JP2011528487A - 疑似平面多重反射飛行時間型質量分析計 - Google Patents

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Abstract

ドリフト方向(Z)に延在されると共に平行電極で構成され、無電場領域によって分離された2個の疑似平面静電イオンミラーを含む多重反射飛行時間(MR−TOF)質量分析計。MR−TOFは、ドリフト方向Zに垂直なX方向に対して小さな角度でイオンパケットを放出するパルス化イオン源を有する。イオンパケットは、イオンミラー間で反射され、ドリフト方向にドリフトする。ミラーは、レシーバ上でイオンパケットが飛行時間収束するように配置される。MR−TOFミラーは、ドリフト方向Zとイオン注入方向Xの両方に垂直なY方向での空間収束を提供する。好ましい実施形態では、少なくとも1個のミラーが、イオンパケットをドリフトZ方向に周期的に空間収束する特徴部を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、一般に質量分光分析に関し、より詳細には多重反射飛行時間型質量分析計(MR−TOF MS)を含む装置及びその使用方法に関する。
質量分析は、種々の化合物及びその混合物の識別及び定量分析に使用される周知の分析化学ツールである。そのような分析の感度と分解能は、実際の使用にとって重要な事柄である。飛行時間型質量分析計(TOF MS)の分解能が飛行経路が長くなるほど改善することはよく知られている。適度な物理長を維持しながら飛行経路を長くするために多重反射飛行時間型質量分析計(MR−TOF MS)が提案された。MR−TOF MSの使用は、飛行時間収束特性を有する静電イオンミラーの導入後に可能になった。特許文献1、特許文献2及び非特許文献1は、イオンエネルギーに対する飛行時間収束を改善するためのイオンミラーの使用を開示している。イオンミラーを使用すると、イオン飛行経路が自動的に1回折り返される。
H.Wollnikは、多重反射MR−TOF MSを実現するためのイオンミラーの可能性を現実のものにした。特許文献3は、多数のグリッドレスミラー間でイオン経路を折り返すことによって機器の全長を短くすることを提案している。各ミラーは、同軸電極で作成されている。2列のそのようなミラーは、同一平面内に整列されるか、2個の向かい合った平行な円上に配置される(図1を参照)。空間的イオン収束機能を有するグリッドレスイオンミラーの導入により、イオン損失が減少し、反射回数に関係なくイオンビームが閉じ込められたままになる(より詳細には特許文献4を参照)。また、特許文献3に開示されたグリッドレスミラーは、「イオンエネルギーからのイオン飛行時間の独立性」を提供する。次の2タイプのMR−TOF MSが開示されている。
(A)「折り返し経路」方式。N個の順次反射するTOF MSを組み合わせることと同等。飛行経路は、ジグザグな軌道に沿って折り返される。(図1A)
(B)「同軸反射」方式。パルス化イオンの捕捉と開放を使用することにより、軸方向に整合された2個のイオンミラー間の複数のイオン反射を使用する。(図1B)
「同軸反射」方式は、非特許文献2にも記載されており、非特許文献3で発表された研究で実施されている。中型(30cm)のTOF MSにおいて50回折り返し後に分解能50,000が達成された。実際には、グリッドレス・空間収束イオンミラーは、対象とするイオンを保持するが(損失は2分の1未満であった)、質量範囲はサイクル数と比例して縮小する。
MR−TOF質量分析計は、また、イオンミラーの代わりにセクタ電場を使用するように設計された(非特許文献4と非特許文献5)。しかしながら、これらの質量分析装置は、イオンミラーを利用するものと違って、飛行時間の一次エネルギー収束しか提供しない。
