JP2008218041A - 触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い酸素還元特性を有し、ダイレクトアルコール型燃料電池等の燃料電池のカソードの触媒として用いた場合においても、クロスオーバー現象によるカソード上におけるアルコールの分解反応を有効に防止でき、クロスオーバー現象に起因するカソード電位の低下を有効に防止できる触媒を提供すること。
【解決手段】金属原子M(Mは、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、Al、In、Ge、CrおよびTiからなる群より選択される金属原子)と、互いに共役構造を形成する3つのピロール環、およびアミノ基を有するフェニル基を有し、3つの前記ピロール環を介して前記金属原子Mに配位する配位子と、を有する金属錯体を、導電性基体に担持してなる触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、触媒およびその製造方法に係り、さらに詳しくは、燃料電池のカソードの触媒として好適な触媒およびその製造方法に関する。また、本発明は、このような触媒を用いたダイレクトアルコール型燃料電池等の燃料電池にも関する。
固体高分子電解質膜を用いた燃料電池は、作動温度が100℃以下と低く、そのエネルギー密度が高いことから、電気自動車の電源や電気・電子機器用の簡易補助電源、家庭用定置電源などにおいて実用化が期待されている。このような固体高分子電解質膜を用いた燃料電池のなかでも、ダイレクトアルコール型燃料電池(DAFC)は、たとえばメタノールなどのアルコールを直接燃料極であるアノードに供給する構造を有しているため、一般に小型化が容易である。さらには、燃料インフラの観点からも、有力視されている。
このようなダイレクトアルコール型燃料電池の電解質膜としては、プロトン伝導性、耐熱性および耐酸化性の点から、たとえば、パーフルオロアルキルスルホン酸膜が使用されている。このタイプの電解質膜は、一般的に、疎水性のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)主鎖とパーフルオロ基の先に親水性のスルホン酸基が固定された側鎖とからなる。一方で、アノードに供給されるアルコールは、親水性部分と疎水性部分を有するため、パーフルオロアルキルスルホン酸膜に対して良溶媒となり、電解質膜を通過しやすいという性質を有する。
そのため、アノードに供給されたアルコールが、未反応のまま電解質膜を通過し、カソードに達する、いわゆる「クロスオーバー」という現象が生じる。このクロスオーバーにより、本来酸素還元反応の為の電極として作用するカソード上で、アルコールの酸化分解反応が起こり、カソードの電位が低下してしまい、結果として、セル電圧が低下してしまうという問題がある。また、アルコールの酸化分解により、燃料利用率が低下してしまうという不具合もある。そして、このクロスオーバーは、燃料電池に供給されるアルコール濃度が高く、動作温度が高いほど、増大する傾向にある。
一方、このクロスオーバーの問題を解決するために、電解質膜を改質する方法が検討されており、たとえば、特許文献1では、メタノール不透過性有機材料にSiOやP等の無機系プロトン伝導材料を含有させた膜が提案されている。しかしながら、電解質膜に対して、クロスオーバー現象を防止するための改質を行うと、電解質膜のイオン伝導性が低下してしまい、燃料電池用の電解質として機能し難くなるという問題があった。
特開2001−93543号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、高い酸素還元特性を有し、ダイレクトアルコール型燃料電池等の燃料電池のカソードの触媒として用いた場合においても、クロスオーバー現象によるカソード上におけるアルコールの分解反応を有効に防止でき、クロスオーバー現象に起因するカソード電位の低下を有効に防止できる触媒およびこの触媒の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような触媒を用いた燃料電池を提供することも目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、所定の金属原子と、互いに共役構造を形成する3つのピロール環およびアミノ基を有するフェニル基を有し、3つのピロール環を介して、この金属原子に配位した構成を有する配位子と、を有する金属錯体を、導電性基体に担持してなる触媒が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、金属原子M(Mは、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、Al、In、Ge、CrおよびTiからなる群より選択される金属原子)と、互いに共役構造を形成する3つのピロール環、およびアミノ基を有するフェニル基を有し、3つの前記ピロール環を介して前記金属原子Mに配位する配位子と、を有する金属錯体を、導電性基体に担持してなる触媒が提供される。
