JP2011526487A - 乳癌のゲノムフィンガープリント - Google Patents

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Abstract

本発明は、転移進行性乳癌と診断された個体の予後を判定するためまたは前記個体に適当な処置を選択するためのin vitro方法に関する。特に、本発明は、乳癌と診断された個体の予後と遺伝子発現が関連している遺伝子サインに関する。

Description

発明の詳細な説明
発明の属する技術分野
本発明は、転移進行性乳癌と診断された対象の予後を判定するためまたは前記対象に適した処置を選択するためのin vitro方法に関する。
発明の背景
乳癌は、世界的に2番目に多いタイプの癌(10.4%、肺癌の次位)であり、癌による死亡原因の第5位(肺癌、胃癌、肝臓癌、および結腸癌の次位)である。世界的に女性の間では乳癌は癌による死亡原因の第1位である。2005年には、乳癌により世界中で502,000名が死亡した(癌による死亡の7%;総死亡のほぼ1%)。世界的な症例数は1970年代以降著しく増加し、この現象は1つには近代西洋のライフスタイルに原因があると考えられる。北米の女性は世界で乳癌の罹患率が最も高い。
男性と女性では乳房は全く同じ組織で構成されているため、乳癌は男性でも発生する。男性の乳癌罹患率は女性のおよそ100倍低いが、乳癌を有する男性は統計的に女性と同じ生存率であると考えられている。
乳癌はTNM分類により病期分類される。その予後は病期分類の結果と密接に関連しており、その病期分類は、臨床試験および医療の両方において患者に処置を指定するためにも用いられる。病期分類についての情報は次のとおりである:
・TX:原発腫瘍を評価することができない。T0:腫瘍の徴候が認められない。Tis:上皮内癌、非浸潤。T1:腫瘍が直径2cm以下である。T2:腫瘍が直径2cmを超え5cm未満である。T3:腫瘍が直径5cmを超えている。T4:腫瘍の大きさに関わらず、胸壁または皮膚に拡がっている腫瘍、または炎症性乳癌。
・NX:隣接リンパ節を評価することができない。N0:癌が局所リンパ節へ進展していない。N1:癌が1〜3個の腋窩リンパ節または内胸リンパ節へ進展している。N2:癌が4〜9個の腋窩リンパ節または多数の内胸リンパ節へ進展している。N3:次のいずれかである:
・癌が10個以上の腋窩リンパ節へ進展している、あるいは癌が鎖骨下リンパ節へ進展している、あるいは癌が鎖骨上リンパ節へ進展しているまたは癌が腋窩リンパ節を侵し内胸リンパ節へ進展している、あるいは癌が4個以上の腋窩リンパ節を侵し内胸リンパ節でまたはセンチネルリンパ節生検により少量の癌が認められる。
・MX:遠隔進展(転移)の存在を評価することができない。M0:遠隔進展が認められない。M1:遠隔臓器への進展がある、これらの臓器は鎖骨上リンパ節を含まない。
乳癌処置の重要な柱は、腫瘍が局在する場合には外科手術であり、補助ホルモン療法(タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬を使用)、化学療法、および/または放射線療法を併用することもある。外科手術後の処置(補助療法)についての現在の提言はあるパターンに従う。世界的に行われた多施設共同研究の実際の結果を議論するために、2年ごとに、スイスのザンクトガレン(St. Gallen, Switzerland)で世界会議が開催されているためこのパターンは変更される可能性がある。また、前記パターンは、国立衛生研究所(the National Institute of Health)(NIH)の合意基準に従って見直しもされる。これらの基準に基づいて、リンパ節への転移を示していない患者の85〜90%を超える割合が補助全身療法を受ける候補であろう。
今日、臨床情報だけに基づいた満足のいく予後の予測指標のセットは確認されていない。過去30年間にわたって、腫瘍学者は、癌患者の転帰を最適にすることに焦点を合わせてきたが、現在やっと、新たに利用可能な技術によって、患者に合わせた化学療法を設計するために決定された療法の種々の癌患者群に対する影響を予測する目的で、多型、遺伝子の発現レベルおよび遺伝子突然変異を調査することが可能である。Oncotype DXなどのPCRアッセイやMammaPrintなどのマイクロアレイアッセイでは、遺伝子発現に基づいて乳癌再発のリスクを予測することができる。2007年2月に、MammaPrintアッセイは乳癌指標として初めて食品医薬品局(the Food and Drug Administration)から公式認可を受けた。
WO02103320号公報には、遺伝子マーカー群、特に70個の遺伝子の発現を解析することによって乳癌患者の予後を予測するための方法が記載されている(表6、89頁)。D1には、患者のサンプルから乳癌の予後を判定するための、前記遺伝子の遺伝子発現を検出するためのプローブを含んでなるマイクロアレイも記載されている。
加えて、WO2005/083429号公報には、乳癌の予後診断のための遺伝子マーカーサインを選択するための方法が記載されている。前記文献には、前記方法より選択された遺伝子群の発現を解析することによって乳癌を有する患者の予後を判定するため方法も記載されている。具体的には、前記文献は、76個の遺伝子マーカーからなる特徴的なサインから乳癌の予後を予測するための遺伝子マーカーの使用に関する。前記文献には、患者のサンプルから乳癌の予後を判定するための、前記76個遺伝子の遺伝子発現を検出するためのプローブを含んでなるキット、例えばマイクロアレイも記載されている。
そこで、より信頼性の高いサインを得ることができ、これらのサインがより少ない数の遺伝子に基づき得るように、転移に関与する最も関連する遺伝子を同定することが可能な新しい方法を開発する必要がある。前記サインにより、技術水準において記載されている方法よりも効率的に、乳癌に罹患している患者の予後を予測することが可能になる。新しい予後因子の同定は、最適な処置を選択する際の指針となる。
第1の態様において、本発明は、乳癌と診断された対象の予後を判定するためまたは乳癌と診断された対象の処置を選択するためのin vitro方法に関し、その方法は、前記対象の腫瘍組織サンプルにおいて表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルを決定することを含んでなり、ここで、基準値に対しての、表1に記載の遺伝子の発現の増加および表2に記載の遺伝子の発現の減少は、予後の悪化または化学療法により処置すべき前記対象であることの指標となる。
第2の態様において、本発明は、表1および表2の遺伝子の発現レベルを検出することが可能な試薬に関する。
別の態様において、本発明は、本発明による少なくとも1つの試薬を含んでなるキットに関する。
別の態様において、本発明は、乳癌と診断された患者の予後診断のためまたは乳癌と診断された対象の処置を選択するための本発明によるキットの使用に関する。
本発明はまた、別の態様において、原発腫瘍の転移傾向を予測するための遺伝子マーカーを選択するための方法にも関し、その方法は、次の工程:
i)腫瘍を自然発生する傾向を示す遺伝子操作非ヒト動物の腫瘍サンプルにおいて遺伝子発現が基準値に対して変化している遺伝子を決定する工程;
ii)工程i)で同定された遺伝子に対応するヒトの相同遺伝子を同定する工程;および
iii)原発腫瘍から転移を起こしている患者の原発腫瘍サンプルにおける遺伝子発現が、転移を起こしていない患者の原発腫瘍におけるその遺伝子の発現に対して変化している、工程ii)で同定された遺伝子を選択する工程
を含む。
発明の具体的説明
本発明者らは、プローブとハイブリダイズし、かつその発現が乳癌と診断されたことがある対象の予後と関連している遺伝子のサインを選抜した。前記サインは、乳癌と診断された前記対象に最適な処置を選択するためにも用いることができる。