特許文献5は、二次元グリッドレスミラーを使用する高度な方式の折り返し経路MR−TOF MSを紹介している。MR−TOF MSは、棒でできた2枚の同一ミラーを有し、これらのミラーは、ミラー間の中間平面と折り返しイオン経路の平面に対して平行且つ対称的である(図2を参照)。ミラーの幾何学的形状と電位は、折り返しイオン経路の平面と交差するイオンビームを空間的に収束させ、イオンエネルギーに対する二次飛行時間収束を提供するように決められている。イオンは、平面ミラー間で多重反射され、同時にいわゆるシフト方向(図2ではX軸)に検出器の方にゆっくりとドリフトする。繰り返し回数と分解能は、イオン注入角度を変化させることによって調整される。この方式は、飛行経路を延長しながら全質量範囲の維持を可能にする。
しかしながら、Nazarenkoによる平面質量分析計は、シフト方向のイオン収束を行わず、従って反射サイクル数が実質的に制限される。更に、試作品に使用されたイオンミラーは、折り返しイオン経路の平面と交差する空間的なイオン広がりに対して飛行時間収束を提供せず、従って、発散即ち幅広いビームの使用によって、実際に飛行時間分解能が低下し、飛行経路の延長が無意味になる。
特許文献6では、平面方式の多重反射質量分析計が、
a)高次の空間的及びエネルギー収差に対する等時性を維持しながら垂直方向の高次の空間的及びエネルギー収束における空間収束を提供するイオンミラーを導入すること、
b)イオンパケットを主ジグザグイオン経路に沿って保持する1組の周期的レンズ(レンズシステム)を無電場領域に導入すること、及び
c)ドリフト方向のイオン運動を逆転することによってイオン飛行経路の更なる延長を可能にするエンドデフレクタを導入すること
によって改善されている。
平面多重反射TOF MSの更なる改善は、本発明者らによる出願で行われた(特許文献7、特許文献8、特許文献9及び特許文献10)。
これらの出願は、連続イオンビームの短いイオンパケットへの変換やイオン蓄積についての様々な方式を含め、多数のパルス化イオン源について述べている。特許文献7は、外部パルス化イオン源から分析装置にイオン注入するための湾曲等時性インタフェースを示唆している。このインタフェースは、分析装置のフリンジ電界の回避を可能にし、この方法は、装置の分解能を改善する。湾曲インタフェースは、トラップイオン源及び直交イオン加速に基づくパルス化コンバータと適合する。
特許文献8は、いわゆるMR−TOF内へのイオンの二重直交注入を示唆する。MR−TOF分析装置は、イオンパケットの垂直方向(Y方向)の広がりに対してはより許容範囲が大きいことを考慮し、連続イオンビームは、MR−TOF内でジグザグイオン軌道の平面に対してほぼ垂直に向けられる。加速器は僅かに傾けられ、イオンパケットは加速後に向きを変えられ、傾斜と向きの変更が相互に補正される。
特許文献9と特許文献10は、MR−TOF分析装置を種々のタンデム型TOF MSに適用する。一方式は、第1のMR−TOF内の親イオンの低速分離と第2のショートTOF MS内のフラグメントイオンの高速分析を使用して、パルス化イオン源のワンショット内で多数の親イオンについていわゆる並行MS−MS分析を行う。
特許文献11は、空間的及び飛行時間収束特性を有する平面グリッドレスミラーを備えた「折り返し経路」MR−TOF MSを採用しているので、本発明の試作品と考えられる。
平面多重反射質量分析計を実現する際、発明者らは、周期的レンズシステムは、一般にイオン注入インタフェース及びパルス化イオン源と干渉することを発見した。また、そのレンズシステムは、分析装置のアクセプタンス(acceptance)に大きな制限を加える。本発明の目的は、多重反射質量分析計の感度と分解能を改善し、またそれらの製作の利便性を改善することである。
米国特許第4,072,862号 ソビエト特許第SU198034号 英国特許GB2080021号 米国特許第5,017,780号 Nazarenkoらによるソビエト特許1725289号(1989) 2005年12月20日に出願された「MULTI-REFLECTING TIME-OF-FLIGHT MASS SPECTROMETER AND METHOD OF USE」と題する米国出願番号10/561,775号。 WO2006102430 WO2007044696 WO2003US13262 WO2004008481 WO2004US19593
