JP2011512452A - 難燃剤としてのアルミノシリケートポリマー - Google Patents

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Abstract

本発明は、難燃性生成物に関する。本発明は、イモゴライト型またはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケート化ポリマーの、難燃剤としての使用を含む。本発明は、特に難燃性生成物の分野において使用することができる。

Description

本発明は、イモゴライトまたはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケートポリマーの、難燃剤としての使用に関する。本発明はまた、イモゴライトまたはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケートポリマーを含む難燃組成物およびポリマー材料に関する。
多くのポリマー材料、すなわちポリマーからなる材料は、その最終用途のために耐火特性を有する必要がある。
火災の状況下では、ポリマー材料をベースとした布地、防水布および壁装材の存在による火の延焼を防ぐこと、ならびに/または、例えば防護服に使用される場合ポリマーの物理的劣化を抑制すること、または、さらに最終的にポリマー材料の分解から生じる有害揮発成分を捕捉することが主な目的である。
これまで、ポリマー材料の組成物を生成する際、有機または無機添加剤が添加され、これらの組成物は、ポリマー材料が押し出される場合は「コンパウンド」、ポリマー材料がコーティングにより堆積される場合は「配合物」と呼ばれる。
難燃剤として使用される有機添加剤は、現在のところ、臭素またはフッ素を含有する分子であることが多い。したがって、それらの使用は、燃焼副生成物の毒性のため、ある特定の使用に限られている。特に有害な1つの燃焼副生成物は、フッ化水素酸、HFである。
これまで使用されてきた無機添加剤は、遷移金属もしくは元素周期表の第III族および第IV族の金属の水酸化物もしくはオキシ水酸化物、または、これらの遷移金属もしくは第III族および第IV族の金属の炭酸塩である。しかしながら、後者の型の無機添加剤は分解してCOを放出する。
水酸化物型の無機添加剤の使用は、主に2M−OH→MO+HOのオキソ化機構に基づく。
熱の作用下で、無機粒子表面上のヒドロキシル基は縮合して水を放出し、この水が蒸発時に系を「冷却」し、それにより火炎の拡散を抑制する、またはさらに停止させる。
したがって、利用可能なヒドロキシル基の数と、無機粒子の耐火充填材としての可能性との間には、直接的な関係がある。同様に、ナノスケールサイズの鉱物充填材を使用することが好ましく、これらは非常に高い比表面積を提供し、したがって表面上の利用可能なヒドロキシル基の数を増加させる。
したがって配合者は、得られる複合材が、特に外観、機械的特性等の点で、さらに使用分野の標準に対応する耐火性の点で所望の使用特性を有するように、ポリマー材料を「充填」しなければならない。
無機充填材/ポリマー比に関しては妥協点を見出す必要がある。
したがって、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)材料の場合、難燃剤は、水酸化アンチモンまたは水酸化スズである。
配合者はまた、任意の充填材と任意のポリマーとの混合を妨げる化学的非適合性を考慮しなければならない。さらに、実際は結晶性ナノ充填材において表面ヒドロキシル基のエネルギーは全く均一ではなく、ある特定の表面ヒドロキシル基では非常に高温でのみオキソ化が生じ、これにより多くの使用においてその利点が制限されており、すでに損害が生じている。
配合者はまた、難燃剤/ポリマー複合材の将来のリサイクルを考慮し、環境的に有害な物質を排除しなければならない。なお、現在使用されているアンチモンおよびスズは有害物質である。
米国特許第4152404号 米国特許第4252779号 欧州特許第0741668号 仏国特許出願公開第2817488号 仏国特許出願公開第2802912号 米国特許出願公開第US−A−6254845号 仏国特許出願公開第2842514号
Journal of Soil Science第30巻、347頁、(1979) J.F.Hochepied、P.Nortier、Powder technology第128巻、268〜275頁、(2002)
したがって、有害副生成物を生成せず、低温でオキソ化を生じ得る非常に多数の表面ヒドロキシル基を有し、純粋で、可能な限り多数のポリマーマトリックスと適合するように改質され得る難燃剤が必要とされている。
