraction)により決定され、その構造によりフレームワーク密度を実測し、評価することができる。ゼオライトの構造とフレームワーク密度の関係は、IZA(International Zeolite Association)の「ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001 ELSEVIER」に示されている。
ALPO類の構造としては、IZAが定める構造のコードで示すと、AEI、AEL、AET、AFI、AFN、AFR、AFS、AFT、AFX、ATO、ATS、CHA、ERI、LEV、VFIが挙げられる。中でも、吸着特性、耐久性の点からは、AEI、AEL、AFI、CHA、LEVの構造を備えたものが好ましく、特に、AFI、CHAの構造を備えたものが好ましい。具体的には、ALPO類の中、シリカアルミノフォスフェート(SAPO)が好ましく、SAPO−34、ALPO−5が特に好ましい。また、1種または2種以上のALPO類を組み合わせて使用することも出来る。
なお、製造条件は特に限定されないが、ALPO類は、例えば特公平1−57041、特開2003−183020、特開2004−136269等の公報に記載の公知の合成法を利用して合成することが出来る。また、SAPOは、通常、アルミニウム源、リン源、必要に応じてSi、Fe等のMe源、および、テンプレートを混合した後、水熱合成して製造される。
次に、上記の吸着ヒートポンプの運転方法と共に、本発明の冷却方法について説明する。吸着ヒートポンプの運転においては、第1行程として、制御バルブ61a及び62bを閉止し、かつ、制御バルブ61b及び62aを解放することにより、吸着器3Bにおいて吸着操作を行い、同時に、吸着器3Aにおいて脱着操作を行う。また、切替バルブ63a,64a,63b及び64bを操作し、熱媒配管41aには高温流体である熱媒体mとしての温水を流通させ、熱媒配管41bには低温流体である熱媒体mとしての冷却水を流通させる。
吸着操作においては、熱媒配管41bを通じて、冷却塔などの外部の冷却機(図示省略)によって冷やされた冷却水(熱媒体m)を導入することにより、吸着器3Bの吸着材を冷却する。冷却水の温度は、前述した様に例えば25〜45℃であり、斯かる温度は、周囲の環境温度に応じて決定される。一方、制御バルブ61bの開操作により、蒸発器40内の吸着質(水)が蒸発し、蒸気となって吸着器3Bに流れ込み、吸着材に吸着される。蒸発器40から吸着器3Bへの蒸気の移動は、蒸発温度での飽和蒸気圧と吸着材温度(一般的には25〜45℃、好ましくは30〜43℃、更に好ましくは35〜40℃)に対応した吸着平衡圧との差により行われ、蒸発器40においては、吸着質(水)の蒸発に伴う気化熱に応じた冷熱、すなわち、冷房出力を得ることが出来る。
吸着側相対蒸気圧(φ2)は、[蒸発器40で生成する冷水温度(熱媒体mの温度)における吸着質の平衡蒸気圧/吸着器3Bの冷却水の温度(熱媒体mの温度)における吸着質の平衡蒸気圧]の関係で決定されるが、通常、吸着側相対蒸気圧(φ2)は、吸着材が最大に水蒸気を吸着する相対蒸気圧よりも大きくなる様に運転するのが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、吸着材が最大に吸着質(水蒸気)を吸着する相対蒸気圧よりも吸着側相対蒸気圧(φ2)が小さい場合には、吸着材の吸着機能を有効に利用できず、運転効率が低下する。上記の吸着側相対蒸気圧(φ2)は環境温度などにより適宜に設定することが出来る。
