本明細書に使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなっている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」またはそれらの他のいずれかの変形は、非排他的包含を包括するように意図される。例えば、要素のリストを含む組成物、プロセス、方法、物品または装置はそれらの要素のみに必ず限定されるのではなく、明白に記載されていないか、またはかかる組成物、プロセス、方法、物品もしくは装置に固有である他の要素を含んでもよい。さらに、それとは反対の記載が明白にされない限り、「あるいは、または、もしくは」は包含的論理和を指し、そして排他的論理和を指さない。例えば、ただし書きAまたはBは以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在する)、そしてBが偽である(または存在しない)。Aが偽であり(または存在しない)、そしてBが真である(または存在する)。ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
また、「a」または「an」の使用は、本発明の構成要素および構成成分の説明に利用されている。これは、単に簡便性のため、および、本発明の一般的な意味をもたらすためになされている。この記載は、1つまたは少なくとも1つを含むと理解されるべきであり、単数形はまた、そうでないことを意味することが明らかでなければ複数形をも包含する。
本開示および特許請求の範囲において言及されるとおり、「植物」とは、幼植物(例えば、苗木に発生する発芽種子)および成熟した生殖成長期(例えば、花および種子をもたらす植物)を含むすべてのライフステージで、植物界の要素、特に種子植物(種子植物目(Spermatopsida))を含む。植物の部分は、典型的には成長培地(例えば、土壌)の表面下で成長する、根、塊茎、鱗茎および球茎などの屈地性の構成要素、ならびに、成長培地上で成長する、群葉(茎および葉を含む)、花、果実および種子などの構成要素をも含む。単独でまたは複合語で用いられる「苗木」という用語は、種子の胚芽から発生する幼植物を意味する。
上記において、単独または「アルキルチオ」もしくは「ハロアルキル」のような複合語のいずれかで使用される、「アルキル」という用語としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルまたは種々のブチル、ペンチルもしくはヘキシル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキルが挙げられる。「アルケニル」としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、ならびに種々のブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルケンが挙げられる。「アルケニル」としては、1,2−プロパジエニルおよび2,4−ヘキサジエニルのようなポリエンも挙げられる。「アルキニル」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ならびに種々のブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル異性体のような直鎖または分枝鎖アルキンが挙げられる。「アルキニル」としては、2,5−ヘキサジイニルのような複数の三重結合から構成される部位も挙げることができる。「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖アルカンジイルを示す。「アルキレン」の例としては、CH2、CH2CH2、CH(CH3)、CH2CH2CH2、CH2CH(CH3)および種々のブチレン異性体が挙げられる。「アルケニレン」は、1つのオレフィン結合を含有する直鎖または分岐アルケンジイルを表す。「アルケニレン」の例としては、CH=CH、CH2CH=CH、CH=C(CH3)、CH2CH=CHおよびCH2CH=CHCH2が挙げられる。
「シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。「シクロアルケニル」としては、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルなどの基、ならびに、1,3−および1,4−シクロヘキサジエニルなどの2つ以上の二重結合を有する基が挙げられる。「アルキルシクロアルキル」という用語は、シクロアルキル部分上でのアルキル置換を表し、例えば、エチルシクロプロピル、i−プロピルシクロブチル、3−メチルシクロペンチルおよび4−メチルシクロヘキシルが挙げられる。「シクロアルキルアルキル」という用語は、アルキル部分上でのシクロアルキル置換を表す。「シクロアルキルアルキル」の例としては、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル、および直鎖または分岐アルキル基に結合している他のシクロアルキル部分が挙げられる。「シクロアルキルシクロアルキル」は、他のシクロアルキル基で置換されたシクロアルキル基を表す。「シクロアルキルシクロアルキル」の例としては、2−シクロプロピルシクロプロピルおよび3−シクロプロピルシクロペンチルが挙げられる。「ハロシクロアルキルアルキル」は、シクロアルキル部分、アルキル部分、または、シクロアルキルおよびアルキル部分の両方上でのハロゲン置換を表す。「ハロシクロアルキルアルキル」の例としては、(2−クロロシクロプロピル)メチル、2−シクロペンチル−1−クロロエチル、および2−(3−クロロシクロペンチル)−1−クロロエチルが挙げられる。
「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ならびに種々のブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体が挙げられる。「アルコキシアルコキシ」は、直鎖または分岐アルコキシでの少なくとも1つの直鎖または分岐アルコキシ置換を示す。「アルコキシアルコキシ」の例としては、CH3OCH2O−、CH3OCH2(CH3O)CHCH2O−および(CH3)2CHOCH2CH2O−が挙げられる。「ハロアルコキシアルコキシ」という用語は、ハロアルコキシ部分で置換されたアルコキシアルコキシ基を表す。「ハロアルコキシアルコキシ」の例としては、CF3OCH2O−、ClCH2CH2OCH2CH2O−およびCl3CCH2OCH2O−、ならびに、分岐アルキル誘導体が挙げられる。「アルコキシハロアルコキシ」という用語は、アルコキシ部分でさらに置換されたハロアルコキシ基を表す。「アルコキシハロアルコキシ」の例としては、CH3OCHClO−、CH3CH2OCH2CHClO−およびCH3CH2OCCl2O−、ならびに、分岐アルキル誘導体が挙げられる。「ハロアルコキシハロアルコキシ」という用語は、ハロアルコキシ部分でさらに置換されたハロアルコキシ基を表す。「ハロアルコキシハロアルコキシ」の例としては、CF3OCHClO−、ClCH2CH2OCHClCH2O−およびCl3CCH2OCHClO−、ならびに、分岐アルキル誘導体が挙げられる。「アルコキシアルキル」は、アルキル上でのアルコキシ置換を表す。「アルコキシアルキル」の例としては、CH3OCH2、CH3OCH2CH2、CH3CH2OCH2、CH3CH2CH2CH2OCH2およびCH3CH2OCH2CH2が挙げられる。「シクロアルコキシアルキル」という用語は、アルキル部分上でのシクロアルコキシ置換を表す。「シクロアルコキシアルキル」の例としては、直鎖または分岐アルキル基に結合しているシクロプロポキシメチル、シクロペントキシエチル、および他のシクロアルコキシ部分が挙げられる。「アルコキシアルコキシアルキル」は、アルキル部分に結合している直鎖または分岐アルコキシ部分に結合している少なくとも1つの直鎖または分岐アルコキシ部分を表す。「アルコキシアルコキシアルキル」の例としては、CH3OCH2OCH2−、CH3CH2O(CH3)CHOCH2−および(CH3O)2CHOCH2−が挙げられる。「アルケニルオキシ」は、直鎖または分岐アルケニルオキシ部分を含む。「アルケニルオキシ」の例としては、H2C=CHCH2O、(CH3)2C=CHCH2O、(CH3)CH=CHCH2O、(CH3)CH=C(CH3)CH2OおよびCH2=CHCH2CH2Oが挙げられる。「アルキニルオキシ」は、直鎖または分岐アルキニルオキシ部分を含む。「アルキニルオキシ」の例としては、C≡CCH2O、CH3C≡CCH2OおよびCH3C≡CCH2CH2Oが挙げられる。
「アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、ならびに種々のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体のような分枝鎖または直鎖アルキルチオ部位が挙げられる。「アルキルチオアルキル」は、アルキル上でのアルキルチオ置換を表す。「アルキルチオアルキル」の例としては、CH3SCH2、CH3SCH2CH2、CH3CH2SCH2、CH3CH2CH2CH2SCH2およびCH3CH2SCH2CH2が挙げられる。「アルキルスルフィニル」としては、アルキルスルフィニル基の両方のエナンチオマーが挙げられる。「アルキルスルフィニル」の例としては、CH3S(O)、CH3CH2S(O)、CH3CH2CH2S(O)、(CH3)2CHS(O)ならびに種々のブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルフィニルアルキル」は、アルキル上でのアルキルスルフィニル置換を表す。「アルキルスルフィニルアルキル」の例としては、CH3S(=O)CH2、CH3S(=O)CH2CH2、CH3CH2S(=O)CH2およびCH3CH2S(=O)CH2CH2が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CH3S(O)2、CH3CH2S(O)2、CH3CH2CH2S(O)2、(CH3)2CHS(O)2および異なるブチルスルホニル、ペンチルスルホニルおよびヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニルアルキル」は、アルキル上でのアルキルスルフィニル置換を表す。「アルキルスルホニルアルキル」の例としては、CH3S(=O)2CH2、CH3S(=O)2CH2CH2、CH3CH2S(=O)2CH2およびCH3CH2S(=O)2CH2CH2が挙げられる。
「アルキルカルボニル」の例としては、CH3C(=O)、CH3CH2CH2C(=O)および(CH3)2CHC(=O)が挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CH3OC(=O)、CH3CH2OC(=O)、CH3CH2CH2OC(=O)、(CH3)2CHOC(=O)および様々なブトキシ−またはペンタオキシカルボニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノカルボニル」の例としては、CH3NHC(=O)−、CH3CH2NHC(=O)−、CH3CH2CH2NHC(=O)−、(CH3)2CHNHC(=O)−および様々なブチルアミノ−またはペンチルアミノカルボニル異性体が挙げられる。「ジアルキルアミノカルボニル」の例としては、(CH3)2NC(=O)−、(CH3CH2)2NC(=O)−、CH3CH2(CH3)NC(=O)−、(CH3)2CHN(CH3)C(=O)−およびCH3CH2CH2(CH3)NC(=O)−が挙げられる。「シクロアルキルアルコキシカルボニル」は、アルコキシカルボニル基のアルコキシ部分上で置換されているシクロアルキルを表す。「シクロアルキルアルコキシカルボニル」の例としては、シクロプロピル−CH2OC(=O)−、シクロプロピル−CH(CH3)OC(=O)−およびシクロペンチル−CH2OC(=O)−が挙げられる。「アルコキシ(アルキル)アミノカルボニル」は、アミノカルボニル基の窒素原子に結合している直鎖または分岐アルキルおよびアルコキシ部分を表す。「アルコキシ(アルキル)アミノカルボニル」の例としては、CH3O(CH3)NC(=O)−、CH3CH2O(CH3)NC(=O)−および(CH3)2CHO(CH3)NC(=O)−が挙げられる。「ハロアルキルスルホニルアミノカルボニル」という用語は、アミノカルボニル基のアルキル部分、あるいは、窒素原子の一方、または、アルキル部分および窒素原子の両方のハロゲン置換を表す。「ハロアルキルスルホニルアミノカルボニル」の例としては、CF3SO2NH(C=O)−およびCF3SO2NCl(C=O)−が挙げられる。「アルキルカルボニルオキシ」という用語は、C(=O)O部分に結合している直鎖または分岐アルキルを表す。「アルキルカルボニルオキシ」の例としては、CH3CH2C(=O)Oおよび(CH3)2CHC(=O)Oが挙げられる。「アルコキシカルボニルアルキル」は、直鎖または分岐アルキル上でのアルコキシカルボニル置換を表す。「アルコキシカルボニルアルキル」の例としては、CH3OC(=O)CH2CH(CH3)、CH3CH2OC(=O)CH2CH2、(CH3)2CHOC(=O)CH2が挙げられる。「アルキルカルボニルアルコキシ」という用語は、アルコキシ部分に結合しているアルキルカルボニルを表す。「アルキルカルボニルアルコキシ」の例
としては、CH3C(=O)CH2CH2OおよびCH3CH2C(=O)CH2Oが挙げられる。「アルコキシカルボニルオキシ」の例としては、CH3CH2CH2OC(=O)Oおよび(CH3)2CHOC(=O)Oが挙げられる。
「アルキル(チオカルボニル)」は、C(=S)部分に結合している直鎖または分岐アルキル部分を表す。「アルキル(チオカルボニル)」の例としては、CH3C(=S)−、CH3CH2CH2C(=S)−および(CH3)2CHC(=S)−が挙げられる。「アルコキシ(チオカルボニル)」は、C(=S)部分に結合している直鎖または分岐アルコキシ部分を表す。「アルコキシ(チオカルボニル)」の例としては、CH3OC(=S)−、CH3CH2CH2OC(=S)−および(CH3)2CHOC(=S)−が挙げられる。「アルキルチオ(チオカルボニル)」は、C(=S)部分に結合している直鎖または分岐アルキルチオ部分を表す。「アルキルチオ(チオカルボニル)」の例としては、CH3SC(=S)−、CH3CH2CH2SC(=S)−および(CH3)2CHSC(=S)−が挙げられる。「アルキルアミノ(チオカルボニル)」は、C(=S)部分に結合している直鎖または分岐アルキルアミノ部分を表す。「アルキルアミノ(チオカルボニル)」の例としては、CH3NHC(=S)−、CH3CH2CH2NHC(=S)−および(CH3)2CHNHC(=S)−が挙げられる。「ジアルキルアミノ(チオカルボニル)」は、C(=S)部分に結合している直鎖または分岐ジアルキルアミノ部分を表す。「ジアルキルアミノ(チオカルボニル)」の例としては、(CH3)2NC(=S)−、CH3CH2CH2(CH3)NC(=S)−および(CH3)2C(CH3)NC(=S)−が挙げられる。
「アルキルアミジノ」は、C(=N)部分の炭素原子に結合している直鎖あるいは分岐アルキルアミノ部分、または、C(=N)部分の炭素原子に結合している非置換アミノ部分、および、C(=N)部分の窒素原子に結合している直鎖あるいは分岐アルキル部分を表す。「アルキルアミジノ」の例としては、CH3NHC(=NH)−、CH3CH2NHC(=NH)−およびH2NC(=NCH3)−が挙げられる。「ジアルキルアミジノ」は、C(=N)部分の炭素原子に結合している直鎖あるいは分岐ジアルキルアミノ部分、または、C(=N)部分の炭素原子に結合している直鎖あるいは分岐アルキルアミノ部分、および、C(=N)部分の窒素原子に結合している直鎖あるいは分岐アルキル部分を表す。「ジアルキルアミジノ」の例としては、(CH3)2NC(=NH)−、CH3CH2(CH3)NC(=NH)−およびCH3NHC(=NCH3)−が挙げられる。
「アルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」等は、上記の例と同様に定義される。「ハロジアルキルアミノ」という用語は、少なくとも1つのアルキル部分上で、同一であっても異なっていてもよい1つ以上のハロゲン原子で置換されているジアルキルアミノ基を表す。「ハロジアルキルアミノ」の例としては、CF3(CH3)N−、(CF3)2N−およびCH2Cl(CH3)N−が挙げられる。「シクロアルキルアミノ」は、アミノ窒素原子がシクロアルキル基および水素原子に結合していることを意味し、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノおよびシクロヘキシルアミノなどの基が挙げられる。「シクロアルキル(アルキル)アミノ」は、アミノ水素原子がアルキル基によって置き換えられているシクロアルキルアミノ基を意味する。「シクロアルキル(アルキル)アミノ」の例としては、シクロプロピル(メチル)アミノ、シクロブチル(ブチル)アミノ、シクロペンチル(プロピル)アミノ、シクロヘキシル(メチル)アミノ等などの基が挙げられる。「ハロアルキルアミノアルキル」は、アミノ窒素、または、アルキル部分あるいはこれらの組み合わせの一方において、同一であっても異なっていてもよい1つ以上のハロゲン原子で置換されているアルキルアミノアルキル基を表す。「ハロアルキルアミノアルキル」は、いずれかのアルキル基、ならびに、窒素に結合しているハロゲン基を含む。「ハロアルキルアミノアルキル」の例としては、CH3NHCHCl−、(CH3)2CClNHCH2−およびCH3NClCH(CH3)−が挙げられる。
「ジアルキルイミド」という用語は、アミノ基の窒素原子に結合している2つの独立した直鎖または分岐アルキルカルボニル部分を表す。「ジアルキルイミド」の例としては、(CH3C(=O))2N−およびCH3CH2C(=O)(CH3C(=O))N−が挙げられる。「アルコキシカルボニルアミノ」という用語は、カルボニルアミノ基のC(=O)部分に結合している直鎖または分岐アルコキシ部分を表す。「アルコキシカルボニルアミノ」の例としては、CH3OC(=O)NH−およびCH3CH2OC(=O)NH−が挙げられる。「アルキルアミノカルボニルアミノ」という用語は、カルボニルアミノ基のC(=O)部分に結合している直鎖または分岐アルキルアミノ部分を表す。「アルキルアミノカルボニルアミノ」の例としては、CH3NHC(=O)NH−およびCH3CH2NHC(=O)NH−が挙げられる。「ジアルキルアミノカルボニルアミノ」という用語は、カルボニルアミノ基のC(=O)部分に結合している鎖または分岐ジアルキルアミノ部分を表す。「ジアルキルアミノカルボニルアミノ」の例としては、(CH3)2NC(=O)NH−およびCH3CH2(CH3)NC(=O)NH−が挙げられる。「アルキルアミノカルボニルアルキルアミノ」という用語は、カルボニルアミノ基のC(=O)部分に結合している直鎖または分岐アルキルアミノ部分、および、カルボニルアミノ基のアミノ窒素に結合している直鎖または分岐アルキル部分を表す。「アルキルアミノカルボニルアルキルアミノ」の例としては、CH3NHC(=O)N(CH3)−およびCH3CH2NHC(=O)N(CH3)−が挙げられる。「ジアルキルアミノカルボニルアルキルアミノ」という用語は、カルボニルアミノ基のC(=O)部分に結合している直鎖または分岐ジアルキルアミノ部分、および、カルボニルアミノ基のアミノ窒素に結合している直鎖または分岐アルキル部分を表す。「ジアルキルアミノカルボニルアルキルアミノ」の例としては、(CH3)2NC(=O)N(CH3)−およびCH3CH2(CH3)NC(=O)N(CH3)−が挙げられる。「アルキルアミノ(チオカルボニル)アミノ」という用語は、カルボニルアミノ基のC(=S)部分に結合している直鎖または分岐アルキルアミノ部分を表す。「アルキルアミノ(チオカルボニル)アミノ」の例としては、CH3NHC(=S)NH−およびCH3CH2NHC(=S)NH−が挙げられる。
「トリアルキルシリル」は、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよびt−ブチルジメチルシリルなどの、結合している、および、ケイ素原子を介してリンクされている3つの分岐および/または直鎖アルキル基を含む。「ハロトリアルキルシリル」という用語は、トリアルキルシリル基の少なくとも1つのアルキル部分で置換されている1つ以上のハロゲン原子を表す。「ハロトリアルキルシリル」の例としては、CF3(CH3)2Si−、(CF3)3Si−、およびCH2Cl(CH3)2Si−が挙げられる。
「ヒドロキシアルキル」は、1つのヒドロキシ基で置換されているアルキル基を表す。「ヒドロキシアルキル」の例としては、HOCH2CH2、CH3CH2(OH)CHおよびHOCH2CH2CH2CH2が挙げられる。
「ハロゲン」という用語は、単独で、または、「ハロアルキル」などの複合語で、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を含む。しかも、「ハロアルキル」などの複合語で用いられる場合、前記アルキルは、同一であっても異なっていてもよいハロゲン原子で、部分的にまたは完全に置換されていてもよい。「ハロアルキル」の例としては、F3C、ClCH2、CF3CH2およびCF3CCl2が挙げられる。「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、「ハロシクロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルチオ」等という用語は、用語「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルケニル」の例としては、(Cl)2C=CHCH2およびCF3CH2CH=CHCH2が挙げられる。「ハロアルキニル」の例としては、HC≡CCHCl、CF3C≡C、CCl3C≡CおよびFCH2C≡CCH2が挙げられる。「ハロアルコキシ」の例としては、CF3O、CCl3CH2O、HCF2CH2CH2OおよびCF3CH2Oが挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CCl3S、CF3S、CCl3CH2SおよびClCH2CH2CH2Sが挙げられる。「ハロアルキルスルフィニル」の例としては、CF3S(O)、CCl3S(O)、CF3CH2S(O)およびCF3CF2S(O)が挙げられる。「ハロアルキルスルホニル」の例としては、CF3S(O)2、CCl3S(O)2、CF3CH2S(O)2およびCF3CF2S(O)2が挙げられる。
他に明記されていない限りにおいて、式1の構成成分としての「環」または「環系」(例えば、置換基JおよびQ)は、炭素環式または複素環式である。「環系」という用語は、2つ以上の結合している環を表す。「スピロ環系」という用語は、単一の原子で結合されている2つの環を構成する環系を表す(従って、これらの環は、単一の原子を共有する)。「二環系」という用語は、2つ以上の原子を共有する2つの環を構成する環系を表す。「縮合二環系」において、共通の原子は隣接しており、従って、環は、2つの隣接する原子およびこれらを結合する結合を共有する。「架橋二環系」においては、共通の原子は隣接していない(すなわち、橋頭原子間に結合はない)。「架橋二環系」は、概念的には、1つ以上の原子のセグメントを、環の隣接していない環員と結合させることにより形成される。
二環系またはスピロ環系の環は、3つ以上の環を含有する拡張環系の一部であることが可能であり、ここで、環、二環系またはスピロ環系上の置換基が一緒になって追加の環を形成しており、これは、二環式および/または拡張環系中の他の環とスピロ環状関係であり得る。例えば、提示Aに表記されている特定のJまたはJ1部分J−29−59は、(Z3GAとして)フェニル基で置換されているフェニル環であるZ2Qとして1つのR5置換基を有すると共に、−CH2CH2CH2−として、ジヒドロイソオキサゾリン環上の他のR5置換基と一緒になって環系中に追加の6員環構成成分を形成する1つのR7a基をも有するジヒドロイソオキサゾリン環から構成される。
「環員」という用語は、環または環系の主鎖を形成する、原子(例えば、C、O、NあるいはS)または他の部分(例えば、C(=O)、C(=S)あるいはS(=O)a(=NR23)b)を指す。「炭素環」という用語は、環主鎖を形成する原子が炭素からのみ選択されている環を表す。「炭素環系」という用語は、環の主鎖を形成する原子が炭素からのみ選択される2つ以上の縮合環を表す。「複素環」という用語は、環主鎖を形成する原子の少なくとも1つが炭素以外である環を表す。「複素環系」という用語は、環の主鎖を形成する原子の少なくとも1つが炭素以外である2つ以上の縮合環を表す。「芳香族」は、環原子の各々が基本的に同一の面内にあると共に環の平面に直角なp軌道を有することを示し、この環にヒュッケル則を満たすために(4n+2)π個の電子(ここでnは正の整数である)が付随している。「芳香族複素環」という用語は、芳香族である複素環を指す。「飽和複素環」という用語は、環員間に単結合を含む複素環を表す。「部分飽和複素環」という用語は、少なくとも1個の二重結合を含むが、芳香族ではない複素環を表す。
式1中の点線、および、本記載(例えば、提示3におけるJ−44、J−45、J−48およびJ−49)中に表記されている他の環中の点線は、示されている結合が単結合または二重結合であることが可能であることを表す。他に明記されていない限りにおいて、複素環系および環系は、いずれかの利用可能な炭素または窒素上の水素を置き換えることにより前記炭素または窒素を介して式1の残りに結合しており、複素環系および環系上のすべての置換基は、いずれかの利用可能な炭素または窒素上の水素を置き換えることにより前記炭素または窒素を介して結合している。
既述のとおり、Jは、5員環、6員環または7員環、8〜11員二環系または7〜11員スピロ環系であって、環または環系の各々は、炭素、2個以下のO、2個以下のSおよび4個以下のNから選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環員、ならびに、C(=O)、C(=S)、S(=O)a(=NR23)bおよびSiR17R18から選択される3個以下の環員を含有し、環または環系の各々は、−Z2Qから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されていると共に、任意により、R5から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されている。ヘテロ原子は任意であるため、0〜4個のヘテロ原子が存在していてもよい。この記載において、2個以下のSから選択されるヘテロ原子は原子であって、部分S(=O)a(=NR23)bではない。本発明は式1の化合物のN−オキシド誘導体にも関連しているため、4個以下のNから選択されるヘテロ原子はN−オキシドとして酸化されていてもよい。従って、C(=O)、C(=S)、S(=O)a(=NR23)bおよびSiR17R18から選択される任意の1〜3個の環員は、2個以下のO、2個以下のSおよび4個以下のNから選択される任意の1〜4個のヘテロ原子に対する追加的なものである。注目すべきことに、未酸化の硫黄原子(すなわち、S)および酸化されている硫黄部分(すなわち、S(=O)a(=NR23)b)の総数が2を超えない場合、SおよびS(=O)a(=NR23)bから選択される2個以下の環員が環または環系中に存在する。任意のヘテロ原子、および、S(=O)a(=NR23)bおよびSiR17R18から選択される任意の環員のいずれも存在していない場合、環または環系は炭素環式である。R5置換基は、利用可能な結合点を有する炭素原子環員および窒素原子環員に結合し得る。炭素ベースの環員C(=O)およびC(=S)は利用可能な結合点を有さない。しかも、SiR17R18環員において、置換基R17およびR18はあるいは個別に定義されており、これらの環員は、R5でさらに置換されていることは不可能である。R5置換基は任意であるため、利用可能な結合点の数による制限で0〜5個の置換基が存在し得る。