本発明は、イモゴライトまたはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケートポリマーの、難燃剤としての使用を提供することにより、この必要性を満たす。
本発明はまた、イモゴライトまたはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケートポリマーを含むことを特徴とする難燃組成物を提供する。
最後に、本発明は、イモゴライトまたはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケートポリマーを含むことを特徴とするポリマー材料を提供する。
本発明において使用された3種のうちの1つのアミノシリケートポリマーのラマンスペクトル。 本発明において使用された3種のうちの1つのアミノシリケートポリマーのラマンスペクトル。 本発明において使用された3種のうちの1つのアミノシリケートポリマーのラマンスペクトル。
様々な形態のアルミノシリケートポリマーが知られている。
例えば、イモゴライト等の繊維状形態のアルミノシリケートポリマーが知られている。イモゴライトは、火山灰およびある特定の土壌中に天然の状態で存在する管状フィラメント状アルミノシリケートである。天然イモゴライトは不純物を含み、アロフェンおよび/またはベーマイト等の他のアルミノシリケートと混ざっている。天然イモゴライトは、この不純な形態では、特に高性能ポリマー配合物には使用することができない。
比較的高純度のイモゴライトを合成する様々な方法がある。例えば、Farmerの米国特許第4152404号および米国特許第4252779号には、天然イモゴライトに類似した無機材料の調製法が記載されている。
得られたイモゴライトは、透析により塩等の電荷がストリッピングされる。しかしながら、この技術は、電荷を保有しないアロフェンの排除は不可能である。
さらに、WADAらは、Journal of Soil Science第30巻、347頁、(1979)において、Al/Siモル比が2に近い純粋なイモゴライトについて説明している。その文献において、「非常に高純度」または「高純度」という用語は、少なくとも80質量%、好ましくは少なくとも90質量%のイモゴライトを含有する水溶液を指すことが指摘されている。
欧州特許第0741668号には、非常に高純度のイモゴライトを得るための長期にわたる正確なプロセスが記載されている。特に、フィラメントの分解または成長ステップ中、pHおよびAl+Si濃度を非常に正確な値の範囲に維持することが不可欠である。非制御下での合成の場合、アロフェンまたはベーマイトまたはシリカゲルの形成が観察される。ベーマイトは非繊維状構造を有し、Al:Siモル比が4を超える。
したがって、合成が十分に制御されていないと、得られるイモゴライトは、ポリマー材料中の充填材としての用途には純度が不十分である。
仏国特許出願公開第2817488号には、欧州特許第0741668号に記載のプロセスを使用して得られたコロイド状アルミノシリケート粒子の混合物の水性ディスパーションを精製することによる、ポリマー材料の配合に使用することができる高純度イモゴライト型のアルミノシリケートポリマーを得るためのプロセスが記載されている。したがって、コロイド状粒子の混合物は、保持液中に、Al/Siモル比が1.8から2.5の間のイモゴライト型の繊維状ポリマーアルミノシリケートを得るために、限外濾過により精製される。好ましくは、限外濾過はクロスフロー限外濾過であり、またポリエーテルスルホン系膜を使用することが好ましい。好ましくは、保持液中の層流量は、膜面積1m当たり1l/分にほぼ等しい。粒子の混合物は、限外濾過ステップを行う前に前濾過されてもよい。
仏国特許出願公開第2802912号には、高純度イモゴライト型のアルミノシリケートポリマーの調製法が記載されている。
この方法は、以下のステップを含む。
a)混合ケイ素アルミニウムアルコキシドまたは混合アルミニウムケイ素化合物の前駆体を、シラノール基の存在下で、アルミニウムモル濃度を5×10−4から10−2M(これらの値を含む)の間に、またAl/Siモル比を1から3(これらの値を含む)の間に維持することにより、4.5から6.5(これらの値を含む)の間のpHで水性アルカリで処理するステップ、
b)好ましくは5日から15日(これらの値を含む)の間、最も好ましくは8日から10日(これらの値を含む)の間、室温で熟成ステップを行うステップ、
c)ステップa)において得られた混合物を、100℃未満の温度、好ましくは96〜98℃の温度で、24時間加熱するステップ、および
d)例えば限外濾過により、ステップc)において得られた混合物から残留イオンを除去するステップ。
この方法の詳細は、仏国特許出願公開第2802912号に記載されている。
