JP2012000602A - レドックス触媒、燃料電池用電極触媒及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1)で表される複核錯体を用いたレドックス触媒。(式中、Y1は酸素原子又は硫黄原子であり;Q1は窒素原子及びY1に隣接する炭素原子と共に複素環を形成し;M1及びM2はそれぞれ独立に金属原子、金属イオン、又はY1に該当しない酸素原子が配位した金属原子若しくは金属イオンであり;Lは対イオン又は中性分子であり;nは1〜4の整数であり、nが2〜4の場合、複数のQ1は同一でも異なっていてもよく、複数のY1は同一でも異なっていてもよく;mは0以上の数であり、Lが複数ある場合、これら複数のLは同一でも異なっていてもよく;矢印(→)はM1もしくはM2に対する配位結合又はイオン結合を表す。)
[化1]
【選択図】なし
Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、触媒活性に優れるレドックス触媒、並びに該レドックス触媒を用いた燃料電池用電極触媒及び燃料電池を提供することを課題とする。
本発明は、下記一般式(1)で表される複核錯体を用いたレドックス触媒を提供する。
本発明のレドックス触媒においては、前記Y1が酸素原子であることが好ましい。
本発明のレドックス触媒においては、前記M1が、貴金属原子、貴金属イオン、又はY1に該当しない酸素原子が配位した貴金属原子若しくは貴金属イオンであることが好ましい。
本発明のレドックス触媒においては、前記M2が、周期表第4周期の遷移金属原子、周期表第4周期の遷移金属イオン、又はY1に該当しない酸素原子が配位した周期表第4周期の遷移金属原子若しくは遷移金属イオンであることが好ましい。
本発明のレドックス触媒においては、前記M1がパラジウム原子、パラジウムイオン、白金原子又は白金イオンであり、前記M2がバナジウム原子、バナジウムイオン、クロム原子、クロムイオン、マンガン原子、マンガンイオン、鉄原子、鉄イオン、コバルト原子、コバルトイオン、ニッケル原子、ニッケルイオン、銅原子、銅イオン、亜鉛原子又は亜鉛イオンであることが好ましい。
本発明のレドックス触媒においては、前記一般式(1)で表される複核錯体と、導電性担体とを含む組成物を用いたことが好ましい。
本発明のレドックス触媒においては、前記複核錯体、又は前記複核錯体と前記導電性担体とを含む組成物を、200℃〜1400℃で加熱することで得られたことが好ましい。
また、本発明は、上記本発明のレドックス触媒を用いた燃料電池を提供する。
本発明のレドックス触媒は、下記一般式(1)で表される複核錯体(以下、複核錯体(1)と略記することがある)を用いたものである。
前記複素環は、5員複素環、6員複素環、又はこれらの複素環を含む多環式複素環であることが好ましく、6員複素環及び6員複素環を含む多環式複素環であることがより好ましく、6員複素環であることが特に好ましい。
前記5員複素環としては、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環が例示できる。前記6員複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環が例示できる。
前記複素環は、その環構造を構成する原子のうち、前記窒素原子及びY1に隣接する炭素原子以外の原子が、それぞれ独立に炭素原子又は窒素原子であることが好ましい。
そして、Y1は酸素原子であることが好ましい。
nが2〜4の場合、複数のQ1は同一でも異なっていてもよい。
これらの中でも、M1の前記金属原子は、パラジウム又は白金の原子であることが好ましい。
M1及びM2における酸素原子が配位した金属原子若しくは金属イオンとしては、酸素原子(オキソ)が配位した、M1及びM2における前記金属原子若しくは金属イオンが例示できる。
これらの中でも前記中性分子としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、クロロホルム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリエチルアミン、ピリジン、ピラジン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、4,4’−ビピリジン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸が好ましい。
このような対イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫化物イオン、酸化物イオン、水酸化物イオン、水素化物イオン、亜硫酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、酢酸イオン、2−エチルヘキサン酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸水素イオン、トリフルオロ酢酸イオン、チオシアン化物イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、アセチルアセトナート、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、メトキシドイオン、エトキシドイオン等のアルコキシドイオンが例示できる。