同様に、R5およびR7aは、R5およびR7aを結合している原子と一緒になって、炭素、1個以下のO、1個以下のSおよび1個以下のNから選択される3個以下のヘテロ原子から選択される環員、ならびに、C(=O)、C(=S)、S(=O)a(=NR23)bおよびSiR17R18から選択される3個以下の環員を含有する任意により置換されている5〜7員環を形成し得る。ヘテロ原子は任意であるため、0〜3個のヘテロ原子が存在し得る。この記載において、1個以下のSから選択されるヘテロ原子は原子であって、部分S(=O)a(=NR23)bではない。本発明は式1の化合物のN−オキシド誘導体にも関連しているため、1個以下のNから選択されるヘテロ原子は、N−オキシドとして酸化されていてもよい。従って、C(=O)、C(=S)、S(=O)a(=NR23)bおよびSiR17R18から選択される任意の1〜3個の環員は、1個以下のO、1個以下のSおよび1個以下のNから選択される任意の1〜3個のヘテロ原子に対する追加的なものである。注目すべきことに、未酸化の硫黄原子(すなわち、S)および酸化されている硫黄部分(すなわち、S(=O)a(=NR23)b)の総数が1を超えない場合、SおよびS(=O)a(=NR23)bから選択される1個以下の環員が環中に存在している。任意のヘテロ原子、および、S(=O)a(=NR23)bおよびSiR17R18から選択される任意の環員のいずれも存在していない場合、この環は炭素環式である。5〜7員環は任意により置換されている。R5およびR7aを結合している原子上の置換基は、R5およびR7aを結合している構成成分の定義に記載されている。例えば、結合構成成分Z2がCHR20である場合、置換基R20は、H、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4ハロアルキルであると定義される。R5およびR7aが一緒に構成している環の一部分に結合している任意の置換基に関して、任意の置換基は殺菌・殺カビ活性を消失させない非水素置換基である。任意の置換基は、利用可能な結合点を有する炭素原子環員および窒素原子環員に結合し得る。炭素ベースの環員C(=O)およびC(=S)は利用可能な結合点を有さない。しかも、SiR17R18環員において、置換基R17およびR18はあるいは個別に定義されており、これらの環員は、さらに置換されていることは不可能である。同様に、S(=O)a(=NR23)b環員において、置換基R23はあるいは個別に定義されており、これらの環員は、さらに置換されていることは不可能である。
置換基中の炭素原子の総数は「Ci〜Cj」接頭辞によって示されており、ここで、iおよびjは1〜10の数である。例えば、C1〜C4アルキルスルホニルは、メチルスルホニルからブチルスルホニルを示し;C2アルコキシアルキルはCH3OCH2を示し;C3アルコキシアルキルは、例えば、CH3CH(OCH3)、CH3OCH2CH2またはCH3CH2OCH2を示し;およびC4アルコキシアルキルは、合計で4個の炭素原子を含有するアルコキシ基で置換されているアルキル基の種々の異性体を示し、例としては、CH3CH2CH2OCH2およびCH3CH2OCH2CH2が挙げられる。
化合物が、異なることが可能である前記置換基の数を示す添字を有する置換基で置換されている場合、前記置換基の数が1超であるときは、前記置換基は、定義されている置換基の群から独立して選択される。しかも、範囲が示されている場合(例えば、i〜j個の置換基)、置換基の数は、i以上およびj以下の間の整数から選択され得る。基(例えば、J)が水素であることが可能である置換基(例えば、R5)を含有している場合、この置換基が水素とされているときは、これは、前記基が非置換であることと等しいと認識される。種々の基が1つの位置に任意により結合していると示されている場合(例えば、nが0であり得る(R2)n、または、さらなる例として、提示1のU−17中の、kが0であり得る(R4)k)、その種々の基(例えば、R2およびR4)の定義中において言及されていない場合であっても、水素がその位置にあってもよい。基の位置が「置換されていない」または「非置換である」と言う場合、水素原子が、いずれかの有効原子価を埋めるために結合している。「任意により置換されている」という用語は、R1、R2、R5、R7a、G、JおよびQについて列挙されている基と関連して、非置換であるか、または、少なくとも1個の非水素置換基を有する基を指す。他に明記されていない限りにおいて、これらの基は、いずれかの利用可能な炭素原子または窒素原子上における水素原子の非水素置換基での置き換えにより受け入れられることが可能な限り多くの任意の置換基で置換されていてもよい。通例、任意の置換基の数(存在する場合)は1〜3個の範囲である。置換基の数について特定された範囲が(例えば、提示3においてxは0〜5の整数である)、環上の置換基に利用可能な位置の数(例えば、提示3におけるJ−1の(R5)xに関して、sが1である場合には1つの位置のみが利用可能であり(sは0に等しくなることはできない)、または、sが2である場合には利用可能な位置はない)を超えている場合、この範囲の実際の上限値は利用可能な位置の数であると認識される。「任意により置換されている」という用語は、置換基の数がゼロであることが可能であることを意味する。例えば、「炭素環員上のR3から選択される、および、窒素環員上のR11から選択される2個以下の置換基で任意により置換されている」という句は、0、1または2個の置換基が存在することが可能である(潜在的な結合点の数が許容する限り)ことを意味し、従って、R3およびR11置換基の数はゼロであることが可能である。同様に、「1〜5個の置換基で任意により置換されている」という句は、利用可能な結合点の数が許容する限りは0、1、2、3、4または5個の置換基が存在することが可能であることを意味する。「非置換」という用語は、環または環系などの基と関連して、この基は、式1の残りへのその1つ以上の結合以外の如何なる置換基も有さないことを意味する。「メタ置換フェニル」という用語は、フェニル環の式1の残りへの結合に対してメタ位で非水素置換基で置換されているフェニル環を意味する。
上記のとおり、R1は、任意により置換されているフェニル、あるいは、5員もしくは6員芳香族複素環、または、任意により置換されているナフタレニルであり;Gは、任意により置換されている5員複素環であり;R5およびR7aは、R5およびR7aを結合している原子と一緒になって、炭素、1個以下のO、1個以下のSおよび1個以下のNから選択される3個以下のヘテロ原子から選択される環員、ならびに、C(=O)、C(=S)、S(=O)a(=NR23)bおよびSiR17R18から選択される1〜3個以下の環員を含有する任意により置換されている5〜7員環を形成し得る。「置換されている」という用語は、R1、G、R5およびR7aの定義と関連して、殺菌・殺カビ活性を消失させない少なくとも1個の非水素置換基を有する基を指す。これらの基は任意により置換されているため、いずれかの非水素置換基を有している必要性はない。これらの基は、置換基の数が示されていることなく「任意により置換されている」ため、これらの基は、いずれかの利用可能な炭素原子または窒素原子上における水素原子の非水素置換基での置き換えにより受け入れられることが可能な限り多くの任意の置換基で置換されていてもよい。
Z3がCR24=CR27、OCHR20またはCHR20Oである場合、基の左端はQに結合していると共に、基の右端はGA、GNまたはGPに結合している。
本開示における置換基の命名は、当業者への化学構造の正確な伝達を簡潔とする、認知されている用語法を利用する。簡潔性のために、部位識別文字は省略されている場合があり;「ピラゾール−1−イル」は、命名のケミカルアブストラクトシステムに従い、「1H−ピラゾール−1−イル」を意味する。「ピリジル」という用語は、「ピリジニル」と同義である。置換基を列挙する順番は、差異が意味に影響しない限りにおいて、ケミカルアブストラクトシステムとは異なり得る。
本発明の化合物は、1つ以上の立体異性体として存在することが可能である。種々の立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アストロプ異性体および幾何異性体が挙げられる。当業者は、1種の立体異性体は、他の立体異性体に対して濃縮されたときに、または、他の立体異性体から分離されたときにより活性であり得、および/または、有益な効果を発揮し得ることを認識するであろう。加えて、当業者は、前記立体異性体をどのように分離し、濃縮し、および/または選択的に調製するかを知っている。本発明の化合物は、立体異性体の混合物、個別の立体異性体または光学的に活性な形態として存在し得る。例えば、Jが、3位で式1の残りに結合しているJ−29(提示3を参照のこと)であると共に、J−29が、H以外の1つのQ置換基を5位で有している(Z2は直接結合であり、sは1であり、およびxは0である)場合、式1は、Qが結合している炭素原子にキラル中心を有する。2種のエナンチオマーが式1’および式1”として示されており、キラル中心がアスタリスク(*)で特定されている。
本発明は、例えば、当量の式1’および式1”のエナンチオマーであるラセミ混合物を含む。加えて、本発明は、式1のエナンチオマーがラセミ混合物と比して富化されている化合物を含む。例えば、式1’および式1”といった式1の化合物の実質的に純粋なエナンチオマーもまた含まれる。
鏡像異性体的に富化されている場合、一方のエナンチオマーは他方よりも多い量で存在しており、富化の程度は、(2x−1)・100%(式中、xは混合物中の主たるエナンチオマーのモル分率である)と定義される鏡像異性体過剰率(「ee」)の式により定義されることが可能である(例えば、20%のeeは、エナンチオマーの60:40比に相当する)。
好ましくは、本発明の組成物は、より活性な異性体の、少なくとも50%鏡像異性体過剰率;より好ましくは少なくとも75%鏡像異性体過剰率;さらにより好ましくは少なくとも90%鏡像異性体過剰率;および最も好ましくは少なくとも94%鏡像異性体過剰率を有する。特に注目すべきは、より活性な異性体の鏡像異性体的に純粋な実施形態である。
式1の化合物は、追加的なキラル中心を含んでいることが可能である。例えば、R4、R5、R7a、G、J、QおよびX1〜X9などの置換基および他の分子成分は、これら自体がキラル中心を含んでいてもよい。本発明は、ラセミ混合物、ならびに、これらの追加的なキラル中心で富化されている、および、実質的に純粋な立体構造を含む。
本発明の化合物は、式1におけるアミド結合(例えば、C(W)−N)についての限定された回転により、1種以上の配座異性体として存在することが可能である。本発明は、配座異性体の混合物を含む。加えて、本発明は、一方の配座異性体が他方と比して富化されている化合物を含む。
提示1、2、3、4および5に示されている不飽和環および環系のいくつかは、図示されているものとは異なる環員間の単一結合および二重結合の配置を有することが可能である。環原子の特定の配置に関するこのような結合の異なる配置は、異なる互変異性体に相当する。これらの不飽和環および環系について、図示されている特定の互変異性体は、示されている環原子の配置について可能であるすべての互変異性体の代表であるとみなされるべきである。提示中に図示されている環および環系が組み込まれている特定の化合物を列挙している表は、提示において図示されている互変異性体とは異なる互変異性体を含み得る。
本発明の化合物はN−オキシド誘導体を含む。窒素はオキシドへの酸化に利用可能な孤立電子対を必要とすることから、全ての窒素含有複素環がN−オキシドを形成し得ないことを当業者は認識し、N−オキシドを形成できるそれらの窒素含有複素環を当業者は認知するだろう。第三級アミンがN−オキシドを形成し得ることも当業者は認知するだろう。複素環および第三級アミンのN−オキシドの製造に関する合成法は当業者に周知であり、過酢酸およびm−クロロ過安息香酸(MCPBA)のようなペルオキシ酸、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、ならびにジメチルジオキシランのようなジオキシランによる複素環および第三級アミンの酸化を含む。これらのN−オキシドの製造方法は文献に広く記載されており、再調査されている。例えば、T.L.Gilchrist著、Comprehensive Organic Synthesis、第7巻、第748〜750頁、S.V.Ley編、Pergamon Press;M.TislerおよびB.Stanovnik著、Comprehensive Heterocyclic Chemistry、第3巻、第18〜20頁、A.J.BoultonおよびA.McKillop編、Pergamon Press;M.R.GrimmettおよびB.R.T.Keene著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第43巻、第149〜161頁、A.R.Katritzky編、Academic Press;M.TislerおよびB.Stanovnik著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第9巻、第285〜291頁、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Press;ならびにG.W.H.CheesemanおよびE.S.G.Werstiuk著、Advances in Heterocyclic Chemistry、第22巻、第390〜392頁、A.R.KatritzkyおよびA.J.Boulton編、Academic Pressを参照のこと。
式1の本化合物は、農学的に好適な塩の形態であることが可能である。環境中および生理的条件下において、化学化合物の塩はそれらの対応する非塩形態と平衡であるため、塩は、非塩形態の生物学的実用性を共有することを当業者は認識する。従って、式1の化合物の広く多様な塩は、菌類植物病原体(すなわち農学的に好適である)によって引き起こされる植物病害の防除に有用である。式1の化合物の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸などの無機酸または有機酸による酸付加塩が挙げられる。式1の化合物がカルボン酸またはフェノールなどの酸性部位を含有する場合、塩としてはまた、ピリジン、トリエチルアミンもしくはアンモニア、またはアミド;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムの水素化物、水酸化物もしくは炭酸塩などの有機塩基または無機塩基と共に形成されたものも挙げられる。
式1および1Aから選択される化合物(幾何異性体および立体異性体を含む)、N−オキシド、ならびに、その塩は、典型的には2つ以上の形態で存在し、それ故、式1または式1Aは、式1または式1Aが表す化合物のすべての結晶性および非結晶性形態を含む。非結晶形態は、ワックスおよびガムなどの固形分である実施形態、ならびに、溶液および溶融物などの液体である実施形態を含む。結晶形態は、事実上単一の結晶タイプを表す実施形態、および、異形体の混合物(すなわち、異なる結晶性タイプ)を表す実施形態を含む。「異形体」という用語は、異なる結晶形態で結晶化することが可能である化学化合物の特定の結晶形態を指し、これらの形態は、結晶格子における分子の異なる配置および/または配座を有する。異形体は同一の化学組成を有することが可能であるが、これらはまた、格子に弱くまたは強固に結合することが可能である共結晶化水または他の分子の存在または不在により、組成が異なることが可能である。異形体は、結晶形状、密度、硬度、色、化学安定性、融点、吸湿性、懸垂性、溶解率および生物学的利用可能性などの化学的特性、物理的特性および生物学的特性が異なっていることが可能である。当業者は、式1または式1Aによって表される化合物の異形体は、式1または式1Aによって表される同一の化合物の他の異形体または異形体の混合物と相対的に、有益な効果を発揮することが可能である(例えば、有用な配合物の調製のための適合性、向上した生物学的性能)ことを認識するであろう。式1または式1Aによって表される化合物の特定の異形体の調製および単離は、例えば、選択された溶剤および温度を用いる結晶化を含む当業者に公知の方法によって達成されることが可能である。
発明の概要に記載されている本発明の実施形態は、以下に記載のものを含む。以下の実施形態において、式1および1AはそのN−オキシドおよび塩を含み、ならびに、「式1の化合物」または「式1Aの化合物」に対する言及は、実施形態においてさらに定義されていない限り、発明の概要において特定されている置換基の定義を含む。
本発明の実施形態は以下を含む。
実施形態1.式1の化合物であって、式中、AはCHR15である。
実施形態1a.式1または実施形態1の化合物であって、式中、R15は、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、−CHO、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキルまたはC2〜C5アルコキシカルボニルである。
実施形態1b.実施形態1aの化合物であって、式中、R15は、H、シアノ、ヒドロキシ、メチルまたはメトキシカルボニルである。
実施形態1c.実施形態1bの化合物であって、式中、R15はHである。
実施形態2.式1の化合物であって、式中、AはNR16である。
実施形態2a.式1または実施形態1〜2のいずれか1つの化合物であって、式中、R16は、H、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C4ハロアルキルカルボニルまたはC2〜C4アルコキシカルボニルである。
実施形態2b.実施形態2aの化合物であって、式中、R16は、H、メチル、メチルカルボニルまたはメトキシカルボニルである。
実施形態2c.実施形態2bの化合物であって、式中、R16はHである。
実施形態3.式1または実施形態1〜2cのいずれか1つの化合物であって、式中、WはOである。
実施形態4.式1または実施形態1〜2cのいずれか1つの化合物であって、式中、WはSである。
実施形態5.式1の化合物であって、式中、
各R2は、独立して、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルケニル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、シアノあるいはヒドロキシであるか;または
2つのR2は、一緒になって、C1〜C3アルキレンあるいはC2〜C3アルケニレンとして架橋二環系を形成しているか;または
二重結合によって結合している隣接する環炭素原子に結合している2つのR2は、一緒になって、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノおよびニトロから選択される1〜3個の置換基で任意により置換されている−CH=CH−CH=CH−とされる。
実施形態5a.実施形態5の化合物であって、式中、各R2は、独立して、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2アルコキシ、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシである。
実施形態5b.実施形態5aの化合物であって、式中、各R2は、独立して、メチル、メトキシ、シアノまたはヒドロキシである。
実施形態5c.実施形態5bの化合物であって、式中、各R2はメチルである。
実施形態6.式1または実施形態1〜5cのいずれか1つの化合物であって、式中、nは0または1である。
実施形態7.実施形態6の化合物であって、式中、nは0である。
実施形態7a.実施形態6の化合物であって、式中、nは1である。
実施形態8.式1または実施形態1〜7aのいずれか1つの化合物であって、式中、Xは、X1、X2またはX3である。
実施形態9.実施形態8の化合物であって、式中、Xは、X1またはX2である。
実施形態10.実施形態9の化合物であって、式中、XはX1である。
実施形態11.式1または実施形態1〜10のいずれか1つの化合物であって、式中、Xを含む環が飽和である(すなわち、単結合のみを含有する)。
実施形態12.式1または実施形態1〜11のいずれか1つの化合物であって、式中、R1は、一緒に結合してR1縮合環系を形成しない置換基で任意により置換されているフェニルまたは5員もしくは6員芳香族複素環である。
実施形態12a.実施形態12の化合物であって、式中、R1は、炭素環員上のR4aおよび窒素環員上のR4bから独立して選択される1〜3個の置換基で任意により置換されているフェニルまたは5員もしくは6員芳香族複素環であり;
各R4aは、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C10シクロアルキルアルキル、C4〜C10アルキルシクロアルキル、C5〜C10アルキルシクロアルキルアルキル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルチオ、C1〜C4ハロアルキルスルフィニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C8ジアルキルアミノ、C3〜C6シクロアルキルアミノ、C2〜C4アルコキシアルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルキルカルボニルオキシ、C2〜C6アルキルカルボニルチオ、C2〜C6アルキルアミノカルボニル、C3〜C8ジアルキルアミノカルボニルまたはC3〜C6トリアルキルシリルであり;および
各R4bは、独立して、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキルまたはC2〜C4アルコキシアルキルである。
実施形態12b.実施形態12aの化合物であって、式中、R1は、炭素環員上のR4aおよび窒素環員上のR4bから独立して選択される1〜2個の置換基で任意により置換されているフェニルまたは5員もしくは6員芳香族複素環である。
実施形態13.実施形態12a〜12bのいずれか1つの化合物であって、式中、各R4aは、独立して、C1〜C3アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、シクロプロピル、C1〜C3ハロアルキル、C2〜C3ハロアルケニル、C2〜C3ハロアルキニル、ハロシクロプロピル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2ハロアルコキシ、C1〜C2アルキルチオ、C1〜C2ハロアルキルチオ、C2〜C3アルコキシアルキル、C2〜C3アルキルカルボニル、C2〜C3アルコキシカルボニル、C2〜C3アルキルアミノカルボニルまたはC3〜C4ジアルキルアミノカルボニルである。
実施形態14.実施形態13の化合物であって、式中、各R4aは、独立して、C1〜C3アルキル、C2〜C3アルケニル、C2〜C3アルキニル、シクロプロピル、C1〜C3ハロアルキル、C2〜C3ハロアルケニル、C2〜C3ハロアルキニル、ハロシクロプロピル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C2アルコキシまたはC1〜C2ハロアルコキシである。
実施形態15.実施形態14の化合物であって、式中、各R4aは、独立して、ハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、C1〜C2アルコキシまたはC1〜C2ハロアルコキシである。
実施形態15a.実施形態15の化合物であって、式中、各R4aは、独立して、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、ハロゲン、C1〜C2アルコキシまたはC1〜C2ハロアルコキシである。
実施形態16.実施形態15aの化合物であって、式中、各R4aは、独立して、ハロゲン、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキルまたはC1〜C2アルコキシである。
実施形態17.実施形態16の化合物であって、式中、各R4aは、独立して、C1〜C2アルキル、トリフルオロメチル、Cl、Br、Iまたはメトキシである。
実施形態18.実施形態17の化合物であって、式中、各R4aは、独立して、C1〜C2アルキル、トリフルオロメチル、ClまたはBrである。
実施形態19.実施形態12a〜18のいずれか1つの化合物であって、式中、各R4bは、独立して、C1〜C3アルキル、C3アルケニル(例えば、アリル)、C3アルキニル(例えば、プロパルギル)、シクロプロピル、C1〜C3ハロアルキル、C3ハロアルケニル、C3ハロアルキニル、ハロシクロプロピルまたはC2〜C3アルコキシアルキルである。
実施形態20.実施形態19の化合物であって、式中、各R4bは、独立して、C1〜C3アルキル、C3アルケニル、C3アルキニル、シクロプロピル、C1〜C3ハロアルキル、C3ハロアルケニルまたはハロシクロプロピルである。
実施形態21.実施形態20の化合物であって、式中、各R4bは、独立して、C1〜C2アルキルまたはC1〜C2ハロアルキルである。
実施形態22.実施形態21の化合物であって、式中、各R4bは、独立して、C1〜C2アルキルまたはトリフルオロメチルである。
実施形態23.実施形態22の化合物であって、式中、各R4bは、独立して、C1〜C2アルキルである。
実施形態24.実施形態12a〜23のいずれか1つの化合物であって、式中、R1は、提示1に記載のU−1〜U−50の1つであり;
式中、
R4が炭素環員に結合している場合、前記R4はR4aから選択されると共に、R4が窒素環員(例えば、U−4、U−11〜U−15、U−24〜U−26、U−31またはU−35における)に結合している場合、前記R4はR4bから選択され;および
kは、0、1または2である。
実施形態24a.実施形態24の化合物であって、式中、kは1または2である。
実施形態25.実施形態24の化合物であって、式中、kは1または2であると共に、少なくとも1つのR4はClである。
実施形態26.実施形態24の化合物であって、式中、kは1または2であると共に、少なくとも1つのR4はBrである。
実施形態27.実施形態24の化合物であって、式中、kは1または2であると共に、少なくとも1つのR4はメチルである。
実施形態28.実施形態24の化合物であって、式中、kは1または2であると共に、少なくとも1つのR4はエチルである。
実施形態29.実施形態24の化合物であって、式中、kは1または2であると共に、少なくとも1つのR4はトリフルオロメチルである。
実施形態30.実施形態24の化合物であって、式中、kは1または2であると共に、少なくとも1つのR4はメトキシである。
実施形態31.実施形態24〜30のいずれか1つの化合物であって、式中、R1は、U−1〜U−5、U−8、U−11、U−13、U−15、U−20〜U−28、U−31、U−36〜U−39およびU−50から選択される。
実施形態32.実施形態31の化合物であって、式中、R1は、U−1〜U−3、U−5、U−8、U−11、U−13、U−20、U−22、U−23、U−25〜U−28、U−36〜U−39およびU−50から選択される。
実施形態33.実施形態32の化合物であって、式中、R1は、U−1〜U−3、U−11、U−13、U−20、U−22、U−23、U−36〜U−39およびU−50から選択される。
実施形態34.実施形態33の化合物であって、式中、R1は、U−1、U−20またはU−50である。
実施形態35.実施形態34の化合物であって、式中、R1は、U−1である。
実施形態35a.実施形態34の化合物であって、式中、R1は、U−20である。
実施形態36.実施形態34の化合物であって、式中、R1は、U−50である。
実施形態37.実施形態35の化合物であって、式中、kは1であると共に、R4はU−1の3位または5位に結合している。
実施形態37a.実施形態35の化合物であって、式中、kは2であると共に、1つのR4は3位に結合しており、および、他のR4はU−1の5位に結合している。
実施形態38.実施形態35aの化合物であって、式中、kは1であると共に、R4はU−20の3位または5位に結合している。
実施形態38a.実施形態35aの化合物であって、式中、kは2であると共に、1つのR4は3位に結合しており、および、他のR4はU−20の5位に結合している。
実施形態39.実施形態36の化合物であって、式中、kは1であると共に、R4はU−50の2位または5位に結合している。
実施形態40.実施形態36の化合物であって、式中、kは2であると共に、1つのR4は2位に結合しており、および、他のR4はU−50の5位に結合している。
実施形態41.式1または実施形態1〜40のいずれか1つの化合物であって、
式中、Gは、炭素環員上のR3から選択される、および、窒素環員上のR11から選択される2個以下の置換基で任意により置換されている5員複素環であり;
各R3は、独立して、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキルまたはハロゲンであり;ならびに
各R11は、独立して、C1〜C3アルキルである。
実施形態41a.実施形態41の化合物であって、式中、各R3は、独立して、C1〜C3アルキルまたはハロゲンである。
実施形態41b.実施形態41aの化合物であって、式中、各R3は、独立して、メチルまたはハロゲンである。
実施形態41c.実施形態41bの化合物であって、式中、各R3は、メチルである。
実施形態42.実施形態41〜41cのいずれか1つの化合物であって、式中、Gは、提示2に示されているG−1〜G−59の1つであり;
式中、左側に飛び出している結合はXに結合していると共に、右側に飛び出している結合はZ1に結合しており;各R3aは、HまたはR3から独立して選択され;ならびに、R11aは、HおよびR11から選択される。
実施形態43.実施形態42の化合物であって、式中、Gは、G−1〜G−3、G−7、G−8、G−10、G−11、G−14、G−15、G−23、G−24、G−26〜G−28、G−30、G−36〜G−38およびG−49〜G−55から選択される。
実施形態44.実施形態43の化合物であって、式中、Gは、G−1、G−2、G−7、G−8、G−14、G−15、G−23、G−24、G−26、G−27、G−36、G−37、G−38、G−49、G−50およびG−55から選択される。
実施形態45.実施形態44の化合物であって、式中、Gは、G−1、G−2、G−15、G−26、G−27、G−36、G−37およびG−38から選択される。
