JP2011513456A - N−カルボン酸無水物(unca)を使用するペプチド合成方法 - Google Patents

N−カルボン酸無水物(unca)を使用するペプチド合成方法 Download PDF

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Abstract

遊離アミノ酸または遊離ペプチドとウレタン保護アミノ酸N−カルボン酸無水物(UNCA)溶液とを反応させる少なくとも1つの工程を含む、ペプチドまたはペプチド誘導体の調製方法。

Description

本発明は、ペプチドまたはペプチド誘導体の合成方法に関する。
合成ペプチドは、特に医薬品中の活性成分として大規模に適用される。
ペプチド合成は、一般に、使用前に保護されしかも活性化されているアミノ酸の使用を必要とする。このストラテジーは、最も簡単なものでもなく最も経済的なものでもない。
任意選択で保護されるアミノ酸N−カルボン酸無水物(以下ではNCAまたはロイヒ(Leuch)無水物と称する)は、従来のペプチドカップリングの有利な代替手段である。一般にアミノ酸のホスゲン化により得られるNCAは、非常に反応性のある化合物であって、二次生成物を特に再配列によって形成しない化合物であり、その唯一の反応副生成物は二酸化炭素である。ウレタン基で置換されているアミノ酸N−カルボン酸無水物(UNCA)は、文献に、特にペプチド合成の分野において記載されている。
100種超のUNCA誘導体が、これまで記載されている(例えば、ウィリアムD.フラー(William D. Fuller)ら、J. Am. Chem. Soc.、1990、112、7414〜7416と、ウィリアムD.フラーら、Urethane−protected alpha−amino acid N−carboxyanhydrides and peptide synthesis、バイオポリマーズ(Biopolymers)、1996、40、183〜205とを参照されたい)。第1級アミン官能基を有するアミノ酸のみがその対応するUNCA誘導体に転化し得ることは注目すべきである。
ウィリアムD.フラーらは、(Urethane−protected alpha−amino acid N−carboxyanhydrides and peptide synthesis、バイオポリマーズ、1996、40、183〜205において)固相と液相の双方でのペプチド合成におけるUNCAの種々の適用を概説し、UNCAの使用に関連する利点および欠点について解説した。
著者のジュ(Zhu)およびフラーは、エステル保護またはアミド保護されたカルボキシル官能基を有するジペプチド断片からのトリペプチドの迅速合成について記載している(テトラへドロンレターズ(Tetrahedron Letters)、Vol.36、No.6、807〜810、1995)。
本発明の目的は特に、高純度、とりわけ高光学純度を有するペプチドまたはペプチド誘導体を合成するための効率的で迅速かつ経済的な方法であって、産業で容易に使用できる方法を提供することである。特に、本発明による方法は、ジペプチド、トリペプチドまたはテトラペプチドなどの短ペプチドの大規模合成を行うことを可能にする。
本出願人は、意外なことに、本発明による方法が、以前使用されていた、カルボキシル官能基上で保護されたアミノ酸またはペプチドの代わりに、遊離アミノ酸または遊離ペプチドを使用して、光学的に純粋なペプチドを高収率で得るのを可能にすることを見出した。さらには、この方法を使用して得られたペプチドまたはペプチド誘導体は、一般に精製を必要としないか、または相当少なくみても容易に精製できる。
したがって、本発明は、遊離アミノ酸または遊離ペプチドとウレタン保護アミノ酸N−カルボン酸無水物(UNCA)溶液とを反応させる少なくとも1つの工程を含む、ペプチドまたはペプチド誘導体の調製方法に関する。
表現「アミノ酸」は、本発明の場合、NH2アミン基であることが好ましい少なくとも1つのNR12基と、少なくとも1つのカルボキシル基と、を含む任意の化合物を意味することが理解される。本発明のアミノ酸は、天然または合成起源のものであり得る。グリシンは別として、天然アミノ酸は、キラル炭素原子を含有する。本発明に使用されるアミノ酸は、鏡像異性的に純粋な(enantiopure)アミノ酸であることが好ましい。表現「鏡像異性的に純粋なアミノ酸」は、1つの鏡像異性体から主になるキラルアミノ酸を意味することが理解される。鏡像体過剰率(ee)は、x1>x2としてee(%)=100(x1−x2)/(x1+x2)と定義され、x1およびx2はそれぞれ混合物中の鏡像異性体1または2の含量を表す。天然または非天然のアミノ酸を使用することが可能である。アミノ酸は、DまたはL配置を有し得る。使用し得るある種のアミノ酸の残基は、以下の3文字表記:アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン酸(Asp)、アスパラギン(Asn)、システイン(Cys)、グルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リシン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、およびバリン(Val)に準じて省略される。本発明による方法では、求核側鎖を有するアミノ酸は、その使用前に側鎖において有利に保護される。
表現「保護基」は、それが結合している原子または基、例えば酸素または窒素原子が合成中に望ましくない反応に関与するのを防止する、任意の種類の基を意味することが理解される。保護基には、側鎖保護基と、普通、アミン保護基および酸保護基と称されるC−またはN−末端を保護する基と、が挙げられる。
アミン保護基の非限定例として、ベンゾイル(Bz)、アセチル(Ac)、トリフルオロアセチル(Tfa)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、p−クロロベンジルオキシカルボニル(2ClZ)、p−ブロモベンジルオキシカルボニル(2BrZ)、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、または2−ニトロベンゼンスルホニルの基を特に挙げることができる。
