JP2011512626A - 直接酸化型燃料電池用低空孔度アノード拡散媒体 - Google Patents

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Abstract

高濃度液体燃料と、発電するように構成されたアノード電極とを有する直接酸化型燃料電池(DOFC)。アノード電極は、微多孔層なしまたは微多孔層付きの拡散媒体(DM)を含み、DMの空孔度を下げることにより、膜の燃料クロスオーバーが低減され、かつ高濃度の燃料を直接供給されるDOFCが高い電力密度を得るようになされている。

Description

本開示は一般に、燃料電池、燃料電池システム、およびこれらに用いられる電極/電極組立体に関する。より詳細には、本開示は、直接メタノール燃料電池(以下、「DMFC」)などの直接酸化型燃料電池(以下、「DOFC」)に適した、改良された拡散媒体を備えるアノード、およびその構成要素に関する。
DOFCは、液体燃料の電気化学的酸化によって電気を発生させる電気化学装置である。DOFCは、あらかじめ燃料を処理する段階を必要としないので、間接型燃料電池、すなわちあらかじめ燃料を処理する必要がある電池よりも、重量およびスペースの点で相当な利点を提供する。DOFCで使用する対象となる液体燃料としては、メタノール、ギ酸、ジメチルエーテルなど、ならびにそれらの水溶液が挙げられる。酸化剤は、ほぼ純粋な酸素、または空気中にあるような酸素の希釈流であってもよい。DOFCを移動および携帯用途(例えば、ノートブックコンピュータ、携帯電話、PDAなど)に利用する重要な利点としては、液体燃料の貯蔵と取り扱いが容易であり、かつそのエネルギー密度が高いことが挙げられる。
DOFCシステムの一例は、直接メタノール型燃料電池(DMFC)である。DMFCは、一般に、アノードと、カソードと、それらの間に配置されたプロトン伝導性高分子電解質膜とを有する膜電極接合体(以下、「MEA」)を利用する。MEAにおいては、通常、カーボンクロス、カーボンペーパー、多孔性カーボン、または多孔性金属のいずれかからなる拡散媒体(DM)に触媒層が担持されている。触媒層とDMとの間には、微多孔層(MPL)が、DMへの液体状の水の吸い上がりを促進し、隣接する触媒層との電気接触抵抗をできるだけ小さくし、さらには、触媒層のDMへの漏出を防止して、これによって触媒利用率を向上し、かつ電極フラッディングを起こりにくくするために、配置されている場合もある。
電解質膜の代表例は、NAFION(登録商標)などの、パーフルオロスルホン酸−テトラフルオロエチレン共重合体からなるものである(NAFION(登録商標)は、E.I.Dupont de Nemours and Companyの登録商標である)。DOFCでは、アルコール/水の溶液が燃料としてアノードに直接供給され、空気が酸化剤としてカソードに供給される。アノードにおいて、メタノールなどのアルコールは、触媒、典型的にはPtまたはRu金属ベースの触媒の存在下で水と反応して、二酸化炭素、H+イオン(プロトン)、および電子を生成する。電気化学反応は式(1)として以下に示される。
Figure 2011512626
DOFCの動作中、プロトンは、電子非伝導性のプロトン伝導性電解質膜を通ってカソードに移動する。電子は、電力を負荷装置に送達する外部回路を通ってカソードに進む。カソードでは、プロトン、電子、および通常空気から得られる酸素分子が結合して、水を形成する。電気化学反応は次の式(2)で与えられる。
Figure 2011512626
電気化学反応(1)および(2)は、次の式(3)に示されるような全体的な電池反応を形成する。
Figure 2011512626
従来のDOFCの1つの欠点は、メタノールなどのアルコールが部分的にアノードからカソードまで電解質膜に浸透することであり、そのような浸透したメタノールは「クロスオーバー・メタノール」と称される。クロスオーバー・メタノールは、カソードにおいて酸素と反応し、その結果、燃料利用効率とカソード電位が低減し、それに対応して燃料電池の発電が低減する。したがって、DOFCシステムには、メタノールのクロスオーバーとその不利益な結果を制限するため、過度に希釈した(3〜6体積%)アルコール溶液をアノード反応に使用するのが一般に行われている。しかし、そのようなDOFCシステムに関する問題は、可搬型システムに大量の水を収容する必要があるということであり、したがってシステムのエネルギー密度が減少する。