また、本発明によれば、導電性基体を準備する工程と、
前記金属錯体を含有する金属錯体溶液を準備する工程と、
前記金属錯体溶液中で、前記導電性基体に所定の電位を印加して、前記金属錯体を前記導電性基体に担持させる工程と、を有する触媒の製造方法が提供される。
本発明においては、前記金属錯体が、下記式(1)で表される化合物であることが好ましく、下記式(2)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 2008218041
[上記式(1)中、R、R、Rは、それぞれ、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、−NH、−C2nNH(n=1〜3)であり、かつ、前記R、RおよびRは、それぞれ、少なくとも−NHまたは−C2nNHを必須として含む。]
Figure 2008218041
本発明において、前記導電性基体としては、炭素材料や金、銀などで構成することができるが、これらのなかでも炭素材料で構成することが好ましい。このような炭素材料としては、特に限定されないが、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどが挙げられる。
また、本発明によれば、電解質膜と、前記電解質膜を介して対峙するアノードおよびカソードと、を有する燃料電池であって、前記カソードの触媒として、上記いずれかの触媒あるいは上記いずれかの製造方法で得られる触媒を用いてなる燃料電池が提供される。
本発明に係る触媒は、導電性基体に担持させる金属錯体として、所定の金属原子と、互いに共役構造を形成する3つのピロール環およびアミノ基を有するフェニル基を有し、3つのピロール環を介して、この金属原子に配位した構成を有する配位子と、を有する金属錯体を用いてなるものである。そして、このような本発明の触媒は、高い酸素還元特性を有する。そのため、たとえば、ダイレクトアルコール型燃料電池等の燃料電池のカソードの触媒として用いた場合においても、クロスオーバー現象によるカソード上におけるアルコールの分解反応を有効に防止でき、クロスオーバー現象に起因するカソード電位の低下を有効に防止できる。そのため、このようなダイレクトアルコール型燃料電池等の燃料電池用の触媒として好適に用いることができる。
さらに、本発明に係る触媒において、触媒を構成する金属錯体は、中心金属である金属原子Mに対して、互いに共役構造を形成する3つのピロール環を介して配位する構造となっている。そして、このような構造を採用することにより、たとえば、従来用いられていたポルフィリン系(大環状有機化合物)の触媒と比較して、収率良く、しかも安価に製造することができるという利点を有する。
以下、本発明の触媒およびその製造方法、ならびに本発明の触媒を用いてなる燃料電池について詳細に説明する。
触媒
本発明の触媒は、以下に説明する金属錯体を、導電性基体に担持してなるものである。
本発明で用いる金属錯体は、
金属原子M(Mは、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、Al、In、Ge、CrおよびTiからなる群より選択される金属原子)と、
互いに共役構造を形成する3つのピロール環、およびアミノ基を有するフェニル基を有し、3つの前記ピロール環を介して前記金属原子Mに配位する配位子(以下、適宜「配位子L」とする。)と、を有する錯体である。
金属原子Mとしては、上記した各金属原子が挙げられるが、これらの中でも、Co、Fe、Ni、Mnが好ましく、Coが特に好ましい。金属原子Mとして、Coを用いることにより、酸素還元特性を高くすることができる。本発明においては、これら金属原子Mには、必要に応じて、上記所定の配位子Lの他、ハロゲン原子、酸素原子、水酸基、窒素原子、NOまたはCO等の配位子がさらに配位していても良い。
上記配位子Lは、互いに共役構造を形成する3つのピロール環と、アミノ基を有するフェニル基とを有しており、3つのピロール環を介して、金属原子Mと配位可能な構成を有する化合物であれば何でも良く特に限定されないが、本発明では、下記式(1)で示す化合物が好ましく用いられる。なお、下記式(1)においては、配位子Lが金属原子Mと配位した状態で示している。
Figure 2008218041
上記式(1)中、R、R、Rは、それぞれ、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、−NH、−C2nNH(n=1〜3)であり、かつ、前記R、RおよびRは、それぞれ、少なくとも−NHまたは−C2nNHを必須として含む。
すなわち、上記式(1)で表される化合物は、3つのピロール環がα位に結合した炭素原子を介して、互いに共役構造を形成しているとともに、これら3つのピロール環に結合している3つの炭素原子は、それぞれ、アミノ基を有するフェニル基[すなわち、−C(R、−C(Rおよび−C(R]で置換された構成となっている。