酸保護基の非限定例として、メトキシメチル、メチルチオメチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−ハロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、t−ブチル、アリール、アルキル、アラルキル、アリル、ベンジル、トリフェニルメチル(トリチル)、ベンズヒドリル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、およびトリメチルシリルエーテル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、またはイソプロピルジメチルシリルなどのトリアルキルシリル基などの、アルキル、アリール、アラルキルまたはシリルの種類の基を挙げることができる。
本発明の場合、用語「ペプチド」は、そのモノマーがアミド型共有結合により共に結合されているアミノ酸であるポリマーを指す。
ペプチド誘導体は、1つまたは複数の原子が置換または付加された、元のペプチドに類似する化合物を示す。ペプチド誘導体の典型例は、側基が活性化もしくは保護されたペプチド、末端基が活性化もしくは保護されたペプチド、環状型のペプチド、または環状アミノ酸を含むペプチドから選択することができる。ペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含む。ペプチド鎖中のアミノ酸の数は、3以上であることが好ましい。ペプチド鎖は、しばしば、100以下のアミノ酸を含む。ペプチド鎖中のアミノ酸の数は、20以下であることが好ましい。ペプチド鎖中のアミノ酸の数は、15以下であることが特に好ましい。本発明による方法は、ジペプチド、トリペプチド、およびテトラペプチドの合成、とりわけ大規模の合成に特に適する。この方法はさらに、例えばペンタペプチド、ヘキサペプチド、またはヘプタペプチドを作製するのに有利である。
加えて、すべてのペプチド配列は、配向が通常の方向にある、左から右までに及ぶ、すなわちアミン末端からカルボキシル末端までに及ぶ式によって表される。
本発明による方法は、高度のジアステレオマー純度を示すペプチドおよびペプチド誘導体の合成に特に適することが見出された。
本発明による方法において得られるペプチドおよびペプチド誘導体が一般に示す、所望のジアステレオマー重量含有率として定義されるジアステレオマー純度は、98%以上である。しばしば、ジアステレオマー純度は99%以上である。ジアステレオマー純度は、99.5%以上であることが好ましい。ジアステレオマー純度は、99.9%以上であることが特に好ましい。
したがって、本発明による方法は、UNCA形態の1つのアミノ酸と、もう一つの遊離アミノ酸または遊離ペプチドとのカップリングを可能にする。
本発明の場合、用語「カップリング」は、特に、アミノ酸のカルボキシル基またはペプチドのC末端のカルボキシル基と、もう一つのアミノ酸のアミノ基または第二のペプチドのN末端との反応を指す。
本発明の場合、用語「C末端」は、カルボキシル(−COOH)基により終端されているペプチドのアミノ酸鎖の末端または末端を示す。加えて、用語「N末端」は、アミノ(−NH2)基により終端されているペプチドのアミノ酸鎖の終端部または末端を指す。本発明の場合、遊離アミノ酸または遊離ペプチドは、−COOHの形態である少なくとも1つのカルボキシル基、適当な場合C末端基、を有するアミノ酸またはペプチドを示す。より特には、遊離アミノ酸または遊離ペプチドでは、アミノ基、適当な場合N末端基は、−NH2の形態である。さらにより特には、「遊離アミノ酸」または「遊離ペプチド」は、非保護アミノ酸または非保護ペプチドを示す。遊離のアミノ酸またはペプチドの内部塩も、適当な場合、この定義に含まれることが理解される。
本発明の文脈では、略語「NCA」はアミノ酸N−カルボン酸無水物を示し、「UNCA」はウレタン保護アミノ酸N−カルボン酸無水物を示す。
本発明による方法では、遊離アミノ酸または遊離ペプチドと反応するウレタン保護アミノ酸N−カルボン酸無水物(UNCA)溶液は、一般に、UNCAを適切な溶媒中に溶解することによって得られる。
本発明による方法に使用されるUNCAは、Boc、FmocまたはZの基を含むUNCAであることが好ましい。UNCAは、Boc基を含むことがより特に好ましい。
保護UNCAが使用される際に得られる保護ペプチドは、脱保護されていてもよく、所望によっては、本発明による方法に従って特に行われる後続のペプチド合成工程用の出発生成物として使用されてもよい。
本発明による方法では、遊離アミノ酸または遊離ペプチドが少なくとも部分的に可溶性である溶媒中で、遊離アミノ酸または遊離ペプチドとUNCA溶液とを反応させることが有利である。したがって、固体形態の遊離アミノ酸または固体形態の遊離ペプチドを、UNCA溶液と接触させてもよい。
本発明による方法では、溶媒は、遊離アミノ酸または遊離ペプチドが、反応を開始するために溶媒中で十分な溶解性を有するように選択されることが好ましい。溶液中に存在するUNCAの、カップリング生成物への転化が、24時間以下の反応時間内で少なくとも50%達成されるのを可能にする溶媒が好ましい。より特には、溶媒は、12時間以下または6時間以下でさえもの反応時間内でこの転化が達成されるのを可能にする。
より特には、溶媒は、とりわけ、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ホルムアミドおよびスルホラン(sulpholane)、テトラヒドロフラン(THF)、ならびにアセトニトリルから選択され得る非プロトン性極性溶媒である。優れた結果は、ジメチルスルホキシドを使用して得られる。
溶媒として、イオン液体、例えばアルキル化イミダゾールの液体塩を使用することも可能である。