脱着操作においては、熱媒配管41aを通じて、例えば使用済塩水循環生成ラインの脱塩素装置14の熱交換器70で加熱された温水(熱媒体m)を導入することにより、吸着器3Aの吸着材を加熱する。温水(熱媒体m)の温度は、通常は53〜100℃、好ましくは58〜85℃、更に好ましくは60〜80℃、より一層好ましくは60〜75℃である。これにより、吸着器3Aの吸着材は、前記の温度範囲に対応した平衡蒸気圧になり、凝縮器50の凝縮温度25〜45℃(凝縮器50を冷却する熱媒体mである冷却水の温度)での飽和蒸気圧で吸着質(水蒸気)を脱着する。脱着された吸着質は、吸着器3Aから凝縮器50へ蒸気の状態で移動し、凝縮されて液体(水)となる。そして、凝縮器50で得られた吸着質の凝縮液(水)は、戻し配管33により蒸発器40へ供給される。
脱着側相対蒸気圧(φ1)は、[凝縮器50の冷却水の温度(熱媒体mの温度)における吸着質の平衡蒸気圧/吸着器3Aの温水の温度(熱媒体mの温度)における吸着質の平衡蒸気圧]の関係で決定されるが、通常、脱着側相対蒸気圧(φ1)は、吸着材が急激に水蒸気を吸着する相対蒸気圧よりも小さくなる様に運転するのが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、吸着材が急激に吸着質(水蒸気)を吸着する相対蒸気圧よりも脱着側相対蒸気圧(φ1)が大きい場合には、吸着材の優れた吸着機能を有効に利用できない。
上記の脱着側相対蒸気圧(φ1)は、環境温度などにより適宜に設定することが出来るが、脱着側相対蒸気圧(φ1)における吸着量が通常は0.14以下、好ましくは0.10以下となる様な温度条件で運転される。更に、脱着側相対蒸気圧(φ1)における吸着質の吸着量と吸着側相対蒸気圧(φ2)における吸着質の吸着量との差が、通常は0.12g/g以上、好ましくは0.135g/g、より一層好ましくは0.15g/g以上となる様に運転する。
次に、第2行程として、吸着器3Aにおいて吸着操作を行い、吸着器3Bにおいて脱着操作を行う様に、制御バルブ61a〜62b、ならびに、切り替えバルブ63a,64a,63b及び64bを切り替えることにより、上記と同様に、蒸発器40から冷熱、換言すれば、冷房出力を得ることが出来る。すなわち、第2行程では、制御バルブ61b及び62aを閉止し、かつ、制御バルブ61a及び62bを解放する。また、その際、切替バルブ63a,64a,63b及び64bを操作し、熱媒配管41bには高温流体である熱媒体mとしての温水を流通させ、熱媒配管41aには低温流体である熱媒体mとしての冷却水を流通させる。
吸着ヒートポンプは、上記の様な第1及び第2行程を順次に切り替えることにより、連続運転することが出来る。なお、図2においては、2基の吸着器3A,3Bを備えた吸着ヒートポンプについて例示したが、吸着ヒートポンプにおいては、吸着材が吸着した吸着質の脱着を適宜行い、何れかの吸着器が吸着質を吸着できる状態を維持できる限り、吸着器は何基設置されていてもよい。
本発明においては、図1及び図2に示す様に、電解プラントの使用済塩水循環精製ラインの例えば脱塩素装置14に付設された熱交換器70で熱媒体mを加熱し、加熱された熱媒体mを吸着ヒートポンプの吸着器3A,3Bに循環させることにより、吸着ヒートポンプにおいて脱着操作を行い、そして、吸着操作に伴って吸着ヒートポンプの蒸発器40で熱媒体mを冷却し、冷却された熱媒体mを電解プラントの例えば塩素精製装置11及び/又は水素精製装置12の熱交換器80に循環させることにより、電解槽10で得られた生成物を冷却する。
すなわち、本発明では、電解槽10で発生した低温のジュール熱を吸着器3A,3Bにおいて吸着材の脱着操作に利用することにより、吸着ヒートポンプを駆動させ、吸着材の吸着操作の際、蒸発器40において吸着質の蒸発潜熱により生成した冷熱を利用することにより、電解プラントの電解槽10で生成された生成物である塩素や水素の粗ガスを冷却する。従って、本発明によれば、電解プラントの消費電力を全体として削減でき、一層の省エネルギー化を図ることができる。そして、排熱を低減できるため、環境保全に寄与できる。