これらの中でも前記対イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酸化物イオン、水酸化物イオン、水素化物イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、酢酸イオン、2−エチルヘキサン酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、アセチルアセトナート、テトラフェニルホウ酸イオン、メトキシドイオンが好ましい。
前記mは、0〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが特に好ましい。
Lが複数ある場合、これら複数のLは同一でも異なっていてもよい。例えば、複数のLは、互いに同一又は異なる中性分子でもよいし、互いに同一又は異なる対イオンでもよく、中性分子及び対イオンが共存していてもよい。
これらの中でも前記置換基としては、ハロゲノ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数3〜20の環状のアルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜30のアリール基、1価の複素環基が好ましい。なお、本明細書において「置換基」とは、特に断りがない限り、すべて上記と同様の基を指すものとする。
前記アルケニル基の好ましいものとしては、エテニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−ノネニル基、2−ドデセニル基が例示できる。
前記アルキニル基の好ましいものとしては、エチニル基が挙げられる。
R3は、水素原子、ハロゲノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、スルホン酸基、アミノ基、ニトロ基、ホスホン酸基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたシリル基、炭素数1〜50の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数3〜50の環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜50のアラルキル基、又は1価の複素環基であり、ハロゲノ基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたシリル基、炭素数1〜50の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素数3〜50の環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜50のアラルキル基、1価の複素環基は、前記と同じである。
また、R4は一般式(2)中のR3と同じである。
また、複核錯体(1)は、原料となる配位子と金属付与剤とを混合して、複核錯体の前駆体である単核錯体を合成した後、この単核錯体と、さらに別の金属付与剤と混合することで製造してもよい。
前記溶媒は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。そして、原料となる配位子及び金属付与剤が溶解するものが好ましい。
前記導電性担体は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
また、加熱温度の上限は、1400℃であることが好ましく、1200℃であることがより好ましく、1000℃であることがさらに好ましく、800℃であることが特に好ましい。
そして、加熱温度は、200℃〜1400℃であることが好ましい。
本発明の燃料電池用電極触媒は、上記本発明のレドックス触媒を用いたものである。
また、本発明の燃料電池は、上記本発明のレドックス触媒を用いたものである。
本発明の燃料電池用電極触媒及び燃料電池は、上記のように、本発明のレドックス触媒の酸素還元能又は水素酸化能を利用したものであり、発電性能に優れる。
[合成例1]
下記構造式で表される複核錯体(A)を、以下の方法で合成した。
元素分析値:理論値(%);C 43.27、H 3.55、N 9.39、実測値(%);C 43.35、H 3.12、N 9.15。
下記構造式で表される複核錯体(B)を、以下の方法で合成した。
0.67g(1.3mmol)のテトラクロロパラジウムテトラエチルアンモニウムと0.50g(5.3mmol)の2−ピリドンを含んだ20mLの水溶液へ、10mLの10%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を加え、室温にて10分間撹拌した。この溶液に0.44g(1.3mmol)の臭化バリウム2水和物を含んだ水溶液1mLを徐々に加えたところ、数時間後に淡黄色結晶が析出した。この結晶をろ別、風乾した。