MamyrinらによるSov. J. Tech. Phys.41 (1971) 1498 H.WollnikらによるMass Spec. Rev., 1993,12, p.109 Int. J. Mass Spectrom. Ion Proc. 227 (2003) 217 ToyodaらのJ. Mass Spectrometry, 38 (2003), 1125 SatohらのJ. Am. Soc. Mass Spectrom., 16 (2005), 1969
発明者らは、イオンミラーの静電場をドリフト方向に周期的に空間変調することによって、実質的に二次元の平面ミラーを有するMR−TOF MSのアクセプタンスと分解能を更に改善できることに気づいた。イオンミラーの電場がほぼ平面のままなので、ミラー電場に小さな周期的変調を加えた分光計は、疑似平面と呼ばれる。
本発明の好ましい実施形態は、以下の特徴の内の一以上を有する多重反射飛行時間型質量分析計である。
・ドリフト方向(Z)に拡張され平行電極で構成され、無電場領域によって分離された2個の疑似平面静電気イオンミラーと、
・ドリフト方向Z方向と垂直なX方向に対して小さな角度でイオンパケットを放出し、その結果、イオンパケットが、イオンミラー間で反射されドリフト方向にドリフトするようにするパルス化イオン源と、
・イオンパケットを受け取るレシーバとを有し、
・前記ミラーが、レシーバ上での飛行時間収束を提供するように構成され、
・前記ミラーが、ドリフト方向Z方向とイオン注入方向X方向に垂直なY方向に空間収束を提供するように配置され、少なくとも1個のミラーが、イオンパケットをZ方向に周期的に空間収束させるためにドリフトZ方向に沿って静電場を変調する周期的特徴を有する。
WO2004US19593に発明者らによって述べられているように、イオンミラーは、好ましくは少なくとも4個の電極を有し、その少なくとも1個の電極は、飛行時間収束と前記空間的Y方向収束を提供するために引き付け電位(attracting potential)を有する。装置は、必要に応じて、WO2004US19593に前に記載されたような、
・無電場領域内の少なくとも2個のレンズと、
・イオン経路をドリフト方向に戻すためのエンドデフレクタと、
・前記パルス化イオン源と前記レシーバの間の少なくとも1個の等時性湾曲インタフェース等、平面多重反射質量分析計の特徴を含む。
イオンミラー内の静電場のZ方向の周期的変調は、
・Z方向の周期的幾何学構造を有する少なくとも1個の補助電極を少なくとも1個のミラー電極に組み込み、この電極又は1組の電極に調整可能な電位を印加しZ方向の変調強度を調整し、
・ミラー電極の内の少なくとも1個のミラー電極に1組の周期的スロットを作成し、それらのスロットに入り込む電場を有する追加電極を加え、
・Z方向周期的幾何学構造を有する少なくとも1個の補助電極をミラー電極間に挿入し、
・電極開口の高さ(Y方向)が周期的(Z方向)に変化するか、電極の幅(X方向)が周期的に変化するように、少なくとも1個のミラー電極の幾何学的形状を修正し、
・1組の周期的レンズを少なくとも1個のイオンミラーの内部電極内又はミラー電極間に組み込むことによって達成される。
・多数の他の電場変調方法が可能である。Z方向周期的変調の強度が調整可能な解決策は、幾何学的変調が固定された解決策より好ましい。
分光計は、また、特許出願WO2004US19593、WO2006102430、WO2007044696、WO2003US13262及びWO2004008481に先に記載された特徴を含むことが好ましく、これらの出願の開示は、本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
本発明の好ましい飛行時間分析方法は、
・分析されるイオンのパケットを形成する段階と、
・イオンがジグザグイオン軌道に沿って動くようにZ方向のイオンパケットの比較的小さい速度成分を維持しながら、ドリフトZ方向に拡張された2個の平行な疑似平面イオンミラー間にイオンを通す段階と、
・レシーバでイオンを受け取る段階と、
・イオンが時間的に収束されると共に空間的にY方向に収束されるように前記イオンミラーによって静電場を形成し、この電場が、少なくとも1個のミラー内でZ方向に周期的に空間変調されて、イオンパケットがZ方向に空間収束される段階とを含む。
