JP2011512438A - ジベンゾジアゾシンとスルホンおよび/またはケトン単位を含有する二官能性モノマーとのコポリマー - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、その内容が参照により本明細書に援用される、2008年2月11日出願の米国仮特許出願第61/027519号明細書の優先権を主張するものである。
本発明は、ジベンゾジアゾシンとスルホンおよび/またはケトン単位を含有する二官能性モノマーとのコポリマーに関する。本発明はまた、前記コポリマーの製造方法にならびにそれらのポリマーの用途に関する。
これらの非晶質ポリマーの興味ある特性は、とりわけ、それらの高いガラス転移温度(約300〜325℃)、それらの高い熱安定性、それらの低い吸湿性(約0.1%、24時間/25℃)、それらの低い誘電率(2.6〜2.9)およびそれらの良好な難燃性である。それらは従って、様々な電気および電子用途における誘電材料として使用可能である。さらに、ジベンゾジアゾシン繰り返し単位は、[8]アンヌレン(またはシクロオクタテトラエン)のジアザ誘導体であり、それ故、[8]アンヌレン単位の酸化還元誘導立体配座変化に基づく電気機械作動デバイスにおいて前途有望であると期待されている。人工筋肉は、かかる作動デバイスの用途である。
しかしながら、これらのジベンゾジアゾシンポリマーに関して行われた研究開発作業により、それらが耐化学薬品性および溶融加工性のような多くの特性の点で幾らか不十分であることが明らかとなった。
式中、
Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;
Araが、少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS);少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK);および前記C12〜C50二価基の混合物の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;
各Arbが、C6〜C50アリーレン基および一般式(I):
のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;
各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択されるコポリマー(C)に関する。
好ましくは、コポリマー(C)の繰り返し単位は、繰り返し単位(A)および(B)から本質的になる。
特定の好ましい実施形態では、コポリマー(C)に含まれる二価基Araは、
別の好ましい実施形態では、コポリマー(C)に含まれる二価基Araは、
一般式X−D−Xの、二価基Dを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M1)、
一般式X−Ara−Xの、二価基Araを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M2)、および
一般式H−G−Arb−G−Hの、二価基Arbを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M3)
との間の求核置換反応を含む工程−成長重合によって前記コポリマーを合成する工程を含み、
式中、
各Hが水素原子であり;
各Xが、ハロゲン原子、ニトロ基およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの一価基であり、このXが互いに独立して選択され;
Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;
Araが、少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS);少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK);およびこれらの基の混合物
の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;
各Arbが、C6〜C50アリーレン基および上に定義されるような一般式(I)(式中、非指定の位置異性体は、Qに対してメタかパラかのどちらかであり、Qは、直接共有結合かまたは0〜38個の炭素原子を含有する二価基である)のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;
各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択される方法に関する。
好ましくは、本発明の方法では、モノマー(M3)のモル量は、モノマー(M1)および(M2)のモル量の合計に実質的に等しい。
本発明の方法では、各Xは好ましくはフッ素原子である。
本発明の方法では、二官能性モノマー(M2)は好ましくは、一般式HO−Arb−OHのジオールである。
− コポリマー(C’)の繰り返し単位(A)が、一般構造式
−D−G−Arb−G−、−G−D−G−Arb−および/または−D−G−
の1つ以上のものであり、かつ、
− コポリマー(C’)の繰り返し単位(B)が、一般構造式