アミノ基を有するフェニル基[すなわち、−C(R、−C(Rおよび−C(R]は、少なくとも−NHまたは−C2nNHを有する構造となっていれば良く特に限定されない。アミノ基を有するフェニル基における−NHまたは−C2nNHの置換数は2以上であっても良い。また、−NHまたは−C2nNHのうちでは、−NHを少なくとも有する構成が好ましい。
上記ハロンゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられるが、これらのなかでも塩素原子が好ましく用いられる。
なかでも、本発明においては、上記式(1)で示される化合物のうち、アミノ基を有するフェニル基の2つのオルト位およびパラ位が、ハロンゲン原子、および−NHまたは−C2nNHで置換された化合物であることが好ましく、特に、下記式(2)で示す化合物であることが好ましい。なお、下記式(2)においては、配位子Lが金属原子Mと配位した状態で示している。
Figure 2008218041
本発明の触媒を構成する配位子Lを上記式(2)で表される化合物で構成することにより、酸素還元特性をより高いものとすることでき、これにより、ダイレクトアルコール型燃料電池等の燃料電池のカソードの触媒として用いた場合における、クロスオーバー現象に起因するカソード上でのアルコールの分解反応の抑制効果をより高めることができる。
本発明で用いる導電性基体を構成する導電材料としては特に限定されないが、
炭素材料や金、銀などが挙げられる。これらのなかでも、特に炭素材料が好ましく用いられる。このようなカーボン材料としては、たとえば、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどが挙げられる。導電性基体を炭素材料で構成することにより、たとえば白金を使用した場合と比較して、大幅なコストの削減を図ることができる。また、導電性基体はシート状としても良いし、あるいは粉末状としても良く、用いる製品に応じて適宜選択すればよい。
触媒の製造方法
本発明の触媒は、導電性基体と、金属原子Mおよび配位子Lを含有する有機金属錯体の溶液(金属錯体溶液)と、を準備し、金属錯体溶液中で、導電性基体に所定の電位を印加して、金属錯体を導電性基体に担持させることにより製造することができる。
以下、本発明の触媒の製造方法について、詳細に説明する。
まず、金属錯体を構成する配位子Lとなる化合物を合成する。配位子Lとなる化合物の合成法としては、特に限定されず、たとえば、ピロール化合物とニトロ基およびアルデヒド基を有するベンゼン化合物とを反応させ、得られた反応物のニトロ基を還元して、アミン基とすることにより合成することができる。
具体的には、配位子Lを上記式(2)で示される化合物とする場合には、以下の方法に従い合成することができる。
すなわち、まず、反応容器に酸およびp−ニトロベンズアルデヒド(CHO−C−NO)を仕込み、加熱、環流する。酸としては、たとえば、酢酸、氷酢酸、塩酸等を用いることができる。そして、反応容器を、室温(25℃)〜100℃程度に加温した状態で、反応容器中に、ピロールを一定速度(たとえば、反応に要するピロール全量の滴下が完全に終了するまでの時間が10分〜2時間程度となる速度)で滴下して、p−ニトロベンズアルデヒドとピロールとを反応させる。
なお、本実施形態では、配位子Lを上記式(2)で示される化合物とするために、p−ニトロベンズアルデヒドを使用する例(すなわち、アミノ基を有するフェニル基のアミノ基をパラ位に形成する例)を例示したが、たとえば、上記式(1)において、アミノ基を有するフェニル基のアミノ基をオルト位に形成する場合には、o−ニトロベンズアルデヒドを用いれば良い。また、アミノ基を有するフェニル基のアミノ基を、たとえば、−CHNHで表されるアミノ基や−CNHで表されるアミノ基とする場合には、組成式CHO−C−CHNOで表される化合物、CHO−C−CNOで表される化合物を用いれば良い。
そして、得られた反応物と、濃塩酸および塩化スズ(SnCl)と、を混合し、60〜100℃、20〜60分の条件で、反応させ、次いで、得られた反応物にアンモニア水を加えて中和することにより、下記式(3)に示す化合物を得ることができる。
Figure 2008218041
なお、本実施形態では、配位子Lを上記式(2)で示される化合物とするために、塩化スズを使用する例(すなわち、アミノ基を有するフェニル基を塩素原子で置換する例)を例示したが、たとえば、上記式(1)において、アミノ基を有するフェニル基を臭素原子やヨウ素原子で置換する場合には、臭化スズ(SnBr)やヨウ化スズ(SnI)を用いれば良い。
次いで、上記式(3)に示す化合物を、金属原子Mに配位させて、本発明に係る金属錯体を得る。金属原子Mに配位させる方法は、特に限定されないが、上記式(3)に示す化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)などに溶解することにより溶液とし、この溶液に金属原子Mの塩を加え、100〜180℃、10〜60分の条件で加熱することにより得ることができる。たとえば、金属原子MをCoとする場合には、金属原子Mの塩としては、CoCl等を用いることができる。