特に、DOFC技術は現在、リチウムイオン技術に基づくものなどの高度な電池と競合しているため、高濃度燃料が使用可能であることが可搬型の電源にとって望ましい。したがって、アノードからカソードへのメタノールクロスオーバー量を低減することが必要である。メタノールクロスオーバー量を低減するには、以下のようないくつかの方法がある。(1)メタノール透過度が低い代替プロトン伝導膜の開発(N.W.DelucaおよびY.A.Elabd、直接メタノール燃料電池用高分子電解質膜:レビュー、ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス:B部:ポリマー物理学、第44巻、第2201頁〜第2225頁、2006年;およびV.Neburchilov、J.Martin、H.J.Wang、J.J.Zhang、直接メタノール燃料電池用高分子電解質膜のレビュー:ジャーナル・オブ・パワーソース、第169巻、第221頁〜第238頁、2007年参照);(2)NAFION(登録商標)など従来の膜を、無機材料または有機材料との複合物とすること、あるいは膜表面の改質を行うことにより改良する(Delucaら、およびNeburchilovら参照);(3)多孔性カーボン板によりアノードにおける質量輸送を制御する(M.A.AbdelkareemおよびN.Nakagawa、高いメタノール濃度での効果的な運転のために多孔板を用いたDMFC、ジャーナル・オブ・パワーソース、第162巻、第114頁〜第123頁、2006年参照)。
しかし、上記方法には不利な点がある。方法(1)においては、代替ポリマー電解質膜のプロトン伝導度が低く、かつNAFION(登録商標)が接合された電極との親和性/接着性が低いことから、高い電力密度の達成が制限される。方法(2)においては、NAFION(登録商標)の改良が、プロトン伝導性および安定性の低下につながるおそれがある。方法(3)においては、多孔性カーボン板を追加することにより各単セルの厚みが増し、スタックの体積が増える。また、DMFCシステムの製造コストが上がると考えられる。
上記の観点から、メタノールクロスオーバー量を低減するアノード拡散媒体(DM)を含む、改良されたDOFC/DMFCシステムが求められている。
本開示の利点は、アノードからカソードへの燃料クロスオーバーが低減された燃料電池、特に、アルコールクロスオーバーが低減された燃料電池である。
本開示の態様には、アルコール輸送率とクロスオーバー率をできるだけ小さくするために低空孔度のアノード拡散媒体を備える直接メタノール燃料電池が含まれる。
これらは、例示的な実施態様についての以下の詳細な説明、添付の図面および特許請求の範囲を参照することにより、他の構成要素、工程、特徴、目的、利益および利点と共に明らかになるであろう。
本開示の様々な特徴および利点は、本発明の範囲を限定するためではなく、例示のみを目的として提供される添付の図面を参照することによって、より明らかに、また容易になるであろう。図面では、同じ参照符号が、同様の特徴を示すために全体を通じて使用され、様々な特徴が、必ずしも一定の縮尺で描かれるのではなく、関連する特徴を最も良く示すように描かれている。
図面は、例示的な態様を開示するものであり、すべての態様を示すものではない。他の態様を追加的もしくは代替的に用いてもよい。明白あるいは不要な詳細については紙面の節約もしくは効果的な図示のために省略する場合がある。逆に、いくつかの態様は、開示された詳細すべてがなくとも実行できる。
FEP処理されたカーボンペーパーの空孔度とFEP含有率の関係を示すグラフである。 4Mメタノール供給時、基本例のアノードDMおよび改良アノードDMをそれぞれ用いた場合の、70℃でのMEAの開路状態下のメタノールクロスオーバー量を示すグラフである。 65℃でのMEAの開路状態下のメタノールクロスオーバー量と、アノードDMの空孔度の関係を示すグラフである。 4Mメタノール供給時、基本例のアノードDMおよび改良アノードDMをそれぞれ用いた場合の、70℃でのIRフリーのアノード分極と、電流密度の関係を示すグラフである。 4Mメタノール供給時、基本例のアノードDMおよび改良アノードDMをそれぞれ用いた場合の、250mA/cm2で放電したDMFCの定常性能を示すグラフである(運転条件:温度=70℃、4M、ζa/ζc=1.67/3、放電電流250mA/cm2)。 65℃での6Mメタノール供給時および60℃での8Mメタノール供給時の、改良されたアノードDMを用いたDMFCの定常性能を示すグラフである。
例示的な態様について以下記載する。他の態様を追加的もしくは代替的に用いてもよい。明白あるいは不要な詳細については紙面の節約もしくは効果的な説明のために省略する場合がある。逆に、いくつかの態様は、開示された詳細すべてがなくとも実行できる。