方法は、更に必要に応じて、WO2004US19593に記載された段階、即ち、
・イオンミラー間のドリフト空間内で少なくとも2個のレンズによってイオンパケットを空間収束し、分析装置の縁でイオンドリフトの方向を戻す段階と、
・湾曲等時性インタフェースを介してイオン注入する段階とを含む。
少なくとも1個のイオンミラー内で静電場を周期的変調する段階が、
・少なくとも1個のミラー電極の形状を空間変調する段階と、
・補助電極を組み込むことによって周期的電場を導入する段階の内のいずれかを含み、周期的収束の強度が調整可能であることが好ましい。
前記変調の周期が、好ましくはN*ΔZ/2又はN*ΔZと等しく、ここで、Nは整数であり、ΔZは、1個のミラーにおける反射1回当たりのドリフト方向のイオン軌道の前進量である。
本発明の一実施形態によれば、多重反射質量分析計(MR MS)の感度と分解能が改善される。
本発明の別の実施形態によれば、MR MSの生産が容易になる。
本発明のこれら及び他の特徴、利点及び目的は、当業者であれば、以下の明細、特許請求の範囲及び添付図面を参照することにより更によく理解できるであろう。
先行技術のMR−TOF MSを示す図である。 先行技術のMR−TOF MSを示す図である。 先行技術の平面MR−TOF MSを示す図である。 周期的レンズを有する先行技術の平面MR−TOF MSの概略図である。 2個のミラー電極間に配置されたマスク電極によって空間電場変調を達成した疑似平面イオンミラーの好ましい実施形態の平面図である。 図4Aに示された補助電極の側面図である。 2個のミラー電極間に配置されたマスク電極によって空間電場変調を達成した疑似平面イオンミラーの好ましい実施形態の斜視図である。 エンドデフレクタによってイオンをZ方向に戻すことにより狭いイオンビームを安定して閉じ込める疑似平面TOF MSの好ましい実施形態の上面図である。 異なる電位を有する幾つかの部分に分割されたマスク電極によって構成された偏向電場によってイオンをZ方向に戻す疑似平面TOF MSの好ましい実施形態の上面図である。 1個のイオンミラーに埋め込まれた周期的マスク電極を利用してイオン束をZ方向に収束する疑似平面TOF MSの別の好ましい実施形態において、直交加速器によって作成されZ方向に拡張された初期平行イオンビームを示す平面図である。 1個のイオンミラーに埋め込まれた周期的マスク電極を利用してイオン束をZ方向に収束する疑似平面TOF MSにおいて、直交加速器によって作成され、Z方向に拡張された現実的な角度及びエネルギーの広がりを有するイオンビームの移送を示す平面図である。 本発明の疑似平面MR−TOF MSの一実施形態の概略図であり、レンズが、イオンミラー電極に組み込まれた追加電極によって構成され、イオンジグザグ運動の周期の半分の周期を有する。 本発明の疑似平面MR−TOF MSの一実施形態の概略図であり、レンズが、イオンミラー電極に組み込まれた追加電極によって構成され、イオンジグザグ運動の周期の4分の1の周期を有する。 ミラー電極間に配置された追加電極によって提供されるZ方向のイオン収束を更に強化するために無電場領域内に1組の周期的レンズが追加された一実施形態の概略図である。 ミラー電極に組み込まれた追加電極によって提供されるZ方向のイオン収束を更に強化するために無電場領域内に1組の周期的レンズが追加された一実施形態の概略図である。 イオンミラーの変調静電場が少なくとも1個のミラー電極の幾何学的変調によって達成される一実施形態の概略図である。 電極厚を周期的に変化させることによる電場の変調を示す概略図である。 窓高さを周期的に変化させることによる電場の変調を示す概略図である。 イオントラップで作成された外部イオン源と、第2のTOF質量分析装置の前段に設けられた外部衝突セルとを有するシステムを示す概略図である。
