JP2020500515A - 乳がん患者の予後の予測方法 - Google Patents

乳がん患者の予後の予測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020500515A
JP2020500515A JP2019527493A JP2019527493A JP2020500515A JP 2020500515 A JP2020500515 A JP 2020500515A JP 2019527493 A JP2019527493 A JP 2019527493A JP 2019527493 A JP2019527493 A JP 2019527493A JP 2020500515 A JP2020500515 A JP 2020500515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
prognosis
breast cancer
genes
predicting
expression level
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019527493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7228896B2 (ja
JP2020500515A5 (ja
Inventor
レ チョ、サン
レ チョ、サン
ホ ムン、ユン
ホ ムン、ユン
イル ハン、チン
イル ハン、チン
キ シン、ヨン
キ シン、ヨン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gencurix Inc
Original Assignee
Gencurix Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gencurix Inc filed Critical Gencurix Inc
Publication of JP2020500515A publication Critical patent/JP2020500515A/ja
Publication of JP2020500515A5 publication Critical patent/JP2020500515A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7228896B2 publication Critical patent/JP7228896B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • C12Q1/6886Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material for cancer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/118Prognosis of disease development
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers

Abstract

本発明は、乳がん患者の予後の予測方法に関するものであり、より詳細には、(a)乳がん患者から得た生物学的試料からubiquitin-conjugating enzyme E2C(UBE2C)、topoisomerase 2 alpha(TOP2A)、ribonucleotide reductase M2(RRM2)、forkhead box M1(FOXM1)及びmarker of proliferation Ki-67(MKI67)からなる群から選択される一つ以上の増殖関連遺伝子及びbutyrophilin subfamily 3 member A2(BTN3A2)免疫関連遺伝子のmRNA発現水準を測定する段階;(b)前記(a)段階で測定されたmRNAの発現水準を標準化する段階;及び(c)前記(b)段階で標準化された一つ以上の増殖関連遺伝子及び免疫関連遺伝子の組み合わせにより乳がん患者の予後を予測する段階であって、前記増殖関連遺伝子が過発現した場合、予後が悪いものとして、及び前記免疫関連遺伝子が過発現した場合、予後が良いものとして、乳がんの予後を予測する段階を含む乳がん患者の予後の予測方法に関するものである。本発明は、乳がんの予後と有意な相関性を表す遺伝子群及び臨床情報を利用した乳がんの予後の予測方法に関するものであり、本発明の方法により、乳がん患者において、今後、転移、再発又は転移性再発するかどうかの予後をより正確に予測することができる効果があり、後の乳がんの治療の方向の手がかりを提示する目的で有用に使用することができる。

