JP2011513358A - [フェニルスルファニルフェニル]ピペリジンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

N−ピペリジン保護基としてのベンジルの使用を含む、置換(未置換)フェニルスルファニルフェニル−ピペリジンの製造方法が開示される。

Description

本発明は[フェニルスルファニルフェニル]ピペリジンおよびその塩の製造方法に関する。
特許文献1および特許文献2として公開された国際特許出願は、4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]−ピペリジンの化合物がセロトニンおよびノルアドレナリン再取り込みの阻害、セロトニン受容体2Aおよび3ならびにアドレナリン受容体α1Aの阻害を含む薬理プロファイルを有すること、および前記化合物およびその塩が、うつ病、不安および疼痛のような適応の範囲の治療に有用であり得ることを開示している。従って、簡単、安価であり、そして高い収率を提供する前記化合物の製造方法に対する必要性が存在する。
特許文献1は、tert−ブトキシカルボニル保護ピペリジン−4−オールをオキサレートに変換し、その後BuSnHで還元することによって、脱保護後に所望の化合物を提供する方法を開示している。
特許文献2は、エトキシカルボニル保護ピペリジン−4−オールが2−(4−トリルスルファニル)−フェニルブロミドをN−カルボエトキシ−4−ピペリドンと反応させることによって得られる方法であって、生成物をSiEtH/TFAで還元することによって脱保護後に所望の化合物を提供する方法を開示している。エトキシカルボニル保護ピペリジン−4−オールを得る工程段階は非常に低い温度、すなわち−40℃で行われ、還元された中間体は容易に結晶化しないため単離するのが難しい。
特許文献3は、N保護ピペリジン−4−オールをSiEtH/TFAで還元する方法を開示している。
国際公開第2003/029232号 国際公開第2007/144006号 国際公開第01/46147号
本発明者等は驚くべきことに、場合により置換されたベンジルをN−ピペリジン保護基として使用することにより、より高い温度で実施され、より高い全収率をもたらす方法において保護ピペリジン−4−オールが得られること、およびそれが結晶化による中間体のより簡単かつ使いやすい単離および精製を可能とすることを見出した。
従って、1つの実施態様において、本発明は、式II
[式中、R’およびR’’は独立して1、2または3個の水素、ハロゲン、C1−6−アルキルまたはC2−6−アルキレンを表し、Lは脱離基を表す]
で表される化合物を、場合により置換されたN−ベンジル−4−ピペリドン
と、場合によりアルキルリチウム、アルキルマグネシウムまたはマグネシウムから選択されるメタレーション剤(metallation agent)の存在下で反応させ(式中、R’’’は水素または−O−C1−6−アルキルを表す)、式III
で表される化合物を得る方法に関する。
1つの実施態様において、本発明は式I
で表される化合物およびその酸付加塩の製造方法であって、式II
で表される化合物を、場合により置換されたN−ベンジル−4−ピペリドン
と、場合によりアルキルリチウム、アルキルマグネシウムまたはマグネシウムから選択されるメタレーション剤の存在下で反応させ、式III
で表される化合物を得る段階を含む、製造方法に関する。
図1は1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン、HCl、α型のX線回折パターン(XRDP)を示す。 図2は 1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン、HCl、β型のXRDPを示す。 図3は1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン、HCl、α型の示差走査熱量測定(DSC)を示す。 図4は1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン、HCl、β型のDSCを示す。
<本発明の詳細な説明>
脱離基(leaving groups)は脱離基(nucleofuges)と呼ばれることもあり、これらは通常、対応する弱塩基〜強塩基である。脱離基の例には、ハロゲン、例えばCl、Br、I、およびアルキルスルホネート、例えば
が含まれる。
特記すべきはBrである。
1つの実施態様において、R’およびR’’は独立して水素またはC1−6−アルキル、例えばメチルである。特に、R’はメチルであり、R’’ は水素であり、そして特にR’は4位におけるメチルである。1つの実施態様において、R’およびR’’ は独立して1つまたは2つ以上の水素またはハロゲン、例えばフルオロを表す。
1つの実施態様において、R’’’は水素またはメトキシであり、そして特に水素である。
1つの実施態様において、メタレーション剤はアルキルリチウム、例えばn−ブチルリチウムまたはtert−ブチルリチウムであり、そして特にn−ブチルリチウムである。