本発明は、一般に、質量分光分析の分野に関し、より詳細には、多重反射飛行時間型質量分析計(MR TOF MS)を含む装置に関する。具体的には、本発明は、ミラー静電場の僅かな周期的変調を取り入れることによって平面及びグリッドレスMR−TOF MSの分解能及び感度を改善する。本発明のMR−TOF MSは、空間及び時間収束が改善されるので、延長された折り返しイオン経路に沿ったイオンビームのアクセプタンスが広くなり且つ閉じ込めが確実になる。その結果、本発明のMR−TOF MSは、イオン蓄積装置を介して連続的イオン源に効率的に結合でき、それにより、イオンサンプリングのデューティサイクルを節約できる。
図1Aと図1Bは、Wollnikらによる英国特許2080021号(英国特許の図3と図4)による先行技術の多重反射飛行時間型質量分析計(MR−TOF MS)を示す。飛行時間型質量分析計では、様々な質量とエネルギーのイオンがソース12によって放出される。コレクタ20までのイオンの飛行経路は、ミラーR1,R2,・・・Rnによってイオンを多重反射させることにより折り返される。ミラーは、イオン飛行時間がイオンエネルギーに依存しないようなものである。図1Aと図1Bは、複数の軸方向に対称なイオンミラーの内の2個の幾何学的配置を示す。両方の配置において、イオンミラーは、2個の平行な平面I及びII内に配置され、イオン経路の面に沿って整合される。ある配置では、この面は平面であり(図1A)、別の配列では、面は円筒22である(図1B)。イオンがイオンミラーの光学軸に対して斜めに移動し、これにより追加の飛行時間収差が生じ、従って高解像度の達成がかなり複雑になることに注意されたい。
図2は、ソビエト特許1725289号に記載されたNazarenkoらによる試作品の「折り返し経路」MR−TOF MSを示す。MR−TOF MSは、2個のグリッドレス静電ミラーを有し、各ミラーは3個の電極から構成されている。即ち、一方のミラーは電極3、4及び5から構成されており、他方のミラーは電極6、7及び8から構成されている。各電極は、「中央」平面XZに対して対称な1対の平行電極「a」及び「b」からなる。前記イオンミラー間のドリフト空間内に、ソース1とレシーバ2が配置されている。ミラーは、多重イオン反射を提供する。反射数は、イオン源を検出器に対してX軸方向に移動することにより調整される。同特許は、Y方向の空間イオン収束とイオンエネルギーに対する二次飛行時間収束とを達成する、全てのイオン折り返しで達成されるタイプのイオン収束について述べている。
図2の構造は、シフト方向(即ち、Z軸)のイオン収束を提供せず、従って反射サイクル数を実質的に制限することに注意されたい。また、これは、Y方向の空間的なイオン広がりに対して飛行時間収束を提供しない。従って、試作品のMR−TOF MSは、分析装置の幅広いアクセプタンスを提供することができず、従って実際のイオン源と共に動作できない。
図3は、本発明者らによる先行技術の周期的レンズを備えた平面MR−TOF MSの概略図である。分光計は、2枚の平行平面イオンミラーを有する。各ミラーは、実質的にドリフトZ方向に延在された長方形フレームの形を有する4個の電極11から構成される。ミラーのZ方向の縁から遠くでは、電場は平面であり、即ちX及びYに依存し、Zに依存しない。ミラーは、無電場領域13によって分離されている。無電場領域内には1組の周期的レンズ15が配置される。イオン源1からイオンパルスがX軸に対して小さな角度αで放出される。イオンパケットが、Z方向にゆっくりドリフトしながらミラー間で反射される。角度は、反射1回当たりのZ方向の前進量が、周期的レンズの周期と一致するように選択される。レンズは、ジグザグ軌道に沿ったイオン運動を強化する。エンドデフレクタ17は、イオン運動を戻すことを可能にする。遠い側の端部のエンドデフレクタは、静止状態でセットされる。デフレクタを通過した後、イオンは、別のジグザグ軌道に沿って、イオンレシーバ2、一般に飛行時間検出器(マイクロチャネルプレート(MCP)や二次電子増倍管(SEM)等)の方に導かれる。