直接酸化型燃料電池における燃料のクロスオーバーは、いくつかの要因に依存すると考えられる。例えば、アルコールクロスオーバー量は、アノードに供給されるアルコール濃度、運転温度、アノード拡散媒体のアルコール透過度、アノード拡散媒体の厚み、電解質膜のアルコール透過度などの要因に依存する。ここで提案する方法は、アノード拡散媒体のアルコール透過度を制御することによりアルコールのクロスオーバー量を低減することである。アノード拡散媒体のアルコール透過流速は有効質量拡散係数と供給アルコール濃度に依存する。ここで、有効拡散率は、式(4)に示すように、アノード拡散媒体の空孔度および屈曲率の関数である。
Figure 2011512626
式中、Deffは有効質量拡散係数、εはアノード拡散媒体の空孔度、Dはアルコール分子の拡散係数、およびnは屈曲効果を説明するブルックマン(Bruggmann)因子を表す。一般的に、低空孔度アノード拡散媒体(DM)は、供給体からアノード触媒層へのアルコール輸送を抑制し、それによってアルコールクロスオーバーを制限する。DOFCのDMの空孔度は一般的に約78%である。したがって、ここで用いる、空孔度を下げた、すなわち低空孔度の拡散媒体は、空孔度が78%未満である。
本開示の一態様において、DMの空孔度は、0.70〜0.10である。本開示の好ましい一態様において、DMの空孔度は、約0.57〜0.10である。
低空孔度アノード拡散媒体を得る方法は特に制限されないが、例えば、現時点で入手可能なカーボンペーパーまたはカーボンクロスにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのポリマーを充填する方法、多孔性カーボンなど本質的に低空孔度の他の拡散媒体を用いる方法、および空孔度が制御された金属発泡体を用いる方法などが挙げられる。
さらに、アノードDMは、アルコール輸送のさらなる抵抗となりうる微多孔層(MPL)を含むように構成してもよいし、含まないように構成してもよい。
さらに、DMの厚みは、1000マイクロメートル未満であればよく、600マイクロメートル未満が好ましく、300〜600マイクロメートルが最も好ましい。
本開示においては、カーボンペーパー拡散媒体を例にとり、低空孔度アノード拡散媒体を用いることによって、膜のアルコールクロスオーバーを大幅に低減することができることを説明する。これらの方法および概念は、他のタイプの拡散媒体にも適用することができる。空孔度が異なるカーボンペーパーは、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)などのフッ素化エチレンポリマーの充填率を変えてカーボンペーパーを処理することにより得られる。カーボンペーパーの空孔度の度合いは、以下の式に示すように、カーボンペーパーに含まれる、処理された透明エキソポリマー粒子(TEP)の重量分率に依存する。
Figure 2011512626
式中、εはFEP処理されたカーボンペーパーの空孔度、ε0は処理されていないカーボンペーパーの空孔度、χはカーボンペーパーに含まれるFEPの重量分率、ρCPは、カーボンペーパーの密度、およびρFEPは、乾燥FEPの密度を表す。図1は、FEP処理された東レ製TGPH−90カーボンペーパーの空孔度と乾燥FEPの重量分率との関係を示す。
図1には、カーボンペーパーへのFEPの充填率が高いほどカーボンペーパーの空孔度が低下することが示されている。充填率が10重量%、30重量%、50重量%、および70重量%となるようにFEP処理された東レ製TGPH−90カーボンペーパーの空孔度は、それぞれ、0.78、0.70、0.57、および0.27である。本開示においては、DMのアルコール透過度を下げる2つの方法を述べる。すなわち、1つは、アノード拡散媒体の厚みを増やす方法であり、もう1つは、アノード拡散媒体の孔径および空孔度を小さくする方法である。例1においては、30重量%FEP処理TGPH−90東レ製カーボンペーパー(ε=0.70)を2枚、アノードDMとして用いている。
例2においては、50重量%FEP処理TGPH−90東レ製カーボンペーパー(ε=0.57)を1枚用いている。例3においては、70重量%FEP処理TGPH−90東レ製カーボンペーパー(ε=0.27)を1枚用いている。例2および例3においては、処理剤の充填率を上げることにより、DMの空孔度を下げている。その結果、アルコール輸送に対する大きな抵抗がDMにおいて形成される。
基本例におけるDMは、10重量%FEP処理TGPH−90東レ製カーボンペーパー(ε=0.78)であり、これは、アノード拡散媒体におけるメタノールの十分な質量輸送と妥当なメタノールクロスオーバー量とのバランスの観点から、1モラー(M)または2Mメタノール溶液供給下のDMFCには最適である。