1つの実施態様において、酸付加塩は薬学的に許容可能な塩である。1つの実施態様において、酸付加塩は非毒性な酸の塩である。前記塩には、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、テオフィリン酢酸などの有機酸、ならびに8−ハロテオフィリン、例えば8−ブロモテオフィリンから生成される塩が含まれる。前記塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸などの無機塩から生成されてもよい。特記すべきは臭化水素酸付加塩である。
1つの実施態様において、1当量の化合物IIを、保護雰囲気、例えば窒素において、適当な溶剤、例えば炭化水素もしくはエーテル溶剤、例えばヘプタン、テトラヒドロフラン(THF)またはこれらの混合物に溶解し、約−25℃〜5℃、例えば約−10℃〜約−25℃に冷却する。通常、0.1〜4当量のTHFを使用する。この溶液に、炭化水素のような溶剤、例えばヘプタンに溶解した約1当量のメタレーション剤、例えばn−ブチルリチウムを、温度を0℃未満に維持しながら添加する。約−15℃以下の温度への冷却において、エーテル溶剤のような溶剤、例えばTHFに溶解した場合により置換されたN−ベンジル−4−ピペリドンを、およそ等モル量で、約−15℃未満の温度を維持しながら添加する。添加が完了してすぐに、反応を室温に温めることができる。生成物を適当な溶剤、例えば酢酸エチルおよび約10〜12のpHを有する水性塩基溶液、例えばNaOHを用いる相分離により後処理することができる。溶剤を減圧蒸留(最大温度約50℃)により溶剤を完全にまたは部分的に除去する。生成物の適当な溶剤への溶解、および前記溶剤の例えば減圧蒸留による除去を、例えばTHFを溶剤として使用して繰り返すことができる。蒸留が完了してすぐに、溶剤、例えばTHFを添加し、引き続いて酸、例えば塩化水素ガスを該溶液にバブリングし、生成物(化合物III)を、適当な貧溶媒、例えばジエチルエーテルとの混合により析出させ、回収する。貧溶媒単離/精製の代替として、化合物IIIの結晶を用いる種付けを使用することにより、化合物IIIを析出させることができる。良好な収率を得るためには、相分離に先がけて使用する溶剤を乾燥すべきである。
実施例において示されるように、本発明者等は種々の保護基、すなわちN−ベンジル−4−ピペリドン、N−カルボエトキシ−4−ピペリドン、N−tert−ブトキシ−カルボニル−4−ピペリドンおよびN−ベンゾイル−4−ピペリドンを用いて、そして約−15℃〜−78℃の範囲の温度で上記反応を調べた。以下の表1に得られた収率をまとめる。
このように、N−ベンジル−4−ピペリドンの使用によって、より顕著に高い収率がもたらされ、そしてより顕著に高い温度で反応を行うことが可能となることが明らかである。反応を−40℃で行うためには(−78℃は言うまでもなく)、−15℃と比較して、特殊な装置を必要とし、取り扱いがより難しくなるため、コストが増加する。ベンジルを保護基として使用するもう1つの有利な点は、それによって反応生成物の結晶化を通した、より使いやすい単離および精製が可能となることである。ベンジル保護ピペリジン酸付加塩は容易に結晶化するのに対して、他で保護したピペリジンは結晶化しない。
化合物IIは、無機塩基、例えば、酸化物類、例えばtert−ブトキシド、またはNaCOの存在下において、チオフェノールを適当に置換されたベンゼン、例えば1,2−ジハロゲンベンゼンと反応させることにより製造することができる。
あるいは、化合物IIは、チオフェノールとフェニルハロゲン化物との間のパラジウム触媒反応において得ることができる(Advanced Organic Chemistry (1985) J.March (ed.), 589−590, John Wiley)。例として、4−メチルチオフェノールと2−ヨードブロモベンゼンを上昇させた温度(例えば、80℃より高い(例えば100℃より高い))でPd源および二座ホスフィン配位子の存在下において反応させることができる。Pd源の例にはPdCl, Pd(Oac)およびPddbaが含まれる。ホスフィン配位子の例には、ラセミ2,2’−ビスジフェニルホスファニル−[1,1’]ビナフタレニル(rac−BINAP)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)、ビス−(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル(DPEphos)が含まれる(dbaはジベンジリデンアセトン)。
最終生成物、すなわち化合物(I)またはその酸付加塩を得るために、化合物IIIをさらにアルキルクロロホルメート、例えばエチルクロロホルメートと反応させ、引き続きEtSiH/TFAで還元する。放出されたベンジルクロリドはエタノールアミンとの反応により捕捉することができる。最終段階における酸との反応がN−ピペリジン保護基を除去するために必要である。前記酸の適切な選択により、化合物(I)の所望の酸付加塩が直接得られるであろう。