次に、複核錯体(B)を以下の方法で合成した。
前記Pd錯体0.227g(0.29mmol)を含んだ40mLメタノール溶液に、0.149gの過塩素酸鉄(II)n水和物(0.59mmol)を含んだ10mLメタノール溶液を室温にて加え、不溶解物をろ別したのち、大気下でろ液を静置したところ、溶液が黄色から赤色に変化して赤色の結晶が析出した。この結晶を、ろ取して風乾した。収量は0.144gであり、収率は、80%であった。
元素分析値:理論値(%);C 42.64、H 4.07、N 9.04、実測値(%);C 42.84、H 3.76、N 8.94。
下記構造式で表される複核錯体(C)を、以下の方法で合成した。
元素分析値:理論値(%);C 41.87、H 4.09、N 9.08、実測値(%);C 42.05、H 3.84、N 9.18。
前記塩化コバルト(II)6水和物に代えて塩化ニッケル(II)を使用したこと以外は、合成例3と同様の方法で、下記構造式で表される複核錯体(D)を合成した。
前記塩化コバルト(II)6水和物に代えて塩化銅(II)を使用したこと以外は、合成例3と同様の方法で、下記構造式で表される複核錯体(E)を合成した。
下記構造式で表される複核錯体(F)を、以下の方法で合成した。
2.52gの4,6−ジヒドロキシ−5−メチルピリミジン(20mmol)に2.02gのトリエチルアミン(20mmol)を加え、蒸留水20mLに溶解した後、2.08gのテトラクロロ白金カリウム(5.0mmol)を加え、40℃にて一日攪拌を行ったところ、溶液の色が赤褐色から黄色へと変化した。トリエチルアミンでpHを8に調整し、さらに一日攪拌したところ、溶液の色が薄黄色へと変化した。不溶物をろ別した後、4.2gの臭化テトラフェニルホスホニウムブロミド(10mmol)の飽和水溶液を加えたところ、白色沈殿が生じた。この沈殿をろ取し、真空デシケータで乾燥させた。収量は4.42gであり、収率は、60%であった。
元素分析値:理論値(%);C 55.10、H 4.90、N 7.56、実測値(%);C 54.94、H 4.62、N 7.72。
次に、複核錯体(F)を以下の方法で合成した。
前記Pt錯体0.30g(0.2mmol)を含んだ25mLメタノール溶液へ、塩化亜鉛(0.2mmol)を含んだメタノール溶液を室温にてゆっくり加えたところ、沈殿が生じた。そのまま、数時間撹拌し、沈殿をろ取し、デシケータで乾燥した後、5mLのジメチルスルホキシド(DMSO)から再結晶を行うことで板状結晶を得た。収量は0.10gであり、収率は、46%であった。
元素分析値:理論値(%);C 29.55、H 4.41、N 10.21、実測値(%);C 29.91、H 4.06、N 10.26。
前記塩化亜鉛に代えて塩化コバルト(II)を使用したこと以外は、合成例6と同様の方法で、下記構造式で表される複核錯体(G)を合成した。収量は0.10gであり、収率は、46%であった。
前記塩化亜鉛に代えて塩化マンガン(II)を使用したこと以外は、合成例6と同様の方法で、下記構造式で表される複核錯体(H)を合成した。収量は0.10gであり、収率は、48%であった。
下記構造式で表される複核錯体(I)を、以下の方法で合成した。
元素分析値:理論値(%);C 29.72、H 4.22、N 10.66、実測値(%);C 29.95、H 3.99、N 10.60。
<レドックス触媒の調製>
複核錯体(A)とカーボン担体(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン社製)を1:4の質量比で混合し、該混合物を、エタノール中、室温にて攪拌後、室温にて200Pa(1.5Torr)の減圧下で12時間乾燥することで、レドックス触媒(A)を調製した。
<電極の作製>
電極には、ディスク部がグラッシーカーボン(直径6.0mm)、リング部がPt(リング内径:7.0mm、リング外径:9.0mm)であるリングディスク電極を用いた。レドックス触媒(A)2mgを入れたサンプル瓶へ、0.6mLの水、0.4mLのエタノール、20μLのナフィオン(登録商標)溶液(Aldrich、5質量%溶液)を順に加えた後、超音波で分散処理を行った。得られた懸濁液10μLを上記電極のディスク部に滴下した後、室温にて一晩乾燥することにより、測定用電極を作製した。
<回転リングディスク電極によるレドックス触媒の酸素還元能の評価>
作製した測定用電極を回転させることにより、その時の酸素還元反応の電流値を測定し、レドックス触媒(A)の酸素還元能を評価した。評価結果を表1に示す。測定は室温において窒素雰囲気下及び酸素雰囲気下で行い、酸素雰囲気下での測定で得られた電流値から、窒素雰囲気下での測定で得られた電流値を引いた値を酸素還元の電流値とした。測定装置及び測定条件は、以下の通りである。
回転リングディスク電極装置:日厚計測RRDE−1
電気化学アナライザー:BAS社製 ALS701C
(測定条件)
セル溶液:0.05mol/L硫酸水溶液
参照電極:銀/塩化銀参照電極(飽和塩化カリウム)
カウンター電極:白金ワイヤー
掃引速度:5mV/s
電極回転速度:600rpm