図4は、本発明の疑似平面MR−TOF MSの好ましい一実施形態を示す。この実施形態では、図4A〜図4Cに示されたような2枚の隣り合ったミラー電極32と34の間に配置された周期的窓31(ここでは、マスク窓とも呼ばれる)を有する補助電極30によって、Z方向の周期的電場構造が構成されている。マスク窓31のY方向の高さは、ミラー電極のY方向の開口と等しいことが好ましい。マスク窓31のZ方向の間隔は、ミラー反射1回当たりのイオン前進量ΔZと等しく、イオンミラーのY方向の開口と同等である。マスク電極に印加される電圧は、隣接した2個のミラー電極間の中間電位と僅かに異なり、その結果、弱い周期的収束電場がZ方向で生じる。図4Cは、現実的な角度(0.4度)とエネルギー広がり(5%)を有するイオン軌道を示す。
動作において(図4D)、線形イオントラップ源又は二重直交射出装置のようなパルス化イオンコンバータによって、Z方向の狭いイオン束(ion bunch)が形成される(WO2007044696。この開示は本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する)。後者は、Y方向に拡張されているがZ方向に狭いイオンパケットを形成する。これらのイオン束は、1組のデフレクタ又はWO2006102430に開示されたような湾曲等時性インタフェースを利用して飛行時間分析器に注入される。WO2006102430の開示は本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。パケットは、図面平面内で軸Xに対して小さな角度で射出され、その結果、ミラーでの反射1回当たりのイオン前進量ΔZが、イオンミラー内の電場の空間変調の周期と一致する。分析装置内で、イオンは、時間収束並びにY方向の空間収束を提供するイオンミラー34によって周期的に反射されるジグザグ軌道に沿って移動する。マスク電極30を通過するとき、イオンは、Z方向の周期的電場によって収束される。マスク電極レンズのX方向の望ましい焦点距離は、ジグザグ運動の半周期と等しい。イオンは、分析装置の端に達した後で、WO2004US19593に開示されたようなデフレクタによって折り返されることが好ましい。WO2004US19593の開示は本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。或いは、イオンパケットのドリフト方向は、後述するようなイオンミラーに組み込まれたデフレクタによって反転される。イオンは、分析装置を通過(Z方向に往復)した後で、1組のデフレクタ又は湾曲等時性インタフェースを利用して検出器又は別のレシーバに射出される。
図5は、分析装置の遠い側の(Z方向の)端部に達した後でイオンをZ方向に反射させる代替方法を示す。図5の実施形態のイオンミラー構造は、一般に、以下に示した違いがあるが、図4A〜図4Cの実施形態と類似している。反射は、2個の部分41及び42に分割されたエンドマスク窓40によって生成された弱い偏向電場によって行なわれ、窓の端部分には異なる電位が印加されている。一般に、マスクを複数の部分に切断し、これらの部分に僅かに異なる電位を印加すると、分析装置内でドリフト角を徐々に変化させることができる。
図6Aと図6Bは、分析装置がZ方向に長いイオンパケットを許容する好ましい実施形態の別の選択肢を示す。この場合も、Z方向のイオン収束は、周期的窓51を有する補助電極50によって行なわれる。しかしながら、この場合、マスク窓51のサイズは、実質的にミラー電極のY方向の窓より大きい。ミラー間に位置決めされた直交加速器によって、Z方向に拡張されたイオン束が形成される。加速後、イオンパケットは、ジグザグ経路に沿って移動する。図6に示されたように、マスクは、1個のミラー内だけに実装され、マスク窓のステップは、Z方向のイオン運動の周期2ΔZと等しいことが好ましい。或いは、マスクが、図4に示されたように両方のミラーに実装され、対向するミラーにおけるマスクの窓の位置が、Z方向にΔZだけずらされる。イオンは、分析装置を通過した後で検出器54によって受け取られる。マスクの電圧は、何回かの反射後で、例えば図6Aに示されたような飛行経路長の半分で、初期平行単エネルギーイオンビームを提供するように調整されることが好ましい。電位の最適な調整により、マスクによって生じる飛行時間収差の減少と、図6Bに示されたような全ての飛行経路に沿った現実的な角度及びエネルギー広がりでのイオンの閉じ込めを両立できる。