実施形態46.実施形態45の化合物であって、式中、Gは、G−1、G−2、G−15、G−26およびG−36から選択される。
実施形態47.実施形態46の化合物であって、式中、GはG−1である。注目すべきは、実施形態1〜40、実施形態52〜83、および実施形態A1〜A5におけるこれらの化合物の実施形態である。
実施形態48.実施形態46の化合物であって、式中、GはG−2である。注目すべきは、実施形態1〜40、実施形態52〜83、および実施形態A1〜A5におけるこれらの化合物の実施形態である。
実施形態49.実施形態46の化合物であって、式中、GはG−15である。注目すべきは、実施形態1〜40、実施形態52〜83、および実施形態A1〜A5におけるこれらの化合物の実施形態である。
実施形態50.実施形態46の化合物であって、式中、GはG−26である。注目すべきは、実施形態1〜40、実施形態52〜83、および実施形態A1〜A5におけるこれらの化合物の実施形態である。
実施形態51.実施形態46の化合物であって、式中、GはG−36である。注目すべきは、実施形態1〜40、実施形態52〜83、および実施形態A1〜A5におけるこれらの化合物の実施形態である。
実施形態52.実施形態42〜51のいずれか1つの化合物であって、式中、各R3aは、独立して、H、C1〜C3アルキルまたはハロゲンである。
実施形態53.実施形態52の化合物であって、式中、各R3aは、独立して、Hまたはメチルである。
実施形態54.実施形態42〜51のいずれか1つの化合物であって、式中、各R3aはHであると共に、各R11aは、独立して、Hまたはメチルである。
実施形態55.式1または実施形態41〜51のいずれか1つの化合物であって、式中、Gは非置換である。
実施形態56.式1または実施形態1〜55のいずれか1つの化合物であって、式中、各R5は、独立して、H、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ハロシクロアルキル、C2〜C6アルコキシアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C3〜C8シクロアルコキシ、C2〜C6アルケニルオキシ、C2〜C6ハロアルケニルオキシ、C2〜C6アルキニルオキシ、C2〜C6アルコキシアルコキシ、C2〜C6アルキルカルボニルオキシ、C2〜C6ハロアルキルカルボニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C3〜C10トリアルキルシリル、−NR25R26またはハロゲンである。
実施形態57.実施形態56の化合物であって、式中、各R5は、独立して、H、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、−NR25R26またはハロゲンである。
実施形態57a.実施形態56または57の化合物であって、式中、R5はハロゲン以外である。
実施形態58.実施形態57の化合物であって、式中、各R5は、独立して、H、シアノ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルキルカルボニルまた
はハロゲンである。
実施形態59.実施形態58の化合物であって、式中、各R5は、独立して、HおよびC1〜C3アルキルである。
実施形態60.式1または実施形態1〜59のいずれか1つの化合物であって、式中、Jは提示3に示されているJ−1〜J−82の1つであり;
式中、左に飛び出して示されている結合はZ1に結合しており;xは、0〜5の整数であり;および、sは1〜2の整数である。
実施形態61.実施形態60の化合物であって、式中、xは0または1である。
実施形態61a.実施形態61の化合物であって、式中、xは0である。
実施形態62.実施形態61aの化合物であって、式中、sは1または2である。
実施形態63.実施形態62の化合物であって、式中、sは1である。
実施形態64.実施形態60〜63のいずれか1つの化合物であって、式中、Jは、J−1、J−2、J−3、J−4、J−5、J−7、J−8、J−9、J−10、J−11、J−12、J−14、J−15、J−16、J−20、J−24、J−25、J−26、J−29、J−30、J−37、J−38、J−45およびJ−69から選択される。
実施形態65.実施形態64の化合物であって、式中、Jは、J−4、J−5、J−8、J−11、J−15、J−16、J−20、J−29、J−30、J−37、J−38、およびJ−69から選択される。
実施形態66.実施形態65の化合物であって、式中、Jは、J−4、J−5、J−11、J−20、J−29、J−37、J−38、およびJ−69から選択される。
実施形態67.実施形態66の化合物であって、式中、JはJ−11である。
実施形態68.実施形態66の化合物であって、式中、JはJ−29である。
実施形態69.実施形態59の化合物であって、式中、JはJ−69である。
実施形態70.実施形態67の化合物であって、式中、J−11の3位はZ1に結合していると共に、J−11の5位はZ2Qに結合している。
実施形態71.実施形態68の化合物であって、式中、J−29の3位はZ1に結合していると共に、J−29の5位はZ2Qに結合している。
実施形態72.式1または実施形態1〜71のいずれか1つの化合物であって、式中、Z1に直接的に結合しているJの環または環系は、1つの−Z2Qで置換されている。
実施形態72a.実施形態68の化合物であって、式中、Jは、提示Aに示されているJ−29−1〜J−29−60の1つであり;
式中、Phはフェニルであると共に、左に飛び出して示されている結合は式1中のZ1に結合されている。
実施形態72b.実施形態72aの化合物であって、式中、JはJ−29−1〜J−29−57の1つである。
実施形態73.式1または実施形態1〜72bのいずれか1つの化合物であって、式中、Z1は、直接結合、O、C(=O)、S(O)m、CHR20またはNR21である。
実施形態73a.実施形態73の化合物であって、式中、Z1は直接結合である。
実施形態74.式1または実施形態1〜73aのいずれか1つの化合物であって、式中、Z2は、直接結合、O、C(=O)、S(O)m、CHR20またはNR21である。
実施形態74a.実施形態74の化合物であって、式中、Z2は直接結合またはNR21である。
実施形態74b.実施形態74aの化合物であって、式中、Z2は直接結合である。
実施形態75.式1または実施形態1〜74bのいずれか1つの化合物であって、式中、Qは、提示4に示されているQ−1〜Q−106の1つであり;
式中、左に飛び出して示されている結合はZ2に結合しており;窒素環員に結合しているR12は、任意により、R7(例えば、Q−3、Q−10〜Q−14、Q−21〜Q−23、Q−28、Q−31、Q−62、Q−75、Q−78、Q−79、Q−86、Q−88、Q−92またはQ−95)により置き換えられ;pは、1または2であり;ならびに、qは、0、1、2、3、4または5である。
実施形態76.実施形態75の化合物であって、式中、Qは、Q−1、Q−20、Q−32〜Q−34、Q−45〜Q−47、Q−60〜Q−73、Q−76〜Q−79、Q−84〜Q−94およびQ−98〜Q−106から選択される。
実施形態77.実施形態76の化合物であって、式中、Qは、Q−1、Q−45、Q−62、Q−63、Q−64、Q−65、Q−68、Q−69、Q−70、Q−71、Q−72、Q−73、Q−76、Q−78、Q−79、Q−84、Q−85、Q−98、Q−99、Q−100、Q−101〜Q−106である。
実施形態78.実施形態77の化合物であって、式中、Qは、Q−45、Q−62、Q−63、Q−64、Q−65、Q−68、Q−69、Q−70、Q−71、Q−72、Q−85またはQ−104である。
実施形態79.実施形態78の化合物であって、式中、Qは、Q−45、Q−62、Q−63、Q−65、Q−70、Q−71、Q−72、Q−85またはQ−104である。
実施形態80.実施形態79の化合物であって、式中、Qは、Q−45、Q−62、Q−63、Q−65、Q−70またはQ−104である。
実施形態80a.実施形態77〜80のいずれか1つの化合物であって、式中、Qは、Q−62またはQ−104以外である。
実施形態80b.実施形態80の化合物であって、式中、QはQ−45である。
実施形態80c.実施形態80の化合物であって、式中、QはQ−62である。
実施形態80d.実施形態80の化合物であって、式中、QはQ−104である。
実施形態81.式1または実施形態1〜74bのいずれか1つの化合物であって、式中、各Qは、独立して、フェニル、ベンジル、ナフタレニル、5員もしくは6員芳香族複素環または8〜11員芳香族複素環式二環系であって、環または環系の各々は、炭素原子環員または窒素原子環員上のR7から選択される1個の置換基で置換されている。
実施形態82.実施形態81の化合物であって、式中、Qは、1個のR7で置換されているフェニルである。
実施形態83.実施形態81の化合物であって、式中、Qは、1個のR7で置換されているベンジルである。
実施形態84.実施形態81の化合物であって、式中、Qは、1個のR7で置換されている8〜11員芳香族複素環式二環系である。
実施形態85.式1または実施形態1〜84のいずれか1つの化合物であって、式中、各Z3は、独立して、直接結合、O、NR22、C(=O)、C(=S)、S(O)m、CHR20、CHR20−CHR20、CR24=CR27、C≡CまたはOCHR20である。
実施形態85a.実施形態85の化合物であって、式中、各Z3はC(=O)である。
実施形態86.実施形態85の化合物であって、式中、各Z3は、独立して、直接結合、O、NR22、S(O)m、CHR20、CHR20−CHR20、CR24=CR27、C≡CまたはOCHR20である。
実施形態87.実施形態86の化合物であって、式中、各Z3は、独立して、直接結合、O、NR22、S(O)m、CHR20、CHR20−CHR20、CR24=CR27またはC≡Cである。
実施形態88.実施形態87の化合物であって、式中、各Z3は、独立して、直接結合、O、NR22、CHR20またはCHR20−CHR20である。
実施形態88a.実施形態88の化合物であって、式中、各Z3はCH2である。
実施形態89.実施形態88の化合物であって、式中、各Z3は、独立して、直接結合、OまたはNR22である。
実施形態90.実施形態89の化合物であって、式中、各Z3は直接結合である。
実施形態91.実施形態89の化合物であって、式中、各Z3はOである。
実施形態92.式1または実施形態1〜91のいずれか1つの化合物であって、式中、R7は、−Z3GAである。
実施形態93.実施形態92の化合物であって、式中、GAはフェニルである。
実施形態94.実施形態92の化合物であって、式中、GAは5員もしくは6員芳香族複素環である。
実施形態95.式1または実施形態1〜91のいずれか1つの化合物であって、式中、R7は−Z3GNである。
実施形態96.式1、実施形態1〜91のいずれか1つの化合物であって、式中、R7は−Z3GPである。
実施形態97.式1または実施形態1〜96のいずれか1つの化合物であって、式中、提示5に示されているとおり、それぞれ、各GAは、独立して、GA−1〜GA−49の1つであり、各GNは、独立して、GN−1〜GN−32の1つであり、および、各GPは、独立して、GP−1〜GP−35の1つである。
式中、左に飛び出して示されている結合はZ3に結合しており;およびrは0、1、2、3、4または5である。
実施形態97a.実施形態97の化合物であって、式中、rは、0、1、2または3である。
実施形態97b.実施形態97または97aの化合物であって、式中、GAは、GA−1〜GA−18、GA−23〜GA−38およびGA−49から選択され、GNは、GN−1、GN−2、GN−5、GN−6、GN−9〜GN−16およびGN−29から選択され、ならびに、GPは、GP−1〜GP−6、GP−34およびGP−38から選択される。
実施形態98.実施形態97bの化合物であって、式中、GAは、GA−1〜GA−18、GA−23〜GA−38およびGA−49から選択され、ならびに、GNは、GN−1、GN−2、GN−5、GN−6、GN−9〜GN−16およびGN−29から選択される。
実施形態99.実施形態98の化合物であって、式中、GAは、GA−18およびGA
−49から選択される。
実施形態100.実施形態99の化合物であって、式中、GAはGA−18である。
実施形態101.実施形態99の化合物であって、式中、GAはGA−49である。
実施形態102.式1または実施形態1〜101のいずれか1つの化合物であって、式中、各Rvは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、−C(=O)OH、−C(=O)NH2、−SO2NH2、−SH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C8アルキルカルボニル、C2〜C8アルコキシカルボニル、C4〜C10シクロアルコキシカルボニル、C5〜C12シクロアルキルアルコキシカルボニル、C2〜C8アルキルアミノカルボニル、C3〜C10ジアルキルアミノカルボニル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ハロシクロアルキル、C4〜C10アルキルシクロアルキル、C4〜C10シクロアルキルアルキル、C6〜C14シクロアルキルシクロアルキル、C4〜C10ハロシクロアルキルアルキル、C5〜C12アルキルシクロアルキルアルキル、C2〜C8アルコキシアルキル、C4〜C10シクロアルコキシアルキル、C3〜C10アルコキシアルコキシアルキル、C2〜C8アルキルチオアルキル、C2〜C8アルキルスルフィニルアルキル、C2〜C8アルキルスルホニルアルキル、C2〜C8アルキルアミノアルキル、C3〜C10ジアルキルアミノアルキル、C2〜C8ハロアルキルアミノアルキル、C4〜C10シクロアルキルアミノアルキル、C4〜C10シクロアルキルカルボニル、C4〜C10シクロアルキルアミノカルボニル、C2〜C7シアノアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C4〜C10シクロアルケニルアルキル、C2〜C8ハロアルコキシアルキル、C2〜C8アルコキシハロアルキル、C3〜C10アルコキシアルキルカルボニル、C3〜C10アルコキシカルボニルアルキル、C3〜C10アルコキシ(アルキル)アミノカルボニル、C2〜C8アルキルアミジノ、C3〜C10ジアルキルアミジノ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C8アルキルカルボニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルアミノスルホニル、C2〜C8ジアルキルアミノスルホニル、C3〜C10トリアルキルシリル、C2〜C8アルコキシアルコキシ、C1〜C6アルキルアミノ、C2〜C8ジアルキルアミノ、C2〜C8アルキルカルボニルアミノ、C1〜C6アルキルスルホニルアミノまたはC1〜C6ハロアルキルアミノである。
実施形態103.実施形態102の化合物であって、式中、各Rvは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C8アルキルカルボニル、C2〜C8アルコキシカルボニル、C3〜C8シクロアルキル、C4〜C10アルキルシクロアルキル、C4〜C10シクロアルキルアルキル、C6〜C14シクロアルキルシクロアルキル、C2〜C8アルコキシアルキル、C3〜C10ジアルキルアミノアルキル、C2〜C7シアノアルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル、C2〜C8ハロアルコキシアルキル、C3〜C10アルコキシアルキルカルボニル、C3〜C10アルコキシカルボニルアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C2〜C8アルキルカルボニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルアミノまたはC2〜C8ジアルキルアミノである。
実施形態104.実施形態103の化合物であって、式中、各Rvは、独立して、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2アルコキシまたはC1〜C2ハロアルコキシである。
実施形態104a.実施形態104の化合物であって、式中、各Rvは、独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、またはメチルである。
実施形態105.式1または実施形態1〜104のいずれか1つの化合物であって、式中、各R7aは、独立して、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシまたはC2〜C6アルコキシカルボニルである。
実施形態106.実施形態105の化合物であって、式中、各R7aは、独立して、メチル、CF3、ハロゲンまたはメトキシである。
実施形態107.式1または実施形態1〜106のいずれか1つの化合物であって、式中、R21は、H、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルキルカルボニルまたはC2〜C3アルコキシカルボニルである。
実施形態108.式1または実施形態1〜107のいずれか1つの化合物であって、式中、各Z4は、独立して、C(=O)またはS(O)2である。
実施形態109.実施形態108の化合物であって、式中、各Z4はC(=O)である。
実施形態110.式1または実施形態1〜109のいずれか1つの化合物であって、式中、Gが、式1において、その2位でXに結合していると共にその4位でZ1に結合している任意により置換されているチアゾール環であり、AがCHR15であり、および、Jが、その4位でZ1に結合している置換イソオキサゾール環である場合、Z1は、O、C(=O)、S(O)m、CHR20またはNR21である。
実施形態111.式1または実施形態1〜110のいずれか1つの化合物であって、式中、Gが、式1において、その2位でXに結合していると共にその4位でZ1に結合している任意により置換されているチアゾール環であり、および、Jが、その4位でZ1に結合している置換イソオキサゾール環である場合、Z1は、O、C(=O)、S(O)m、CHR20またはNR21である。
実施形態112.式1または実施形態1〜111のいずれか1つの化合物であって、式中、Gが、式1において、その2位でXに結合していると共にその4位でZ1に結合している任意により置換されているチアゾール環であり、AがCHR15であり、Z1が直接結合であり、および、Jが置換イソオキサゾール環である場合、Jは、イソオキサゾール環の3位または5位で式1の残りに結合されている。
実施形態113.式1または実施形態1〜112のいずれか1つの化合物であって、式中、Gが、式1において、その2位でXに結合していると共にその4位でZ1に結合している任意により置換されているチアゾール環であり、AがCHR15であり、Z1が直接結合であり、および、Jが置換イソオキサゾール環である場合、Jは、イソオキサゾール環の3位で式1の残りに結合されている。
実施形態114.式1または実施形態1〜113のいずれか1つの化合物であって、式中、Gが、式1において、その2位でXに結合していると共にその4位でZ1に結合している任意により置換されているチアゾール環であり、Z1が直接結合であり、およびJが置換イソオキサゾール環である場合、Jは、イソオキサゾール環の3位で式1の残りに結合されている。
実施形態115.式1または実施形態1〜114のいずれか1つの化合物であって、式中、XがX1であると共にXを含有する環が飽和であり、AがNHであり、Gが、式1においてその2位でXに結合していると共にその4位でZ1に結合している任意により置換されているチアゾール環であり、および、Jが、その2位で式1の残りに結合している置換イミダゾール環である場合、Z1は、O、C(=O)、S(O)m、CHR20またはNR21である。
実施形態116.式1または実施形態1〜115のいずれか1つの化合物であって、式中、XがX1であると共にXを含有する環が飽和であり、AがNR16であり、Gが、式1においてその2位でXに結合していると共にその4位でZ1に結合している任意により置換されているチアゾール環であり、および、Jがその2位で式1の残りに結合している置換イミダゾール環である場合、Z1は、O、C(=O)、S(O)m、CHR20またはNR21である。
実施形態117.式1または実施形態1〜116のいずれか1つの化合物であって、式中、Gが、式1において、その2位でXに結合していると共にその4位でZ1に結合している、任意により置換されているチアゾール環である場合、Jは置換イミダゾリル以外である。
実施形態1〜117の組み合わせが以下により例示されている。
実施形態A1.式1の化合物であって、式中、
R1は、炭素環員上のR4aおよび窒素環員上のR4bから独立して選択される1〜3個の置換基で任意により置換されているフェニルまたは5員もしくは6員芳香族複素環であり;
Gは、炭素環員上のR3から選択される、および、窒素環員上のR11から選択される2個以下の置換基で任意により置換されている5員複素環であり;
Jは、J−1〜J−82の1つであり(提示3に示されているとおり)、式中、左に飛び出して示されている結合はZ1に結合されており;
各R2は、独立して、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2アルコキシ、ハロゲン、シアノまたはヒドロキシであり;
各R3は、独立して、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキルまたはハロゲンであり;
各R4aは、独立して、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C4〜C10シクロアルキルアルキル、C4〜C10アルキルシクロアルキル、C5〜C10アルキルシクロアルキルアルキル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルチオ、C1〜C4ハロアルキルスルフィニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C8ジアルキルアミノ、C3〜C6シクロアルキルアミノ、C2〜C4アルコキシアルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルキルカルボニルオキシ、C2〜C6アルキルカルボニルチオ、C2〜C6アルキルアミノカルボニル、C3〜C8ジアルキルアミノカルボニルまたはC3〜C6トリアルキルシリルであり;
各R4bは、独立して、C1〜C6アルキル、C3〜C6アルケニル、C3〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C6ハロアルケニル、C3〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキルまたはC2〜C4アルコキシアルキルであり;
各R11は、独立して、C1〜C3アルキルであり;
R15は、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、−CHO、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキルまたはC2〜C5アルコキシカルボニルであり;
R16は、H、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C4ハロアルキルカルボニルまたはC2〜C4アルコキシカルボニルであり;
xは、0〜5の整数であり;ならびに
sは、1〜2の整数である。
実施形態A2.実施形態A1の化合物であって、式中、
GはG−1〜G−59の1つであって(提示2に示されているとおり)、式中、左側に飛び出している結合はXに結合していると共に右側に飛び出している結合はZ1に結合しており;
Jは、J−1、J−2、J−3、J−4、J−5、J−7、J−8、J−9、J−10、J−11、J−12、J−14、J−15、J−16、J−20、J−24、J−25、J−26、J−29、J−30、J−37、J−38、J−45およびJ−69から選択され;
QはQ−1〜Q−106の1つであり(提示4に示されているとおり);
R1は、U−1〜U−50の1つ(提示1に示されているとおり)であって、式中、R4が炭素環員に結合している場合、前記R4はR4aから選択されると共に、R4が窒素環員(例えば、U−4、U−11〜U−15、U−24〜U−26、U−31またはU−35における)に結合している場合、前記R4はR4bから選択され;
各R2は、独立して、メチル、メトキシ、シアノまたはヒドロキシであり;
各R3aは、HおよびR3から独立して選択され;
各R5は、独立して、H、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C3〜C8シクロアルキル、C3〜C8ハロシクロアルキル、C2〜C6アルコキシアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、C3〜C8シクロアルコキシ、C2〜C6アルケニルオキシ、C2〜C6ハロアルケニルオキシ、C2〜C6アルキニルオキシ、C2〜C6アルコキシアルコキシ、C2〜C6アルキルカルボニルオキシ、C2〜C6ハロアルキルカルボニルオキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6ハロアルキルチオ、C3〜C10トリアルキルシリルまたは−NR25R26であり;
R11aは、HおよびR11から選択され;
R15は、H、シアノ、ヒドロキシ、メチルまたはメトキシカルボニルであり;
R16は、H、メチル、メチルカルボニルまたはメトキシカルボニルであり;
各Z4はC(=O)であり;
kは、0、1または2であり;
pは、1または2であり;
qは、0、1、2、3、4または5であり;ならびに
sは1である。
実施形態A3.実施形態A2の化合物であって、式中、
Gは、G−1、G−2、G−7、G−8、G−14、G−15、G−23、G−24、G−26、G−27、G−36、G−37、G−38、G−49、G−50およびG−55から選択され;
Jは、J−4、J−5、J−8、J−11、J−15、J−16、J−20、J−29、J−30、J−37、J−38およびJ−69から選択され;
各Qは、独立して、Q−1、Q−20、Q−32〜Q−34、Q−45〜Q−47、Q−60〜Q−73、Q−76〜Q−79、Q−84〜Q−94およびQ−98〜Q−106であり;
Aは、CH2またはNHであり;
WはOであり;
Xは、X1、X2またはX3であり;
Z1は直接結合であり;
Z2は、直接結合またはNR21であり;
R1は、U−1〜U−3、U−11、U−13、U−20、U−22、U−23、U−36〜U−39およびU−50から選択され;
各R3は、独立して、メチルまたはハロゲンであり;
各R4aは、独立して、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、ハロゲン、C1〜C2アルコキシまたはC1〜C2ハロアルコキシであり;
各R4bは、独立して、C1〜C2アルキルまたはC1〜C2ハロアルキルであり;
各R7aは、独立して、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシまたはC2〜C6アルコキシカルボニルであり;
kは、1または2であり;ならびに
nは0である。
実施形態A4.実施形態A3の化合物であって、式中、
AはCH2であり;
Gは、G−1、G−2、G−15、G−26、G−27、G−36、G−37およびG−38から選択され;および、Gは非置換であり;
JはJ−29であり;
Qは、Q−1、Q−45、Q−63、Q−64、Q−65、Q−68、Q−69、Q−70、Q−71、Q−72、Q−73、Q−76、Q−78、Q−79、Q−84、Q−85、Q−98、Q−99、Q−100およびQ−101〜Q−106から選択され;
Xは、X1またはX2であり;および、Xを含む環は飽和であり;
R1は、U−1、U−20またはU−50であり;
各R4aは、独立して、C1〜C2アルキル、トリフルオロメチル、Cl、Br、Iまたはメトキシであり;
各R4bは、独立して、C1〜C2アルキルまたはトリフルオロメチルであり;ならびに
各R5は、独立して、H、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシまたは−NR25R26である。
実施形態A5.実施形態A4の化合物であって、式中、
Gは、G−1、G−2、G−15、G−26およびG−36から選択され;
Jは、J−29−1〜J−29−60のいずれか1つであり(提示Aに示されている);
Qは、Q−45、Q−63、Q−64、Q−65、Q−68、Q−69、Q−70、Q−71、Q−72およびQ−85から選択され;ならびに
XはX1である。
本発明の実施形態はまた以下をも含む。