本発明による方法では、反応は、一般に液体媒体中で行われる。この媒体は、均質であり得る。しばしば、反応媒体は、とりわけ初期では非均質であり、例えばUNCA溶液中の遊離アミノ酸または遊離ペプチドの懸濁物であり得る。反応媒体は、UNCA溶液中に浸漬される遊離アミノ酸または遊離ペプチドからなる固形物質からなってもよい。
液体媒体は、実質的に無水であることが好ましい。一般に、液体媒体中の水分含量は液体媒体1kg当たり最大で水1000mgに維持される。しばしば、この含量は液体媒体1kg当たり最大で水500mgである。この含量は液体媒体1kg当たり最大で水250mgであることが好ましい。しばしば、液体媒体中の水分含量は、液体媒体1kg当たり水10mg以上または液体媒体1kg当たり水50mg以上さえもある。
本方法によって遊離アミノ酸とUNCA溶液とを反応させる場合、鏡像異性的に純粋な遊離アミノ酸、すなわち1つの鏡像異性体から主になるキラルアミノ酸がしばしば使用され、その鏡像体過剰率は99%以上である。99.5%以上の鏡像体過剰率を有する鏡像異性的に純粋なアミノ酸は、好ましい。99.9%以上の鏡像体過剰率を有する鏡像異性的に純粋なアミノ酸が使用されることは、特に好ましい。
本方法によって遊離ペプチドとUNCA溶液とを反応させる場合、98%以上のジアステレオ純度を特徴とするジアステレオ純粋な(diastereomerically pure)遊離ペプチドが一般に使用される。しばしば、ジアステレオ純度は99%以上である。ジアステレオ純度は、99.5%以上であることが好ましい。ジアステレオ純度は、99.9%以上であることが特に好ましい。
本発明による方法では、遊離アミノ酸または遊離ペプチドがUNCAに対して化学量論的に若干過剰にあるような比率で、遊離アミノ酸または遊離ペプチドとUNCA溶液とを有利に反応させる。一般には、1〜1.5当量の遊離アミノ酸または遊離ペプチドが使用される。使用される遊離アミノ酸または遊離ペプチドの量は、約1.1当量以上であることが好ましい。
本発明による方法では、15℃〜90℃の温度で遊離アミノ酸または遊離ペプチドとUNCA溶液とを有利に反応させる。しばしば、20℃以上の温度で反応が行われる。温度は、30℃以上であることが好ましい。しばしば、80℃以下の温度で反応が行われる。温度は、60℃以下であることが好ましい。
本発明による方法により得られるペプチドおよびペプチド誘導体が一般に示す、所望のジアステレオマー重量含有率として定義されるジアステレオマー純度は、98%以上である。しばしば、ジアステレオマー純度は99%以上である。ジアステレオマー純度は、99.5%以上であることが好ましい。ジアステレオマー純度は、99.9%以上であることが特に好ましい。
圧力は、一般に、反応媒体、特にUNCA溶液を液体状態に保持するように選択される。
一実施形態によれば、大気圧(約101.3kPa)および大気圧より高い圧力は、特に適切である。
別の実施形態によれば、大気圧未満の圧力が使用される。しばしば、この実施形態では、圧力は400mbar(40kPa)以上である。しばしば、圧力は500mbar(50kPa)以下である。
大気圧(約101.3kPa)およびとりわけ大気圧未満の圧力は、反応により形成される二酸化炭素を排除するのに特に適する。
本発明による方法では、0.5〜10時間に及び得る反応時間にわたって、遊離アミノ酸または遊離ペプチドとUNCA溶液とを有利に反応させる。一般には、この時間は1〜3時間である。
反応の終了時に、未反応の遊離アミノ酸または未反応の遊離ペプチドは、一般に、固液分離操作、例えば遠心分離によって、または好ましくはろ過によって回収することができる。必要ならば、この実施形態では、反応媒体中に存在する溶媒または溶媒の混合物より極性の低い第二の有機溶媒で反応媒体を希釈することが有利となり得る。適切な第二の溶媒の例として、アルキルエステル、例えば酢酸エチル、または好ましくは酢酸イソプロピルを挙げることができる。
必要ならば、遊離アミノ酸または遊離ペプチドの回収後、反応媒体は一般に水で処理され、得られるペプチドまたはペプチド誘導体は抽出により回収することができる。
作製されるペプチドは、例えば、適切な沈殿用溶媒、典型的にはシクロヘキサン、石油エーテルおよびn−ヘプタンから特に選択されるアルカン中での沈殿により単離することができる。アンモニウム塩、例えばDCHA(ジシクロヘキシルアミン)またはCHA(シクロヘキシルアミン)の塩の形成によって、作製されるペプチドを単離することもできる。
本発明による方法は、典型的に80%超である収率でペプチドおよびペプチド誘導体を得ることを可能にする。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しているが、本発明を限定するものではない。
実施例1:Boc−Ile−Leu−OHの合成
45mlのDMSO、さらには6.30g(1.2当量)のH−Leu−OHを、懸濁物を得るために250mlの丸底フラスコ中に導入した。反応媒体を60℃にしてから10.29g(1.0当量)のBoc−Ile UNCAをそれに添加した。2時間反応させた後、反応媒体からの試料をHPLCで分析した。反応媒体を、周囲温度に冷却してから360mlの酢酸イソプロピルで希釈した。
0.1当量のジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)を添加し、約10分間反応媒体を周囲温度で撹拌した。
次いで、有機相を連続的に:
1.0当量のKHSO4(5.45g)を含有する300mlの5%NaCl水溶液、
300mlの5%NaCl水溶液、および
300mlの脱塩水
で洗浄した。
有機相を蒸発により濃縮し、酢酸イソプロピルで共沸乾燥操作を行った(全部で300ml)。冷却の過程で、ジペプチドは結晶化し始めた。これを150mlのシクロヘキサンで希釈し、蒸発を続けた。懸濁物を、0±5℃に冷却した。ろ過し、得られた固体を70mlのシクロヘキサンで洗浄し、乾燥した後、12.8gの所望のペプチドを得た。
(NMRに基づく)収率=93%。
実施例2〜6
一連の化合物を、実施例1に類似する方法に従って合成した。以下の表は、Boc−Ile UNCAに関して行われる一連の試験について得られた結果を概略する。
Figure 2011513456