−Ara−G−Arb−G−、−G−Ara−G−Arb−および/または−Ara−G−
の1つ以上のものである
ことを除いて、上記のようなコポリマー(C)と同一であり、
式中、D、G、AraおよびArbがコポリマー(C)について先に定義された通りであるコポリマー(C’)に関する。
− 上記のようなコポリマー(C)、上記のような方法によって製造されたコポリマー、および上記のようなコポリマー(C’)の中から選択される少なくとも1つのコポリマー(C”)と、
− コポリマー(C”)以外の1つ以上の原料と
を含有するポリマー組成物に関する。
Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;
Araが、少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;
各Arbが、C6〜C50アリーレン基および一般式(I)
のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;
各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択されるコポリマー(C)に関する。
本発明に従ったコポリマー(C)は、一般構造式−D−G−Arb−G−の繰り返し単位(A)を含む。
コポリマー(C)において、繰り返し単位(A)の質量は、コポリマー(C)の総質量を基準として、少なくとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。他方では、コポリマー(C)において、繰り返し単位(A)の質量は、コポリマー(C)の総質量を基準として、多くとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。
本発明に従ったコポリマー(C)は、一般構造式−Ara−G−Arb−G−の繰り返し単位(B)を含む。
コポリマー(C)において、繰り返し単位(B)の質量は、コポリマー(C)の総質量を基準として、少なくとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。他方では、コポリマー(C)において、繰り返し単位(B)の質量は、コポリマー(C)の総質量を基準として、多くとも1%、2%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%のものであってもよい。
本発明に従ったコポリマー(C)は、繰り返し単位(A)および(B)以外の繰り返し単位(Z)をさらに含んでもよい。
本発明に従ったコポリマー(C)の繰り返し単位(A)において、Dは、少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基を表す。
ジベンゾジアゾシン含有二価基は一般に、
本説明の目的のためには、用語「置換基」は、水素原子の代わりに置換された原子または原子の基を意味することを意図される。それらは一般に一価である。
破線結合は主ポリマー鎖を表し;
R1〜R8は独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ハロゲン、−CN、−CHO、−CORa、−CRa=NRb、−ORa、−SRa、−SO2Ra、−PORaRb、−PO3Ra、−OCORa、−CO2Ra、−NRaRb、−N=CRaRb、−NRaCORb、−CONRaRb(ここで、RaおよびRbは独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群から選択される)からなる群から選択され、R1〜R8、Ra、およびRbの2つ以上は、環構造を形成するために連結されても連結されなくてもよく;
ArおよびAr’は、1,2−フェニレン、1,4−フェニレン、置換1,2−フェニレン、置換1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、置換4,4’−ビフェニレン、4,4”−ターフェニレン、置換4,4”−ターフェニレン、1,4−ナフチレン、置換1,4−ナフチレン、2,6−ナフチレン、置換2,6−ナフチレン、2,7−フルオレニレン、置換2,7−フルオレニレン、2,6−アントラセニレン、置換2,6−アントラセニレン;9,10−アントラセニレン、および置換9,10−アントラセニレンを含むが、それらに限定されない二価芳香族単位である)
で示される構造を有する基の少なくとも1つの中から選択されてもよい。
コポリマー(C)の繰り返し単位(A)において、Arbは、C6〜C50アリーレン基および上述のような式(I)のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される。
二価基Arbとして好適なC6〜C50アリーレン基の非限定的な例には、
それにもかかわらず、非指定の位置異性体は好ましくはQに対してパラである。
ここで、最後の上記式において、φは、少なくとも1つのC6〜C38アリーレン単位を含む二価基であり、前記C6〜C38アリーレン単位は好ましくは、上にリストされた構造(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)および(xi)、ならびに式(i)〜(xii)のいずれかの混合物の中から選択される。