Description

本出願は、2016年11月25日に出願された韓国特許出願第10-2016-0158466号に基づく優先権を主張し、前記明細書全体は参照により本出願に援用する。
本発明は、乳がん患者の予後の予測方法に関するもので、より詳細には、(a)乳がん患者から得た生物学的試料から、UBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)及びMKI67(Marker of proliferation Ki-67)からなる群から選択される1つ以上の増殖関連遺伝子及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)免疫関連遺伝子のmRNA発現水準を測定する段階;(b)前記(a)段階で測定されたmRNAの発現水準を標準化する段階;及び(c)前記(b)段階において標準化された一つ以上の増殖関連遺伝子及び免疫関連遺伝子の組み合わせにより、乳がん患者の予後を予測する段階であり、前記増殖関連遺伝子が過発現した場合、予後が悪いものと、及び前記免疫関連遺伝子が過発現した場合、予後が良いものと予測する段階を含む乳がん患者の予後の予測方法に関するものである。
乳がんは、女性において最もよくみられるがんで、死亡率が2番目に高いがんである。2001年の乳がんの有病率は、アメリカで100000人当たり90-100で、ヨーロッパでは100000人当たり50-70だった。この疾患の発病は、世界的に増加する傾向にある。乳がんの危険因子は、人種、年齢、がん抑制遺伝子BRCA-1、BRCA-2及びp53での突然変異などを含む。アルコール摂取、高脂肪食、運動不足、外因性閉経後ホルモン及び電離放射線も乳がんの発病危険を増加させる。エストロゲン受容体及びプロゲステロン受容体陰性乳がん(それぞれ「ER-」及び「PR-」)の場合、腫瘍の大きさが大きい場合、細胞診断結果の等級が高い場合、及び35歳以下の人の場合、その予後が悪い(非特許文献1)。2005年には約212000件の新しい侵襲性乳がん症例、58000件の新しい非侵襲性乳がん症例が診断されると推算され、40000人の女性が乳がんで死亡するものと予想される。
現在の乳がんに対する治療方法は、手術後、抗がん治療、抗ホルモン治療、標的治療、あるいは放射線治療など、後の再発を減らすための追加補助的な治療が必要な場合が多い。乳がんは、乳がんの主な受容体の状態に応じて、がんの特性が異なり、組織検査でホルモン受容体(ER及びPR)の発現の有無と過発現の有無、遷移状態の確認及びリンパ節への転移の有無(陽性又は陰性)を考慮して、後の治療方法の根拠を確立している。このような臨床的な情報が治療を決定する指標として広く使用されているが、臨床的指標の表現型よりもがんの異質性の方がより多様で、すべてのがんの予後を判断することができず、その効用性も限られる。
一方、乳がんは、一般的に侵襲と転移の程度に応じて、いくつかの重要なステージ:初期ステージ、局所進行ステージ、局所持続ステージ及び転移ステージに分類される。早期乳がんは、上皮内小葉性がん(lobular carcinoma in situ; 「LCIS」)と腺管上皮内がん(ductile carcinoma in situ;「DCIS」)のような非侵襲性乳がんを含んでいる。一般的に、乳がんは、米国対がん委員会(American Joint Committee on Cancer)によって提案されたがん転移分類システム(Tumor Node Metastasis 「TNM」)に基づいてステージ化される(非特許文献2)。TNM分類システムは、乳がんを7つの独立したステージ:0、I、IIA、IIB、IIIA、IIIB及びIVで定義する。ステージ0、I及びステージIIのサブタイプは、一般的に早期のステージの乳がんである。ステージIIの一部のサブタイプとステージIIIは、進行した乳がんである。ステージIVは、一般的に、転移性乳がんを示す。
早期乳がんの場合、5年生存予後は一般的に60%を超えるが、進行した乳がんの場合、この数値は40〜60%に低下する。転移性乳がんの場合、5年生存率は、一般的に15%前後に過ぎない。乳がんにおける最も一般的な遠隔転移部位は、肺、肝臓、骨、リンパ節、皮膚、及び、中枢神経系(脳)を含んでいる。一度、転移性乳がんと診断されると、患者は、平均18ないし24ヶ月程度生存することができると予測される。転移性乳がんの治療はほとんど不可能であり、この疾患の治療は、本質的に痛みを緩和するに過ぎない。
早期乳がんの標識因子を示すホルモン受容体陽性(エストロゲン受容体陽性及び/又はプロゲステロン受容体陽性;ER+及び/又はPR+)、HER2-(ヒト表皮増殖因子受容体陰性)、pN0又はpN1の患者のうち、70-80%は、他の臓器への転移リスクが非常に少なく、抗がん化学療法が不要であるにもかかわらず(非特許文献3)、既存の乳がん治療ガイドラインでは、正確な判別が難しく、ほとんどの患者が、手術後に行われる化学療法と放射線治療を処方されている。
従って、早期乳がん患者において、後のがんの予後を明確に予測して、現時点で最も適切な治療方法を賢く選択して、患者の状態を綿密に観察して、転移性再発などの悪い予後に備えることが必要である。
Goldhirsch et al. (2001), J. Clin. Oncol. 19(18): 3817-27. H.-J. Schmoll et al. (2003). AJCC Cancer Staging Manual, 6th edition, Annals of Oncology, 14(2), 345-346. Paik, Tang et al. (2006), J Clin Oncol, 24(23), 3726-3734.
[発明の詳しい説明]
[技術的課題]
診断技術の開発及び定期検診の増加に伴い、乳がんの早期発見は、増加している。このような乳がんの早期発見は、乳がん患者の生存率を高めたが、未だに5〜20%の乳がん再発率が報告されている。従って、早期乳がんの治療後、再発の危険性を発見することは、初期治療後の乳がん患者の経過観察と治療方針を決める上で重要な要素となっている。
従って、発明者は、患者のがん細胞を含む組織のFFPE試料を利用し、乳がん患者の予後を予測できるアルゴリズムを開発するために、研究努力した結果、乳がん組織から得られた遺伝子情報や臨床情報を収集、分析し、予後予測に関わる遺伝子セットを発掘し、発掘された遺伝子のうち、FFPE試料に適用させるのに適した遺伝子及びそのセットを選別及び組み合わせて、その有用性を確認することで、本発明を完成させた。
従って、本発明の目的は、乳がん患者の予後予測に必要な情報を提供するために、下記段階:
(a)乳がん患者から得た生物学的試料からUBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)及びMKI67(Marker of proliferation Ki-67)からなる群から選択される1つ以上の増殖関連遺伝子及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)免疫関連遺伝子のmRNA発現水準を測定する段階;
(b)前記(a)段階で測定されたmRNAの発現レベルを標準化する段階;及び
(c)前記(b)段階で標準化された一つ以上の増殖関連遺伝子及び免疫関連遺伝子の組み合わせにより乳がんの予後を予測する段階であって、前記増殖関連遺伝子が過発現した場合、予後が悪いものとして、及び前記免疫関連遺伝子が過発現した場合、予後が良いものとして乳がんの予後を予測する段階
を含む、乳がんの予後の予測方法を提供することである。
本発明の他の目的は、乳がん患者の予後予測に必要な情報を提供するために、下記段階:
(a)乳がん患者から得た生物学的試料からUBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)、MKI67(Marker of proliferation Ki-67)及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)のmRNA発現レベルを測定する段階;
(b)前記遺伝子のmRNA発現レベルを標準化する段階;
(c)前記乳がん患者の腫瘍の大きさやpN-ステージを評価する段階;
(d)前記(b)段階における標準化の値、並びに前記(c)段階での腫瘍の大きさ及びpN-ステージを下記の[式1]と[式2]に代入し数値を計算する段階
[式1]
Unscaled BCT score(U-BS)=a*△Ct_UBE2C+b*△Ct_TOP2A+c*△Ct_RRM2+d*△Ct_FOXM1+e*△Ct_MKI67+f*△Ct_BTN3A2+g*Tumor_size(cm)+h*pN(0 or 1)
[式2]
BCT score=0 if 0.8*Unscaled BCT score(U-BS)-13.71<0
BCT score=0.84*U-BS+26.1 if 0≦0.8*U-BS-13.71≦10
BCT score=10 if 0.8*U-BS-13.71>10
(予後遺伝子の値は標準遺伝子を用いて計算された標準化されたmRNA発現値であり、Tumor_sizeは腫瘍の長軸の長さ、pNはリンパ節転移の病理学的判断によって判定される値を示す。
前記aは0.16乃至1.09、bは0乃至0.71、cは0乃至0.53、dは0乃至0.57、eは0乃至0.35、fは-1.02乃至0、gは0.25乃至1.52及びhは0.19乃至2.25である);及び
(e)前記(d)段階で計算された数値が大きいほど予後が悪いものと予後を予測する段階
を含む、乳がんの予後の予測方法を提供するものである。
本発明の他の目的は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤を含む乳がん患者の予後の予測用の組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤からなる乳がん患者の予後の予測用の組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、本質的に、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤からなる乳がん患者の予後の予測用の組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤を含む乳がん患者の予後の予測用キットを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、乳がん患者の予後の予測用製剤を製造するための、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤の使用を提供することである。
[技術的解決方法]
前記の目的を達成するために、本発明は、乳がん患者の予後予測に必要な情報を提供するために、下記の段階:
(a)乳がん患者から得た生物学的試料から、UBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)及びMKI67(Marker of proliferation Ki-67)からなる群から選択される一つ以上の増殖関連遺伝子及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)免疫関連遺伝子のmRNA発現水準を測定する段階;
(b)前記(a)段階で測定されたmRNAの発現水準を標準化する段階;及び
(c)前記(b)段階で標準化された一つ以上の増殖関連遺伝子及び免疫関連遺伝子の組み合わせにより乳がん患者の予後を予測する段階であって、前記増殖関連遺伝子が過発現した場合、予後が悪いものとして、及び前記免疫関連遺伝子が過発現した場合、予後が良いものとして乳がんの予後を予測する段階
を含む乳がんの予後の予測方法を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、乳がん患者の予後予測に必要な情報を提供するために、下記の段階:
(a)乳がん患者から得た生物学的試料からUBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)、MKI67(Marker of proliferation Ki-67)及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)のmRNA発現レベルを測定する段階;
(b)前記遺伝子のmRNA発現水準を標準化する段階;
(c)前記の乳がん患者の腫瘍の大きさ及びpN-ステージを評価する段階;
(d)前記(b)段階における標準化の値、並びに前記(c)段階での腫瘍の大きさ及びpN-ステージを下記の[式1]と[式2]に代入して数値を計算する段階
[式1]