図7Aは、本発明の疑似平面MR−TOF MSの別の実施形態の概要を示し、周期的レンズ60は、無電場領域の隣りのイオンミラー電極(ここでは、内部電極)に組み込まれた追加電極によって構成される。図7Aのレンズ周期は、イオンジグザグ運動の半周期と同等である(反射1回につき1個のレンズ)。或いは、図7Bに示されたように、レンズ62の周期は、イオンジグザグ運動の周期の4分の1であってもよい(反射1回につき2個のレンズ)。
図8は、図8Aのようにミラー電極間に配置されるかまた図8Bのようにミラー電極72内に実装された追加電極によって提供されるZ方向のイオン収束を更に高めるために、無電場領域内に1組の周期的レンズ70が追加された更に別の実施形態を示す。無電場空間内の1組の周期的レンズは、1組のビーム制限マスクによって置き換えることができ、この1組のビーム制限マスクは、疑似平面ミラーの周期的電場によって十分に収束されないか又は過度に収束され、従って異なる回数の反射の後で検出器に到達するイオンが検出器に当たるのを防ぐ。
図9Aは、イオンミラーの静電場の変調が、少なくとも1個のミラー電極の幾何学的変調によって達成される更に別の実施形態を示す。図9Bは、電極厚さを周期的に変化させることによる電場の変調を示す。図9Cは、窓高さを周期的に変化させることによる電場の変調を示す。最良の飛行時間及び空間収束が提供されるように電極の電位が固定されているので、幾何学的変調は、選択された幾何学的変調によって決まる一定の強度のZ方向のイオン収束を引き起こす。変調強度は、分析装置のアクセプタンスと分解能が両立するように選択されなければならない。
図10は、イオントラップ80で作成された外部イオン源と、外部衝突セルとを有し、外部衝突セルの後に第2のTOF質量分析装置90を設けた構成を示す。外部装置は、湾曲等時性インタフェース85を介してMRTに結合されている。タンデムTOF装置のそのような構成は、特許出願WO2003US13262及びWO2004008481に記載されている。
図は、本発明者らによって先行出願に記載された幾つかの異なる構成を示す。シングルステージTOF MSは、連続的イオン源から来るイオンの蓄積にイオントラップを使用する。湾曲電場インタフェース85を介してイオンパケットが分析装置に注入される。イオンは、分析装置を2回通った(往復した)後で、等時性インタフェースの第2の通路を通り、共通TOF検出器(図に示されていない)に当たる。
機器を高スループットのタンデム質量分析計として動作させる場合、検出器が、高速の第2のTOF分光計の前段にある高速衝突セルによって置き換えられる。親イオンがMR−TOF MS内で分離されている間に、フラグメントが高速に形成され、各イオン種が一度に分析される。これにより、通常は他のタイプのタンデム機器における走査と関連した追加のイオン損失を導入することなく、複数の親イオンに対していわゆる並行MS−MS分析を行うことができる。
機器を高解像度タンデムとして動作させる場合は、イオンが、軸トラップからMRT分析装置に周期的に注入される。単一イオン種が時間選択され、軸トラップに戻される。このとき、軸トラップは、フラグメンテーションセルとして働く。フラグメントは、そのガスセル内で衝突して減衰し、フラグメント質量の分析のために同じMRT分析装置内に戻される。
以上の説明は、単に好ましい実施形態のものと考えられる。当業者及び本発明を作成し又は使用する者であれば、本発明の変形例を思いつくであろう。従って、図面に示され以上述べた実施形態は、単に説明のためであり本発明の範囲を限定するものでなく、本発明の範囲は、均等論を含む特許法の原則に従って解釈される添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
1 イオン源
2 レシーバ
3〜8 静電気イオンミラー
13 無電場領域

Claims (20)

  1. 多重反射飛行時間型質量分析計であって、
    ドリフト方向(Z)に延長されると共に平行電極で構成され、無電場領域によって分離された2個の疑似平面静電気イオンミラーと、
    イオンパケットがイオンミラー間で反射されドリフト方向Zにドリフトするようにイオンパケットをドリフト方向Zに垂直なX方向に対して小さな角度で放出するパルス化イオン源と、