特に、Arbについて言及すると、用語「少なくとも1つ」は、月並みに、繰り返し単位(B)が全て、同じ二価基を基Arbとして含んでもよいか、または異なる繰り返し単位(B)が、異なる式を有する二価基を基Arbとして含んでもよいことを意味する。
本発明に従ったコポリマー(C)の繰り返し単位(B)は、二価基(GS)および二価基(GK)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基Araをさらに含む。本説明の目的のためには、用語「少なくとも1つ」は、月並みに、繰り返し単位(B)が全て、同じ二価基を基Araとして含んでもよいか、または異なる繰り返し単位(A)が、異なる式を有する二価基を基Araとして含んでもよいことを意味する。例えば、Araは、二価基(GS)の中から選択される単一の二価基であってもよいし、またはAraは、二価基(GK)の中から選択される単一の二価基であってもよいし、またはAraは、二価基(GS)の中から選択される少なくとも2つの二価基の混合物であってもよいし、またはAraは、二価基(GK)の中から選択される少なくとも2つの二価基の混合物であってもよいし、またはAraは、二価基(GS)の中から選択される少なくとも1つの二価基と二価基(GK)の中から選択される少なくとも1つの二価基との混合物であってもよい。
二価基(GS)には通常、式
− (si2)および(si3)は、イミド形態(si1)に相当するアミド酸形態であり、
− →は、矢印が指し示す基が、示されるように、または入れ替わった位置に存在してもよいように異性を意味する。
ここで、最後の上記式において、φは、少なくとも1つのC6〜C38アリーレン単位を含む二価基であり、前記C6〜C38アリーレン単位は好ましくは、
全ての二価基(GS)の中で、二価基
本発明の実施形態(E2)に従ったArbとしての使用に好適な二価基(GK)は好ましくは、
ここで、最後の上記式において、Phiはパラ−フェニレンであり、Πは、
− Dが式(D1)
− Araが、
から本質的になるものであって、それらのモル比(A):(B)によって表される、本発明に従ったコポリマー(C)中の繰り返し単位(A)および(B)のそれぞれの量が一般に、1:99〜99:1、特に10:90〜90:10、好ましくは10:90〜30:70および40:60〜60:40のどちらかに変わるものである。
本発明に従ったコポリマー(C)の繰り返し単位(A)および繰り返し単位(B)は、少なくとも1つの二価基Gをさらに含む。
各基Gは月並みに、エーテル基もしくはチオエーテル基またはそれらの混合物であってもよい。
−D−O−Arb−O−、または
−D−O−Arb−S−、または
−D−S−Arb−O−、または
−D−S−Arb−S−、または
−D−O−Arb−O−と−D−O−Arb−Sとの混合物、または
−D−O−Arb−O−と−D−S−Arb−O−との混合物、または
−D−O−Arb−O−、−D−O−Arb−S−および−D−S−Arb−O−の混合物
であってもよい。
好ましくは、各Gはエーテル基(−O−)である。
その態様の別のものでは、本発明はまた、上記のようなコポリマー(C)の製造に特に好適である、コポリマーの製造方法に関する。
従って、本発明は、コポリマー、特に上記のようなコポリマー(C)の製造方法であって、
一般式X−D−Xの、二価基Dを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M1)、
一般式X−Ara−Xの、二価基Araを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M2)、および
一般式H−G−Arb−G−Hの、二価基Arbを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M3)
との間の求核置換反応を含む工程−成長重合によって前記コポリマーを合成する工程を含み、
式中、
各Hが水素原子であり;
各Xが、ハロゲン原子、ニトロ基およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの一価基であり;Xが好ましくはハロゲン原子から選択され、Xが非常に好ましくはフッ素原子であり;このXが互いに独立して選択され;
D、Ara、ArbおよびGが、コポリマー(C)について言及するときに先に定義された通りであり、有利には、D、Ara、GおよびArbが、コポリマー(C)の説明で述べられたものと、同じ制限および選好に従う方法にさらに関する。
式中、
Ar、Ar’、およびR1〜R8は、コポリマー(C)の説明における基Dの定義でのそれらのカウンターパートと同じ意味および制限を有する。
Araが少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であるモノマー(M21);
Araが少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有する二価基(GK)の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であるモノマー(M22);