Unscaled BCT score(U-BS)=a*△Ct_UBE2C+b*△Ct_TOP2A+c*△Ct_RRM2+ d*△Ct_FOXM1+e*△Ct_MKI67+f*△Ct_BTN3A2+g*Tumor_size(cm)+h*pN(0 or 1)
[式2]
BCT score=0 if 0.8*Unscaled BCT score(U-BS)-13.71<0
BCT score=0.84*U-BS+26.1 if 0≦0.8*U-BS-13.71≦10
BCT score=10 if 0.8*U-BS-13.71>10
(予後遺伝子の値は、標準遺伝子を用いて計算され標準化されたmRNA発現値であり、Tumor_sizeは腫瘍の長軸の長さ、pNはリンパ節の転移の病理学的判断によって判定される値を示す。
前記aは0.16乃至1.09、bは0乃至0.71、cは0乃至0.53、dは0乃至0.57、eは0乃至0.35、fは-1.02乃至0、gは0.25乃至1.52及びhは0.19乃至2.25である);及び
(e)前記(d)段階で計算された数値が大きいほど予後が悪いものと予後を予測する段階
を含む乳がんの予後の予測方法を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤を含む乳がん患者の予後の予測用の組成物を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、本発明は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤からなる乳がん患者の予後の予測用の組成物を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、本発明は、本質的に、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤からなる乳がん患者の予後の予測用の組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤を含む乳がん患者の予後の予測用キットを提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、乳がん患者の予後の予測用製剤を製造するための、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤の使用を提供する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、乳がん患者の予後予測に必要な情報を提供するために、下記段階:
(a)乳がん患者から生物学的試料を得る段階;
(b)前記(a)段階の生物学的試料からUBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)及びMKI67(Marker of proliferation Ki-67)からなる群から選択される一つ以上の増殖関連遺伝子及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)免疫関連遺伝子のmRNA発現レベルを測定する段階;
(c)前記(b)段階で測定されたmRNAの発現レベルを標準化する段階;及び
(d)前記(c)段階で標準化された一つ以上の増殖関連遺伝子及び免疫関連遺伝子の組み合わせにより乳がんの予後を予測する段階であって、前記増殖関連遺伝子が過発現した場合、予後が悪いものとして、及び前記免疫関連遺伝子が過発現した場合、予後が良いものとして乳がんの予後を予測する段階
を含む乳がん患者の予後の予測方法を提供する。
本発明で「予後」とは、乳がんの治療中又は治療後の病気の進行経過を意味するもので、好ましくは、治療後の病気の進行経過を意味することができるが、これに限定されるものではない。また、上記「病気の進行経過」とは、がんの完治、再発、転移又は転移性再発を含む概念であり、最も好ましくは、転移性再発を意味するが、これに限定されるものではない。この中で、転移性再発の予後の予測(又は、予後の診断)は、特に早期乳がん患者で、その腫瘍が今後転移性乳がんに進行し得るかどうかを事前に判断することができるので、乳がんの治療の方向についての手がかりを提示することができる点で非常に意味がある。
本発明における前記「転移性再発」は、治療前に乳がんの発生部位及び/又は同側の乳房及び/又は反対側の乳房内の部位に転移した局所転移性再発と、肺、肝臓、骨、リンパ節、皮膚、脳のような遠隔部位に転移して発生する遠隔転移性再発とを含む概念である。好ましくは、本発明において、前記遷移性再発は、遠隔転移性再発であってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明において、前記「転移性再発」とは、初期治療後、少なくとも一つの乳房腫瘍から由来して変形した、すなわちがん細胞がその腫瘍から分離され、腫瘍と離れた位置(以下「遠隔部位」という)からがんに成長し続けることをいう。前記遠隔部位は、例えば一つ以上のリンパ節内であることがあり、これらは移動性や固定されていることができ、前記腫瘍に対して同側だったり、反対側でもあり、鎖骨の上、あるいは脇などにある可能性がある。
乳がん患者の予後の予測は、主に腫瘍の大きさ(T)、リンパ節周辺部への転移状態(N)及び他器官への遠隔転移(distant metastasis)(M)を評価する手術後の疾病の病期(stage)(TNM病期)によって決定される。TNM病期によって分類された患者の予後の予測は、同一の病期でも異なる。つまり、同一の病期の乳がんでも、予後の予測はエストロゲンやプロゲステロン受容体(ER又はPR)の発現の有無、及びHER2(human epidermal growth factor receptor 2)の過発現の有無、又は遺伝子の増幅によって決定されることがある。同一の病期の乳がんであったとしても、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体又はHER2の発現の有無によって病態や予後が著しく異なるため、これを明確に分けた後、治療方法を具体的に設定することが必要である。
従って、最近は、遺伝子、分子生物学的に乳がんの特性を分類する(表1)。サブタイプによって治療による結果及び予後は異なり、手術的方法や抗がん化学療法の選択の指標に使用される。
本発明での乳がんは、好ましくは、エストロゲン受容体及び/又はプロゲステロン受容体陽性でありながらHER2陰性である乳がんでもあり、最も好ましくは、ルミナールA型乳がんでもあるが、これに制限されるわけではない。
一方、乳がんの場合、病期が高いほどがんが進行されていて、予後も良くない。
乳がんは0-4期に区分する。乳がんはTNM病期を使用しているが、TNMの病期を決定するためには3つの要素が必要である。がん自体の大きさや特性によって決定されるT病期、リンパ節の侵犯の程度によって決定されるN病期、そして乳房以外の他の部位に転移があるかどうかによって決定されるM病期がある。それぞれの病期における病理学的特性を要約すれば、以下の表2のようである。
本発明において、前記乳がんは、好ましくは、早期乳がんであり、より好ましくは、pN0又はpN1ステージに該当する乳がんであり、最も好ましくは、TNMの病期による0又は1ステージの乳がんに分類されるが、これに制限されることではない。
以下では、本発明における乳がん患者の予後の予測方法の各段階をより詳細に説明する。
(a)乳がん患者から生物学的試料を得る段階;
本発明において、前記の生物学的試料は、乳がん患者の乳がん組織でもある。前記乳がん組織には、一部の正常細胞も含まれることがあり、好ましくは、がん細胞を含む乳がん組織のホルマリン固定パラフィン包埋(formalin-fixed paraffin-embedded、FFPE)試料、新鮮組織(fresh tissue)及び凍結組織からなる群から選ばれるが、これに制限されるわけではない。
(b)前記(a)段階の試料から、UBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)及びMKI67(Marker of proliferation Ki-67)からなる群から選択される一つ以上の増殖関連遺伝子及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)免疫関連遺伝子のmRNA発現レベルを測定する段階;
本発明で乳がん患者の予後予測マーカーとして機能するのは、UBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)及びMKI67(Marker of proliferation Ki-67)からなる増殖関連遺伝子群及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)免疫関連遺伝子である。これらはそれぞれ独立的に選択できるが、好ましくは、2つ以上の遺伝子の組み合わせによって乳がん患者の予後の予測に利用できる。
前記各遺伝子は、当業界に公示された各遺伝子の配列又は各遺伝子のシノニム(synonym)の配列、好ましくは、人間に由来する各遺伝子の配列であり、より好ましくは、UBE2C(Gene ID:11065)、TOP2A(Gene ID:7153)、RRM2(Gene ID:6241)、FOXM1(Gene ID:2305)、MKI67(Gene ID:4288)、BTN3A2(Gene ID:11118)でもあるが、これに制限されることはない。
各遺伝子に対するシノニム及びその配列はGenBankで検索できる。
本発明において、前記mRNA発現レベルを測定する方法は、当業界において遺伝子の発現レベルを測定するために行う全ての方法が用いられ、好ましくは、マイクロアレイ、PCR(polymerase chain reaction)、RT-PCR、定量的RT-PCR(qRT-PCR)、リアルタイム重合酵素連鎖反応(real-time PCR)、ノーザン・ブロット(northern blot)、DNAチップ及びRNAチップからなる群から選ばれるが、これに制限されるわけではない。
本発明の対象遺伝子の発現水準の測定は、好ましくは、対象遺伝子の発現量の検出、より好ましくは、対象遺伝子の発現量の定量的な検出である。発現量の検出のために、試料組織内でのmRNA分離及びmRNAにおけるcDNA合成過程が必要な場合がある。mRNAの分離のためには、当業界に公知された試料におけるRNAの分離方法が用いられることがあり、好ましくは試料はFFPE試料であるので、FFPEサンプルに適合したmRNAの分離方法でもある。cDNA合成過程は、mRNAを鋳型として行う、当業界に公知されたcDNA合成方法が用いられることがある。好ましくは、本発明の乳がん患者の予後予測マーカーの発現水準の測定は、FFPE試料でのmRNA発現の定量的検出なので、FFPE試料に対するmRNA分離方法及びリアルタイムRT-qPCR(real time reverse transcription quantitative polymerase chain reaction)による測定でもある。
また、本発明において、対象遺伝子の発現水準の測定は、当業界に告知された方法によって行われるが、レポーター蛍光染料及び/又はクエンチャー(quencher)蛍光染料で標識されたプローブを使用した光学的定量分析システムによって測定できる。前記測定は、商業的に販売される装置、例えば、ABIPRISM 7700(商標) Sequence Detection System(商標)、Roche Molecular Biochemicals Lightcycler及びこれに付属するソフトウェア等のシステムによって行われる。このような測定データは、測定値又は閾値サイクル(Ct又はCp)として表現できる。測定された蛍光値が初めて統計学的に有意なものと記録されるときの地点が閾値サイクルであり、これは、検出対象がPCR反応の鋳型として存在する初期値に反比例して現れるので、閾値サイクルの値が低い場合、定量的により多くの検出対象が存在することを示している。
(c)前記(b)段階で測定されたmRNAの発現水準を標準化する段階;
本発明における検出対象遺伝子の発現水準は、対象患者又は試料によって全体的な遺伝子発現量又は発現水準に差があり得るため、標準化が必要である。標準化は、基本発現量又は発現レベルの差を、表される遺伝子の発現量又は発現レベルとの違いを通じて行なって、好ましくは、CTBP1(C-terminal-binding protein 1)、CUL1(cullin 1)及びUBQLN1(Ubiquilin-1)で一つ乃至三つの遺伝子の発現量(又は複数の遺伝子が選別されている場合、これらの発現量の平均)を測定し、それについて比を算出することによって行うことができる。