実施形態B1.式1Aの化合物であって、式中、Mは、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C2ハロアルコキシ、C1〜C3アルキルアミノ、C2〜C6ジアルキルアミノ、1−ピペリジニル、1−ピロリジニルまたは4−モルホリニルである。
実施形態B2.式1Aの化合物であって、式中、Mは、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、ヒドロキシ、C2〜C8ジアルキルアミノ、1−ピペリジニル、1−ピ
ロリジニルまたは4−モルホリニルである。
実施形態B3.実施形態B2の化合物であって、式中、Mは、メチル、ハロメチル、ヒドロキシ、C2〜C8ジアルキルアミノ、1−ピペリジニル、1−ピロリジニルまたは4−モルホリニルである。
実施形態B4.実施形態B3の化合物であって、式中、Mは、C2〜C8ジアルキルアミノ、1−ピペリジニル、1−ピロリジニルまたは4−モルホリニルである。
実施形態B5.式1Aまたは実施形態B1〜B4のいずれか1つの化合物であって、式中、J1は、J−29−1〜J−29−57のいずれか1つである(提示Aに示されているとおり)。
本発明の式1Aの化合物に関しては、J−29の種々の実施形態は2種以上のエナンチオマー型で存在することが可能であることに注目されたい。本発明の式1Aの化合物についてのJ−29実施形態のエナンチオマー型は、上記提示Aに示されているものである。すべてのJ−29エナンチオマーが、特定のJ−29エナンチオマー型が示されていない実施形態についての本発明における式1A化合物において含まれる。
特定の実施形態は、以下からなる群から選択される式1の化合物を含む。
1−[4−[4−[4,5−ジヒドロ−5−[3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]−3−イソオキサゾリル]−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノン、
1−[4−[4−(5−[1,1’−ビフェニル]−4−イル−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル)−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノン、
4−[4−(5−[1,1’−ビフェニル]−2−イル−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル)−2−チアゾリル]−N−(2,5−ジメチルフェニル)−1−ピペリジンカルボキサミド、
4−[4−(4,5−ジヒドロ−5−[2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]−3−イソオキサゾリル)−2−チアゾリル]−N−(2,5−ジメチルフェニル)−1−ピペリジンカルボキサミド、
1−[4−[4−[4,5−ジヒドロ−5−[2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]−3−イソオキサゾリル]−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノン、
1−[4−[4−[5−[2−フルオロ−6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル]−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノン、および
1−[4−[4−(5−[1,1’−ビフェニル]−2−イル−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル)−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノン。
本発明は、式1の化合物(すべての幾何異性体および立体異性体を含む)ならびにそのN−オキシドおよび塩から選択される化合物、ならびに、少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ剤を含む殺菌・殺カビ組成物を提供する。このような組成物の実施形態は、上述の化合物実施形態のいずれかに対応する化合物を含む組成物であることに注意されたい。
本発明は、式1の化合物(全ての幾何異性体および立体異性体を含む)ならびにそのN−オキシドおよび塩から選択される化合物の殺菌・殺カビ的に有効な量と、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加成分とを含む殺菌・殺カビ性組成物を提供する。かかる組成物の実施形態として注目すべきは、上記された化合物の実施形態のいずれかに相当する化合物を含む組成物である。
本発明は、菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害の防除方法であって、植物もしくはその一部に、または植物の種子に、式1の化合物(全ての幾何異性体および立体異性体を含む)ならびにそのN−オキシドおよび塩から選択される化合物の殺菌・殺カビ的に有効な量を適用する工程を含む方法を提供する。かかる方法の実施形態として注目すべきは、上記された化合物の実施形態のいずれかに相当する化合物の殺菌・殺カビ的に有効な量を適用する工程を含む方法である。特に注目すべきは、化合物が本発明の組成物として適用される実施形態である。
また、注目すべきは、実施形態1〜117、A1〜A5、およびB1〜B5を含む上記実施形態であり、ここで、式1および1Aは、そのN−オキシドを含まず、その塩を含まず、または、そのN−オキシドおよび塩を含まない。
式1および1Aの化合物は、以下の方法およびスキーム1〜29に記載の変形例の1つ以上によって調製されることが可能である。以下の式1〜48および式1Baおよび式1Bbの化合物におけるA、G、J、W、X、Q、Z1、Z2、Z3、R1、R2、R15、R16およびnの定義は、特に記載のない限り、上記発明の概要において定義されているとおりである。式1a〜1iは、式1の種々のサブセットであり;式37aは、式37の代替的な表記である。
スキーム1に示されているとおり、WがOである式1a(AがCHR15である式1)の化合物は、式2の酸塩化物と式3のアミンとの、酸掃去剤の存在下でのカップリングにより調製されることが可能である。典型的な酸掃去剤としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンおよびピリジンなどのアミン塩基が挙げられる。他の掃去剤としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの水酸化物、ならびに、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどの炭酸塩が挙げられる。一定の事例においては、ポリマー結合N,N−ジイソプロピルエチルアミンおよびポリマー結合4−(ジメチルアミノ)ピリジンなどのポリマー担持酸掃去剤を用いることが有用である。式3アミンの酸塩もまたこの反応において用いられることが可能であるが、ただし、少なくとも2当量の酸掃去剤が存在する。アミンと塩を形成するために用いられる典型的な酸としては、塩酸、シュウ酸およびトリフルオロ酢酸が挙げられる。その後のステップにおいて、WがOである式1aのアミドは、五硫化リンまたは2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(Lawesson’s試薬)などの多様な標準的なチア化試薬を用いて、WがSである式1aのチオアミドに転化されることが可能である。
WがOである式1aの化合物の調製のための代替的な手法がスキーム2に示されており、式4の酸と式3のアミン(またはその酸塩)との、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)またはO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−リン酸(HBTU)などの脱水カップリング剤の存在下でのカップリングを含む。ここでもまた、ポリマー結合シクロヘキシルカルボジイミドなどのポリマー担持試薬が有用である。これらの反応は、典型的には、0〜−40℃で、ジクロロメタンまたはアセトニトリルなどの溶剤中に、トリエチルアミンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下に行われる。式4の酸は公知であるか、または、当業者に公知の方法により調製されることが可能である。例えば、R1が窒素を介して結合している芳香族複素環であるR1CH2COOHは、対応するR1H化合物をハロ酢酸またはエステルと、塩基の存在下に反応させることにより調製されることが可能である;例えば、米国特許第4,084,955号明細書を参照のこと。R1がフェニルまたは炭素を介して結合している芳香族複素環であるR1CH2COOHは、対応するR1CH2−ハロゲン化合物から、ハロゲンのシアン化物での置き換え、これに続く加水分解により(例えば、K.Adachi、有機合成化学協会誌、1969年、27、875〜876ページを参照のこと);R1C(=O)CH3からWillgerodt−Kindler反応により(例えば、H.R.Darabiら、Tetrahedron Letters、1999年、40、7549〜7552ページ、ならびに、M.M.AlamおよびS.R.Adapa、Synthetic Communications、2003年、33、59〜63ページおよび中で引用されている文献を参照のこと);または、R1BrまたはR1Iから、t−酢酸ブチルまたはマロン酸ジエチルとのパラジウム触媒カップリング、これに続くエステル加水分解により(例えば、W.A.MoradiおよびS.L.Buchwald、J.Am.Chem.Soc.、2001年、123、7996〜8002ページおよびJ.F.Hartwigら、J.Am.Chem.Soc.、2002年、124、12557〜12565ページを参照のこと)調製されることが可能である。
合成文献は多くのアミド形成法を含むため、スキーム1および2の合成手法は、式1化合物の調製に有用な広く多様な方法の単なる代表例である。当業者はまた、式2の酸塩化物は式4の酸から数多くの周知の方法により調製されることが可能であることを認識する。
R1が窒素原子を介して結合している5員窒素含有芳香族複素環である、式1b(AがCHR15であると共に、WがOである式1)の一定の化合物は、スキーム3に示されているとおり式5の親複素環と式6のハロアセトアミドとの反応により調製されることが可能である。この反応は、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの塩基の存在下に、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの溶剤中で、0〜80℃で実施される。式6のハロアセトアミドは、それぞれ、スキーム1および2に記載のアミド形成反応と類似した式3のアミンと、α−ハロカルボン酸ハライドまたはα−ハロカルボン酸またはその無水物との反応により調製されることが可能である。
式中、R
1は、N上で非置換の5員窒素含有芳香族複素環であり;およびY
1はCl、BrまたはIである。
R1がフェニル、ナフタレニルまたは5員もしくは6員芳香族複素環であり、および、WがOまたはSである、式1c(AがNHである式1)の化合物は、スキーム4に示されているとおり、式3のアミンと、それぞれ、式7のイソシアネートまたはイソチオシアネートとの反応により調製されることが可能である。この反応は、典型的には、周囲温度で、ジクロロメタンまたはアセトニトリルなどの非プロトン性溶剤中に実施される。
式1cの化合物もまた、スキーム5に示されているとおり、式8のアミンと、式9のカルバモイルまたは塩化チオカルバモイルまたはイミダゾールとの反応により調製されることが可能である。Yが塩素である場合、この反応は、典型的には、酸掃去剤の存在下で実施される。典型的な酸掃去剤としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンおよびピリジンなどのアミン塩基が挙げられる。他の掃去剤としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの水酸化物、ならびに、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどの炭酸塩が挙げられる。式9のカルバモイルまたは塩化チオカルバモイル(式中、YはClである)は、式3のアミンから、それぞれ、ホスゲンあるいはチオホスゲンまたは、これらの均等物での処理により調製されることが可能である一方で、式9のカルバモイルまたはチオカルバモイルイミダゾール(式中、Yはイミダゾール−1−イルである)は、当業者に公知である一般的な方法に従って、式3のアミンから、それぞれ、1,1’−カルボニルジイミダゾールまたは1,1’−チオカルボニルジイミダゾールでの処理により調製されることが可能である。
式中、WはOまたはSであり;および、YはClまたはイミダゾール−1−イルである。
式1dの一定の化合物(すなわち、Xを含有する環が飽和である式1)は、スキーム6に示されているとおり、Xを含有する環が不飽和である式1eの化合物から、触媒水素化により調製されることが可能である。典型的な条件は、金属対担体の5〜20%の重量比での、エタノールなどの溶剤中に周囲温度で懸濁されている、活性炭素などの不活性担体に担持されたパラジウムなどの金属触媒の存在下での、式1eの化合物の70〜700kPa、好ましくは270〜350kPaの圧力での水素ガスへの露出を含む。このタイプの還元はきわめて周知である;例えば、Catalytic Hydrogenation、L.Cerveny編、Elsevier Science、Amsterdam、1986年を参照のこと。当業者は、式1eの化合物中に存在し得る他の一定の官能基もまた触媒水素化条件下で還元されることが可能であり、それ故、触媒および条件の好適な選択が必要とされることを認識するであろう。
式中、Xは、X
1、X
2、X
5、X
8またはX
9である。
XがX1、X5、X7またはX9であり、および、Gが窒素原子を介してXを含有する環に結合している式1の一定の化合物は、スキーム7に示されているとおり、式10のXを含有する環上の適切な脱離基Y2の、塩基の存在下での、式11の窒素含有複素環での置き換えにより調製されることが可能である。好適な塩基としては、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムが挙げられ、反応は、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの溶剤中に、0〜80℃で実施される。式10の化合物における好適な脱離基としては、臭化物、ヨウ化物、メシレート(OS(O)2CH3)、トリフレート(OS(O)2CF3)等が挙げられ、式10の化合物は、Y2がOHである対応する化合物から、技術分野において公知である一般的な方法を用いて調製されることが可能である。
式中、WはOまたはSであり;Xは、X
1、X
5、X
7またはX
9であり;および、Y
2は、Br、I、OS(O)
2MeまたはOS(O)
2CF
3などの脱離基である。
XがX2またはX8である式1の化合物は、スキーム8に示されているとおり、式12の化合物と、式13の複素環式ハライドまたはトリフレート(OS(O)2CF3)との反応により調製されることが可能である。この反応は、炭酸カリウムなどの塩基の存在下に、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの溶剤中に、0〜80℃で実施される。Y2がトリフレートである式13の化合物は、Y2がOHである対応する化合物から、当業者に公知の方法により調製されることが可能である。
式中、WはOまたはSであり;Xは、X
2またはX
8であり;および、Y
2は、Br、IOS(O)
2MeまたはOS(O)
2CF
3などの脱離基である。
式3のアミン化合物は、スキーム9に示されているとおり、Y3がアミン−保護基である式14の保護されたアミン化合物から調製されることが可能である。多様なアミン−保護基が利用可能であり(例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版;Wiley:New York、1991年を参照のこと)、および、適切な保護基の使用および選択は、化学合成における当業者には明らかであろう。保護基は除去可能であり、アミンは、技術分野において公知である一般的な方法によりその酸塩または遊離アミンとして単離される。当業者はまた、式14の保護されたアミンは、基R1AC(=W)がY3により置き換えられて式1の化合物の調製に有用な式14の中間体がもたらされる上記スキーム6、7、および8に記載のものに類似の方法により調製されることが可能であることを認識するであろう。
式14の化合物はまた、スキーム10に示されているとおり、式15の適切に官能基化された化合物と式16の適切に官能基化された化合物との反応により調製されることが可能である。官能基Y4およびY5は、特にこれらに限定されないが、アルデヒド、ケトン、エステル、酸、アミド、チオアミド、ニトリル、アミン、アルコール、チオール、ヒドラジン、オキシム、アミジン、アミドオキシム、オレフィン、アセチレン、ハライド、ハロゲン化アルキル、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ボロン酸、ボロネート等などの部分から選択され、これは、適切な反応条件下で、種々の複素環Gの構築を許容することとなる。例として、Y4がチオアミド基である式15の化合物とY5がブロモアセチルまたはクロロアセチル基である式16の化合物との反応は、Gがチアゾール環である式14の化合物をもたらすこととなる。合成文献には、5員芳香族複素環および5員部分飽和複素環を形成するための多くの一般的な方法が記載されている(例えば、G−1〜G−59);例えば、Comprehensive Heterocyclic Chemistry、第4〜6巻、A.R.KatritzkyおよびC.W.Rees編、Pergamon Press、New York、1984年;Comprehensive Heterocyclic Chemistry II、第2〜4巻、A.R.Katritzky、C.W.Rees、およびE.F.Scriven編、Pergamon Press、New York、1996年;およびシリーズ、The Chemistry of Heterocyclic Compounds,E.C.Taylor編、Wiley、New Yorkを参照のこと。XがX1であると共にY4がBr、I、メタンスルホネートまたはトリフルオロメタンスルホネートである式15の中間体を使用した、芳香族環とのクロスカップリング反応において用いられるための有機亜鉛試薬の調製が記載されている;例えば、S.Bellotte、Synlett、1998年、379〜380ページ、およびM.Nakamuraら、Synlett、2005年、1794〜1798ページを参照のこと。当業者は、Gなどの所望の複素環を構築するために適切な官能基をどのように選択するかを知っている。式15および16の化合物は公知であるか、または、技術分野において公知である一般的な方法により調製されることが可能である。例えば、Y4がチオアミド基である式15の化合物は、Y4がシアノである対応する化合物から、実施例2、ステップBに実証されている方法と類似の水硫化ナトリウムでの処理により調製されることが可能である。
式中、Y
4およびY
5は、所望の複素環Gの構築に好適である官能基である。
当業者は、特に本明細書に記載の方法は、式1の化合物の調製に有用である、合成有機化学の分野において公知である広く多様な方法の例示であることを認識する。式1の分子構成成分を集合させる順番は様々であることが可能であり、類似の出発化合物および試薬を選択して、式1の範囲内の種々の化合物を調製することが可能である。例えば、スキーム10の方法は、スキーム9に示されている保護基Y3を除去する工程、および、スキーム1〜5に示されている分子(R1AC(=W)−)の左側の部分を結合させる工程の前に、G環を前駆体基Y4およびY5から形成する工程を含む。あるいは、スキーム10に類似の方法を用いて、スキーム1〜5に類似の方法を用いて分子の左側の部分が取り付けられた後に、G環を前駆体基Y4およびY5から形成することが可能である。この代替的な合成経路は実施例2において実証されており、ここで、ステップAはスキーム4に類似しており、ステップBはスキーム10のための出発化合物を調製するための方法に類似しており、ステップCはスキーム28に対応しており、ステップDはスキーム20に類似しており、および、ステップEはスキーム10に類似している。
Z1がO、S、またはNR21である式14の一定の化合物は、スキーム11に示されているとおり、塩基の存在下で、式17のG上の適切な脱離基Y2を式18の化合物で置き換えることにより調製されることが可能である。好適な塩基としては水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムが挙げられ、この反応は、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの溶剤中に、0〜80℃で実施される。式17の化合物における好適な脱離基としては、臭化物、ヨウ化物、メシレート(OS(O)2CH3)、トリフレート(OS(O)2CF3)等が挙げられる。式17の化合物は、Y2がOHである対応する化合物から、技術分野において公知である一般的な方法により調製されることが可能である。式18の化合物は公知であるか、または、技術分野において公知である一般的な方法により調製されることが可能である。
式中、Y
2は、Br、I、OS(O)
2MeまたはOS(O)
2CF
3などの脱離基であり;および、Z
1は、O、SまたはNR
21である。
Z1が、O、S、またはNR21である式14の一定の化合物はまた、スキーム12に示されているとおり、塩基の存在下で、式20のJ上の適切な脱離基Y2を式19の化合物で置き換えることにより調製されることが可能である。好適な塩基としては水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムが挙げられ、この反応は、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの溶剤中に、0〜80℃で実施される。式20の化合物における好適な脱離基としては、臭化物、ヨウ化物、メシレート(OS(O)2CH3)、トリフレート(OS(O)2CF3)等が挙げられる。式20の化合物は、Y2がOHである対応する化合物から、技術分野において公知である一般的な方法を用いて調製されることが可能である。
式中、Y
2は、Br、I、OS(O)
2MeまたはOS(O)
2CF
3などの脱離基であり;および、Z
1は、O、SまたはNR
21である。
式14の化合物はまた、スキーム13に示されているとおり、式21の適切に官能基化された化合物と式22の適切に官能基化された化合物との反応により調製されることが可能である。官能基Y6およびY7は、特にこれらに限定されないが、アルデヒド、ケトン、エステル、酸、アミド、チオアミド、ニトリル、アミン、アルコール、チオール、ヒドラジン、オキシム、アミジン、アミドオキシム、オレフィン、アセチレン、ハライド、ハロゲン化アルキル、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ボロン酸、ボロネート等などの部分から選択され、これは、適切な反応条件下で、種々の複素環Jの構築を許容することとなる。例として、塩基の存在下での、Y6がクロロオキシム部分である式21の化合物とY7がビニル基またはアセチレン基である式22の化合物との反応は、それぞれ、Jがイソオキサゾリンまたはイソオキサゾールである式14の化合物をもたらすこととなる。合成文献は、炭素環式および複素環および環系(例えば、J−1〜J−82)を形成するための多くの一般的な方法を含み;例えば、Comprehensive Heterocyclic Chemistry、第4〜6巻、A.R.KatritzkyおよびC.W.Rees編、Pergamon Press、New York、1984年;Comprehensive Heterocyclic Chemistry II、第2〜4巻、A.R.Katritzky、C.W.Rees、およびE.F.Scriven編、Pergamon Press、New York、1996年;シリーズ、The Chemistry of Heterocyclic Compounds、E.C.Taylor編、Wiley、New York、およびRodd’s Chemistry of Carbon Compounds、第2〜4巻、Elsevier、New Yorkを参照のこと。オレフィンでのニトリルオキシドの環付加のための基本手順は、化学文献において十分に記されている。関連する文献については;例えば、Lee、Synthesis、1982年、6、508〜509ページおよびKanemasaら、Tetrahedron、2000年、56、1057〜1064ページ、ならびに、これらにおいて引用されている文献を参照のこと。当業者は、所望の複素環Jを構築するために適切な官能基をどのように選択するかを知っている。式22の化合物は公知であるか、または、技術分野において公知である一般的な方法により調製されることが可能である。
式中、Y
6およびY
7は、所望の複素環Jの構築のために好適な官能基である。
Z1が結合である式14の化合物のための代替的な調製は、スキーム14に示されているとおり、それぞれ、式24または25のボロン酸での式23または26のヨウ化物または臭化物のPd触媒クロスカップリングが関与する周知のSuzuki反応を含む。多くの触媒がこのタイプの変換のために有用であり;典型的な触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジエチルエーテルおよびジオキサンなどの溶剤が好適である。Suzuki反応および関連するカップリング法は、G−J結合の形成のための多くの選択肢をもたらす。最先端の文献については;例えば、C.A.ZificsakおよびD.J.Hlasta、Tetrahedron、2004年、60、8991〜9016ページを参照のこと。G−J結合の合成に適用可能であるパラジウム化学の詳細な概説については;例えば、J.J.LiおよびG.W.Gribble編、Palladium in Heterocyclic Chemistry:A Guide for the Synthetic Chemist、Elsevier:Oxford,UK、2000年を参照のこと。触媒タイプ、塩基および反応条件の多くの変形例が、この一般的な方法について技術分野において公知である。
当業者は、式1の化合物の多くは、基Y3がR1AC(=W)によって置き換えられる上記スキーム10〜14に記載のものと類似の方法によって直接的に調製されることが可能であることを認識するであろう。それ故、Y3がR1AC(=W)によって置き換えられている、式15、17、19、21、23および25に対応する化合物は、式1の化合物の調製のために有用な中間体である。
式1Bbのチオアミドは、スキーム10の方法に記載されているチオアミド−α−ハロアリール環形成反応を用いる、XがX1である式1の化合物を調製するための特に有用な中間体である。式1Bbのチオアミドは、スキーム15に示されているとおり、式1Baの対応するニトリルへの硫化水素の添加により調製されることが可能である。
式中、R
1およびAは、式1に定義されているとおりである。
スキーム15の方法は、ピリジン、ジエチルアミンまたはジエタノールアミンなどのアミンの存在下に、式1Baの化合物を硫化水素と接触させることにより実施されることが可能である。あるいは、硫化水素は、そのアルカリ金属またはアンモニアとの二硫化塩の形態で用いられることが可能である。このタイプの反応は、文献中に十分に記されている(例えば、A.Jacksonら、欧州特許第696,581号明細書(1996年))。この方法は、実施例1、ステップCおよび実施例2、ステップBにおいて実証されている。
R1が窒素原子を介して結合している5員窒素含有芳香族複素環である、式1Baの一定の化合物は、スキーム16に示されているとおり式5の親複素環と式27のハロアセトアミドとの反応により調製されることが可能である。この反応は、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの塩基の存在下に、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルなどの溶剤中で、0〜80℃で実施される。この方法は、実施例1、ステップBにおいて実証されている。
式中、R
1H(式5)において、R
1は、N上の非置換の5員窒素含有芳香族複素環(すなわち、式−(NH)−の環員を含む5員芳香族複素環)であり;AはCH
2であり;および、Y
1は、Cl、BrまたはIである。
式27のハロアセタミドは、スキーム17に示されている2つの方法により調製されることが可能である。
式中、Y
1は、Cl、Br、またはIであり;および、R
31は、−C(Me)
3などの第3級アルキル基である。