これらのモノマー(M21)および(M22)の混合物
の1つ以上の中から選択される。
本発明のさらに別の態様は、上記のようなコポリマー(C)の中から選択された少なくとも1つのコポリマーと上記の方法によって製造されたコポリマーと、前記少なくとも1つのコポリマー以外の1つ以上の原料とを含有するポリマー組成物に関する。
本発明のさらに別の態様は、上記のようなポリマー組成物か、上記のようなコポリマー(C)および上記のような方法によって製造されたコポリマー(C)の中から選択される少なくとも1つのコポリマーのどちらかを含有する造形品または物品の造形部品に関する。
本発明のさらに別の態様は、
繰り返し単位(A)および(B)を含むコポリマー(C’)であって、前記コポリマー(C’)が
− コポリマー(C’)の繰り返し単位(A)が、一般構造式
−D−G−Arb−G−、−G−D−G−Arb−および/または−D−G−
の1つ以上のものであり、かつ、
− コポリマー(C’)の繰り返し単位(B)が、一般構造式
−Ara−G−Arb−G−、−G−Ara−G−Arb−および/または−Ara−G−
の1つ以上のものである
ことを除いて、上に定義されたようなコポリマー(C)と同一であり、
式中、D、G、AraおよびArbがコポリマー(C)について上に定義された通りであるコポリマー(C’)に関する。
実施例5Rおよび6Rは、比較目的のために与えられる。
オーバーヘッド攪拌機、Barrettトラップ、冷却器、および窒素入口を備えた1Lの3口丸底フラスコに、250gの2−アミノ−4’−フルオロ−ベンゾフェノン(Unibest(China)から購入した)、12.2gのp−トルエンスルホン酸−水和物(TsOH−H2O)、および300mlのキシレンを入れた。混合物をわずかな窒素圧力下に撹拌し、Barrettトラップに副生物水を集めながら還流に温めた。7時間後に、約24mlの水を集めた。暗色反応混合物を約100℃に冷却し、大過剰のメタノールにゆっくり注ぎ込んで黄色の固体を得た。固体を濾過によって集め、メタノールで2回洗浄した。固体を次に、メタノール中に16時間浸漬し、濾過し、温メタノールで洗浄した。固体を塩化メチレン/メタノール(1:1容積)から再結晶して、ジフルオロジベンゾジアゾシン(融点(DSC)=196℃、純度:99.5%(GPC、面積%)。IR分光測定法(ATR):960,935cm-1(ジアゾシン環を示す))と称される、182gの鮮やかな黄色の固体を得た。
コポリマー(C)を縮合重合法によって製造した:ジフルオロジベンゾジアゾシンを、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)とトルエンとの溶媒混合物中で、1〜2質量%過剰のビスフェノールおよび約2〜5質量%過剰の細砕し乾燥した炭酸カリウム(K2CO3)と一緒にジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)か、ジフルオロベンゾフェノン(DFBP)かのどちらかと混合した。DMAC中の目標コポリマー濃度はおおよそ15質量%であった。ガス状塩化メチルを重合の終わりに反応混合物に加え、ポリマー鎖の一端または両端でカリウム−フェネート塩と反応させて末端−OCH3基を形成した。他の鎖端は、多分−F、または−Clからなる。末端停止反応混合物を濾過して不溶なカリウム塩を濾過して透明で粘稠な溶液を得た。コポリマーを、濾過した溶液を大過剰のメタノールまたは水に注ぐことによって単離して繊維状固体を形成し、それをメタノールで洗浄し、次に、残存DMAcの除去を確実にするためにオーブン中で十分に乾燥させた。小さい透明なフィルム(1〜3ミル厚さ)を、THFまたはDMAc中のポリマーの10〜20%溶液からキャストし、乾燥させた。
オーバーヘッド攪拌機、Barrettトラップ、窒素入口、および冷却器を備えた4口、500mlのフラスコに、窒素雰囲気下に14.17g(0.06207モル)のビスフェノールA、8.74g(0.03043モル)のDCDPS、12.00g(0.03042モル)のジフルオロジベンゾジアゾシン、および9.01g(0.0652モル)の細砕した炭酸カリウムを入れた。次に、200mlのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)と55mlのトルエンとを加え、内容物を撹拌し、油浴を用いて145〜147℃に温めた。水副生物をトルエンとの共沸混合物としてBarrettトラップ水に集めた。5時間後にトラップを排水し、反応混合物を157〜159℃で16時間撹拌した。反応容器を油浴から上に上げ、反応液体レベルより下に挿入されたステンレススチール浸漬管を通して塩化メチルをゆっくり(おおよそ0.5g/分で)撹拌反応混合物に加えた。20分後に、塩化メチル添加を止め、反応混合物を追加の20分間窒素でパージした。粘稠な混合物を、圧力容器中の2.7μmガラス繊維フィルターを通して濾過して透明な淡黄色液体を得た。反応容器を追加の40mlのDMAcでリンスし、リンス液を同じフィルターを通して、元の濾液中へ濾過した。溶液の一部を、激しいかき混ぜ下にメタノールを含有するビーカーに注いで繊維状の淡黄色固体を得た。この固体を濾過し、新鮮メタノールで洗浄し、次にTHFに溶解させた。THFポリマー溶液を次に、激しいかき混ぜ下に新鮮メタノールに注いで淡黄色固体を得た。固体を温メタノールで洗浄し、次に真空オーブン中80℃で4時間、次に対流オーブン中200℃で追加の4時間乾燥させた。