化合物III(1当量)を過剰の塩基、例えばNaCOと一緒に溶剤、例えばケトン類、アセテート類、塩素化アルキル類または芳香族化合物、例えばアセトンまたはトルエンに懸濁し、2〜3当量のアルキルクロロホルメート、例えばエチルクロロホルメートを添加する。生成物は水および溶剤(例えばトルエンまたはジクロロメタン)を添加する相分離により単離することができ、有機相を単離して、溶剤を完全にまたは部分的に例えば蒸留により除去する。得られた生成物をTFAおよびEtSiH(2〜3当量)の混合物に約−10℃〜約−25℃の温度で添加する。反応が完了した後に、混合物を室温に温めることができ、生成物を水および溶剤(例えばトルエンまたはジクロロメタン)を用いる相分離により単離することができる。溶剤を例えば蒸留により除去した後に、適当な酸、例えばHBrを添加して保護カルボエトキシ基を除去し、そして所望の酸付加塩を1つの単純な段階において得る。
1つの実施態様において、化合物Iは
であり、これは1当量の
をヘプタンおよびTHF(通常、0.1〜3当量のTHF)に約5℃〜約−25℃、例えば約−10℃〜約−25℃、例えば約−15℃の温度で溶解し、n−ブチルリチウム(1〜1.5当量)を温度を0℃未満の温度に維持しながら添加することにより得られる。通常、LはBrである。添加が完了してすぐに、溶液を約−10℃〜約−25℃、例えば約−15℃に冷却し、およそ等モル量のN−ベンジル−4−ピペリドンを温度を維持しながら添加する。添加の完了時に溶液を室温に温めることができる。
反応を水でクエンチし、生成物を適当な溶剤、例えば酢酸エチルを用いる相分離によって単離し、水性相のpHを例えばNaOHによって10〜12に調節する。溶剤を蒸留により除去するかまたは減少させ、新しい溶剤、例えばTHFを添加して、1回または2回以上除去する。新しい溶剤を添加し、塩化水素ガスを該溶液にバブリングすると、化合物
が結晶として、適当な溶剤、例えばジエチルエーテルとの混合の後に析出する。上述のように、結晶を用いる種付けが、貧溶媒の添加による析出の代替である。1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン, HCl が、後述のように多形形態で、すなわち、α型およびβ型で存在する。最も高い融点を有する多形体が最も安定であり、また最小の溶解性である傾向がある。低い溶解性を有する多形体で種付けを行うのが有利であり、これは溶液に残る化合物の量を低下させる、すなわち、収率を改善するからである。最も高い融点を有する多形体、すなわちβ型が、当該溶剤において最も小さい溶解性であることがわかる。
1当量の前記化合物を約2当量の塩基、例えばNaCO、および2〜3、例えば約2.5当量のエチルクロロホルメートと一緒に溶剤、例えばアセトンに懸濁することにより、化合物
を得る。
前記化合物を水および溶剤、例えばトルエンの添加および有機相の回収により後処理する。溶剤を蒸留によって完全にまたは部分的に除去し、得られた残渣をゆっくりと2〜3、例えば約2.5当量のEtSiHとTFAにおいて、約−10℃〜約−25℃、例えば約−15℃の温度で混合する。混合の完了時に反応を室温に温めることができ、化合物
が得られ、該化合物を相分離で後処理する。場合により、該化合物を含む有機相をエタノールアミンと還流し、放出されたベンジルクロリドを捕捉することができる。酢酸におけるHBr(1.5〜4当量、例えば約2当量)を添加することにより最終生成物を得る。場合により、この段階において追加的に生成物の再結晶化を適用することができる。好適な溶剤には、水およびアルコール類、例えばメタノールおよびエタノールが含まれる。
1つの実施態様において、本発明は以下の式
で表される化合物またはその酸付加塩の製造方法を提供し、該方法は、式
で表される化合物をエチルクロロホルメートと反応させて式
で表される化合物を得、該化合物をさらにEtSiHおよびトリフルオロ酢酸と反応させ、引き続き酸と反応させることにより、N−ピペリジン保護基を除去し、そして場合により所望の酸付加塩を得る段階を含む。特に、N−ピペリジン保護基を除去するため、および1つの段階で所望の塩を得るための、酢酸における臭化水素酸との反応により臭化水素酸付加塩を得ることができる。
実施例に示すように、4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン,HBrを製造するための本方法は、50%を超える全収率を有するのに対して、カルボエトキシを保護基として使用する製造方法は、温度に応じて約25%〜45%の収率に達するのみである。50〜60kgの規模において上記反応を用いる実験は、大きい規模において収率の差がより顕著であることを示唆する。
以下の化合物は、[メチルフェニルスルファニルフェニル]ピペリジン、例えば4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]−ピペリジンおよびその酸付加塩の製造において特に有用な中間体であることが示されている。
i)
およびその酸付加塩、および特に1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン
およびその酸付加塩;および
ii)
および特に4−エトキシカルボニルオキシ−4−(2−p−トリルスルファニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル
1つの実施態様において、本発明は化合物i)またはその酸付加塩、あるいは化合物ii)に関する。