次いで、得られた金属錯体を、導電性基体に担持させる。金属錯体を導電性基体に担持させる方法としては、たとえば、金属錯体をジメチルスルホキシドなどの溶媒に溶解させた溶液を電解液として、この電解液中に導電性基体を入れて、室温(25℃)〜60℃、1.0〜1.8V(v.s.NHE)の条件で電位を印加する方法が挙げられる。導電性基体としては、炭素材料(たとえば、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなど)が好ましく用いられる。
本発明では、このように導電性基体として炭素材料を用いるとともに、しかも、炭素材料に電位を印加し、これにより金属錯体を導電性基体に担持させることにより、得られる触媒を、高い酸化還元特性を有するものとすることができる。そして、その結果として、ダイレクトアルコール型燃料電池等の燃料電池のカソードの触媒として用いられた場合においても、クロスオーバー現象によるカソード上におけるアルコールの分解反応を有効に防止できる。
なお、この理由としては、必ずしも明らかではないが、次のように考えられる。
すなわち、電位の印加により、金属錯体をカーボン材料からなる導電性基体に担持させることにより、炭素材料表面の酸化反応が起こり、これにより炭素材料表面にカルボキシル基等の官能基が形成される。そして、炭素材料表面に形成されたカルボキシル基等の官能基と、本発明に係る金属錯体のアミノ基を有するフェニル基のアミノ基と、が電位を印加した際に反応し、これらが結合することによると考えられる。なお、このような反応により、たとえば、アミド結合などが形成していると考えられる。
金属錯体を導電性基体に担持させる際における、金属錯体と導電性基体との比率は、金属錯体のモル数を「A」、導電性基体の官能基のモル数を「B」とした場合に、モル比A/B=0.001〜0.5とすることが好ましい。A/Bが大きすぎると、金属錯体の触媒利用率が下がる傾向にあり、一方、小さすぎると、触媒活性が低下する傾向にある。
燃料電池
本発明の燃料電池は、電解質膜と、この電解質膜を介して対峙するアノードおよびカソードと、からなるものである。
電解質膜としては、プロトン伝導性、耐熱性および耐酸化性等の燃料電池用の電解質膜として必要とされる各種特性を有しているものであれば、特に限定されないが、たとえば、パーフルオロアルキルスルホン酸膜、炭化水素系スルホン酸膜、アニオン交換膜、等が使用できる。
アノードは、通常、ガス拡散層およびアノード触媒層から構成され、アノード触媒層を介して電解質膜と接触する構成となっている。アノード触媒層に含有される触媒としては、通常、白金、白金−ルテニウム、ニッケル等が用いられる。
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カソードも、通常、ガス拡散層およびカソード触媒層から構成され、カソード触媒層を介して電解質膜と接触する構成となっている。本発明に係る燃料電池は、カソード触媒層に含有される触媒として、上記本発明所定の触媒を用いる点に最大の特徴を有する。そして、本発明所定の触媒を用いることにより、本発明に係る燃料電池をダイレクトアルコール型燃料電池とした場合においても、クロスオーバー現象によるカソード上におけるアルコールの分解反応を有効に防止でき、クロスオーバー現象に起因するカソード電位の低下を有効に防止することができる。そして、その結果として、燃料利用率が高く、さらにはセル電圧を高く維持することができ、信頼性に優れたダイレクトアルコール型燃料電池等の燃料電池を提供することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
金属錯体の製造
まず、p−ニトロベンズアルデヒド:10g(0.066mol)と、氷酢酸:200mlとを準備し、これらを500mlの二口フラスコに入れ、約30分間加熱、還流した。その後、二口フラスコの温度を80℃に保った状態で、ピロール:4.64ml(0.067mol)を約1時間かけて滴下することにより、p−ニトロベンズアルデヒドとピロールとを反応させた。滴下終了後、室温まで冷却させた後に、二口フラスコ中にジクロロメタンを加え、次いで、二口フラスコ中の溶液をブフナーロートで吸引ろ過し、ろ過後の残渣について、50mlのジクロロメタンで洗浄することにより、濃紫色の結晶を得た。そして、得られた濃紫色の結晶を、温度60℃にて約12時間真空乾燥した。その結果、乾燥後の重量は7.12gであった。