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(B)を使用したこと以外は、実施例1と同様にレドックス触媒(B)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表1に示す。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(C)を使用したこと以外は、実施例1と同様にレドックス触媒(C)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表1に示す。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(D)を使用したこと以外は、実施例1と同様にレドックス触媒(D)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表1に示す。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(E)を使用したこと以外は、実施例1と同様にレドックス触媒(E)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表1に示す。
複核錯体(A)に代わり、サルコミン(Co−salen錯体、東京化成社製、製品コードS0318)を使用したこと以外は、実施例1と同様にレドックス触媒(Z)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表1に示す。
<レドックス触媒の調製>
複核錯体(A)とカーボン担体(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン社製)を1:4の質量比で混合し、エタノール中、室温にて攪拌後、室温にて200Pa(1.5Torr)の減圧下で12時間乾燥した。次いで、得られた混合物を管状炉(プログラム制御開閉式管状炉、商品名:EPKRO−14R、いすゞ製作所製)において、窒素雰囲気下、窒素ガスフローを200mL/分、昇温速度を200℃/時間として600℃まで昇温し、その後、600℃で2時間加熱を行った。0.1M塩酸溶液を用いて酸処理を行い、ろ取した後、真空乾燥機で一晩乾燥させることで、レドックス触媒(F)を調製した。得られたレドックス触媒(F)のXRD(X−Ray Diffraction spectroscopy)スペクトルを図1に示す。図1のグラフにおける縦軸はスペクトル強度を、横軸は2θ(°)を示す。図1より、Pdメタル由来のピークが確認できた。
<回転リングディスク電極によるレドックス触媒の酸素還元能の評価>
レドックス触媒(A)に代わり、レドックス触媒(F)を使用したこと以外は、実施例1と同様に酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(B)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレドックス触媒(G)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。また、得られたレドックス触媒(G)のXRD(X−Ray Diffraction spectroscopy)スペクトルを図1に示す。図1より、PdFe合金由来のピークが確認できた。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(C)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレドックス触媒(H)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(D)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレドックス触媒(I)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(E)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレドックス触媒(J)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。また、得られたレドックス触媒(J)のXRD(X−Ray Diffraction spectroscopy)スペクトルを図1に示す。図1より、PdCu合金及びPdメタル由来のピークが確認できた。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(F)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレドックス触媒(K)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。また、得られたレドックス触媒(K)のXRD(X−Ray Diffraction spectroscopy)スペクトルを図2に示す。図2のグラフにおける縦軸はスペクトル強度を、横軸は2θ(°)を示す。