カーボンペーパーをフッ素化エチレンプロピレン(FEP)で以下のように処理した。カーボンペーパーを20重量%FEPエマルジョンにゆっくりと浸漬した後、乾燥炉内で80℃で乾燥させた。この手順を、所望のFEP充填率(10重量%、30重量%、50重量%、および70重量%)が得られるまで繰り返した。このFEP含浸カーボンペーパーを270℃で10分間熱処理した後、340℃で30分間焼成した。所望の微多孔層(MPL)形成用ペーストは、カーボン粉末(例えば、Vulcan XC−72R)を60重量%PTFEエマルジョン、イソプロパノールおよび脱イオン水と混合することにより得た。得られたペーストをカーボンペーパーの表面に塗布し、微多孔層を形成した。被覆されたカーボンペーパーを100℃で1時間乾燥させた後、360℃で30分間焼成した。MEA製造手順の詳細については、30重量%、50重量%、および70重量%FEP処理カーボンペーパーをアノードDMとして用いた以外は、先の特許および/または公開公報(例えば、米国特許出願第11/655,867号)に記載の手順と同様である。
基本例のDMを用いて得られる結果と比較すると、例1および例2における改良されたDMを備えるMEAにおいては、4モラー(M)メタノール供給時、開路状態下でのメタノールクロスオーバー量は、それぞれ、19%および22%の減少を示した(図2参照)。これから、アノード拡散媒体の厚みを増加する(空孔度が0.70の東レ製TGPH-90カーボンペーパーを1層から2層に増やす)こと、およびアノード拡散媒体の空孔度を低くする(1層のDMの空孔度を0.78から0.57に下げる)ことにより、膜のメタノールクロスオーバー量を顕著に低減できることがわかる。図3に示すように、アノードDMの空孔度が低くなるほど、メタノールクロスオーバー量が減少する。
アノード拡散媒体の空孔度が、例3における0.27のように極端に低い場合、開路状態下での膜のメタノールクロスオーバー量は非常に小さい。2Mメタノールの供給時には、例3(ε=0.27)における開路状態下でのメタノールクロスオーバー量は、基本例(ε=0.78)の場合の32%にすぎず、例2(ε=0.57)の場合と比べると約半分である。6M供給時でさえ、例3における開路状態下でのメタノールクロスオーバー量は、基本例における2M供給時の半分より少ない。したがって、低空孔度アノード拡散媒体は、膜のメタノールクロスオーバー量を低減する上で非常に効果的であることがわかった。
4Mメタノールの燃料が供給されている時には、改良例(例1および2)におけるIRフリーのアノード過電圧は、基本例のアノード過電圧とほぼ同じである(図4)。改良例(例1および2)のようにメタノールクロスオーバー量が低いと、燃料効率が上がり、カソード側での混成電位の効果が緩和される。したがって、改良されたDMを用いたMEAにおいては、電力密度の顕著な向上が見られる。図5に示すように、改良例(例1および2)の電力密度は、70℃で93〜97mW/cm2に達することもあり、これは基本例で得られる電力密度よりも35〜40%高い。ここで、高濃度燃料とは、濃度が少なくとも2モラー(M)の燃料であり、非常に高濃度の燃料とは、濃度が少なくとも4モラー(M)の燃料である。さらに、改良されたDMを用いたDMFC(例1および2)は、6Mメタノールおよび8Mのメタノールなど、非常に高濃度のメタノール燃料を供給した場合でさえ、高電力を得ることができる。図6に示すように、65℃での6Mメタノール供給時および60℃での8Mメタノール供給時に得られる電力密度の最大値は、それぞれ97および88mW/cm2である。
すなわち、本開示は、非常に高濃度の燃料を用いた場合でも電力密度にすぐれた運転を容易にする、DMFCシステム用の低空孔度アノード拡散媒体を説明する。
上記記載において、本開示のよりよい理解のために、具体的な材料、構造、反応剤、工程等、具体的な詳細を数多く述べたが、本開示は、具体的に記載した詳細に頼らずとも実施可能である。しかし、公知の加工材料および技術については、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、詳細に記載していない。
本開示の好ましい実施態様のみを、その多用な用途のうちのほんの数例とともに本開示で示し説明した。本開示は、そのほかの種々の組み合わせおよび環境においても用いられること、ならびにここに記載の開示概念の範囲内で変更および/または改良の余地があることを理解されたい。
上記記載の構成要素、工程、特徴、目的、利益および利点は、例示的なものにすぎない。これらはいずれも、また、これらに関する記載のいずれも、保護の範囲を何らかの形で制限することを意図したものではない。より少数の、追加のおよび/または異なる構成要素、工程、特徴、目的、利益および利点を有する実施態様を含め、数多くの他の態様も企図されている。構成要素の配置を変えてもよいし、また工程の順序を変えてもよい。
「の手段」という文言は、請求項に用いられた場合、記載された対応する構造および材料ならびにそれらの均等物を包含する。同様に、「の工程」という文言は、請求項に用いられた場合、記載された対応する行為ならびにその均等物を包含する。これらの文言が含まれていないということは、対応する構造、材料または行為、もしくはそれらの均等物のいずれにもその請求項が限定されないことを意味する。