上述のとおり、ザンクトガレン(St. Gallen)およびNIHの基準では、いくつかの組織学的および臨床的特徴に基づいて患者を高リスクまたは低リスクに分類する。本発明者らは、本発明の前記予後サインにより、前記伝統的方法によるよりも多くの患者が低リスク(すなわち、良好予後)群に割り当てられることを実証した。実際には、本発明者らは、前記臨床基準では臨床的に有意な数の患者が不良予後群に誤って分類されるために、現在の臨床診療において多くの患者が不必要に化学療法を受けていることを示した。
従って、第1の態様において、本発明は、乳癌と診断された対象の予後を判定するためまたは乳癌と診断された対象の処置を選択するためのin vitro方法に関し、その方法は、前記対象の腫瘍組織サンプルにおいて表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルを判定することを含み、ここで、基準値に対しての、表1に記載の遺伝子の発現の増加および表2に記載の遺伝子の発現の減少は予後の悪化または化学療法により処置すべき対象であることの指標となる。本発明の特定の実施形態において、前記腫瘍組織サンプルは原発腫瘍サンプルであり、特に、前記腫瘍は乳癌である。よって、例として前記腫瘍組織サンプルは、例えば、外科的切除によって、得た生検サンプルであり得る。
本発明の方法の特定の実施形態において、前記遺伝子は、表1および表2に記載のプローブとハイブリダイズするヌクレオチド配列の遺伝子である。
表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルの定量は、前記遺伝子の転写により得られるRNA(mRNA)から、あるいは、前記遺伝子の相補的DNA(cDNA)から行うことができる。従って、特定の実施形態において、表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルの定量は、前記遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)、または前記mRNAのフラグメント、前記遺伝子の相補的DNA(cDNA)、または前記cDNAのフラグメント、またはそれらの混合物の定量を含む。
加えて、本発明の方法は、全RNAを得る目的のための抽出工程を行うことを含み得、そしてそれは従来技術によって行うことができる(Chomczynski et al., Anal. Biochem., 1987, 162:156; Chomczynski P., Biotechniques, 1993, 15:532)。
表1および表2のプローブとハイブリダイズするヌクレオチド配列の遺伝子によりコードされるmRNAまたはそれに対応するcDNAのレベルを検出し定量するために、事実上いずれの従来法も本発明の範囲内で用いることができる。限定されない例として、前記遺伝子によりコードされるmRNAのレベルは、従来法、例えば、mRNAの増幅と前記mRNA増幅産物の定量を含む方法(例えば電気泳動と染色)を用いることによって、あるいは、ノーザンブロットと好適なプローブの使用(ノーザンブロットと、対象となる遺伝子またはそれに対応するcDNAのmRNAに特異的なプローブの使用)、S1ヌクレアーゼによるマッピング、RT−PCR、ハイブリダイゼーション、マイクロアレイなどによって定量することができる。同様に、表1および表2の遺伝子によりコードされる前記mRNAに対応するcDNAのレベルも従来技術を用いることによって定量することができる;この場合、本発明の方法は、対応するmRNAの逆転写(RT)、続いての増幅および前記cDNA増幅産物の定量によって、対応するcDNAを合成する工程を含む。発現レベルを定量する従来法は、例えば、Sambrook et al., 2001 "Molecular cloning: a Laboratory Manual", 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, N.Y., Vol. 1-3に見出せる。
本発明の特定の実施形態において、表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルの定量は、定量的多重ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはDNAもしくはRNAアレイによって行われる。
本発明の別の特定の実施形態において、表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルの判定は、表3および表4に記載のプローブを含んでなるDNAアレイによって行われる。本発明のより具体的な実施形態において、前記アレイは、表1および表2の遺伝子各々の発現レベルを判定するための、11プローブからなる少なくとも1つのセットを含んでなる。そのため、前記遺伝子各々の発現レベルを判定するために、前記遺伝子の発現を検出するために用いられる前記11プローブのシグナルの平均値が計算される。
よって、前記方法は、表1および表2の前記遺伝子の発現レベルを基準値に対して判定することを含む。本発明の特定の実施形態において、前記基準値は、転移を起こしていない患者の原発腫瘍サンプルにおける表1および表2の前記遺伝子の遺伝子発現値である。好ましくは、遺伝子の発現比が基準値に対して少なくとも1.5倍であり、好ましくは、2倍を超え、より好ましくは、3倍、4倍、5倍および10倍を超える場合にその遺伝子は増加した発現を示すと考えられる。同様に、本発明の特定の実施形態において、遺伝子の発現比が基準値よりも少なくとも1.5倍低い場合にその遺伝子はその基準値に対して減少した発現を示すと考えられる。
本発明の特定の実施形態において、乳癌と診断されたことがある対象の予後の好転または悪化を判定するための前記方法は、表1および表2に記載の遺伝子の前記発現値による比例ハザード回帰分析を行うことを含む。実施例2に示すデータによれば、本発明者らは、この方法により、前記予後診断が、ROC曲線によれば感度100%で特異度最大となる有効性で行われることを実証した。従って、本発明の特定の実施形態において、前記予後の判定は、表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルによる前記予後の比例ハザード回帰分析を含む。
本願明細書の実施例2に記載するように、本発明者らは、乳癌と診断された対象の予後を判定するためにCox型比例ハザード回帰分析を用いた。前記Cox分析では各遺伝子について回帰係数を割り当て、遺伝子発現が予後変数、例えば転移の発生、と正比例して関係している遺伝子は>0となり、その発現が前記変数と反比例して関係している場合には、回帰係数は<0となる。従って、本発明の特定の実施形態において、前記比例ハザード回帰分析はCox型分析である。より具体的な実施形態において、遠隔転移は、前記Cox型分析において予後変数として確立されている。好ましい実施形態において、前記遠隔転移は5年または10年時点での遠隔転移である。
本発明者らは、本発明の方法によって高い感度と特異度で患者の予後を判定することができることを実証した。そこで、本発明者らは、以上に記載した表1および表2の遺伝子の遺伝子発現値から、そして比例ハザード回帰分析のWald統計量の値から、下記式:
(式中、xは、表1および表2に記載の前記遺伝子各々の発現レベルのlog2値であり;sは、表1および表2に記載の前記遺伝子各々のCox型回帰分析のWald統計量の値である)
を適用することにより前記予後を判定することができ、
ここで、得られた値が0より大きいならば、それは前記患者が予後の悪化を呈することまたは前記患者を化学療法により処置すべきであることを示し、そして前記値が0より小さいならば、それは前記患者が良好な予後を呈することまたは前記患者を化学療法により処置する必要がないことを示す、ということを実証した。