(d)前記(c)段階で標準化された一つ以上の増殖関連遺伝子及び免疫関連遺伝子の組み合わせにより乳がんの予後を予測する段階であって、前記増殖関連遺伝子が過発現した場合、予後が悪いものとして、及び前記免疫関連遺伝子が過発現した場合、予後が良いものとして乳がんの予後を予測する段階;
本発明において、前記「予後が悪いもの」とは、治療後、がんの転移、再発又は転移性再発の確率が高い高リスク群を意味し、「予後が良いもの」とは、転移、再発又は転移性再発の確率が低い低リスク群を意味する。好ましくは、「予後が悪いもの」とは、10年以内にがんの転移、再発又は転移性再発の確率が高い高リスク群を意味し、「予後が良いもの」とは、10年以内に転移、再発又は転移性再発の確率が低い低リスク群を意味する。
前記「10年」とは、原発性乳がん(primary breast cancer)患者の手術でがんを除去した時点(つまり、手術日起点)から10年間を意味する。
本発明において、前記増殖関連遺伝子の過発現は、悪い予後及び予後が悪いことと密接な相関性があり、前記免疫関連遺伝子の過発現は、良い予後及び予後が良いことと密接な相関性がある。従って、前記増殖関連遺伝子と免疫関連遺伝子の発現の様相を組み合わせることで、予後をより正確に予測することができる。
本発明の前記遺伝子の組み合わせは、原発性乳がん(primary breast cancer)手術後の追加的な化学治療が必要ない患者を選別するのに利用できる。本発明の前記遺伝子の組み合わせの対象患者群は、好ましくは、手術前と後もいかなる化学治療を受けていない患者群で、「予後が良いもの」を示す患者群は、10年以内の転移、再発又は転移性再発の発生確率が低いため、手術後に追加的な化学療法が必要ではないが、「悪い予後」を示す群は、手術後10年以内の転移、再発又は転移性再発の発生確率が高いため、手術後に追加的な化学療法が勧められる。
本発明はまた、前記(b)段階以降に、腫瘍の大きさ及びpN-ステージを評価する段階をさらに含み、前記(d)段階で腫瘍の大きさが大きいほど、及びpN-ステージが高いほど、予後が 悪いと判断することを特徴とする乳がん患者の予後の予測方法を提供する。
すなわち、増殖関連遺伝子の発現、免疫関連遺伝子の発現、腫瘍の大きさ及びpN-ステージを組み合わせることで、予後をより正確に予測でき、このような組み合わせを通じて乳がん患者の予後を予測する方法は、従来報告されたことがない。
本発明において、前記腫瘍の大きさとは、がんの長軸の長さを意味し、好ましくは、病理学者の判断によって測定されたがんの長軸の長さをいう。腫瘍の大きさはセンチメートル(centimeter)単位で表記される。
本発明において、前記pNは、乳がんのステージを区分する方法のうち、病理学的区分方法(pathological classification)によりリンパ節への遷移の有無を判断する方法を意味する。病理学的区分方法は、手術後病理組織学的区分方法(postsurgical histopathological classification)とも呼ばれ、乳がん患者の治療を始める前に得られた情報とともに、手術又は病理学的検査から得た情報を取りまとめて病理ステージを区分する方法である。
pNは、病理学的区分方法のうち、リンパ節への遷移程度を基準とする仕分け方法で脇のリンパ節を切除し、腫瘍の転移を判断する。pN-ステージが上昇するほどリンパ節への腫瘍細胞転移が多くなり、乳がん予後が悪いため、予後が悪いものと判断できる。
本発明で、前記pNのステージは、好ましくは、pN0ステージ又はpN1ステージでもあるが、これに制限されることはない。pN0ステージとは、局所リンパ節への転移が全く観察されていないステージを意味し、pN1ステージとは、1〜3個の同側脇の下のリンパ節微細転移が発見されたステージを意味する。
すなわち、前記方法によれば、(b)段階で測定した遺伝子の発現水準とともに、腫瘍の大きさ及びpN-ステージを予後予測因子又は乳がん患者の予後予測因子と判断することで、より正確に乳がん患者の予後が予測できる。
本発明は、乳がん患者の予後の予測に必要な情報を提供するために、下記段階を含む乳がんの予後の予測方法を提供する:
(a)乳がんの患者から生物学的試料を得る段階;
(b)前記(a)段階の試料から、UBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)、 MKI67(Marker of proliferation Ki-67)及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)からなる予後予測用遺伝子及びCTBP1(C-terminal-binding protein 1)、CUL1(cullin 1)及びUBQLN1(Ubiquilin-1)からなる標準遺伝子のmRNA発現レベルを測定する段階;
(c)前記標準遺伝子を利用して、前記予後予測用遺伝子のmRNA発現レベルを標準化する段階;
(d)前記乳がん患者の腫瘍の大きさ及びpN-ステージを評価する段階;
(e)前記(c)段階における標準化の値、並びに前記(d)段階での腫瘍の大きさ及びpN-ステージを下記の[式1]と[式2]に代入して数値を計算する段階
[式1]
Unscaled BCT score(U-BS)=a*△Ct_UBE2C+b*△Ct_TOP2A+c*△Ct_RRM2+ d*△Ct_FOXM1+e*△Ct_MKI67+f*△Ct_BTN3A2+g*Tumor_size(cm)+h*pN(0 or 1)
[式2]
BCT score=0 if 0.8*Unscaled BCT score(U-BS)-13.71<0
BCT score=0.84*U-BS+26.1 if 0≦0.8*U-BS-13.71≦10
BCT score=10 if 0.8*U-BS-13.71>10
(予後遺伝子の値は標準遺伝子を用いて計算された標準化されたmRNA発現値であり、tumor_sizeは腫瘍の長軸の長さ、pNはリンパ節転移の病理学的判断によって判定される値を示す。
前記aは0.16乃至1.09、bは0乃至0.71、cは0乃至0.53、dは0乃至0.57、eは0乃至0.35、fは-1.02乃至0、gは0.25乃至1.52及びhは0.19乃至2.25であること);及び
(f)前記(e)段階で計算された数値が大きいほど予後が悪いものと予測する段階。
前記(a)乃至(d)段階については前述の通りである。
(e)前記(c)段階における標準化の値、並びに前記(d)段階での腫瘍の大きさ及びpN-ステージを下記の[式1]に代入して数値を計算する段階
[式1]
Unscaled BCT score (U-BS)=a*△Ct_UBE2C+b*△Ct_TOP2A+c*△Ct_RRM2+ d*△Ct_FOXM1+e*△Ct_MKI67+f*△Ct_BTN3A2+g*Tumor_size(cm)+h*pN(0 or 1)
(予後遺伝子の値は標準遺伝子を用いて計算された標準化されたmRNA発現値であり、Tumor_sizeは腫瘍の長軸の長さ、pNはリンパ節転移の病理学的判断によって判定される値を示す。
前記aは0.16乃至1.09、bは0乃至0.71、cは0乃至0.53、dは0乃至0.57、eは0乃至0.35、fは-1.02乃至0、gは0.25乃至1.52及びhは0.19乃至2.25である)
前記遺伝子及びTumor_size、pNそれぞれに該当する係数との線形組み合わせにより予後予測点数を計算する。増殖遺伝子及びTumor_size、pNは正の係数を持ち、免疫遺伝子は負の係数を持つ。各係数は、生存分析結果、計算された係数値(点の推定値)の95%の信頼区間範囲内で適用され、好ましくは、各係数の点推定値が使用される。
外1
好ましくは、本発明による乳がん患者の予後を予測する方法は、乳がん患者の臨床結果を支配する2つの主要な生物学的特性である免疫反応及び細胞増殖に関連しており、FFPE検体組織で発現が安定的であり、予後による発現の違いが大きな遺伝子を対象に選別して、Coxの分析を通じて、前記の遺伝子や予後に重要な2つの臨床情報(腫瘍の大きさ、pN-ステージ)に対する係数(coefficient)を計算して、標準化された遺伝子の発現値、腫瘍の大きさやpNのステージに応じて、式1-1によってBCT scoreを求めて予後を予測できることを特徴とする。
[式1-1]
Unscaled BCT score=0.63*△Ct_UBE2C+0.32*△Ct_TOP2A+0.13*△Ct_RRM2+ 0.02*△Ct_FOXM1+0.04*△Ct_MKI67-0.42*△Ct_BTN3A2+0.89*Tumor_size(cm)+ 1.22*pN(0 or 1)
前記予後予測因子(遺伝子、臨床情報)が生存率に影響を及ぼす程度は、Cox相対リスク分析(Cox proportional hazard analysis)を通じて定量的な値で表すことができる。Cox相対危険モデルは、予後因子がない場合の危険度と予後因子がある場合の危険度の相対値である相対危険比(relative hazard ratio、HR)値を通じて、予後因子が生存率に及ぼす影響度合いを表現する。相対危険比(HR)の値が1より大きければ、予後因子がある場合にない場合よりも危険度が上がり、1より小さい場合、予後因子がある場合には危険度がさらに減少する。各予後因子に対する相対危険比をlog scaleに変換した値を各因子についた係数(coefficient)といい、この値をBCT scoreモデルの算出式係数で使用する(Cox、David R. 「Regression models and life-tables.」 Journal of the Royal Statistical Society. Series B (Methodological) (1972): 187-220)。遺伝子の係数については、交差検証(cross validation)を通じて算出式の結果の妥当性を検証判断した。
前記式にて、それぞれの「△Ct_予後予測用遺伝子」には、各遺伝子の発現量を標準化した値が代入される。前記標準化は、基本発現量又は発現レベルの差を示せる遺伝子の発現量又は発現レベルとの違いを通じて行い、好ましくは、CTBP1(C-terminal-binding protein 1)、CUL1(cullin 1)及びUBQLN1(Ubiquilin-1)から一つ乃至三つの遺伝子の発現量(又は複数の遺伝子が選別された場合、これら発現量の平均)を測定し、これについての比を算出することによって行うことができる。
具体的に、CTBP1(C-terminal-binding protein 1)、CUL1(cullin 1)及びUBQLN1(Ubiquilin-1)からなる標準化用遺伝子の発現平均値に各予後予測用遺伝子の発現値を差し引いた後、30を加えた値を「△Ct_予後予測用遺伝子」値とし、この値を前記予後予測用の各遺伝子の標準化の値となる。すなわち、それぞれの予後予測用の遺伝子の標準化の値は下記の式に代入して計算される。
[△Ct_予後予測遺伝子=((Ct_CTBP1+Ct_CUL1+Ct_UBQLN1)/3)-Ct_予後予測遺伝子+30]
(前記「予後予測遺伝子」とは標準化をしようとするUBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)、 MKI67(Marker of proliferation Ki-67)及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)中のいずれかを意味する。
前記「Ct」とは、PCR増幅産物が一定量増幅されたときのサイクルの数を意味する。リアルタイムRT-PCR法を採用する場合、一般的に増幅サイクル数1乃至10までは蛍光強度の変化はノイズレベルであり、0と同じため、これらを増幅産物0のサンプル・ブランクと見なして、これらの標準偏差SDを算出して10を掛けた蛍光値を閾値として、その閾値に最初に上回るPCRサイクルの数をCt(cycle threshold)値とする。従って、増幅産物が多い場合、Ct値は小さい値となり、増幅物が少ない場合、Ct値は大きな値となる。
本発明では、標準遺伝子を使用して各予後遺伝子の発現値を標準化しており、3つの標準遺伝子の平均Ct値を使用して、試験上発生し得る技術的な誤差を最小化した。
本発明において、前記[式1]の計算値を直観的な数値で表現するために、下記[式2]のような線形変換(linear transformation)によって0と10の間の値に変換する。
[式2](BCT score計算式)
BCT score=0 if 0.8*Unscaled BCT score(U-BS)-13.71<0
BCT score=0.84*U-BS+26.1 if 0≦0.8*U-BS-13.71≦10
BCT score=10 if 0.8*U-BS-13.71>10
(f)前記(e)段階で計算された数値が大きいほど予後が悪いものと予測する段階;