一つの方法において、式29の4−シアノピペリジンは、標準的な方法に従って、典型的には塩基の存在下での、適切な塩化ハロアセチルとの接触によりハロアセチル化される。好ましい条件は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩、重炭酸塩またはリン酸塩などの無機塩基の水溶液、および、トルエン、酢酸エチルまたは1,2−ジクロロエタンなどの非水和性の有機溶剤の使用を含む。スキーム17に示されている第2の方法においては、R31がC(Me)3などの第3級アルキルである式28の1−(ハロアセチル)−N−置換イソニペコタミド誘導体が、塩化チオニルまたはオキシ塩化リンなどの標準的なアミド脱水剤を用いて、好適な溶剤中で脱水される。この変換のために特に好ましい溶剤は、N,N−ジメチルホルムアミドなどのN,N−ジアルキルアミドである。この反応は、典型的には、添加の最中に反応が急速に進行する温度で、0.9〜2当量、好ましくは1.1当量のオキシ塩化リンまたは塩化チオニルを、式28の化合物と0.5〜10重量部の溶剤との混合物に添加することにより実施される。この反応についての添加時間は、典型的には、約35〜55℃の典型的な温度で約20〜90分間である。
スキーム18に示されているとおり、式28の化合物は、式30の化合物から、スキーム17に記載のハロアセチル化反応と類似の方法により調製されることが可能である。
式30の化合物は公知であるか、または、4−シアノピリジンまたはイソニコチン酸から、技術分野において周知である方法を用いて調製されることが可能である;シアノピリジンおよびt−ブタノールからのN−t−ブチルピリジンカルボキサミドの調製については、例えば、G.Marzolphら、独国特許第3,537,762号明細書(1986年)を、ならびに、白金触媒でのN−メチルイソニコチンアミドの水素化については、S.F.Nelsenら、J.Org.Chem.、1990年、55、3825を参照のこと。
式35のハロメチルイソオキサゾールケトンは、Jが、例えば、提示Aにおいて示されているJ−29−1〜J−29−57から選択される、式1の一定のキラル化合物を調製するために特に有用な中間体である。式35のハロメチルイソオキサゾールケトンは、スキーム19に示されている多ステップ反応シーケンスによって調製されることが可能である。
式中、R
32は、C
2〜C
8ジアルキルアミノ、1−ピペリジニル、1−ピロリジニルまたは4−モルホリニルであると共に、Qは、上記の発明の概要に定義されているとおりである。
式32のラセミカルボン酸の調製は、好ましくは、メタノールまたはテトラヒドロフランなどの水和性の共溶剤中のわずかに過剰量の水酸化ナトリウムを用いる、約25〜45℃での、対応する式31の化合物の塩基性または酸性加水分解といった周知の方法により達成されることが可能である。この生成物は、pHを約1〜3に調節すると共に、次いで、任意により蒸発による有機溶剤の除去の後に、ろ過または抽出により単離されることが可能である。式32のラセミカルボン酸は、シンコニン、ジヒドロシンコニンまたはこれらの混合物などの好適なキラルアミン塩基のジアステレオ異性塩の古典的な分別結晶化によって分割されることが可能である。約85:15比でのシンコニン−ジヒドロシンコニン混合物が、例えば、R5が置換フェニル基である式33の(R)配置のカルボン酸を溶解度の低い塩をもたらすために特に有用である。しかも、これらのキラルアミン塩基は商業規模で容易に入手可能である。式35の(R)配置ハロメチルケトン中間体は、スキーム10の方法による式1Bbのチオアミドとのカップリングの後に、殺菌・殺カビ的により活性な式1の最終生成物をもたらす。式35のハロメチルケトンは、先ず、純粋なエナンチオマー(すなわち、式31a)または鏡像異性体的に富化されたもしくはラセミ混合物のいずれかとして、対応する式31のアミドを、テトラヒドロフランおよびトルエンなどの好適な溶剤または溶媒混合液中に、メチルハロゲン化マグネシウム(グリニャール試薬)1モル当量と、約0〜20℃で反応させることにより調製されることが可能であり、式34の粗ケトン生成物は、水性酸での急冷、抽出および濃縮により単離されることが可能である。次いで、式34の粗ケトンは、塩化スルフリルなどの試薬でハロゲン化されて、Y1がClまたは分子臭素である式35のクロロメチルケトンがもたらされて、Y1がBrである式35の対応するブロモメチルケトンがもたらされる。式35のハロメチルケトンは、ヘキサンあるいはメタノールなどの溶剤からの結晶化により精製されることが可能であり、または、さらなる精製を行わずにチオアミドとの縮合反応において用いられることが可能である。
スキーム19に示されている変換反応は、式31〜35に対応する式1Aの化合物を例示し、これは、Jが提示Aに示されているJ−29−1〜J−29−57のいずれか1つである式1の一定の化合物の調製のための中間体として有用である。式31および31a中のR32、ならびに、式32〜35における対応する基は式1A中のMに相当する。当業者は、式31〜35の化合物の類似体は、Jが提示Aに示されているJ−29−58〜J−29−60のいずれか1つであるものなどの式1の他の化合物の調製に有用であることを認識する。しかも当業者は、スキーム19において示されている変換に関して、R32は、C2〜C8ジアルキルアミノ、1−ピペリジニル、1−ピロリジニルまたは4−モルホリニルを除く他の基であることが可能であることを認識する。例えば、式31の化合物の式32の化合物(式1AにおけるMがヒドロキシであることに対応する)への加水分解に関して、R32はまた、C1〜C4アルコキシ、C1〜C2ハロアルコキシまたはC1〜C4アルキルアミノであることも可能である。しかも、式34中のメチル(CH3)基および式35中のハロメチル(Y1CH2)基は、式1A中のMが、それぞれ、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3ハロアルキルであることを相同的に表す。
式31のイソオキサゾールカルボキサミドは、スキーム20に示されているとおり、式36の対応する塩化ヒドロキサモイルの式37のオレフィン誘導体での環付加により調製されることが可能である。
この方法において、すべての3種の反応構成成分(式36および式37の化合物、ならびに、塩基)は、式36の塩化ヒドロキサモイルの加水分解または二量体化が最低限となるよう接触させられる。典型的な1つの手法において、トリエチルアミンなどの第三級アミン塩基、または、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属炭酸塩、重炭酸塩あるいはリン酸塩などの無機塩基のいずれかであることが可能である塩基が式37のオレフィン誘導体と混合され、式36の塩化ヒドロキサモイルが、典型的には5〜25℃である環付加が比較的速い速度で進行する温度で徐々に添加される。あるいは、塩基は、他の2種の構成成分(式36および式37の化合物)に徐々に添加されることが可能である。この代替的な手法は、式36の塩化ヒドロキサモイルが反応媒体中に実質的に不溶性であるときに好ましい。反応媒体中の溶剤は、水、または、トルエン、ヘキサン、あるいは、さらには過剰量で用いられるオレフィン誘導体などの不活性有機溶剤であることが可能である。この生成物は、ろ過、または、水での洗浄、これに続く溶剤の蒸発により、塩共生成物から単離されることが可能である。この粗生成物は結晶化により精製されることが可能であるか、または、この粗生成物は、スキーム19の方法において直接的に用いられることが可能である。スキーム20の方法は、実施例1、ステップFにおいて実証されている。また、スキーム20に類似の方法が実施例2、ステップDにおいて実証されている。式31の化合物は、式34の対応するメチルケトンおよび式35のハロメチルケトンに対する有用な前駆体であり、これらはまた、スキーム19に示されている、加水分解、分離、メチルケトン合成およびハロゲン化による、式34および式35の化合物の分割されたエナンチオマーの調製に有用でもある。
式1fの化合物は、数々の方法により調製されることが可能である。一つの方法においては、スキーム21に示されているとおり、Y8がハロゲン、例えばヨウ素などの脱離基である式38の化合物は、Z3がO、SまたはNHである式39の化合物と反応させられる。
Y
8は、F、Cl、Br、Iであり;Z
3は、O、SまたはNHであり;G
Gは、G
A、G
NまたはG
Pである。
この反応(Z3がOである場合、Ullmannエーテル合成として公知である)は当業者に周知である。この反応は、典型的には、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどの無機塩基の存在下に、例えばヨウ化銅といった金属触媒と一緒に実施される。室温〜150℃の温度およびジメチルスルホキシドおよびN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤がこの反応に好適である。Z3がOである式1fのジアリールエーテルは、パラジウム触媒Buchwald−Hartwig反応、求核性芳香族置換またはアリールボロン酸ジアリールエーテルカップリングを用いても調製されることが可能である。Ullmannジアリールエーテル合成を含むこれらの方法の近年の概説については;例えば、R.FrianおよびD.Kikeji、Synthesis、2006年、14、2271〜2285ページを参照のこと。
ジアリールエーテルについて記載されているものと同様の条件をまた、ZがSまたはNHである式1fの化合物の調製にも用いることが可能である。硫黄および窒素類似体の調製の近年の概説については;例えば、S.V.LeyおよびA.W Thomas、Angew.Chem.,Int.Ed.、Engl.、2003年、42、5400を参照のこと。
同様の銅触媒法は、スキーム22に示されているとおり、GGnが、GGnの窒素原子環員を介してQに結合しているGA、GNまたはGPである、式1gの化合物(すなわち、Z3が直接結合であると共に、GGが、窒素環員を介して結合しているGGnである式1f)を、Hが窒素環員に結合している、例えばトリアゾールまたはその塩(例えば、ナトリウムトリアゾール)といった複素環HGGnから調製するために用いられることが可能である。
Y
8は、F、Cl、Br、Iであり;G
Gnは、環窒素原子を介してQに結合しているG
A、G
NまたはG
Pである。
(1R,2R)−N,N−ジメチル−1,2−シクロヘキセンジアミンなどのリガンドを用いて、銅触媒の溶解度および反応性を高めることが可能である。この反応は、典型的には、ジメチルスルホキシドなどの溶剤中に、または、ジメチルスルホキシド−水などの混合溶剤中に、室温〜200℃の温度で実施される。最先端の文献については;例えば、Andersenら、Synlett、2005年、14、2209〜2213ページを参照のこと。この方法は、実施例1、ステップHにおいて実証されている。
GGcが、GGcのsp2炭素原子環員を介してQに結合しているGA、GNまたはGPである、式1hの化合物(すなわち、Z3が直接結合であると共にGGが、sp2炭素原子環員を介して結合しているGGcである式1f)は、スキーム23に示されているとおり、Pd触媒クロスカップリングが含まれる周知のSuzuki反応を含む多様な一般的な方法により調製されることが可能である。
Y
9は、Cl、Br、I、またはOS(O)
2CF
3であり;G
Gcは、sp
2環炭素原子を介してQに結合しているG
A、G
NまたはG
Pである。
式40のヨウ化物または臭化物を、ホウ素がGGc中のsp2環炭素原子に結合している式41のボロン酸とカップリングさせるための条件は、上記スキーム14の方法に記載のものと同様である。多くの触媒がこのタイプの変換のために有用であり;典型的な触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジエチルエーテルおよびジオキサンなどの溶剤が好適である。Suzuki反応および関連するカップリング法は、QとGGc環との間の直接結合の形成のための多くの選択肢をもたらす。最先端の文献については;例えば、C.A.ZificsakおよびD.J.Hlasta、Tetrahedron、2004年、60、8991〜9016ページを参照のこと。Q−GGc結合の合成に適用可能なパラジウム化学の詳細な概説については;例えば、J.J.LiおよびG.W.Gribble編、Palladium in Heterocyclic Chemistry:A Guide for the Synthetic Chemist、Elsevier:Oxford,UK、2000年を参照のこと。触媒タイプ、塩基および反応条件の多くの変形例が、この一般的な方法について技術分野において公知である。
スキーム24に示されているとおり、Z3が−C≡C−である式1fの化合物を調製するための方法は、Y9がヨウ素または臭化物などのハロゲンである式40のハライドと式42のアルキンとの、金属触媒および塩基の存在下でのPd触媒クロスカップリングを用いる周知のSonogashira反応を含む。
Y
9は、Cl、Br、I、またはOS(O)
2CF
3であり;Z
3は−C≡C−であり;G
Gは、G
A、G
NまたはG
Pである。
多くの触媒がこのタイプの変換のために有用であり;典型的な触媒はジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)である。好適な溶剤としては、テトラヒドロフラン、アセトニトリルおよび酢酸エチルが挙げられる。好適な金属触媒としては、例えば、ヨウ化銅が挙げられる。典型的な塩基としては、例えば、トリエチルアミンまたはHunig塩基が挙げられる。最先端の文献については;例えば、I.B.Campbell、Organocopper Reagents、1994年、217〜235ページを参照のこと。
スキーム25に示されているとおり、Z3が−C≡C−である式1fの化合物は、例えば炭素上のパラジウムといった触媒の存在下での水素での還元によるZ3が−CH2CH2−である式1fの化合物の調製のための出発材料とされることが可能である。
還元は、典型的には、水素雰囲気下で、大気圧〜700kPa、好ましくは約400kPaの圧力で、酢酸エチルまたはエタノールなどの溶剤中に、当業者に周知である方法を用いて実施される。
スキーム26に示されているとおり、Z3が−C=C−である式1fの化合物の調製は、Y10がヨウ素または臭化物などのハロゲンである式44のハライドと、式45のアルケンとの、金属触媒、および、トリエチルアミンまたは重炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下でのPd触媒クロスカップリングを用いる周知のHeck反応を含む。
Y
10は、Cl、Br、I、N
2 +、OS(O)
2PhまたはOS(O)
2CF
3であり;Z
3は、−C=C−であり;G
Gは、G
A、G
NまたはG
Pである。
多くの触媒がこのタイプの変換のために有用であり;典型的な触媒はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムである。好適な溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルが挙げられる。Heck反応の概説については;例えば、W.CabriおよびI.Candiani、Acc.Chem Res.、1995年、28、2〜7ページを参照のこと。
式1iの化合物(すなわち、Z3が直接結合であると共にGGが、テトラゾール環炭素原子を介してQに結合しているテトラゾール環である式1)は、スキーム27に示されているとおり、式46のニトリルから調製されることが可能である。
式46のニトリルは、アジ化ナトリウムまたはトリメチルシリルアジドなどのアジドと、N,N−ジメチルホルムアミドまたはトルエンなどの溶剤中に室温〜140℃の温度で反応させられて、式1iの化合物を形成する。最先端の文献については;例えば、B.Schmidt、D.MeidおよびD.Kieser、Tetrahedron、2006年、63、492〜496ページを参照のこと。
式47のアルデヒドは、スキーム28に示されているとおり、周知のWittig(この方法は、実施例1、ステップEにおいて実証されている)またはTebbeオレフィン化反応を用いる式37aのオレフィンの調製のために用いられることが可能である。
Wittig反応においては、メチルトリフェニルホスホニウムブロミドなどのメチルトリフェニルホスホニウムハライドが、t−BuOKなどの塩基と反応される。テトラヒドロフランがこの反応に好適な溶剤である。Wittig反応に関する追加的な最先端の文献については;例えば、A.Maercker、Org.React.、1965年、14、270〜490ページを参照のこと;および、Tebbe反応に関する追加的な最先端の文献については;例えば、H.Pommer、Angew.Chem.Int.Ed.、Engl.、1977年、16、423〜429ページおよびS.H.Pine、Org.React.、1993年、43、1〜91ページを参照のこと。この方法は、実施例2、ステップCにおいて実証されている。式37aのオレフィンは、スキーム20に示されている方法のための出発材料である。
スキーム21に記載のものと同様の反応はまた、カップリング前の中間体で実施されることが可能であり、例えば、スキーム29中の式48のアルデヒドは、式47のアルデヒドを調製するための有用な出発材料である。
Y
11は、F、Cl、Br、Iであり;Z
3は、O、SまたはNHであり;G
Gは、G
A、G
NまたはG
Pである。
スキーム21に記載のものと同様の試薬および反応条件を用いるスキーム29の方法は、例えば、Z3が酸素である場合に対応するジアリールエーテルをもたらす(例えば、2−ヨードベンズアルデヒドおよびフェノールから開始して2−フェノキシベンズアルデヒドが得られる)。例えば、フルオロベンズアルデヒド、クロロベンズアルデヒド、ブロモベンズアルデヒドおよびヨードベンズアルデヒドのオルト、メタおよびパラ異性体といった、数々の式48の出発アルデヒドが市販されている。
同様に、スキーム22〜27に記載のものと類似の方法もまた、式47のアルデヒドの調製に用いられることが可能であり;例えば、2−(フェニルチオ)ベンズアルデヒドについてはW.Mansawatら、Tetrahedron Letters、2007年、48(24)、4235〜4238ページを;2−(2−フェニルエテニル)ベンズアルデヒドについてはA.Cwik、Z.Hell、F.Figueras、Advanced Synthesis & Catalysis、2006年、348(4/5)、523〜530ページを;2−(フェニルエチニル)ベンズアルデヒドについてはT.Sakamoto、Y.Kondo、N.Miura、K.Hayashi、H.Yamanaka、Heterocycles、1986年、24(8)、2311〜14ページを;および、2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンズアルデヒドについてはJ.Rosevear、J.F.K.Wilshire、JohnF.K.Australian Journal of Chemistry、1991年、44(8)、1097〜114ページを参照のこと。
2−フェニルベンズアルデヒド、2−フェノキシベンズアルデヒド2−(フラン−2−イル)ベンズアルデヒド、2−(チエン−2−イル)ベンズアルデヒド、2−(イミダゾール−1−イル)ベンズアルデヒドおよび2−(チアゾール−2−イル)ベンズアルデヒドを含む、式47の数々のアルデヒドもまた市販されている。
式1および1Aの化合物を調製するための上記のいくつかの試薬および反応条件は、中間体に存在する特定の官能基には適合しないであろうことが認識される。これらの例において、合成系中に保護/脱保護配列または官能性の相互転換を組み入れることにより、所望の生成物を得ることが助けられるだろう。保護基の使用および選択は化学合成の当業者に明白であろう(例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版;Wiley:New York、1991を参照のこと)。場合によっては、いずれかの個々のスキームに記述されたように与えられた試薬の導入後、式1および1Aの化合物の合成を完了するために、詳細に記載されていない追加の慣例合成工程を実行する必要があることを当業者は認識するだろう。式1および1Aの化合物を調製するために提案された特定の順序により示されるもの以外の順番で、上記スキームに図示された工程の組み合わせを実行する必要があることも当業者は認識するだろう。
置換基を加えるため、または存在する置換基を変性するために、本明細書に記載の式1および1Aの化合物および中間体に、様々な求電子、求核、ラジカル、有機金属、酸化および還元反応を受けさせることができることも当業者は認識するだろう。
さらなる詳細がなくても、前記を使用する当業者は、本発明をその最も十分な範囲まで利用することができると考えられる。従って以下の実施例は単なる実例として解釈され、かついずれかの様式に本開示を限定するものではない。以下の実施例の工程は全体的な合成変換における各工程の手順を説明し、そして各工程の出発材料が、他の実施例または工程に手順が記載される特定の製造実施によって必ずしも製造される必要はない。クロマトグラフィー溶媒混合物を除いて、または特記されない限り、パーセントは重量によるものである。特記されない限り、クロマトグラフィー溶媒混合物に関する部およびパーセントは体積によるものである。1H NMRスペクトルは、テトラメチルシランの低磁場側にppmで報告されており;「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「q」は四重項を意味し、「dd」は二重項の二重項を意味し、「br s」は幅広の一重項を意味し、「br d」は幅広の二重項を意味し、「br t」は幅広の三重項を意味し、「br m」は幅広の多重項を意味する。
実施例1
1−[4−[4−[4,5−ジヒドロ−5−[3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]−3−イソオキサゾリル]−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノン(化合物1)の調製
ステップA:1−(2−クロロアセチル)−4−ピペリジンカルボニトリルの調製
4−ピペリジンカルボニトリル(200g、1.80mol)および40%水性炭酸カリウム溶液(342g、0.99mol)のジクロロメタン(1L)中の混合物を−10℃に冷却し、クロロアセチルクロリド(210g、1.86mol)のジクロロメタン(300mL)中の溶液を、反応混合物を−10〜0℃に維持しながら、約75分間にわたって添加した。添加が完了した後、反応混合物を分離し、上方の水性相をジクロロメタン(2×300mL)で抽出し、組み合わせた有機相を減圧下で濃縮して、312gの表題の化合物を、静置させると徐々に結晶化する液体として得た。この化合物は、その後の反応における使用に十分な純度のものであった。
1H NMR(CDCl3)δ1.8〜2.1(m,4H)、2.95(m,1H)、3.5〜3.8(m,4H)、4.08(q,2H)。
ステップA1:1−(2−クロロアセチル)−4−ピペリジンカルボニトリルの代替的な調製
N−(1,1−ジメチルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド(201g、1.0mol)のジクロロメタン(1L)中の溶液を窒素下で−5℃に冷却し、300mLのジクロロメタン中のクロロアセチルクロリド(124g、1.1mol)を、反応混合物の0〜5℃に維持しながら、30分間にわたって滴下した。次いで、20%水性炭酸カリウム溶液(450g、0.65mol)を、反応混合物を0〜5℃に維持しながら30分間にわたって滴下した。この反応混合物を追加の30分間、0℃で攪拌し、次いで、室温に温めさせた。層を分離し、水性層をジクロロメタン(200mL)で抽出した。組み合わせたジクロロメタン層を減圧下で濃縮して固体を得、これを、400mLのヘキサンで粉砕した。このスラリーをろ過し、フィルタケーキを100mLのヘキサンで洗浄し、真空オーブン中で一晩、50℃で乾燥させて、185.5gの1−(2−クロロアセチル)−N−(1,1−ジメチルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミドを、140.5〜141.5℃で溶融する固体として得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.35(s,9H)、1.6〜2.0(m,4H)、2.25(m,1H)、2.8(t,1H)、3.2(t,1H)、3.9(d,1H)、4.07(s,2H)、4.5(d,1H)、5.3(br s,1H)。
1−(2−クロロアセチル)−N−(1,1−ジメチルエチル)−4−ピペリジンカルボキサミド(26.1g、0.10mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(35mL)中の溶液に、オキシ塩化リン(18.8g、0.123mol)を、反応混合物の温度を37℃に昇温させながら、30分間にわたって滴下した。反応混合物を55℃で1時間加熱し、次いで、約10℃の温度を維持するために氷冷された水(約150g)にゆっくりと添加した。反応混合物のpHを、50%NaOH水溶液で5.5に調節した。混合物をジクロロメタン(4×100mL)で抽出し、組み合わせた抽出物を減圧下で濃縮して、18.1gの表題の化合物を固体として得た。この化合物は、その後の反応における使用に十分な純度のものであった。
ステップB:1−[2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセチル]−4−ピペリジンカルボニトリルの調製
3−メチル−5−トリフルオロメチルピラゾール(9.3g、62mmol)および45%水性水酸化カリウム溶液(7.79g、62mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)中の溶液を5℃に冷却し、1−(2−クロロアセチル)−4−ピペリジンカルボニトリル(すなわち、実施例1、ステップAまたはA1の生成物)(11.2g、60mmol)を添加した。この反応混合物を5〜10℃で8時間攪拌し、次いで、水(100mL)で希釈し、ろ過した。フィルタケーキを水で洗浄し、真空オーブン中に50℃で乾燥させて、15gの表題の化合物を、3%のその位置異性体を含有する固体、すなわち、1−[2−[3−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセチル]−4−ピペリジンカルボニトリルとして得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.88(m,4H)、2.32(s,3H)、2.95(m,1H)、3.7(m,4H)、5.0(q,2H)、6.34(s,1H)。
ステップC:1−[2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセチル]−4−ピペリジンカルボチオアミドの調製
ドライアイス冷却器を備えるフラスコ中で、50℃で、1−[2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセチル]−4−ピペリジンカルボニトリル(すなわち、実施例1、ステップBの生成物)(9.0g、30mmol)およびジエタノールアミン(3.15g、30mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)中の溶液中に硫化水素ガスを通気させた。硫化水素供給は、冷却フィンガーでの結露によって示される反応混合物が硫化水素と飽和したときに停止した。この反応混合物をさらに30分間、50℃で攪拌した。次いで、過剰量の硫化水素ガスを表面下の窒素流によりスクラバーに拡散させ、水(70mL)を徐々に添加した。反応混合物を5℃に冷却し、ろ過し、水(2×30mL)で洗浄した。フィルタケーキを50℃で、真空オーブン中で乾燥させて、8.0gの表題の化合物を185〜186℃で溶融する固体として得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.7(m,2H)、2.0(m,2H)、2.29(s,3H)、2.65(t,1H)、3.0(m,1H)、3.2(t,1H)、4.0(d,1H)、4.6(d,1H)、4.96(d,1H)、5.4(d,1H)、6.35(s,1H)、7.4(br s,1H)、7.5(br s,1H)。
ステップD:3−クロロ−N−ヒドロキシ−2−オキソ−プロパンイミドイルクロリドの調製
1,3−ジクロロアセトン(100g、0.79mol)のジエチルエーテル(400mL)中の塩化水素の2M溶液中の溶液に、15℃で、亜硝酸t−ブチル(55g、0.534mol)を10分間にわたって添加した。反応の進行は、1H NMRにより監視して、3%以下のビス−ニトロソ化副生成物で約85%転換を達成した。この反応混合物を減圧下で濃縮して半固体を残留させ、これを、次いで、クロロブタンで十分にすすいだ。得られた固体をろ過で回収して、77gの表題の化合物を白色の固体として得た。この濾液を減圧下でさらに濃縮して半固体残渣を得、これを追加のクロロブタンですすいだ。得られた固体をろ過で回収して、追加の15gの表題の化合物を白色の固体として得た。