Wald統計量の値とは、統計解析に用いる変数が関連しているかどうかを知るために当業者が慣用する値である。前記値は、Wald A. (1943) (Transactions of the American Mathematical Society. 1943; 54:426-482)およびSilvey (1959) (Silvey SD. Annals of Mathematical Statistics. 1959; 30:389-407)に記載のとおりに計算することができる。
加えて、表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルの定量のほかに、前記遺伝子によりコードされるタンパク質の発現レベルも本発明を実践するために定量することができる。よって、特定の実施形態において、表1および表2に記載の遺伝子によりコードされるタンパク質のレベルの定量は、前記タンパク質またはその変異体の定量を含む。
本明細書において用いるように、「タンパク質」という用語は、共有結合または非共有結合により結合されたアミノ酸の分子鎖に関する。その用語は、生理学的に関連した翻訳後化学修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化またはアセチル化など)形態総てをさらに含む。
本発明において「変異体」とは、タンパク質のアミノ酸配列が特定タンパク質のアミノ酸配列と実質的に相同であるタンパク質として理解される。あるアミノ酸配列が、決定されたアミノ酸配列に対して少なくとも70%同一性、有利には少なくとも75%、一般には少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、97%、98%または99%の同一性を示す場合に、そのアミノ酸配列は前記決定されたアミノ酸配列と実質的に相同である。2アミノ酸配列間の同一性は、従来法によって、例えば、技術水準において知られている標準的な配列アラインメントアルゴリズム、例えばBLAST[Altschul S.F. et al. Basic local alignment search tool. J Mol Biol. 1990 Oct 5; 215(3):403-10]などによって決定することができる。
当業者であれば、タンパク質の機能性にとって重要でない位置でアミノ酸の保存的置換を引き起こす遺伝子のヌクレオチド配列における突然変異は、その全体構造またはその機能性には影響を及ぼさない中立進化が起こる突然変異であることを理解している。前記変異体は、本発明の範囲内に入る。
従って、本明細書において用いるように、「変異体」という用語は、本発明において記載するタンパク質の1つの任意のフラグメントも含む。「フラグメント」という用語は、タンパク質の一部を含んでなるペプチドに関する。
表1および表2に記載の遺伝子によりコードされるタンパク質の発現レベルは、対象のサンプルにおいて前記タンパク質を検出し定量することを可能にするいずれの従来法によっても定量することができる。限定されない例として、前記タンパク質のレベルは、例えば、前記タンパク質と(または抗原決定基を含有するそのフラグメントと)結合する能力を有する抗体を用い、続いて形成された複合体を定量することによって、定量することができる。これらのアッセイにおいて用いる抗体は、標識することもできるし標識していなくてもよい。用いることができるマーカーの例示例としては、放射性同位元素、酵素、蛍光団(flourophores)、化学発光試薬、酵素基質または補因子、酵素阻害薬、粒子、色素などが挙げられる。非標識抗体(一次抗体)および標識抗体(二次抗体)を用いる、本発明において用いることができる公知のアッセイは幅広く;これらの技術としては、ウエスタンブロット、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、競合EIA(競合酵素イムノアッセイ)、DAS−ELISA(二重抗体サンドイッチELISA)、免疫細胞化学的および免疫組織化学的な技術、特異的抗体を含むタンパク質バイオチップまたはマイクロアレイの使用に基づく技術、またはディップスティックなどの形式でのコロイド沈殿に基づくアッセイが挙げられる。前記タンパク質を検出し定量する他の方法としては、アフィニティークロマトグラフィー技術、リガンド結合アッセイなどが挙げられる。
特定の実施形態において、表1および表2に記載の遺伝子によりコードされるタンパク質のレベルの定量は、ウエスタンブロット、ELISA、免疫組織化学またはタンパク質アレイによって行われる。
上述のとおり、本発明のin vitro方法は、乳癌と診断された対象の処置を選択するために用いることができ、ここで、基準値に対しての、表1に記載の遺伝子の発現の増加および表2に記載の遺伝子の発現の減少は化学療法により処置すべき対象であることの指標である。
好適な化学療法薬としては、限定されるものではないが、アルキル化剤、例えば、シクロホスファミド、カルムスチン、ダウノルビシン、メクロレタミン、クロラムブシル、ニムスチン、メルファランなど;アントラサイクリン(anthracylines)、例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、バルルビシンなど;タキサン化合物、例えば、パクリタキセル、ドセタキセルなど;トポイソメラーゼ阻害薬、例えば、エトポシド、テニポシド、イリノテカン、ツリポシドなど;ヌクレオチド類似体、例えば、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、シタラビン、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキサート、チオグアニン フトラフールなど;白金系薬剤、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチンなど;抗新生物薬、例えば、ビンクリスチン、ロイコボリン、ロムスチン、プロカルバジンなど;ホルモン調節剤、例えば、タモキシフェン、フィナステリド、5−α−レダクターゼ阻害薬など;ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビンなどが挙げられる。それらの好適な化学療法薬は、メルクインデックス(第13版)CD−ROM版(The Merck Index in CD ROM, 13th edition)などの文献に詳細に記載されている。
本発明において、「抗腫瘍薬」とは、腫瘍の成長、増殖および/または発達を阻害するために用いることができる抗増殖性、抗発癌性および/または制癌性を有する化学的、物理的または生物学的作用因子または化合物として理解される。本発明において用いることができる抗腫瘍薬の例は、(i)代謝拮抗物質、例えば葉酸代謝拮抗薬およびプリン類似体;(ii)天然物、例えば抗腫瘍抗生物質および有系分裂阻害剤;(iii)ホルモンおよびその拮抗薬、例えばアンドロゲンおよびコルチコステロイド;ならびに(iv)生物学的作用因子、例えばウイルスベクターである。抗腫瘍薬として用いることができる化合物のリストは、特許出願WO2005/112973に記載されている。
別の態様において、本発明は、表1および表2の遺伝子の発現レベルを検出することが可能な試薬(以下、本発明の試薬)に関する。
特定の実施形態において、本発明の前記試薬は、
(i)表3および表4に記載のプローブのヌクレオチド配列またはそれらの転写産物を含んでなる核酸のセット、あるいは
(ii)表1および表2に記載の遺伝子によりコードされるタンパク質の1つと特異的に結合することが可能な各抗体またはフラグメントからなる、抗原を検出することが可能な抗体またはそのフラグメントのセット
を含んでなる。
本発明の特定の実施形態において、前記核酸はDNA、cDNAまたはRNAのプローブおよび/またはプライマーである。前記核酸は、当業者には公知の従来技術により表1および表2の遺伝子のヌクレオチド配列から得ることができる。前記プローブおよび/またはプライマーは、一般的には、化学合成により企業から入手することができる。加えて、前記遺伝子の前記配列は、文献において詳しく記載されており、従って公知である。