本発明の実施例によると、本発明の乳がん患者の予後の予測方法で、危険群分類の正確度を評価する変数である敏感度(sensitivity)と特異度(specificity)の合計が最大となる地点を算出した結果、前記[式1-1]によって計算された数値が22.1を超過する場合には予後が大きい(転移高危険群)と、22.1以下の場合には予後が良い(転移低危険群)と判断することができた。
一方で、前記[式1](Unscaled BCT score)を線形変換した[式2](BCT score)の場合、その値が4以上の場合は予後が悪い(転移高危険群)と、4未満の場合は予後が良い(転移低危険群)と判断することができた。
本発明で前記「敏感度(sensitivity)」は、10年以内に転移した患者の中で、検査結果において高危険群であるものの比率を意味し、前記「特異度(specificity)」は、10年間無転移患者の中で、検査結果でも低危険群であるものの比率を意味する。
本発明の実施例によると、アルゴリズム算出試験群(discovery set)を介して生存分析を通じた遠隔転移の再発の確率を推定した結果、BCT scoreベース低リスク群の10年無遠隔転移の確率は97.85%であり、高リスク群の10年無遠隔転移の確率は1.07%であり、統計的に有意な10年以内の遠隔転移の再発の確率に差があることを確認した(p-value=2.51e-11、log-rank test)。また、アルゴリズム検証試験群(validation set)においても、低リスク群の10年無遠隔転移の確率は96.47%、高リスク群の10年無遠隔転移の確率は76.31%で、アルゴリズム算出試験群での結果と同様に、統計的に有意な10年以内の遠隔転移の再発の確率に差があった(p-value=3.76e-05、log-rank test)。
本発明の実施例によれば、本発明者たちは、BCT score及びBCT scoreに用いられる遺伝子と臨床情報(即ち、がんの大きさ及びpN-ステージ)の統計的有意性を判断するために、Cox相対危険モデルを使って分析してみた結果、本発明によるBCT scoreは、一般的な予後指標として使われる臨床情報及びこれらを用いた臨床情報基盤の予後評価モデルであるNPI Score、PREDCIT、SNAPよりも有意性が確認された。
また、本発明の実施例によれば、同じ患者群を対象にBCT score及び他の臨床情報基盤モデルのc-indexを比較した結果、BCT scoreが最も高いc-index値を示すことが分かり、BCT scoreが他のモデルより高い乳がん予後予測力を示すことを確認した。本発明の前記アルゴリズムは、原発性乳がん(primary breast cancer)手術後の追加的な化学治療の必要がない患者を選別するのに用いられる。本発明の前記アルゴリズムの対象患者群は、好ましくは、手術前と後も何らかの化学治療を受けない患者群で、「良い予後(good prognosis)」を持った患者群は10年以内の転移、再発又は転移性再発の発生確率が低く、手術後追加的に化学療法を必要としないが、「悪い予後(poor prognosis)」を持った集団は、手術後10年以内に転移、再発又は転移性再発の発生確率が高く、手術後追加的な化学療法が勧められ得る。
すなわち、本発明の前記[式1]、又は[式1]及び[式2]による乳がんの予後の予測アルゴリズムは、広範囲な臨床試料を対象に、乳がんの予後と密接に関連された増殖関連遺伝子、免疫関連遺伝子や臨床情報(がんの大きさ及びpN-ステージ)を分析して算出されたもので、その予後予測力が従来の臨床情報基盤の予後評価モデルなど他のモデルより高い乳がん予後予測力を示すという点で非常に優れている。
本発明は、また、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤を含む乳がん患者の予後の予測用の組成物を提供する。
本発明は、また、前記組成物は、CTBP1、CUL1とUBQLN1遺伝子の発現量を測定する製剤をさらに含むことを特徴とする組成物を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、本発明は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤からなる乳がん患者の予後の予測用の組成物を提供する。
また、本発明の他の目的を達成するために、本発明は、本質的に、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤からなる乳がん患者の予後の予測用の組成物を提供する。
本発明において、前記の遺伝子の発現量を測定する製剤は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67、BTN3A2、CTBP1、CUL1及びUBQLN1遺伝子に特異的に結合するプライマー対であることを特徴とする。
本明細書で使われる用語「プライマー」は、オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)を意味するもので、核酸鎖(鋳型)に相補的なプライマー延長産物の合成が導かれる条件、すなわち、ヌクレオチドとDNA重合酵素のような重合剤の存在、そして適合する温度とpHの条件から合成の開始点として作用しうる。好ましくは、プライマーは、デオキシリボヌクレオチドで単一鎖である。本発明におけるプライマーは、天然(naturally occurring)dNMP(即ち、dAMP、dGMP、dCMP及びdTMP)、変形ヌクレオチド又は非天然ヌクレオチドを含むことができる。また、プライマーはリボヌクレオチドも含むことができる。
本発明のプライマーはターゲット核酸にアニーリングされ、鋳型依存性核酸重合酵素によってターゲット核酸に相補的な配列を形成する延長プライマー(extension primer)でもあり、これは固定化プローブがアニーリングされている位置まで延長され、プローブがアニーリングされている部位を占める。
本発明で利用される延長プライマーは、ターゲット核酸の第1の位置に相補的な混成化ヌクレオチド配列を含む。用語「相補的」は、所定のアニーリング又は混成化の条件下でプライマー又はプローブがターゲット核酸の配列に選択的に混成するほど十分に相補的であることを意味し、実質的に相補的(substantially complementary)及び完全に相補的(perfectly complementary)であることをすべて包括する意味を持ち、好ましくは、完全に相補的なものを意味する。本明細書で、プライマー配列に関連して用いられる用語、「実質的に相補的な配列」は、完全に一致している配列だけではなく、特定の配列にアニーリングしてプライマーとして機能することができる範囲内で、比較対象の配列と部分的に不一致している配列も含まれる意味である。
プライマーは、重合剤の存在下で延長産物の合成をプライミングすることができる程度に十分に長くなければならない。プライマーの適切な長さは、多数の要素、例えば温度、応用分野及びプライマーのソース(source)に基づいて決定されるが、典型的には15〜30ヌクレオチドである。短いプライマー分子は、鋳型と十分に安定した混成複合体を形成するために、一般的に、より低い温度を必要とする。用語「アニーリング」又は「プライミング」は、鋳型核酸にオリゴデオキシヌクレオチド又は核酸が並置(apposition)されることを意味し、前記並置は、重合酵素がヌクレオチドを重合して鋳型核酸又はその一部に相補的な核酸分子を形成させる。
プライマーの配列は、鋳型の一部配列と完全に相補的な配列を持つ必要はなく、鋳型と混成化され、プライマー固有の作用ができる範囲内での十分な相補性を持てば十分である。従って、本発明におけるプライマーは、鋳型の上述のヌクレオチドの配列に完全に相補的な配列を持つ必要はなく、この遺伝子配列に混成化され、プライマー作用ができる範囲内で十分な相補性を持てば足りる。このようなプライマーのデザインは、上述したヌクレオチド配列を参照して当業者によって、容易に行うことができ、例えば、プライマーのデザイン用プログラム(例:PRIMER3プログラム)を利用することができる。
好ましくは、本発明において、前記のプライマー対は、配列番号1乃至18で表示される配列からなることを特徴とすることができる。本発明で遺伝子の発現量を測定するために選別された遺伝子のプライマーやプローブ配列を下記の表3に示した。
本発明は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤を含む乳がん患者の予後の予測用キットを提供する。本発明はまた、前記キットはCTBP1、CUL1及びUBQLN1遺伝子の発現量を測定する製剤をさらに含むことを特徴とするキットを提供する。
本発明のキットは、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67、BTN3A2、CTBP1、CUL1及びUBQLN1増幅が可能なプライマー対に加えて、PCR反応、試料でのRNA分離及びcDNAの合成に使用される当業界に公示された道具及び/又は試薬を追加で含めることができる。本発明のキットは、必要に応じて各成分を混合するのに使われるチューブ、ウェルプレート及び使用方法を記載した指示資料などを追加して含むことができる。
また、本発明は、乳がん患者の予後の予測用製剤を製造するためのUBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤の使用を提供する。
本発明はまた、前記発現量を測定する製剤は、CTBP1、CUL1及びUBQLN1遺伝子の発現量を測定する製剤をさらに含むことを特徴とする製剤の使用を提供する。
本発明の前記「遺伝子の発現量を測定する製剤」は、前述したとおりである。前記「予後を予測できる遺伝子」は、前述したとおり、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67、BTN3A2、CTBP1、CUL1及びUBQLN1からなる群から選択される一つ以上である。
本発明の用語「〜を含む(comprising)」とは、「含有する」又は「特徴とする」と同様に使用され、組成物あるいは方法において、言及されていない追加的な成分要素あるいは方法、段階等を排除しない。用語「からなる(consisting of)」とは、別途記載されていない追加的な要素、段階又は成分などを除外することを意味する。用語「本質的に〜からなる(essentially consisting of)」とは、組成物又は方法の範囲において、記載された成分要素又は段階並びにその基本的な特性に実質的に影響を及ぼさない成分要素又は段階等を含むものを意味する。
本発明は、乳がんの予後と有意な相関性を表す遺伝子群及び臨床情報を利用した乳がんの予後の予測方法に関するものであり、本発明の方法により、乳がん患者の今後の転移、再発又は転移性再発するかどうかの予後を、より正確に予測することができる効果があり、今後、乳がんの治療の方向の手がかりを提示する目的で有用に使用することができる。
図1は、アルゴリズム算出試験群で未標準化BCTスコア(unscaled BCT score)の分布を示した結果である。 図2は、アルゴリズム算出試験群及び検証試験群でBCTスコア(BCT score)の分布を示した結果である。 図3は、BCT scoreによって区分された高危険群及び低危険群の10年無遠隔転移の生存確率を示した図面である。 図4、はC-indexを通じた乳がん予後予測モデルの予測力評価結果を示した図面である。
以下、本発明を詳細に説明する。
ただし、以下の実施例は、本発明を例示するにすぎず、本発明の内容が下記の実施例に限られるものではない。
<実施例1>
初期の乳がんの発現プロファイルの収集
NCBIのGene Expression Omnibus(GEO、www.ncbi.nlm.nih.gov/geo)は、研究者がマイクロアレイをはじめとする遺伝子発現及び突然変異に対する大規模実験データを保存するデータベースサイトである。このサイトのデータは、自由に再分析ができ、本予後遺伝子の導出過程もこのサイトの資料を使った。
本研究に使用されたmicroarrayデータは、「Affymetrix Human Genome U133A Array」というmicroarray chipを使用したデータに限定した。このchipには約2万2千個の探針(probe:プローブ)が存在し、各探針は一つの遺伝子を指す。このようなchip分析を通じて、人体内のほとんどの遺伝子に対するmRNA発現程度を測定することができる。
NCBI GEOサイト内で、「Affymetrix Human Genome U133A Array」基盤の、リンパ節陰性であり、かつ、手術後どのような化学療法を受けない患者群が対象であるmicroarrayデータセットを調査しており、その結果、次のような3つのデータセットから684の検体データを確保した。検体データセットに対する情報を表4及び表5に示した。