1H NMR(DMSO−d6)δ4.96(s,2H)、13.76(s,1H)。
ステップE:1−エテニル−3−ヨードベンゼンの調製
3−ヨードベンズアルデヒド(2.0g、8.6mmol)およびメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(4.62g、12.9mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)中の混合物を0℃に冷却すると共に、カリウムt−ブトキシド(1.45g、12.9mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中の溶液を0℃で1時間にわたって滴下した。この反応混合物を室温に温めさせると共に12時間攪拌した。反応混合物をCelite(登録商標)珪藻土ろ過助剤を通してヘキサンでろ過し、DARCO(登録商標)活性炭で処理し、および2回ろ過した。得られた油を、100%ヘキサン〜ヘキサン中の10%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.82gの表題の化合物を黄色の油として得た。
1H NMR(CDCl3)δ5.28(d,1H)、5.74(d,1H)、6.60(dd,1H)、7.05(t,1H)、7.35(d,1H)、7.56〜7.59(m,1H)、7.74〜7.77(m,1H)。
ステップF:2−クロロ−1−[4,5−ジヒドロ−5−(3−ヨードフェニル)−3−イソオキサゾリル]エタノンの調製
1−エテニル−3−ヨードベンゼン(すなわち、実施例1、ステップEの生成物)(1.82g、7.9mmol)および3−クロロ−N−ヒドロキシ−2−オキソ−プロパンイミドイルクロリド(すなわち、実施例1、ステップDの生成物)(1.23g、7.9mmol)のアセトニトリル(32mL)中の溶液に重炭酸ナトリウム(1.99g、23.7mmol)を添加し、この反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、水中にとり、ジクロロメタンで抽出し、ChemElute(登録商標)珪藻土ベース液体−液体交換カートリッジを通してろ過し、および、濃縮させて、2.38gの表題の化合物を黄色の油として得た。
1H NMR(CDCl3)δ3.17(dd,1H)、3.62(dd,1H)、4.72(s,2H)、5.74(dd,1H)、7.13(t,1H)、7.24〜7.28(m,1H)、7.63〜7.72(m,2H)。
ステップG:1−[4−[4−[4,5−ジヒドロ−5−(3−ヨードフェニル)−3−イソオキサゾリル]−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノンの調製
2−クロロ−1−[4,5−ジヒドロ−5−(3−ヨードフェニル)−3−イソオキサゾリル]エタノン(すなわち、実施例1、ステップFの生成物)(2.38g、7.8mmol)および臭化テトラブチルアンモニウム(238mg、0.74mmol)のアセトン(50mL)中の混合物に1−[2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセチル]−4−ピペリジンカルボチオアミド(すなわち、実施例1、ステップCの生成物)(2.56g、7.7mmol)を添加した。この反応混合物を12時間還流にかけた。冷却させた後、反応混合物を濃縮し、次いで、水中にとった。飽和重炭酸ナトリウムでpHを8に調節し、1.5mL Clorox(登録商標)次亜塩素酸ナトリウムブリーチを添加し、この混合物を酢酸エチルで2回抽出した。組み合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、DARCO(登録商標)で処理し、Celite(登録商標)珪藻土ろ過助剤を通してろ過し、濃縮した。得られた油を、ヘキサン中の20%酢酸エチル〜ヘキサン中の50%アセトンを溶出液として用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.76gの表題の化合物を明るい黄色の固体状の泡として得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.70〜1.85(m,2H)、2.20(br t,2H)、2.32(s,3H)、2.90(t,1H)、3.25〜3.45(m,4H)、3.85(dd,1H)、4.05(d,1H)、4.58(d,1H)、4.95〜5.05(m,2H)、5.70(dd,1H)、7.11(t,1H)、7.35(d,1H)、7.60〜7.70(m,2H)7.75(s,1H)。
ステップH:1−[4−[4−[4,5−ジヒドロ−5−[3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)フェニル]−3−イソオキサゾリル]−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノンの調製
ナトリウム1,2,4−トリアゾール(63.0mg、0.69mmol)を、1−[4−[4−[4,5−ジヒドロ−5−(3−ヨードフェニル)−3−イソオキサゾリル]−2−チアゾリル]−1−ピペリジニル]−2−[5−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]エタノン(すなわち、実施例1、ステップGの生成物)、(217mg、0.34mmol)、(+)−L−アスコルビン酸ナトリウム(3.4mg、0.017mmol)、ヨウ化銅(6.6mg、0.034mmol)および(1R,2R)−N,N−ジメチル−1,2−シクロヘキセンジアミン(7.3mg、0.051mmol)のジメチルスルホキシドおよび水の2mLの80:20溶液中の混合物に添加した。反応混合物を60℃で20時間加熱し、次いで、100℃で24時間で加熱した。冷却した後、反応混合物を水で希釈すると共に酢酸エチルで2回抽出した。組み合わせた有機抽出物を水で5回、次いで、塩水で洗浄し、および硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。得られた油を、ヘキサン中の75%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、本発明の化合物である、49mgの表題の化合物を、83〜85℃で溶融する薄い黄色の固体状の泡として得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.68〜1.89(m,2H)、2.19(br t,2H)、2.32(s,3H)、2.83〜2.94(m,1H)、3.25〜3.36(m,2H)、3.46(dd,1H)、3.94(dd,1H)、4.05(d,1H)、4.57(d,1H)、4.91〜5.05(m,2H)、5.84(dd,1H)、6.33(s,1H)、7.42〜7.46(m,1H)、7.53(t,1H)、7.62〜7.67(m,2H)、7.73〜7.76(m,1H)、8.10(s,1H)、8.59(s,1H)。
実施例2
4−[4−(5−[1,1’−ビフェニル]−2−イル−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル)−2−チアゾリル]−N−(2,5−ジメチルフェニル)−1−ピペリジンカルボキサミド(化合物17)の調製
ステップA:4−シアノ−N−(2,5−ジメチルフェニル)−1−ピペリジンカルボキサミドの調製
4−シアノピペリジン(11.0g、100mmol)のジエチルエーテル(350mL)中の溶液を氷水浴で0℃に冷却した。2−イソシアナト−1,4−ジメチルベンゼン(14.7g、100mmol)のジエチルエーテル(50mL)中の溶液をこの反応混合物に30分間にわたって添加して濃い沈殿物をもたらした。この反応混合物を室温に温め、得られた固体をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、空気乾燥させて、25.3gの表題の化合物を187〜190℃で溶融する白色の粉末として得た。
1H NMR(CDCl3):δ1.95(m,4H)、2.19(s,3H)、2.30(s,3H)、2.90(m,1H)、3.45(m,2H)、3.70(m,2H)、6.10(br s,1H)、6.85(m,1H)、7.04(m,1H)、7.37(m,1H)。
ステップB:4−(アミノチオキソメチル)−N−(2,5−ジメチルフェニル)−1−ピペリジン−カルボキサミドの調製
4−シアノ−N−(2,5−ジメチルフェニル)−1−ピペリジンカルボキサミド(すなわち、実施例2、ステップAの生成物)(12.75g、49.6mmol)、水硫化ナトリウム水和物(11.1g、150mmol)および塩酸ジエチルアミン(10.9g、100mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中の混合物を室温で3日間かけて攪拌した。得られた高粘度の、緑色の懸濁液を氷水(600mL)に滴下した。得られた固体をろ過し、水で洗浄し、空気乾燥させて、12.5gの表題の化合物を、155〜156℃で分解する黄褐色の固体として得た。
1H NMR(DMSO−d6):δ1.67(m,4H)、2.10(s,3H)、2.23(s,3H)、2.75(m,3H)、4.15(m,2H)、6.85(m,1H)、7.0(m,1H)、7.05(m,1H)、7.95(br s,1H)、9.15(br s,1H)、9.22(br s,1H)。
ステップC:2−エテニル−1,1’−ビフェニルの調製
[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキシアルデヒド(2.00g、11.0mmol)およびメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(5.88g、16.5mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)中の混合物を0℃に冷却し、カリウムt−ブトキシド(1.85g、16.5mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中の溶液を0℃で1時間にわたって滴下した。反応混合物を室温に温めさせ、12時間攪拌し、次いで、Celite(登録商標)珪藻土ろ過助剤を通してヘキサンでろ過し、減圧下で濃縮した。得られた油をヘキサンで処理し、再度ろ過し、減圧下で濃縮し、100%ヘキサン〜ヘキサン中の10%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.69gの表題の化合物を無色の油として得た。
1H NMR(CDCl3)δ5.18(dd,1H)、5.70(dd,1H)、6.71(dd,1H)、7.27〜7.44(m,8H)、7.62〜7.66(m,1H)。
ステップD:1−(5−[1,1’−ビフェニル]−2−イル−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル)−2−クロロエタノンの調製
2−エテニル−1,1’−ビフェニル(すなわち、実施例2、ステップCの生成物)(750mg、4.17mmol)および3−クロロ−N−ヒドロキシ−2−オキソ−プロパンイミドイルクロリド(すなわち、実施例1、ステップDの生成物)(646mg、4.17mmol)のアセトニトリル(13mL)中の溶液に重炭酸ナトリウム(1.05g、12.5mmol)を添加し、この反応混合物を室温で2日間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル中にとり、2mLの水を添加し、酢酸エチルでChemElute(登録商標)珪藻土−ベース液体−液体交換カートリッジを通して溶出し、濃縮して、630mgの表題の化合物を無色の油として得た。
1H NMR(CDCl3)δ3.14(dd,1H)、3.37(dd,1H)、4.63〜4.73(m,2H)、5.79(dd,1H)、7.26〜7.46(m,9H)。
ステップE:4−[4−(5−[1,1’−ビフェニル]−2−イル−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル)−2−チアゾリル]−N−(2,5−ジメチルフェニル)−1−ピペリジンカルボキサミドの調製
1−(5−[1,1’−ビフェニル]−2−イル−4,5−ジヒドロ−3−イソオキサゾリル)−2−クロロエタノン(すなわち、実施例2、ステップDの生成物)(200mg、0.67mmol)および4−(アミノチオキソメチル)−N−(2,5−ジメチルフェニル)−1−ピペリジン−カルボキサミド(すなわち、実施例2、ステップBの生成物)(195mg、0.67mmol)のアセトニトリル(5mL)中の混合物に臭化ナトリウム(103mg、1.00mmol)を添加した。この反応混合物を一晩還流し、次いで、減圧下で濃縮した。粗残渣を水および重炭酸ナトリウム(56mg、0.67mmol)に添加し、次いで、酢酸エチルで3回抽出した。組み合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた油を、ヘキサン中の20%酢酸エチル〜100%酢酸エチルを溶出液として用いるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、本発明の化合物である、139mgの表題の化合物を77〜79℃で溶融する固体状の白い泡として得た。
1H NMR(CDCl3)δ1.77〜1.89(m,2H)、2.12〜2.21(m,5H)、2.29(s,3H)、3.00〜3.09(m,2H)、3.20〜3.29(m,1H)、3.36(dd,1H)、3.60(dd,1H)、4.11〜4.18(m,2H)、5.74(dd,1H)、6.24(br s,1H)、6.82(d,1H)、7.03(d,1H)、7.24〜7.47(m,9H)、7.57(s,1H)、7.60(dd,1H)。
技術分野において公知である方法に加えて、本明細書に記載の手法により、表1〜15の以下の化合物を調製することが可能である。以下の略語が下記の表において用いられている。tは第3級を意味し、sは第2級を意味し、nはノルマルを意味し、iはイソを意味し、cはシクロを意味し、Acはアセチルを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピル(すなわち、n−プロピル)を意味し、i−Prはイソプロピルを意味し、c−Prはシクロプロピルを意味し、Buはブチルを意味し、Penはペンチルを意味し、Hexはヘキシルを意味し、Amはアミルを意味し、CNはシアノを意味し、SO2はスルホニル(S(=O)2)を意味する。ダッシュ記号(−)は置換基がないことを示す。
本発明は、以下の例示的な種を包含するが、これらには限定されない。
上記の表5は、J−29−1〜J−29−60(すなわち、J−29の特定の例)から選択されるJ基を含む特定の化合物を特定する。多くのJ−29−1〜J−29−60がキラル中心を含むため、これらのJ基は、いくつかの事例において最大の殺菌・殺カビ活性をもたらし得る特定の鏡像異性配置で図示されている。当業者は、列挙されている化合物の各々に対する鏡像体(すなわち、エナンチオマーの反対)を直ぐに認識し、しかも、エナンチオマーは、純粋なエナンチオマーまたは一方のエナンチオマーが富化された混合物またはラセミ混合物として存在することが可能であることを理解する。
上記の表15は、J−29−1〜J−29−60から選択されるJ1基を含む特定の化合物を特定している。多くのJ−29−1〜J−29−60がキラル中心を含むため、これらのJ1基は、いくつかの事例において、式1の化合物について最大の殺菌・殺カビ活性をもたらし得る特定の鏡像異性配置で図示されている。当業者は、列挙されている化合物の各々に対する鏡像体(すなわち、エナンチオマーの反対)を直ぐに認識し、しかも、エナンチオマーは、純粋なエナンチオマーまたは一方のエナンチオマーが富化された混合物またはラセミ混合物として存在することが可能であることを理解する。
製剤/効用
本発明による式1の化合物(またはそのN−オキシドもしくは塩)は一般的に、担体として機能する界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加成分と一緒に組成物、すなわち、製剤中の殺菌・殺カビ性活性成分として使用されるであろう。製剤または組成物成分は、活性成分の物性、適用形態ならびに土壌タイプ、湿度および温度のような環境要因と調和するように選択される。
有用な製剤には液体および個体組成物の両方が含まれる。液体組成物には、場合によりゲルへと濃厚化されることが可能な、溶液(乳化可能な濃縮物を含む)、懸濁液、乳液(ミクロエマルジョンおよび/またはサスポエマルジョンを含む)等のような液体が含まれる。水性液体組成物の一般的種類は、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、ミクロエマルジョンおよびサスポエマルジョンである。非水性液体組成物の一般的種類は、乳化可能な濃縮物、ミクロエマルジョン化可能な濃縮物、懸濁可能な濃縮物および油懸濁液である。
固体組成物の一般的種類は、水分散性(「水和」)または水溶性であり得る、ダスト、粉末、顆粒、ペレット、丸薬、パスタイル、タブレット、充填フィルム(シードコーティングを含む)等である。フィルム形成溶液または流動可能懸濁液から形成されたフィルムおよびコーティングは、シード処理に特に有用である。活性成分を(マイクロ)カプセル化することができ、さらに懸濁液または固体製剤へと形成することができ、あるいは活性成分の全製剤をカプセル化(または「オーバーコート」)することができる。カプセル化により、活性成分放出を制御することができるか、または遅らせることができる。乳化可能な顆粒は乳化可能な濃縮物製剤と乾燥顆粒製剤の両方の利点を組み合わせたものである。さらなる製剤の中間体として、最初に高強度組成物を使用可能である。
噴霧可能な製剤を典型的に噴霧前に適切な培地に施すことができる。かかる液体および固体製剤は、噴霧媒体(通常水)中に容易に希釈されるように配合される。噴霧容積は1ヘクタールにつき約1〜数千リットルの範囲であるが、より典型的には1ヘクタールにつき約十〜数百リットルの範囲である。噴霧可能な配合物は、空中または土への適用による葉面処理のため、あるいは植物の成長媒体への適用のため、水または適切なもう1種の媒体とタンク混合が可能である。液体および乾燥製剤を、直接的に細流潅漑システムに計量することができ、また植え付けの間に溝に計量することができる。根および他の地下にある植物部分および/または葉の浸透移行性取り込みの発達を保護するために、植え付けの前にシード処理として液体および固体製剤を野菜の種上に適用することができる。
製剤は典型的に、以下の100重量%まで加算される適切な範囲内で、有効量の活性成分、希釈剤および界面活性剤を含有する。
固体希釈剤には、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトおよびカオリン、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、澱粉、デキストリン、砂糖(例えば、乳糖、ショ糖)、シリカ、タルク、マイカ、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウム、ならびに硫酸ナトリウムのような粘土が含まれる。典型的な固体希釈剤は、Watkinsら、Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers第2版、Dorland Books、Caldwell、New Jerseyに記載されている。
液体希釈剤としては、例えば、水、N,N−ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N−アルキルピロリドン(例えば、N−メチルピロリジノン)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、通常のパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセリントリアセテート、ソルビトール、トリアセチン、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、イソホロンおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンのようなケトン、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸ノニル、酢酸トリデシルおよび酢酸イソボルニルのような酢酸エステル、アルキル化乳酸エステル、二塩基性エステルおよびγ−ブチロラクトンのような他のエステル、ならびにメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコールおよびベンジルアルコールのような直鎖、分枝鎖、飽和または不飽和であり得るアルコールが挙げられる。液体希釈剤としては、植物種および果物油(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、亜麻仁油、胡麻油、コーン油(トウモロコシ油)、落花生油、ヒマワリ油、グレープシード油、サフラワー油、綿実油、大豆油、菜種油、ヤシ油およびパーム核油)動物由来脂肪(例えば、牛肉獣脂、豚肉獣脂、ラード、タラ肝油、魚油)ならびにそれらの混合物のような飽和および不飽和脂肪酸(典型的にC6〜C22)のグリセリンエステルも挙げられる。液体希釈剤としては、脂肪酸が植物および動物供給源からのグリセリンエステルの加水分解によって得られ、そして蒸留によって精製可能なアルキル化脂肪酸(メチル化、エチル化、ブチル化)も挙げられる。典型的な液体希釈剤は、Marsden、Solvents Guide第2版、Interscience、New York、1950に記載されている。
本発明の固体および液体組成物は、しばしば1種以上の界面活性剤を含む。界面活性剤を、非イオン性、アニオン性またはカチオン性に分類することができる。本組成物のために有用な非イオン性界面活性剤としては、限定されないが、天然および合成アルコール(分枝鎖であっても直鎖であってもよい)をベースとし、アルコールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造されるアルコールアルコキシレートのようなアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミドおよびエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化大豆油、ヒマシ油および菜種油のようなアルコキシル化トリグリセリド;オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレートおよびドデシルフェノールエトキシレート(フェノールおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物からの製造される)のようなアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドから製造されるブロックポリマーおよび末端ブロックがプロピレンオキシドから製造される逆ブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪酸エステルおよび油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から調製されるものを含む);脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ラノリンベース誘導体、ポリエトキシレートエステル、例えば、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステルおよびポリエトキシル化グリセリン脂肪酸エステル;ソルビタンエステルのような他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキドペグ(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフトまたはコームポリマーおよびスターポリマーのようなポリマー界面活性剤;ポリエチレングリコール(ペグ);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベース界面活性剤;ならびにショ糖エステル、アルキルポリグリコシドおよびアルキルポリサッカリドのような砂糖誘導体も挙げられる。
有用なアニオン性界面活性剤としては、限定されないが、アルキルアリールスルホン酸およびそれらの塩;カルボキシル化アルコールまたはアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニンおよびリグノスルホネートのようなリグニン誘導体;マレイン酸またはコハク酸またはそれらの無水物;オレフィンスルホネート;アルコールアルコキシレートのホスフェートエステル、アルキルフェノールアルコキシレートのホスフェートエステルおよびスチリルフェノールエトキシレートのホスフェートエステルのようなホスフェートエステル;タンパク質ベース界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルフェート;油および脂肪酸のスルフェートおよびスルホネート;エトキシル化アルキルフェノールのスルフェートおよびスルホネート;アルコールのスルフェート;エトキシル化アルコールのスルフェート;N,N−アルキルタルレートのようなアミンおよびアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、ならびにドデシルおよびトリデシルベンゼンのスルホネート;濃縮ナフタレンのスルホネート;ナフタレンおよびアルキルナフタレンのスルホネート;分留された石油のスルホネート;スルホスクシネート;ならびにジアルキルスルホスクシネート塩のようなスルホスクシネートおよびそれらの誘導体が挙げられる。
有用なカチオン性界面活性剤としては、限定されないが、アミドおよびエトキシル化アミド;N−アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミンおよびジプロピレンテトラアミン、ならびにエトキシル化アミン、エトキシル化ジアミンおよびおよびプロポキシル化アミン(アミンおよびエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはそれらの混合物から製造される)のようなアミン;アミンアセテートおよびジアミン塩のようなアミン塩;四級塩、エトキシル化四級塩およびジ四級塩のような四級アンモニウム塩;ならびにアルキルジメチルアミンオキシドおよびビス−(2−ヒドロキシエチル)−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシドが挙げられる。
また非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物または非イオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との混合物も本組成物のために有用である。非イオン性、アニオン性およびカチオン性界面活性剤ならびにそれらの推薦される使用については、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって発行されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions;SiselyおよびWood、Encyclopedia of Surface Active Agents、Chemical Publ.Co.,Inc.、New York、1964;ならびにA.S.DavidsonおよびB.Milwidsky、Synthetic Detergents、第7版、John Wiley and Sons、New York、1987を含む様々な公表された文献に開示される。
本発明の組成物はまた、配合補助剤として当業者に公知である配合助剤および添加剤を含有し得る。かかる製剤補助材料および添加剤は、pH(緩衝液)、加工間の発泡(ポリオルガノシロキサン(例えば、Rhodorsil(登録商標)416)のような消泡剤)、活性成分の沈殿(懸濁剤)、粘度(チキソトロピック増粘剤)、容器中の微生物の成長(抗微生物剤)、製品の冷凍(不凍液)、着色剤(染料/顔料分散剤(例えば、(Pro−lzed)(登録商標)Colorant Red))、ウォッシュオフ(フィルムフォーマーまたはステッカー)、蒸発(蒸発抑制剤)ならびに他の製剤特性を制御し得る。フィルムフォーマーとしては、例えば、ポリビニルアセテート、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが挙げられる。製剤補助材料および添加剤の例は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって発行されたMcCutcheon’s第2巻:Functional Materials,annual International and North American editions;ならびに国際公開第03/024222号パンフレットに列挙されるものが挙げられる。