明細書に記載されたあるいは図示されたものはいずれも、特許請求の範囲に記載されているかどうかに関わらず、構成要素、工程、特徴、目的、利益、利点、または均等物を公に捧げることを意図したものではない。
すなわち、保護の範囲は、下記の特許請求の範囲によってのみ制限される。その範囲は、特許請求の範囲において用いられた文言と妥当に一致するような広い範囲を意図したものであって、すべての構造的および機能的な均等物を包含することを意図するものである。

Claims (21)

  1. 液体燃料、微多孔層なしまたは微多孔層付きの拡散媒体(DM)を有し、発電するように構成されたアノード電極を備えた直接酸化型燃料電池(DOFC)であって、DMが高濃度燃料のもとで燃料クロスオーバー量を低減し、DOFCの発電密度を増大するような低空孔度を有する直接酸化型燃料電池。
  2. DMの空孔度が0.70ないし0.10である請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
  3. DMの空孔度が0.57ないし0.10である請求項2記載の直接酸化型燃料電池。
  4. DMが少なくとも1つのフッ素化ポリマーを充填されて空孔度が減少している請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
  5. DMが前記少なくとも1つのフッ素化ポリマーを30wt%ないし70wt%充填されている請求項4記載の直接酸化型燃料電池。
  6. 前記少なくとも1つのフッ素化ポリマーがフッ素化エチレンプロピレンである請求項4記載の直接酸化型燃料電池。
  7. DMの厚みが600マイクロメートル未満である請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
  8. DMの厚みが300ないし600マイクロメートルである請求項7記載の直接酸化型燃料電池。
  9. 前記高濃度液体燃料が少なくとも濃度4モラー(M)である請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
  10. 前記高濃度液体燃料がメタノールである請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
  11. 前記高濃度メタノールが少なくとも濃度4モラー(M)である請求項1記載の直接酸化型燃料電池。
  12. 直接酸化型燃料電池(DOFC)に使用されるように構成されたアノード電極であって、微多孔層なしまたは微多孔層付きの拡散媒体(DM)を備え、前記DMが高濃度燃料のもとで膜の燃料クロスオーバーを低減し、DOFCの発電密度を増大するような低空孔度を有するアノード電極。
  13. 前記DMが少なくとも1つのフッ素化ポリマーを充填されてDMの空孔度が減少している請求項12記載のアノード電極。
  14. 前記DMが前記1またはそれ以上のフッ素化ポリマーの少なくとも1つを30wt%ないし70wt%充填されている請求項1記載のアノード。
  15. 前記少なくとも1つのフッ素化ポリマーがフッ素化エチレンプロピレンである請求項13記載のアノード電極。
  16. 前記DMがカーボンペーパー、カーボンクロス、多孔性カーボン、または多孔性金属である請求項12記載のアノード。
  17. 前記微多孔層がカーボン粉末及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョンから作られた請求項12記載のアノード。
  18. 前記DM層の空孔度が0.78未満である請求項12記載のアノード。
  19. 前記DM層の空孔度が0.70ないし0.10である請求項18記載のアノード。
  20. 前記DM層の空孔度が約0.57ないし0.10である請求項19記載の直接酸化型燃料電池。
  21. 直接酸化型燃料電池(DOFC)の運転方法であって、
    (a)カソード、アノード、及び両者間に配置された電解質を含み、前記アノードが微多孔層なしまたは微多孔層付きの拡散媒体(DM)を備え、前記DMが電気伝導性物質及びフッ素化ポリマーからなる、少なくとも1つの燃料電池組立体を準備する工程、
    (b)前記DMに前記フッ素化ポリマーを約10ないし70%充填する工程、
    (c)液体燃料の高濃度水溶液を前記アノードに供給する工程、及び
    (d)前記少なくとも1つの燃料電池組立体を低メタノールクロスオーバーで、かつ高電力密度で運転する工程
    を備える方法。
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