<実施例2>
無遠隔転移生存期間(Distant-Metastasis-free survival、DMFS)の分布によって、10年以上遠隔転移性再発がない集団を「予後が良い集団」に分類しており、5年以内に遠隔転移性再発が発生した集団を「予後が悪い集団」に分類した。このような分類基準によって検体集団を分類した結果、212の予後が良い集団と159の予後が悪い集団に分類された。予後が良い集団では平均DMFSは13年であるが、予後が悪い集団では平均DMFSは2.2年だった。
<実施例3>
予後予測遺伝子の選択
前記予後が良い集団である212のサンプルと予後が悪い集団である159のサンプルで、SAM(Significant Analysis of Microarray)分析を通じて、予後集団間の発現量に違いがある遺伝子を調べた。SAM分析結果のq-値を利用して、予後が良い集団で過発現した遺伝子、及び予後が悪い集団で過発現した遺伝子を選択した。選択された遺伝子を一つに統合した結果、計302の重複しない遺伝子セットが作られ、これらの遺伝子の発現パターンを調べるための群分析を、主成分分析(Principal Component Analysis、PCA)方法を利用して行った。2つの主成分を選択し、各主成分について、関連した生物学的機能を調べるために、群別にGene Ontology(GO)機能分析を行った。
GO分析の結果、主成分1は増殖に集中されており、主成分2は免疫反応に集中されていることが分かった。増殖と免疫反応に関与する2つの主成分に属する遺伝子を対象に予後集団間の発現量が最も大きな遺伝子をそれぞれ選択した。各遺伝子セットにおいて、遺伝子は、増殖の発現パターンを表すp-gene、及び免疫反応の発現パターンを表すi-geneと命名した。
前記p-gene又はi-geneに分類された遺伝子群において、下記条件:
(i)免疫又は免疫反応に高い連関性がある;
(ii)検体間の発現の差が大きい;
(iii)平均的に高い発現値を持つ;
(iv)qRT-PCR実験の結果、FFPE検体と凍結検体で発現の高い連関性を示す
に合った遺伝子を遺伝子予後診断モデルの候補遺伝子に選別した。
前記の基準により選別された遺伝子群は以下の通りである。
(1)10種の増殖関連遺伝子群(p-genes):AURKA、CCNB2、FOXM1、MKI67、MMP11、PTTG1、RACGAP1、RRM2、TOP2A及びUBE2C
(2)6種の免疫反応関連遺伝子群(i-genes):BTN3A2、CCL19、CD2、CD52、HLA、DPA1及びTRBC1
<実施例4>
乳がん予後予測アルゴリズムの実装のための変数の選別
<4-1>アルゴリズムの実現に向けたサンプル取得
三星(サムスン)病院と峨山(アサン)病院で化学治療を受けなかった乳がん患者のサンプルを174個入手してアルゴリズムの実装に使用し、227個のサンプルをアルゴリズムの検証に使用した。
得た患者サンプルの臨床情報は下記表6に示した。
<4-2>予後予測に使われる遺伝子の選別
先立って選別された16遺伝子は、FFPE検体からRNAを抽出してqRT-PCRを行い、その発現値を計算した。
各遺伝子の発現増加に伴う遠隔転移の危険性の変化は、Cox相対危険モデルを使って把握できる。Coxの相対危険モデルで、一定時間間隔で危険因子(遺伝子)の有無によって事象(遠隔転移)の発生の危険の程度の比を危険度(hazard ratio、HR)と定義し、このような危険度が1より大きければ、危険因子が事象発生の危険が増加させることを意味し、1より小さければ危険が減少することを意味する。
p-genesに分類された増殖関連遺伝子は、危険度の値が1以上で、発現値が大きくなるほど予後に悪影響を与え、反対に、i-genesに分類された遺伝子は、危険度の値が1以下で、発現値が大きくなるほど良い予後の結果を示すことが確認された。
観察された遺伝子群のうち、予後予測の重要度が他の遺伝子よりも高く、他の研究と予後の方向性が一致する遺伝子を、最終アルゴリズムに用いられる遺伝子として選択した。
選択された遺伝子は、増殖関連遺伝子5個(UBE2C、TOP2A、MKI67、RRM2、FOXM1)と免疫反応関連遺伝子1個(BTN3A2)であり、追加的に発現標準化に向けてFFPE組織に適合する標準遺伝子3個(CTBP1、CUL1、UBQLN1)を既存の論文を通じて選別して、その発現値を分析に使用した(「Identification of novel reference genes using multiplatform expression data and their validation for quantitative gene expression analysis.」 PLoS One 4(7): e6162. 2009)。
<4-3>アルゴリズムに用いる臨床程度の選別
単変量Cox相対危険モデルを使用して、化学治療を受けなかった乳がん患者を対象に、転移性再発と関連された重要な臨床因子が何なのかを確認した(p-value<0.05)。
これに対する結果を下記の表7に示した。
下記表7に示したとおり、pN、病理学的病期(pathologic stage)、腫瘍のサイズ(Tumor_size)及びNPI scoreが遠隔転移に有意だと確認された。
このうち、腫瘍の大きさ(Tumor size)は、化学治療を受けていない乳がん患者群で遠隔転移性再発に重要な因子だったが、化学治療を受けた乳がん患者群では有意な因子ではなかった。
pNは、化学療法を受けない患者群と化学療法を受けた患者群の両方で有意だが、化学療法を受けない患者群における危険度(hazard ratio)値が、化学治療を受けた患者群における危険度値より7倍以上の差があった。つまり、pNは、化学治療を受けた患者群より、化学治療を受けていない患者群で、より強力な遠隔転移性再発に対する指標であることがわかった。
病理学的病期(Pathologic stage)も有意な因子であるが、腫瘍の大きさ(Tumor size)、pNが含まれる概念であり、NPI scoreはがんの大きさ、リンパ節転移の程度などをもとに計算されるので、この指標もやはりがんが大きさやpNの情報と重畳されるので、最終的に化学治療を受けていない患者群を対象とした予後予測モデルで臨床情報は腫瘍の大きさ(Tumor size)及びpN情報を選択した。
<実施例5>
Cox相対危険モデル基盤のBCT score計算式の導出
<5-1>計算式の導出
増殖関連遺伝子のp-geneグループ(UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1及びMKI67)は多く発現するほど予後に悪い結果を示し、免疫関連遺伝子のi-gene(BTN3A2)は多く発現するほど予後に良い結果を示す。前記遺伝子をCox相対危険分析により、以下のような式を算出した。
[Unscaled BCT score計算式]
Unscaled BCT score (U-BS)=0.63*△Ct_UBE2C+0.32*△Ct_TOP2A+ 0.13*△Ct_RRM2+0.02*△Ct_FOXM1+0.04*△Ct_MKI67-0.42*△Ct_BTN3A2+ 0.89*Tumor_size(cm)+1.22*pN(0 or 1)
前記計算式によってUnscaled BCT score(U-BS)を算出して分布を確認し、これに対する結果を図1に示した。
BCT Scoreのcut-offは患者を10年以内の遠隔転移性再発の発生に対する低危険群又は高危険群を分類する。危険群分類の正確度(accuracy)の評価変数が敏感度(sensitivity)と特異度(specificity)であり、本発明のアルゴリズムでは敏感度と特異度は次のように定義される。
*敏感度(sensitivity):10年以内に遠隔転移性再発された患者の中で、検査結果でも高危険群の比率。
*特異度(specificity):10年以内に遠隔転移性再発のない患者の中で、検査結果でも低危険群の比率。
前記敏感度と特異度の値が大きいほど分類が良かったと言えるが、敏感度を高めれば特異度が落ち、逆に特異度を高めれば敏感度が落ちる。本発明のアルゴリズムでは、敏感度と特異度の両方を考慮し、危険群分類のcut-off地点を敏感度と特異度の合計が最大となるようにしたBCT score分類地点を計算し算出した。
図2に示したとおり、前記の基準に従って敏感度と特異度の合計が最大となる地点は、22.13767で、同地点を遠隔転移の高危険群と低危険群を分ける閾値(threshold)に指定した。つまり、BCT score(BS)が、22.13767以上の場合、遠隔転移の高危険群、22.13767未満の場合、遠隔転移の低危険群に分類できるのである。
<5-2>Scaled計算式の導出
前記実施例<5-1>の計算式を、より直観的な数値で表現するために、線形変換(linear transformation)によってBCT scoreに変換し、計算式は次のとおりである。
[BCT score(BS)計算式]
BCT score=0 if 0.8*U-BS-13.71<0
BCT score=0.84*U-BS+26.1 if 0≦0.8*U-BS-13.71≦10
BCT score=10 if 0.8*U-BS-13.71>10
前記計算式でBCT scoreの値が0より少なければ、0に置換され、10より大きい場合10に変換される。BCT scoreが大きくなるにつれて、10年以内のがんの再発、転移又は転移性再発の確率は大きくなる。
前記計算式によってBCT scoreを算出し、その分布を確認し、これに対する結果を図2に示した。図3に示したように、BCT scoreで患者を遠隔転移の発生について高危険群と低危険群を分類する閾値は4に設定(敏感度と特異度の合計が最大となる地点)した。つまり、BCT scoreが4以上である場合には、再発、転移又は転移性再発高危険群と、4未満なら、低危険群に分類できる。
<実施例6>
予後予測性能評価
<6-1>アルゴリズム算出試験群と検証試験群による性能評価
前記<実施例5>の計算式によって分類した高危険群は、低危険群より高い確率で再発、転移又は転移性再発が発生することを意味する。アルゴリズム算出試験群(discovery set)とアルゴリズム検証試験群(validation set)生存分析を通じた遠隔転移性再発確率を推定した結果を図3に示した。
図3に示した通り、アルゴリズム算出試験群とアルゴリズム検出試験群で、BCT score基盤の、低危険群の10年無遠隔転移の確率はそれぞれ97.82%、96.47%であり、高危険群の10年無遠隔転移の確率は61.07%、76.31%で、両試験群ともに、10年以内の遠隔転移性再発の確率に統計的に有意な差があることを確認した(p-values<0.001、log-rank test)。
<6-2>単変量及び多変量Cox相対危険モデルを使用したBCT scoreの予後予測に対する統計的有意性検証
BCT scoreの遠隔転移の予測に対する統計的有意性を検証するために、Cox相対危険分析を使用し、臨床情報及び臨床情報基盤の予後評価モデルより、有意性をもっているかを分析した。
アルゴリズム算出試験群及び検証試験群で多変量Cox相対危険分析をした結果、BCT Scoreは、予後の指標として使われる一般的な臨床情報より遠隔転移の予測に統計的に有意な指標であることが確認された(p-values<0.05)。これと同様に、BCT Scoreは、臨床情報を基盤とする予後モデルより、統計的に有意な指標であることが、多変量Cox相対リスク分析を通じて確認できた(p-values<0.05)。
<6-3>C-indexを使ったBCT scoreの予後予測力評価
C-indexは0.5から1までの値を持ち、0.5に近いほど予後予測力は落ち、1に近いほど高い予後予測力を持つ。BCT scoreの予後予測力を評価するために臨床情報基盤モデルとC-index比較評価を行った。
同じ患者群を対象にBCT score及び他の臨床情報基盤モデルのc-indexを比較した結果、BCT scoreが最も高いc-index値を見せることが分かった。これは他の予後予測モデルよりBCT scoreが高い予後予測力を持っていることを意味する(図4)。
本発明は、乳がんの予後と有意な相関性を示す2種類の遺伝子を利用した乳がんの予後の予測方法に関するものであり、本発明の方法を使用して、乳がん患者の今後の転移、再発又は転移性再発するかどうかの予後をより正確に予測することができる効果があり、特に予後が非常に不良なHER2型乳がんの予後の予測が非常に優れており、今後、乳がん治療のあり方についての情報を提示する目的で有用に使うことができ、産業上利用可能性が非常に優れている。