    イオンパケットを受け取るレシーバとを有し、
    前記ミラーが、前記レシーバ上での飛行時間収束を提供し、ドリフト方向Zとイオン注入方向Xの両方に垂直なY方向の空間収束を提供するように位置決めされ、
    少なくとも1個のミラーが、イオンパケットをZ方向に周期的に空間収束するためにドリフトZ方向に沿って静電場を変調する周期的特徴を有する、多重反射飛行時間型質量分析計。
  2. イオン経路をドリフト方向と逆方向に戻すための少なくとも1個のエンドデフレクタを有する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記パルス化イオン源と前記レシーバとの間に設けられた少なくとも1個の等時性湾曲インタフェースを更に有する、請求項1に記載の装置。
  4. 無電場領域内に設けられた少なくとも2個のレンズを更に有する、請求項1に記載の装置。
  5. 少なくとも1個のミラーが、少なくとも4個の電極を有し、その少なくとも1個の電極に、前記飛行時間収束と前記Y方向の空間収束を提供するための引き付け電位が印加される、請求項1に記載の装置。
  6. 前記周期的特徴が、高さ(Y方向)が変化する開口を有する少なくとも1個のミラー電極を有する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記周期的特徴が、幅(X方向)が変化する少なくとも1個のミラー電極を有する、請求項1に記載の装置。
  8. 前記周期的特徴が、少なくとも1個のイオンミラーの内部電極に組み込まれた1組の周期的レンズである、請求項1に記載の装置。
  9. 前記周期的特徴が、少なくとも1個のミラー電極に組み込まれた1組の補助電極を有し、補助電極の電位がZ方向に周期的に変化する、請求項1に記載の装置。
  10. 前記周期的特徴が、N*ΔZ/2と等しい周期を有し、ここで、Nは整数であり、ΔZは、反射1回当たりの前記イオンジグザグ軌道のドリフト方向の前進量である、請求項1に記載の装置。
  11. 前記周期的特徴が、前記ジグザグ軌道の周期の整数と等しい周期を有する、請求項1に記載の装置。
  12. 飛行時間分析方法であって、
    被分析イオンのパケットを形成する段階と、
    イオンがジグザグイオン軌道に沿って動くようにイオンパケットのZ方向の比較的小さな速度成分を保持しながら、ドリフトZ方向に延在された2個の平行な疑似平面イオンミラー間にイオンを通す段階と、
    イオンをレシーバで受け取る段階と、
    前記イオンを時間的に収束すると共にY方向に空間的に収束させる段階と、
    Z方向に沿ってイオンパケットの空間収束を提供するために、少なくとも1個のミラー内の静電場を空間的且つ周期的に変調する段階とを含む方法。
  13. 分析装置の縁においてイオンドリフト方向を反転させる段階を更に含む、請求項12に記載の方法。
  14. 湾曲等時性インタフェースを介してイオンを注入する段階を更に含む、請求項12に記載の方法。
  15. イオンミラー間のドリフト空間内で少なくとも2個のレンズによってイオンパケットを空間収束させる段階を更に含む、請求項12に記載の方法。
  16. 少なくとも1個のイオンミラー内で静電場を周期的に変調する前記段階が、少なくとも1個のミラー電極の形状を空間変調する段階を含む、請求項12に記載の方法。
  17. 少なくとも1個のイオンミラー内で静電場を周期的に変調する前記段階が、補助電極の周期的電場を導入する段階を含む、請求項12に記載の方法。
  18. 前記変調の周期がN*ΔZ/2と等しく、ここで、Nが、整数であり、ΔZが、反射1回当たりの前記イオンジグザグ軌道のドリフト方向の前進量である、請求項12に記載の方法。
  19. 前記イオンパケットを形成する段階が、連続的イオン源から来るイオンをイオン蓄積する段階を含む、請求項12に記載の方法。
  20. Z方向の周期的収束の強度が調整可能である、請求項12に記載の方法。
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