次いで、乾燥後の濃紫色の結晶:3.5g、濃塩酸:175ml(37wt%)およびSnCl・2HO:14.7gを500mlの二口フラスコに入れ、温度100℃としたオイルバスを用いて、30分間加熱した。加熱終了後、二口フラスコを室温まで冷却させた後、ジクロロメタン:280mlを加えて、1時間撹拌し、得られた溶液を500mlの分液ロートにより水層と有機層を分離した。そして、分液ロートにて分離された有機層をエバポレートし、有機溶媒を蒸発させた後の残渣をフラスコに移し、ジメチルスルホキシド(DMSO):100mlを加えることにより、上記式(3)に示す化合物のジメチルスルホキシド溶液を得た。
次いで、上記式(3)に示す化合物のジメチルスルホキシド溶液:26gに、CoCl:61mgを加え、これらの入ったフラスコを、温度180℃に設定したオイルバスを用いて、ゆるやかに加熱した。なお、加熱開始から約1時間後には、溶液は赤紫色から青紫色に変化し、さらに、その約12時間後には、溶液は濃緑色になった。このようにして、上記式(2)に示す金属錯体のDMSO溶液を得た。
触媒の製造
次いで、上記にて得られた式(2)に示す金属錯体のDMSO溶液中に、グラッシーカーボンディスク電極を浸漬し、グラッシーカーボンディスク電極に電位を印加することにより、上記式(2)に示す金属錯体が、グラッシーカーボンディスク電極に担持した触媒を製造した。なお、電位の印加条件は、温度25℃、印加電位の範囲0〜+0.7V(v.s.Ag/Ag)、レート10mV/s、サイクル数10とした。
サイクリックボルタンメトリー(CV)測定による酸素還元特性の評価
得られた触媒サンプルについて、CV測定を行い、酸素還元特性を評価した。CV測定は、以下の条件にて行った。
測定装置:BAS社製、ALS900
セル溶液:1M KOH
作用極 :触媒サンプル
参照極 :可逆水素電極(RHE)
対極 :Pt電極
掃引速度:10mV/s
雰囲気 :飽和酸素雰囲気
電位は、1V付近(開回路電位)から還元側に掃引した。また、測定は、作用極としての触媒サンプルを、4900rpmの条件で回転させながら行った。
CV測定の結果、得られたプロファイルを図1に示す。なお、図1において、電極電位は、RHEに対する電位で示した。図1より、本発明の所定の触媒サンプルは、0.8V付近より酸素還元によるピークが確認でき、0.8V付近から酸素還元触媒として機能することが確認できる。
また、上記と同様のCV測定を、メタノールを添加した系でも行ったところ、メタノール添加による影響は、殆ど観測されなかった。すなわち、この結果より、本発明の触媒を、ダイレクトアルコール型燃料電池等の燃料電池のカソードの触媒として用いた場合においても、クロスオーバー現象によるカソード上におけるメタノールなどのアルコール分解反応を抑制できることが確認できた。
図1は本発明の実施例に係る触媒のサイクリックボルタンメトリー(CV)測定の結果を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 金属原子M(Mは、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、Al、In、Ge、CrおよびTiからなる群より選択される金属原子)と、互いに共役構造を形成する3つのピロール環、およびアミノ基を有するフェニル基を有し、3つの前記ピロール環を介して前記金属原子Mに配位する配位子と、を有する金属錯体を、導電性基体に担持してなる触媒。
  2. 前記金属錯体が、下記式(1)で表される化合物である請求項1に記載の触媒。
    Figure 2008218041
    [上記式(1)中、R、R、Rは、それぞれ、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、−NH、−C2nNH(n=1〜3)であり、かつ、前記R、RおよびRは、それぞれ、少なくとも−NHまたは−C2nNHを必須として含む。]
  3. 前記金属錯体が、下記式(2)で表される化合物である請求項2に記載の触媒。
    Figure 2008218041
  4. 前記導電性基体が、炭素材料から構成される請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
  5. 電解質膜と、前記電解質膜を介して対峙するアノードおよびカソードと、を有する燃料電池であって、前記カソードの触媒として、請求項1〜4のいずれかに記載の触媒を用いてなる燃料電池。
  6. 導電性基体を準備する工程と、
    金属原子M(Mは、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Au、Mg、Cd、Al、In、Ge、CrおよびTiからなる群より選択される金属原子)と、互いに共役構造を形成する3つのピロール環、およびアミノ基を有するフェニル基を有し、3つの前記ピロール環を介して前記金属原子Mに配位する配位子と、を有する金属錯体を含有する金属錯体溶液を準備する工程と、
    前記金属錯体溶液中で、前記導電性基体に所定の電位を印加して、前記金属錯体を前記導電性基体に担持させる工程と、を有する触媒の製造方法。
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