1つの実施態様において、本発明は、結晶形態にあり、特におよそ4.36, 7.53, 11.51および14.08にXRPD反射を有する、例えば図1に示されるようなXRPDを有するか(α型)、あるいは、およそ6.59, 8.33, 12.51および13.37にXRPD反射を有する、例えば図2に示されるようなXRPDを有する(β型)、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン,HCl に関する。図3および4に示されるように、α型およびβ型の1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン,HClは、それぞれ約170℃および約216℃の融点を有する。α型はTHFからの結晶化により、β型はアセトンからの結晶化により得ることができる。
本明細書で引用される刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献は参照によってその全体が本明細書に援用され、本明細書中のどこか他のところで成された特定の文書の援用が離れて提供されることに関係なく、あたかもそれぞれの参考文献が参照によって援用されると個々にそして具体的に示され、その全体が本明細書で説明されたかのように同じ程度まで援用される(法律で許される最大範囲まで)。
「a」および「an」および「the」という用語ならびに同様の指示対象の使用は、本発明を説明するという状況では、本明細書において他で指示されない限り、または文脈により明らかに否定されない限りは、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。
他で指示されない限り、本明細書において提供される全ての正確な値は、対応する概略値を代表する(例えば、特定の因子または測定に関して提供される全ての正確な典型的な値は、必要に応じて「約」によって修飾される対応する概略測定値も提供すると考えることができる)。
要素(単数または複数)に関して「含む」、「有する」、「包含する」または「含有する」などの用語を用いて任意の態様または本発明の態様を本明細書中で説明することは、他で規定されない限り、または文脈により明らかに否定されない限りは、その特定の要素(単数または複数)「からなる」、「から本質的になる」、または「を実質的に含む」同様の態様または本発明の態様に対する支持を提供することが意図される。
融点は、示差走査熱量測定法(DSC)を用いて測定される。装置は、開始値として融点を与えるように5°/分で較正されたTA−Instruments DSC−Q1000である。窒素流の下で、約2mgのサンプルをゆるく閉じたパンの中で5°/分で加熱する。
X線粉末ディフラクトグラム(diffractogram)は、CuKα1放射線を用いて、PANalytical X’Pert PRO X線回折計において測定した。X’celerator検出器を用いて、5〜40°の2θ範囲の反射モードでサンプルを測定した。回折データは、±0.1(°2θ)で示される。
<実施例1 2−(4−トリルスルファニル)−フェニルブロミド>
N−メチル−2−ピロリドン(225 mL)におけるカリウムtert−ブトキシド(75 g, 0.668 mol, 1.1 eq)の撹拌溶液に、N−メチル−2−ピロリドン(225 mL)に溶解した4−メチルチオフェノール(78 g, 0.628 mol, 1.0 eq)の溶液を添加した。次いで該反応混合物を1,2−ジブロモベンゼン(73 mL, 605 mol, 1.0 eq)に添加し、添加が完了してすぐに該反応混合物を100℃に温め、この温度で約22時間維持した。(反応をHPLCでモニターした。)室温に冷却した後に、水(750 mL)およびトルエン(250 mL)を添加し、相を分離し、水性相をトルエン(250 mL)で抽出した。有機相を合わせ、有機相を減圧蒸留によって濃縮した。蒸留を完了してすぐに残渣を冷却し、メタノール(750 mL)を添加した。減圧蒸留により有機相から溶剤を除去し、さらにメタノール(250 mL)を添加した。室温で一晩撹拌することにより2−(4−トリルスルファニル)−フェニルブロミドを析出させ、これをろ過により単離して、メタノール(260 mL)で洗浄し減圧下で乾燥した。収量=120.8 g。
<実施例2 1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン, HCl>
2−(4−トリルスルファニル)−フェニルブロミド(419 g, 1.5mol)をヘプタン(900 mL)および乾燥テトラヒドロフラン(243 mL, 3 mol,)に溶解し、0.5h後に反応混合物を窒素雰囲気下で−15℃に冷却した。この混合物にヘプタンにおけるn−ブチルリチウム2.7 M (583 mL, 1.6 mol)を温度を−15℃〜0℃の範囲に維持しながら添加した。添加が完了してすぐに、該反応混合物をおよそ−15℃に冷却し、その後、乾燥テトラヒドロフラン(450 mL)におけるN−ベンジル−4−ピペリドン(278 mL, 1.5mol)の溶液を、温度が−15℃より上昇しないような速度で添加した。添加が完了してすぐに、反応を室温に温めた。