成分を単純に混合することにより、乳化可能濃縮物を含む溶液を製造することができる。乳化可能な濃縮物としての使用が意図される液体組成物の溶媒が水非混合性である場合、乳化剤は、典型的に水での希釈時に活性含有溶媒を乳化するために添加される。2,000μmまでの粒径を有する活性成分スラリーはメディアミルを使用して湿式粉砕が可能であり、3μm未満の平均径を有する粒子が得られる。水性スラリーを仕上げられた懸濁液濃縮物へと製造することができ(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照のこと)、または噴霧乾燥によって水分散性顆粒へとさらに加工することができる。乾燥性座位は、通常、乾燥粉砕工程を必要とする。それによって2〜10μm範囲の平均粒径がもたらされる。ブレンドおよび通常、ハンマーミルまたは流体エネルギーミルにおいて粉砕することにより、ダストおよび粉末を製造することができる。予備形成された顆粒担体上に活性材料を噴霧することにより、または凝集技術により、顆粒およびペレットを製造することができる。Browning、「Agglomeration」、Chemical Engineering、1967年12月4日、第147〜48頁、Perry’s Chemical Engineer’s Handbook、第4版、McGraw−Hill、New York、1963、第8〜57頁以下および国際公開第91/13546号パンフレットを参照のこと。米国特許第4,172,714号明細書に記載されるようにペレットを製造することができる。米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書および独国特許第3,246,493号明細書に教示されるように水分散性および水溶性顆粒を製造することができる。米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書および米国特許第5,208,030号明細書に教示されるようにタブレットを製造することができる。英国特許第2,095,558号明細書および米国特許第3,299,566号明細書に教示されるようにフィルムを製造することができる。
製剤の分野に関するさらなる情報に関しては、T.S.Woods、Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food−Environment Challengeにおける「The Formulator’s Toolbox −Product Forms for Modern Agriculture」、T.BrooksおよびT.R.Roberts編、Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry、The Royal Society of Chemistry、Cambridge、1999、第120〜133を参照のこと。米国特許第3,235,361号明細書、第6欄、第16行〜第7欄、第19行および実施例10〜41;米国特許第3,309,192号明細書、第5欄、第43行〜第7欄、第62行および実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138〜140、162〜164、166、167および169〜182;米国特許第2,891,855号明細書、第3欄、第66行〜第5欄、第17行および実施例1〜4;Klingman、Weed Control as a Science、John Wiley and Sons,Inc、New York、1961、第81〜96頁;Hanceら、Weed Control Handbook、第8版、Blackwell Scientific Publications、Oxford、1989;ならびにDevelopments in formulation technology、PJB Publications、Richmond、UK、2000も参照のこと。
以下の実施例において、すべてのパーセンテージは重量基準であり、すべての配合物は、従来の方法で調製されている。化合物番号は、索引表A中の化合物を指す。
本発明の化合物(すなわち、式1の化合物、そのN−オキシドおよび塩)は植物病害防除剤として有用である。従って、本発明は、保護されるべき植物もしくはその一部または保護されるべき植物種子に、有効量の本発明の化合物または前記化合物を含む殺菌・殺カビ性組成物を適用する工程を含む菌類植物病原体によって引き起こされる植物病害を防除する方法をさらに含む。本発明の化合物および/または組成物は、担子菌(Basidiomycete)、子嚢菌(Ascomycete)、卵菌類(Oomycete)および不完全菌(Deuteromycete)類の広範囲の菌類植物病原体によって引き起こされる病害の防除をもたらす。それらは広範囲の植物病害、特に観葉植物、芝、野菜、圃場、穀類および果実作物の葉面病原体を防除する際に有効である。これらの病原体としては以下が挙げられる:フィトフトラ インフェスタンス(Phytophthora infestans)、フィトフトラ メガスペルマ(Phytophthora megasperma)、フィトフトラ パラシティカ(Phytophthora parasitica)、フィトフトラ シンナモニ(Phytophthora cinnamoni)、およびフィトフトラ カプシシ(Phytophthora capsici)のようなフィトフトラ(Phytophthora)病害;ピシウム アファニデルマツム(Pythium aphanidermatum)のようなピシウム(Pythium)病害;ならびにプラズモパラ ビチコーラ(Plasmopara viticola)、ペロノスポラ(Peronospora)属(ペロノスポラ タバシナ(Peronospora tabacina)およびペロノスポラ パラシティカ(Peronospora parasitica)を含む)、プソイドペロノスポラ(Pseudoperonospora)属(プソイドペロノスポラ クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)を含む)およびブレミナ ラクツカエ(Bremia lactucae)のようなツユカビ(Peronosporaceae)科の病害を含む卵菌(Oomycete);アルタナリア ソラニ(Alternaria solani)およびアルタラニア ブラッシカエ(Alternaria brassicae)のようなアルタナリア(Alternaria)病害;ガイグナルディア ビドウェル(Guignardia bidwell)のようなガイグナルディア(Guignardia)病害;ベンツリア イナエクアリス(Venturia inaequalis)のようなベンツリア(Venturia)病害;セプトリア ノドルム(Septoria nodorum)およびセプトリア トリティシ(Septoria tritici)のようなセプトリア(Septoria)病害;エリシフェ(Erysiphe)属(エリシフェ グラミニス(Erysiphe graminis)およびエリシフェ ポリゴニ(Erysiphe polygoni)を含む)、ウンシヌラ ネカツル(Uncinula necatur)、スファエロテカ フリゲナ(Sphaerotheca fuligena)およびポドスファエラ ルコトリチャ(Podosphaera leucotricha)のようなウドンコ病(powdery mildew)病害;プソイドセルコスポレラ ヘルポトリコイド(Pseudocercosporella herpotrichoides);ボトリティス シネレア(Botytis cinerea)のようなボトリティス(Botrytis)病害;モニリニア フルクティコーラ(Monilinia fructicola);スクレロティニア スクレロティロルム(Sclerotinia sclerotiorum)のようなスクレロティニア(Sclerotinia)病害;マグナポルテ グリセア(Magnaporthe grisea);ホモプシス ビティコーラ(Phomopsis viticola);ヘルミンソスポリウム トリティシ レペンティス(Helminthosporium tritici repentis)のようなヘルミンソスポリウム(Helminthosporium)病害;ピレノホラ テレス(Pyrenophora teres);グロメレラ(Glomerella)またはコレトトリチュム(Colletotrichum)属(例えばコレトトリチュム グラミニコーラ(Colletotrichum graminicola)およびコレトトリチュム オルビクラレ(Colletotrichum orbiculare))のような炭疽病(anthracnose)病害;ならびにゲーウマノミセス グラミニス(Gaeumannomyces graminis)を含む子嚢菌(Ascomycete);プッシニア(Puccinia)属(例えば、プッシニア レコンディタ(Puccinia recondita)、プッシニア ストリイフォルミス(Puccinia striiformis)、プッシニア ホルデイ(Puccinia hordei)、プッシニア グラミニス(Puccinia graminis)およびプッシニア アラキディス(Puccinia arachidis))によって引き起こされるさび(rust)病害;ヘミレイア バスタトリクス(Hemileia vastatrix);ならびにファコプソラ パチリジ(Phakopsora pachyrhizi);リゾコトニア(Rhizoctonia)属(例えば、リゾコトニア ソラニ(Rhizoctonia solani));フザリウム ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム グラミネアルム(Fusarium graminearum)、およびフザリウム オキシスポルム(Fusarium oxysporum)のようなフザリウム(Fusarium)病害;ベルティシリウム ダーリエア(Verticillium dahliae);スクレロティウム ロルフィシ(Sclerotium rolfsii);リンコスポリウム セカリス(Rynchosporium secalis);セルコスポリジウム ペルソナツム(Cercosporidium personatum)、セルコスポラ アラキディコーラ(Cercospora arachidicola)およびセルコスポラ ベティコーラ(Cercospora beticola)を含む他の病原体;ならびにこれらの病原体に密接に関連する他の属および種。それらの殺菌・殺カビ活性に加えて、組成物または組み合わせは、エルウィニア アミロボラ(Erwinia amylovora)、キサントモナス カムペストリス(Xanthomonas campestris)、プソイドモナス シリンガエ(Pseudomonas syringae)、および他の関連種のようなバクテリアに対しても活性を有する。注目すべきは、子嚢菌(Ascomycete)および卵菌(Oomycete)クラスによって引き起こされる病害にもたらされる防除である。特に注目すべきは、卵菌(Oomycete)クラスによって引き起こされる病害にもたらされる防除である。
植物病害防除は通常、感染の前または後のいずれかに、根、茎、葉、果実、種子、塊茎または球根のような保護されるべき植物の一部に、あるいは保護されるべき植物が成長している培地(土壌または砂)に、有効量の本発明の化合物を適用することによって達成される。化合物を種子に適用して種子および種子から発芽する実生を保護することもできる。また植物の治療のため、化合物を灌漑水を通して適用することもできる。
これらの化合物の適用率は多くの環境要因により影響され得、かつ実際の使用条件下で決定されなければならない。活性成分約1g/ha未満から約5,000g/haの率で処理する場合、通常、葉面を保護することができる。種子1キログラムに対して約0.1gから約10gの率で処理する場合、通常、種子および実生を保護することができる。
本発明の化合物はまた、殺菌・殺カビ剤、殺虫剤、抗線虫薬、殺菌剤、殺ダニ剤、除草剤、薬害軽減剤、昆虫脱皮阻害剤および発根促進剤などの成長調整剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激物質、植物栄養分、他の生物学的に有効な化合物または昆虫病原性バクテリア、ウイルスあるいは真菌を含む1種以上の他の生物学的に有効な化合物または薬剤と混合されて、さらに広い範囲の農学的保護をもたらす多構成成分殺虫剤を形成することが可能である。それ故、本発明はまた、殺菌・殺カビ的に有効な量の式1の化合物および生物学的に有効量の少なくとも1種の追加の生物学的に有効な化合物または薬剤を含む組成物に関連し、界面活性剤、固体希釈剤または液体希釈剤の少なくとも1種をさらに含むことが可能である。他の生物学的に有効な化合物または薬剤は、界面活性剤、固体または液体希釈剤の少なくとも1種を含む組成物に配合されることが可能である。本発明の混合物について、1種以上の他の生物学的に有効な化合物または薬剤は、式1の化合物と一緒に配合されて予混合物を形成することが可能であり、または、1種以上の他の生物学的に有効な化合物または薬剤は、式1の化合物とは個別に配合されると共に、配合物は適用の前に一緒に組み合わされるか(例えば、噴霧タンク中で)、または、代替的に、連続して適用されることが可能である。
注目すべきは、クラス(1)メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)殺菌・殺カビ剤;(2)ジカルボキサミド殺菌・殺カビ剤;(3)脱メチル化抑制剤(DMI)殺菌・殺カビ剤;(4)フェニルアミド殺菌・殺カビ剤;(5)アミン/モルホリン殺菌・殺カビ剤;(6)リン脂質生合成抑制殺菌・殺カビ剤;(7)カルボキサミド殺菌・殺カビ剤;(8)ヒドロキシ(2−アミノ−)ピリミジン殺菌・殺カビ剤;(9)アニリノピリミジン殺菌・殺カビ剤;(10)N−フェニルカルバメート殺菌・殺カビ剤;(11)キノン外部抑制(QoI)殺菌・殺カビ剤;(12)フェニルピロール殺菌・殺カビ剤;(13)キノリン殺菌・殺カビ剤;(14)脂質過酸化抑制殺菌・殺カビ剤;(15)メラニン生合成抑制剤−レダクターゼ(MBI−R)殺菌・殺カビ剤;(16)メラニン生合成抑制剤−デヒドラターゼ(MBI−D)殺菌・殺カビ剤;(17)ヒドロキシアニリド殺菌・殺カビ剤;(18)スクアレン−エポキシダーゼ抑制殺菌・殺カビ剤;(19)ポリオキシン殺菌・殺カビ剤;(20)フェニル尿素殺菌・殺カビ剤;(21)キノン内部抑制剤(QiI)殺菌・殺カビ剤;(22)ベンズアミド殺菌・殺カビ剤;(23)エノピラヌロン酸抗生物質殺菌・殺カビ剤;(24)ヘキソピラノシル抗生物質殺菌・殺カビ剤;(25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺菌・殺カビ剤;(26)グルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼおよびイノシトール生合成殺菌・殺カビ剤;(27)シアノアセタミドオキシム殺菌・殺カビ剤;(28)カルバメート殺菌・殺カビ剤;(29)酸性化リン酸化脱共役殺菌・殺カビ剤;(30)有機錫殺菌・殺カビ剤;(31)カルボン酸殺菌・殺カビ剤;(32)芳香族複素環式殺菌・殺カビ剤;(33)ホスホネート殺菌・殺カビ剤;(34)フタルアミド酸殺菌・殺カビ剤;(35)ベンゾトリアジン殺菌・殺カビ剤;(36)ベンゼン−スルホンアミド殺菌・殺カビ剤;(37)ピリダジノン殺菌・殺カビ剤;(38)チオフェン−カルボキサミド殺菌・殺カビ剤;(39)ピリミジンアミド殺菌・殺カビ剤;(40)カルボン酸アミド(CAA)殺菌・殺カビ剤;(41)テトラサイクリン抗生物質殺菌・殺カビ剤;(42)チオカルバメート殺菌・殺カビ剤;(43)ベンズアミド殺菌・殺カビ剤;(44)宿主植物防御誘起殺菌・殺カビ剤;(45)多部位接触活性殺菌・殺カビ剤;(46)クラス(1)〜(45)以外の殺菌・殺カビ剤;およびクラス(1)〜(46)の化合物の塩からなる群から選択される少なくとも1種の殺菌・殺カビ化合物を、式1の化合物に追加して含む組成物である。
殺菌・殺カビ化合物のこれらのクラスのさらなる説明が以下に提供されている。
(1)「メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード1)は、微小管会合の最中にβ−チューブリンに結合することにより有糸分裂を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送および細胞構造を撹乱することが可能である。メチルベンズイミダゾールカルバメート殺菌・殺カビ剤としては、ベンズイミダゾールおよびチオファネート殺菌・殺カビ剤が挙げられる。ベンズイミダゾールとしては、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾールおよびチアベンダゾールが挙げられる。チオファネートとしては、チオファネートおよびチオファネート−メチルが挙げられる。
(2)「ジカルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード2)は、NADHチトクロムcレダクターゼへの干渉を介して真菌における脂質過酸化を阻害すると提案されている。例としては、クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドンおよびビンクロゾリンが挙げられる。
(3)「脱メチル化抑制剤(DMI)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード3)は、ステロール産生に関与するC14−デメチラーゼを阻害する。エルゴステロールなどのステロールは、膜構造および機能のために必要であり、自身を機能性細胞壁の発達のために必須とする。従って、これらの殺菌・殺カビ剤への露出は、感受性の真菌の異常な成長および最終的には死滅をもたらす。DMI殺菌・殺カビ剤は、数々の化学的クラスに分類される:アゾール(トリアゾールおよびイミダゾールを含む)、ピリミジン、ピペラジンおよびピリジン。トリアゾールとしては、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(ジニコナゾール−Mを含む)、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾールおよびユニコナゾールが挙げられる。イミダゾールとしては、クロトリマゾール、イマザリル、オキシポコナゾール、プロクロラズ、ペフラゾエートおよびトリフルミゾールが挙げられる。ピリミジンとしては、フェナリモルおよびヌアリモルが挙げられる。ピペラジンとしてはトリホリンが挙げられる。ピリジンとしてはピリフェノックスが挙げられる。生化学的研究は、上述の殺菌・殺カビ剤のすべてが、K.H.Kuckらにより、Modern Selective Fungicides−Properties,Applications and Mechanisms of Action、H.Lyr(編)、Gustav Fischer Verlag:(New York)、1995年、205〜258ページにおいて記載されているDMI殺菌・殺カビ剤であることを示した。
(4)「フェニルアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード4)は、卵菌類(Oomycete)真菌におけるRNAポリメラーゼの特異的抑制剤である。これらの殺菌・殺カビ剤に露出された感受性の真菌は、ウリジンをrRNAに組み込む能力の低下を示す。感受性の真菌における成長および発生は、このクラスの殺菌・殺カビ剤への露出により妨げられる。フェニルアミド殺菌・殺カビ剤としては、アシルアラニン、オキサゾリジノンおよびブチロラクトン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。アシルアラニンとしては、ベナラキシル、ベナラキシル−M、フララキシル、メタラキシルおよびメタラキシル−M/メフェノキサムが挙げられる。オキサゾリジノンとしては、オキサジキシルが挙げられる。ブチロラクトンとしてはオフレースが挙げられる。
(5)「アミン/モルホリン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード5)は、ステロール生合成経路、Δ8→Δ7イソメラーゼおよびΔ14レダクターゼにおけるの2つの標的部位を
阻害する。エルゴステロールなどのステロールは、膜構造および機能のために必要であり、自身を機能性細胞壁の発達のために必須とする。従って、これらの殺菌・殺カビ剤への露出は、感受性の真菌の異常な成長および最終的には死滅をもたらす。アミン/モルホリン殺菌・殺カビ剤(非DMIステロール生合成抑制剤としても公知である)としては、モルホリン、ピペリジンおよびスピロケタール−アミン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。モルホリンとしては、アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフおよびトリモルファミドが挙げられる。ピペリジンとしては、フェンプロピジンおよびピペラリンが挙げられる。スピロケタール−アミンとしてはスピロキサミンが挙げられる。
(6)「リン脂質生合成抑制殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード6)は、リン脂質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。リン脂質生合成殺菌・殺カビ剤としては、ホスホロチオレートおよびジチオラン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。ホスホロチオレートとしては、エジフェンホス、イプロベンホスおよびピラゾホスが挙げられる。ジチオランとしてはイソプロチオランが挙げられる。
(7)「カルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード7)は、クレブス回路(TCA回路)における重要な酵素、すなわち、コハク酸塩脱水素酵素を撹乱することにより、複合体II(コハク酸塩脱水素酵素)菌類・カビ類の呼吸を阻害する。呼吸の阻害は、菌類・カビ類のATP形成を妨げ、それ故、成長および繁殖を阻害する。カルボキサミド殺菌・殺カビ剤としては、ベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾールカルボキサミドおよびピリジンカルボキサミドが挙げられる。ベンズアミドとしては、ベノダニル、フルトラニルおよびメプロニルが挙げられる。フランカルボキサミドとしては、フェンフラムが挙げられる。オキサチインカルボキサミドとしては、カルボキシンおよびオキシカルボキシンが挙げられる。チアゾールカルボキサミドとしては、チフルズアミドが挙げられる。ピラゾールカルボキサミドとしては、フラメトピル、ペンチオピラド、ビキサフェン、N−[2−(1S,2R)−[1,1’−ビシクロプロピル]−2−イルフェニル]−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドおよびN−[2−(1,3−ジメチル−ブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドが挙げられる。ピリジンカルボキサミドとしてはボスカリドが挙げられる。
(8)「ヒドロキシ(2−アミノ−)ピリミジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード8)は、アデノシンデアミナーゼに干渉することにより核酸合成を阻害する。例としては、ブピリメート、ジメチリモールおよびエチリモルが挙げられる。
(9)「アニリノピリミジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード9)は、アミノ酸メチオニンの生合成を阻害すると共に、感染の最中に植物細胞を溶解する加水分解酵素の分泌物を撹乱すると提案されている。例としては、シプロジニル、メパニピリムおよびピリメタニルが挙げられる。
(10)「N−フェニルカルバメート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード10)は、β−チューブリンに結合すると共に微小管会合を撹乱することにより有糸分裂を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送および細胞構造を撹乱することが可能である。例としてはジエトフェンカルブが挙げられる。
(11)「キノン外部抑制(QoI)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード11)は、ユビキノールオキシダーゼに作用することにより真菌における複合体IIIミトコンドリアの呼吸を阻害する。ユビキノールの酸化は、真菌の内部ミトコンドリア膜内に位置されているチトクロムbc1複合体の「キノン外部」(Qo)部位でブロックされる。ミトコンドリアの呼吸の阻害は正常な真菌の成長および発生を妨げる。キノン外部抑制殺菌・殺カビ剤(ストロビルリン殺菌・殺カビ剤としても公知である)としては、メトキシアクリレート、メトキシカルバメート、オキシイミノアセテート、オキシイミノアセタミド、オキサゾリジンジオン、ジヒドロジオキサジン、イミダゾリノンおよびベンジルカルバメート殺菌・殺カビ剤が挙げられる。メトキシアクリレートとしては、アゾキシストロビン、エネストロビン(SYP−Z071)およびピコキシストロビンが挙げられる。メトキシカルバメートとしては、ピラクロストロビンが挙げられる。オキシイミノアセテートとしては、クレソキシム−メチルおよびトリフロキシストロビンが挙げられる。オキシイミノアセタミドとしては、ジモキシストロビン、メトミノストロビン、オリザストロビン、α−[メトキシイミノ]−N−メチル−2−[[[1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−エトキシ]イミノ]メチル]ベンゼンアセトアミドおよび2−[[[3−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メチル−2−プロペン−1−イリデン]アミノ]オキシ]メチル]−α−(メトキシイミノ)−N−メチルベンゼンアセトアミドが挙げられる。オキサゾリジンジオンとしてはファモキサドンが挙げられる。ジヒドロジオキサジンとしてはフルオキサストロビンが挙げられる。イミダゾリノンとしてはフェナミドンが挙げられる。ベンジルカルバメートとしてはピリベンカルブが挙げられる。
(12)「フェニルピロール殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード12)は、真菌における浸透圧シグナル伝達系に関連するMAPタンパク質キナーゼを阻害する。フェンピクロニルおよびフルジオキソニルがこの殺菌・殺カビ剤クラスの例である。
(13)「キノリン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード13)は、初期細胞シグナリングにおけるG−タンパク質に作用することによりシグナル伝達を阻害すると提案されている。これらは、ウドンコ病の原因となる真菌における発芽および/または付着器形成に干渉すると見られている。キノキシフェンがこのクラスの殺菌・殺カビ剤の例である。
(14)「脂質過酸化抑制殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード14)は、真菌における膜合成に作用する脂質過酸化を阻害すると提案されている。エトリジアゾールなどのこのクラスの構成要素はまた、呼吸およびメラニン生合成などの他の生物学的プロセスにも作用し得る。脂質過酸化殺菌・殺カビ剤としては、芳香族炭素および1,2,4−チアジアゾール殺菌・殺カビ剤が挙げられる。芳香族炭素殺菌・殺カビ剤としては、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼンおよびトルクロホス−メチルが挙げられる。1,2,4−チアジアゾール殺菌・殺カビ剤としてはエトリジアゾールが挙げられる。
(15)「メラニン生合成抑制剤−レダクターゼ(MBI−R)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード16.1)は、メラニン生合成におけるナフタレン還元ステップを阻害する。メラニンは、ある種の真菌によって宿主植物感染のために必要とされる。メラニン生合成抑制剤−レダクターゼ殺菌・殺カビ剤としては、イソベンゾフラノン、ピロロキノリノンおよびトリアゾロベンゾチアゾール殺菌・殺カビ剤が挙げられる。イソベンゾフラノンとしてはフサライドが挙げられる。ピロロキノリノンとしてはピロキロンが挙げられる。トリアゾロベンゾチアゾールとしてはトリシクラゾールが挙げられる。
(16)「メラニン生合成抑制剤−デヒドラターゼ(MBI−D)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード16.2)は、メラニン生合成におけるシタロンデヒドラターゼを阻害する。メラニンは、ある種の真菌によって宿主植物感染のために必要とされる。メラニン生合成抑制剤−デヒドラターゼ殺菌・殺カビ剤としては、シクロプロパンカルボキサミド、カルボキサミドおよびプロピオンアミド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。シクロプロパンカルボキサミドとしてはカルプロパミドが挙げられる。カルボキサミドとしてはジクロシメトが挙げられる。プロピオンアミドとしてはフェノキサニルが挙げられる。