別の態様において、本発明は、本発明による少なくとも1つの試薬を含んでなるキットに関する。本発明の特定の実施形態において、前記キットは、表3および表4のプローブのヌクレオチド配列、またはそのフラグメント、またはそれらの転写産物を含んでなる核酸のセットを含んでなるDNAまたはRNAアレイである。より具体的な実施形態において、前記キットは、1個または数個の構成性発現遺伝子の核酸分子をさらに含んでなる。
本発明において「構成的に発現される遺伝子」または「構成性発現遺伝子」とは、常に活性のあるまたは絶えず転写される遺伝子として理解される。構成的に発現される遺伝子の例は、2−ミオグロビン、ユビキチン、18Sリボソームタンパク質、シクロフィリンA、トランスフェリン受容体、アクチン、GAPDH、チロシン3−モノオキシゲナーゼ/トリプトファン5−モノオキシゲナーゼ活性化タンパク質(YWHAZ)、ユビキチン、β−アクチンおよびβ−2−ミクログロブリンである。
本発明の別の特定の実施形態において、本発明のキットは、表1および表2に記載の遺伝子によりコードされるタンパク質または前記タンパク質の任意の変異体と特異的に結合することが可能な抗体またはそのフラグメントからなる抗体のセットを含んでなる。特定の実施形態において、前記キットは、1個または数個の構成性発現遺伝子によりコードされるタンパク質と特異的に結合することが可能な抗体またはそのフラグメントをさらに含んでなる。
本明細書において用いる本発明の遺伝子サインまたは遺伝子のサインという用語は、表1および表2に記載の遺伝子に関する。本発明者らが示すデータ(実施例4参照)によれば、本発明の遺伝子のサインまたは遺伝子サインにより、従来の方法によるよりも多くの患者が低リスク(すなわち、良好予後)群に割り当てられる。そこで、本発明者らは、本発明の方法により不良予後患者と分類された患者は、ザンクトガレンおよびNIHの臨床基準による不良予後患者よりも転移の割合が高い傾向にあることを実証した。従って、別の態様において、本発明は、乳癌と診断された患者の予後診断のためのまたは乳癌と診断された対象の処置の選択のための本発明によるキットの使用に関する。
別の態様において、本発明は、原発腫瘍の転移傾向を予測するための遺伝子マーカーを選択するための方法に関し、その方法は、次の工程:
i)腫瘍を自然発生する傾向を示す遺伝子操作非ヒト動物の腫瘍サンプルにおいて遺伝子発現が基準値に対して変化している遺伝子を判定する工程;
ii)工程i)で同定された遺伝子に対応するヒトの相同遺伝子を同定する工程;および
iii)原発腫瘍から転移を起こしている患者の原発腫瘍サンプルにおける遺伝子発現が、転移を起こしていない患者の原発腫瘍におけるその遺伝子の発現に対して変化している、工程ii)で同定された遺伝子を選択する工程
を含む。
工程i)により遺伝子発現が変化している遺伝子を判定するために、第1に前記動物からサンプルを得るが、好ましくは、前記サンプルは腫瘍組織サンプルである。本発明の実施例1には本発明の方法の特定の実施形態を記載する。よって、特定の実施形態において、前記動物の前記腫瘍組織サンプルから全RNAが抽出され、前記腫瘍サンプルにおいて遺伝子発現が基準値に対して変化している遺伝子を判定するために前記RNAが解析される。特定の実施形態において、前記基準値は前記動物の非腫瘍組織サンプルにおける遺伝子発現値である。前記発現値は、例えば、本説明の実施例1において説明するように、前記非ヒト動物モデルの遺伝子発現アレイにおける遺伝子発現シグナルからもたらされる値から得ることができる。よって、前記値は、Affymetrix社のGCOS(GeneChip(登録商標)Operating Software)というソフトウェアによるCEL(CELフォーマット)形式のファイルの値に相当する。
本発明の遺伝子マーカーを選択するための方法の特定の実施形態において、前記非ヒト動物はTp53遺伝子の遺伝子発現が阻害される動物である。別の特定の実施形態において、前記動物においてpRb遺伝子の遺伝子発現がさらに阻害される。Tp53およびRb1遺伝子はそれぞれ腫瘍抑制遺伝子p53およびpRbをコードする。p53およびpRb遺伝子の欠損がある(p53−およびpRb−)前記動物モデルは、浸潤性の高い表皮癌を自然発生する。従って、特定の実施形態において、前記動物は表皮癌を自然発生する非ヒト動物である。
原発腫瘍の転移傾向を予測するための遺伝子マーカーを選択するための方法の工程ii)を実施するために、工程i)で同定された遺伝子に対応するヒトの相同遺伝子が同定される。そのためには、当業者には公知の相同遺伝子をマッピングするための従来技術が用いられる。特に、本発明者らは、AILUN(Array Information Library Universal Navigator)ウェブユーティリティー(Chen R, et al. Nat Methods 2007;4(11):879)を利用することによって、非ヒト動物のAffymetrix社プローブ識別名を、識別名U133plus 2.0およびU133Aでの検索を通じてヒト遺伝子記号とともにマッピングした。
前記方法の最終工程において、原発腫瘍から転移を起こしている患者の原発腫瘍サンプルにおける遺伝子発現が、転移を起こしていない患者の原発腫瘍におけるその遺伝子の発現に対して変化している、工程ii)で同定された遺伝子が選択される。
本発明の特定の実施形態において、工程iii)は、以上に記述したとおりに比例ハザード回帰分析によって行われる。より具体的な実施形態において、前記回帰分析はCox型分析である。好ましい実施形態において、前記Cox型手法では遠隔転移は予後変数として確立されている。本発明のさらに好ましい実施形態において、前記遠隔転移は5年または10年時点での遠隔転移である。
本発明者らは、Wald検定(Wald A. Transactions of the American Mathematical Society 1943;54:426-482; Silvey SD. Annals of Mathematical Statistics 1959; 30:389-407)をさらに適用し、本説明の実施例2において説明するように、各遺伝子に、Wald統計量値、対応するP値、およびFDR(false discovery rate)法により補正されたP値を割り当てて、前記係数が0である(予後変数とは関係していない)という帰無仮説を解析した。FDR制御は、多重比較を補正するために多重仮説検定において用いられる当業者には公知の統計的方法である。
本発明の特定の実施形態において、工程iii)による前記原発腫瘍は乳癌腫瘍である。
特定の実施形態において、工程iii)による前記遺伝子の発現の判定は、前記遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)、または前記mRNAのフラグメント、相補的DNA(cDNA)、または前記cDNAのフラグメント、またはそれらの混合物の定量を含む。
より具体的な実施形態において、工程iii)による遺伝子の発現レベルの定量は、定量的多重ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはDNAもしくはRNAアレイによって行われる。
特定の実施形態において、工程iii)による遺伝子の発現レベルの定量は、前記遺伝子によりコードされるタンパク質のレベルの定量を含む。より具体的な実施形態において、タンパク質のレベルの前記定量は、ウエスタンブロット、ELISAまたはタンパク質アレイによって行われる。
次の実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
実施例1
マウス表皮腫瘍の解析