反応を水(1 L)でクエンチし、酢酸エチル(1 L)および水酸化ナトリウム水溶液(1 M, 300 mL)を添加した。pHを10〜12の間に維持した。相を分離し、水性相を酢酸エチル(1 L)で抽出し、有機相を合わせた。溶剤を減圧蒸留により除去した(最大温度50℃)。蒸留が完了してすぐに、テトラヒドロフラン(2.25 L)を添加し、溶剤を減圧蒸留により除去した(最大温度50℃)。蒸留完了後すぐに、テトラヒドロフラン(2L)を添加した。塩化水素ガス(85 g, 2.33 mol,)を溶液にバブリングし、撹拌しながらジエチルエーテル(9 L)へ添加することにより、生成物が析出した。析出物をろ過し、ジエチルエーテル(1.2 L)で洗浄し、析出物を真空オーブンで一晩(T = 50 ℃)乾燥することにより、表題化合物を574 g(収率90%)得た。
<実施例3 4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]ピペリジン, HBr>
アセトン(2 L)における1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン, HCl(426 g, 1 mol)および炭酸ナトリウム(212 g, 2 mol)の懸濁液を1時間撹拌した後に、エチルクロロホルメート(240 mL, 2.5 mol)を添加した。さらに60分間撹拌した後に、トルエン(3 L)および水(3.5 L)を添加し、反応混合物を撹拌した。相を分離し、有機相を2Lの2M塩化水素水溶液で洗浄した。溶剤(およそ3L)を留去した(Tmax distillation = 120℃)。得られた溶液をゆっくりとトリフルオロ酢酸(1.11 L, 15 mol)およびトリエチルシラン(400 mL, 2.5 mol, 2.5 eq) の混合物に−15℃で添加した。添加が完了してすぐに反応混合物を室温に温め、その後、水(4 L)およびトルエン(3.5 L)を添加した。混合物を30分間撹拌した後に、相を分離し、有機相を水(3L)で洗浄し、エタノールアミン(300 mL, 5 mol)を有機相を添加した。有機相を一晩還流した後、2Mの塩化水素水溶液(2.5 L)を添加し、混合物を30分間撹拌した。相を分離し、有機相を塩化水素溶液(1.5 L, 2 M)で洗浄した。有機相から溶剤を130℃の最大温度で留去した。残った溶液に酢酸における臭化水素(350 mL, 5.7 M, 2 mol,)を添加し、反応混合物を80℃で一晩加熱した。反応を室温に冷却し、臭化水素(350 mL, 酢酸における5.7 M, 2 mol)を添加し、反応混合物を80℃で4時間温めた後に、室温に冷却した。ジエチルエーテル(2L)を添加し、反応混合物を一晩撹拌した後に、析出物をろ過して1Lのジエチルエーテルで洗浄した。析出物を2−プロパノールから再結晶化して208gの表題化合物を得た(57%)。
<実施例4 −78℃での1− tert−ブトキシ−カルボニル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]ピペリジン>
国際公開第03/029232号の第18頁を参照されたい。
<実施例5 −15℃での1−カルボエトキシ−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]ピペリジン>
2−(4−トリルスルファニル)−フェニルブロミド(6.98 g, 25 mmol)をヘプタン(40 mL)および乾燥テトラヒドロフラン(4.1 mL)に溶解し、1.5時間後に反応混合物を窒素雰囲気下で0℃に冷却した。ヘプタンにn−ブチルリチウム2.7M(9.8 mL, 26.5 mmol)を0℃で添加し、45分後に反応混合物を−15℃に冷却した。テトラヒドロフラン(15mL)におけるN−カルボエトキシ−4−ピペリドン(3.8 mL, 25 mmol)の溶液を−15℃未満の温度を維持しながら添加した。添加が完了してすぐに反応を室温に温めた。反応を希塩化水素溶液でクエンチした。有機相からのサンプルは1−カルボエトキシ−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]ピペリジンの1−メチル−4−フェニルスルファニル−ベンゼンに対する比率が28:58を示す。
<実施例6 −40℃での1−カルボエトキシ−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]ピペリジン>
無水の装置において、窒素雰囲気下、ヘプタン(4.5 L)における2−(4−トリルスルファニル)−フェニルブロミド(600 g, 2.15 mol)の混合物を室温(25℃)で撹拌した。その後、ヘプタンにおけるn−Bu−リチウム(10 M, 236 mL)溶液をカニュレーションにより添加した。室温で30分間撹拌した後に、反応混合物を−50℃に冷却し、その後THF(1.5 L)におけるカルボエトキシピペリドンの溶液を温度を−40℃以下に維持しながら滴加した。添加が完了してすぐに反応を0℃に温め、その後希HCl(1L)を温度を10℃未満に維持しながら添加した。添加が完了してすぐに、反応をさらに15分間撹拌し、その後相を分離させた。相を分離し、水層を酢酸エチル(1L)で抽出し、そして有機層を合わせた。合わせた有機層をNaCl溶液(15%)(1 L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し、ジエチルエーテル(250mL)において30分間スラリー化し、ろ過し、真空オーブンにおいて40℃で乾燥した。収率55〜60%。