稼働中の電解プラントについて、各工程の温度および熱収支を確認すると共に、既存の冷凍機に代えて吸着ヒートポンプを適用した場合の各工程の熱収支をシミュレーションし、吸着ヒートポンプによる冷却効果を確認した。
稼働中の電解プラントは、純水に工業塩を飽和させて原料塩水を製造し、200m/hrの原料塩水を電解槽に収容し、電気分解により塩素6100Nm/hr、水素6050Nm/hr、苛性ソーダ520T/Dを製造するプラントであった。また、吸着ヒートポンプとしては、2基の吸着器3A,3Bに吸着材をそれぞれ1300kg収容し、吸着器3A,3Bにおいて交互に吸脱着操作を行うヒートポンプを想定した。そして、電解プラントの使用済塩水循環精製ラインの脱塩素装置14において熱交換器70(多管式熱交換器)で使用済み塩素水を脱塩素操作する際に発生する80℃の塩素排ガスを回収することにより、1207kWのジュール熱を回収し、熱交換器70の熱媒体mを吸着ヒートポンプの吸着器3A,3Bに循環させて脱着操作を行うと共に、凝縮器40において125USRT(米国冷凍トン;439.5kW)の冷熱を発生させて熱媒体mとしての水を平均7℃まで冷却し、これを電解プラントの塩素精製装置11及び水素精製装置12の各熱交換器80に循環させることにより、塩素乾燥用の硫酸を30℃から12℃まで冷却し、30℃の水素を10℃まで冷却することを想定した。
実施例1:
吸着器3A,3Bの吸着材にFAPO−5を使用して吸着ヒートポンプを構成した場合、吸着ヒートポンプの消費電力(冷媒ポンプ、真空ポンプ及び制御用の電力)は0.8kWであった。
比較例1:
電動式冷凍機により125USRT(米国冷凍トン;約440kW)の冷熱を発生させて熱媒体mとしての水を平均7℃まで冷却した場合、電動式冷凍機の消費電力は119kWとなり(電動式冷凍機の成績係数=3.7)、実施例1の約150倍の電力を消費することが確認された。
実施例2:
吸着器3A,3Bの吸着材にシリカゲルを使用し且つ実施例1におけるのと同様に0.8kWで駆動する吸着ヒートポンプを構成した場合、凝縮器40において294kW(実施例1の67%)の冷熱を発生することが確認された。従って、熱媒体mとしての水を平均7℃まで冷却するのに不足する冷熱146kWを電動式冷凍機により補完した場合、更に39kWの電力を必要とすることが確認された。結局、吸着ヒートポンプ及び電動式冷凍機の全消費電力は40kWとなり、これは実施例1の約50倍であった。
参考例1:
吸着器3A,3Bの吸着材にY型ゼオライトを使用し且つ実施例1におけるのと同様に0.8kWで駆動する吸着ヒートポンプを構成した場合、凝縮器40において51kW(実施例1の11.6%)の冷熱を発生することが確認された。従って、熱媒体mとしての水を平均7℃まで冷却するのに不足する冷熱389kWを電動式冷凍機により補完した場合、更に105kWの電力を必要とすることが確認された。結局、吸着ヒートポンプ及び電動式冷凍機の全消費電力は106kWとなり、これは実施例1の約132倍であった。
比較例2:
臭化リチウムを使用した吸収式冷凍機による冷却を想定したが、熱交換器80に循環させる熱媒体mとしての水を3℃まで冷却できないことが確認された。
上記のシミュレーションの結果は以下の表に示す通りである。
10 :電解槽
11 :塩素精製装置
12 :水素精製装置
13 :苛性ソーダ濃縮装置
14 :脱塩素装置(使用済塩水循環精製ライン)
15 :塩水精製装置(使用済塩水循環精製ライン)
70 :熱交換器
80 :熱交換器
41 :熱媒配管
42 :熱媒配管
43 :熱媒配管
44 :熱媒配管
81 :熱媒配管
82 :熱媒配管
3A :吸着器
3B :吸着器
40 :蒸発器
50 :凝縮器
:熱媒体(高温流体)
:熱媒体
:熱媒体(低温流体)
:熱媒体

Claims (11)