Claims (13)

  1. 遊離アミノ酸または遊離ペプチドとウレタン保護アミノ酸N−カルボン酸無水物(UNCA)溶液とを反応させる少なくとも1つの工程を含む、ペプチドまたはペプチド誘導体の調製方法。
  2. 前記遊離アミノ酸または前記遊離ペプチドが少なくとも部分的に可溶性である溶媒中で、前記遊離アミノ酸または前記遊離ペプチドと前記UNCA溶液とを反応させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶媒が、前記遊離アミノ酸または前記遊離ペプチドがその溶媒において溶解性を有する溶媒であって、それによって、前記溶液中に存在するUNCAの、カップリング生成物への転化が24時間以下の反応時間内で少なくとも50%達成され得る溶媒である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記溶媒が非プロトン性極性溶媒である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ホルムアミドおよびスルホラン、テトラヒドロフラン(THF)、ならびにアセトニトリルから選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記溶媒がDMSOである、請求項5に記載の方法。
  7. 15〜90℃の温度で前記遊離アミノ酸または前記遊離ペプチドと前記UNCA溶液とを反応させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記UNCAがBoc、FmocまたはZの基を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 形成された二酸化炭素が取り除かれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記遊離アミノ酸または前記遊離ペプチドが固体形態で使用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記反応媒体が前記UNCA溶液中の遊離アミノ酸または遊離ペプチドの懸濁物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 未反応の遊離アミノ酸または遊離ペプチドが前記反応の終了時に固液分離操作によって回収される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記固液分離の前に、前記反応媒体が、前記反応媒体中に存在する溶媒または溶媒の混合物より極性の低い第二の有機溶媒で希釈される、請求項12に記載の方法。
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