このように、上記説明および以降の説明において、「イモゴライト型のアルミノシリケートポリマー(複数可)」という用語は、仏国特許出願公開第2817488号に記載のプロセスおよび仏国特許出願公開第2802912号に記載の方法により得られるアルミノシリケートポリマーを指し、これらが本発明において使用される。
アロフェン等の球状粒子の形態のアルミノシリケートポリマーもまた知られている。
上述のように、アロフェンはまた、天然イモゴライトとの組合せとして天然の状態で存在する。
しかしながらこの材料は、天然の状態ではポリマー材料用充填材として使用できない不純な生成物である。
米国特許出願公開第US−A−6254845号には、アロフェン型のアルミノシリケートポリマーの中空球体の調製法が記載されている。しかしながら、得られたアルミノシリケートポリマーは、使用された製造方法に起因して、その形成のために使用された塩を高い割合で含有する。
仏国特許出願公開第2842514号には、非常に純粋で多くのポリマー材料の配合に使用することができるイモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの調製法が記載されている。
この方法は以下のステップからなる。
a)加水分解性官能基のみを有する(すなわち、この方法の間、特に水性アルカリによる処理の間、加水分解により排除することができる置換基のみを有する)混合アルミニウムケイ素アルコキシド、または、加水分解性官能基のみを有するアルミニウム化合物およびケイ素化合物の混合物の加水分解により得られる混合アルミニウムケイ素前駆体を、シラノール基の存在下で水性アルカリで処理するステップであって、アミノシリケート濃度は0.3mol/l未満に維持され、Al/Siモル比は1から3.6の間に維持され、アルカリ/Alモル比は2.3から3の間の間に維持されるステップ;
b)得られた混合物を、アルミノシリケートポリマーを形成するために十分な時間、シラノール基の存在下で室温で撹拌するステップ、および、最後に
c)上記ステップの間に形成された副生成物を反応混合物から除去するステップ。副生成物の除去は、洗浄または膜分離または限外濾過、好ましくはクロスフロー限外濾過等、それ自体知られた様々な方法により行うことができる。
この方法の詳細は、仏国特許出願公開第2842514号に記載されている。
得られるイモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーは、200〜600cm−1のスペクトル域において、250±5cm−1の広いバンド、359±4cm−1の強く広いバンド、407±7cm−1の肩および501±2cm−1のバンドを含むラマンスペクトルにより特徴付けられ、このラマンスペクトルはステップa)およびb)の間に形成された副生成物を反応混合物から除去するステップの直前に得られた材料に対して得られる。
仏国特許出願公開第2842514号に、この方法およびラマンスペクトルを得るための条件が記載されている。
本明細書に添付された図1から3は、本発明において使用された3種のアルミノシリケートポリマーのラマンスペクトルを示す。これらの図では、本発明において使用されたアルミノシリケートポリマーのラマンスペクトルが、上述のように十分特徴付けられることが観察され得る。
このように、上記説明および以降の説明において、「イモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマー(複数可)」という用語は、仏国特許出願公開第2802912号に記載の方法または仏国特許出願公開第2817488号に記載のプロセスまたは仏国特許出願公開第2842514号に記載の方法により得られるアルミノシリケートポリマーを指す。
本発明において使用されるイモゴライト型のアルミノシリケートポリマーは、直径2nm、長さ数ミクロンの中空ナノチューブである。前述したように、これらのナノチューブは、アルミニウム塩およびケイ素アルコキシドの制御された共加水分解により得られる。この加水分解に続いて、フィラメントを成長させることができる熱処理が行われる。次いでこれらのフィラメントは洗浄され、限外濾過により濃縮される。これらのイモゴライト型のアルミノシリケートポリマーの構造は非常に独特であり、チューブの外側はAl−OHで覆われ、チューブの内側はSi−OHで覆われている。したがって、水が永久的にチューブの中に捕捉されたままとなる。