(17)「ヒドロキシアニリド殺菌・殺カビ剤(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード17)は、ステロール産生に関与するC4−デメチラーゼを阻害する。例としてはフェンヘキサミドが挙げられる。
(18)「スクアレン−エポキシダーゼ抑制殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード18)は、エルゴステロール生合成経路におけるスクアレン−エポキシダーゼを阻害する。エルゴステロールなどのステロールは、膜構造および機能のために必要であり、自身を機能性細胞壁の発達のために必須とする。従ってこれらの殺菌・殺カビ剤への露出は、感受性の真菌の異常な成長および最終的には死滅をもたらす。スクアレン−エポキシダーゼ抑制殺菌・殺カビ剤としては、チオカルバメートおよびアリルアミン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。チオカルバメートとしてはピリブチカルブが挙げられる。アリルアミンとしては、ナフチフィンおよびテルビナフィンが挙げられる。
(19)「ポリオキシン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード19)はキチンシンターゼを阻害する。例としては、ポリオキシンが挙げられる。
(20)「フェニル尿素殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード20)は、細胞分裂に作用すると提案されている。例としては、ペンシクロンが挙げられる。
(21)「キノン内部抑制剤(QiI)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード21)は、ユビキノールレダクターゼに作用することにより真菌における複合体IIIミトコンドリアの呼吸を阻害する。ユビキノールの還元は、真菌の内部ミトコンドリア膜内に位置されているチトクロムbc1複合体の「キノン内部」(Qi)部位でブロックされる。ミトコンドリアの呼吸の阻害は正常な真菌の成長および発生を妨げる。キノン内部抑制殺菌・殺カビ剤としては、シアノイミダゾールおよびスルファモイルトリアゾール殺菌・殺カビ剤が挙げられる。シアノイミダゾールとしてはシアゾファミドが挙げられる。スルファモイルトリアゾールとしてはアミスルブロムが挙げられる。
(22)「ベンズアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード22)は、β−チューブリンに結合すると共に微小管会合を撹乱することにより有糸分裂を阻害する。微小管会合の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送および細胞構造を撹乱することが可能である。例としてはゾキサミドが挙げられる。
(23)「エノピラヌロン酸抗生物質殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード23)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、ブラストサイジン−Sが挙げられる。
(24)「ヘキソピラノシル抗生物質殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード24)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、カスガマイシンが挙げられる。
(25)「グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード25)は、タンパク質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、ストレプトマイシンが挙げられる。
(26)「グルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼおよびイノシトール生合成殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード26)は、イノシトール生合成経路におけるトレハラーゼを阻害する。例としては、バリダマイシンが挙げられる。
(27)「シアノアセタミドオキシム殺菌・殺カビ剤(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード27)としては、シモキサニルが挙げられる。
(28)「カルバメート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード28)は、真菌の成長の多部位抑制剤であるとみなされる。これらは、細胞膜における脂肪酸の合成に干渉し、次いで、細胞膜浸透性を撹乱すると提案されている。プロパマカルブ、塩酸プロパマカルブ、ヨードカルブ、およびプロチオカルブがこの殺菌・殺カビ剤クラスの例である。
(29)「酸性化リン酸化脱共役殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード29)は、脱共役酸化性リン酸化により真菌の呼吸を阻害する。呼吸の阻害は正常な真菌の成長および発生を妨げる。このクラスとしては、フルアジナムなどの2,6−ジニトロアニリン、フェリムゾンなどのピリミドンヒドラダゾン、ならびに、ジノカップ、メプチルジノカップおよびビナパクリルなどのクロトン酸ジニトロフェニルが挙げられる。
(30)「有機錫殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード30)は、酸化性リン酸化経路におけるアデノシン三リン酸(ATP)シンターゼを阻害する。例としては、フェンチンアセテート、塩化フェンチンおよびフェンチンヒドロキシドが挙げられる。
(31)「カルボン酸殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance
Action Committee(FRAC)コード31)は、デオキシリボ核酸(DNA)トポイソメラーゼタイプII(ギラーゼ)に作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、オキソリン酸が挙げられる。
(32)「芳香族複素環式殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード32)は、DNA/リボ核酸(RNA)合成に作用すると提案されている。芳香族複素環式殺菌・殺カビ剤としては、イソオキサゾールおよびイソチアゾロン殺菌・殺カビ剤が挙げられる。イソキサゾールとしてはヒメキサゾールが挙げられ、およびイソチアゾロンとしてはオクチリノンが挙げられる。
(33)「ホスホネート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード33)としては、亜リン酸およびホセチル−アルミニウムを含むその種々の塩が挙げられる。
(34)「フタルアミド酸殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード34)としては、テクロフタラムが挙げられる。
(35)「ベンゾトリアジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード35)としては、トリアゾキシドが挙げられる。
(36)「ベンゼン−スルホンアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード36)としては、フルスルファミドが挙げられる。
(37)「ピリダジノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード37)としては、ジクロメジンが挙げられる。
(38)「チオフェン−カルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード38)は、ATP産生に作用すると提案されている。例としては、シルチオファムが挙げられる。
(39)「ピリミジンアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード39)は、リン脂質生合成に作用することにより真菌の成長を阻害すると共に、ジフルメトリムを含む。
(40)「カルボン酸アミド(CAA)殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード40)は、リン脂質生合成および細胞壁沈着を阻害すると提案されている。これらのプロセスの阻害は、成長を妨げて、目標真菌類に死をもたらす。カルボン酸アミド殺菌・殺カビ剤としては、桂皮酸アミド、バリンアミドカルバメートおよびマンデル酸アミド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。桂皮酸アミドとしては、ジメトモルフおよびフルモルフが挙げられる。バリンアミドカルバメートとしては、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、イプロバリカルブおよびバリフェナル(valiphenal)が挙げられる。マンデル酸アミドとしては、マンジプロバミド、N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドおよびN−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドが挙げられる。
(41)「テトラサイクリン抗生物質殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード41)は、複合体1ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)オキシドレダクターゼに作用することにより真菌の成長を阻害する。例としては、オキシテトラサイクリンが挙げられる。
(42)「チオカルバメート殺菌・殺カビ剤(b42)」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード42)としては、メタスルホカルブが挙げられる。
(43)「ベンズアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コード43)は、スペクトリン様タンパク質の非局在化により真菌の成長を阻害する。例としては、フルオピコリドおよびフルオピラム(fluopyram)などのアシルピコリド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。
(44)「宿主植物防御誘起殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードP)は、宿主植物防御メカニズムを誘起する。宿主植物防御誘起殺菌・殺カビ剤としては、ベンゾ−チアジアゾール、ベンズイソチアゾールおよびチアジアゾール−カルボキサミド殺菌・殺カビ剤が挙げられる。ベンゾ−チアジアゾールとしてはアシベンゾラー−S−メチルが挙げられる。ベンズイソチアゾールとしてはプロベナゾールが挙げられる。チアジアゾール−カルボキサミドとしては、チアジニルおよびイソチアニルが挙げられる。
(45)「多部位接触殺菌・殺カビ剤」は、多数の作用部位を介して真菌の成長を阻害すると共に、接触/予防活性を有する。このクラスの殺菌・殺カビ剤としては:(45.1)「銅殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM1)」、(45.2)「硫黄殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM2)、(45.3)「ジチオカルバメート殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM3)、(45.4)「フタルイミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM4)、(45.5)「クロロニトリル殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM5)、(45.6)「スルファミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM6)、(45.7)「グアニジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM7)、(45.8)「トリアジン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM8)および(45.9)「キノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードM9)が挙げられる。「銅殺菌・殺カビ剤」は、銅を、典型的には銅(II)酸化状態で含有する無機化合物であり;例としては、酸塩化銅、硫酸銅および水酸化銅が挙げられ、ボルドー液(三塩基硫酸銅)などの組成物が含まれる。「硫黄殺菌・殺カビ剤」は、硫黄原子の環または鎖を含有する無機化学物質であり;例としては、元素硫黄が挙げられる。「ジチオカルバメート殺菌・殺カビ剤」は、ジチオカルバメート分子部分を含有し;例としては、マンコゼブ、メチラム、プロピネブ、フェルバム、マネブ、チラム、ジネブおよびジラムが挙げられる。「フタルイミド殺菌・殺カビ剤」はフタルイミド分子部分を含有し;例としては、ホルペット、カプタンおよびカプタホールが挙げられる。「クロロニトリル殺菌・殺カビ剤」はクロロおよびシアノで置換された芳香族環を含有し;例としては、クロロタロニルが挙げられる。「スルファミド殺菌・殺カビ剤」としては、ジクロフルアニドおよびトリフルアニドが挙げられる。「グアニジン殺菌・殺カビ剤」としては、ドジン、キアザチン、イミノクタジンアルベシレートおよびイミノクタジントリアセテートが挙げられる。
「トリアジン殺菌・殺カビ剤」としてはアニラジンが挙げられる。「キノン殺菌・殺カビ剤」としてはジチアノンが挙げられる。
(46)「クラス(1)〜(45)の殺菌・殺カビ剤以外の殺菌・殺カビ剤」は、作用モードが未知であり得る一定の殺菌・殺カビ剤を含む。これらとしては:(46.1)「チアゾールカルボキサミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU5)、(46.2)「フェニル−アセトアミド殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU6)、(46.3)「キナゾリノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU7)および(46.4)「ベンゾフェノン殺菌・殺カビ剤」(Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)コードU8)が挙げられる。チアゾールカルボキサミドとしてはエタボキサムが挙げられる。フェニル−アセタミドとしては、シフルフェナミドおよびN−[[(シクロプロピルメトキシ)アミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]−メチレン]ベンゼンアセトアミドが挙げられる。キナゾリノンとしては、プロキンアジドおよび2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−4H−1−ベンゾピラン−4−オンが挙げられる。ベンゾフェノンとしてはメトラフェノンが挙げられる。(b46)クラスとしてはまた、ベトキサジン、ネオアソジン(メタアルソン酸第二鉄(ferric methanearsonate))、ピロールニトリン、キノメチオネート、N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシ−フェニル]−エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N−[2−[4−[[3−(4−クロロ−フェニル)−2−プロピン−1−イル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(エチル−スルホニル)−アミノ]−ブタンアミド、2−[[2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−2−[3−(2−メトキシフェニル)−2−チアゾリジニリデン]アセトニトリル、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチル−3−イソキサゾリジニル]ピリジン、4−フルオロ−フェニルN−[1−[[[1−(4−シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート、5−クロロ−6−(2,4,6−トリフルオロ−フェニル)−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、N−[[(シクロプロピル−メトキシ)−アミノ]−[6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチレン]ベンゼンアセトアミド、N’−[4−[4−クロロ−3−(トリフルオロ−メチル)フェノキシ]−2,5−ジメチルフェニル]−N−エチル−N−メチル−メタンイミド−アミドおよび1−[(2−プロペニルチオ)カルボニル]−2−(1−メチルエチル)−4−(2−メチルフェニル)−5−アミノ−1H−ピラゾール−3−オンが挙げられる。
従って、注目すべきは、式1の化合物および既述のクラス(1)〜(46)からなる群から選択される少なくとも1種の殺菌・殺カビ化合物を含む混合物(すなわち、組成物)である。また、注目すべきは、前記混合物(殺菌・殺カビ的に有効な量で)を含むと共に、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の構成成分をさらに含む組成物である。特に注目すべきは、式1の化合物およびクラス(1)〜(46)と関連して上記に列挙されている特定の化合物の群から選択される少なくとも1種の殺菌・殺カビ化合物を含む混合物(すなわち、組成物)である。また、特に注目すべきは、前記混合物(殺菌・殺カビ的に有効な量で)を含むと共に、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の界面活性剤をさらに含む組成物である。
本発明の化合物と配合されることが可能である他の生物学的に有効な化合物または薬剤の例は:アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アセトプロール、アルジカルブ、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス−メチル、ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ブプロフェジン、カルボフラン、カルタプ、キノメチオナト、クロルフェナピル、クロルクフルアズロン、クロルアントラニリプロール、3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[[(1−メチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−クロロ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[(メチルアミノ)カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−クロロ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[[(1−メチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロロベンジラート、クロマフェノジド、クロチアニジン、シフルメトフェン、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、γーシハロトリン、λーシハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジコホル、ジエルドリン、ジエノクロル、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトキサゾール、フェナミホス、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、τーフルバリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、ホノホス、ハロフェノジド、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、イミシアホス、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノクロトホス、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンビュート、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピリジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルプロオス、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタプ−ナトリウム、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザマト、トリクロルホン、トリフルムロンなどの殺虫剤;ならびに、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis subsp.)アイザワイ(aizawai)、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis subsp.)クルスターキ(kurstaki)、および、バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の被包性デルタエンドトキシン(例えば、Cellcap、MPV、MPVII)などの昆虫病原性バクテリア;グリーンムスカリン菌などの昆虫病原性菌;ならびに、バキュロウイルスおよびHzNPV、AfNPVなどの核多角体ウイルス(NPV);およびCpGVなどの顆粒病ウイルス(GV)を含む昆虫病原性ウイルスを含む生物剤である。
本発明の化合物およびその組成物を、有害無脊椎生物に対するタンパク質毒性(バチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシンなど)を発現するように遺伝的に形質転換された植物に適用することができる。外因的に適用された本発明の殺菌・殺カビ性化合物の効果は、発現された毒素タンパク質
と相乗的であり得る。
農学的保護剤(すなわち殺虫剤、殺真菌剤、抗線虫薬、殺ダニ剤、除草剤および生物学的薬剤)に関する一般的な文献としては、The Pesticide Manual、第13版、C.D.S.Tomlin編、British Crop Protection Council(Farnham,Surrey、U.K.)、2003年およびThe BioPesticide Manual、第2版、L.G.Copping編、British Crop Protection Council(Farnham,Surrey、U.K.)、2001年が挙げられる。
これらの種々の混合パートナーの1種以上が用いられる実施形態については、これらの種々の混合パートナー(合計)対式1の化合物(または、そのN−オキシドもしくは塩)の重量比は、典型的には約1:3000〜約3000:1である。注目すべきは、約1:300〜約300:1の重量比(例えば、約1:30〜約30:1の比)である。当業者は、簡単な実験を通して、所望の範囲の生物学的活性に必要とされる有効な処方成分の生物学的有効量を容易に判定することが可能である。これらの追加の構成成分を含むことで、式1の化合物単独によって防除される病害の範囲を超えて、防除される病害の範囲が拡大され得ることは明らかであろう。
一定の事例において、本発明の化合物と、他の生物学的に有効な(特に殺菌・殺カビ性)化合物または薬剤(すなわち、有効成分)との組み合わせは、添加剤を超える(すなわち、相乗的)効果をもたらすことが可能である。有効な有害生物防除を確実としながら、環境中に放出される有効成分の量を低減させることが常に望ましい。農業経済学的に十分なレベルの真菌防除をもたらす施用量で殺菌・殺カビ性有効成分の相乗作用がもたらされれば、このような組み合わせは、作物生産コストの削減および環境的負荷の軽減に有利である可能性がある。
注目すべきは、式1の化合物(または、そのN−オキシドもしくは塩)と、少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ性有効成分との組み合わせである。特に注目すべきは、他の殺菌・殺カビ性有効成分が式1の化合物とは異なる作用部位を有するような組み合わせである。一定の事例において、同様の防除範囲を有するが異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の殺菌・殺カビ性有効成分との組み合わせが、耐性管理に関して特に有利であろう。従って、本発明の組成物は、同様の防除範囲を有するが異なる作用部位を有する少なくとも1種の追加の殺菌・殺カビ性有効成分を生物学的に有効量でさらに含むことが可能である。
注目すべきは、卵菌(Oomycete)菌類・カビ類植物病原体によって引き起こされる植物病害が防除される、これらの方法である。
以下のテストは、特定の病原体に対する本発明の化合物の防除効力を実証する。しかしながら、化合物によってもたらされる病原体防除保護はこれらの種に限定されない。化合物の説明については索引表AおよびBを参照のこと。略記「Ex.」は「実施例」を指すと共に、どの実施例において化合物が調製されているかを示す数字が続く。索引表AおよびBは、大気圧化学イオン化(AP+)を用いる質量分光測定によって観察される、H+(1の分子量)の分子への添加により形成される最も高い同位体存在度親イオン(M+1)の分子量を列挙する。索引表AおよびB中の基GGは、発明の概要において定義されているとおり、GA、GNまたはGPのいずれかであることが可能である。波線は、J環(イソオキサゾリン)に対するQZ3GG基の各々の結合点を示す。Z2は直接結合であり、従って、Qとイソオキサゾリン環との間の線として示されている。
本発明の生物学的実施例
テストA〜C用のテスト懸濁液を調製するための一般的なプロトコル:テスト化合物を、先ず、最終体積の3%に等しい量でアセトンに溶解させ、次いで、所望の濃度(ppm)で、250ppmの界面活性剤Trem(登録商標)014(多価アルコールエステル)を含有するアセトンおよび精製水(50/50体積混合比)中に懸濁させた。次いで、得られたテスト懸濁液をテストA〜Cにおいて用いた。40ppmテスト懸濁液のテスト植物への流出点までの吹付けは100g/haの量に等しかった。
テストA
ブドウ苗にプラズモパラ ビチコーラ(Plasmopara viticola)(ブドウべと病の病因)の胞子懸濁液を播種すると共に、飽和雰囲気中において20℃で24時間インキュベートした。短時間の乾燥時間の後、テスト懸濁液をブドウ苗に流出点まで噴霧し、次いで、これを20℃のグロースチャンバに5日間移し、その後、ブドウ苗を20℃の飽和雰囲気中に24時間戻した。取り出した後、目視による病害評価を行った。
テストB
テスト懸濁液をトマト苗木に流出点まで噴霧した。次の日に、この苗木に、ジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)(トマト疫病の病因)の胞子懸濁液を播種し、飽和大気中に20℃で24時間インキュベートし、次いで、20℃のグロースチャンバに5日間移し、その後、目視による病害評価を行った。
テストC
トマト苗にフィトフトラ インフェスタンス(Phytophthora infestans)(トマト疫病の病因)の胞子懸濁液を播種すると共に、飽和雰囲気中において20℃で17時間インキュベートした。短時間の乾燥時間の後、テスト懸濁液をトマト苗に流出点まで噴霧し、次いで、これを20℃のグロースチャンバに4日間移し、その後、目視による病害評価を行った。
テストA〜Cに追加して、処理から24時間後にアルタナリア ソラニ(Alternaria solani)を播種したトマト植物、および、処理から24時間後にエリシフェ グラミニス(Erysiphe graminis f.sp. tritici)を播種したコムギ植物にも化合物を噴霧した。テスト化合物は、テストした施用量では、テスト条件下でこれらの追加の病原体に対して顕著な活性を示さなかった。
テストA〜Cに対する結果が表Aに示されている。この表においては、100の評価は100%病害防除を示すと共に、0の評価は病害防除がなかった(対照と相対的に)ことを示す。