本発明において用いる動物モデルは、Tp53遺伝子の対立遺伝子において(p53−モデル)、またはTp53およびRb1対立遺伝子において同時に(p53−モデル;pRb−モデル)、loxP配列が必須のエキソンの両側に配置されているマウスと交配したK14Creマウス(それらのマウスは重層上皮の基底層においてCreリコンビナーゼを発現する)である(Martinez-Cruz AB. et al. Cancer Res 2008; 68(3):683-692)。Tp53およびRb1はそれぞれ腫瘍抑制遺伝子p53およびpRbをコードする。そのため、それらのマウスは重層上皮における遺伝子欠損モデルである。両方のモデルは、浸潤性の高い低分化型または未分化型表皮扁平上皮癌を自然発生する。
p53が欠損している(p53−)(7個の腫瘍)およびp53およびpRbが欠損している(p53−/pRb−)(8個の腫瘍)マウスにおいて生じた凍結表皮癌のRNAを精製した。成体動物(8週齢、5つの対照サンプル)の、RNAlaterに保存していた正常皮膚のRNAを対照として得た。RNA群の完全性はバイオアナライザーシステム(Agilent)を用いることによってチェックした。RNAサンプルは総てマイクロアレイ解析の品質基準を満たした(RIN値(RNA Integrity number)6より大きい)。Affymetrix社GeneChip、Mouse Gene Expression MOE430 2.0とのハイブリダイゼーションは、サラマンカの癌研究センターゲノム部門(the Genomic Department of the Cancer Research Center of Salamanca)において標準的なAffymetrix社プロトコールを用いて行った。発現値は、RMA(Robust Multichip Average)法(Bolstad BM, et al. Bioinformatics 2003; 19(2):185-193; Irizarry RA, et al. Biostatistics 2003; 4(2) :249-264)によって、Affymetrix社GCOSソフトウェア(GeneChip(登録商標)Operating Software)による(蛍光スキャニングからもたらされる)CELファイルから抽出した。品質基準を満たした総てのハイブリダイゼーションを、RLE(Relative Log Expression)およびNUSE(Normalized Unsealed Standard Error)のグラフを用いるRMAExpressコンピュータプログラムに入れた。
正常組織と比べたマウス腫瘍の差次的遺伝子発現の解析を、フリーMultiexperiment Viewer 4.0ソフトウェア(MeV 4)(Saeed Al, et al. Biotechniques 2003; 34(2):374-378)においてスチューデントt−検定(T−検定)およびSAM(Significant Analysis of Microarrays)(Tusher VG, et al. Proc Natl Acad Sci U S A 2001; 98(9):5116-5121)によって行った。プローブが2つの基準を満たした場合にそのプローブを選択した:i)False Discovery Rate法により補正された確率P値またはFDR<3x10−7によるT−検定解析(Benjamini Y, Hochberg Y. Journal of the Royal Statistical Society B 1995; 57:289-300);およびii)FDR<1x10−3によるSAM解析。差次的に発現された合計682のプローブを選択した。腫瘍において371のプローブは正常組織と比べて過剰発現され、311のプローブは負に調節された。Ailunウェブユーティリティー(Chen R, et al. Nat Methods 2007; 4(11):879)を利用して、用いたチップのAffymetrix社識別名(MOE430 2.0)を、相同のヒト遺伝子記号に対してマッピングし、結果として427個のヒト遺伝子となった。
実施例2
p53サインに基づく乳癌転移予測指標の二段抽出
2.1 転移に関するp53サインを示す遺伝子の選択
Affymetrix社Human Gene Expression版U133AまたはU133Plus 2.0 GeneChipを用いて得られた、ヒト原発乳房腫瘍のマイクロアレイとのハイブリダイゼーションについての未加工データおよびそれらの対応する臨床データを、NCBIのGene Expression Omnibus(GEO)ウェブページデータベースから、識別名GSE7390(Desmedt C. et al. Clin Cancer Res 2007; 13(11) :3207-3214)(以下、Desmedtデータセットという研究)およびGSE6532(Loi S. et al. J Clin Oncol 2007;25(10):1239-1246)(以下、Loiデータセットという研究)を用いてダウンロードした。CELファイルを得て、RMAExpressプログラムを用いてシグナル強度値を抽出した。RLEおよびNUSEのグラフにより、RMAによる最適正規化基準を満たさなかったいくつかの腫瘍マイクロアレイの確認が可能であった。該当するCELファイルは後の解析から外した。
Desmedtデータセットを訓練セットとして用い、品質の低いアレイを除いた後、健常リンパ節(N−)を含む191腫瘍を含めた(補助全身療法を受けていない患者の、エストロゲン受容体を発現するサンプルと発現しないサンプル(それぞれ、ER+またはER−)の両方を含む)(表5)。
Cox型比例ハザード回帰分析は、GEPASウェブページ(www.gepas.org)上で実行されるサバイバルユーティリティー(Vaquerizas JM. et al. Nucleic Acids Res 2005;33 (Web Server issue) :W616-620)を利用して、マウス腫瘍の差次的発現の解析によりマッピングされた427個のヒト遺伝子に対応する707個のU133Aプローブ(U133Plus 2.0にも存在する)について、5年時点での遠隔転移(DM)を用いて行った。
要するに、Cox分析では、各プローブについてCox回帰係数を割り当て、遺伝子発現がDMの発生と正比例して関係しているプローブは>0となり、その発現がDMと反比例して関係している場合には、それは<0となる。さらに、Wald検定(Wald A. Transactions of the American Mathematical Society 1943;54:426-482; Silvey SD. Annals of Mathematical Statistics 1959; 30:389-407)を適用し、各プローブに、Wald統計量値、対応するP値、およびFDR法により補正されたP値を割り当てて、前記係数が0である(DMとは関係していない)という帰無仮説を解析する。次の解析には、Wald統計量値>3または<−3のプローブを選択した。これらの解析の目的は、ヒト乳癌の5年および10年時点でのDMDM予測能力をチェックすることである。
2.2 転移予測のための数学的モデルの開発
各腫瘍の「リスク値」(RV)を記載した遺伝子に基づいて計算するために式を得た:
(式中、sは、Cox型回帰分析のWald統計量であり;
は、Affymetrix社プローブの発現値log2である(平均=1;標準偏差=1))
表6は、本発明のサインの遺伝子とsの対応値を示している。
前記式は、各遺伝子の発現値と、以上に説明したCoxモデルによる各遺伝子のWald統計量値との積の合計に基づいて各サンプルに数値(RV)を割り当てる(表7参照)。