本発明において使用されるアロフェン型のアルミノシリケートポリマーは、直径5nmの中空ナノスフェアであり、これもアルミニウムおよびケイ素塩の制御された共加水分解により得られる。しかしながら、この場合加水分解に続いて熱処理は行われず、イモゴライトを得るかアロフェンを得るかの主要パラメータはアルミニウム塩濃度である。このアロフェン型のアルミノシリケートポリマーもまた、イモゴライト型のアルミノシリケートポリマーと類似して、外側がAl−OHで、また内側がSi−OHで覆われている。同様に、このアロフェン型のアルミノシリケートポリマーでは、粒子のコアが水で充填されている。
イモゴライト型のアルミノシリケートポリマーおよびアロフェン型型のアルミノシリケートポリマーは、ともに非晶質ポリマーである。それらのポリマーは300℃まで安定であり、それを超えると突如HO、AlおよびSiOに分解する。
これらのアルミノシリケートポリマーは、内側および外側の両方が反応性ヒドロキシル基、すなわち低温でオキソ化を生じ得る基で覆われているため、難燃剤として特に好適である。さらに、その構造内に捕捉された水は、蒸発する時に冷却に寄与する。
この場合も、そのナノスケールサイズが非常に高い比表面積を提供し、したがって非常に多数の利用可能なヒドロキシル基を提供する。その表面は、多くのポリマーマトリックスとの化学的親和性を制御するためにゾル−ゲル反応により容易に改質され得る。この場合も、これらのアルミノシリケートポリマーの外側表面上に存在するAl−OH型表面は、HClまたはHCN等、ポリマーマトリックスの燃焼で生じた任意の生成物を捕捉し、したがって使用者を保護することができる。
したがって、本発明は、これらのイモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーの、難燃剤としての使用に関する。本発明はまた、これらのイモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーを含む難燃組成物に関する。最後に、本発明はまた、好ましくは図1から3に示されるようなラマンスペクトルを有するイモゴライトまたはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケートポリマーを含むポリマー材料に関する。
そのようなイモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーを使用する効果は、以下の試験により実証される。
特定の量、すなわち1グラムのAlOOHまたはAl(OH)型の様々な材料が300℃で1時間の加熱後に生成し得るHOの量を評価した。
Al(OH)が250℃で加熱されると、Alとなることが知られている。これらの生成物を300℃で加熱することにより、生成物は最大量の水を放出するはずである。これを行うため、粒子の表面上に吸着されている可能性のある水を除去するために、試料を20℃(室温)で10−3水銀柱mmの圧力下で48時間、事前に乾燥させた。次いで試料を乾燥アルゴン下で保存した。各試料1グラムを秤量し、オーブンで加熱した。温度上昇は、10℃/分となるように適宜選択した。300℃に達したら、試料をこの温度で1時間維持し、次いで乾燥アルゴン下で室温(20℃)まで冷却し、次いでミリグラム精度のMettler秤で秤量した。
1グラムの試料を扱うことにより、秤量誤差のリスクを最小限とすることができた。各試料に対して3回実験を繰り返した。
アルゴン中で秤量した後の処理粉末を、1時間空気中に放置し、次いで任意の吸水量を決定するために再び秤量した。
以下の表1は得られた結果を示す。
Figure 2011512452
−生成物1:本発明によるフィラメント状(中空構造)アルミノシリケートポリマー(凍結乾燥粉末);
−生成物2:本発明による粒状(中空構造)アルミノシリケートポリマー(凍結乾燥粉末);
−ナノフィラメントベーマイト(J.F.Hochepied、P.Nortier、Powder technology第128巻、268〜275頁、(2002)による):直径3〜5nm、長さ100nm;
−Disperal P2ベーマイト(SASOL社により販売):25nm板状;
−Disperalベーマイト(SASOL社により販売):80nm板状;
−SH500:Alcan社製乾燥アルミナ三水和物Al(OH)、粒子の93%が125ミクロン未満;および
−SH950:Alcan社製乾燥アルミナ三水和物Al(OH)、粒子の80%が125ミクロン未満。
表1は、試料が上述のように300℃で熱処理された後空気中で1時間放置されても質量変化がないことを示している。これは、鉱化可能なものはすべて確かに鉱化されたこと、つまり熱処理された試料は、その表面上にいかなるヒドロキシル基も存在しないため水を取り込まないことを実証している。