  1. 塩水を電気分解し、得られた生成物を冷却して塩素、水素および苛性ソーダを製造する電解プラントにおいて前記生成物を冷却する方法であって、吸着材による吸着質の吸脱着操作により熱移動を行う吸着ヒートポンプを使用し、電気分解で発生するジュール熱により吸着質の脱着操作を行うと共に、吸着操作の際の吸着質の蒸発潜熱により前記生成物の少なくとも1つを冷却することを特徴とする電解プラントにおける生成物の冷却方法。
  2. 電解プラントは、塩水を電気分解して塩素および水素の各粗ガス並びに苛性ソーダの水溶液を生成する電解槽(10)と、当該電解槽で得られた塩素の粗ガスを精製・冷却する塩素精製装置(11)と、電解槽(10)で得られた水素の粗ガスを精製・冷却する水素精製装置(12)と、電解槽(10)で得られた苛性ソーダの水溶液を濃縮・冷却する苛性ソーダ濃縮装置(13)と、電解槽(10)から使用済塩水を回収し且つ原料の塩水を再調製して電解槽(10)に還流する塩水循環精製ラインとを備え、かつ、当該塩水循環精製ラインは、使用済塩水から残留塩素を脱気する脱塩素装置(14)と、残留塩素が脱気された使用済塩水を飽和濃度の塩水に調整する塩水精製装置(15)とを備えており、吸着ヒートポンプは、器内を大気圧以下に減圧され且つ吸着材に吸着質を吸着する吸着操作および吸着材から吸着質を脱着する脱着操作を繰り返す吸着器(3A,3B)と、減圧下において熱媒体(m)による加熱によって吸着質を気化させてその蒸気を吸着器(3A,3B)に供給する蒸発器(40)と、脱着操作で脱着された吸着質の蒸気を熱媒体(m)による冷却によって凝縮させてその液体を蒸発器(40)に供給する凝縮器(50)とを備えており、電解プラントの塩水循環精製ラインには、電解槽(10)で発生したジュール熱の回収手段としての熱交換器(70)が配置され、かつ、塩素精製装置(11)、水素精製装置(12)及び苛性ソーダ濃縮装置(13)のうちの少なくとも1つの装置には、生成物を冷却する冷却手段としての熱交換器(80)が配置されており、そして、熱交換器(70)で加熱された熱媒体(m)を吸着器(3A,3B)に循環させることにより脱着操作を行い、蒸発器(40)で冷却された熱媒体(m)を熱交換器(80)に循環させることにより生成物を冷却する請求項1に記載の冷却方法。
  3. 塩水循環精製ラインの脱塩素装置(14)に熱交換器(70)が配置され、使用済塩水からジュール熱を回収する請求項2に記載の冷却方法。
  4. 塩水循環精製ラインの塩水精製装置(15)の下流側に熱交換器(70)が配置され、濃度調整された塩水からジュール熱を回収する請求項2に記載の冷却方法。
  5. 熱交換器(70)が多管式熱交換器である請求項2〜4の何れかに記載の冷却方法。
  6. 熱交換器(70)がプレート式熱交換器である請求項2〜4の何れかに記載の冷却方法。
  7. 熱交換器(80)が塩素精製装置(11)に配置され、精製前の塩素の粗ガスを冷却する請求項2〜6の何れかに記載の冷却方法。
  8. 熱交換器(80)が水素精製装置(12)に配置され、精製前の水素の粗ガスを冷却する請求項2〜7の何れかに記載の冷却方法。
  9. 吸着ヒートポンプの吸着材がゼオライトであり且つ骨格構造にアルミニウムとリンを含むアルミノフォスフェート類(ALPO類)である請求項1〜8の何れかに記載の冷却方法。
  10. 吸着ヒートポンプの吸着材がゼオライトであり且つ骨格構造にシリカとアルミニウムとリンを含むシリカアルミノフォスフェート類(SAPO類)である請求項1〜8の何れかに記載の冷却方法。
  11. 吸着ヒートポンプの吸着材がゼオライトであり且つ骨格構造に鉄とアルミニウムとリンを含む鉄アルミノフォスフェート類(FAPO類)である請求項1〜8の何れかに記載の冷却方法。
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