上記のRV式によって、Desmedtデータセットの191個の腫瘍のRV値を得た。5年時点でのDMの変数を打ち切り従属変数として用いてRVについて受信者動作曲線(Receiver Operating Curves)(ROC)を計算した。図1に示すように、表1および表2に記載の遺伝子のサインに基づくRVは、腫瘍群における成功率100%(100%感度)により5年時点での転移事象の不在(以下、良好予後群という)を、そして残存腫瘍における成功率40.1%(40.1%特異度)により転移の存在(不良予後群という)を予測することが可能である。
Desmedt腫瘍の特徴の詳細な解析では、グレード3 ER−であるもの(46個のサンプル)は正確に予測されないことが分かった(データは示していない)。残存腫瘍のROC曲線では、本発明の遺伝子のサインは感度値100%を維持するが、特異度は51.6%まで実質的に高まることが示された(図1、表7)。
得られた結果は、本発明の遺伝子サインを、ヒト乳癌における5年時点でのDMの最適予測指標として用いることができることを示している。
よって、以上に記載した式から、本発明者らは、患者が良好予後群に属するか不良予後群に属するかを判定することができた。この方法は、リスク値(RV)を計算するための式と、142個のサンプルからなるDesmedt腫瘍群の5年時点でのDMのROC曲線(図1、パネルC)に基づく。ROC曲線によれば、前記予測指標は感度100で特異度最大であろう(RV=−39,2)。
実施例3
外部腫瘍群における予測指標の検証
検証用の外部腫瘍群または試験データセットとしてLoi腫瘍群、すなわちLoiデータセットを用いた。Loiデータセットは、i)タモキシフェンで処置したまたは処置していない患者の腫瘍;ii)手術時にリンパ節転移している(N+)またはリンパ節転移していない(N−)患者の腫瘍;およびiii)ER−またはER+腫瘍:を含む。Loi腫瘍群は、Desmedtデータセット(N−のみ、タモキシフェンで処置していない)よりも多様な範囲の乳癌サンプルを含む。Loiデータセットには、本来、Affymetrix社U133A GeneChipとU133B GeneChipの両方を用いて解析した327個のサンプルが含まれている。また、Loiデータセットは、U133Plus 2.0チップを用いて解析した87個の腫瘍も含む。予測のためのゲノムサインは、U133A GeneChip内に存在しU133B GeneChip内には存在しないプローブを含むため(表6)、U133B GeneChipを用いて行った解析は捨てた。しかしながら、U133Plus 2.0チップを用いて解析した87個のサンプルは、このチップがU133Aプローブの総てを含むことから、処理する。RMAによる正規化後、400個の腫瘍が以上に説明した品質基準を満たした(NUSEおよびRLEのグラフ)。
腫瘍総てのサイン遺伝子について、発現値をlogスケールで抽出した。新たな腫瘍の発現値とDesmedtデータセットのCox分析において計算されたWald統計量値(表6)を用いて、以上に記載した式によりリスク値(RV)を計算した。ホルモン処置、腫瘍グレード、ERの有無、経時的追跡調査による遠隔転移の有無、またはリンパ節の状態についてのデータがない腫瘍は捨てた(94個のサンプル)。残った306個の腫瘍から、Desmedtデータセットにおいてゲノム予測指標が役に立っていない腫瘍、すなわち、グレード3 ER−腫瘍(19個のサンプル)は除いた。残った287個の腫瘍において、特徴が類似している患者の群によりゲノム予測指標の精度を解析した。
3.1. 本発明の遺伝子サインは、ホルモン療法を受けなかった健常リンパを有する乳癌患者における遠隔転移のゲノム予測指標である
まず、Desmedt研究の腫瘍の特徴と類似した特徴、すなわち、タモキシフェンで処置していない患者、N−結節、および腫瘍直径≦5cm、を有する腫瘍を解析し、この解析は患者の年齢とは関係ないものとした(86個のサンプル、臨床的特徴については表8を参照)。
以上に記載した良好または不良予後に関する式のルールによるゲノムリスクの計算に基づき、本発明の遺伝子のサインは、5年および10年時点でのDMの良い予測指標である。これを受けて、Cox比例ハザード分析によって、良好予後プロフィールを有する患者と不良予後プロフィールを有する患者との相対リスク(RR)を計算した(表9)。
単変量解析によれば、両患者群間のDMを起こすRRは、5年時点では19.9(信頼区間CI95% 2.6〜154.4、P=0.004)または10年時点では8.2(CI95% 2.3〜28.7、P=0.001)である。前記ハザード分析が多変量である、すなわち、前記モデルに臨床データ(患者の年齢、腫瘍の大きさ、腫瘍グレード、ER状態)を含める場合には、5年時点でのRR14.9(CI95% 1.8〜123.7、P=0.012)および10年時点での7.3(CI95% 1.9〜28.5、P=0,004)を得る。多変量解析においてこれらのRRは統計的に有意であり、そしてそれは、表1および表2に記載の遺伝子のサインが他の臨床的指標とは無関係のゲノム予測指標であることを示していることに注目することが重要である(表9および表10)。
両患者群において生存確率も計算した(表11)。従って、良好予後群では5年時点での生存確率は96.1%(±2.2)であり、10年時点では92.3%(±4.3)である。不良予後群では5年時点での確率は70.1%(±6.2)であり、10年時点では49.2%(±8.7)である。両群間の生存の違いは重要であり、その違いは5年時点では26%、10年時点では43%である。
3.2. 本発明の遺伝子サインは、タモキシフェンによるホルモン療法を受けたリンパ節転移がある乳癌患者における遠隔転移のゲノム予測指標である。
次に、腫瘍直径≦5cmを有する、ホルモン療法を受け腫瘍摘出時にリンパ節転移があった(N+)患者に対しても本発明の予測サインが有効であるかどうかをチェックし、患者の年齢と関係なく行った、(108個のサンプル、臨床的特徴については表8参照)。第3.1節に記載したものと同様に、患者は2つのリスク群に分けた:不良予後および良好予後。単変量および多変量Cox分析を行って、両群間の5年または10年時点でのDMを起こす相対リスクをチェックした(表9および表10)。その結果より、単変量解析において、RRは、5年時点では4.2(CI95% 1.2〜14.6、P=0.021)、または10年時点では4.7(CI95% 1.6〜13.5、P=0.004)であることが分かる。Coxモデルに臨床的指標を含めた(患者の年齢、腫瘍の大きさ、腫瘍グレード)場合には、ゲノム予測指標がこれらのパラメーターと無関係であることが証明され、2つの予後群間のRRを維持し、5年時点では3.9(CI95% 1.1〜14.7、P=0.042)、10年時点では4.2(CI95% 1.3〜13、P=0.013)であった(表9および表10)。
両患者群において生存確率も計算した(表11)。従って、良好予後群では5年時点での生存確率は94.2%(±2.8)であり、10年時点では88.8%(±5.3)である。不良予後群では5年時点での確率は76.3%(±4)であり、10年時点では58.2%(±6.1)である。両群間の生存の違いは5年時点では17.9%、10年時点では30.6%であり、そのような違いも重要である。
最後に、腫瘍直径≦5cmを有する、ホルモン療法により処置し腫瘍摘出時に局所転移がなかったLoi研究内患者亜群において、ゲノムサインの予測能力を、患者の年齢と関係なく(89個のサンプル、総てER+)解析した。その結果より、ゲノムリスクによって定義される2つの群は単変量解析によるRRが5年時点では約2.5または10年時点では1.9であるという事実にも関わらず、その差は統計的に有意ではないことが分かった(データは示していない)。
全体として、その結果は、本発明の遺伝子サインは、5cm未満の腫瘍、ER+腫瘍、ER−腫瘍(グレード1および2)において、N−患者(ホルモン処置を行っていない)において、およびN+患者(タモキシフェンで処置した)において、5年および10年時点でのDMのリスクについての良い予測指標であることを示している。さらに、これらの患者において、その予測指標は、患者の年齢、ER状態、腫瘍グレード、および腫瘍の大きさとは無関係である。