表1はまた、本発明によるイモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーが、300℃での熱処理中その質量の平均45%を失うことを示している。これは、300℃での熱処理中に崩壊する内部の水貯蔵部に起因するが、アルミノールおよびシラノール表面のオキソ化により生成される水にも起因する。これらのイモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーのナノスケールサイズによって、酸化機構を最適化することができる。
具体的には、等価質量に対して、本発明のイモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーは、乾燥ギブサイト(SH500およびSH950試料)よりも2倍の量の水を放出し、ナノスケールのベーマイト(Disperal(登録商標)P2およびDisperal(登録商標)試料)のほぼ3倍の水を放出する。
また、PVC(ポリ塩化ビニル)ポリマーフィルムの質量に対し0.5wt%から10wt%の本発明の難燃剤(表1の生成物2に対応するアロフェン)またはDisperal(登録商標)を含有するPVCフィルムの熱挙動と比較した、難燃剤を含有しないPVCポリマーのフィルムの熱挙動を試験した。
以下の実験プロトコールを実行した。
難燃剤/PVCの2−ブタノン中懸濁液を調製し、顕微鏡スライド上にコーティングした。これらの懸濁液は非常に容易にフィルムを形成するため、配合物に界面活性剤を添加する必要はなかった。得られたフィルムを空気に暴露し、少なくとも24時間乾燥させて2−ブタノンを十分に除去した。同様に、対照として使用するためにPVCのみを含有するポリマーフィルムを生成した。乾燥後に得られたフィルムの厚さは300μmであった。
フィルムが同じ熱処理に供されることを確実とするために、以下のプロトコールを実行した。スチールウールフィラメントをワニ口クリップを用いてジェネレータの端子に接続し、回路を閉じるとすぐに、正方形断面の加熱されたフィラメントが赤色(赤熱:500〜800℃)に、次いで白色(白熱:1300〜1500℃)に変わった後、破断した。評価するフィルム表面からフィラメントを0.5mmの箇所に保持し、破断時にフィルム表面に接触しないように機械的張力下に保持した(引っ張った)。一定電圧(4.5V)に対し、スチールウールフィラメントは2分で破断した。
難燃剤/PVC懸濁液は、以下の様式で調製した。
2−ブタノン5mlをPVCラッカー0.5gに添加し、完全に溶解するまで混合物を撹拌し、この混合物に、難燃剤がそれぞれPVCワニスの質量の0.5%、1%、2%、5%および10%となるように、増加する量の前記難燃剤を添加した。
結果を以下の表2に示すが、対照試料は3回、その他は2回繰り返され、それぞれの場合で暴露時間は2分である。
Figure 2011512452
表2の結果は、PVCの質量に対し1wt%の量のアロフェンはポリマーを効果的に保護する(ただし僅かな黄変は観察される)が、Sasol社製Disperal(登録商標)を使用してそれと匹敵する効果を得るには、PVCの質量に対し5wt%のDisperal(登録商標)を使用する必要があることを示している。
したがって、表1および2は、仏国特許出願公開第2817488号、仏国特許出願公開第2802912号および仏国特許出願公開第2842514号に記載の方法およびプロセスに従い合成されたイモゴライトまたはアロフェン型のアルミノシリケートポリマーは、効果的な難燃剤として、特に難燃特性を有するポリマー系材料中に配合することができる効果的な難燃組成物を得るために使用することができることを示している。
アロフェン型の1種または複数種のアルミノシリケートポリマーだけでなく、イモゴライト型の1種または複数種のアルミノシリケートポリマー、さらにアロフェン型の1種または複数種のアルミノシリケートポリマーとイモゴライト型の1種または複数種のアルミノシリケートポリマーとのブレンドもまた使用することができることが、当業者には明確である。

Claims (3)

  1. 図1から3のうちの1つに示されるようなラマンスペクトルを有するイモゴライトまたはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケートポリマーの、難燃剤としての使用。
  2. 図1から3のうちの1つに示されるようなラマンスペクトルを有するイモゴライトまたはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケートポリマーを含むことを特徴とする、難燃組成物。
  3. 図1から3のうちの1つに示されるようなラマンスペクトルを有するイモゴライトまたはアロフェン型の少なくとも1種のアルミノシリケートポリマーを含むことを特徴とする、ポリマー材料。
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