<実施例7 −15℃での1−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]ピペリジン>
2−(4−トリルスルファニル)−フェニルブロミド(6.98 g, 25 mmol)をヘプタン(40mL)および乾燥テトラヒドロフラン(4.1mL)に溶解し、1.5時間後に反応混合物を窒素雰囲気下で0℃に冷却した。ヘプタンにおけるn−ブチルリチウム2.7M(9.8 mL, 26.5 mmol)を0℃に添加し、45分後に反応混合物を−15℃に冷却した。N−ベンジルオキシ−4−ピペリドン(5.08 g, 25 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(40 mL)溶液を−15℃未満に温度を維持しながら反応混合物に添加した。添加が完了してすぐに反応を室温に温め、その後希HCl水溶液でクエンチした。HPLCは1−メチル−4−フェニルスルファニルベンゼン、および未知化合物の複合混合物の存在を示した。
<実施例8 4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]ピペリジン,HBr>
トリエチルシラン(362 g, 3.1 mol)における1−カルボエトキシ−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]ピペリジン(462 g, 1.244 mol)の撹拌している懸濁液にトリフルオロ酢酸(2835 g, 24.9 mol)を添加した。反応混合物を60℃で18時間加熱し、その後0℃に冷却した。冷却した溶液にトルエン(750 mL)、その後水(750 mL)を添加し、引き続き20分間撹拌した。反応混合物を撹拌せずに60分間静置し、有機相を分離し、そして水性相をトルエン(750 ml)で再抽出した。トルエンを減圧下で除去することにより、粗製生成物を油状物として得た。
前の段階からの粗製油状物を酢酸HBrの混合物において80℃で温めた(18時間後に反応完了)。反応混合物を室温に冷却し、ジエチルエーテル(800 mL)を添加して、さらに60分間撹拌した。生成物をろ過により単離し、冷エーテル(300 mL)で洗浄し、減圧下で乾燥した。収率=80%。
<実施例9 4−エトキシカルボニルオキシ−4−(2−p−トリルスルファニル−フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル>
ジクロロメタン(400 mL)における1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン, HCl(42.6 g, 100 mmol)および炭酸ナトリウム21.2 g(200 mmol, 2当量) の懸濁液を室温で約90分間撹拌し、その後エチルクロロホルメート(24mL, 250 mmol)を添加した。60分後に水(400 mL)を添加し、相を分離した。有機相を第一の希HCl水溶液で洗浄し、その後希水酸化ナトリウム溶液およびブラインで洗浄した。有機相をMgSOで乾燥し、ろ過し、そして溶剤を減圧下で除去した。ジエチルエーテル(200mL)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。表題化合物をろ過で単離し、ジエチルエーテル(80 mL)で洗浄し、真空オーブンにおいて50℃で一晩乾燥した。収量=20.15g(45%)。
NMRデータ
以下のNMRデータが合成化合物に関して得られた。
4−エトキシカルボニルオキシ−4−(2−p−トリルスルファニル-フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル:
13C−NMR(d−DMSO, 125.8 MHz):
155.0 (s), 152.4 (s), 140.8 (s), 138.3 (s), 135.4 (s), 133.4 (d), 13119 (d), 130.9 (s), 130.8 (d), 128.5 (d), 127.1 (d), 126.4 (d), 81.9 (s), 63.6 (t), 61.2 (t), ca. 39.9 (t), 33.4 (t), 21.0 (q), 14.9 (q), 14.5 (q) ppm。
4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]ピペリジン, HBr:
13C−NMR(DO, 125.8 MHz):
145.0 (s), 137.5 (s), 134.3 (s), 132.5 (d), 131.7 (s), 131.5 (d), 130.6 (d), 128.5 (d), 127.9 (d), 126.7 (d), 44.0 (t), 36.7 (d), 29.1 (t), 21.0 (q) ppm。
1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン,HCl:
13C−NMR(d−DMSO, 125.8 MHz):
144.7 (s), 138.1 (s), 137.5 (s), 133.8 (d), 132.3 (s), 132.0 (d), 131.6 (d), 130.7 (d), 130.1 (s), 129.8 (d), 129.1 (d), 128.2 (d), 126.0 (d), 125.9 (d), 69.4 (s), 59.1 (t), 47.8 (t), 32.7 (t), 21.1 (q)。
2−(4−トリルスルファニル)−フェニルブロミド:
13C−NMR(d−DMSO, 125.8 MHz):
139.5 (s), 139.0 (s), 134.4 (d), 133.3 (d), 131.2 (d), 128.8 (d), 128.0 (s), 127.9 (d), 121.6 (s), 21.2 (q)。
<実施例10 1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン,HCl>
149.7 kgの2−(4−トリルスルファニル)−フェニルブロミド(536 mol)を282 kgのヘプタンおよび19.5kgの乾燥テトラヒドロフラン(270 mol, 0.5当量)に懸濁し、反応混合物を−15℃に冷却した。ヘプタンにおける143.8 kgの25% n−ブチルリチウム(561 mol, 1.05当量)を−15 ℃〜−5 ℃の温度で添加し、引き続き温度を−15 ℃に低下させた。79 kg (1096 mol, 2当量)の乾燥テトラヒドロフランに溶解した104.5 kgのN−ベンジル−4−ピペリドン(552 mol, 1当量)を−15℃未満で添加し、そして、反応を室温にした。 360Lの水、320kgの酢酸エチルおよび25Lの27.7%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、相を分離し、溶剤を有機相から減圧蒸留(最大温度39℃)によって除去した。543Lのテトラヒドロフランを添加し、溶剤を減圧蒸留(最大温度43℃)によって除去し、引き続き追加の541Lのテトラヒドロフランを添加した。20.4kgの塩化水素ガス(560 mmol, 1.04当量)を溶液に添加し、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン,HCl(β型)の種結晶を添加する。得られた析出物をろ過し、271Lのテトラヒドロフランで洗浄し、減圧フィルター上で乾燥する。(83.9%収率、HPLCによる98.5% 面積純度)。
<実施例11 4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)フェニル]ピペリジン,HBr>
42.6 g(0.1 mol)の1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン,HClおよび21.2 g(0.2 mol, 2当量)の炭酸ナトリウムを0.2Lのアセトンに懸濁し、 室温で1.5時間撹拌した後に、ガスの発生が止み、24mL(0.25 mol, 2.5 当量)エチルクロロホルメートを添加して反応を一晩撹拌した。0.3Lのトルエンおよび0.35Lの水を添加し、相を分離した。有機相を0.2Lの20%酢酸水溶液で洗浄した。有機相を回収し、0.33Lの溶剤を留去した。111 mL (1.5 mol, 15当量)のトリフルオロ酢酸および40 mL(0.25 mol, 2.5当量)のトリエチルシランを混合し、−15℃に冷却した。 トルエン溶液を温度が−15℃より上昇しないようにトリフルオロ酢酸/トリエチルシラン混合物に添加し、その後温度を室温に増加させる。0.4Lの水および0.35Lのトルエンを添加し、相を分離し、有機相を0.3Lの水で洗浄した。30mL(0.5モル、当量)の2−エタノールアミンを有機相に添加して一晩還流し、0.25Lの2M塩化水素水溶液で洗浄した。相を分離し、有機相を75mLの2M塩化水素水溶液で洗浄した。有機相をフィルタークロスでろ過し、溶剤を留去して、残った溶液に酢酸における35mLの5.7M臭化水素を添加した(0.2モル、2当量)。混合物を80℃で一晩加熱した。反応を室温に冷却し、酢酸における35mLの5.7M臭化水素(0.2モル、2当量)を添加し、反応混合物を80℃で4時間温めた。反応混合物を室温に冷却し、溶剤を留去した。50mLの2−プロパノールおよび20mLの酢酸を添加し、反応を還流した。混合物を室温に冷却し、得られた析出物をろ過して50mLの2−プロパノールで洗浄し、乾燥した。乾燥した固体を135mLの沸騰水に溶解し、混合物を室温に冷却して、得られた析出物をろ過し、20mLの水で洗浄し、そして乾燥することにより、27.0gの表題化合物(74%収率)を得た。

Claims (20)

  1. 式II
    [式中、R’およびR’’は独立して1、2または3個の水素、ハロゲン、C1−6−アルキルまたはC2−6−アルキレンを表し、Lは脱離基を表す]
    で表される化合物を、場合により置換されたN−ベンジル−4−ピペリドン
    [式中、R’’’は水素または−O−C1−6−アルキルを表す]
    と反応させることにより、式III
    で表される化合物を得る方法。