実施例4
本発明の遺伝子サインと臨床的予測指標との比較
カプラン・マイヤー曲線を用いて、良好または不良予後患者群(図2、86名のN−患者、タモキシフェンで処置していない;図3、108名のN+患者、タモキシフェンで処置した)の無DM生存を、本発明の遺伝子サインに基づく基準によって(図2Aおよび図3A)、あるいはザンクトガレン(Goldhirsch A, et al. J Clin Oncol 2001;19(18):3817-3827)(図2Bおよび図3B)の、またはNIH(国立衛生研究所、米国)(Eifel P, et al. J Natl Cancer Inst 2001;93(13):979-989)(図2Dおよび図3D)(表12参照)の合意の臨床的予測基準によって比較した。
ザンクトガレンおよびNIHの基準では、いくつかの組織学的および臨床的特徴に基づいて患者を高リスクまたは低リスクに分類する。この比較は、本発明の予後サインにより、伝統的な方法によるよりも多くの患者が低リスク(または良好予後)群に割り当てられる(タモキシフェンで処置していない、N−の患者についてはザンクトガレンの基準による21%およびNIHの基準による13%に対して、56%;タモキシフェンで処置した、N+の患者についてはザンクトガレンの基準による10%およびNIHの基準による2%に対して32%)ことを示している。ゲノムサインによる不良予後患者はザンクトガレンおよびNIHの臨床基準による不良予後患者よりもDMの割合が高い傾向にある。この結果は、現在用いられている両臨床基準群では臨床的に有意な数の患者が不良予後群に誤って分類されることを示している。さらに、ザンクトガレンの基準により定義された不良予後群は、良好な予後のゲノムサインおよび良好な結果を示した多くの患者を含んでいる(図2Cおよび図3C)。NIHの基準により特定された高リスク群内でも同様の亜群が確認された(図2Eおよび図3E)。
ザンクトガレンおよびNIH両方の亜群が、タモキシフェンで処置していない、N−の患者(86名の患者の亜群)の間で不良予後群内に不十分に分類される患者を含んでいることを考えれば、現在の臨床診療において過剰治療を受ける患者がいると思われる。加えて、総てのN+患者はホルモン療法を受けていた(108名の患者の亜群)ため、ホルモン処置を行わない場合にゲノム予測がいかに必要であるかを判断することはできない。しかしながら、その結果は、本発明の遺伝子サインが、リンパ節転移がある患者におけるタモキシフェン処置に対する反応についての良い予測指標であることを示している。
全Loiデータセット(n=191)における、またはグレード3 ER−サンプルを除くLoiデータセット(n=142)における、本発明の遺伝子サインを予測する受信者動作曲線(ROC)を示す図である。パネルAおよびCは5年時点での遠隔転移(DM)の予測を示し、パネルEは5年間の全生存の予測を示す。パネルBおよびDは10年時点での遠隔転移(DM)の予測を示し、パネルEは10年間の全生存の予測を示す。パネルAの最大特異度(40.1%)と感度(100%)のポイントのRVを良好な予後と不良な予後にサンプルを分ける閾値として選択した(RV=39.2)(円)。 タモキシフェンで処置していない、Loiデータセット内のN−の患者(86個の腫瘍、直径≦5cm)の生存曲線または予後予測を示す図である。 タモキシフェンで処置した、Loiデータセット内のN+の患者(108個の腫瘍、直径≦5cm)の生存曲線または予後予測を示す図である。 Desmedtデータセットにおける本発明の遺伝子サインを示す図である。左のパネルは、グレード3 ER−を除くDesmedt腫瘍(142個のサンプル)における、本発明のサインのプローブとハイブリダイズする遺伝子配列の遺伝子の発現マップを示す。列は遺伝子を表し、行はサンプルを表す。遺伝子は表2に従ってWald統計量値の値が減少するとおりに左から右へ配列される。発現値はlogとして示される(平均=0、標準偏差=1)。 右のパネルは、本発明の遺伝子のサインを用いた、またはザンクトガレン(St. Gallen)(SG)、NIH、ノッティンガム予後指標(Nottingham Prognostic Index)(NPI)、アジュバントオンライン(Adjuvant Online)(AOL)、およびVeridexの76−遺伝子ゲノムサイン(the 76-gene genomic signature)の基準を用いた予測結果を示す。薄灰色のサンプルは良好な予後を示し;濃灰色のサンプルは不良な予後を示す。不良予後サンプルにおいて発現がより高い37プローブの存在を観察することができる。ER状態(ER+は黒色、ER−は白色)と5年または10年時点でのDMの存在(転移有は白色、転移無は黒色)も示されている。遺伝子はAffymetrix社プローブ識別名と、NCBI遺伝子記号の両方により表される。 Loiデータセットにおける本発明の遺伝子サインを示す図である。A)左のパネルは、グレード3 ER−を除く、N−でありタモキシフェンで処置していないLoi腫瘍(86個のサンプル)における、前記プローブとハイブリダイズする遺伝子配列の遺伝子の発現マップを示す。列は遺伝子を表し、行はサンプルを表す。遺伝子は表2に従ってWald統計量値の値が減少するとおりに左から右へ配列される。発現値はlogとして示される(平均=0、標準偏差=1)。 右のパネルは、本発明の遺伝子のサイン、またはザンクトガレン(SG)およびNIHの基準を用いた予測結果を示す。薄灰色のサンプルは良好な予後を示し;濃灰色のサンプルは不良な予後を示す。不良予後サンプルにおいて発現がより高い37プローブの存在を観察することができる。ER状態(ER+は黒色、ER−は白色)と5年または10年時点でのDMの存在(転移有は白色、転移無は黒色)も示されている。遺伝子はAffymetrix社プローブ識別名と、NCBI遺伝子記号の両方により表される。 B)このパネルはパネルAと似ているが、N+でありホルモン療法を受けたLoiデータセットの108名の患者の群のものである。 ネズミ腫瘍p53−およびp53−;pRb−と正常皮膚間の比較により選抜した遺伝子のランキングを示す図である。マウス腫瘍において過剰発現される遺伝子を、遺伝子発現の相対的変化の大きさのとおりに配列し(80.3〜1.2倍まで、パネルA)、またはスチューデントt−検定により計算したP値により配列している(パネルC)。左列の黒色は2倍を超えて増加した遺伝子を示す。中央列の濃灰色はSAM検定の差次的発現基準も満たした遺伝子を示す。右列にはヒトにおける本発明の遺伝子のサインの、相当するマウス遺伝子の範囲内での位置を示している。遺伝子名を濃灰色にした遺伝子は悪性のヒト乳房腫瘍において過剰発現され;薄灰色の遺伝子は悪性腫瘍において減少する。 マウス腫瘍において発現が減少する遺伝子を、遺伝子発現の相対的変化の大きさのとおりに配列し(375.8〜1.2倍まで、パネルB)、またはスチューデントt−検定により計算したP値により配列している(パネルD)。左列の黒色は2倍を超えて負に調節された遺伝子を示す。中央列の濃灰色はSAM検定の差次的発現基準も満たす遺伝子を示す。右列にはヒトにおける遺伝子のサインの、相当するマウス遺伝子の範囲内での位置を示している。遺伝子名を濃灰色にした遺伝子は悪性のヒト乳房腫瘍において過剰発現され;薄灰色の遺伝子は悪性腫瘍において減少する。

Claims (33)

  1. 乳癌と診断された対象の予後を判定するまたは乳癌と診断された対象の処置を選択するためのin vitro方法であって、前記対象の腫瘍組織サンプルにおいて表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルを判定することを含んでなり、ここで、基準値に対しての、表1に記載の遺伝子の発現の増加および表2に記載の遺伝子の発現の減少が、予後の悪化または化学療法により処置すべき前記対象であることの指標となる、方法。