図2より、PtZn合金由来のピークが確認できた。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(G)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレドックス触媒(L)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。また、得られたレドックス触媒(L)のXRD(X−Ray Diffraction spectroscopy)スペクトルを図2に示す。図2より、PtCo合金由来のピークが確認できた。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(H)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレドックス触媒(M)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。また、得られたレドックス触媒(M)のXRD(X−Ray Diffraction spectroscopy)スペクトルを図2に示す。図2より、Ptメタル由来のピークが確認できた。
複核錯体(A)に代わり、複核錯体(I)を使用したこと以外は、実施例6と同様にレドックス触媒(N)を調製し、その酸素還元能を評価した。評価結果を表2に示す。
複核錯体(B)とカーボン担体(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン社製)を1:4の質量比でメタノール中において混合した後、溶媒を除去することで、レドックス触媒(O)を得た。
<電極の作製>
電極には、ディスク部がグラッシーカーボン(直径6.0mm)のディスク電極を用いた。レドックス触媒(O)2mgを入れたサンプル瓶へ、0.6mLの水、0.4mLのエタノール、20mLのナフィオン溶液(Aldrich、5質量%溶液)を順に加えた後、超音波で分散処理を行った。得られた懸濁液10μLを上記電極のディスク部に滴下した後、室温にて一晩乾燥することにより、測定用電極を作製した。
<回転リングディスク電極によるレドックス触媒の水素酸化能評価>
測定は室温において窒素雰囲気下及び水素雰囲気下で行い、0.1Vにおける水素雰囲気下での測定で得られた電流値から、窒素雰囲気下での測定で得られた電流値を引いた値を水素酸化の電流値とした。測定装置及び測定条件は、以下の通りである。
回転リングディスク電極装置:日厚計測RRDE−1
電気化学アナライザー:BAS社製 ALS601B
(測定方法)
リニアスウィ−プボルタンメトリー
(測定条件)
セル溶液:0.10mol/L過塩素酸水溶液
参照電極:可逆水素電極(RHE)
カウンター電極:白金ワイヤー
掃引速度:5mV/s
電極回転速度:600rpm
Claims (12)
- 前記一般式(1)で表される複核錯体において、前記Q1が前記窒素原子及びY1に隣接する炭素原子と共に形成する複素環が6員環であり、該6員環を構成する原子のうち、前記窒素原子及びY1に隣接する炭素原子以外の原子が、それぞれ独立に炭素原子又は窒素原子である請求項1に記載のレドックス触媒。
- 前記Y1が酸素原子である請求項1又は2に記載のレドックス触媒。
- 前記一般式(1)で表される複核錯体が、下記一般式(2)又は(3)で表される複核錯体である請求項1〜3のいずれか一項に記載のレドックス触媒。
- 前記nが4である請求項1〜4のいずれか一項に記載のレドックス触媒。
- 前記M1が、貴金属原子、貴金属イオン、又はY1に該当しない酸素原子が配位した貴金属原子若しくは貴金属イオンである請求項1〜5のいずれか一項に記載のレドックス触媒。
- 前記M2が、周期表第4周期の遷移金属原子、周期表第4周期の遷移金属イオン、又はY1に該当しない酸素原子が配位した周期表第4周期の遷移金属原子若しくは遷移金属イオンである請求項1〜6のいずれか一項に記載のレドックス触媒。
- 前記M1がパラジウム原子、パラジウムイオン、白金原子又は白金イオンであり、前記M2がバナジウム原子、バナジウムイオン、クロム原子、クロムイオン、マンガン原子、マンガンイオン、鉄原子、鉄イオン、コバルト原子、コバルトイオン、ニッケル原子、ニッケルイオン、銅原子、銅イオン、亜鉛原子又は亜鉛イオンである請求項1〜7のいずれか一項に記載のレドックス触媒。
- 前記一般式(1)で表される複核錯体と、導電性担体とを含む組成物を用いた請求項1〜8のいずれか一項に記載のレドックス触媒。
- 前記複核錯体、又は前記複核錯体と前記導電性担体とを含む組成物を、200℃〜1400℃で加熱することで得られた請求項1〜9のいずれか一項に記載のレドックス触媒。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のレドックス触媒を用いた燃料電池用電極触媒。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載のレドックス触媒を用いた燃料電池。
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