ジベンゾジアゾシン/DCDPSの異なる比を用いたことを除いて実施例1を再現した。ポリマーを特性化し、ジアゾシンモノマー(X)およびDCDPS(Y)の相対的な量を変えた結果を表Iにまとめた。ポリマーの全てから、THFからキャストしたときに透明で、可撓性のフィルムを得た。
ポリマーを、DCDPSを唯一のジハロゲン化モノマーとして製造した。結果を表Iに示す。
ポリマーを、DCDPSかジベンゾジアゾシン含有モノマーかのどちらかを唯一のモノマーとして製造した。結果を表Iに示す。
反応は、DMAc/トルエン溶媒系で11.90g(0.06389モル)のビフェノール、8.74g(0.03043モル)のDCDPS、12.00g(0.03043モル)のジフルオロジベンゾジアゾシン、および10.60g(0.0767モル)のK2CO3を使用したことを除いて、実施例1に記載されたものと同じ方法で行った。実施例1に記載されたように単離した繊維状の淡黄色固体ポリマーを特性化し、結果を表IIに示した。このポリマーは室温で、クロロホルム、THF、DMAc、およびNMPに自由に溶け、THFからキャストされた25μm厚さのフィルムは、透明で、かつ、可撓性であった。
ジアゾシン−スルホンビフェノールコポリマーの他の実施例は、表IIに示されるジアゾシン(X)とDCDPS(Y)との相対的な量で記載されたものと同じ方法で製造した。実施例9は、水を除去するためにトルエンの代わりに窒素一掃を用いた。
ポリマーを、DCDPSで、すなわち唯一のジハロゲン化モノマーとして製造した。結果を表IIに示す。
THF/DMAcに溶解した実験室製造ジアゾシン−ビフェノールホモポリマー(Mw約32,000)と実験室製造DCDPS−ビフェノールホモポリマー(Mw約31,000)との1:1wt/wtブレンドを、PTFE皿中でゆっくり乾燥するに任せてほぼ不透明のフィルムを形成し、それを次に先ず真空オーブン中80℃で5時間、次に対流オーブン中200℃でもう4時間乾燥させた。乾燥フィルムのDSCは、214℃(Tg1、スルホン−ビフェノールホモポリマーからの)および287℃(Tg2、ジアゾシン−ビフェノールホモポリマーからの)に2つの別個のガラス転移温度を示した。2つの別個のTgの存在およびフィルムの不透明外観は、これらのポリマーがこの割合で非混和性である可能性が高いことを示唆する。このように、ジアゾシンホモポリマーをポリスルホンと他の割合で単純にブレンドすることは、本実施例に記載されるコポリマーほどは容易な加工も、一貫性のある外観および特性を有することも予期されない不均一ブレンドをもたらす可能性が高い。
Barrettトラップ、オーバーヘッド攪拌機、冷却器、および窒素入口を備えた4口、250mlの丸底フラスコに、10.65g(0.0270モル)のジフルオロジベンゾジアゾシン、0.66gの4,4’−DFBP、5.87g(0.0315モル)のビフェノール、5.22gのK2CO3、90mlのDMAc、および50mlのトルエンを入れた。混合物を撹拌し、140〜145℃に5時間温めた。Barretトラップを次に排水し、内部温度を155〜159℃に上げた。反応混合物をこの温度で16時間撹拌し、140℃に冷却し、9gの塩化メチルを15分にわたって加え、窒素でパージし、約70℃に冷却した。粘稠な混合物を次に、2.7μmガラス繊維フィルターを通して濾過した。透明な黄色のポリマー溶液を、42℃で激しいかき混ぜ下に600mlのメタノールにゆっくり注いだ。生じたスラリーを30分間撹拌し、次に濾過して淡黄色の多孔性粉末を得た。粉末を温メタノールで3回洗浄し、次に真空オーブン中で4時間乾燥させた。このポリマーは、塩化メチレン、THF、およびDMAcに容易に溶け、ポリマー溶液からキャストされたフィルムは透明で、かつ、可撓性であった。実施例13で製造されたポリマーのDSCは単一のTg=283℃を示し、350℃未満の融点を全く示さなかった。
実施例1に記載された条件を用いて2つの異なるビスフェノールとジフルオロジアゾシンとの混合物で製造された2つのジアゾシン−ビフェノールコポリマーの基本的特性を表IIIに示す。ビスフェノールの相対的な量は、両方の場合について1:1であった。
Claims (15)
- 一般構造式:
−D−G−Arb−G−
の繰り返し単位(A)と、
一般構造式:
−Ara−G−Arb−G−
の繰り返し単位(B)と
を含むコポリマー(C)であって、
式中、
Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;
Araが、
・ 少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS);
・ 少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK);
・ およびこれらの基の混合物
の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;
各Arbが、C6〜C50アリーレン基および一般式(I):
のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;
各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択されるコポリマー(C)。 - 前記繰り返し単位(A)に含まれる二価基Arbが前記繰り返し単位(B)に含まれる二価基Arbと同一であり、繰り返し単位(A)に含まれる二価基Gが一方では互いに、他方では繰り返し単位(B)に含まれる二価基Gと同一である、請求項1に記載のコポリマー(C)。
- その繰り返し単位が繰り返し単位(A)および(B)から本質的になる、請求項1または2のいずれか一項に記載のコポリマー(C)。
- 各二価基Gがエーテル基(−O−)である、請求項1〜6のいずれか一項にコポリマー(C)。
- コポリマーの製造方法であって、
・ 一般式X−D−Xの、二価基Dを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M1)、
・ 一般式X−Ara−Xの、二価基Araを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M2)、および
・ 一般式H−G−Arb−G−Hの、二価基Arbを含む少なくとも1つの二官能性モノマー(M3)
との間の求核置換反応を含む工程−成長重合によって前記コポリマーを合成する工程を含み、
式中、
各Hが水素原子であり;
各Xが、ハロゲン原子、ニトロ基およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つの一価基であり、このXが互いに独立して選択され;
Dが少なくとも1つのジベンゾジアゾシン含有二価基であり;
Araが、
・ 少なくとも1個のスルホン単位[−S(=O)2−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GS);
・ 少なくとも1個のケトン単位[−C(=O)−]と少なくとも2つのC6〜C40アリーレン単位とを含有するC12〜C50二価基(GK);
・ およびこれらの基の混合物
の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり;
各Arbが、C6〜C50アリーレン基および一般式(I):
のC12〜C50芳香族炭化水素基の中から選択される少なくとも1つのジベンゾジアゾシンを含まない二価基であり、このArbが互いに独立して選択され;
各Gが、エーテル基(−O−)およびチオエーテル基(−S−)の中から選択される少なくとも1つの二価基であり、このGが互いに独立して選択される方法。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマー(C)の製造方法である、請求項8に記載の方法。
- 前記モノマー(M3)のモル量が前記モノマー(M1)および(M2)のモル量の合計に実質的に等しい、請求項8または9に記載の方法。
- 各Xがフッ素原子である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記二官能性モノマー(M2)が一般式HO−Arb−OHのジオールである、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 繰り返し単位(A)および(B)を含むコポリマー(C’)であって、前記コポリマー(C’)が
− 前記コポリマー(C’)の前記繰り返し単位(A)が、一般構造式
−D−G−Arb−G−、−G−D−G−Arb−および/または−D−G−
の1つ以上のものであり、かつ、
− 前記コポリマー(C’)の前記繰り返し単位(B)が、一般構造式
−Ara−G−Arb−G−、−G−Ara−G−Arb−および/または−Ara−G−
の1つ以上のものである
ことを除いて、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマー(C)と同一であり、
式中、D、G、AraおよびArbがコポリマー(C)について先に定義された通りであるコポリマー(C’)。 - − 請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマー(C)、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法によって製造されたコポリマーおよび請求項13に記載のコポリマー(C’)の中から選択される少なくとも1つのコポリマー(C”)と、
− コポリマー(C”)以外の1つ以上の原料と
を含有するポリマー組成物。 - 請求項14に記載のポリマー組成物、または請求項1〜7のいずれか一項に記載のコポリマー(C)、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法によって製造されたコポリマーおよび請求項13に記載のコポリマー(C’)の中から選択される少なくとも1つのコポリマー(C”)の中から選択される少なくとも1つのポリマー組成物を含有する造形品または物品の造形部品。
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