  2. 表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルの定量が、前記遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)、もしくは前記mRNAのフラグメント、前記遺伝子の相補的DNA(cDNA)、もしくは前記cDNAのフラグメント、またはそれらの混合物の定量を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルの定量が、定量的多重ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはDNAもしくはRNAアレイによって行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルの前記判定が、表3および表4に記載のプローブを含んでなるDNAアレイによって行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記予後の判定が、表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルによる前記予後の比例ハザード回帰分析を含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記比例ハザード回帰分析が、Cox型分析である、請求項5に記載の方法。
  7. 遠隔転移が、前記Cox型分析において予後変数として確立される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記遠隔転移が、5年または10年時点での遠隔転移である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記予後の判定が、下記式:
    (式中、xは、表1および表2に記載の前記遺伝子の各々の発現レベルのlog2値であり;かつsは、請求項6〜8に記載の、表1および表2に記載の前記遺伝子の各々のCox型回帰分析のWald統計量の値である)
    を適用することにより行われ、
    ここで、前記値が0より大きい場合は、それが、前記患者が予後の悪化を呈することまたは化学療法により処置すべき前記患者であることの指標となり、前記値が0より小さい場合は、それが、前記患者が良好な予後を呈することまたは化学療法により処置する必要がない前記患者であることの指標となる、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルの定量が、前記遺伝子によりコードされるタンパク質またはその変異体のレベルの定量を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  11. タンパク質のレベルの定量が、ウエスタンブロット、ELISA、またはタンパク質アレイによって行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 表1および表2に記載の遺伝子の発現レベルを検出することが可能な、試薬。
  13. (i)表1および表2に記載のプローブのヌクレオチド配列またはそれらの転写産物を含んでなる核酸のセット、あるいは
    (ii)表1および表2に記載のプローブとハイブリダイズするヌクレオチド配列の遺伝子によりコードされるタンパク質の1つと特異的に結合することが可能な各抗体またはフラグメントからなる、抗原を検出することが可能な抗体またはそのフラグメントのセット
    を含んでなる、請求項12に記載の試薬。
  14. 前記核酸がDNA、cDNAまたはRNAのプローブおよび/またはプライマーである、請求項13に記載の試薬。
  15. 請求項12〜14のいずれか一項に記載の少なくとも1つの試薬を含んでなる、キット。
  16. 前記キットが、核酸のセットを含んでなるDNAまたはRNAアレイであり、前記核酸のセットが、表1および表2のプローブのヌクレオチド配列、またはそのフラグメント、またはそれらの転写産物を含んでなる、請求項15に記載のキット。
  17. 1個または数個の構成性発現遺伝子の核酸分子をさらに含んでなる、請求項16に記載のキット。
  18. 表1および表2に記載の遺伝子によりコードされるタンパク質または前記タンパク質の任意の変異体と特異的に結合することが可能な抗体またはそのフラグメントからなる抗体のセットを含んでなる、請求項17に記載のキット。
  19. 1個または数個の構成性発現遺伝子によりコードされるタンパク質と特異的に結合することが可能な抗体またはそのフラグメントをさらに含んでなる、請求項18に記載のキット。
  20. 乳癌と診断された患者の予後診断または乳癌と診断された対象の処置の選択のための、請求項15〜19のいずれか一項に記載のキットの使用。
  21. 原発腫瘍の転移傾向を予測するための遺伝子マーカーを選択するための方法であって、下記工程:
    i)腫瘍を自然発生する傾向を示す遺伝子操作非ヒト動物の腫瘍サンプルにおいて、発現が基準値に対して変化している遺伝子を判定する工程;
    ii)工程i)で同定された遺伝子に対応するヒトの相同遺伝子を同定する工程;および
    iii)原発腫瘍から転移を起こしている患者の原発腫瘍サンプルにおける遺伝子発現が、転移を起こしていない患者の原発腫瘍におけるその遺伝子の発現に対して変化している、工程ii)で同定された遺伝子を選択する工程
    を含んでなる、方法。
  22. 前記非ヒト動物が、Tp53遺伝子の遺伝子発現が阻害される動物である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記動物が、pRb遺伝子の阻害された遺伝子発現をさらに呈する、請求項22に記載の方法。
  24. 工程(i)において得られたサンプルが、表皮癌サンプルである、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記工程iii)が、比例ハザード回帰分析によって行われる、請求項21〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記回帰分析が、Cox型分析である、請求項25に記載の方法。
  27. 遠隔転移が、前記Cox型手法で予後変数として確立される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記遠隔転移が、5年または10年時点での遠隔転移である、請求項27に記載の方法。
  29. 工程iii)において分析された前記原発腫瘍が、乳癌腫瘍または膠芽腫瘍である、請求項21〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 工程iii)による前記遺伝子の発現の判定が、前記遺伝子のメッセンジャーRNA(mRNA)、もしくは前記mRNAのフラグメント、相補的DNA(cDNA)、もしくは前記cDNAのフラグメント、またはそれらの混合物の定量を含んでなる、請求項21〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 工程iii)による遺伝子の発現レベルの定量が、定量的多重ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはDNAもしくはRNAアレイによって行われる、請求項30に記載の方法。
  32. 工程iii)による遺伝子の発現レベルの定量が、前記遺伝子によりコードされるタンパク質のレベルの定量を含んでなる、請求項21〜29のいずれか一項に記載の方法。
  33. タンパク質のレベルの定量が、ウエスタンブロット、ELISAまたはタンパク質アレイによって行われる、請求項32に記載の方法。
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