Claims (18)

  1. 乳がん患者の予後の予測に必要な情報を提供するための乳がんの予後の予測方法であって、下記段階:
    (a)乳がん患者から得た生物学的試料からUBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)及びMKI67(Marker of proliferation Ki-67)からなる群から選択される一つ以上の増殖関連遺伝子及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)免疫関連遺伝子のmRNA発現レベルを測定する段階;
    (b)前記(a)段階で測定されたmRNAの発現レベルを標準化する段階;及び
    (c)前記(b)段階で標準化された一つ以上の増殖関連遺伝子及び免疫関連遺伝子の組み合わせにより乳がん患者の予後を予測する段階であって、前記増殖関連遺伝子が過発現した場合、予後が悪いものとして、及び前記免疫関連遺伝子が過発現した場合、予後が良いものとして予測する段階
    を含む、方法。
  2. 前記乳がんの予後は、再発、転移及び転移性再発からなる群から選択される一つ以上であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記乳がんは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、又はエストロゲン受容体及びプロゲステロン受容体が陽性でありながら、HER2が陰性である乳がんであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記乳がんは、がん転移分類(Tumor Node Metastasis: TNM)システムによって、0期又は1期に分類される初期乳がんであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記(a)段階以降に、腫瘍の大きさ、及びpN-ステージを評価する段階をさらに含み、前記(c)段階において、腫瘍の大きさが大きいほど、及びpN-ステージが高いほど、予後が悪いものと予後予測の値を計算することを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記標準化は、CTBP1(C-terminal-binding protein 1)、CUL1(cullin 1)及びUBQLN1(Ubiquilin-1)からなる群から選択される一つ以上の標準遺伝子の平均発現量に対する比を算出することによって行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 前記試料は、患者のがん細胞を含む組織のホルマリン固定パラフィン包埋(formalin-fixed paraffin-embedded、FFPE)試料、新鮮組織(fresh tissue)及び凍結組織からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 前記遺伝子の発現量を測定するための方法は、マイクロアレイ、PCR(polymerase chain reaction)、RT-PCR、定量RT-PCR(qRT-PCR)、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(real-time PCR)、ノーザンブロット(northern blot)、DNAチップ及びRNAチップからなる群から選択されるいずれか一つの方法であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 乳がん患者の予後の予測に必要な情報を提供するための乳がんの予後の予測方法であって、下記段階:
    (a)乳がん患者から得た生物学的試料から、UBE2C(Ubiquitin-conjugating enzyme E2C)、TOP2A(Topoisomerase 2 alpha)、RRM2(ribonucleotide reductase M2)、FOXM1(Forkhead box M1)、MKI67(Marker of proliferation Ki-67)、及びBTN3A2(Butyrophilin subfamily 3 member A2)のmRNA発現レベルを測定する段階;
    (b)前記遺伝子のmRNA発現水準を標準化する段階;
    (c)前記の乳がん患者の腫瘍の大きさ及びpN-ステージを評価する段階;
    (d)前記(b)段階における標準化の値、並びに前記(c)段階での腫瘍の大きさ及びpN-ステージを、下記[式1]と[式2]に代入して数値を計算する段階:
    [式1]
    Unscaled BCT score(U-BS)=a*△Ct_UBE2C+b*△Ct_TOP2A+c*△Ct_RRM2+ d*△Ct_FOXM1+e*△Ct_MKI67+f*△Ct_BTN3A2+g*Tumor_size(cm)+h*pN(0 or 1)
    [式2]
    BCT score=0 if 0.8*Unscaled BCT score(U-BS)-13.71<0
    BCT score=0.84*U-BS+26.1 if 0≦0.8*U-BS-13.71≦10
    BCT score=10 if 0.8*U-BS-13.71>10
    (予後遺伝子の値は、標準遺伝子を用いて計算された標準化されたmRNA発現値であり、Tumor_sizeは腫瘍の長軸の長さ、pNはリンパ節転移の病理学的判断によって判定される値を示す。
    前記aは0.16乃至1.09、bは0乃至0.71、cは0乃至0.53、dは0乃至0.57、eは0乃至0.35、fは-1.02乃至0、gは0.25乃至1.52及びhは0.19乃至2.25である。);及び
    (e)前記(d)段階で計算された数値が大きいほど予後が悪いものと予後予測する段階を含む、方法。
  10. 前記(d)段階での数値が4以上の場合、予後が悪いものと、4未満の場合、予後が良いものと予測することを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤を含む、乳がん患者の予後の予測用組成物。
  12. 前記組成物は、CTBP1、CUL1及びUBQLN1遺伝子の発現量を測定する製剤をさらに含むことを特徴とする請求項11記載の組成物。
  13. 前記発現量を測定する製剤は、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子に特異的に結合するプライマー対であることを特徴とする請求項12記載の組成物。
  14. 前記プライマー対は、配列番号1乃至12の配列からなることを特徴とする請求項13記載の組成物。
  15. UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤を含む乳がん患者の予後の予測用キット。
  16. 前記キットは、CTBP1、CUL1及びUBQLN1遺伝子の発現量を測定する製剤をさらに含むことを特徴とする請求項15記載のキット。
  17. 乳がん患者の予後の予測用製剤を製造するための、UBE2C、TOP2A、RRM2、FOXM1、MKI67及びBTN3A2遺伝子の発現量を測定する製剤の使用。
  18. 前記発現量を測定する製剤は、CTBP1、CUL1及びUBQLN1遺伝子の発現量を測定する製剤をさらに含むことを特徴とする請求項17記載の製剤の使用。
JP2019527493A 2016-11-25 2017-11-27 乳がん患者の予後の予測方法 Active JP7228896B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2016-0158466 2016-11-25
KR1020160158466A KR101896545B1 (ko) 2016-11-25 2016-11-25 유방암 환자의 예후 예측 방법
PCT/KR2017/013602 WO2018097678A1 (ko) 2016-11-25 2017-11-27 유방암 환자의 예후 예측 방법