  2. 式II
    [式中、R’およびR’’は独立して1、2または3個の水素、ハロゲン、C1−6−アルキルまたはC2−6−アルキレンを表し、Lは脱離基を表す]
    で表される化合物を、アルキルリチウム、アルキルマグネシウムまたはマグネシウムから選択されるメタレーション剤(metallation agent)、および場合により置換されたN−ベンジル−4−ピペリドン
    [式中、R’’’は水素または−O−C1−6−アルキルを表す]
    と、約−25℃〜約5℃の温度で反応させることにより、式III
    で表される化合物を得る、請求項1記載の方法。
  3. R’が4−メチルであり、R’’ が水素である、請求項1または2に記載の方法。
  4. R’’’が水素である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. メタレーション剤がn−ブチルリチウムである、請求項2〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 式I
    で表される化合物およびその酸付加塩[式中、R’およびR’’は独立して1、2または3個の水素、ハロゲン、C1−6−アルキルまたはC2−6−アルキレンを表す]の製造方法であって、
    式II
    [式中、Lは脱離基を表す]
    で表される化合物を、場合により置換されたN−ベンジル−4−ピペリドン
    [R’’’は水素またはO−C1−6−アルキルを表す]
    と反応させ、式III
    で表される化合物を得る段階を含む、製造方法。
  7. 式II
    [式中、Lは脱離基を表す]
    で表される化合物を、アルキルリチウム、アルキルマグネシウムまたはマグネシウムから選択されるメタレーション剤、および場合により置換されたN−ベンジル−4−ピペリドン
    [式中、R’’’は水素またはO−C1−6−アルキルを表す]
    と、−25℃〜5℃の温度で反応させることにより、式III
    で表される化合物を得る段階を含む、化合物I
    およびその酸付加塩を製造するための請求項6記載の方法。
  8. R’が4−メチルであり、R’’ が水素である、請求項6または7に記載の方法。
  9. R’’’が水素である、請求項6〜8のいずれか1つに記載の方法。
  10. メタレーション剤がn−ブチルリチウムである、請求項7〜9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 化合物IIが
    である、請求項6〜10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 前記塩が臭化水素酸付加塩である、請求項6〜11のいずれか1つに記載の方法。
  13. 化合物Iが以下:
    、またはその酸付加塩であり、以下:
    を0℃未満の温度でn−ブチルリチウムと反応させ、引き続き、約5℃〜約−25℃の温度でN−ベンジル−4−ピペリドンおよびHClと反応させることにより、以下の式:
    で表される化合物を得、該化合物をさらにエチルクロロホルメートと反応させることにより、以下の式:
    で表される化合物を得、該化合物をさらにEtSiHおよびトリフルオロ酢酸と反応させ、引き続き、酸と反応させることによりN−ピペリジン保護基を除去し、そして場合により所望の酸付加塩を得る段階を含む、請求項6記載の方法。
  14. LがBrである、請求項13記載の方法。
  15. 前記塩が臭化水素酸付加塩であり、そしてN−保護基が酢酸における臭化水素酸との反応により除去される、請求項13または14に記載の方法。
  16. 以下の式:
    で表される化合物をエチルクロロホルメートと反応させて以下の式
    で表される化合物を得、該化合物をさらにEtSiHおよびトリフルオロ酢酸と反応させ、引き続き酸と反応させることにより、N−ピペリジン保護基を除去し、そして場合により所望の酸付加塩を得る段階を含む、以下の式
    で表される化合物またはその酸付加塩の製造方法。
  17. 前記塩が臭化水素酸付加塩であり、そしてN−保護基が酢酸における臭化水素酸との反応により除去される、請求項16記載の方法。
  18. 以下の化合物:
    が、4−メチルチオフェノールおよび2−ヨードブロモベンゼンを、上昇させた温度でパラジウム源および二座ホスフィン配位子の存在下において反応させる初期段階において製造される、請求項14記載の方法。
  19. 式i)またはii)
    [式中、R’およびR’’は独立して1、2または3個の水素、ハロゲン、C1−6−アルキルまたはC2−6−アルキレンを表す]
    で表される化合物およびその酸付加塩。
  20. 以下:
    1−ベンジル−4−ヒドロキシ−4−[2−(4−メチルフェニルスルファニル)-フェニル]-ピペリジン;および
    4−エトキシカルボニルオキシ−4−(2−p−トリルスルファニル-フェニル)−ピペリジン−1−カルボン酸エチルエステル、
    から選択される、請求項19記載の化合物およびその酸付加塩。
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