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020500515A true JP2020500515A (ja) 2020-01-16
JP2020500515A5 JP2020500515A5 (ja) 2021-01-14
JP7228896B2 JP7228896B2 (ja) 2023-02-27

Family

ID=62195317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019527493A Active JP7228896B2 (ja) 2016-11-25 2017-11-27 乳がん患者の予後の予測方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US11220716B2 (ja)
EP (1) EP3524689B1 (ja)
JP (1) JP7228896B2 (ja)
KR (1) KR101896545B1 (ja)
CN (2) CN110023513A (ja)
ES (1) ES2962775T3 (ja)
WO (1) WO2018097678A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022141708A (ja) * 2016-11-23 2022-09-29 ジェンキュリクス インク 乳がん患者の化学治療の有用性を予測する方法

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020064966A1 (en) * 2018-09-27 2020-04-02 Biontech Diagnostics Gmbh Predictive and prognostic methods in breast cancer
US20200381121A1 (en) * 2019-05-29 2020-12-03 New York University System and method for tumor characterization
CN110938698A (zh) * 2019-12-27 2020-03-31 南京医科大学 Sox9在预测三阴性乳腺癌对CDK7抑制剂THZ1敏感性中的应用
EP3907301A1 (en) * 2020-05-08 2021-11-10 Istituto Europeo di Oncologia S.r.l. Methods and kits for determining the risk of breast cancer recurrence
KR102422610B1 (ko) * 2020-05-12 2022-07-18 서울대학교 산학협력단 초기 유방암 환자의 예후 예측 방법
CN113355419B (zh) * 2021-06-28 2022-02-18 广州中医药大学(广州中医药研究院) 一种乳腺癌预后风险预测标志组合物及应用
KR20230043290A (ko) 2021-09-23 2023-03-31 사회복지법인 삼성생명공익재단 유방 재건술 예후를 예측하기 위한 정보의 제공 방법 및 시스템
CN113981081A (zh) * 2021-10-22 2022-01-28 中山大学 一种基于rna编辑水平的乳腺癌分子标志物及诊断模型
CN113862363A (zh) * 2021-10-27 2021-12-31 中山大学附属第一医院 免疫相关基因在乳腺癌预后的试剂盒和系统中的应用
KR20230120188A (ko) 2022-02-07 2023-08-17 사회복지법인 삼성생명공익재단 유방 재건술 예후를 예측하기 위한 정보의 제공 방법 및 시스템
KR20230119540A (ko) 2022-02-07 2023-08-16 사회복지법인 삼성생명공익재단 유방 재건술의 예후를 예측하기 위한 정보의 제공 방법 및 시스템
KR20230119542A (ko) 2022-02-07 2023-08-16 사회복지법인 삼성생명공익재단 유방 재건술 예후를 예측하기 위한 정보의 제공 방법 및 시스템
KR20230119541A (ko) 2022-02-07 2023-08-16 사회복지법인 삼성생명공익재단 유방 재건술 예후를 예측하기 위한 정보의 제공 방법 및 시스템
CN117589991B (zh) * 2024-01-18 2024-03-29 天津云检医学检验所有限公司 一种用于乳腺癌患者her2表达状态鉴定的生物标志物、模型、试剂盒及用途

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011526487A (ja) * 2008-07-02 2011-10-13 セントロ・デ・インベステイガイシオネス・エネルゲテイカス,メデイオアムビエンタレス・イ・テクノロヒカス・(セ.イ.エ.エメ.ア.テ.) 乳癌のゲノムフィンガープリント
JP2013523105A (ja) * 2010-03-31 2013-06-17 ジヴィドン ダイアグノスティックス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 内分泌治療下における乳癌再発を予測するための方法
KR20140125647A (ko) * 2013-04-19 2014-10-29 주식회사 젠큐릭스 조기 유방암 예후 예측 진단용 자동화 시스템
JP2016516426A (ja) * 2013-04-18 2016-06-09 ジェンキュリクス インクGencurix Inc. 早期乳癌の予後予測診断用遺伝子マーカーおよびその用途

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101287600B1 (ko) * 2011-01-04 2013-07-18 주식회사 젠큐릭스 초기유방암의 예후 예측용 유전자 및 이를 이용한 초기유방암의 예후예측 방법
US10655187B2 (en) * 2013-04-18 2020-05-19 Gencurix Inc. Genetic marker for early breast cancer prognosis prediction and diagnosis, and use thereof

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011526487A (ja) * 2008-07-02 2011-10-13 セントロ・デ・インベステイガイシオネス・エネルゲテイカス,メデイオアムビエンタレス・イ・テクノロヒカス・(セ.イ.エ.エメ.ア.テ.) 乳癌のゲノムフィンガープリント
JP2013523105A (ja) * 2010-03-31 2013-06-17 ジヴィドン ダイアグノスティックス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 内分泌治療下における乳癌再発を予測するための方法
JP2016516426A (ja) * 2013-04-18 2016-06-09 ジェンキュリクス インクGencurix Inc. 早期乳癌の予後予測診断用遺伝子マーカーおよびその用途
KR20140125647A (ko) * 2013-04-19 2014-10-29 주식회사 젠큐릭스 조기 유방암 예후 예측 진단용 자동화 시스템

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
武田薬品工業株式会社, "乳がんの病期分類(TNM分類)|今すぐ知りたい!乳がん", [ONLINE], 2016.03., JPN6021038164, ISSN: 0004823384 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022141708A (ja) * 2016-11-23 2022-09-29 ジェンキュリクス インク 乳がん患者の化学治療の有用性を予測する方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR101896545B1 (ko) 2018-09-07
EP3524689B1 (en) 2023-09-06
CN110023513A (zh) 2019-07-16
EP3524689A4 (en) 2020-05-27
US11220716B2 (en) 2022-01-11
EP3524689A1 (en) 2019-08-14
JP7228896B2 (ja) 2023-02-27
ES2962775T3 (es) 2024-03-21
WO2018097678A1 (ko) 2018-05-31
CN116356030A (zh) 2023-06-30
EP3524689C0 (en) 2023-09-06
KR20180059192A (ko) 2018-06-04
US20180216199A1 (en) 2018-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7228896B2 (ja) 乳がん患者の予後の予測方法
JP7042784B2 (ja) 遺伝子発現を用いた前立腺癌の予後を定量化する方法
JP7430415B2 (ja) 乳がん患者の化学治療の有用性を予測する方法
JP6351112B2 (ja) 前立腺癌の予後を定量化するための遺伝子発現プロフィールアルゴリズムおよび試験
KR101672531B1 (ko) 조기 유방암 예후 예측 진단용 유전자 마커 및 이의 용도
JP2019527544A (ja) 分子マーカー、参照遺伝子、及びその応用、検出キット、並びに検出モデルの構築方法
US20140154681A1 (en) Methods to Predict Breast Cancer Outcome
DK3141617T3 (en) PROCEDURE FOR PREVENTING THE CANCER OF A CANCER ON A PATIENT BY ANALYZING GENEPRESSION
US11840733B2 (en) Method for predicting prognosis of breast cancer patient
WO2013079188A1 (en) Methods for the diagnosis, the determination of the grade of a solid tumor and the prognosis of a subject suffering from cancer
Wang et al. A high-throughput method to detect RNA profiling by integration of RT-MLPA with next generation sequencing technology
JP5963748B2 (ja) 中枢神経原発悪性リンパ腫患者の予後予測方法、キット及び使用
KR20210127519A (ko) 진행성 유방암 환자의 예후 예측 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20190729

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A801

Effective date: 20190729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211224

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220405

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221110

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20221110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20221111

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20221201

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20221206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7228896

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150